JP2013170114A - 封着材料層付きガラス基板及びそれを用いたガラスパッケージ - Google Patents

封着材料層付きガラス基板及びそれを用いたガラスパッケージ Download PDF

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Abstract

【課題】ガラス基板の熱膨張係数が高くても、レーザー封着の精度を高め得る封着材料層付きガラス基板を提供する。
【解決手段】ガラス基板上に封着材料層を備える封着材料層付きガラス基板において、ガラス基板の熱膨張係数が、30〜380℃の温度範囲において70×10−7/℃以上であり、封着材料層が、封着材料の焼結体であり、封着材料が、55〜95体積%のビスマス系ガラスと5〜45体積%の耐火性フィラーとを含み、且つレーザー封着に用いることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、レーザーによる封着処理(以下、レーザー封着)に好適な封着材料層付きガラス基板及びそれを用いたガラスパッケージに関する。
近年、色素増感型太陽電池、薄膜太陽電池等の非シリコン型太陽電池が開発されている。
色素増感型太陽電池は、透明導電膜が形成されたガラス基板と、このガラス基板に形成された多孔質酸化物半導体層(主にTiO層)からなる多孔質酸化物半導体電極と、その多孔質酸化物半導体電極に吸着されたRu色素等の色素と、ヨウ素を含むヨウ素電解液と、触媒膜と透明導電膜が形成されたガラス基板等により構成される。
薄膜太陽電池、例えばCIGS系太陽電池では、Cu、In、Ga、Seからなるカルコパイライト型化合物半導体、Cu(InGa)Seが光電変換膜としてガラス基板上に形成される。
これらの非シリコン型太陽電池は、一対のガラス基板に挟まれた構造を有しており、ガラス基板として、アルカリ金属酸化物を含むガラス基板が用いられる。
特開2008−166197号公報
非シリコン型太陽電池の構成部材(素子等)は、水分等により特性が劣化する。このため、ガラス基板の外周縁部を気密封着することが好ましい。封着材料として、ガラス粉末と耐火性フィラーを含む複合粉末材料が有望である。しかし、気密封着に際し、封着材料が軟化流動する温度領域まで熱処理すると、非シリコン型太陽電池の素子等の特性が劣化する虞がある。
そこで、近年、ガラス基板を封着する方法として、レーザー封着が検討されている。レーザー封着によれば、封着すべき部分のみを局所加熱できるため、素子等の熱劣化を防止した上で、ガラス基板を封着することができる。
上記の通り、非シリコン型太陽電池に用いるガラス基板は、アルカリ金属酸化物を含むため、熱膨張係数が比較的高い。そして、レーザー封着の精度(成功率)は、ガラス基板の熱膨張係数と密接に関係しており、ガラス基板の熱膨張係数が高い程、レーザー封着の精度が低下し易くなる。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであり、その技術的課題は、ガラス基板の熱膨張係数が高くても、レーザー封着の精度を高め得る封着材料層付きガラス基板を創案することにより、非シリコン型太陽電池等の信頼性を確保することである。
本発明者等は、鋭意検討の結果、ビスマス系ガラスと耐火性フィラーを含む複合粉末材料(封着材料)をガラス基板上で焼結させて、封着材料層を得ると共に、ビスマス系ガラスと耐火性フィラーの混合割合を所定範囲に規制することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として、提案するものである。すなわち、本発明の封着材料層付きガラス基板は、ガラス基板上に封着材料層を備える封着材料層付きガラス基板において、ガラス基板の熱膨張係数が、30〜380℃の温度範囲において70×10−7/℃以上であり、封着材料層が、封着材料の焼結体であり、封着材料が、55〜95体積%のビスマス系ガラスと5〜45体積%の耐火性フィラーとを含み、且つレーザー封着に用いることを特徴とする。ここで、「熱膨張係数」は、押棒式熱膨張係数測定(TMA)装置で測定した値を指す。
本発明の封着材料層付きガラス基板は、ガラス基板の熱膨張係数が、30〜380℃の温度範囲において70×10−7/℃以上である。このようにすれば、ガラス基板中のアルカリ金属酸化物の添加許容量が増加すると共に、非シリコン型太陽電池の構成部材(各種機能膜等)の熱膨張係数に整合し易くなる。なお、ガラス基板中のアルカリ金属酸化物の含有量が多いと、溶融性や成形性が向上して、ガラス基板の製造コストを低廉化し易くなる。
