JP2013169528A - 余剰汚泥の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】活性汚泥法により生じた余剰汚泥を、簡単で安価な設備を用いて、手間とコストをかけずに、効率よく減らす技術を提供する。
【解決手段】有機物を含む汚水・排水の活性汚泥法による処理に際し発生する余剰汚泥を減容する方法において、余剰汚泥を消化処理槽2にて米ぬかの存在下、嫌気性条件で微生物処理して、該消化処理槽内に、嫌気性生物膜層、浮遊物層、分離水層からなる三層構造を形成せしめた後、エアリフトポンプ8を使用して該分離水層の分離水を通気性土壌9内に埋設した浸潤部材10へ移送し、該浸潤部材から通気性土壌内に浸潤させ、土壌中に含まれる微生物の作用により有機物を分解する。
【選択図】図1
【解決手段】有機物を含む汚水・排水の活性汚泥法による処理に際し発生する余剰汚泥を減容する方法において、余剰汚泥を消化処理槽2にて米ぬかの存在下、嫌気性条件で微生物処理して、該消化処理槽内に、嫌気性生物膜層、浮遊物層、分離水層からなる三層構造を形成せしめた後、エアリフトポンプ8を使用して該分離水層の分離水を通気性土壌9内に埋設した浸潤部材10へ移送し、該浸潤部材から通気性土壌内に浸潤させ、土壌中に含まれる微生物の作用により有機物を分解する。
【選択図】図1
Description
本発明は、有機物を含む汚水・排水を活性汚泥法により処理した際に発生する余剰汚泥を減容する処理方法に関する。
有機物を含む汚水・排水を、好気性微生物で処理して水中汚濁物質を酸化分解、吸収分離させることにより汚水・排水を浄化する、いわゆる活性汚泥法は、汚水・排水の浄化手段として、現在、下水処理場、し尿処理場、浄化槽などで広く利用されている。
このような活性汚泥法による汚水・排水の処理に際しては、多量の余剰汚泥が発生し、この余剰汚泥は、従来、脱水後、焼却するか、あるいは一般廃棄物として処分場へ投棄していた。また、脱水後、発酵させて、堆肥として利用することも試みられていた。
しかしながら、余剰汚泥を投棄できる処分場は年々少なくなっており、焼却処理では、燃料原油の高騰や炭酸ガス、亜酸化窒素による地球温暖化の問題がある。さらには、肥料成分のバランスが悪いため、肥料としての需要も少なく、余剰汚泥の処分は大きな問題となっている。
しかしながら、余剰汚泥を投棄できる処分場は年々少なくなっており、焼却処理では、燃料原油の高騰や炭酸ガス、亜酸化窒素による地球温暖化の問題がある。さらには、肥料成分のバランスが悪いため、肥料としての需要も少なく、余剰汚泥の処分は大きな問題となっている。
このような問題を解決するために、余剰汚泥を減容化する技術が種々提案されている。現在行われている代表的な減容化技術としては、オゾン酸化法があるが、設備費、運転コストが高くなり、処理過程で難分解性溶存態有機物質が残存し、放流水のCOD値が高くなること、リン含有沈殿汚泥からリンが全量溶出するので、リンを回収するための新たな工程が必要となることなどの問題がある。
また、好気性条件下で、微生物の作用により余剰汚泥を分解消化する方法も提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。この方法によれば、オゾン酸化法に比較して、簡単な設備を使用して、低コストで処理を行うことができるが、その減容化効果は未だ充分とは云えず、年に1回程度は、処理しきれなかった余剰汚泥を処理槽から抜き取る必要があり、手間とコストがかかって、未だ満足できるものではない。
特に、地方自治体、中小企業、畜産農家などで使用されている小規模な活性汚泥処理施設では、バキュームカーなどで余剰汚泥を抜き取り、焼却、廃棄処理場に搬送しなければならず、多大な労力と費用がかかって大きな負担となっており、簡単で安価な設備で、手間とコストをかけずに、効率よく余剰汚泥を減らす技術が求められている。
特に、地方自治体、中小企業、畜産農家などで使用されている小規模な活性汚泥処理施設では、バキュームカーなどで余剰汚泥を抜き取り、焼却、廃棄処理場に搬送しなければならず、多大な労力と費用がかかって大きな負担となっており、簡単で安価な設備で、手間とコストをかけずに、効率よく余剰汚泥を減らす技術が求められている。
一方、本発明者は、生活汚水を微生物の作用により処理した一次処理水を、通気性土壌内に埋設した浸潤部材から通気性土壌内に浸潤させ、土壌中に含まれる微生物の作用により有機物を分解する方法を先に提案した(例えば、特許文献3)。しかしながら、このような方法を余剰汚泥の減容に利用することは行われていなかった。
