JP2013169400A - 動態診断支援情報生成システム、動態診断支援情報生成方法及び動態解析装置 - Google Patents

動態診断支援情報生成システム、動態診断支援情報生成方法及び動態解析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】一度に多数の被検者の検査・診断を行う集団検診において、動態撮影により得られたフレーム画像を利用して短時間でより多くの被検者を診断可能にする。
【解決手段】解析WSの制御部は、被写体の動態を撮影することにより得られた一連のフレーム画像のそれぞれを互いに対応する同一位置の複数画素からなる複数のブロックに分割し、複数のフレーム画像における解析対象領域内の各ブロックの画素の信号値に基づいて各ブロックにおける被写体の動態に係る特徴量を算出し、算出された特徴量に基づいて被写体の動態の正常/異常の疑いありを弁別する。そして、異常の疑いがあると弁別されたブロックを当該ブロックに含まれている画素数より少ない画素数からなる複数の小ブロックに再分割し、この再分割された各小ブロック内の画素の信号値に基づいて、各小ブロックにおける被写体の動態に係る特徴量を算出して診断支援情報を生成する。
【選択図】図9

Description

本発明は、動態診断支援情報生成システム、動態診断支援情報生成方法及び動態解析装置に関する。
従来の胸部の集団検診においては、間接撮影による最大吸気位(深呼吸をして息止め)のX線画像で被検者のスクリーニング(弁別)を行い、疾病疑いのある被検者に対しては、後日、最大吸気位(深呼吸をして息止め)で直接撮影を行って、最終的な診断を行っていた。従って、集団検診受診日には、集団検診の一工程として設けられた問診時に画像が間に合わず、医師自身による聴診器の音情報のみが利用可能な状況で、早期の診断結果提示という観点から好ましいものではなかった。ここで、間接撮影とは、ロール状のフィルムにライフサイズよりかなり小さい縮小画像を順次撮影する簡易な方式である。直接撮影とは、ライフサイズのX線画像を撮影する方式である。
ところで、近年、被検者の胸部の静止画像ではなく、安静呼吸状態をFPDを用いて動画撮影し、得られた一連のフレーム画像を用いて、例えば、換気機能や血液循環機能等の、被検者の通常生活状態に近い動態機能に関する診断支援情報を提供する方法が特許文献1等で公知である。動態画像の解析にあたっては、特許文献1や特許文献2に開示されているように、フレーム画像間で肺野の位置を揃えるためのローカルマッチング処理やワーピング処理等の複雑な画像処理が必要で、短時間には行えず、集団検診への適用は費用的に或いは時間的に不可能であった。
国際公開第2009/090894号 特開2009−153677号公報
これに対し、本願発明者等は、ローカルマッチング処理やワーピング処理を行わずとも、被検者の肺の換気や血流にかかる特徴量情報を抽出可能であることを見出した。そして、この知見を集団検診に適用して、短時間でより多くの被検者を早期に診断可能にする手法を見出した。
本発明の課題は、一度に多数の被検者の検査・診断を行う集団検診において、動態撮影により得られた一連のフレーム画像を利用して短時間でより多くの被検者を診断可能にすることである。
また、従来の要精査と判断された被検者に対しては、再撮影すること無く被検者の動態機能に係る特徴量情報を診断支援情報として算出提供可能とし、早期診断を可能とするものである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
被写体に連続的に放射線を照射可能な放射線源と、2次元状に配置された複数の検出素子を有し前記複数の検出素子のそれぞれにおいて前記放射線源により連続的に照射され被写体を透過した放射線を順次検出することにより前記被写体の動態を示す複数のフレーム画像を生成する放射線検出器と、を有する撮影手段と、
前記複数のフレーム画像に基づいて前記被写体の動態を解析して診断支援情報を生成する解析手段と、
を備える動態診断支援情報生成システムであって、
前記解析手段は、
前記複数のフレーム画像のそれぞれの解析対象領域を互いに対応する同一位置の複数画素からなる複数の画素ブロックに分割し、前記複数のフレーム画像における各画素ブロックの画素の信号値に基づいて前記各画素ブロックにおける前記被写体の動態に係る特徴量を算出し、算出された特徴量に基づいて前記各画素ブロックにおける前記被写体の動態が正常であるか又は異常の疑いがあるかを弁別する弁別手段と、
前記弁別手段により前記異常の疑いがあると弁別された画素ブロックを当該画素ブロックに含まれている画素数より少ない画素数からなる複数の小ブロックに再分割し、この再分割された各小ブロック内の画素の信号値に基づいて、前記各小ブロックにおける前記被写体の動態に係る特徴量を算出して診断支援情報を生成する診断支援情報生成手段と、
を備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記弁別手段は、前記複数のフレーム画像のそれぞれにおいて、前記各画素ブロック毎に画素の信号値の代表値を算出して画素ブロック内の画素の信号値を当該算出された代表値に置き換え、撮影順が隣接するフレーム画像間において前記各画素ブロックの信号値の差分値を算出し、前記算出された差分値に基づいて、前記各画素ブロックにおける前記被写体の動態が正常であるか又は異常の疑いがあるかを弁別する。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において
前記撮影手段は、前記被写体の胸部の安静呼吸の動態を撮影し、
前記診断支援情報生成手段は、前記被写体の胸部の安静呼吸の動態に係る診断支援情報を生成する。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記弁別手段は、前記複数のフレーム画像のうち、肺野領域の面積が最小のフレーム画像において、その肺野領域を複数の画素からなる複数の画素ブロックに分割し、他のフレーム画像を前記各画素ブロックと同一位置の複数画素からなる複数の画素ブロックに分割する。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明において、
前記撮影手段は、放射線の散乱を防止するためのグリッドが装着されてない状態で撮影を行う。
請求項6に記載の発明は、
被写体に連続的に放射線を照射可能な放射線源と、2次元状に配置された複数の検出素子を有し前記複数の検出素子のそれぞれにおいて前記放射線源により連続的に照射され被写体を透過した放射線を順次検出することにより前記被写体の動態を示す複数のフレーム画像を生成する放射線検出器と、を有する撮影手段と、
前記複数のフレーム画像に基づいて前記被写体の動態を解析して診断支援情報を生成する解析手段と、
を備える動態診断支援情報生成システムであって、
前記被写体の動態について算出すべき特徴量を指定するための指定手段を備え、
前記解析手段は、前記指定手段により指定された特徴量に応じて、特徴量算出の単位となる小ブロックに含まれる画素数を決定し、前記複数のフレーム画像のそれぞれを前記指定手段により指定された画素数の画素からなる複数の小ブロックに分割し、前記複数のフレーム画像における解析対象領域内の各小ブロックの画素の信号値に基づいて前記各小ブロックにおける前記被写体の動態に係る前記指定された特徴量を算出して診断支援情報を生成する。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、
前記解析手段は、前記指定手段により複数の特徴量が指定された場合、前記指定された複数の特徴量のそれぞれに応じた画素数のうち、最も小さい画素数を前記小ブロックの画素数として決定する。
請求項8に記載の発明は、
被写体に連続的に放射線を照射可能な放射線源と、2次元状に配置された複数の検出素子を有し前記複数の検出素子のそれぞれにおいて前記放射線源により連続的に照射され被写体を透過した放射線を順次検出することにより前記被写体の動態を示す複数のフレーム画像を生成する放射線検出器と、を有する撮影手段と、
前記複数のフレーム画像に基づいて前記被写体の動態を解析して診断支援情報を生成する解析手段と、
を備える動態診断支援情報生成システムにおける動態診断支援情報生成方法であって、
前記撮影手段により、前記被写体の動態を一周期以上撮影して複数のフレーム画像を取得する工程と、
前記解析手段により、前記複数のフレーム画像のそれぞれの解析対象領域を互いに対応する同一位置の複数画素からなる複数の画素ブロックに分割し、前記複数のフレーム画像における各画素ブロックの画素の信号値に基づいて前記各画素ブロックにおける前記被写体の動態に係る特徴量を算出し、算出された特徴量に基づいて前記各画素ブロックにおける前記被写体の動態が正常であるか又は異常の疑いがあるかを弁別する工程と、
前記異常の疑いがあると弁別された画素ブロックを当該画素ブロックに含まれている画素数より少ない画素数からなる複数の小ブロックに再分割し、この再分割された各小ブロック内の画素の信号値に基づいて、前記各小ブロックにおける前記被写体の動態に係る特徴量を算出して診断支援情報を生成する工程と、
を含む。
請求項9に記載の発明は、
被写体の動態を示す複数のフレーム画像に基づいて前記被写体の動態を解析して診断支援情報を生成する動態解析装置であって、
前記複数のフレーム画像のそれぞれの解析対象領域を互いに対応する同一位置の複数画素からなる複数の画素ブロックに分割し、前記複数のフレーム画像における各画素ブロックの画素の信号値に基づいて前記各画素ブロックにおける前記被写体の動態に係る特徴量を算出し、算出された特徴量に基づいて前記各画素ブロックにおける前記被写体の動態が正常であるか又は異常の疑いがあるかを弁別する弁別手段と、
前記弁別手段により前記異常の疑いがあると弁別された画素ブロックを当該画素ブロックに含まれている画素数より少ない画素数からなる複数の小ブロックに再分割し、この再分割された各小ブロック内の画素の信号値に基づいて、前記各小ブロックにおける前記被写体の動態に係る特徴量を算出して診断支援情報を生成する診断支援情報生成手段と、
を備える。
本発明によれば、一度に多数の被検者の検査・診断を行う集団検診において、動態撮影により得られた一連のフレーム画像を利用して短時間でより多くの被検者を診断可能になる。
また、従来の要精査と判断された被検者に対しては、再撮影すること無く被検者の動態機能に係る特徴量情報を診断支援情報として算出提供可能となり、早期診断が可能となる。
本実施形態に係る診断支援情報生成システムの全体構成を示す図である。 ブッキー装置の機能的構成を示すブロック図である。 コンソールの機能的構成を示すブロック図である。 撮影管理テーブルのデータ格納例を示す図である。 解析用WSの機能的構成を示すブロック図である。 FPDの機能的構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態における診断支援情報生成システムの動作を示すフロー図である。 選択用画面の一例を示す図である。 図7のステップS19により実行される解析処理を示すフローチャートである。 解析対象領域が肺野領域である場合の画素ブロック(大ブロック)の一例を示す図である。 胸部側面の時間的な変化を示す図である。 胸部正面の時間的な変化を示す図である。 小ブロックのブロックサイズを変化させたときの解析処理の代表的な項目の解析結果及び処理時間の評価結果を示す図である。 ブロックサイズ2mm角としたときの最大流速比の解析結果を示す図である。 ブロックサイズ5mm角としたときの最大流速比の解析結果を示す図である。 ブロックサイズ10mm角としたときの最大流速比の解析結果を示す図である。 各フレーム画像の照射線量を一定としてフレームレートを変化させたときの解析処理の代表的な項目の解析結果、処理時間、患者被曝の評価結果を示す図である。 トータルの照射線量を一定としてフレームレートを変化させたときの解析処理の代表的な項目の解析結果、処理時間、S/Nの評価結果を示す図である。 ブロックサイズ2mm角、フレームレートを2枚/秒、トータルの照射線量一定としたときの最大流速比の解析結果の一例を示す図である。 ブロックサイズ2mm角、フレームレートを3.75枚/秒、トータルの照射線量一定としたときの最大流速比の解析結果の一例を示す図である。 ブロックサイズ2mm角、フレームレートを7.5枚/秒、トータルの照射線量一定としたときの最大流速比の解析結果の一例を示す図である。 ブロックサイズ2mm角、フレームレートを15枚/秒、トータルの照射線量一定としたときの最大流速比の解析結果の一例を示す図である。 ブロックサイズ2mm角、フレームレートを30枚/秒、トータルの照射線量一定としたときの最大流速比の解析結果の一例を示す図である。 ブロックサイズ2mm角、フレームレートを3.75枚/秒、トータルの照射線量一定としたときの血流拍動タイミングのフレーム間差分画像の一例を示す図である。 ブロックサイズ2mm角、フレームレートを7.5枚/秒、トータルの照射線量一定としたときの血流拍動タイミングのフレーム間差分画像の一例を示す図である。 ブロックサイズ2mm角、フレームレートを15枚/秒、トータルの照射線量一定としたときの血流拍動タイミングのフレーム間差分画像の一例を示す図である。 ブロックサイズ2mm角、フレームレートを30枚/秒、トータルの照射線量一定としたときの血流拍動タイミングのフレーム間差分画像の一例を示す図である。 上段は、ブロックサイズ2mm角、フレームレートを3.75枚/秒、トータルの照射線量一定とし、ビニング処理を施したときの最大流速比の解析結果の一例を示す図、下段は、ブロックサイズ2mm角、フレームレートを3.75枚/秒、トータルの照射線量一定とし、間引き処理を施したときの最大流速比の解析結果の一例を示す図である。 上段は、換気のフレーム間差分画像にブロックサイズ2mm角でビニング処理を施したときの一例を示す図、下段は、ブロックサイズ2mm角で間引き処理を施したときの最大流速比の解析結果の一例を示す図である。 上段は、血流のフレーム間差分画像にブロックサイズ2mm角でビニング処理を施したときの一例を示す図、下段は、ブロックサイズ2mm角で間引き処理を施したときの最大流速比の解析結果の一例を示す図である。 診断支援情報生成システムの変形例を示す図である。 第2の実施の形態における診断支援情報生成システムの全体構成を示す図である。 第2の実施の形態における診断支援情報生成システムの動作を示すフロー図である。