本発明の封着材料層付きガラス基板は、封着材料層が封着材料の焼結体で構成される。このようにすれば、封着材料層の表面平滑性を高めつつ、封着材料層の平均厚みを小さくすることが可能になり、結果として、レーザー封着の精度を高め易くなる。
本発明の封着材料層付きガラス基板は、封着材料がビスマス系ガラスを含む。ビスマス系ガラスは、熱膨張係数が適正範囲(例えば、90〜120×10−7/℃)である。このため、耐火性フィラーを過剰に添加しなくても、ガラス基板の熱膨張係数に整合させることができる。更に、ビスマス系ガラスは、低融点であるが、熱的安定性が高い。このため、レーザー封着時に良好に軟化流動し、レーザー封着の精度を高めることができる。
本発明の封着材料層付きガラス基板は、封着材料が55〜95体積%のビスマス系ガラスと5〜45体積%の耐火性フィラーとを含む。このようにすれば、封着材料層(或いは封着材料)の軟化流動性を確保しつつ、ガラス基板と封着材料層の熱膨張係数を整合させ易くなり、結果として、レーザー封着の精度を高めることができる。また、このようにすれば、封着材料層の機械的強度を高めることができる。
レーザー封着には、種々のレーザーを使用することができる。特に、半導体レーザー、YAGレーザー、COレーザー、エキシマレーザー、赤外レーザー等は、取扱いが容易な点で好ましい。
第二に、本発明の封着材料層付きガラス基板は、ビスマス系ガラスが、ガラス組成として、遷移金属酸化物を0.5質量%以上含むことが好ましい。このようにすれば、封着材料層の光吸収特性が向上する。
第三に、本発明の封着材料層付きガラス基板は、封着材料層の平均厚みが10μm未満であることが好ましい。このようにすれば、レーザー封着後に封着部分やガラス基板の残留応力を低減することができる。結果として、ガラス基板の熱膨張係数が高くても、封着部分やガラス基板のクラック等を防止し易くなる。「封着材料層の平均厚み」は、例えば非接触型レーザー膜厚計で測定することができる。
第四に、本発明の封着材料層付きガラス基板は、ビスマス系ガラスが、ガラス組成として、質量%で、Bi 67〜87%、B 2〜12%、ZnO 1〜20%、CuO+Fe 0.5〜15%を含有することが好ましい。このようにすれば、ビスマス系ガラスの熱的安定性を確保した上で、低温でレーザー封着を行うことが可能になる。ここで、「CuO+Fe」は、CuOとFeの合量である。
第五に、本発明の封着材料層付きガラス基板は、封着材料層とガラス基板の熱膨張係数の差が、15×10−7/℃未満であることが好ましい。このようにすれば、レーザー封着後に封着部分やガラス基板の残留応力を低減することができる。結果として、封着部分やガラス基板のクラック等を防止し易くなる。
第六に、本発明の封着材料層付きガラス基板は、ガラス基板の板厚が0.7mm以上2.8mm未満であることが好ましい。
第七に、本発明の封着材料層付きガラス基板は、ガラス基板が、ガラス組成として、NaOを1質量%以上含むことが好ましい。
第八に、本発明の封着材料層付きガラス基板は、耐火性フィラーの平均粒径D50が2μm未満であることが好ましい。このようにすれば、封着材料層の表面平滑性が向上して、レーザー封着の精度を高めることができる。ここで、「平均粒径D50」は、レーザー回折法で測定した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して50%である粒径を表す。
第九に、本発明の封着材料層付きガラス基板は、耐火性フィラーの最大粒径D99が5μm未満であることが好ましい。このようにすれば、封着材料層の表面平滑性が向上して、レーザー封着の精度を高めることができる。ここで、「最大粒径D99」は、レーザー回折法で測定した値を指し、レーザー回折法により測定した際の体積基準の累積粒度分布曲線において、その積算量が粒子の小さい方から累積して99%である粒径を表す。
第十に、本発明の封着材料層付きガラス基板は、耐火性フィラーが、コーディエライト、ジルコン、酸化錫、酸化ニオブ、リン酸ジルコニウム系セラミック、ウイレマイトから選ばれる一種又は二種以上であることが好ましい。
第十一に、本発明の封着材料層付きガラス基板は、非シリコン型太陽電池に用いることが好ましい。
第十二に、本発明のガラスパッケージは、上記の封着材料層付きガラス基板により作製されたことを特徴とする。
マクロ型DTA装置で測定したときの軟化点Tsを示す模式図である。
本発明の封着材料層付きガラス基板において、ガラス基板の熱膨張係数は30〜380℃の温度範囲において70×10−7/℃以上であり、好ましくは75×10−7/℃以上、より好ましくは80×10−7/℃以上90×10−7/℃以下、更に好ましくは81×10−7/℃以上88×10−7/℃以下である。このようにすれば、ガラス基板中のアルカリ金属酸化物の添加許容量が増加すると共に、非シリコン型太陽電池の構成部材(各種機能膜等)の熱膨張係数に整合し易くなる。
