JP2013170032A - エレベータのかご換気制御装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】乗りかごの運転待機時、安価な費用でかご内の快適な温度環境を確保し、利用客が乗りかごを快適に利用可能とすることにある。
【解決手段】実施の形態によれば、乗りかご内に利用客が乗っていない状態が所定時間経過したとき、乗りかご内のファン8を停止させた状態で運転待機中に入るエレベータにおいて、乗りかご4内に設けられた温度センサ9−1,9−2と、かご呼びや乗場呼びによる呼び登録に基づいて乗りかご4を通常運転モードに従って運行制御を行うエレベータ制御盤20とを有し、このエレベータ制御盤20は、運転待機中となったとき、かご換気運転モードのもとに温度センサで計測されるかご内温度が設定温度を超えたときにエレベータドアを開けてファンを回転動作させてかご内換気を実施するかご換気運転制御部24を備えたエレベータのかご換気制御装置である。
【選択図】図3

Description

本発明の実施の形態は、エレベータのかご換気制御装置に関する。
一般に、エレベータは、かご呼びや乗場呼びによる呼び登録の階に到着し利用客を降ろした後、乗りかご内に利用客が乗っていない場合、エレベータドアを閉じ、乗りかご内のファンを停止させて運転待機(運転待ち)の状態に入る。
そのため、夏場の暑い時期にエレベータドアを閉じて運転待機の状態に入ると、乗りかご内の温度が高くなったり、蒸し暑い状態となり、利用客が乗りかごに乗った際に不快感を抱くことが多い。
また、利用客から乗りかご内の蒸し暑さ等の苦情があっても、建物の監視責任者からは改造費用を極力抑えて欲しいとの要望があり、簡単に改善策を講じることが難しい状況にあった。
特開平6−227757号公報
本発明が解決しようとする課題は、エレベータの運転待機時、乗りかご内の快適な温度環境を確保し、利用客が乗りかごを快適に利用可能とするエレベータのかご換気制御装置を提供するものである。
上記課題を解決するために、実施の形態に係るエレベータのかご換気制御装置は、ある階で乗りかご内に利用客が乗っていない状態が所定時間経過したとき、乗りかご内のファンを停止させた状態で運転待機中となるエレベータにおいて、乗りかご内に設置された温度センサと、かご呼びや乗場呼びによる呼び登録に基づいて乗りかごを通常運転モードに従って運行制御を行うエレベータ制御盤とを有し、
前記エレベータ制御盤は、前記運転待機中となったとき、かご換気運転モードのもとに前記温度センサで計測されるかご内温度と予め定める設定温度とを比較し、かご内温度が設定温度を超えたときにエレベータドアを開けて前記ファンを回転動作させてかご内換気を実施するかご換気運転制御部を備えた構成である。
実施の形態に係るかご換気制御装置を備えたエレベータの概略構成図。 乗りかご内の各種機器の配置状態の一例を説明する図。 実施の形態に係るかご換気制御装置の主要な構成部分を概略的に示す図。 図3のかご換気運転制御部を示す機能ブロック図。 従来の一般的な通常運転モードによる運行制御の処理の一例を説明するフロー図。 図3のかご換気運転制御部のかご換気運転モードによる処理の一例を説明するフロー図。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は実施の形態に係るかご換気制御装置を備えたエレベータの概略構成図、図2は乗りかご内の各種機器の配置状態の一例を示す図である。
エレベータは、昇降路1内の適宜な場所に巻上機2が設置され、この巻上機2にはメインロープ3が掛け渡されている。メインロープ3の一端部側は乗りかご4上部に設置されるかごシーブ5を経由して昇降路1上部に取り付けられ、メインロープ3の他端部側はつり合いおもり6を支持するつり合いおもりシーブ7を経由して同様に昇降路1上部に取り付けられている。
図1において、8は乗りかご4内に設置されたファン、9−1,9−2はかご内の温度を計測する温度センサ、10は乗りかご4のかごドア、20は本実施の形態に係るかご換気制御装置の主要構成部分を有するエレベータ制御盤、11は乗りかご4とエレベータ制御盤20とを結ぶ供給電力を含む各種信号のやり取りを行うかご移動ケーブル(テールコードとも呼ぶ)である。
また、エレベータの各階乗場には、乗場ドア12−1,12−2,…及び乗場表示部13−1,13−2,…が設置されている。
乗りかご4内には図2に示すように、かご天井のファン8及び温度センサ9−1,9−2の他、かご操作盤15が設置されている。温度センサとしては、1個でもよいが、乗りかご4内の平均温度を算出するとか、あるいは乗りかご4内の偏った温度分布を有する場合でもかご内温度を適切に把握できるようにするために2個以上設置することが望ましい。