以下、本発明に係る診断支援情報生成システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下の図示例のものに限定されるものではない。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る診断支援情報生成システム100の全体構成例を示す図である。
図1に示す撮影室R1〜R3は、被検者の身体の一部である被写体(すなわち被検者の撮影部位)に放射線を照射して被写体の動態撮影又は静止画撮影を行うための室である。
動態撮影とは、被写体に対し、X線等の放射線をパルス的に連続照射して複数の画像を取得(即ち、連続撮影)することをいう。動態撮影では、例えば、呼吸運動に伴う肺の膨張及び収縮の形態変化、心臓の拍動等の、周期性(サイクル)を持つ被写体の動態を撮影する。この連続撮影により得られた一連の画像を動態画像と呼ぶ。また、動態画像を構成する複数の画像のそれぞれをフレーム画像と呼ぶ。
静止画撮影とは、従来のフィルム方式やCR方式と同様に撮影部位の濃度分解能に基づく診断に使用されるもので、被写体に対し、X線等の放射線を1回照射して一枚の静止画像を取得することをいう。
撮影室R1は、単射及び連射が可能な放射線源3aが設けられた、被写体の動態撮影又は静止画撮影をするための室である。
撮影室R1には、例えば、立位撮影用のブッキー装置1と、臥位撮影用のブッキー装置2と、放射線源3aと、クレードル4と、コンソール5と、操作卓6と、アクセスポイントAPと、が備えられている。
撮影室R2は、単射のみが可能な放射線源3b及びポータブル撮影用の放射線源3cが設けられた、被写体の静止画撮影をするための室である。
撮影室R2には、例えば、立位撮影用のブッキー装置1と、臥位撮影用のブッキー装置2と、放射線源3b、3cと、クレードル4と、コンソール5と、操作卓6と、アクセスポイントAPと、が設けられている。
撮影室R3は、放射線源3bが設けられた、被写体の静止画撮影をするための室である。
撮影室R3には、例えば、立位撮影用のブッキー装置1と、臥位撮影用のブッキー装置2と、放射線源3bと、クレードル4と、コンソール5と、操作卓6と、アクセスポイントAPと、が設けられている。
なお、各撮影室R1〜R3には前室Raと撮影実施室Rbが設けられ、前室Raにコンソール5及び操作卓6が備えられることで、撮影技師等の操作者の被曝を防止するようになっている。
ブッキー装置1は、立位での撮影時に、FPD9a又は9bを保持して撮影を行うための装置である。
図2に、ブッキー装置1の機能構成例を示す。図2に示すように、ブッキー装置1は、制御部11と、検出器装着部12と、通信I/F13と、駆動部14とを備えて構成されている。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)により構成される。制御部11のROMには、ブッキー装置1の各部を制御するための各種処理プログラムや処理に必要なデータ、当該ブッキー装置1の識別情報であるブッキーID等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶されているプログラムとの協働によりブッキー装置1各部の動作を統括的に制御する。
例えば、制御部11は、検出器装着部12にFPD9a又は9bが装着されると、装着されたFPDにコネクタ12bを介してFPDID(FPDの識別情報)の送信要求を行い、FPDIDが受信されると、自己の識別番号であるブッキーIDをFPDIDに対応付けて通信I/F13を介してコンソール5に送信する。また、受信されたFPDIDを一時的にRAMに記憶する。
また、例えば、制御部11は、検出器装着部12からFPDが抜き取られると、通信I/F13を介してコンソール5にFPDIDを送信し、当該FPDIDの(撮影管理テーブル521からの)消去要求を行う。
検出器装着部12は、FPD(FPD9a又はFPD9b)を保持するための保持部12aと、保持部12aに装着されたFPDのコネクタ94を接続するためのコネクタ12bとを有する。コネクタ12bは、保持部12aに装着されたFPDとの間でデータ送受信を行ったり、FPDに電力を供給したりする。
通信I/F13は、アクセスポイントAPを介してコンソール5等の外部機器と通信ケールを介してデータ送受信を行うためのインターフェースである。
駆動部14は、図示しないフットスイッチ等の操作に応じて検出器装着部12を垂直方向又は水平方向に移動させる。
ブッキー装置2は、臥位での撮影時にFPD9a又は9bを保持して撮影を行うための装置である。
ブッキー装置2は、制御部21と、検出器装着部22と、通信I/F23と、駆動部24とを備えて構成されている。制御部21、検出器装着部22、通信I/F23、駆動部24は、それぞれ上述の制御部11、検出器装着部12、通信I/F13、駆動部14と同様の構成であるので説明を援用する。更に、ブッキー装置2は、被写体を載置するための被写体台26を備える。
放射線源3aは、単射及び連射(パルス照射)が可能な放射線発生装置である。放射線源3aは、例えば、撮影室R1、R3の天井から吊り下げられており、撮影時にはコンソール5からの指示に基づいて起動され、図示しない駆動機構によりにより所定の位置、向きに調整されるようになっている。そして、放射線の照射方向を変えることで、立位用のブッキー装置1又は臥位用のブッキー装置2に装着されたFPD9a又は9bに対して放射線を照射することができるようになっている。また、放射線源3aは、コンソール5からの指示に従って放射線を1回又は連続して照射し、静止画撮影又は動態撮影を行う。
放射線源3bは、単射のみが可能な放射線発生装置である。放射線源3bは、例えば、撮影室R2の天井から吊り下げられており、撮影時にはコンソール5からの指示に基づいて起動され、図示しない駆動機構によりにより所定の位置、向きに調整されるようになっている。そして、放射線の照射方向を変えることで、立位用のブッキー装置1又は臥位用のブッキー装置2に装着されたFPD9a又は9bに対して放射線を照射することができるようになっている。また、放射線源3bは、コンソール5からの指示に従って放射線を1回照射し、静止画撮影を行う。
放射線源3cは、移動可能なポータブル撮影用の放射線源である。放射線源3cは、単射のみが可能である。
クレードル4は、装着されたFPDと接続するための図示しないコネクタを有し、FPDが装着されると、コネクタを介して装着されたFPDからFPDIDを取得して、コンソール5に通知する。
コンソール5は、当該FPDIDを取得すると、以後、当該FPDを自己の制御下におき、起動やスリープ遷移等を制御する。
なお、本実施の形態においては、FPDを撮影室内に持ち込んだ際及び持ち出す際にクレードル4に装着することで、FPDの撮影室への侵入及び持ち出しをクレードル4を介してコンソール5で検知できるようになっている。
なお、FPDの撮影室への侵入及び持ち出しは、上記のクレードル方式以外も採用可能で、例えば、WO2008/111355号公報に開示されているRFID方式等を用いることができる。
コンソール5は、放射線源3a、3bやFPD9a、9bを制御することにより撮影を制御するための装置である。コンソール5は、LAN(Local Area Network)を介してHIS/RIS(Hospital Information System/ Radiology Information System)7、解
析用WS8、PACS(Picture Archiving and Communication System)10等に接続されており、HIS/RIS7から送信された撮影オーダー情報に基づいて、コンソール5が対応つけられている(設置されている)撮影室でそのオーダーの撮影が可能であるか否かを判断し、判断結果を表示する。そして、撮影が可能である場合、コンソール5は撮影に用いられる放射線源及びFPDを起動させる等の制御をして撮影を行わせる。
図3に、コンソール5の要部構成例を示す。図3に示すように、コンソール5は、制御部51、記憶部52、入力部53、表示部54、通信I/F55、ネットワーク通信部56等を備えて構成されており、各部はバス57により接続されている。
制御部51は、CPU、RAM等により構成される。制御部51のCPUは、記憶部52に記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。
例えば、制御部51は、通信I/F55を介してFPDID及びブッキーIDが受信されると、記憶部52の撮影管理テーブル521(図4参照)の受信されたブッキーIDに対応する領域にFPDIDを書き込む。また、制御部51は、通信I/F55を介してクレードル4からFPDIDが受信されると、記憶部52の撮影管理テーブル521のブッキーIDが対応付けられていない領域にFPDIDを書き込む。また、制御部51は、ブッキー装置1又は2を介して画像データが受信されると、画像受信時刻を撮影管理テーブル521の送信元のブッキー装置のブッキーIDに対応する領域に記憶させる。
また、例えば、制御部51は、所定時間毎にネットワーク通信部56を介してHIS/RIS7に問い合わせを行い、新たにHIS/RIS7で登録された撮影オーダー情報を取得する。
また、例えば、制御部51は、後述する撮影・解析処理を実行し、HIS/RIS7から取得した撮影オーダー情報に基づいて、このコンソール5が設置されている撮影室でそのオーダーの撮影が可能であるか否かを判断し、判断結果を表示する。そして、撮影が可能である場合、コンソール5は撮影に用いられる放射線源及び撮影に用いられるFPDを制御して撮影を行わせる。
記憶部52は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリ等で構成されている。
記憶部52には、各種のプログラム及びデータが記憶されている。
例えば、記憶部52には、各撮影室における撮影を管理するための撮影管理テーブル521が記憶されている。
図4に、撮影管理テーブル521のデータ格納例を示す。図4に示すように、撮影管理テーブル521には、「ブッキーID」、「管球タイプ」、「FPDID」、「画像受信時刻」等の項目が設けられている。「ブッキーID」、「管球タイプ」の領域には、当該コンソール5が設置されている撮影室に設けられているブッキー装置及び放射線源のタイプの情報が予め設定されている。ブッキーIDに対応付けられている「FPDID」の領域は、そのブッキーIDに装着されているFPDを管理するための領域であり、ブッキー装置からFPDID及びブッキーIDが受信された際に、受信されたFPDIDがブッキーIDに対応付けて格納される。また、ブッキーIDが対応付けられていない「FPDID」の領域は、撮影室に存在するFPDを管理するための領域であり、クレードル4からFPDIDが受信された際に、受信されたFPDIDが格納される。なお、ブッキー装置からFPDが抜き取られてFPDIDの消去要求が受信された場合には、制御部51により消去要求されたFPDIDのうち当該ブッキーIDに対応して格納されているFPDIDは消去される。また、ブッキーIDが対応付けられていない「FPDID」の領域に格納されているFPDIDがクレードル4から受信されると、制御部51によりそのFPDIDのFPDは撮影室から持ち出された(即ち、撮影室に存在しなくなった)と判断され、そのFPDIDは撮影管理テーブル521から消去される。また、「画像受信時刻」には、通信I/F55から画像データが受信された際に、その時刻が格納される。
また、記憶部52には、画像データから患部を検出するための自動部位認識に基づく階調処理・周波数処理等の画像処理を行うためのプログラム等、各種のプログラムが記憶されているほか、撮影画像の画像データを部位毎の診断に適した画質に調整するための画像処理パラメータ(階調処理に用いる階調曲線を定義したルックアップテーブル、周波数処理の強調度等)等が記憶されている。
また、記憶部52には、撮影の種類(動態又は静止画)と撮影部位との組み合わせに対応付けて放射線照射条件及び画像読取条件が記憶されている。放射線照射条件は、例えば、連続照射時のパルスレート、パルス幅、パルス間隔、1撮影あたりの撮影フレーム数、X線管電流の値、X線管電圧の値、フィルタ種等である。パルスレートは、1秒あたりの放射線照射回数であり、後述するフレームレートと一致している。パルス幅は、放射線照射1回当たりの放射線照射時間である。パルス間隔は、連続撮影において、1回の放射線照射開始から次の放射線照射開始までの時間であり、後述するフレーム間隔と一致している。画像読取条件は、例えば、フレームレート、フレーム間隔、画素サイズ、画像サイズ(マトリックスサイズ)等である。フレームレートは、1秒あたりに取得するフレーム画像数であり、パルスレートと一致している。フレーム間隔は、連続撮影において、1回のフレーム画像の取得動作開始から次のフレーム画像の取得動作開始までの時間であり、パルス間隔と一致している。
また、記憶部52には、診断支援情報生成システム100に登録されている各FPD9a、9bのFPDIDと、そのFPDで撮影可能な撮影の種類(動態、静止画)と、それぞれの画素サイズ(本実施の形態では、動画用及び静止画用いずれも200μm(ミクロン))とが対応つけて記憶されている。また、記憶部52には、診断支援情報生成システム100に登録されている各ブッキー装置1、2のブッキーIDと、そのブッキー装置で撮影可能な体位(立位又は臥位)とが対応付けて記憶されている。この画素サイズ情報は後述するブロック化(ビニング)処理時に使用される。