本発明の封着材料層付きガラス基板において、ガラス基板は、ガラス組成として、NaOを1質量%以上(好ましくは2〜15質量%、より好ましくは3.5〜13質量%、更に好ましくは4.3超〜10質量%)含むことが望ましい。このようにすれば、ガラス基板の熱膨張係数を70×10−7/℃以上に規制し易くなると共に、溶融性や成形性が向上して、ガラス基板の製造コストを低廉化し易くなる。なお、NaOは、CIGS系太陽電池を作製する際に、カルコパイライト結晶の成長に対して効果的な成分であり、光電変換効率を高めるために重要な成分である。
本発明の封着材料層付きガラス基板において、ガラス基板は、ガラス組成として、質量%で、SiO 40〜70%、Al 3〜20%、B 0〜15%、LiO 0〜10%、NaO 1〜20%、KO 0〜15%、MgO+CaO+SrO+BaO 5〜35%、ZrO 0〜10%を含有することが好ましい。このようにすれば、溶融性、成形性及び耐失透性を高めつつ、高歪点化を達成し易くなる。なお、ガラス基板を高歪点化すれば、非シリコン型太陽電池等を製造する際の熱処理工程で、ガラス基板が熱収縮や熱変形し難くなると共に、各種機能膜(光電変換膜等)の品位を高めることができる。
本発明の封着材料層付きガラス基板において、ガラス基板の歪点は560℃以上が好ましい。このようにすれば、高温で各種機能膜(光電変換膜等)を成膜し易くなり、この場合、各種機能膜(光電変換膜等)の品位が向上する。また、非シリコン型太陽電池等を製造する際の熱処理工程で、ガラス基板に熱変形や熱収縮が生じ難くなる。結果として、非シリコン型太陽電池等の製造コストを低減しつつ、光電変換効率等を十分に高めることができる。ここで、「歪点」は、ASTM C336−71に基づいて測定した値を指す。
本発明の封着材料層付きガラス基板において、ガラス基板の板厚は、好ましくは0.7mm以上2.8mm未満、1.0mm以上2.5mm未満、特に1.5mm以上2.0mm未満である。ガラス基板の板厚が0.7mm未満であると、ガラス基板の製造効率が低下し易くなる。一方、ガラス基板の板厚が2.5mm以上であると、封着材料層がガラス基板の質量に耐えられず、十分な封着強度を確保し難くなる。
本発明に係る封着材料は、55〜95体積%のビスマス系ガラスと5〜45体積%の耐火性フィラーを含み、好ましくは60〜90体積%のビスマス系ガラスと10〜40体積%の耐火性フィラーを含み、より好ましくは60〜85体積%のビスマス系ガラスと15〜40体積%の耐火性フィラーを含む。ビスマス系ガラスは、低融点であるため、低温で良好に軟化流動する。そして、ビスマス系ガラスに耐火性フィラーを所定量添加すれば、封着材料の熱膨張係数が、ガラス基板の熱膨張係数に整合し易くなる。その結果、レーザー封着後に封着部分やガラス基板に不当な応力が残留する事態を防止することができる。但し、耐火性フィラーの含有量が45体積%より多いと、ビスマス系ガラスの含有量が相対的に少なくなるため、封着材料層の表面平滑性が低下して、レーザー封着の精度が低下し易くなる。
ビスマス系ガラスは、ガラス組成として、遷移金属酸化物を0.5質量%以上(好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜10質量%、更に好ましくは3〜10質量%、特に好ましくは4.5〜8質量%)含むことが望ましい。このようにすれば、耐失透性の低下を抑制しつつ、光吸収特性を高めることができる。
ビスマス系ガラスは、ガラス組成として、質量%で、Bi 67〜90%、B 2〜12%、ZnO 1〜20%、CuO+Fe 0.5〜15%を含有することが好ましい。上記のように各成分の含有量を限定した理由を以下に説明する。
Biは、軟化点を下げるための主要成分であり、その含有量は67〜87%、好ましくは70〜85%、より好ましくは72〜83%である。Biの含有量が67%より少ないと、軟化点が高くなり過ぎて、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。一方、Biの含有量が90%より多いと、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又はレーザー封着時にガラスが失透し易くなる。
は、ビスマス系ガラスのガラスネットワークを形成する成分であり、その含有量は2〜12%、好ましくは3〜10%、より好ましくは4〜10%、更に好ましくは5〜9%である。Bの含有量が2%より少ないと、ガラスが熱的に不安定になり、溶融時又はレーザー封着時にガラスが失透し易くなる。一方、Bの含有量が12%より多いと、軟化点が高くなり過ぎて、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