更に、米ぬかは、汚水処理工程で防臭剤、浄化剤として用いられる各種殺菌剤や微生物の担体として用いられることがあるが(例えば、特許文献4)、米ぬかやコーヒー粕などの担体は、SS成分、残留汚泥、沈殿物などを増大させるという理由で、汚水処理に用いるのは不適当であると考えられており(例えば、特許文献5)、この米ぬかに、汚水処理槽内でのスカムの肥厚固化を防止する効果や、汚水処理を促進する効果があることは、全く知られていなかった。
本発明者は、上記従来技術の問題点を解決すべく、本発明者が先に開発したような、通気性土壌内に埋設した浸潤部材から通気性土壌内に汚水を浸潤させ、土壌中に含まれる微生物の作用により有機物を分解する方法により余剰汚泥を処理しようと試みたが、浸潤部材への目詰まりが発生して、満足な処理が行なえなかった。
そこで、本発明の課題は、余剰汚泥を通気性土壌内に浸潤させて処理する際の浸潤部材の目詰まりを防止して、上記従来技術の問題点を解決し、簡単で安価な設備を用いることにより、手間とコストをかけずに、効率よく余剰汚泥を減容する技術を提供することにある。
そこで、本発明の課題は、余剰汚泥を通気性土壌内に浸潤させて処理する際の浸潤部材の目詰まりを防止して、上記従来技術の問題点を解決し、簡単で安価な設備を用いることにより、手間とコストをかけずに、効率よく余剰汚泥を減容する技術を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、通気性土壌内での浸潤分解方法を余剰汚泥処理に適用する際に、予め消化処理槽において、従来用いられていた好気性微生物処理に代えて、処理速度が遅く悪臭を伴うなどの理由から汚泥処理ではほとんど利用されていなかった嫌気性微生物処理を余剰汚泥処理に適用すると共に、従来、各種殺菌剤や微生物の担体として用いられていただけで、消化処理槽に用いるのはむしろ不適当であると考えられていた米ぬかを消化処理槽内の余剰汚泥中に存在させることにより、浸潤部材の目詰まりを防止することができ、消化処理槽内でのスカムの発生をも防止でき、手間とコストをかけずに、極めて効率的に余剰汚泥を処理できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、有機物を含む汚水・排水の活性汚泥法による処理に際し発生する余剰汚泥を減容する方法において、余剰汚泥を消化処理槽にて米ぬかの存在下、嫌気性条件で微生物処理して、該消化処理槽内に、嫌気性生物膜層、浮遊物層、分離水層からなる三層構造を形成せしめた後、該分離水層の分離水を通気性土壌内に埋設した浸潤部材へ移送し、該浸潤部材から通気性土壌内に浸潤させ、土壌中に含まれる微生物の作用により有機物を分解することを特徴とする余剰汚泥の処理方法が提供される。
特に、該三層構造の分離水層の分離水を外該浸水部材へ移送するには、消化処理槽の移流菅の開口部を、該分離水層内に位置させることが好ましく、そのためには、該消化処理槽の水面から移流菅の開口部までの長さを60cm以下とすればよい。
また、更に、該消化処理槽が、活性汚泥処理設備の汚泥濃縮槽または汚泥貯留槽であってもよい。
更にまた、該分離水層の分離水を通気性土壌内に埋設した浸潤部材へ移送する手段としては、エアリフトポンプが好ましい。特に、エアリフトポンプの揚液管を途中で上方へ折り返す共に、その先端部を下方へ湾曲させ、吸入口を下方に向かって開口させる構造が好ましい。
消化処理槽にて、米ぬかの存在下、嫌気性条件で余剰汚泥を微生物処理して、該消化処理槽内に、嫌気性生物膜層、浮遊物層、分離水層からなる三層構造を形成せしめ、該分離水層の分離水を通気性土壌内に埋設した浸潤部材から通気性土壌内に浸潤させることにより、浸潤部材の目詰まりを大幅に減らすことができ、余剰汚泥の処理を円滑に行なうことができると共に、該消化処理槽内でのスカムの肥厚固化を防止することができる。また、曝気、撹拌などの付帯設備をまったく必要とせず、全体的に見て、設備費を大幅に削減できると共に、曝気、撹拌などを行わないので、運転(動力)コストもほとんどかからない。
特に、該消化処理槽の移流菅の開口部を、該分離水層内(水面から60cm以下)に位置させることによって、浸潤部材の目詰まりをほぼ完全に防止することができる。
特に、該消化処理槽の移流菅の開口部を、該分離水層内(水面から60cm以下)に位置させることによって、浸潤部材の目詰まりをほぼ完全に防止することができる。
更に、活性汚泥処理設備の既設の汚泥濃縮槽または汚泥貯留槽を本発明の消化処理槽として使用すれば、新たに消化処理槽を新設する必要がなく、設備費の削減に大きく寄与する。