また、記憶部52は、所定時間毎にHIS/RIS7から送信される撮影オーダー情報を記憶する。
入力部53は、文字入力キー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号として制御部51に出力する。
表示部54は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニタを備えて構成されており、制御部51から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
なお、表示部54の画面上に、透明電極を格子状に配置した感圧式(抵抗膜圧式)のタッチパネル(図示せず)を形成し、表示部54と入力部53とが一体に構成されるタッチスクリーンとしてもよい。この場合、タッチパネルは、手指やタッチペン等で押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置信号が操作信号として制御部51に出力されるように構成される。なお、表示部54は、一般的なPC(Personal Computer)に用いられるモニタよりも高精細のものであってもよい。
通信I/F55は、ブッキー装置1、ブッキー装置2、放射線源3a〜3c、FPD9a又は9bとアクセスポイントAPを介して接続し、無線、または有線によりデータ送受信を行うためのインターフェースである。本実施形態において、通信I/F55はアクセスポイントAPを介して必要に応じてFPD9a、9bに対してポーリング信号を送信する。
ネットワーク通信部56は、ネットワークインターフェース等により構成され、スイッチングハブを介して通信ネットワークNに接続された外部機器との間でデータの送受信を行う。
操作卓6は、撮影室内の放射線源に接続され、放射線照射指示を入力するための入力装置である。
HIS/RIS7は、問診結果等に基づくオペレータによる登録操作に応じて撮影オーダー情報を生成する。撮影オーダー情報は、例えば被写体となる患者(検査、検診を受ける被検者も含む)の氏名等の患者情報や、撮影部位、撮影方向、体位(立位、臥位)、撮影方法、解析要否、解析項目(動態画像から算出すべき特徴量)等の撮影予約に関する情報等を含んでいる。即ち、HIS/RIS7は、算出すべき特徴量を指定する指定手段として機能する。なお、撮影オーダー情報はここに例示したものに限定されず、これ以外の情報を含んでいてもよいし、上記に例示した情報のうちの一部でもよい。
解析用WS8は、図5に示すように、CPU、RAM等により構成される制御部81と、解析用プログラムを記憶する記憶部82と、入力部83と、表示部84と、通信ネットワークNを介してコンソール5等の外部機器とデータ送受信を行うための通信部85とを備えて構成される動態用解析装置である。解析用WS8は、制御部81と記憶部82に記憶されている解析用プログラムとの協働により、コンソール5から送信された一連のフレーム画像に基づいて解析処理を行い、解析結果をコンソール5に送信する。
FPD9aは、パルス照射撮影可能な動態撮影及び静止画撮影対応の放射線検出器である。
図6に、FPD9aの機能構成例を示す。図6に示すように、FPD9aは、制御部91、検出部92、記憶部93、コネクタ94、バッテリ95、無線通信部96等を備えて構成され、各部はバス97により接続されている。
制御部91は、CPU、RAM等により構成される。制御部91のCPUは、記憶部93に記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。
例えば、制御部91は、コネクタ94を介して接続されたブッキー装置1又は2からの要求に応じてFPD9aの識別情報であるFPDIDを記憶部93から読み出して要求元のブッキー装置に送信する。
また、例えば、制御部91は、コンソール5から入力された画像読取条件に基づいて検出部92のスイッチング部を制御して、各放射線検出素子(以下、検出素子)に蓄積された電気信号の読み取りをスイッチングしていき、検出部92に蓄積された電気信号を順次読み取ることにより、順次画像データ(静止画像又はフレーム画像)を生成する。そして、制御部91は、生成した画像データを、順次コネクタ94及びブッキー装置1又は2を介してコンソール5に出力する。尚、撮影により取得された各フレーム画像は、一旦FPD9aの記憶部93に記憶され、全撮影終了後に、纏めてFPD9aからコンソール5に出力することとしても良い。
なお、FPD9aは、ブッキーに装填されない単体使用時には、バッテリ駆動及び無線通信する構成であるが、動態撮影の場合には、登録第4,561,730号公報に開示されているように、ブッキーを介した外部電力供給及び有線通信する構成に変更することが好ましい。これは、静止画撮影に比べ、データ転送容量や転送時間が圧倒的に増えるので、一のフレーム画像の転送中に他のフレーム画像の撮影(読取り)に対しノイズを与えないため、且つ、転送時間自体を短くするためであり、さらに、一連の撮影途中のバッテリ切れを防止するためである。
検出部92は、例えば、ガラス基板等を有しており、基板上の所定位置に、放射線源3a〜3cの何れかから照射されて少なくとも被写体を透過した放射線をその強度に応じて検出し、検出した放射線を電気信号に変換して蓄積する複数の検出素子が二次元状に配列されている。検出素子は、フォトダイオード等の半導体イメージセンサにより構成される。各検出素子は、例えばTFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング部に接続され、スイッチング部により電気信号の蓄積及び読み出しが制御される。
なお、生成された静止画像又はフレーム画像を構成する各画素は、検出部92の各検出素子のそれぞれから出力された信号値(ここでは、濃度値と呼称する)を示す。
記憶部93は、例えば半導体の不揮発性メモリ等で構成されている。記憶部93には、検出部92を制御するための各種プログラムや自己の識別情報であるFPDID等が記憶されている。また、記憶部93には、検出部92から出力された画像データが一時的に記憶される。
コネクタ94は、ブッキー装置1、2側のコネクタと接続し、ブッキー装置1又は2とのデータ送受信を行う。また、コネクタ94は、ブッキー装置1又は2のコネクタから供給される電力を各機能部へ供給する。なお、バッテリ95を充電する構成としても良い。
バッテリ95は、制御部91の制御に基づいて、FPD9aの各部に電力を供給する。バッテリ95としては、例えばニッカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の充電自在な電池等を適用することができる。
FPD9bは、FPD9aと同様に、制御部91、検出部92、記憶部93、コネクタ94、バッテリ95を備えて構成されるが、フレームレートの設定はできない。即ち、FPD9bは、静止画撮影のみが可能である。
また、単体での使用は勿論のこと、ブッキー装置に装填しても使用可能で、ブッキー装置に装填時には、コネクタ接続により、バッテリ/無線方式から、有線/電力供給方式に切り替えることができる。従い、複数の被写体を連続的に静止画撮影する場合に於いても、バッテリ切れを気にする必要がなくなる。
PACS10は、画像データ等を保存するサーバー装置と、当該サーバー装置から診断用の画像を取得して表示するための読影端末とを備えて構成される。PACS10のサーバー装置は、コンソール5から送信された画像データや解析結果のデータを撮影オーダー情報に対応付けて記憶する。
次に、診断支援情報生成システム100における撮影動作について説明する。
図7に、診断支援情報生成システム100において実行される撮影・解析処理の流れを示す。図7のコンソール5側の処理は、コンソール5の制御部51と記憶部52に記憶されているプログラムとの協働により実行される。解析用WS8側の処理は、解析用WS8の制御部81と記憶部82に記憶されている解析プログラムとの協働により実行される。
まず、撮影技師等の操作者は、何れかの撮影室のコンソール5の入力部53を操作して撮影オーダー情報の一覧を表示する撮影オーダーリスト画面を表示部54に表示させる。そして、入力部53を操作することにより撮影オーダーリスト画面から撮影対象の撮影オーダー情報を指定する。
コンソール5においては、入力部53により撮影対象の撮影オーダー情報が指定されると(ステップS1)、記憶部52の撮影管理テーブル521が参照され、当該コンソール5が設置されている撮影室で選択された撮影オーダー情報に基づく撮影が可能であるか否かが判断される(ステップS2)。例えば、撮影オーダー情報により動態撮影が指示されていた場合、撮影管理テーブル521が参照され、その撮影室に、連射が可能な管球タイプの放射線源及び動態撮影対応のFPDが存在し、かつ、そのFPDが使用中ではない場合(画像受信時刻から予め定められた時間経過している場合)に、動態撮影が可能であると判断される。
当該コンソール5が設置されている撮影室において、選択された撮影オーダー情報に基づく撮影が可能であると判断されると(ステップS2;YES)、処理はステップS4に移行する。
当該撮影室では選択された撮影オーダー情報に基づく撮影が不可能であると判断されると(ステップS2:NO)、表示部54に警告が表示される(ステップS3)。例えば、撮影オーダー情報により動態撮影が指示されているにもかかわらず、連射可能な管球が撮影室に存在していないと判断されると(図1の撮影室R2のような場合)、「この撮影室では撮影できません」等の警告が表示される。また、例えば、撮影オーダー情報により指定された体位を動態撮影するためのブッキー装置に動態撮影対応のFPD9aが装着されていないと判断されると、「立位(臥位)用のブッキー装置にFPD9aを装着してください」等の警告が表示される。そして、撮影・解析処理は終了する。なお、撮影オーダー情報により指定された体位を動態撮影するためのブッキー装置に動態撮影対応のFPD9aが装着されていない場合、動態撮影対応のFPDを該当するブッキー装置に装着すれば、撮影管理テーブル521の内容は更新される。従って、撮影可能と判断され、処理はステップS4に移行する。
なお、この場合、一旦、撮影室内でFPDの入替操作を行って、再度コンソールまで戻り、再度ステップS1の処理から行わせ、確実性を高めるフローとしても良い。
ステップS4においては、指定された撮影オーダー情報の撮影が可能な放射線源及びFPDが起動され、使用されるブッキー装置に応じて放射線源の向き及び位置が調整される。撮影技師により被写体に応じてFPDやブッキー装置の位置等が調整されると、それに応じて放射線源の向き及び位置が調整される(ステップS4)。また、記憶部52から撮影する部位や動態撮影か静止画撮影かの別に応じた放射線照射条件及び画像読取条件が読み出され、放射線源に放射線照射条件が設定されるとともに、ブッキー装置を介してFPDに画像読取条件が設定される(ステップS5)。動態撮影の結果を用いて解析を行う場合は、診断に使用し得る解析精度を確保するため、フレームレートが3.75枚/秒以上に設定される。ここで、操作者は、肺野の動態撮影の場合、安静呼吸の動態を撮影するために被検者に楽にするように指示し、安静呼吸を続けるよう促す。撮影準備が整った時点で、技師は前室へ移動し、操作卓6を操作して放射線照射指示を入力する。
操作卓6からの放射線照射指示が入力されると(ステップS6;YES)、撮影に使用される放射線源及びFPDが制御され、撮影が行われる(ステップS7)。
動態撮影の場合は、ステップS5で設定されたパルス間隔で放射線源3aにより放射線が照射され、ステップS5で設定されたフレームレートでFPD9aによりフレーム画像が取得される。予め定められたフレーム画像数の撮影が終了すると、制御部51により放射線源3a及びFPD9aに撮影終了の指示が出力され、撮影動作が停止される。撮影されるフレーム画像数は、少なくとも動態1サイクルが撮影できる枚数である。撮影により取得されたフレーム画像はFPD9aからブッキー装置を介して順次コンソール5に入力される。
なお、撮影オーダー情報により解析が指示されていない場合には、オフセット補正用のダーク画像を読取り、コンソール5に入力することとしても良い。
静止画撮影の場合は、ステップS5で設定された条件で被写体の1枚の静止画像及びオフセット補正用の1または数枚のダーク画像が撮影される。撮影により取得された静止画像及びダーク画像は、FPDからブッキー装置を介してコンソール5に入力される。
次いで、解析用WS8で解析を行うか否かが判断される(ステップS8)。ここで、解析用WS8において解析を行うか否かの判断は、例えば、ステップS1で指定された撮影オーダー情報に基づいて判断される。撮影オーダー情報により静止画撮影がオーダーされていれば、解析は行わないと判断される。動態撮影がオーダーされている場合は、撮影オーダー情報により解析が必要である旨を示す情報が含まれている場合に、解析が必要であると判断される。
解析用WS8で解析を行わないと判断されると(ステップS8;NO)、撮影により得られた画像に対して補正処理が行われ(ステップS9)、処理はステップS10に移行する。ステップS9の補正処理においては、上述のダーク画像を用いたオフセット補正処理、ゲイン補正処理、欠陥画素補正処理、ラグ(残像)補正処理等の補正処理が必要に応じて行われる。解析を行う場合は、処理時間の短縮化優先するためにこれらの補正処理を省略しても良く、処理はステップS10に移行する。
本件発明者等は、動態解析においては、静止画のような個々の画素の絶対的出力値はあまり重要ではなく、個々の画素におけるフレーム間の相対的出力値(変動成分)に基づく特徴量の算出が基本となっているため、上記の補正処理の一部或いは全部を省略しても、補正処理を行った場合と略同等の解析結果を得ることが可能である知見を得た。従い、解析結果を得るまでの時間を短縮するため、一部或いは全部の補正処理を省略することできる。