かご操作盤15には、階床ボタン15a、開閉ボタン15b、スイッチボックス15cが設けられている。スイッチボックス15cには、点検用スイッチ(図示せず)の他、ファンスイッチ15dが収納されている。
なお、ファンスイッチ15dは、点検員が点検時にスイッチボックス15cを開錠してスイッチオンするか、あるいはエレベータ制御盤20側からオン指令信号を送出してオン状態に設定する構成である。
図3は本実施の形態に係るエレベータのかご換気制御装置の関連構成を示す図である。
かご換気制御装置の関連構成部分としては、乗りかご4側にファン8及び温度センサ9−1,9−2が設けられ、各階の乗場側には乗場表示部13−i(i=1,2,…)が設けられている。
さらに、エレベータ制御盤20本体側には、ROMなどのプログラムデータ記憶部21の他、各種の収集データや設定データ等を記憶するRAMなどのデータベース22が設けられている。
プログラムデータ記憶部21には、従来から一般的に使用されている通常運転モード用プログラムの他、かご換気運転モード用プログラムが格納されている。
一方、データベース22には、エレベータの運転状況データを格納する運転状況データエリア22a、エレベータの各箇所に設置されるセンサのセンサデータを格納するセンサデータエリア22b、エレベータの運転診断に用いる判定用データを格納する判定用データエリア22cの他、かご換気制御に関するデータを格納する設定データエリア22dが設けられている。
設定データエリア22dには、例えばかご内を換気する条件温度となる換気動作設定温度(例えば25°)、ファンスイッチ15dのオン・オフフラグデータ、換気時に文字表示する表示データ例えば「カンキウンテンチュウ(換気運転中)」などが格納される。
さらに、エレベータ制御盤20側には、少なくとも通常運転モード用プログラムに従って運行制御する通常運行制御部23及びかご換気運転モード用プログラムに従って運行制御するかご換気運転制御部24が設けられている。
かご換気運転制御部24は、通常運行制御部23と連携しながらエレベータの運行制御を司るものであって、機能的には図4に示すように、エレベータの各階の運転待機中にかご内を換気する必要が有るか否かを判断する換気動作必要判断手段24A、換気動作が必要と判断されたとき、かご内を換気するかご換気制御手段24B、換気状態表示手段24C及び所定の停止条件のもとにかご内の換気を停止するかご換気停止手段24Dが設けられている。
次に、以上のようなエレベータのかご換気制御装置の動作に先立ち、通常運行制御について簡単に説明する。
(1) エレベータの通常運行制御について(図5参照)。
エレベータ制御盤20の通常運行制御部23は、従来から一般的に行われている通常運転モード用プログラムに従って通常運行制御を実行する。すなわち、通常運行制御部23は、乗りかご4の各階運転停止中にかご呼びまたは乗場呼びによる呼び登録が有るか否かを判断する(S1)。
呼び登録があれば、通常運転モードによる運行制御に基づき、呼び登録階に向けて所望の走行速度パターンで乗りかご4を走行させ、当該目的階に着床した後にエレベータドアを開け、利用客の乗降を促す(S2)。
そして、新たな利用客が乗りかご4に乗ったとき、利用客によるかご呼びのもとに次の目的階に走行する。一方、利用客が乗りかご4から降りた結果、乗りかご4内に利用客が居なくなったとき、運行処理継続中であれば(S3)、ステップS1に戻って同様の処理を繰り返し実行する。
ところで、利用客が目的階で降りて乗りかご4内に利用客が居なくなった後、かご呼びまたは乗場呼びによる呼び登録の有無を判断するが(S1)、呼び登録無しと判断されたとき、運転停止中の状態が予め定める所定時間経過したか否かを判断する(S4)。所定時間を経過していない場合には繰り返し呼び登録の有無を判断する(S1)。
ここで、乗りかご4の運転停止中の状態が所定時間を経過すれば、乗りかご4内のファン8の回転動作を停止させ(S5)、エレベータが運転待機の状態に入り、かご換気運転モードを開始する。
(2) かご換気運転制御部によるかご換気運行制御について(図6参照)。
エレベータ制御盤20のかご換気運転制御部24は、プログラムデータ記憶部21に格納されるかご換気運転モード用プログラムに従って図6に示す一連の処理を実行する。
すなわち、かご換気運転制御部24は、各階運転待機中に乗りかご4内を換気する必要が有るか否かを判断する換気動作必要判断手段24Aを実行する。