また、前記分離水を通気性土壌内の浸潤部材へ移送する手段としてエアリフトポンプを使用すると、ポンプ槽内の分離水の水位を容易に一定に保つことができ、しかも、酸欠状態で送られてくる分離水に空気を供給して溶存酸素量を高め、通気性土壌内での微生物による有機物分解を促進することができ、極めて有効である。特に、エアリフトポンプの構造を、上記の如き特定の構造とすることにより、ポンプ槽内の沈殿物や浮遊物が分離水と共に浸潤部材へ送られるのを阻止することができ、浸潤部材での目詰まり防止に極めて有効である。
本発明方法においては、消化処理槽内で前記三層構造が一旦形成されると、撹拌を行わずかつ嫌気性条件下に保持している限りこの三層構造が保たれ、底部に沈殿した嫌気性生物膜層(残留汚泥)は嫌気性条件下で分解し、分離水層が通気性土壌内に埋設した浸潤部材へ送られて、余剰汚泥が消化処理槽へ供給され続けても、この残留汚泥が経時的に増加することなくほぼ一定に保たれるため、半永久的に残留汚泥の抜き取りが不要であり、全く手間(労力)がかからない。
このように、本発明によれば、簡単で安価な設備を用い、手間とコストをかけずに、効率よく余剰汚泥を減らすことができる。
このように、本発明によれば、簡単で安価な設備を用い、手間とコストをかけずに、効率よく余剰汚泥を減らすことができる。
以下、図面を参照して本発明方法を更に詳細に説明する。
図1は、本発明の余剰汚泥処理方法を実施するための余剰汚泥処理装置の一例を示す概略縦断面図である。
活性汚泥処理設備の汚泥濃縮槽または汚泥貯留槽(図示せず)から供給される余剰汚泥を、流入管1から嫌気性条件下に保持された消化処理槽2内へ送入する。
図1は、本発明の余剰汚泥処理方法を実施するための余剰汚泥処理装置の一例を示す概略縦断面図である。
活性汚泥処理設備の汚泥濃縮槽または汚泥貯留槽(図示せず)から供給される余剰汚泥を、流入管1から嫌気性条件下に保持された消化処理槽2内へ送入する。
本発明の余剰汚泥処理方法では、有機物を含む汚水・排水の活性汚泥法による処理において発生する余剰汚泥を処理する際に、該余剰汚泥に対して予め消化処理槽2にて、好気性条件化での微生物処理を行うことなく、嫌気性条件下で微生物処理を行う。
本発明において、嫌気性条件とは、系の酸化還元電位が−150mV以下である状態を意味する。通常は、消化処理槽2内の撹拌、曝気を行わなければ、嫌気性条件を得ることができる。図1の消化処理槽2では、その上部スラブ3に複数の連通孔4を設け、その上を土壌5で被覆しているが、このような構造に限定されるものではない。
活性汚泥法による汚水・排水の処理に際して発生する余剰汚泥は、その大部分が活性汚泥微生物の死骸(有機物)である。この余剰汚泥中には、各種細菌、原生動物、後生動物が含まれており、嫌気性条件下に保持すると、これらが増殖して余剰汚泥を分解、捕食、摂食し、余剰汚泥が著しく減少する。
余剰汚泥に対して消化処理槽2にて嫌気性条件下で微生物処理を行うと、図2に示すように、消化処理槽2内に嫌気性生物膜層A、浮遊物層B、分離水層Cからなる三層構造が形成される。
本発明における消化処理槽2での嫌気性条件下の微生物処理においては、嫌気性菌による酸性発酵およびアルカリ性発酵、嫌気性原生動物、後生微小動物による捕食、摂食、余剰汚泥溶解菌による溶解などが行なわれる。
通性嫌気性菌としては、例えば、大腸菌、ブドウ球菌、コリネバクテリウム属、リステリア属などが挙げられ、これらの菌による酸性発酵で、余剰汚泥中の炭水化物が酢酸、酪酸、アセトン、アルコールなど、蛋白質がアミノ酸、脂肪酸など、セルロースが酢酸、酪酸など、脂肪が脂肪酸、グリセリン、アルコールなどの中間生成物に分解される。この酸性発酵により、余剰汚泥有機物の45〜50%が水になる。この水が、消化処理槽2内で上昇し、活性汚泥の有機物が浮遊している浮遊物層Bから分離して、分離水層Cを形成する。
また、偏性嫌気性菌としては、メタン菌が挙げられ、酸性発酵が行われた酸性の系に続いて、副生する亜硝酸アンモニウムによって弱アルカリ性となった系において、酸性発酵により生成された中間生成物をメタン、炭酸ガスに分解、ガス化する。メタン菌は、強い抗菌力を持っており、大腸菌等の腸内菌を死滅させる。このアルカリ性発酵により、余剰汚泥有機物の25〜30%がガス化して減容化する。また、ガスと共に発生した水も、浮遊物層Bから分離上昇して、分離水層Cに取り込まれる。
次いで、酸性発酵およびアルカリ性発酵の後に残った有機物を、主として嫌気性原生動物、後生微小動物が捕食、摂食する。
原生動物は、細菌、藻類、微小動物などを直接捕食し、水の透明化と浄化、残存有機物の減容化に大きく寄与する。嫌気性原生動物としては、trimyema compressum やメトプス属、ケノモルファ属、パラメシウム属、ウロゾナ属、サプロディニウム属の原生動物などが挙げられる。
原生動物は、細菌、藻類、微小動物などを直接捕食し、水の透明化と浄化、残存有機物の減容化に大きく寄与する。嫌気性原生動物としては、trimyema compressum やメトプス属、ケノモルファ属、パラメシウム属、ウロゾナ属、サプロディニウム属の原生動物などが挙げられる。
