JP2013170024A - 搬送装置、印刷装置、及び搬送方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シート状物の搬送装置であって、異なるシート状物について逆搬送時に高精度の搬送が可能な搬送装置等を提供する。
【解決手段】第一及び第二のシート状物用の搬送装置が、シート状物を格納場所から送出す上流側ローラーと、巾方向に移動可能な上流側ローラーの従動ローラーと、上流側ローラーの下流で巾方向の位置を規定するガイド装置と、ガイド装置の下流でシート状物を処理位置へ送る下流側ローラーと、上流側ローラーの上流で第二のシート状物を格納場所に戻すロール回転部を有し、逆搬送時に、従動ローラーを巾方向の中心からずらした位置に移動させ、第一のシート状物の場合には上流側ローラーを駆動させ、第二のシート状物の場合にはロール回転部を駆動させ、第一のシート状物と第二のシート状物の場合とでは、上記ずらした位置が互いに中心から反対方向になるように従動ローラーを移動させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シート状物の搬送装置等に関し、特に、異なる種類のシート状物について高精度の搬送が可能な搬送装置等に関する。
従来、レシートのプリンターなど、シート状の連続する媒体(用紙など)に対して処理を行う装置には、当該媒体を処理位置まで搬送するための装置が備えられる。当該搬送装置には、通常、媒体を格納位置から搬送路に送り出す上流側ローラーと送り出された媒体を処理位置へ供給する下流側ローラーが設けられ、これらローラーの駆動により媒体が搬送される。
このような搬送装置を備える従来のプリンターには、上記シート状の媒体として、ロール紙とFF(ファンフォールド)紙の両方を扱える装置があり、このような装置では、媒体の形状からそれらが異なる場所に格納され、使用時には、それぞれの格納場所から上記上流側ローラーによって媒体が送り出される。
また、下記特許文献1には、同様の搬送装置について記載され、連続紙の幅方向の位置を常に規制しながら、連続的に画像を形成できる画像記録装置が開示されている。
特開平8−119504号公報
しかしながら、上述した2種類の媒体を扱う従来のプリンターでは、あまり高精度な搬送制御がなされておらず、搬送時の媒体のずれや誤差が大きくなる虞のある大きな径のロール紙には対応していなかった。また、媒体を格納場所に戻す逆搬送の機能も備えていなかった。
当該格納場所への逆搬送ができない場合には、媒体の先端を上流側に戻したい場合に、媒体の上流側を弛ませるなどの措置が必要になるが、そのための空間を確保する必要があり、装置の大型化を招いてしまう。
また、上記特許文献1には種類の異なる用紙毎にどのように対応するかについての記載はない。
そこで、本発明の目的は、シート状物の搬送装置であって、異なる種類のシート状物について、特に逆搬送時に高精度の搬送が可能な搬送装置、等を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明の一つの側面は、互いに種類の異なる第一及び第二の連続するシート状物を搬送可能な搬送装置が、前記シート状物を格納場所から搬送路に送り出す上流側ローラーと、前記シート状物の巾方向に移動可能な、前記上流側ローラーの従動ローラーと、前記上流側ローラーの下流側で、前記シート状物の巾方向の位置を規定するガイド装置と、前記ガイド装置の下流側で、前記シート状物を処理位置へ搬送する下流側ローラーと、前記上流側ローラーの上流側で、前記第二のシート状物を前記格納
場所に巻き戻すロール回転部と、を有し、前記シート状物を前記格納場所に戻す逆搬送時に、前記従動ローラーを前記シート状物の巾方向の中心からずらした位置に移動させ、前記第一のシート状物の場合には、前記上流側ローラーを駆動させ、前記第二のシート状物の場合には、前記ロール回転部を駆動させ、前記第一のシート状物の場合と前記第二のシート状物の場合とでは、前記ずらした位置が互いに前記中心から反対方向になるように前記従動ローラーを移動させる、ことである。
更に、上記発明において、好ましい態様は、前記従動ローラーは、前記逆搬送時に、前記シート状物に力を付勢し、前記第一のシート状物の場合に付勢される前記力は、前記第二のシート状物の場合に付勢される前記力よりも大きい、ことを特徴とする。
更にまた、上記発明において、一つの態様は、前記第一のシート状物は、ファンフォールド紙であり、前記第二のシート状物は、ロール紙である、ことを特徴とする。