換気動作必要判断手段24Aは、データベース22の設定データエリア22dに設定されるフラグからファンスイッチ15dがオン状態となっているかを判断する(S11)。通常、エレベータの点検時、点検員がスイッチボックス15cを開錠し、必要に応じてファンスイッチ15dをオン状態にしたり、あるいは春から秋の間の一定期間中、例えば管理責任者などの操作のもとに、またはエレベータ制御盤20から通常運転モード用プログラムに従って運転開始時にオン指令信号を出力し、ファンスイッチ15dをオン状態に設定するとともに、例えば設定データエリア22dにスイッチオンデータ「1」のフラグを設定する。
従って、換気動作必要判断手段24Aは、設定データエリア22dに設定されるフラグからファンスイッチ15dがオン状態に設定されていない場合、スイッチオン指令信号を送出してファンスイッチ15dをオン状態とするとともに、設定データエリア22dにフラグ「1」を設定する(S12)。
しかして、換気動作必要判断手段24Aは、ステップS11にてファンスイッチ15dがオン状態となっているとき、またはオン状態となったとき、乗りかご4に設置される温度センサ9−1,9−2で計測されるかご温度を取り込む。そして、これら2つの温度センサ9−1,9−2で計測されたかご温度の平均温度、あるいは何れかの温度センサ9−1または9−2の計測温度が設定データエリア22d内の換気動作設定温度を超えているか否かを判断する(S13)。換気動作設定温度を超えていない場合、ステップS14に移行し、かご呼びや乗場呼びの呼び登録が有るか判断する。その結果、計測温度(かご内温度)が換気動作設定温度を超えておらず、かつ、呼び登録が無いとき、ステップS13,S14による処理を繰り返し実行する。
換気動作必要判断手段24Aは、ステップS13において計測温度が換気動作設定温度を超えていると判断したとき、かご呼びや乗場呼びの呼び登録が有るか否かを判断する(S15)。
そこで、ステップS14、S15の何れかで呼び登録有りと判断したとき、かご換気運転モードを中止し(S16)、通常運転モードへ移行する(S17)。
ところで、エレベータ制御盤20のかご換気運転制御部24は、ステップS15において呼び登録が無いと判断したときには乗りかご4内の温度上昇に伴って換気が必要と判断したとき、かご換気制御手段24Bを実行する。
かご換気制御手段24Bは、運転待機中の状態にある乗りかご4を基準階(または1階)に向けて走行させ(S18)、基準階に着床した後、エレベータドア(かごドア及び乗場ドア)を開く(S19)。引き続き、乗りかご4内のファン8に対して回転動作制御信号を送出し、ファン8を回転動作させて乗りかご4内を換気する(S20)。
このとき、各階乗場に乗場表示部13−1,13−2,…が設置されている場合、換気状態表示手段24Cを実行する。この換気状態表示手段24Cは、設定データエリア22dに予め記憶される表示データを読み出し、乗場表示部13−1,13−2,…に表示する。表示データとしては、例えば「カンキウンテンチュウ」または「カンキウンテンチュウ(換気運転中)」の文字データを表示する(S21)。
さらに、かご換気制御手段24Bは、乗りかご4内の温度センサ9−1,9−2で計測されるかご内温度の平均温度、あるいは何れかの温度センサ9−1または9−2で計測されたかご内温度が設定データエリア22d内の換気動作設定温度以下になったか否かを判断する(S22)。ここで、乗りかご4内の温度が未だ換気動作設定温度以下になっていない場合、再びかご呼び,乗場呼びによる呼び登録の有無を調べ(S23)、呼び登録無しの場合にはステップS20に戻り、ファン8によるかご内の換気を続ける。一方、ステップS22において乗りかご4内の温度が換気動作設定温度以下になったとき、あるいはステップS23において呼び登録有りと判断したとき、かご換気停止手段24Dを実行する。
かご換気停止手段24Dは、ファン8の回転動作を停止するとともに、乗場表示部13−1,13−2,…の換気中表示を消灯し(S24)、エレベータドアを閉じた後(S25)、通常運転モードへ移行する(S17)
従って、以上のような実施の形態によれば、乗りかご4内に利用客が乗っていない運転待機中に乗りかご4内の温度センサ9−1,9−2で計測されたかご内温度を取り込み、乗りかご4内が蒸し暑いと感じる温度となったとき、自動的に乗りかご4を例えば基準階などに移動させた後、エレベータドアを開けてファン8を回転動作させて換気するので、乗りかご4内の温度を常に所定温度以下に確保でき、利用客が常に快適な環境状態でエレベータを利用することができる。
また、乗りかご4内に複数の温度センサ9−1,9−2を設置することにより、かご内が偏った温度分布を有する場合であっても、乗りかご4内の蒸し暑い状態を確実に検出できる。