ZnOは、溶融時又はレーザー封着時の失透を抑制すると共に、熱膨張係数を低下させる成分であり、その含有量は1〜20%、好ましくは2〜15%、より好ましくは3〜11%、更に好ましくは3〜9%である。ZnOの含有量が1%より少ないと、上記効果を得難くなる。一方、ZnOの含有量が20%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが失透し易くなる。
CuO+Feは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有するレーザー光を照射すると、レーザー光を吸収して、ガラスを軟化させ易くする成分である。また、CuO+Feは、溶融時又はレーザー封着時の失透を抑制する成分である。CuO+Feの含有量は0.5〜15%、好ましくは1〜10%、より好ましくは2〜10%、更に好ましくは3〜10%、特に好ましくは4.5〜8%である。CuO+Feの含有量が0.5%より少ないと、光吸収特性が乏しくなり、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。一方、CuO+Feの含有量が15%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが失透し易くなる。
CuOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有するレーザー光を照射すると、レーザー光を吸収して、ガラスを軟化させ易くする成分であると共に、溶融時又はレーザー封着時の失透を抑制する成分である。CuOの含有量は、好ましくは0〜15%、1〜15%、2〜10%、3〜8%、特に4.5〜7%である。CuOの含有量が15%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが失透し易くなる。なお、CuOの含有量を1%以上に規制すれば、光吸収特性が向上して、レーザー封着時にガラスが軟化し易くなる。
Feも、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有するレーザー光を照射すると、レーザー光を吸収して、ガラスを軟化させ易くする成分であると共に、溶融時又はレーザー封着時の失透を抑制する成分である。Feの含有量は、好ましくは0〜7%、0.05〜7%、0.1〜4%、特に0.2〜2%である。Feの含有量が7%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが失透し易くなる。なお、Feの含有量を0.05%以上に規制すれば、光吸収特性が向上して、レーザー封着時にガラスが軟化し易くなる。
酸化鉄中のFeイオンは、Fe2+又はFe3+の状態で存在する。本発明において、酸化鉄中のFeイオンは、Fe2+又はFe3+の何れかに限定されるものではなく、何れであっても構わない。よって、本発明では、Fe2+の場合でも、Feに換算した上で取り扱うこととする。特に、照射光として赤外レーザーを使用する場合、Fe2+が赤外域に吸収ピークを有するため、Fe2+の割合は大きい方が好ましく、例えば、酸化鉄中のFe2+/Fe3+の割合を0.03以上(望ましくは0.08以上)に規制することが好ましい。
上記成分以外にも、例えば、以下の成分を添加してもよい。
SiOは、耐水性を高める成分である。SiOの含有量は、好ましくは0〜10%、特に0〜3%である。SiOの含有量が10%より多いと、軟化点が高くなり過ぎて、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
Alは、耐水性を高める成分である。Alの含有量は、好ましくは0〜5%、特に0〜2%である。Alの含有量が5%より多いと、軟化点が高くなり過ぎて、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
MgO+CaO+SrO+BaO(MgO、CaO、SrO及びBaOの合量)は、溶融時又はレーザー封着時の失透を抑制する成分であり、MgO+CaO+SrO+BaOの含有量は、好ましくは0〜15%、特に0〜10%である。MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が15%より多いと、軟化点が高くなり過ぎて、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
