JP4952912B2 - 焼結体の製造方法 - Google Patents
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また、医療用鉗子には高強度が求められる。しかし、平均粒径10μm程度の粉末を用いた場合、1300℃以上でないと高密度の焼結体が得られないが、焼結温度を1300℃以上とした場合、結晶粒子径が大きくなり焼結強度が低下するため、所望する設計強度が得られないという問題があった。
しかし、バインダの量を多くすると、成形は可能となったものの、成形後の脱脂(バインダを除去する工程)時に膨れが発生したり、そり曲がり等の変形が発生しやすくなるという問題が生じた。
前記金属粉末が、平均粒径1〜6μmの粉末であって、ステンレス合金粉末、チタン合金粉末、及び/又は焼結によりステンレス合金もしくはチタン合金を形成する合金前駆体粉末、から選択され、
前記成形材料中の前記有機バインダの割合が、前記成形材料全量の40〜50体積%であり、
前記脱脂・焼結工程において、焼結最高温度が900〜1200℃であり、温度帯100〜400℃における昇温速度が100℃/hr以下であり、温度帯600〜800℃における昇温速度が200℃/hr以下である
ことを特徴とする方法である。
また、温度帯100℃以上400℃以下における昇温速度を、100℃/hr以下とすることにより、そりや膨れなどの変形を防ぐことができる。
さらに、平均粒径1μm以上6μm以下の金属粉末を用いることにより、焼結性を著しく向上させることができ、従来1300℃以上の融点近傍で焼結しなければならなかった製品を900℃以上1200℃以下の温度で焼結密度95%以上と緻密化することができる。焼結最高温度を100℃以上低くできることにより、焼結時の変形や結晶粒子径の成長を抑制することができる。
さらにまた、温度帯600℃以上800℃以下における昇温速度を200℃/hr以下とすることにより、焼結体中のカーボン残留値を低減させることができ、焼結体の硬度及び/又は強度を高めることができる。
例えば、ステンレス合金であれば、鉄粉末にニッケル粉末、クロム粉末を所望する焼結合金組成に合わせて配合し、混練、成形、脱脂、焼結することで、ステンレス合金焼結体を得ることができる。同様にチタン合金であれば、例えば純チタン粉末にアルミバナジウム粉末を所望する焼結合金組成に合わせて配合することにより、チタンアルミバナジウム合金焼結体を得ることができる。
チタン合金焼結体を製造するためには、純チタン以外にAl, V, Nb, Sn, Zr, Fe, Mo, Crを適宜添加すればよい。耐食性、硬度、強度の面からTi-Al-V合金、Ti-Nb合金が特に望ましい。
また、上記ステンレス材料、並びにチタン材料に対して他の金属材料、セラミックス材料を添加してさらに硬度を高めることも可能である。
本発明において、より好ましい金属粉末は、平均粒径2μm以上6μm以下の粉末であり、特に好ましくは平均粒径2μm以上4μm以下の粉末である。
熱可塑性樹脂は成形後の保形性を高める効果がある。熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアセタール、エチレン酢酸ビニル、ポリビニルブチラール等を挙げることができる。ワックスには成形時の流動性を高め、脱脂時の熱分解を容易にする効果がある。ワックスの例としては、パラフィンワックス、カルナバワックス、エステルワックス等を挙げることができる。可塑剤には成形時の温度を下げる働きと柔軟性付与の役割がある。可塑剤の例として、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸系化合物を挙げることができる。潤滑剤には成形時の流動性を促進する働きがある。潤滑剤の例として、ステアリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸等の脂肪酸エステル化合物を挙げることができる。
600〜800℃の間を3時間かけて昇温すれば(約65℃/hr)、カーボン残留値を0.05%以下にすることが可能となる。特にこの工程を水素雰囲気下、真空下で行えば、カーボン残留値を効果的に低減することができる。
焼結体の表面粗度に関しては、焼結後の平均面粗さがRaで1μm以下(JIS B0601で規定される測定において)であることが望ましい。特に好ましくは0.5μm以下である。