上記の目的を達成するために、本発明の別の側面は、上記いずれかの搬送装置を備え、前記処理位置へ搬送されたシート状物に印刷を実行する印刷装置、とすることである。
上記の目的を達成するために、本発明の更に別の側面は、互いに種類の異なる第一及び第二の連続するシート状物を搬送可能な搬送装置における搬送方法において、前記搬送装置に、前記シート状物を格納場所から搬送路に送り出す上流側ローラーと、前記シート状物の巾方向に移動可能な、前記上流側ローラーの従動ローラーと、前記上流側ローラーの下流側で、前記シート状物の巾方向の位置を規定するガイド装置と、前記ガイド装置の下流側で、前記シート状物を処理位置へ搬送する下流側ローラーと、前記上流側ローラーの上流側で、前記第二のシート状物を前記格納場所に巻き戻すロール回転部と、が備えられ、前記シート状物を前記格納場所に戻す逆搬送時に、前記従動ローラーを前記シート状物の巾方向の中心からずらした位置に移動させ、前記第一のシート状物の場合には、前記上流側ローラーを駆動させ、前記第二のシート状物の場合には、前記ロール回転部を駆動させ、前記第一のシート状物の場合と前記第二のシート状物の場合とでは、前記ずらした位置が互いに前記中心から反対方向になるように前記従動ローラーを移動させる、ことである。
本発明の更なる目的及び、特徴は、以下に説明する発明の実施の形態から明らかになる。
本発明を適用した搬送装置を備える印刷装置の実施の形態例に係る概略構成図である。 従動ローラー28Aの概略斜視図である。 用紙ガイド35の概略斜視図である。 正搬送の搬送状態を説明するための図である。 逆搬送の搬送状態を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、図において、同一又は類似のものには同一の参照番号又は参照記号を付して説明する。
図1は、本発明を適用した搬送装置を備える印刷装置の実施の形態例に係る概略構成図である。図1に示すプリンター2が本実施の形態例に係る印刷装置であり、当該印刷装置では、ロール紙25(第二のシート状物)及びFF(ファンフォールド)紙37(第一の
シート状物)を用紙26として、給紙ローラー29(上流側ローラー)及び搬送ローラー30(下流側ローラー)で印刷位置に搬送して印刷処理を実行する。そして、給紙ローラー29と搬送ローラー30の間には用紙26の巾方向の位置を規定する用紙ガイド35が設けられ、用紙26を各格納場所に戻す逆搬送を行う際には、給紙ローラー29に対向して設けられ用紙26の巾方向に移動可能な従動ローラー28Aの、当該巾方向の位置を、用紙26の中央からずらした位置とする。更に、ロール紙25の軸の駆動(ロール回転部36の駆動)により逆搬送するロール紙25の場合と、給紙ローラー29の駆動により逆搬送するFF紙37の場合とで、上記従動ローラー28Aのずらした位置を用紙26の中央から互いに反対方向の位置とする。これにより、本印刷装置では、逆搬送時にも用紙26を常に同じ方向へ傾けて用紙ガイド35に接触させた状態で搬送がなされ、高精度な搬送制御が可能となる。
本プリンター2は、図1に示すように、コンピューターなどのホスト装置1からの指示を受けて印刷処理を実行する装置であり、ここでは、一例として、所定の巾で搬送方向に連続した紙である、ロール紙25及びFF紙37の2種類のシート状物を用紙26として使用し、用紙26を搬送しながら連続的に印刷を実行する印刷装置である。
図1ではプリンター2の概略構成を模式的に示しているが、プリンター2は、印刷内容を制御し用紙26に印刷処理を実行する印刷系と用紙26の搬送を担う搬送系が備えられる。
印刷系には、印刷制御部21が設けられ、当該印刷制御部21は、ホスト装置1からの印刷指示を受信し、当該指示に従ってヘッド部23に印刷命令を出すと共に搬送系の搬送制御部22に対して用紙26の搬送要求を出す。ヘッド部23では、当該印刷命令に従ってヘッド部23とプラテン24との間を所定速度で移動する用紙26に対して印刷処理を実行する。
搬送系では、図1に示されるように、印刷媒体の2つの格納(保持)場所にそれぞれ保持されるロール紙25及びFF紙37のいずれかを、用紙26として搬送路33に沿って正方向(下流方向)に連続搬送し、印刷済みの部分をカッター34で切断して排紙ローラー32を介してプリンター2から排出する動作を実行する。また、当該搬送動作の後などに、用紙26の先端がヘッド部23よりも上流側の所定位置(頭出し位置)に来るように、用紙26をその格納場所に戻す、逆方向(上流方向)への逆搬送動作も実行する。なお、図1に示すように、ロール紙25については搬送路33の下部を格納場所とし、FF紙37については搬送路33の上流側の側方を格納場所とする。