また、嫌気性条件下で増殖する後生微小動物は、大きさが数mm以下の小型のものが多く、細菌や微小な原生動物を捕食して消化する。肉食系で、沈殿汚泥の減容化に大きく寄与する。これらの後生微小動物としては、袋形動物、環形動物、節足動物などがある。
通性嫌気性菌、偏性嫌気性菌で分解されずに残った余剰汚泥有機物が、このような嫌気性原生動物、後生微小動物により捕食、摂食され、更に大幅な減容化が行われる。
通性嫌気性菌、偏性嫌気性菌で分解されずに残った余剰汚泥有機物が、このような嫌気性原生動物、後生微小動物により捕食、摂食され、更に大幅な減容化が行われる。
更に、上記処理でも処理し切れなかった汚泥を、余剰汚泥溶解菌(プロテアーゼ)が溶解する。このような一連の処理により、97%前後の余剰汚泥が消滅し、約3%の汚泥が嫌気性生物膜層Aとして残るが、この嫌気性生物膜層Aの量は、経年的にほとんど増加せず、ほぼ一定の値を維持する。
なお、上記嫌気性菌、嫌気性原生動物、後生微小動物、余剰汚泥溶解菌は、特に積極的に供給する必要はなく、活性汚泥法による汚水・排水の処理に際して発生する余剰汚泥中に含まれていたり、あるいは空中もしくは土壌中から処理系内へ混入したりする。
従来の好気性条件下での微生物処理では、浄化処理槽内で汚泥と上澄水の固液分離が起こるだけで、上述のような三層構造は形成されない。従来の固液分離された上澄水を通気性土壌内に埋設した浸潤部材から通気性土壌内に浸潤させ、土壌中に含まれる微生物の作用により有機物を分解しようとしても、浸潤部材への目詰まりが発生して、満足な処理が行なえない。
更に、本発明においては、米ぬかの存在下で消化処理槽2内の余剰汚泥を嫌気性条件で微生物処理することが必要である。米ぬかが存在しなくても、三層構造は形成されるが、その形成に数ヶ月という極めて長い時間を要するため、実用的ではない。米ぬかの存在下で処理することにより、極めて短時間に三層構造が形成され、処理効率が向上すると共に、消化処理層2内でのスカムの肥厚固化も抑制できる。
米ぬかの投与量は、通常、消化処理槽2の有効容量を基準にして、1回当たり0.05〜3kg/m3(好ましくは、0.2〜2kg/m3)である。最初に1.0〜1.5kg/m3程度の比較的多量の米ぬかを投入しておき、その後、スカムの肥厚固化状態を見ながら、適当な間隔で(例えば2ヶ月おきに)適量(例えば、0.3〜0.5kg/m3程度)を追加投入していくことも有効な方法である。
また、消化処理槽2内での嫌気性処理を促進する上で、槽内を嫌気性に保つために、厚さ10〜20cmのスカムを表面に残しておくことが好ましい場合があるが、その場合は、米ぬかの投与量、添加時期を適宜変更してスカムの厚さを調節すればよい。
また、消化処理槽2内での嫌気性処理を促進する上で、槽内を嫌気性に保つために、厚さ10〜20cmのスカムを表面に残しておくことが好ましい場合があるが、その場合は、米ぬかの投与量、添加時期を適宜変更してスカムの厚さを調節すればよい。
米ぬかは、嫌気性条件下で微生物処理を開始する際に、予め消化処理槽2内へ投入しておいても良いし、余剰汚泥が消化処理槽2へ送られる前に、活性汚泥処理設備の汚泥濃縮槽または汚泥貯留槽において予め余剰汚泥に投与しておいてもよい。
米ぬかを消化処理槽2へ投与した場合、その投与した場所から槽全体へ拡散していくので、撹拌等の処理は全く必要ない。従って、撹拌によって槽内が好気性になったり、三層構造が破壊されたりするようなことはない。
消化処理槽2における米ぬかの存在は、SS成分、残留汚泥、沈殿物などを増大させるとして、不適当であると考えられていたが、実際に投与してみると、SS成分、残留汚泥、沈殿物などの増加は認められず、微生物処理への悪影響は全く無く、むしろ槽内の三層構造の形成を促進するという顕著な効果が認められた。この理由はよくわからないが、米ぬかはビタミン類を多く含み、補酵素として微生物の細胞外酵素の働きを助け、三層構造の形成を促進し、スカムの肥厚固化を抑制しながら分解して、ガスとなって系外に排出されるためと考えられる。
かくして形成された分離水層Cの分離水を、移流菅6からポンプ槽7へ送り、更にポンプ8によって通気性土壌9内に埋設した浸潤部材10へ送って、該浸潤部材10から通気性土壌9内に浸潤させ、土壌9中に含まれる微生物の作用により有機物を分解する。
この場合、図2に示すように、移流菅6の開口部6aを分離水層C内に位置させることによって、浮遊物層Bの浮遊物が浸潤部材10内に流入するのをほぼ完全に防止することができ、浸潤部材10の目詰まりを確実に防止することができる。移流菅6の開口部6aを常に分離水層C内に位置させるには、水面WSから開口部6aまでの長さLを60cm以下にすればよい。