ステップS10においては、撮影により得られたフレーム画像又は静止画像が撮影オーダー情報と対応付けて記憶部52に記憶される(ステップS10)。なお、撮影に得られたフレーム画像には、撮影順を示す番号が付与され、各画像のヘッダ情報等に記憶される。
次いで、順次入力された画像が間引き処理される(ステップS11)。ここでいう間引き処理は、各フレーム画像や静止画像の画素数を減らす処理を指す。例えば、所定の画素間隔毎の画素で構成された間引き画像を作成する処理(単純間引き処理と呼ぶ)と、フレーム画像を所定サイズの画素ブロック単位、例えば、0.2mm×0.2mm〜2mm×2mm角単位の小ブロック(1個〜100個の画素集合体)に分割し、各小ブロック内の画素の信号値の代表値(ここでは、1〜100個の画素出力の平均信号値とする)を算出して小ブロック内の画素の信号値を算出された代表値に置き換えるビニング処理が含まれる。ビニング処理では、各小ブロック単位を一つの画素とみなして取り扱うことで、処理対象の画素数を低減することができる。ビニング処理では、動態画像の場合、各フレーム画像間の対応する各小ブロックは検出素子の同じ位置の出力を示す画素群からなるように分割が行われる。例えば、フレーム画像上の同一画素位置(0、0)を基点として0.2mm×0.2mm〜2mm×2mm角で分割が行われる。なお、ビニング処理における各画素ブロックのサイズは、診断対象(即ち、解析対象)となる撮影部位に応じたサイズとすることが好ましい。また、後段で解析処理を行う場合には、解析により算出される特徴量に応じたサイズとすることが好ましい。
次いで、間引きされたフレーム画像が表示部54に表示される(ステップS12)。
撮影技師は、表示された動態画像によりポジショニング等を確認し、撮影により診断に適した画像が取得された(撮影OK)か、再撮影が必要(撮影NG)か、を判断する。そして、入力部53を操作して、判断結果を入力する。尚、撮影により取得された各フレーム画像は、一旦FPD9aの記憶部93に記憶され、全撮影の終了後に纏めてFPD9aからコンソール5へ出力されるようにしても良い。
入力部53の所定の操作により撮影NGを示す判断結果が入力されると(ステップS13;NO)、記憶部52に記憶された一連のフレーム画像が削除され(ステップS14)、本処理は終了する。なお、この場合、再撮影が行われることとなる。
入力部53の所定の操作により撮影OKを示す判断結果が入力されると(ステップS13;YES)、解析を行うか否かが判断される(ステップS15)。解析を行うか否かの判断は、例えば、ステップS8で説明したのと同様の判断により行われる。解析を行わないと判断されると(ステップS15;NO)、撮影された静止画像又はフレーム画像が必要に応じて画像処理され、ネットワーク通信部56を介してPACS10のサーバー装置に送信される(ステップS16)。なお、PACS10のサーバー装置においては、受信された静止画像又はフレーム画像が撮影オーダー情報に対応付けて保存される。
一方、解析を行うと判断されると(ステップS15;YES)、撮影により得られた一連のフレーム画像群から解析に使用するフレーム画像群を選択する処理が行われる(ステップS17)。
ここで、ステップS17の処理について説明する。ステップS17においては、まず、表示部54に、撮影により得られた一連のフレーム画像のサムネイル画像が撮影順に並べて表示された選択用画面541が表示される。図8に、選択用画面541の一例を示す。図8に示すように、選択用画面541には、一連のフレーム画像が並べて表示されているとともに、選択枠541aが表示されている。
解析に必要となる枚数以上のフレーム画像を用いて解析を行うと、データ転送時間や解析処理時間がかかり、好ましくない。処理時間短縮のためには、撮影された一連のフレーム画像の中から解析に使用する枚数のフレーム画像を選択することが必要となる。一方、動態画像の解析は、後述するように、主として動態周期や隣接するフレーム画像間での信号値の差分等に基づき行われるので、動態画像の解析結果を被写体の真の特徴量を表す結果とするには、被写体の動態一周期以上の枚数の、連続する一連のフレーム画像が必要である。そこで、ステップS17においては、解析に必要な枚数分の連続するフレーム画像を操作者が正しく選択するためのGUIとして選択用画面541を提供する。具体的には、選択枠541aを用いて選択させるようにすることで、連続しない1コマ毎の画像選択や、一周期に満たない選択を防止する。
選択枠541aを表示するために、まず、解析に必要な画像枚数nが算出される。例えば、記憶部52に平均的な成人等の動態周期を部位毎に記憶しておき、撮影に利用された画像読取条件に含まれるフレームレートと、被写体部位の動態周期とに基づいて、解析に必要な画像枚数nが算出される。例えば、肺の換気についての解析を行うのであれば、平均的な成人であれば1回の呼吸周期が3〜4秒前後であるので、フレームレートが5枚/秒であれば20枚、フレームレートが7.5枚/秒であれば30枚程度必要となる。解析に必要な枚数nが算出されると、連続するn枚のフレーム画像のサムネイル画像を囲う選択枠541aが表示される。デフォルトでは、撮影順番が1番〜n番までが選択枠541aに囲まれて表示される。選択用画面541には、次ページボタン541b、最終ページボタン541c、確定ボタン541d等が設けられている。次ページボタン541bが押下されると、次のページが表示される。最終ページボタン541cが押下されると、最終ページが表示される。操作者により一のサムネイル画像が選択されると、選択されたフレーム画像を先頭としてn枚の画像を囲った選択枠541aが表示される。確定ボタン541dが押下されると、選択枠541aで囲まれたサムネイル画像のフレーム画像群が解析に用いる画像として選択される。
なお、選択されたフレーム画像を先頭とすると必要な枚数が確保できない場合がある。このような場合は、選択用画面541上に警告をポップアップ表示する。このポップアップ画面でフレーム画像数不足のまま解析を行うか、選択しなおすかをユーザに選択させるようにしてもよい。また、本実施の形態においては、解析に使用する始点となるフレーム画像を選択させることとしているが、終点となるフレームをユーザに選択させる構成としてもよい。
なお、解析項目によっては、連続する動態周期以上の一連のフレーム画像とともに、例えば肺野であれば安静呼気位(もしくは最大呼気位)、安静吸気位(もしくは最大吸気位)の画像が必要となる場合もある。このような場合には、選択枠541aによる選択に加えて、単発でフレーム画像を選択することを可能とする。例えば、入力部53のマウスによりフレーム画像のサムネイル画像をクリックすると、その画像が始点となるように選択枠541aが移動し、ダブルクリックすると単発でフレーム画像が選択される。
一連のフレーム画像群から解析に使用するフレーム画像群が選択されると、選択されたフレーム画像の間引きデータが撮影オーダー情報と対応付けられ、ネットワーク通信部56を介して解析用WS8に送信される(ステップS18)。例えば、選択された一連のフレーム画像の間引きデータのそれぞれに、動態画像を識別するための識別IDや、患者情報、撮影部位、放射線照射条件、画像読取条件(フレーム間隔等)、撮影順を示す番号、フレーム枚数、撮影日時等の情報が付帯され(例えば、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)マルチフォーマットのファイルフォーマットで画像データのヘッダ領域に書き込まれ)、ネットワーク通信部56を介して解析用WS8に送信される。また、解析項目も併せて解析用WS8に通知される。
解析用WS8においては、通信部85により一連のフレーム画像が受信されると、受信したフレーム画像群に基づいて解析処理が行われる(ステップS19)。
ここで、ステップS19において実行される解析処理について詳細に説明する。
図9に、解析処理のフローチャートを示す。解析処理は、制御部81と記憶部82に記憶されている解析プログラムとの協働により実行される。制御部81は、解析処理の実行により、解析手段(弁別手段、診断支援情報生成手段)として機能する。
解析処理では、まず、第1の領域分割処理が行われる(ステップS101)。
第1の領域分割処理においては、まず、一連のフレーム画像の中から一のフレーム画像が基準画像として設定される。次いで、基準画像における解析対象部位の領域が抽出され、この抽出された領域が複数の画素からなる複数の画素ブロック(後述する小ブロックに対して、1ブロック内の画素数が多い、大ブロックを指す。ここでは単にブロックと呼ぶ)に分割される。次いで、他のフレーム画像が基準画像の各ブロックと同じ画素位置のブロック(撮影に使用されたFPDの検出部92の同じ検出素子から出力される信号値の領域)に分割され、各フレーム画像間の同じ画素位置のブロックが互いに対応付けられる。これにより、一連のフレーム画像の解析対象部位の領域が複数画素からなる複数のブロックに分割される。
この解析処理は、基準画像の解析対象領域に対応する画素群が他のフレーム画像においても解析対象領域に係る画素群とみなして特徴量を算出する所謂見なし方式であり、ローカルマッチング処理やワーピング処理を行う場合に比べて一連のフレーム画像の領域分割及びフレーム画像間のブロックの対応付けを高速に行うことが可能となる。
図10に、肺野の換気を解析する場合の第1の領域分割の例を示す。図10に示すように、例えば肺野の換気を解析する場合、例えば、各フレーム画像における肺野領域が左右の上、中、下の6つのブロック(L1〜L3、R1〜R3)に分割される。もともと集団検診では微妙な病変部の検出を目的とはしておらず、最初のスクリーニングとしては十分なブロック数である。なお、解析時間を短縮するため、左右の肺野領域をそれぞれ1ブロックとして、肺野領域を合計2ブロックに分割することとしてもよい。また、喫煙は肺野の換気機能に影響を及ぼす。そこで、例えば、喫煙履歴のある被検者の場合はブロック数を増やす等、被検者の喫煙履歴に応じてブロック数を設定してもよい。
基準画像としては、解析対象部位の領域の面積が最小となるフレーム画像とすることが好ましい。このようにすれば、基準画像の各ブロックを他のフレーム画像に対応付けたときに、各ブロックが他のフレーム画像の解析対象部位外の領域に対応付けられることがないためである。例えば、肺野を解析する場合であれば、基準画像は安静呼気位のフレーム画像とすることが好ましい。安静呼気位では、安静呼吸時において横隔膜の位置が最も高くなる、即ち、肺野領域の面積が最も小さくなるので、基準画像の各ブロックを他のフレーム画像に対応付けたときに、各ブロックが他のフレーム画像の肺野外の領域に対応付けられることがないためである。
安静呼気位の画像は、一連のフレーム画像の中から横隔膜の位置が最も高い位置にある画像を抽出することで取得することができる。また、各フレーム画像から肺野領域を抽出し、抽出された肺野領域の面積が最も小さい(肺野領域内の画素数が最も少ない)フレーム画像を安静呼気位の画像としてもよい。肺野領域の抽出方法は何れの方法であってもよい。例えば、一連のフレーム画像中の任意のフレーム画像(ここでは、安静呼気位のフレーム画像とする。)の各画素の信号値(濃度値)のヒストグラムから判別分析によって閾値を求め、この閾値より高信号の領域を肺野領域候補として1次抽出する。次いで、1次抽出された肺野領域候補の境界付近でエッジ検出を行い、境界付近の小ブロックでエッジが最大となる点を境界に沿って抽出すれば肺野領域の境界を抽出することができる。
なお、コンソール5から送信された一連のフレーム画像は、第2の領域分割処理を行う際に使用するため、第1の領域分割処理を施す前にそのコピーがRAMに保存される。
次いで、各フレーム画像において、分割された各ブロックの信号値の代表値が算出され、ブロック内の各画素の信号値が代表値に置き換えられる(ステップS102)。なお、代表値としては、ここでは、ブロック内の各画素の信号値の平均値とするが、これに限らず、中央値、最頻値としてもよい。
次いで、フレーム画像間で対応づけられた各ブロックに対して、時間軸方向のフィルタリング処理が施される(ステップS103)。ここでは、正常または異常疑いあり(正常/異常疑いあり)の弁別を行う対象となる動態以外の周波数の信号値の変化が除去される。この処理は、省略可能な場合もあるが、正常/異常疑いありの弁別の精度を向上させるためには実行することが好ましい。
例えば、胸部の動態画像においては、肺野領域に換気と血流の双方の動きによる信号値の変化が現れる。呼吸換気に伴う信号値の変化幅は、肺血流に伴う信号値変化幅の約10倍となる。よって、呼吸換気の正常/異常疑いありを弁別する場合は、血流等に伴う高周波数な信号変化はノイズとなる。この血流等に伴う信号変化を除去するために、ブロック毎の信号値の時間変化に対して、安静呼吸画像群ではカットオフ周波数0.7Hz(深呼吸画像の場合はカットオフ周波数0.5Hz)でローパスフィルタ処理が行われる。
次いで、各ブロック毎にフレーム間差分処理が行われる(ステップS104)。フレーム間差分処理においては、一連のフレーム画像の、互いに対応付けられたブロック毎に、隣接するフレーム画像間で信号値の差分値が算出される((N+1番目のフレーム画像の信号値)−(N番目の信号値)が算出される)。
次いで、各ブロック毎に、算出されたフレーム差分値が予め定められた閾値と比較され、フレーム間差分値が予め定められた閾値以上であるか否かが判断される(ステップS105)。ここで、解析対象部位が正常に動作していれば、フレーム間差分値は一定の範囲をとるはずである。例えば、呼吸に伴う換気の場合、正常系では、息を吸い込むことにより肺胞領域が広がり、単位面積当たりのX線透過量が増え、FPDの出力値としては大きくなる(吸気期)。また、息を吐き出すことにより肺胞領域が小さくなり、単位面積当たりのX線透過量が減少し、FPDの出力値は小さくなる(呼気期)。このように、正常系では、一連の撮影に伴って、上記のような吸気期と呼気期の信号変化を繰り返すこととなるが、呼吸に伴う換気機能を喪失している領域は、FPDの各画素の出力値が変化しない、又は変化幅が所定の基準(閾値)より小さくなる。