当該搬送系には、それぞれ対応するモーター(27A及び27B)で駆動される給紙ローラー29(上流側ローラー)及び搬送ローラー30(下流側ローラー)が備えられる。当該両ローラーには、それぞれ、用紙26を挟んで対向する位置に従動ローラー(28A及び28B)が配置される。
給紙ローラー29は、ロール紙25及びFF紙37として格納(保持)される用紙26を搬送路33に供給する機能を有し、減速機を介して伝えられるモーター27Aのトルクによって回転し、従動ローラー28Aと共に押圧する用紙26との間の摩擦力によって用紙26を移動させる。また、給紙ローラー29は、FF紙37の逆搬送時に用いられ、逆駆動が可能である。
搬送ローラー30は、給紙ローラー29によって供給された用紙26を印刷位置へ、すなわち、ヘッド部23の位置へ搬送する機能を有し、減速機を介して伝えられるモーター27Bのトルクによって回転し、従動ローラー28Bと共に押圧する用紙26との間の摩
擦力によって用紙26を移動させる。
各従動ローラー28A、28Bは、用紙26の巾よりも長さの短いローラーであり、用紙26の面に垂直方向に移動可能である。用紙26と接する下の位置に移動している際は、用紙26の面に垂直下向きの力が付勢され、各ローラー(29、30)と共に用紙26を挟んで、用紙26の面と垂直な方向の力で用紙26を押さえている。この状態を、ここではニップ状態と呼ぶこととする。また、用紙26から離間した上の位置に移動している際には、この用紙26を押さえる力は作用せず、この状態をレリース状態と呼ぶこととする。
また、本プリンター2の一つの特徴である従動ローラー28Aは、用紙26の巾方向に移動可能であり、且つ、上記垂直方向に3つの位置を取ることができる。図2は、従動ローラー28Aの概略斜視図である。図2に示すように、従動ローラー28Aは、矢印Xの方向に搬送される、又は、その反対方向に逆搬送される用紙26の上面の、給紙ローラー29と対向する位置に設けられる。
そして、従動ローラー28Aは、上述の通り、用紙26の巾方向(図中のY方向)に移動(スライド)が可能に構成される。当該移動機構は、従前の一般的な機構で構成することができる。また、上述の通り、用紙26の面に対して垂直方向(図中のZ方向)に移動可能に構成され、2つのニップ状態とレリース状態にそれぞれ対応するZ方向の3つの位置を取ることができる。最も下の第一の位置とその1段上の第二の位置では、ニップ状態となり、第一の位置における上述した用紙26を押さえる力は、第二の位置におけるよれよりも大きい。なお、当該Z方向への移動機構も、ソレノイド等を用いた従前の一般的な機構で構成することができる。
また、従動ローラー28Bの用紙26の巾方向における配置位置は、用紙26の中心からずれている。より具体的には、そのローラー軸方向の中心が、用紙26の巾方向の中心からずれた位置になるように配置されている。その作用及び効果については後述する。
また、給紙ローラー29及び搬送ローラー30には、それぞれ、エンコーダー(図示せず)が設けられ、それらによって検知される両ローラーの回転が搬送制御部22へ通知される。
また、給紙ローラー29と搬送ローラー30の間には、用紙ガイド35が設けられる。図3は、用紙ガイド35の概略斜視図である。図3に示されるように、用紙ガイド35は、用紙26の巾方向両側に配置される板状の部材で構成され、用紙26と所定のギャップをもって用紙を挟むように設けられる。これにより、用紙26の巾方向の位置が規定され、用紙26が巾方向に所定量以上ずれないようにされる。また、後述するように、本プリンター2では、用紙26が搬送方向によって一定方向に若干傾けられ、それにより用紙26の巾方向の端が当該用紙ガイド35に接触し、用紙26が一定の起動で移動するようにされる。
また、当該用紙ガイド35と給紙ローラー29の間には、中間ローラー31が設けられる。当該中間ローラー31は、用紙26に下向きの力を付勢し、中間ローラー31の上流側に形成させる用紙26のたるみ(図1のA部)を保持すると共に、用紙26のいわゆるコシ(巾方向にたわまないように保つ耐力)を形成するためのものである。
次に、搬送系には、ロール回転部36が備えられる。ロール回転部36は、ロール紙25として保持される用紙26を回転させ、送り出した用紙26を巻き取る動作を実行する。すなわち、ロール紙25の逆搬送を司る。当該ロール回転部36は、モーター27Cに