MgO、CaO及びSrOは、溶融時又はレーザー封着時の失透を抑制する成分である。各成分の含有量は、好ましくは0〜5%、特に0〜2%である。各成分の含有量が5%より多いと、軟化点が高くなり過ぎて、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
BaOは、溶融時又はレーザー封着時の失透を抑制する成分である。BaOの含有量は、好ましくは0〜10%、特に0〜8%である。BaOの含有量が10%より多いと、軟化点が高くなり過ぎて、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
CeO及びSbは、溶融時又はレーザー封着時の失透を抑制する成分である。各成分の含有量は、好ましくは0〜5%、0〜2%、特に0〜1%である。各成分の含有量が5%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが失透し易くなる。なお、熱的安定性を高める観点から、Sbの微量添加が好ましく、具体的にはSbを0.05%以上添加することが好ましい。
WOは、溶融時又はレーザー封着時の失透を抑制する成分である。WOの含有量は、好ましくは0〜10%、特に0〜2%である。WOの含有量が10%より多いと、ガラス組成内の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが失透し易くなる。
In+Ga(InとGaの合量)は、溶融時又はレーザー封着時の失透を抑制する成分である。In+Gaの含有量は、好ましくは0〜5%、特に0〜3%である。In+Gaの含有量が5%より多いと、バッチコストが高騰する。なお、Inの含有量は0〜1%がより好ましく、Gaの含有量は0〜0.5%がより好ましい。
Li、Na、K及びCsの酸化物は、軟化点を低下させる成分であるが、溶融時に失透を助長する作用を有するため、合量で1%未満に規制することが好ましい。
は、溶融時の失透を抑制する成分である。しかし、Pの含有量が1%より多いと、溶融時にガラスが分相し易くなる。
La、Y及びGdは、溶融時の分相を抑制する成分であるが、これらの合量が3%より多いと、軟化点が高くなり過ぎて、レーザー光を照射しても、ガラスが軟化し難くなる。
NiO、V、CoO、MoO、TiO及びMnOは、光吸収特性を有する成分であり、所定の発光中心波長を有するレーザー光を照射すると、レーザー光を吸収して、ガラスを軟化させ易くする成分である。各成分の含有量は、好ましくは0〜7%、特に0〜3%である。各成分の含有量が7%より多いと、レーザー封着時にガラスが失透し易くなる。
PbOは、軟化点を低下させる成分であるが、環境的影響が懸念される成分である。よって、PbOの含有量は、好ましくは0.1%未満である。
上記以外の成分であっても、ガラス特性を損なわない範囲で、例えば5%まで添加してもよい。
耐火性フィラーとして、コーディエライト、ジルコン、酸化錫、酸化ニオブ、リン酸ジルコニウム系セラミック、ウイレマイトから選ばれる一種又は二種以上を用いることが好ましい。これらの耐火性フィラーは、熱膨張係数が低いことに加えて、機械的強度が高く、しかもビスマス系ガラスとの適合性が良好である。上記の耐火性フィラーの内、コーディエライトが最も好ましい。コーディエライトは、粒径が小さくても、レーザー封着時にビスマス系ガラスを失透させ難い性質を有している。なお、上記の耐火性フィラー以外にも、β−ユークリプタイト、石英ガラス等を添加してもよい。
耐火性フィラーの平均粒径D50は、好ましくは2μm未満、特に1.8μm未満である。耐火性フィラーの平均粒径D50が2μm未満であると、封着材料層の表面平滑性が向上すると共に、封着材料層の平均厚みを10μm未満に規制し易くなり、結果として、レーザー封着の精度を高めることができる。
耐火性フィラーの最大粒径D99は、好ましくは5μm未満、4μm以下、特に3μm以下である。耐火性フィラーの最大粒径D99を5μm未満であると、封着材料層の表面平滑性が向上すると共に、封着材料層の平均厚みを10μm未満に規制し易くなり、結果として、レーザー封着の精度を高めることができる。
本発明に係る封着材料において、30〜300℃の温度範囲の熱膨張係数は、好ましくは60×10−7/℃以上95×10−7/℃以下、66×10−7/℃以上90×10−7/℃以下、特に72×10−7/℃以上88×10−7/℃以下である。このようにすれば、封着材料層の熱膨張係数をガラス基板の熱膨張係数に整合させ易くなると共に、耐火性フィラーの含有量を低減できるため、レーザー封着時に封着材料層が軟化流動し易くなる。