そこで、本実施の形態においては、各ブロックのフレーム間差分値が予め定められた閾値以上である場合にそのブロックは正常と判断され、各ブロックのフレーム間差分値が予め定められた閾値より小さい場合にそのブロックは異常の疑いがあると判断される。
このように、本実施の形態における正常/異常疑いありの弁別は、基準画像の解析対象部位の領域を大まかな大ブロック(例えば、ここでは肺野領域全体を6つに分割したブロック)で行うので、詳細解析用の画素単位や小ブロック(例えば、0.2mm〜5mmの矩形領域)で行う場合に比べて処理時間を飛躍的に短縮することができる。また、正常/異常疑いありの弁別は、各ブロック内の信号値を平均化し、各ブロック毎の信号値(平均値)のフレーム画像差分値に基づいて行うので、検出部92の個々の検出素子の出力バラツキの影響をある程度緩和することができる。この出力バラツキの影響は、ブロック内で平均化することで丸められるため、ブロックに含まれる画素数を大きくするほど低減することができる。また、呼吸に伴い肋骨は移動するが、比較的大きな画素数のブロックであれば、ブロック内で信号値を平均化することにより、ブロック内での肋骨の移動による信号変化は相殺されるため、肋骨の移動による信号値の影響を抑えることができる。
ステップS105において、各ブロックのフレーム間差分値が予め定められた閾値以上であると判断されると(ステップS105:YES)、被写体の動態は正常に弁別され(ステップS106)、処理は図7のステップS20に移行する。
フレーム間差分値が予め定められた閾値より小さいブロックがあると判断されると(ステップS105:YES)、そのブロックにおける被写体の動態は異常の疑いありに弁別される(ステップS107)。そして、第2の領域分割処理(ビニング処理)が実行されることにより、異常の疑いありに弁別されたブロックがそのブロックよりも少ない画素数からなる画素ブロック(小ブロック)に再分割され(ステップS108)、異常の疑いありに弁別された領域の、再分割された小ブロック毎に、予め指定されている特徴量が算出され、診断支援情報が生成される(ステップS109)。診断支援情報は、特徴量そのものである場合もあるし、後述するフレーム間差分画像の静止画像や最大流速比のヒストグラムのように、算出された特徴量に基づいて作成された画像やグラフ等の場合もある。
また、胸部の場合、大ブロック化で動態(換気)機能に異常の疑いありと弁別された被検者に対しては、血流機能解析に相応しい小ブロックに再分割し、血流機能に係る特徴量情報も提供して、総合的な診断を行えるようにすることが好ましい。
ここで、第2の領域分割処理(ビニング処理)においては、RAMに記憶されている(画素が平均化されていない)一連のフレーム画像が用いられる。第2の領域分割処理(ビニング処理)では、少なくとも各フレーム画像における異常疑いありに弁別された詳細解析の対象となるブロックがそれより少ない画素数からなる画素ブロック(小ブロック)に再分割される。具体的には、各フレーム画像全体が異常疑いありと弁別されたブロックの画素数よりも小さい画素数からなる矩形領域(小ブロック)に分割される。これにより、異常疑いありに弁別されたブロックも小ブロックに分割される。次いで、各フレーム画像において、小ブロック毎に画素の信号値の代表値(ここでは、平均値)が算出され、小ブロック内の画素の信号値が代表値に置き換えられる。フレーム画像間における同一位置の小ブロックは互いに対応付けられる。そして、異常疑いありに弁別されたブロックにおける各小ブロックのデータを用いて、特徴量が算出される。
小ブロックのサイズは、例えば、0.2mm〜5mmの矩形領域であり、解析項目(算出すべきとして指定されている特徴量)に応じ各小ブロックあたりの画素数が決定される。解析項目とその項目の解析を行う際に最適な小ブロックの画素数は、予め記憶部82に記憶されている。解析項目が複数ある場合は、最小の画素数が小ブロックの画素数として決定される。なお、特徴量に応じた小ブロック当たりの画素数がコンソール5から送信されたフレーム画像のビニングサイズと同じ場合には、既に第2の領域分割処理が行われているので、ステップS108の処理は省略される。
以下、ステップS109における解析の例として、胸部(肺野)を解析対象部位とした場合について説明する。
肺野の換気機能による局所的な信号変化を示す特徴量を算出する解析項目としては、例えば、下記の(1)〜(6)の項目が挙げられる。以下、各特徴量毎に、その算出方法の手順について簡単に説明する。なお、下記においては、解析に必要な処理を明確にするため、撮影されたフレーム画像の生データ(RAWデータ)から特徴量を算出する処理内容について説明するが、本実施の形態においては、すでに各フレーム画像に、ビニング処理が施されている(即ち、所定サイズの小ブロックに分割され、小ブロック毎に信号値の平均化が行われている)。
解析用WS8の解析処理においては、従来のようにワーピング処理を施してフレーム画像間の画素を対応付けて特徴量を算出するのではなく、ワーピング処理は施さずにFPD9aにおける同一位置の検出素子の出力を示す画素(複数画素の小ブロック)を互いに対応付けて特徴量の算出を行い、特徴量の精度を維持したまま処理時間を大幅に短縮した点に特徴がある。
(1)換気−フレーム間差分画像
フレーム間差分画像は、一連のフレーム画像に以下の処理を施すことによって算出される。
ビニング処理→時間軸方向のローパスフィルタ処理→フレーム間差分処理→ノイズ除去処理
ビニング処理、時間軸方向のローパスフィルタ処理、フレーム間差分処理は上述のとおりである(以下同じ)。
なお、フレーム間差分画像の静止画像を作成する場合は、肺野全体の濃度変化又は横隔膜の位置の変化を解析することにより一連のフレーム画像における吸気期間と呼気期間を算出し、小ブロック毎に吸気期間については正のフレーム間差分値の絶対値を積算し、呼気期間については負のフレーム間差分値の絶対値を積算した画像を作成する。
(2)換気−波形描画
換気−波形描画は、一連のフレーム画像に以下の処理を施すことによって算出される。
ビニング処理→時間軸方向のローパスフィルタ処理→波形描画
波形描画処理は、一連のフレーム画像の同じ画素位置の小ブロック(FPDの同一位置の検出素子から出力された画素ブロックの領域)を互いに対応付け、各小ブロック毎に、横軸を撮影開始からの経過時間、縦軸を画素の平均信号値とした座標平面を作成して、各フレーム画像の撮影開始からの経過時間とその小ブロックについて算出された平均信号値が交わる点をプロットすることより、換気量を示す信号値の時間変化を示す波形を描画する処理である。
(3)換気−気流速度
気流速度は、各小ブロックの肺のやわらかさ(肺コンプライアンス)を示す特徴量である。気流速度は、一連のフレーム画像に、以下の処理を施すことによって算出される。
ビニング処理→時間軸方向のローパスフィルタ処理→フレーム間差分処理→フレーム間差分値の代表値(最大値もしくは平均値)を算出
なお、最大値を代表値とする場合、各小ブロック毎に、呼気期間と吸気期間のそれぞれの期間における気流速度の最大値を表す指標として、呼気期間、吸気期間における信号変化(フレーム間差分値)の最大値をそれぞれ算出し、その比(最大流速比)の分布を示すヒストグラムを作成するとともに、何れか1つのフレーム画像上の各小ブロックを最大流速比に応じた輝度もしくは色で示す画像を作成し、両者を並べて解析結果として提供してもよい。この解析を最大流速比のヒストグラム解析と呼ぶ。
最大流速比のヒストグラム解析では、図14A〜図14C等に示すように、各小ブロックの吸気気流速度の最大値(絶対値)と呼気気流速度の最大値(絶対値)との比の値がヒストグラム表示されるとともに、COPDであるか否かの指標となる肺野全体での平均値や標準偏差が表示された画像が生成される。また、併せて静止画像上の各小ブロックを比の値に応じた輝度もしくは色で示すことで、異常個所の分布を医師が容易に把握できるような診断情報提供する。
(4)換気量の振幅
換気量の振幅は、一連のフレーム画像に以下の処理を施すことによって算出される。
ビニング処理→時間軸方向のローパスフィルタ処理→一連のフレーム画像の同じ画素位置の小ブロック(FPDの同一位置の検出素子から出力された画素ブロックの領域)を互いに対応付け、各小ブロック毎に、呼吸1サイクル中の最大信号値(極大値)−最小信号値(極小値)の算出
(5)吸気遅延時間
吸気遅延時間は、一連のフレーム画像に以下の処理を施すことによって算出される。
ビニング処理→時間軸方向のローパスフィルタ処理→一連のフレーム画像の同じ画素位置の小ブロック(FPDの同一位置の検出素子から出力された画素ブロックの領域)を互いに対応付け、肺野全体の濃度変化又は横隔膜位置の変化を解析することにより安静呼気位のフレーム画像を抽出し、各小ブロック毎に、安静呼気位のフレーム画像から、吸気時において安静呼気位の信号値との差が所定の閾値以上となるまでの時間の算出
(6)吸気時間、呼気時間
吸気時間、呼気時間は、一連のフレーム画像に以下の処理を施すことによって算出される。
ビニング処理→時間軸方向のローパスフィルタ処理→一連のフレーム画像の同じ画素位置の小ブロック(FPDの同一位置の検出素子から出力された画素ブロックの領域)を互いに対応付け、各小ブロック毎に、呼吸1サイクル中の最大信号値(極大値)、最小信号値(極小値)の算出→最大信号値から最小信号値までの時間を呼気時間、最小信号値から最大信号値までの時間を呼気時間として算出
血流の解析に於いては、肺血流の場合、正常系では、心臓の拍動に伴い、血液が拍動流として血管内を循環することになるので、単位面積当たりのX線透過量が低下し、FPDの出力値は低下する。このように、正常系では、一連の撮影に伴って、上記のような心臓の拍動に伴う信号変化を繰り返すこととなるが、血管が詰まり血流がない領域は、FPDの各画素の出力値が変化しない、又は変化幅が所定の基準(閾値)より小さくなる。
また、例えば、肺血流(血流)の解析を行う場合には、呼吸等に伴う低周波数な信号変化はノイズとなる。この呼吸等に伴う低周波数な信号変化を除去するために、異常領域の抽出前に、ブロック毎の信号値の時間変化に対して、安静呼吸画像群では低域カットオフ周波数0.7Hz、深呼吸画像群では低域カットオフ周波数0.5Hzでハイパスフィルタ処理を行うことが好ましい。若しくは、さらに高周波数のノイズ成分を除去するために2.5Hzの高域カットオフ周波数で高周波数も遮断するバンドパスフィルタによってフィルタリングを行っても良い。
小ブロックのサイズは、例えば、0.2mm〜5mmの矩形領域であり、解析項目(算出すべきとして指定されている特徴量)に応じ各小ブロックあたりの画素数が決定される。
肺野内の血流による局所的な信号変化を示す特徴量を算出する解析としては、例えば、下記の(7)〜(10)が挙げられる。以下、各特徴量毎に、その算出方法の手順について簡単に説明する。なお、下記においては、撮影されたフレーム画像の生データ(RAWデータ)から特徴量を算出する処理内容について説明するが、本実施の形態においては、すでに各画像にビニング処理が施されている(即ち、所定サイズの小ブロックに分割され、小ブロック毎に信号値の平均化が行われている)。
(7)血流−フレーム間差分画像
フレーム間差分画像は、一連のフレーム画像に以下の処理を施すことによって算出される。
ビニング処理→時間軸方向のハイパスフィルタ処理→フレーム間差分処理→ノイズ除去
時間軸方向のハイパスフィルタ処理は、血流による信号値の時間変化を抽出するための処理であり、例えば、カットオフ周波数0.7Hzでフィルタリングする。その他は、上述の(1)換気−フレーム間差分画像で説明した処理と同様である。
(8)血流−波形描画
血流−波形描画は、一連のフレーム画像に以下の処理を施すことによって算出される。
ビニング処理→時間軸方向のハイパスフィルタ処理→各小ブロック毎の波形描画
ビニング処理及び時間軸方向のハイパスフィルタ処理は上述のとおりである(以下同じ)。
波形描画処理は、上述の(2)換気−波形描画で説明した処理と同様の処理である。
(9)血流量の振幅
血流量の振幅は、一連のフレーム画像に以下の処理を施すことによって算出される。
ビニング処理→時間軸方向のハイパスフィルタ処理→一連のフレーム画像の同じ画素位置の小ブロック(FPDの同一位置の検出素子から出力された画素ブロックの領域)を互いに対応付け、各小ブロック毎に、心拍1サイクル中の最大信号値(極大値)−最小信号値(極小値)の算出
(10)心室収縮遅延時間
吸気遅延時間は、一連のフレーム画像に以下の処理を施すことによって算出される。
ビニング処理→時間軸方向のハイパスフィルタ処理→一連のフレーム画像の同じ画素位置の小ブロック(FPDの同一位置の検出素子から出力された画素ブロックの領域)を互いに対応付け、心室領域の濃度変化又は心壁位置の変化を解析することにより心室拡張期の終わりに相当するフレーム画像を抽出し、各小ブロック毎に、心室拡張期の終わりに相当するフレーム画像から、心室収縮期において心室拡張期の終わりの信号値との差が所定の閾値以上となるまでの時間の算出
なお、異常疑いありと弁別されたブロックがある場合、一連の複数のフレーム画像を用いて、例えば、下記の(11)〜(15)に示す肺野全体の動きを示す特徴量を算出することとしてもよい。以下、各特徴量毎に、その算出方法の手順について簡単に説明する。なお、本実施の形態においては、各フレーム画像にビニング処理が施されているが、ビニング処理を行っていても行わなくても下記特徴量は算出可能である。
(11)横隔膜移動量解析
横隔膜移動量は、撮影された各フレーム画像に、以下の処理を施すことによって算出される。
画像解析により各フレーム画像から横隔膜の位置を抽出→各フレーム画像の横隔膜の位置を追跡し、移動量を算出
(12)胸郭移動量解析
胸郭移動量は、撮影された各フレーム画像に、以下の処理を施すことによって算出される。