また、ポンプ槽7内の分離水を浸潤部材10へ送るための手段としては、任意のポンプ8を使用することができるが、特に、揚液管と空気供給菅とからなり、揚液管内に供給された空気の力により揚液するエアリフトポンプを使用するのが好ましい。エアリフトポンプであれば、揚液管内への空気の送風量を送風バルブで調整することにより、ポンプ槽7内の分離水の水位を簡単に調節して一定に保つことができ、安定した運転が可能となる。
更に、通気性土壌9内にて、微生物の作用により有機物を効率的に分解するには、酸素の存在が必要であるが、消化処理槽2にて嫌気性条件下で処理された分離水には酸素が不足しているため、分離水を曝気槽などで曝気させることが必要になることもある。しかしながら、エアリフトポンプを使用すると、揚液管内で空気の泡が弾けるときに、揚水中の分離水に常に酸素を供給することになるので、溶存酸素量を0.5〜7mg/リットルとほぼ飽和状態近くまで高めることができる。従って、曝気槽などの特別の槽を設けることなく通気性土壌9内での有機物の分解を促進することができ、極めて有利である。
更に、通気性土壌9内にて、微生物の作用により有機物を効率的に分解するには、酸素の存在が必要であるが、消化処理槽2にて嫌気性条件下で処理された分離水には酸素が不足しているため、分離水を曝気槽などで曝気させることが必要になることもある。しかしながら、エアリフトポンプを使用すると、揚液管内で空気の泡が弾けるときに、揚水中の分離水に常に酸素を供給することになるので、溶存酸素量を0.5〜7mg/リットルとほぼ飽和状態近くまで高めることができる。従って、曝気槽などの特別の槽を設けることなく通気性土壌9内での有機物の分解を促進することができ、極めて有利である。
なお、上記図1において、消化処理槽2とポンプ槽7の間に、浮遊物をろ過するためのろ床槽や後に続く通気性土壌9内での微生物による有機物の分解を促進するための曝気槽などを設けてもよい。更に、処理能力を高めるために、消化処理槽2を複数個連設してもよい。
また、通気性土壌9内に埋設した浸潤部材10としては、嫌気性条件下の消化処理槽2で予め処理した分離水を通気性土壌9内へ浸潤させることができるものであれば、任意のものを用いることができる。例えば、特許文献3に記載されているような不織布からなる浸潤部材が好ましく用いられる。通気性土壌9内で有機物が分解処理された後の清浄水は、通気性土壌9内を毛管上昇させ、大気中へ蒸発散させてもよいし、浸潤部材10の下方に設けた集水管(図示せず)に集めて放流してもよい。
更に、活性汚泥処理設備の既設の汚泥濃縮槽または汚泥貯留槽を消化処理槽2として用いることも可能である。このような既設の汚泥濃縮槽または汚泥貯留槽を利用すれば、消化処理槽2を新設する必要が無いので、設備費の削減に寄与するところ大である。
図3は、本発明方法を実施するための余剰汚泥処理装置の他の例を示す概略縦断面図であり、2個の消化処理槽、即ち第1消化処理槽2’及び第2消化処理槽2”を連接すると共に、第2消化処理槽2”とポンプ槽7との間に、嫌気性ろ床槽11及び多目的槽12を設けている。第1消化処理槽2’及び第2消化処理槽2”は、第1図の消化処理槽2と同じ構造を有しており、その説明は省略する。
余剰汚泥は、ここで、米ぬかの存在下、嫌気性条件で微生物処理され、次いで分離水層Cの分離水を嫌気性ろ床槽11へ送って浮遊物をろ過し、更に多目的槽12へ送って必要に応じて曝気や沈殿処理を行なう。多目的槽12は、曝気や沈殿その他の調整を行なうための槽であり、この槽を設けておくと、安定した運転を行なう上で便利である。
その後、分離水をポンプ槽7へ送り、更にポンプにより、通気性土壌9内に埋設した浸潤部材10へ送って該浸潤部材10から通気性土壌9内に浸潤させ、土壌中の微生物の作用により有機物を分解する。
余剰汚泥は、ここで、米ぬかの存在下、嫌気性条件で微生物処理され、次いで分離水層Cの分離水を嫌気性ろ床槽11へ送って浮遊物をろ過し、更に多目的槽12へ送って必要に応じて曝気や沈殿処理を行なう。多目的槽12は、曝気や沈殿その他の調整を行なうための槽であり、この槽を設けておくと、安定した運転を行なう上で便利である。
その後、分離水をポンプ槽7へ送り、更にポンプにより、通気性土壌9内に埋設した浸潤部材10へ送って該浸潤部材10から通気性土壌9内に浸潤させ、土壌中の微生物の作用により有機物を分解する。