本発明に係る封着材料において、軟化点は、好ましくは460℃以下、450℃以下、特に430℃以下である。軟化点が460℃より高いと、レーザー封着時に封着材料が軟化流動し難くなる。軟化点の下限は特に設定されないが、ビスマス系ガラスの熱的安定性を考慮すれば、軟化点は350℃以上が好ましい。ここで、「軟化点」とは、大気雰囲気下において、マクロ型示差熱分析(DTA)装置で測定した値を指し、DTAは室温から測定を開始し、昇温速度は10℃/分とする。なお、マクロ型DTA装置で測定した軟化点は、図1に示す第四屈曲点の温度(Ts)を指す。
本発明に係る封着材料は、光吸収特性を高めるために、更にレーザー吸収材を含んでもよいが、レーザー吸収材は、ビスマス系ガラスの失透を助長する作用を有する。レーザー吸収材の含有量は、好ましくは0〜10体積%、0〜5体積%、0〜3体積%、0〜1体積%、特に0〜0.1体積%未満である。レーザー吸収材の含有量が10体積%より多いと、レーザー封着時にガラスが失透し易くなる。レーザー吸収材として、Cu系酸化物、Fe系酸化物、Cr系酸化物、Mn系酸化物及びこれらのスピネル型複合酸化物等が使用可能であり、特に、ビスマス系ガラスとの適合性の観点から、Mn系酸化物(例えば、東罐マテリアル株式会社製42−343B)が好ましい。
本発明の封着材料層付きガラス基板は、以下のようにして作製することができる。まず封着材料とビークルを混練し、封着材料ペーストに加工した後、ガラス基板上に塗布する。なお、ビークルは、通常、樹脂と溶剤を含む。次に、封着材料ペーストを乾燥させて、溶剤を揮発させる。続いて、封着材料の軟化点より高い温度で焼成して、封着材料ペースト中の樹脂成分の焼却(脱バインダー処理)及び封着材料の焼結(固着)を行い、封着材料層付きガラス基板を得る。
ビークルに用いる樹脂としては、アクリル酸エステル(アクリル樹脂)、エチルセルロース、ポリエチレングリコール誘導体、ニトロセルロース、ポリメチルスチレン、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、メタクリル酸エステル等が使用可能である。
ビークルに用いる溶剤としては、N、N’−ジメチルホルムアミド(DMF)、α−ターピネオール、高級アルコール、γ−ブチルラクトン(γ−BL)、テトラリン、ブチルカルビトールアセテート、酢酸エチル、酢酸イソアミル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ベンジルアルコール、トルエン、3−メトキシ−3−メチルブタノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン等が使用可能である。特に、α−ターピネオールは、高粘性であり、樹脂等の溶解性も良好であるため、好ましい。
本発明の封着材料層付きガラス基板において、封着材料層の平均厚みは、好ましくは10μm未満、7μm未満、6μm未満、特に5μm未満である。封着材料層の平均厚みが小さい程、レーザー封着後に封着部分やガラス基板の残留応力が低減されて、ガラス基板の熱膨張係数が高くても、レーザー封着の精度を高めることができる。
封着材料層の表面粗さRaは、好ましくは0.5μm未満、0.3μm以下、0.2μm以下、特に0.01〜0.15μmである。このようにすれば、ガラス基板同士の密着性が向上し、レーザー封着の精度が向上する。「表面粗さRa」は、例えば非接触型レーザー膜厚計、表面粗さ計で測定することができる。
封着材料層の表面粗さRMSは、好ましくは1.0μm未満、0.7μm以下、0.5μm以下、特に0.05〜0.3μmである。このようにすれば、ガラス基板同士の密着性が向上し、レーザー封着の精度が向上する。ここで、「表面粗さRMS」は、例えば非接触型レーザー膜厚計、表面粗さ計で測定することができる。
封着材料層の厚みバラツキは2μm以下、特に1μm以下が好ましい。このようにすれば、ガラス基板同士の密着性が向上する。「封着材料層の厚みバラツキ」は、例えば非接触型レーザー膜厚計で測定することができる。
封着材料層の表面を研磨して、封着材料層の表面平滑性を高めてもよいが、封着材料層の表面は未研磨であることが好ましい。このようにすれば、研磨工程が不要になるため、製造コストを低廉化し易くなる。
本発明の封着材料層付きガラス基板において、封着材料層とガラス基板の熱膨張係数の差は、好ましくは15×10−7/℃未満、12×10−7/℃未満、特に10×10−7/℃未満である。このようにすれば、レーザー封着後に封着部分やガラス基板の残留応力を低減することができる。結果として、レーザー封着後に封着部分やガラス基板のクラック等を防止し易くなる。
封着材料層の熱膨張係数は、ガラス基板の熱膨張係数よりも低いことが好ましい。このようにすれば、レーザー封着後に封着部分に圧縮応力が生じて、封着部分の信頼性が向上する。