また、ファン8による換気動作中に乗場表示部13−1,…に換気中であることを表示するので、利用客や管理責任者に安心感を与えることができる。
さらに、かご換気運転モード中であっても、かご呼びや乗場呼びが発生すると、かご換気運転モードを中止して通常運転モードに移行し、速やかに利用客に対してサービスを提供することができる。
(その他の実施の形態)
(1) 上記実施の形態では、かご内を換気する際、乗りかご4を基準階または1階に着床させて行うようにしたが、例えば現在運転待機中の階でかご内換気を行うようにしてもよい。
(2) また、上記実施の形態では、かご内を換気するための換気動作設定温を設け、かご内の温度が換気動作設定温度を超えたときにかご換気を行い、換気動作設定温度以下になったときに通常運転モードに移行するようにしたが、例えば25°の換気動作設定温度(第1のしきい値)であれば、かご換気運転モードから通常運転モードに移行する際には通常運転移行温度(第2のしきい値)例えば23°以下とする、いわゆる不感帯温度領域を設けることにより、エレベータの安定な運転動作を図るようにしてもよい。
(3) さらに、上記実施の形態は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…昇降路、2…巻上機、4…乗りかご、3…メインロープ、6…つり合いおもり、8…ファン、9−1,9−2…温度センサ、10…かごドア、11…かご移動ケーブル、12−1,12−2,…乗場ドア、13−1,13−2,…乗場表示部、15…かご操作盤、15d…ファンスイッチ、20…エレベータ制御盤、22…データベース、22d…設定データエリア、23…通常運行制御部、24…かご換気運転制御部、24A…換気動作必要判断手段、24B…かご換気制御手段、23C…換気状態表示手段、24D…かご換気停止手段。

Claims (5)

  1. ある階で乗りかご内に利用客が乗っていない状態が所定時間経過したとき、当該乗りかご内のファンを停止させた状態で運転待機中となるエレベータにおいて、
    乗りかご内に設けられた少なくとも1個の温度センサと、かご呼びや乗場呼びによる呼び登録に基づいて前記乗りかごを通常運転モードに従って運行制御を行うエレベータ制御盤とを有し、
    前記エレベータ制御盤は、前記運転待機中となったとき、かご換気運転モードのもとに前記温度センサで計測されたかご内温度が予め定める設定温度を超えたときにエレベータドアを開けて前記ファンを回転動作させてかご内換気を実施するかご換気運転制御部を備えたことを特徴とするエレベータのかご換気制御装置。
  2. 前記かご換気運転制御部は、前記運転待機中に前記温度センサで計測されるかご内温度が予め定める第1の設定温度を超え、かつ、前記かご呼びや乗場呼びによる呼び登録無しの状態であるかの換気条件を判断する換気動作必要判断手段と、前記換気条件を満たす状態にあるとき、エレベータドアを開けて前記乗りかご内に設置される前記ファンを回転動作させて前記乗りかご内を換気するかご換気制御手段と、乗りかご内の換気中に前記温度センサで計測されたかご内温度が第2の設定温度以下か、あるいは前記第1の設定温度を超えているが前記呼び登録有りのとき、前記ファンの回転動作を停止させて前記エレベータドアを閉じ前記通常運転モードに移行するかご換気停止手段とを設けたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータのかご換気制御装置。
  3. 請求項2に記載のエレベータのかご換気制御装置において、
    各階の乗場に設置される乗場表示部と、前記かご換気運転制御部として、前記かご換気制御手段によって前記乗りかご内が換気中のとき、前記乗場表示部に換気運転中であることを表示する換気状態表示手段とをさらに設けたことを特徴とするエレベータのかご換気制御装置。
  4. 前記乗りかご内に複数の温度センサが設置されている場合、前記かご内温度としては、当該複数の温度センサで計測される計測温度の平均温度または何れかの温度センサのうち最も高い計測温度を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか一項に記載のエレベータのかご換気制御装置。
  5. 前記第1の設定温度及び前記第2の設定温度は、同一の設定温度、または互いに異なる設定温度を用いることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のエレベータのかご換気制御装置。
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