なお、ここでは、分離水をポンプ槽7から浸潤部材10へ送るための移送手段として、エアリフトポンプ8’を使用している。このエアリフトポンプ8’は、揚液管8’aと空気供給菅8’bとからなり、空気供給菅8’bから揚液管8’a内に供給された空気の力により液体を移送するものである。揚液管8’a内への空気の送風量を送風バルブ(図示せず)で調整することにより、ポンプ槽7内の分離水の水位を簡単に調節して一定に保つことができ、安定した運転が可能となる。更に、揚液管8’a内において空気供給菅8’bから分離水に空気を供給するので、溶存酸素量を高め、通気性土壌9内での微生物による有機物分解を促進することができ、極めて有効である。また、本エアリフトポンプ8’は、揚液管8’aが途中で上方へ折り返されていると共に、その端部8’cが下方へ湾曲して、吸入口8’dが下方に向かって開口している。従って、ポンプ槽7内の分離水を吸引する吸入口8’dがポンプ槽7内上部に位置しているため、底部に溜まった沈殿物を吸い込む心配がなく、しかも、空気供給菅8’bの送風量を送風バルブ(図示せず)により、水面が湾曲部(端部)8’cよりも上方に位置するように調整すれば、吸入口8’dが下方に向かって開口しているため、水面の浮遊物を吸い込むこともない。従って、ポンプ槽内の沈殿物や浮遊物が分離水と共に浸潤部材10へ送られるのを阻止することができ、浸潤部材10での目詰まり防止に極めて有効である。
本発明においては、消化処理槽2内において、余剰汚泥を米ぬかの存在下、嫌気性条件で微生物処理することが重要である。好気性条件下で微生物処理を行なうと、有機物の分解速度が高まり、分解ガスの発生が激しくなって対流が生じ、槽内の余剰汚泥が撹拌され、前記三層構造が破壊されてしまう。また、好気性条件を得るための撹拌、曝気も前記三層構造を破壊することになる。前期三層構造が破壊されると、分離水層Cが消滅し、従来の汚泥と上澄水の固液分離が生ずることになり、この上澄液を通気性土壌9内に埋設した浸潤部材10へ送ったのでは、浮遊物による浸潤部材10の目詰まりが発生し、長期間の安定運転が行なえない。嫌気性条件下で有機物の分解速度が遅いがゆえに形成される前記三層構造を利用して、浮遊物を含まない分離水層Cの分離水のみを浸潤部材10へ送ることによって、浸潤部材10の目詰まりを防止し、長期間の安定運転が可能となる。
特に、本発明方法においては、消化処理槽2内で前記三層構造が一旦形成されると、撹拌、曝気を行わずかつ嫌気性条件下に保持している限りこの三層構造が保たれ、底部に沈殿した嫌気性生物膜層(残留汚泥)Aは嫌気性条件下で分解し、分離水層Cの分離水が通気性土壌内に埋設した浸潤部材10へ送られて、余剰汚泥が消化処理槽2へ供給され続けても、この嫌気性生物膜層(残留汚泥)Aが経時的に増加することなくほぼ一定に保たれるため、半永久的に残留汚泥の抜き取りが不要であり、全く手間(労力)がかからない。
(実施例1)
集落生活排水を活性汚泥法により処理し、活性汚泥処理施設の汚泥貯留槽(図示せず)から抜き出した余剰汚泥を、図1に示した余剰汚泥処理装置を用いて処理した。消化処理槽2の有効容量は69m3であり、通気性土壌9に埋設された浸潤部材10としては、特許文献3に記載されている不織布からなる浸潤部材を使用した。
集落生活排水を活性汚泥法により処理し、活性汚泥処理施設の汚泥貯留槽(図示せず)から抜き出した余剰汚泥を、図1に示した余剰汚泥処理装置を用いて処理した。消化処理槽2の有効容量は69m3であり、通気性土壌9に埋設された浸潤部材10としては、特許文献3に記載されている不織布からなる浸潤部材を使用した。
消化処理槽2内に余剰汚泥を送入すると同時に、45kg(1.15kg/cm3)の米ぬかを投入し、そのままの状態で微生物処理を行なった。消化処理槽2内の系の酸化還元電位は、−200〜−250mVであり、嫌気性条件下にあることが確認された。消化処理槽2内にて嫌気性条件下で微生物処理を開始すると、図2に示す三層構造が現れた。このときの嫌気性生物膜層Aの厚さは、平均約50cmであった。
活性汚泥処理施設の汚泥貯留槽からの余剰汚泥を、流入管1から消化処理槽2へ送入すると共に、該消化処理槽2の移流菅6の開口部6aを、該三層構造の分離水層C内に位置せしめ(水面から開口部6aまでの長さLを50cm)、分離水層Cの分離水を移流菅6からポンプ槽7へ送り、更にポンプ8によって通気性土壌9内に埋設した浸潤部材10へ送って、該浸潤部材10から通気性土壌9内に浸潤させ、通気性土壌9中に含まれる微生物の作用により有機物を分解させた。通気性土壌9内で有機物が分解処理された後の処理水は、通気性土壌9内を毛管上昇させ、大気中へ蒸発散させた。なお、余剰汚泥の処理量は、0.5m3/日であった。また、通気性土壌9内で分解処理した後の処理水は、BODが2.0ppm、CODが3.2ppm、大腸菌が10個/cm3、全窒素が15.0ppm、硝酸性窒素が5.2ppmであり、極めてきれいな水に浄化されていた。