画像解析により各フレーム画像から上部胸郭(上肋骨(第2〜第6肋骨))、下部胸郭(下肋骨(第7〜第10肋骨))の位置を抽出→各フレーム画像の上胸郭、下胸郭の位置を追跡し、移動量を算出する。
(13)呼吸数、呼吸周期
呼吸数、呼吸周期は、撮影された各フレーム画像に、以下の処理を施すことによって算出される。
各フレーム画像から画像解析により求めた横隔膜位置(肺尖から横隔膜までの距離)の変化若しくはローパスフィルタ処理後の肺野全体の信号変化(信号値(平均信号値)の極大値から次の極小値までの時間間隔)より呼吸周期を求め、呼吸周期の逆数から単位時間当たりの呼吸数を算出する。
(14)心拍数、心周期
心拍数、心周期は、撮影された各フレーム画像に、以下の処理を施すことによって算出される。
各フレーム画像から画像解析により求めた心壁位置の変化若しくはハイパスフィルタ処理後の肺野全体の信号変化(信号値(平均信号値)の極大値から次の極小値までの時間間隔)より心周期を求め、心周期の逆数から単位時間当たりの呼吸数を算出する。
(15)スパイロ検査相当の値の算出
横隔膜位置の時間変化波形を算出し、FEV1.0%(一秒率)相当の値を算出する。
胸郭と横隔膜位置の変化から肺野面積の変化量を算出し、別途測定した胸厚の変化量を乗ずることで、VC(肺活量)相当の値を算出する。
解析処理が終了すると、処理は図7のステップS20に移行する。
図7のステップS20においては、解析用WS8の通信部85により、解析結果のデータがコンソール5に送信される(ステップS20)。コンソール5においては、ネットワーク通信部56により解析結果のデータが受信されると、受信された解析結果のデータが撮影オーダー情報と対応付けられてPACS10に送信される(ステップS21)。そして、撮影・解析処理は終了する。なお、特徴量の解析に使用した各フレーム画像データに関しては、静止画のような濃度諧調ベースの病変部読影には使用できないものであるので、保存データ容量削減の観点から、保存せず、算出された特徴量データのみを保存することが好ましい。
また、解析用WS8にて、解析結果のデータと、コンソール5から受信した撮影オーダー情報を対応付け、これらのデータを解析用WS8からPACS10に送信する構成としても良い。
PACS10においては、受信された解析結果データが撮影オーダー情報に対応付けてサーバー装置のHDD等に記憶される。そして、読影用端末からの要求に応じて読影用端末表示部に解析結果が表示される。
ここで、従来、動態撮影で得られた一連のフレーム画像に基づき当該動態に関する特徴量を算出し、診断支援情報として提供するシステムにおいては、診断精度の向上のため、複数のフレーム画像において被写体の同一部分が描画された領域を互いに対応付ける、所謂ワーピング処理を行うことが必要であると考えられていた(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
このワーピング処理を行うには、一のフレーム画像を複数の小ブロックに分割し、当該一のフレーム画像の各小ブロックに描画された構造物の部分と同一の部分を描画した小ブロックを各フレーム画像毎に抽出しなければならない。ワーピング処理では、一般的には肺野内構造物による空間的な濃度変化をもとに位置合わせを行うため、各フレーム画像にわたり当該構造物の濃度が忠実に(均一に)再現される必要があり、従って、FPDの各画素の出力バラツキ等は極力抑える必要があり(従い、オフセット補正処理、ゲイン補正処理、欠陥画素補正処理、ラグ補正処理等の各種補正処理を行って、バラツキを補正する必要がある)、補正処理に時間を要し、更に、高精度のワーピング処理を行うには、それに従い分解能の細かい画像を必要とするので画素サイズの小さなFPDが必要となり、各フレーム画像毎のデータ容量が増え、処理対象となる全体データ容量が大幅増加となる。そのため、大容量メモリや高速処理CPU等のハードウエアが必要であり、かつ処理時間も必要となっていた。
しかし、本願発明者等が鋭意検討を行った結果、ワーピング処理を行わずとも、FPD個々の検出素子単位、又は複数画素をひとまとまりとした画素ブロック単位に動態撮影にかかる一連のフレーム画像間の差異を比較することで、同等の解析結果を得られることを見出した。
以下、肺野を例にとり、ワーピング処理を行なわずとも同等の解析結果が得られる理由について説明する。
まず、体厚方向(z方向;側面)における信号値の変化ついて説明する。
図11は、安静呼気位である時刻T1における肺野の体厚方向(z方向)を模式的に示す図、時刻T1から吸気していくことにより安静吸気位となった時刻T2における肺野の体厚方向を模式的に示す図、及びFPDの検出素子位置(体軸方向(y方向))を模式的に示す図である。図11においては、吸気することにより肺胞a及び肺胞bのy方向の位置は下方へ移動し、時刻T1における肺胞bのy方向の位置と時刻T2における肺胞aのy方向の位置が一致した例を示している。
吸気によって肺野内における肺胞の位置は移動する。そこで、フレーム画像間で同一の肺胞に対して位置合わせを行い、ワーピングしてから信号値の差分をとると、肺野外の部分でのz方向のX線減衰量は肺野のy方向の位置によって異なるため、肺胞の位置合わせを行うことにより、逆に、呼吸による肺胞の密度変化による信号増加分に対し、肺野外部分でのX線減衰量の差が誤差因子として加わってしまうことになる。
例えば、図11において、時刻T1におけるフレーム画像とT2におけるフレーム画像とで、肺胞bを位置合わせ及びワーピングをしてから信号値の差分をとると、この差分値の中には、時刻T1の実線の矢印で示す肺野外でのX線減衰量と、時刻T2の点線矢印で示す肺野外でのX線減衰量との差分も含んでいることとなり、この肺野外でのX線減衰量の差分が、同一肺胞間での呼吸による密度変化による信号値の変化に、誤差として加わることとなる。これにより、肺胞の密度変化による信号変化量の計算精度が下がる。
ここで、肺胞の位置合わせ及びワーピングを行わず、時刻T1におけるフレーム画像の肺胞bと、時刻T2におけるフレーム画像の肺胞aを描画した画素(画素ブロック)、つまり、FPDの同一位置の検出素子(検出素子群)から出力された信号値の差分を計算することとする。このとき、この画素(画素ブロック)に描画されている肺胞は異なるが、肺野の同一のy方向位置に対して差分値を計算しているため、図11に示すように、肺野外におけるX線減衰量は変化しない。従って、異なる肺胞間で信号値の差分値を計算した場合、同一肺胞間での呼吸による密度変化の差による信号変化に対して、異なる肺胞間での密度の差による信号変化(図11の同一タイミングにおけるaとbの密度の差)が誤差として加わることとなる。
「肺野内のy方向位置が異なる肺胞間での密度の違いによる信号変化」は「y方向位置が異なる肺野外におけるX線減衰量の違いによる信号変化」と同等又はそれ以下である。そのため、フレーム画像間での肺胞の位置合わせ及びワーピング処理は行わず、そのままFPDの画素単位で差分をとる方が、処理の手間が省け、同等レベルの誤差で肺胞の密度変化による信号変化量が算出できる。
特に、個々の画素や小ブロック毎に内在する誤差成分は、肺野全体の換気量情報を算出する際に加算されて相殺されることになり、肺野全体の換気や血流に関する特徴量を算出する場合には、ワーピング処理を行うと、ワーピング処理による処理時間延長というマイナス効果しか得られないことになる。
次に、x−y方向について検討する。図12に、肺野を正面(x−y方向)から見た図を示す。図12における実線は、図11における時刻T1のフレーム画像をx−y方向(正面)から見た図を示し、図12における点線は、図11における時刻T2のフレーム画像をx−y方向から見た図を示している。
図12に示すように、通常、吸気においては、肺胞は左肺野の場合左下方向に、右肺野の場合右下方向に移動する。これを鉛直方向(y方向)への移動と水平方向(x方向)への移動に分解する。y方向への肺胞の移動に対するワーピング処理は前述のとおりである。以下に、安静換気時の、肺胞のx方向への移動について説明する。
安静換気時の場合、胸郭の変化幅は最大でも10mm程度である。このとき、安静呼気位から安静吸気位に至る変化を考えた場合、x方向の移動量は、胸郭すぐ内側に位置する肺胞が最も大きく、5mm程度である。3.75枚/秒のフレームレートで動態画像を取得し、フレーム間差分値を算出する場合を考えると、隣接フレーム画像間での肺胞の移動量は更に小さくなり、無視しうる。安静換気時においてはx方向の移動量は小さく、ワーピング処理を施したときと施さないときの信号値の変化量は、ほぼ同等である。従って、x−Y方向においてもワーピング処理は不要である。
以上の知見によれば、ワーピング処理を施さず、FPDの個々の検出素子の出力を示す画素単位、或いは小ブロック単位の演算のみを行えばよいので、解析用WS8は、FPDからの出力信号形態に対する制約を行わず、各社の動態撮影対応のFPD9aで生成されるフレーム画像、例えば、ビニング処理を施されたフレーム画像を処理することができ、いわばオープンシステム化を可能とする。
ところで、動態撮影は、解析に使用するフレーム画像数が静止画に比べて飛躍的に増加し、処理時間が飛躍的に増大する難点を有している。本願発明者らは、この観点からも鋭意検討を行った。
従来の胸部や乳房の異常陰影候補を検出して医師へ診断支援情報として提供するシステム(CAD)では、原画像データへ検出アルゴリズムを適用する方式であるので、アルゴリズムを適用する画像自体の濃度分解能や画素サイズが検出アルゴリズムにマッチすること(画素サイズや濃度分解能が高精細であること)が重要視されていた。
また、従来のシステムにおいて、原画像から間引き画像が作成されていたが、これは被写体の関心領域が解析可能な範囲内に収まっているかの確認や、検出アルゴリズムに適合する濃度範囲に検出対象画像の濃度範囲を収めるための階調処理条件の算出等、検出処理の前準備段階で使用されるだけであり、CADによる検出処理においては使用されることなく、廃棄されるものであった。
一方、上述のように、動態画像の特徴量解析においては、主として隣接するフレーム間での差分値処理を基本としている。そのため、動態画像の特徴量解析においては、各画素の絶対的出力値そのものを閾値と比較したり、微細な構造物を抽出したりする従来のCADにおける解析処理のようには各画素の厳密な出力値を必要とせず、また個々の画像の画素サイズに影響は受けないことを本願発明者らは見出した。
また、本願発明者らは、更に鋭意検討を行った結果、画素単位の演算(解析)から、特定の画素ブロックサイズ(ブロックサイズ)の小ブロック単位の演算(各小ブロック内の一の画素値を使用した演算、小ブロック内の画素値の代表値(平均値等)を使用した演算)に変換しても同様の結果が得られることを見出した。そして、これにより、解析処理の演算に要するデータ量を大幅に削減し、処理時間を大幅に短縮可能であることを見出した。
図13は、小ブロックのブロックサイズを0.5mm角〜10mm角の間で変化させたときの上記解析処理の代表的な項目の解析結果及び処理時間の評価結果を示す図である。
ここでは、換気量のフレーム間差分画像、最大流速比のヒストグラム解析、血流量のフレーム間差分画像を対象項目とした場合を例として示している。なお、各フレーム画像は、照射線量及びフレームレート等の放射線照射条件及び画像読取条件を一定として撮影された画像を用いている。図13では、フレームレート7.5枚/秒、10秒間での入射表面線量は0.2mGy、FPD9aの画素サイズは200μmである。なお、図13(及び後述する図15A及び図15B)において、評価結果△以上は診断に使用できる精度で特徴量の算出が可能であることを示し、△→○→◎の順に解析精度が低い→高いとなっていることを示す。また、処理時間×は処理時間が長く、あまり実用化には向かないことを示し、△以上は処理時間が実用上許容できる範囲であることを示す。なお、この処理時間の場合、Xレベルであっても、全画素データを使う場合にくらべると、かなりの処理時間短縮は可能にはなっているので、使用不可というわけでは無い。
図13に示すように、ブロックサイズ0.5mm角〜1mm角である場合、換気量のフレーム間差分値算出、最大流速比のヒストグラム解析、血流量のフレーム間差分値の全ての項目において解析結果は高い精度で得ることができた。ブロックサイズ2mm角では、ブロックサイズ0.5mm角〜1mm角より若干解析精度が落ちるものの、診断には十分な結果が得られた。ブロックサイズ5mm角では、各項目について解析精度に低下が見られた。ただし、診断に使用可能な解析精度は確保されている。ブロックサイズ10mm角である場合、診断に使用可能な精度の特徴量を得ることができなかった。一方、処理時間は、図13に示すように、ブロックサイズが小さいほど処理時間は長くなった。
ここで解析結果の評価について一例を挙げて説明する。
図14A〜図14Cに、ブロックサイズをそれぞれ2mm角、5mm角、10mm角としたときの最大流速比のヒストグラム解析の解析結果の一例を示す。
なお、ブロックサイズを0.5mm角、1mm角とした場合は、図14Aに示すヒストグラムとほとんど変化はみられなかった。
図14Aに示すブロックサイズ2mm角の解析結果と図14Bに示すブロックサイズ5mm角の解析結果を比較すると、若干ヒストグラムの形状に変化が見られる。図14Aに示すブロックサイズ2mm角の解析結果と図14Cに示すブロックサイズ10mm角の解析結果を比較すると、ヒストグラムの形状に大幅な変化が見られ、解析精度が大幅に低下することがわかる。よって、解析精度の点からいえば、ブロックサイズ5mm角以下、特に、2mm角以下であることが必要である。一方、処理時間の点からすると、上述の図13に示すように、ブロックサイズが小さいほど処理時間は長くなる。
よって、解析精度の維持及び処理時間短縮化の観点から、肺野の換気の解析ではブロックサイズは2mm角から5mm角程度とすることが好ましい。