よって駆動され、モーター27Cのトルクを伝達する減速機(駆動輪列)、減速機を介して伝えられる前記トルクによって回転する、ロール紙25の芯内を貫通する軸棒などで構成される。
また、ロール回転部36にもエンコーダー(図示せず)が設けられ、それらによって検知されるロール紙25の回転が搬送制御部22へ通知される。
次に、図1に示す搬送制御部22は、搬送系を制御する部分であり、印刷制御部21からの指示に基づいて用紙26の上記搬送動作を制御する。特に、給紙ローラー29、搬送ローラー30及びロール回転部36の駆動・停止を制御して正方向及び逆方向への用紙26の良好な搬送を実行させる。また、搬送制御部22は、従動ローラー28Aの上述した2方向への移動、及び従動ローラー28Bの上下移動も制御する。
搬送制御部22は、図示していないが、CPU、ROM、RAM、NVRAM(不揮発性メモリ)等で構成されており、搬送制御部22が実行する上記処理は、主にROMに格納されるプログラムに従ってCPUが動作することによって実行される。
上記RAMには、処理に必要な各データが一時的に保持され、給紙ローラー29、搬送ローラー30及びロール回転部36等の駆動・停止制御に必要な上記各エンコーダーの検出値等が記憶される。
なお、給紙ローラー29、搬送ローラー30、従動ローラー28A及び28B、中間ローラー31、用紙ガイド35、ロール回転部36及び搬送制御部22を含む当該搬送系が本発明の搬送装置に相当する。
以上説明したような構成を有する本プリンター2では、上記搬送系によりロール紙25及びFF紙37の各搬送がなされるが、以下、搬送方向毎に、各用紙26の種類の搬送方法及び搬送状態について説明する。
まず、正方向(上流側から下流側)への搬送(正搬送)について説明する。図4は、正搬送の搬送状態を説明するための図である。図4の(A)は、FF紙37を用紙26として用いた場合の搬送状態を示している。当該図に示されるように、FF紙37を正搬送する場合には、搬送ローラー30を駆動させ(オンとし)、給紙ローラー29は駆動させない(オフとする)。これに伴い、従動ローラー28Bはニップ状態とされ、従動ローラー28Aはレリース状態とされる、すなわち、上記垂直方向の一番上の位置にされる。
また、図4の(A)において右側には、用紙26の上側から見た図が示され、上述のように、従動ローラー28Bが、用紙の巾方向に、搬送方向を向いて右側にずらして配置されているのがわかる。すなわち、図に示されるように、従動ローラー28Bのローラー軸方向の中心を通る搬送方向の線BLが、用紙26の巾方向の中心線CLからずらされている。
これにより、搬送方向で当該従動ローラー28Bと同じ位置にある搬送ローラー30で用紙26の駆動がなされているので、用紙26は当該図に示される方向に傾いて搬送されることになる。なお、図では、傾きを誇張して表現している。
このように、用紙26が傾くと、図に示されるように、用紙26の巾方向の端部が、上流側及び下流側で用紙ガイド35に接し、それ以降、その傾きを持続しながら搬送が行われることになる。
従って、搬送の軌道が一定となって用紙26がその巾方向にずれなくなる。これにより、当該搬送の軌道に合わせて、予め搬送系の各装置、制御を調整しておくことができ、高精度な搬送が実現される。
図4の(B)は、ロール紙25を用紙26として用いた場合の搬送状態を示している。当該図に示されるように、ロール紙25を正搬送する場合には、給紙ローラー29及び搬送ローラー30を駆動させる(オンとする)。これに伴い、従動ローラー28B及び従動ローラー28Aはニップ状態とされる。従動ローラー28Aは、上記垂直方向の一番下の位置(上記第一の位置)にされる。
また、図4の(B)において右側には、図4の(A)の場合と同様の図が示されている。そして、従動ローラー28Bの用紙26の巾方向の位置は、図4の(A)の場合と同じであり、また、搬送方向に従動ローラー28Bよりも下流側に搬送の駆動源がないことも図4の(A)の場合と同じであるので、用紙26はFF紙37の場合と同様の挙動を示す。
従って、このロール紙25の正搬送の場合にも、用紙26が同方向に一定に傾いて搬送され、搬送の軌道が一定となるので高精度な搬送が可能となる。また、FF紙37とロール紙25とで軌道が同じであるので、用紙の種類によって搬送系の各装置や制御を変更する必要がない。