前記三層構造が形成されてから6ヶ月後の嫌気性生物膜層(残留汚泥)Aの高さは平均45cmであり、更に18ヶ月後の嫌気性生物膜層(残留汚泥)Aの高さは、平均46cmでほとんど変化がなかった。このままの状態で推移すものと予測され、今後10年以上にわたって、残留汚泥の抜き取りは必要ないものと考えられる。この間、浸潤部材8の目詰まりも全く発生せず、ほぼ、メインテナンスフリーで余剰汚泥の減容化を実現することができた。
(比較例1)
一方、比較のために、米ぬかを投入せず、上記消化処理槽2に曝気装置を取り付け、空気を吹き込んで、該消化処理槽2の系を好気性として(酸化還元電位:−100〜−150mV)実施例1と同様なテストを行ったところ、6ヶ月を経過しても三層構造は発現せず、汚泥と上澄水の固液分離が生じ、底部には、残留汚泥が約65cmの高さに沈殿していた。更に6ヶ月後(処理開始から1年後)の沈殿残留汚泥の高さは約100cmに達し、抜き取りを行う必要があった。また、テストを開始した時点から6ヶ月を経過したところで、実施例1と同様にして上澄水を抜き取り、通気性土壌9内に埋設した浸潤部材10へ送って、通気性土壌9内での分解処理を行なおうとしたが、浸潤部材9で目詰まりが発生し、満足な処理を行なうことができなかった。
一方、比較のために、米ぬかを投入せず、上記消化処理槽2に曝気装置を取り付け、空気を吹き込んで、該消化処理槽2の系を好気性として(酸化還元電位:−100〜−150mV)実施例1と同様なテストを行ったところ、6ヶ月を経過しても三層構造は発現せず、汚泥と上澄水の固液分離が生じ、底部には、残留汚泥が約65cmの高さに沈殿していた。更に6ヶ月後(処理開始から1年後)の沈殿残留汚泥の高さは約100cmに達し、抜き取りを行う必要があった。また、テストを開始した時点から6ヶ月を経過したところで、実施例1と同様にして上澄水を抜き取り、通気性土壌9内に埋設した浸潤部材10へ送って、通気性土壌9内での分解処理を行なおうとしたが、浸潤部材9で目詰まりが発生し、満足な処理を行なうことができなかった。
(実施例2)
活性汚泥処理設備の汚泥貯留槽を消化処理槽2として使用した以外は実施例1と同様にして余剰汚泥の処理を行なった。その結果、実施例1と同様、良好な結果が得られた。
活性汚泥処理設備の汚泥貯留槽を消化処理槽2として使用した以外は実施例1と同様にして余剰汚泥の処理を行なった。その結果、実施例1と同様、良好な結果が得られた。
(実施例3)
集落生活排水を活性汚泥法により処理し、活性汚泥処理施設の汚泥貯留槽(図示せず)から抜き出した余剰汚泥を、図3に示した余剰汚泥処理装置を用いて処理した。第1消化処理槽2’の有効容量は69m3、第2消化処理槽2”の有効容量は35m3であり、第2消化処理槽2”とポンプ槽7との間には、嫌気性ろ床槽11及び多目的槽12を設けた。また、分離水をポンプ槽7から浸潤部材10へ移送する手段としては、図3に示した構造のエアリフトポンプ8’を用い、通気性土壌9に埋設された浸潤部材10としては、特許文献3に記載されている不織布からなる浸潤部材を使用した。
集落生活排水を活性汚泥法により処理し、活性汚泥処理施設の汚泥貯留槽(図示せず)から抜き出した余剰汚泥を、図3に示した余剰汚泥処理装置を用いて処理した。第1消化処理槽2’の有効容量は69m3、第2消化処理槽2”の有効容量は35m3であり、第2消化処理槽2”とポンプ槽7との間には、嫌気性ろ床槽11及び多目的槽12を設けた。また、分離水をポンプ槽7から浸潤部材10へ移送する手段としては、図3に示した構造のエアリフトポンプ8’を用い、通気性土壌9に埋設された浸潤部材10としては、特許文献3に記載されている不織布からなる浸潤部材を使用した。
活性汚泥処理施設の汚泥貯留槽に120kgの米ぬかを投入した後、第1消化処理槽2’内に米ぬかを含有する余剰汚泥を送入し、そのままの状態で微生物処理を行なった。消化処理槽2内の系の酸化還元電位は、−200〜−250mVであり、嫌気性条件下にあることが確認された。第1消化処理槽2’内にて嫌気性条件下で微生物処理を開始すると、図2に示す三層構造が現れた。このときの嫌気性生物膜層Aの厚さは、平均約42cmであった。