さらに、図1の焼結体はハサミ形状の鉗子であるが、射出成形により所望する形状に変更することが容易であるため、ハサミの先の角度を任意に変えることや、刃先に滑り止めとなる鋸歯形状を設けることも可能である。また、本発明の焼結体は、表面粗さがRaで1μm以下であるため、前記ハサミ後部を金属製ワイヤで操作することにより、図1に示す非常に小さな形状の鉗子であっても容易に操作することができる。
焼結条件に関しては最高温度で2時間保持して行った。ステンレス系材料は焼結にアルゴンガスを用いて行った。チタン系材料は焼結を高真空下(1×10-2pa)で行った。また、500℃から焼結最高温度までの昇温速度は100℃/hrで行った。
有機バインダを40〜50体積%(特に45〜50体積%)含有する成形材料(金属粉末+有機バインダ)を脱脂した場合、膨れや、そり曲がりの変形が発生しやすかった。そのため、脱脂パターンについて検討を行った結果、100℃〜400℃の昇温速度を調節することにより、脱脂時の変形を防ぐことに成功した。
100℃から400℃の間を1時間あたり10〜200℃の速度で昇温した結果、100℃/hrよりも早い速度で昇温した場合にはそり変形、膨れが発生しやすかった。
上記脱脂工程を経た後も少量のバインダが残存するが、平均粒子径6μm以下の粉末を用いた場合は焼結開始温度が800℃以下となるため、残存するバインダが焼結開始温度までに完全に除去されず、焼結後の密度が十分に向上しなかった。そのため、焼結パターンについて検討を行った結果、600℃〜800℃の昇温速度を調節することにより、焼結密度を向上させることに成功した。
平均粒径10μm未満の各サイズの金属粉末を用いて、図1に示す鉗子の成形、脱脂、焼結を試み、最適な粒径を検討した。
粒子径が1μmよりも小さくなった場合には、添加するバインダ量が体積比で50体積%を超えることで、焼結後の残留炭素量が多くなるため、チタンの場合には脆くなり、ステンレスの場合にも残留炭素が多くなるため、焼結後の焼き入れ工程で硬度がでなかった。粉末の粒子径(平均粒子径)1μm以上であれば残留炭素が軽減され、求める特性を得ることが出来た。特に平均粒子径2μm以上の粉末を用いた場合、求める特性が得やすかった。
他方、平均粒子径7μm以上の場合は表面粗さがRaで1μmを超えた。平均粒子径が6μmを上回る場合は、焼結最高温度1200℃以下での焼結密度が95%未満であった。
なお、平均粒子径10μm以上の場合は、金型への充填が困難であった。
2 把持部材2
3 外装パイプ
Claims (7)
- 肉厚1mm以下の薄肉部を有する焼結体を製造するための方法であって、金属粉末と有機バインダを含有する成形材料を射出成形して成形体を得る工程と、前記成形体を脱脂・焼結して焼結体を得る脱脂・焼結工程とを有し、
前記金属粉末が、平均粒径1〜6μmの粉末であって、ステンレス合金粉末、チタン合金粉末、及び/又は焼結によりステンレス合金もしくはチタン合金を形成する合金前駆体粉末、から選択され、
前記成形材料中の前記有機バインダの割合が、前記成形材料全量の40〜50体積%であり、
前記脱脂・焼結工程において、焼結最高温度が900〜1200℃であり、温度帯100〜400℃における昇温速度が100℃/hr以下であり、温度帯600〜800℃における昇温速度が200℃/hr以下である
ことを特徴とする方法。 - 前記金属粉末が、Ti−Al−V合金粉末、及び/又は焼結によりTi−Al−V合金を形成する合金前駆体粉末、から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
- 前記金属粉末が、ステンレス合金粉末、及び/又は焼結によりステンレス合金を形成する合金前駆体粉末、から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
- 温度帯600〜800℃における昇温が、水素雰囲気下あるいは真空下で行われることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記脱脂・焼結工程を同一炉内若しくは連続炉内で行うことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記金属粉末の平均粒径が2〜4μmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 焼結密度が95%以上、焼結後の平均面粗さがRaで1μm以下、ビッカース硬度が200〜600HV、引張強度が800MPa以上の焼結体を製造することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
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