更に、肋骨の移動による信号変化の除去の観点からも、ブロックサイズは2mm程度が好ましい。例えば、肋骨の移動による信号変化の影響を除去すべく、複数の肋骨を含むようにブロックサイズを広げると、肋骨の太さが10mm〜20mmなので、複数の肋骨が含まれるブロックサイズは50mm角〜100mm角である。これでは分解能が低すぎて、異常疑いありに弁別された詳細解析の対象となる領域での局所的な解析には不向きである。肋骨一本+安静呼吸時の肋骨移動量が含まれるようにブロックサイズを広げると、肋骨の太さが上述のように10mm〜20mm、安静呼吸時の肋骨の移動量は数mmであるので、ブロックサイズは15mm角〜20mm角となる。これでも分解能が低すぎて、局所的な解析には不向きである。また、他の肋骨が含まれないように小ブロックを区切るのは困難である。そこで、ある程度ブロックサイズを小さくして肋骨による信号変化が周囲より大きい領域を検出し、その部分を解析から省く、又は、周期の信号値により置き換える等を行うことで、肋骨による影響を除去する。この場合のブロックサイズは2mm角〜5mm角程度が好ましい。
以上の観点からも、異常疑いありに弁別された詳細解析の対象となる領域に対して、肺野の換気に関する解析処理を行う場合のブロックサイズは2mm角〜5mm角程度が好ましい。
また、異常疑いありに弁別された詳細解析の対象となる領域に対して、血流に関する解析処理を行う場合のブロックサイズは、細部の血管が視認しやすいよう、1mm角程度が好ましい。
また、本願発明者らは、FPD9aのフレームレートによる解析への影響についても検討を行った。
図15A〜図15Bは、FPD9aのフレームレートを2枚/秒〜20枚/秒と変化させたときの上記解析処理の代表的な項目の解析結果、処理時間、間引きによる影響、被写体の被曝の程度、の評価結果を示す図である。図15Aは、各フレーム画像における照射線量を一定にした場合の評価結果を示す。図15Bは、一回の動態撮影のトータルの照射線量を一定(撮影10秒間での入射照射線量0.2mGy相当)にした場合の評価結果を示す。図15A、図15Bとも画素サイズは200μm、ブロックサイズは2mm角である。
各フレーム画像の照射線量を一定とした場合、図15Aに示すように、換気量、最大流速比のヒストグラム解析については3.75枚/秒以上のフレームレートであれば診断に利用できる精度の特徴量を得ることができた。なお、換気遅延時間については診断に利用できる精度の特徴量を得るには10枚/秒以上、血流遅延時間については30フレーム以上が必要であった。一方、処理時間についてはフレームレートが高くなるほど長くなり、15枚/秒以上は実用に耐えなかった。なお、画素間隔を1/8に間引いた場合は、処理時間は全てのフレームレートで良好であった。被写体の被曝線量については、フレームレートが高くなるほど増加し、30枚/秒以上となると、静止画の胸部X線画像の撮影時の通常の入射表面線量の2倍以上となり、許容できる範囲を超えた。
また、動態撮影においてトータルの照射線量を一定とし、フレームレートが増えるにつれて1フレーム画像あたりの照射線量が少なくなるようにした場合、図15Bに示すように、各解析項目において、フレームレートが15枚/秒以上では図15Aの評価結果に比べて低い評価となっている。これは、フレームレートが高くなるにつれて各フレーム画像のS/N比が悪くなり、画像が劣化したためである。
ここで、図15Bの解析結果の評価について一例を挙げて説明する。
図16A〜図16Eに、動態撮影においてトータルの照射線量を一定とし、フレームレートを2枚/秒〜30枚/秒と変化させたときの最大流速比のヒストグラム解析の解析結果の一例を示す。
図16Aに示すように、フレームレート2枚/秒とした場合、フレームレート3.75枚/秒とした場合に比べ、平均値は1.15→1.32(15%増)、分散値は0.38→0.52(37%増)と解析結果に差異が生じている。また、異常値となる小ブロックが増えており(図16A〜図16Eの肺野領域の中で静止画上に最大流速比に応じた輝度が重畳されていない領域)、解析精度は低下している。ここで、吸気、呼気のそれぞれにおいてフレーム間差分値の最大値を算出する際、ノイズの影響を抑制する目的で、フレーム間差分値の最大値が所定閾値より小さい場合は異常値としてその小ブロックは解析対象から除外している。より具体的には、吸気時は信号値が増加するため、フレーム間差分値の最大値が正の所定閾値以上である場合を正常値、呼気時は信号値が減少するため、フレーム間差分値の最大値が負の所定閾値以下である場合を正常値、それ以外を異常値と判定している。
フレームレート3.75枚/秒以上の場合、図16B〜図16Eに示すように、平均的な呼吸数(安静時15回〜20回/分。18回/分とすると呼吸周期は3.33秒。)の成人の解析結果であれば略同じ解析結果が得られる。ただし、レアケースな頻呼吸者(単位時間当たりの呼吸数が多い人。24回〜40回/分。40回/分とすると呼吸周期は1.5秒。)を考慮すると、7.5枚/秒以上がより好ましい。高フレームレートでは、1フレーム画像あたりの線量が減ったとしてもフレーム画像数が増えた分、時間軸方向のローパスフィルタに使用するタップ数(積算回数)を増やすことで、ノイズが低減され、解析結果の劣化を抑制することができる。
しかし、高フレームレートを実現するには、FPD9aのデータ読み出し及び転送時間の高速化、短パルスを出力するためのX線発生装置の複雑化が必要となり、ハードウエアが高コストとなる。そのため、トータル線量を一定とする場合、換気機能の解析において高フレームレートとするメリットはあまりない。
例えば、SID=200cm(被写体厚を20cmと想定)、フレームレート7.5枚/秒における胸部動態撮影の撮影条件の一例としては、管電圧100kV、管電流50mA、パルス幅2ms、付加フィルタAl0.5mm+Cu0.1mmが挙げられる。この
とき、1フレーム画像あたりのX線パルスの照射線量は0.1mAs(=50mA×0.002s)であり、トータル線量が一定となるようにフレームレートに応じて1フレーム画像あたりの照射線量を変えた場合、フレームレート15枚/秒における1フレーム画像あたりのX線パルスの照射線量は0.05mAs、フレームレート30枚/秒における1フレーム画像あたりのX線パルスの照射線量は0.025mAsとなる。しかし、X線パルス幅を1msに制御することは難しく、また、管電流を下げようとすると、X線管のアノード・カソード間に存在するコンデンサに蓄えられた電荷を放電する時定数が長くなり、その結果、管電圧の下降が穏やかになるため、上記電荷の放電を急峻に行うための回路が必要となり、装置コストが増大する。従って、X線パルスの制御の観点では、低フレームレートの方が有利となる。
また、一般的に、FPDにおける残像(ラグ)は、時間(撮影間隔)に対して指数関数的に減少するため、トータル線量が一定となるようにフレームレートに応じて1フレーム画像当たりの照射線量を変えた場合でも、即ち、フレームレートに反比例させて線量を減少させた場合でも、残像の視認性の観点では、フレームレートが小さいほうが有利となる。
従って、換気の解析では、フレームレートを3.75枚/秒〜7.5枚/秒とすることが好ましい。
図17A〜図17Dに、動態撮影においてトータルの照射線量を一定とし、フレームレートを3.75枚/秒〜30枚/秒と変化させたときのフレーム間差分画像(血液の拍出タイミング)の解析結果の一例を示す。
フレームレート3.75枚/秒とした場合、フレーム画像間隔が離れすぎているため、場合によっては心臓からの拍出タイミングを捉えられない場合がある。フレームレート7.5枚/秒、15枚/秒とした場合、図17B、図17Cに示すように、平均的な脈拍数(安静時50回〜100回/分。60回/分とすると心拍周期は1.0秒。)の成人の画像であれば血液の拍出タイミングを捉えることができる。ただし、レアケースな頻脈者(単位時間当たりの脈拍数が多い人。100回〜120回/分。120回/分とすると心拍周期は0.5秒。)の場合、15枚/秒以上が好ましい。フレームレート30枚/秒とした場合は、1フレーム画像当たりの線量が少ないためにノイズが多く、フレーム間差分画像の画質が低下している。
従って、血流の解析では、フレームレート7.5枚/秒〜15枚/秒とすることが好ましい。
次に、ビニングと単純間引きの解析への影響について検討する。ここでは、ビニング処理及び単純間引き処理を施した場合の最大流速比のヒストグラム解析、換気のフレーム間差分画像、血流フレーム間差分画像を比較して、両者の影響を検討する。
図18A〜図18Cに、ビニング処理及び単純間引き処理を施した場合の最大流速比のヒストグラム解析結果、換気フレーム間差分画像、血流フレーム間差分画像の一例を示す。図18Aに示す解析は、フレームレート7.5秒/枚、トータル線量(撮影10秒間での入射表面線量)が0.2mGy相当の動態画像を使用している。図18Aの上段は、2mm角でのビニング処理を施した場合、図18Aの下段は、2mm間隔での単純間引き処理を施した場合を示す。図18Bの上段は、2mm角でのビニング処理を施した場合、図18Bの下段は、2mm間隔での単純間引き処理を施した場合を示す。図18Cの上段は、2mm角でのビニング処理を施した場合、図18Cの下段は、2mm間隔での単純間引き処理を施した場合を示す。
図18A、図18Bに示すように、最大流速比のヒストグラム解析、換気フレーム間差分画像においては、解析結果に対するビニング処理と単純間引き処理は大差ない。即ち、換気の解析においては、ビニング処理と単純間引き処理の影響は大差ない。一方、図18Cに示すように、血流フレーム間差分画像においては、単純間引き処理ではビニング処理に比べて画像上のノイズが大きく、血流情報が検出できなくなる小ブロック(図18Cの肺野領域の中で静止画上にフレーム間差分値が加算されていない領域)が多くなる。よって、換気機能の解析の場合は、ビニング処理と単純間引きの何れを施してもよい(上記解析処理の個々の項目において、ビニング処理と単純間引きの何れを行ってもよい)が、血流機能の解析の場合は、ビニング処理を施すことが好ましい。
また、ビニング処理を施せば、小ブロック内における信号値の平均化により個々の画素のバラツキ影響が緩和されるので、オフセット補正処理、ゲイン補正処理、欠陥画素補正処理等の補正処理を省略できる可能性が高くなり、処理時間を大幅に短縮化することができる。
また、ポジショニング確認用にビニング処理及び単純間引き処理された画像を解析用に再利用することができるので、処理時間を大幅に短縮化することができる。
これは、既存の動画撮影対応、例えば透視用のFPD等に於いては、FPD自体が、例えば、2×2画素等のビニング処理を行ったデータを表示装置に出力してリアルタイム表示を行い、手術具等の位置確認等に使用するものがあるが、このような型式の出力信号を、そのまま特徴量の解析に使用することが可能となり、既存の撮影装置の出力信号を使用しても動態に係る特徴量の解析が行えることを示している。
そして、本願発明者等は、上記の手法を更に発展させ、集団検診時の大量の被検者の画像データを一度に処理する場合への適用を考え、従来の集団検診時の胸部撮影方法(即ち、間接撮影(縮小画像)により正常又は要精密検査の弁別を行い、要細密検査者には、後日、直接撮影(ライフサイズ画像)を行うスタイル)と同様に、正常者と異常疑い者との弁別がより大きな画素ブロック(大ブロック:例えば、肺野を左右の上中下の6つに分割したブロック)を用いた解析で可能であることを見出した。即ち、大ブロック設定による弁別で、従来方法と同様の精度の弁別を行うことができることを見出したのである。また、小ブロックによる解析を追加実行すれば、従来のような後日の再撮影は不要で、言い換えると一度の撮影で、多くの特徴量(診断支援情報)を算出生成することも可能になる計り知れないメリットを秘めているのである。従って、異常疑い者にとっては、早期診断、早期治療に繋げることができる。
具体的には、上記実施の形態で説明したように、大ブロックのフレーム間差分値が予め定められた閾値に到達しておらず異常の疑いがあると判断された場合、指定された特徴量に応じた画素数の小ブロックに再編して特徴量の算出を実施する。
例えば、画素サイズ150μmの半切サイズのFPD(撮影可能領域:2370画素×2860画素)を用いて、胸部正面画像を7.5fpsで呼吸1周期を撮影した場合、仮に1周期2秒とすると15ものフレーム画像が生成されるが、肺野領域を左右のそれぞれを上中下に分割(肺野を6つの大ブロックに分割)し、各大ブロック毎に画素の信号値を平均化してフレーム間差分値を予め定められた閾値と比較すれば、正常者と異常疑い者を短時間で弁別可能である。更に、異常疑い者に弁別された場合は、画素単位やビニング単位で解析処理を行うことにより、より詳細な特徴量を算出することができる。この場合、再撮影を行う必要はなく、演算アルゴリズムを変更するのみでよい。
従って、集団検診の比較的最初のステージで動態撮影を行い、最後の医師による問診のステージに到達するころには、弁別結果及び異常の疑いがある場合には高精細な特徴量(診断支援情報)を生成し終えることが可能で、医師は異常疑いのある検査者に対し、その異常のある箇所にのみ聴診器でダブルチェックを行うことも可能となる。
また、放射線源からの散乱放射線を除去する散乱線除去グリッドを使用する場合、FPDの画素サイズとグリッドサイズ(グリッドピッチ)との関係によっては生成されるフレーム画像にモアレ(アーチファクト)が発生することが知られている。本実施の形態の解析処理では、複数画素からなるブロックや小ブロック内の画素の信号値の平均値をそのブロックや小ブロックの代表値とし、フレーム間差分値に基づき正常/異常疑いありを弁別したり特徴量を算出したりするので、モアレ影響を殆ど無視することが可能となる。よって、グリッドが固定されている場合にはそのまま利用して撮影可能となる。