活性汚泥処理施設の汚泥貯留槽からの余剰汚泥を、流入管1’から第1消化処理槽2’へ送入すると共に、該第1消化処理槽2’の移流菅6’の開口部6’aを、該三層構造の分離水層C内に位置せしめ(水面から開口部6’aまでの長さLを50cm)、分離水層Cの分離水を移流菅6’、流入管1”から第2消化処理槽2”へ送り、第2消化処理槽2”においても、第1消化処理槽2’におけると同様の嫌気性条件下で微生物処理を行なった。第2消化処理槽2”においても、該槽内での処理開始後、第2図に示す三層構造が現れ、このときの嫌気性生物膜層Aの厚さは、平均約15cmであった。該第2消化処理槽2”においても、その移流菅6”の開口部6”aを、該三層構造の分離水層C内に位置せしめ(水面から開口部6”aまでの長さLを50cm)、分離水層Cの分離水を移流菅6”から嫌気性ろ床槽11へ送り、残っている浮遊物をろ過した後、多目的槽12を経て、ポンプ槽7からエアリフトポンプ8’によって通気性土壌9内に埋設した浸潤部材10へ送った。浸潤部材10へ送られた分離水を、該浸潤部材10から通気性土壌9内に浸潤させ、通気性土壌9中に含まれる微生物の作用により有機物を分解させた。通気性土壌9内で有機物が分解処理された後の処理水は、通気性土壌9内を毛管上昇させ、大気中へ蒸発散させた。なお、余剰汚泥の処理量は、0.9m3/日であり、消化処理槽を連設したことにより、余剰汚泥の処理量を高めることができた。また、通気性土壌9内で分解処理した後の処理水は、BODが1.8ppm、CODが3.0ppm、大腸菌が8個/cm3、全窒素が13.8ppm、硝酸性窒素が4,9ppmであり、極めてきれいな水に浄化されていた。
第1消化処理槽2’において、前記三層構造が形成されてから6ヶ月後の嫌気性生物膜層(残留汚泥)Aの高さは平均約43cmであり、更に18ヶ月後(三層構造が形成されてから2年後)の嫌気性生物膜層(残留汚泥)Aの高さは、平均約44cmでほとんど変化がなかった。また、第2消化処理槽2”においても、嫌気性生物膜層(残留汚泥)Aの高さにほとんど変化は認められず、このままの状態で推移すものと予測され、今後10年以上にわたって、残留汚泥の抜き取りは必要ないものと考えられる。この間、浸潤部材10の目詰まりも全く発生せず、ほぼ、メインテナンスフリーで余剰汚泥の減容化を実現することができた。
本発明によれば、簡単で安価な設備を用いて、手間とコストをかけずに、効率よく余剰汚泥を減らすことができるので、活性汚泥法による処理に際し発生する余剰汚泥の処理方法として有用である。
特に、既存の活性汚泥処理設備と同一敷地内で活性汚泥処理と連続して本発明を実施することができるので、小規模な活性汚泥処理設備を使用しており、その余剰汚泥処理のコスト削減に苦慮している地方自治体、中小企業、畜産農家などにとっては、極めて有用な発明である。
特に、既存の活性汚泥処理設備と同一敷地内で活性汚泥処理と連続して本発明を実施することができるので、小規模な活性汚泥処理設備を使用しており、その余剰汚泥処理のコスト削減に苦慮している地方自治体、中小企業、畜産農家などにとっては、極めて有用な発明である。
1、1’、1” 流入管
2、2’、2” 消化処理槽
6、6’、6” 移流菅
6a、6’a、6”a 移流菅の開口部
7 ポンプ槽
8 ポンプ
8’ エアリフトポンプ
9 通気性土壌
10 浸潤部材
A 嫌気性生物膜層
B 浮遊物層
C 分離水層
L 水面から開口部までの長さ
2、2’、2” 消化処理槽
6、6’、6” 移流菅
6a、6’a、6”a 移流菅の開口部
7 ポンプ槽
8 ポンプ
8’ エアリフトポンプ
9 通気性土壌
10 浸潤部材
A 嫌気性生物膜層
B 浮遊物層
C 分離水層
L 水面から開口部までの長さ
Claims (5)
- 有機物を含む汚水・排水の活性汚泥法による処理に際し発生する余剰汚泥を減容する方法において、余剰汚泥を消化処理槽にて米ぬかの存在下、嫌気性条件で微生物処理して、該消化処理槽内に、嫌気性生物膜層、浮遊物層、分離水層からなる三層構造を形成せしめた後、該分離水層の分離水を通気性土壌内に埋設した浸潤部材へ移送し、該浸潤部材から通気性土壌内に浸潤させ、土壌中に含まれる微生物の作用により有機物を分解することを特徴とする余剰汚泥の処理方法。
- 該消化処理槽の水面から移流菅の開口部までの長さを60cm以下とすることを特徴とする請求項1記載の余剰汚泥処理方法。
- 該消化処理槽が、活性汚泥処理設備の汚泥濃縮槽または汚泥貯留槽であることを特徴とする請求項1又は2に記載の余剰汚泥の処理方法。
- 該分離水を該浸潤部材へ移送する手段がエアリフトポンプであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の余剰汚泥の処理方法。
- 該エアリフトポンプの揚液管が、途中で上方へ折り返されていると共に、その先端部が下方へ湾曲し、吸入口が下方に向かって開口していることを特徴とする請求項4に記載の余剰汚泥の処理方法。
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CN105621836A (zh) * | 2016-03-25 | 2016-06-01 | 沈阳光大环保科技有限公司 | 一种乳业废水浮渣的处理方法及其处理装置 |
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