次に、逆方向(下流側から上流側)への搬送(逆搬送)について説明する。図5は、逆搬送の搬送状態を説明するための図である。図5の(A)は、FF紙37を用紙26として用いた場合の搬送状態を示している。当該図に示されるように、FF紙37を逆搬送する場合には、給紙ローラー29を逆方向に駆動させ(オンとし)、搬送ローラー30は駆動させない(オフとする)。これに伴い、従動ローラー28Aはニップ状態とされ、従動ローラー28Bはレリース状態とされる。従動ローラー28Aは、上記垂直方向の一番下の位置(上記第一の位置)にされる。
また、図5の(A)において右側には、図4の場合と同様に、用紙26の上側から見た図が示される。上述のように、従動ローラー28Aは、用紙の巾方向に移動可能であるので、このFF紙37の逆搬送では、従動ローラー28Aを搬送方向を向いて左側にずらして配置する。すなわち、図に示されるように、従動ローラー28Aのローラー軸方向の中心を通る搬送方向の線ALが、用紙26の巾方向の中心線CLから図面の右側にずらされている。
これにより、搬送方向で当該従動ローラー28Aと同じ位置にある給紙ローラー29で用紙26の駆動がなされているので、すなわち、従動ローラー28Aよりも搬送方向の前方(上流側)に搬送の駆動源がないので、用紙26は当該図に示される方向に傾いて搬送されることになる。なお、図では、傾きを誇張して表現している。
このように、用紙26が傾くと、図に示されるように、用紙26の巾方向の端部が、上流側及び下流側で用紙ガイド35に接し、それ以降、その傾きを持続しながら搬送が行われることになる。
従って、この場合にも、搬送の軌道が一定となって用紙26がその巾方向にずれなくなる。これにより、当該搬送の軌道に合わせて、予め搬送系の各装置、制御を調整しておくことができ、高精度な搬送が実現される。
次に、図5の(B)は、ロール紙25を用紙26として用いた場合の搬送状態を示して
いる。当該図に示されるように、ロール紙25を逆搬送する場合には、ロール回転部36を駆動させ(オンとし)、搬送ローラー30及び給紙ローラー29は駆動させない(オフとする)。これに伴い、従動ローラー28Bはレリース状態とされる。また、従動ローラー28Aは、上記垂直方向の上記第二の位置にされ、上記FF紙37の場合よりも弱い力で用紙26を押すニップ状態とされる。
また、図5の(B)において右側には、図5の(A)の場合と同様に、用紙26の上側から見た図が示される。この場合には、用紙の巾方向に移動可能な従動ローラー28Aを、上記FF紙37の逆搬送の場合とは反対方向に、すなわち、搬送方向を向いて右側にずらして配置する。すなわち、図に示されるように、従動ローラー28Aのローラー軸方向の中心を通る搬送方向の線ALが、用紙26の巾方向の中心線CLから図面の左側にずらされている。
これにより、搬送方向で当該従動ローラー28Aよりも搬送方向の前方(上流側)に位置するロール回転部36が搬送の駆動源なので、用紙26は当該図に示される方向に傾いて搬送されることになる。すなわち、FF紙37の場合とは駆動源の位置が異なるが、従動ローラー28Aの位置を上述のように反対側にずらすことにより、FF紙37の場合と同様な用紙26の傾きが得られる。なお、図では、傾きを誇張して表現している。
このように、用紙26が傾くと、上述したFF紙37の場合と同様に、搬送の軌道が一定となって用紙26がその巾方向にずれなくなる。これにより、ロール紙25の逆搬送においても、当該搬送の軌道に合わせて、予め搬送系の各装置、制御を調整しておくことができ、高精度な搬送が実現される。
そして、FF紙37とロール紙25とで軌道が同じであるので、逆搬送の場合にも用紙の種類によって搬送系の各装置や制御を変更する必要がなく、このことによっても、高精度な搬送が実現される。
以上説明したように、本実施の形態例に係るプリンター2の搬送系では、給紙ローラー29の従動ローラー28Aを用紙26の巾方向に移動可能とし、逆搬送時に、駆動源の位置が異なる2種類の用紙26について、当該従動ローラー28Aの上記巾方向位置が互いに用紙の中心から反対方向にずれるように移動することによって、どちらの用紙26の場合であっても用紙26が同方向に傾くように搬送動作がなされる。従って、用紙ガイド35で上記巾方向に移動を規定される用紙26の搬送軌道は、用紙の種類によらず一定となり、その軌道に適合した装置及び制御の調整を行っておくことで、高精度な搬送が実現される。
また、これにより、従来装置でなされていなかった用紙26の格納場所への逆搬送が可能となり、用紙26を上流側に戻す必要がある際に、搬送路33の途中で用紙26を弛ませる必要がなく、この理由で装置を大型化する必要がない。