本発明のガラスパッケージは、上記の封着材料層付きガラス基板により作製されたことを特徴とする。本発明のガラスパッケージの技術的特徴(好ましい態様、効果)は、本発明の封着材料層付きガラス基板の技術的特徴と同様である。従って、本発明のガラスパッケージの技術的特徴について、詳細な記載を省略する。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は、単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1は、ビスマス系ガラスのガラス組成及びガラス特性を示している。
次のようにして、表1に記載の各試料を調製した。まず表1に示すガラス組成になるように各種酸化物、炭酸塩等の原料を調合したガラスバッチを準備し、これを白金坩堝に入れて1100℃で1時間溶融した。次に、得られた溶融ガラスの一部を水冷ローラーにより薄片状に成形した。残りの溶融ガラスをバルク状に成形した後、TMAの測定試料に加工した。最後に、得られたガラスフィルムをボールミルにて粉砕後、空気分級し、表2に示す粒度のビスマス系ガラスを得た。
ガラス転移点は、押棒式TMA装置で測定した値である。
熱膨張係数は、押棒式TMA装置で測定した値である。測定温度範囲は30〜300℃とした。
上記で作製したビスマス系ガラス粉末と耐火性フィラーとを混合して、試料A〜Dを作製した。各試料につき、ガラス転移点、軟化点、熱膨張係数を測定すると共に、これらの試料を用いて、封着材料層付きガラス基板を作製し、封着材料層の平均厚み、封着材料層の表面粗さ、レーザー封着性を評価した。その結果を表2に示す。
軟化点は、マクロ型DTA装置で測定した。測定は、大気中において、昇温速度10℃/分で行い、室温から600℃まで測定を行った。
耐火物フィラーとして、コーディエライトを用いた。必要に応じて、粉砕、空気分級を行うことにより、表2に示す粒度に調製した。
ガラス転移点は、押棒式TMA装置で測定した値である。
軟化点は、マクロ型DTA装置で測定した値である。測定は、大気雰囲気下において、昇温速度10℃/分で行い、室温から600℃まで測定を行った。
熱膨張係数は、押棒式TMA装置で測定した値である。測定温度範囲は30〜300℃とした。
次のようにして、封着材料層付きガラス基板を作製した。まず粘度が約70Pa・s(25℃、Shear rate:4)になるように、封着材料とビークルを混練した後、更に三本ロールミルで均一になるまで混錬し、ペースト化した。ビークル中の樹脂成分として、ポリエチレンカーボネート(MW:129000)を用い、溶剤成分として、プロピレンカーボネートを用いた。なお、プロピレンカーボネート中にポリエチレンカーボネートを25質量%溶解させたビークルを使用した。次に、縦40mm×横50mm×厚み1.8mmのガラス基板(日本電気硝子株式会社製PP−8C、熱膨張係数83×10−7/℃:測定温度範囲30〜380℃)の周縁部に、上記の封着材料ペーストを厚み:約5μm、幅:約0.6mmになるように、スクリーン印刷機で額縁状に印刷した上で、大気雰囲気下にて、85℃で15分間乾燥した後、大気雰囲気下にて、表2に示す各温度で10分間焼成して、封着材料ペースト中の樹脂成分の焼却(脱バインダー処理)及び封着材料の焼結(固着)を行い、表中に示す平均厚み、表面粗さを有する封着材料層付きガラス基板を得た。
封着材料層の平均厚みは、非接触型レーザー膜厚計で測定した値である。
封着材料層の表面粗さ(Ra、RMS)は、表面粗さ計で測定した値である。
続いて、封着材料層上に、縦50mm×横50mm×厚み1.8mmのガラス基板(日本電気硝子株式会社製PP−8C)を大気雰囲気下で配置した後、封着材料層が形成されたガラス基板側から封着材料層に沿って、表2に記載の条件にて、波長808nmのレーザーを照射することにより、封着材料層を軟化流動させて、ガラス基板同士を封着し、ガラスパッケージを得た。
レーザー封着性は、レーザー封着後のガラスパッケージの封着状態を観察すると共に、得られたガラスパッケージに対して、高温高湿高圧試験:HAST試験(Highly Accelerated Temperature and Humidity Stress test)を行い、封着部分の剥離の有無を観察することで評価した。なお、HAST試験の条件は、121℃、湿度100%、2atm、24時間である。ガラス基板同士が気密封着されており、且つHAST試験後に封着部分が剥離していなかったものを「○」、ガラス基板同士が気密封着されていたが、HAST試験後に封着部分が剥離していたものを「△」、ガラス基板同士が気密封着されていなかったものを「×」として評価した。
表2から明らかなように、試料A、Bでは、すべての条件でレーザー封着性が良好であった。また、試料A、Bは、封着材料層の表面粗さRaが0.1μm以下、表面粗さRMSが0.2μm以下であった。更に、試料A、Bは、封着材料層の平均厚みが5μm未満であるため、封着部分やガラス基板の残留応力が小さかった。
また、試料Cでも、すべての条件でレーザー封着を行うことができたが、試料A、Bに比べてレーザー封着性が劣っていた。すなわち、封着材料層の表面粗さRa、RMSが大きく、また封着材料層の平均厚みが10.9μmであるため、すべての条件でHAST試験後に封着部分が剥離していた。これは、封着材料層の表面平滑性が乏しく、封着部分やガラス基板の残留応力が大きいことが原因であると考えられる。
試料Dは、平均膜厚が5μm未満であり、表面平滑性に優れていたが、試料A、Bに比べてレーザー封着性が劣っていた。すなわち、ビスマス系ガラス中の遷移金属酸化物の含有量が少なかったため、レーザー光を的確に吸収できず、レーザー出力が小さい条件では、未封着の部分が確認された。また、レーザー出力が大きい条件では、未封着の部分は見られなかったが、HAST試験後に封着部分が剥離していた。これは、レーザー光の照射により、封着材料層が十分に軟化流動しなかったことが原因であると考えられる。
本発明の封着材料層付きガラス基板及びそれを用いたガラスパッケージは、例えば、色素増感型太陽電池、薄膜太陽電池等の非シリコン系太陽電池のレーザー封着、リチウムイオン二次電池のレーザー封着に好適である。

Claims (12)

  1. ガラス基板上に封着材料層を備える封着材料層付きガラス基板において、
    ガラス基板の熱膨張係数が、30〜380℃の温度範囲において70×10−7/℃以上であり、
    封着材料層が、封着材料の焼結体であり、
    封着材料が、55〜95体積%のビスマス系ガラスと5〜45体積%の耐火性フィラーとを含み、
    且つレーザー封着に用いることを特徴とする封着材料層付きガラス基板。
  2. ビスマス系ガラスが、ガラス組成として、遷移金属酸化物を0.5質量%以上含むことを特徴とする請求項1に記載の封着材料層付きガラス基板。
  3. 封着材料層の平均厚みが10μm未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の封着材料層付きガラス基板。
  4. ビスマス系ガラスが、ガラス組成として、質量%で、Bi 67〜87%、B 2〜12%、ZnO 1〜20%、CuO+Fe 0.5〜15%を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の封着材料層付きガラス基板。
  5. 封着材料層とガラス基板の熱膨張係数の差が、15×10−7/℃未満であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の封着材料層付きガラス基板。
  6. ガラス基板の板厚が0.7mm以上2.8mm未満であることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の封着材料層付きガラス基板。
  7. ガラス基板が、ガラス組成として、NaOを1質量%以上含むことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の封着材料層付きガラス基板。
  8. 耐火性フィラーの平均粒径D50が2μm未満であることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の封着材料層付きガラス基板。
  9. 耐火性フィラーの最大粒径D99が5μm未満であることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の封着材料層付きガラス基板。
  10. 耐火性フィラーが、コーディエライト、ジルコン、酸化錫、酸化ニオブ、リン酸ジルコニウム系セラミック、ウイレマイトから選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の封着材料層付きガラス基板。
  11. 非シリコン型太陽電池に用いることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の封着材料層付きガラス基板。
  12. 請求項1〜11の何れか一項に記載の封着材料層付きガラス基板により作製されたことを特徴とするガラスパッケージ。
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