また、本搬送系では、上述のように、高精度な搬送が可能であるので、搬送精度が要求される径の大きなロール紙にも対応可能となる。
また、本プリンター2では、2種類の用紙26を使用することができユーザー利便性が高い。
なお、本実施の形態例では、印刷媒体が紙であったがシート状の媒体であればこれに限定されることはない。
また、本実施の形態例では、搬送装置がプリンターに設けられたが、本発明を適用した搬送装置は、シート状物に機械加工、レーザー加工、液体噴射加工などの各種処理を施す装置に設けて利用することができる。
本発明の保護範囲は、上記の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
1 ホスト装置、 2 プリンター、 21 印刷制御部、 22 搬送制御部、 23 ヘッド部、 24 プラテン、 25 ロール紙、 26 用紙、 27A、B、C
モーター、 28A、B 従動ローラー、 29 給紙ローラー、 30 搬送ローラー、 31 中間ローラー、 32 排紙ローラー、 33 搬送路、 34 カッター、 35 用紙ガイド、 36 ロール回転部、 37 FF紙

Claims (5)

  1. 互いに種類の異なる第一及び第二の連続するシート状物を搬送可能な搬送装置であって、
    前記シート状物を格納場所から搬送路に送り出す上流側ローラーと、
    前記シート状物の巾方向に移動可能な、前記上流側ローラーの従動ローラーと、
    前記上流側ローラーの下流側で、前記シート状物の巾方向の位置を規定するガイド装置と、
    前記ガイド装置の下流側で、前記シート状物を処理位置へ搬送する下流側ローラーと、
    前記上流側ローラーの上流側で、前記第二のシート状物を前記格納場所に巻き戻すロール回転部と、を有し、
    前記シート状物を前記格納場所に戻す逆搬送時に、前記従動ローラーを前記シート状物の巾方向の中心からずらした位置に移動させ、前記第一のシート状物の場合には、前記上流側ローラーを駆動させ、前記第二のシート状物の場合には、前記ロール回転部を駆動させ、前記第一のシート状物の場合と前記第二のシート状物の場合とでは、前記ずらした位置が互いに前記中心から反対方向になるように前記従動ローラーを移動させる
    ことを特徴とする搬送装置。
  2. 請求項1において、
    前記従動ローラーは、前記逆搬送時に、前記シート状物に力を付勢し、
    前記第一のシート状物の場合に付勢される前記力は、前記第二のシート状物の場合に付勢される前記力よりも大きい
    ことを特徴とする搬送装置。
  3. 請求項1あるいは2において、
    前記第一のシート状物は、ファンフォールド紙であり、前記第二のシート状物は、ロール紙である
    ことを特徴とする搬送装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の搬送装置を備え、前記処理位置へ搬送されたシート状物に印刷を実行する印刷装置。
  5. 互いに種類の異なる第一及び第二の連続するシート状物を搬送可能な搬送装置における搬送方法であって、
    前記搬送装置に、
    前記シート状物を格納場所から搬送路に送り出す上流側ローラーと、
    前記シート状物の巾方向に移動可能な、前記上流側ローラーの従動ローラーと、
    前記上流側ローラーの下流側で、前記シート状物の巾方向の位置を規定するガイド装置と、
    前記ガイド装置の下流側で、前記シート状物を処理位置へ搬送する下流側ローラーと、
    前記上流側ローラーの上流側で、前記第二のシート状物を前記格納場所に巻き戻すロール回転部と、が備えられ、
    前記シート状物を前記格納場所に戻す逆搬送時に、前記従動ローラーを前記シート状物の巾方向の中心からずらした位置に移動させ、前記第一のシート状物の場合には、前記上流側ローラーを駆動させ、前記第二のシート状物の場合には、前記ロール回転部を駆動させ、前記第一のシート状物の場合と前記第二のシート状物の場合とでは、前記ずらした位置が互いに前記中心から反対方向になるように前記従動ローラーを移動させる
    ことを特徴とする搬送方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016084192A (ja) * 2014-10-23 2016-05-19 セイコーエプソン株式会社 搬送装置および印刷装置

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