また、グリッドは検出器92への到達線量を照射線量の約半分に減衰させる。即ち、グリッドを使用しなければ、グリッドを使用した場合に比べて照射線量を約半分にすることができる。グリッドを使用しない場合、散乱線の影響が懸念されるが、本実施の形態における正常/異常疑いありの弁別や特徴量の算出においては、複数画素からなるブロックや小ブロック内の画素の信号値の平均値をそのブロックや小ブロックの代表値とし、フレーム間差分値に基づき正常/異常疑いありを弁別したり特徴量を算出したりするので、グリッドを使用しなくても散乱線の影響を殆ど無視することが可能となる。よって、本実施の形態の動態撮影では、被検者の被曝線量の低減のため、グリッドを使用せずに撮影を行うことが好ましい。
例えば、グリッドがブッキー装置に着脱可能である場合には、ブッキー装置にグリッドの装着を検知するグリッド検知センサを設け、このグリッド検知センサの出力をコンソール5の制御部51に送信する構成としておき、動態撮影の場合、制御部51は、グリッド検知センサによりグリッドの装着が検知されていない場合に放射線源から放射線を照射するように制御する構成としてもよい。
なお、解析用WS8は、インターネット等を介して接続された外部の解析センターの解析用WS(解析サーバー)としてもよい。
また、上記第1の実施の形態においては、各撮影室にコンソール5を配置し、各撮影室のコンソール5で撮影室内における撮影を制御することとして説明したが、図19に示す診断支援情報生成システム200のように、撮影室の外に1又は複数のコンソール5を設置して各撮影室の操作卓6及びアクセスポイントAPと接続可能な構成とし、各コンソール5が撮影室R1〜R3の何れの撮影についても制御できるようにしてもよい。
図19に示す診断支援情報生成システム200においては、例えば、各コンソール5の撮影管理テーブル521が「撮影室NO.」、「管球タイプ」、「ブッキーID」、「FPDID」、「画像受信時刻」等の項目を有し、各撮影室NO.に対応付けて当該撮影室NO.の撮影室に設けられている放射線源の管球タイプ及びブッキー装置のブッキーID、そのブッキー装置に現在装着されているFPDのFPDID、現在その撮影室に存在するFPDのFPDID、画像受信時刻等を記憶可能とする。各撮影室のブッキー装置においては、FPDが装着された際に、装着されたFPDからFPDIDを取得し、撮影室NO.、FPDID及び自己のブッキーIDを各コンソール5に送信する。同様に、各撮影室のクレードル4においては、FPDが装着された際に、装着されたFPDからFPDIDを取得し、撮影室NO.及びFPDIDを各コンソール5に送信する。このように構成すれば、各コンソール5において各撮影室R1〜R3の状況を把握し、指定された撮影オーダー情報に基づく撮影が可能な撮影室を判断することが可能となる。
例えば、各コンソール5において、動態撮影を指示する撮影オーダー情報が指定された際に、制御部51により撮影管理テーブル521に記憶されている情報、例えば、撮影室に存在する管球のタイプやFPDの種類の情報に基づいて各撮影室で動態撮影が可能であるか否かを事前に判断し、撮影が可能な撮影室の選択画面を表示部54に表示することが可能となる。又は、選択画面に各撮影室に設けられている放射線源の管球タイプ、ブッキー装置、FPDの種類等を表示し、操作者が撮影オーダー情報に基づく撮影が可能な撮影室を容易に選択できるようにしてもよい。或いは、操作者が撮影室を選択するための選択画面を表示部54に表示し、選択された撮影室での撮影が可能か否かを判断して撮影が不可能な場合に警告を表示することとしてもよい。このような制御により、コンソール5と撮影室とが1:1対応でなくm:nであっても、操作者は、間違いなく撮影オーダー情報に応じた撮影を行うことができる。また、操作者が動態撮影が不可能な放射線源やFPDで誤って撮影を開始してしまうことを防止することができる。撮影室が選択されると、制御部51は選択された撮影室の放射線源及びFPDを起動させる。
なお、診断支援情報生成システム200におけるその他の動作については診断支援情報生成システム100で説明したものと同様である。
また、検診車にX線管球、FPD、撮影用コンソール、及び解析用コンソールを搭載して、各地の集団検診場所(工場や学校等)に移動し、現地で、大ブロック解析、及び、必要に応じた小ブロック解析を行うことも可能であり、ネットワーク環境等に依存せず、検診効率を向上させることができる。また、被検者の生活習慣(喫煙履歴)に応じた多様な初期設定(非喫煙者は左右の2ブロックのみ、自身喫煙者及び家族喫煙者には左右それぞれ3ブロック(計6ブロック)とすることや、被検者自身の事前リクエストに応じた血流系機能も同時解析対象とすること等)も可能で、集団検診のレベルに応じた各種の解析フローを構成することができ、早期診断に貢献することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
まず、構成について説明する。
図20に、第2の実施の形態における診断支援情報生成システム300の全体構成を示す。診断支援情報生成システム300は、開業医やクリニック等の小規模施設において撮影された動態画像を解析センターの解析サーバー30で解析し、小規模施設に解析結果を提供するシステムである。第1の実施の形態で説明したように、ワーピング処理を施さなくてよい場合、解析処理を行う側でFPDの画素サイズや個々の画素のダイナミックレンジ等を考慮する必要がない。そのため、各施設で使用しているFPDの型式を問わず、以下に説明するようにオープンシステムで解析処理を提供することができる。
図20に示すように、小規模施設内の受付には受付装置20が設けられ、診察室にはコンソール50が設けられ、撮影室には第1の実施の形態で説明した撮影室内の装置(ブッキー装置1、2、放射線源3a、FPD9a等)が設けられている。コンソール50は、受付装置20及びブッキー装置とLAN等を介して接続されている。また、コンソール50は、インターネットPN等を介して解析サーバー30と接続可能に構成されている。
受付装置20は、来院した患者(被検者を含む)の受付登録、会計計算、保険点数計算等を行うためのコンピュータ装置である。受付装置20は、受付番号、患者情報(「患者ID」、「氏名」、「生年月日」、「性別」、「年齢」、「住所」、「電話番号」、「被保険者番号」等)が入力されると、入力された受付番号及び患者情報をコンソール50に送信する。
コンソール50は、撮影室内の各装置を制御して撮影を行う。また、解析サーバー30と通信接続し、動態画像の解析結果を取得し、表示する。
コンソール50の構成は、図3に示すコンソール5と同様に、制御部51、記憶部52、入力部53、表示部54、通信I/F55、ネットワーク通信部56等を備えて構成され、各部はバス57により接続されている。
コンソール50の記憶部52には、コンソール50に対応する各種プログラムが記憶されており、制御部51は、当該プログラムに従って後述する撮影・解析処理Bをはじめとする各種処理を実行する。なお、コンソール50においては、撮影管理テーブル521は不要である。また、ネットワーク通信部56は、スイッチングハブを介して接続された施設内の装置のほか、インターネットPNを介して解析サーバー30等の外部機器と通信接続可能である。その他コンソール50の各部の構成は、コンソール5と同様であるので説明を援用する。
撮影室内の各装置の構成は、第1の実施の形態で説明したものと同様であるので説明を援用する。
解析サーバー30は、外部の解析センターに設けられたサーバー装置である。解析サーバー30は、図5に示す解析用WS8と同様に、CPU等により構成される制御部、解析用プログラムが記憶された記憶部、入力部、記憶部、通信部等を備えて構成されている。解析サーバー30は、コンソール50からの要求に応じて制御部と記憶部に記憶されている解析用プログラムとの協働により撮影・解析処理Bを行い、解析結果をコンソール50に送信する。なお、解析サーバー30は、上述の解析用WS8と同様に、ワーピング処理を施さない。ワーピング処理を施す場合、解析サーバー30側で各社のFPDの画素サイズや個々の画素のダイナミックレンジ、照射量等が必要となるが、ワーピング処理を省略するので各社のFPDに対応することができる。また、解析処理の処理時間を大幅に低減することができる。
次に、診断支援情報生成システム300における動作について説明する。
上述のように、患者が来院すると、受付担当により患者に受付番号が付与され、受付装置20において受付番号、患者情報等が入力される。受付装置20の制御部においては、患者の受付番号及び患者情報等が入力部により入力されると、入力された情報が記憶部に記憶されて受付登録が行われるとともに、入力された情報(受付リスト情報)が通信部によりコンソール50に送信される。コンソール50の制御部においては、受付装置20からネットワーク通信部56により受付リスト情報が受信されると、受信された受付リスト情報が記憶部52に記憶される。また、入力部53からの操作に応じて、本日の受付リスト情報の一覧が表示部54に表示される。
受付番号が付与された患者が診察室に移動すると、医師は、入力部53を操作して、表示部54に表示された受付リスト情報から診察対象の患者の受付リスト情報を選択する。コンソール50においては、受付リスト情報から一の受付リストが選択されると、選択された受付リストに対応する患者の診断用画面が表示部54に表示される。診断用画面は、例えば、当該患者について撮影された画像の表示欄、診療情報の入力欄等を有する画面である。次いで、医師は、患者に対し問診を行い、実施する撮影を決定する。問診により動態画像の撮影及び解析が必要であると判断した場合には、医師は入力部53を操作して、コンソール50に以下の撮影・解析処理Bを実行させる。
以下、撮影・解析処理Bについて説明する。
図21に、診断支援情報生成システム300において実行される動態解析処理の流れを示す。撮影・解析処理Bのコンソール50側の処理は、コンソール50の制御部51と記憶部52に記憶されているプログラムとの協働により実行される。解析サーバー30側の処理は、解析サーバー30の制御部と記憶部に記憶されているプログラムとの協働より実行される。
まず、コンソール50において、ネットワーク通信部56により解析サーバー30へのアクセスが行われ、動態解析開始が要求される(ステップT1)。
解析サーバー30においては、動態解析開始要求が受信されると、コンソール50に対し、解析対象の部位、特徴量、及び使用するFPDのフレームレートの問い合わせが行われる(ステップT2)。
コンソール50においては、解析対象の部位、特徴量(解析対象項目)、及び使用するFPDのフレームレートの情報が取得され、ネットワーク通信部56により解析サーバー30に送信される(ステップT3)。ステップT3では、解析サーバー30からの問い合わせ内容が表示部54に表示され、医師が解析対象の部位及び特徴量、使用するFPD9aのフレームレートを入力部53により入力すると、入力した情報がネットワーク通信部56により解析サーバー30に送信される。特徴量としては、例えば、解析対象が肺野である場合、第1の実施の形態の図7のステップS19において説明した(1)〜(15)の項目特徴量が挙げられる。
解析サーバー30においては、コンソール50から解析対象の部位、特徴量及びフレームレートが受信されると、解析に必要なフレーム画像数が算出され、コンソール50に通知される(ステップT4)。解析に必要なフレーム画像数の算出については、例えば、図7のステップS17で説明したのと同様である。即ち、解析サーバー30の記憶部に平均的な成人等の動態周期を部位毎に記憶しておき、フレームレートと解析対象の部位の動態周期に基づいて解析に必要なフレーム画像数が算出される。
コンソール50においては、撮影に必要なフレーム画像数が通知されると、通知されたフレーム画像数、撮影部位、体位等が入力部53により入力される(ステップT5)。そして、入力された情報に基づいて、撮影処理が行われる(ステップT6)。
撮影処理は、図7のステップS4〜S13(又はS14)の処理と略同様の処理である。ここでは、医師や撮影技師等の撮影実施者は、患者を撮影室に連れて行き、撮影する体位のブッキー装置(1又は2)にFPD9aを装着する。コンソール50においては、入力されたフレーム画像数、撮影部位、体位に基づいて、放射線源3a及びブッキー装置(1又は2)が起動され、放射線源3aの位置及び向きが調整される。また、入力されたフレーム画像数、撮影部位、体位に基づいて、放射線源3aに放射線照射条件が設定され、FPD9aに画像読取条件が設定される。動態撮影の結果を用いて解析を行う場合は、診断に使用し得る解析精度を確保するため、フレームレートが3.75枚/秒以上に設定される。操作卓6から放射線照射指示が入力されると、コンソール50により放射線源3a及びFPD9aが制御され、動態撮影が行われる。入力されたフレーム画像数+αの撮影が終了すると、撮影動作が停止される。
撮影により取得されたフレーム画像は順次FPD9aのコネクタ94によりブッキー装置を介してコンソール50に入力される。入力されたフレーム画像は、記憶部52に記憶され、間引き処理が行われる。間引き処理は、ビニング処理及び/又は単純間引き処理である。何れの間引き処理を行うか、及び、ビニングする画素数(ブロックサイズ)もしくは単純間引きの画素間隔は、解析サーバー30が受信した解析対象の部位及び特徴量に応じた値が、フレーム画像数と併せて、撮影前に解析サーバー30からコンソール50へ通知されるようにしてもよい。間引き後の画像は表示部54に表示される。撮影実施者は、表示部54に表示されたフレーム画像を見てポジショニング等の確認を行い、撮影により診断に適した画像が取得された(撮影OK)か、再撮影が必要(撮影NG)かの判断結果を入力部53により入力する。尚、撮影により取得された各フレーム画像は、一旦FPD9aの記憶部93に記憶され、全撮影の終了後に纏めてFPD9aからコンソール50へ出力されるようにしても良い。入力部53により撮影NGの判断結果が入力されると、入力されたフレーム画像が記憶部52から削除される。この場合、再撮影が行われる。入力部53の所定の操作により撮影OKを示す判断結果が入力されると、処理はステップT7へ移行する。
図21のステップT7においては、コンソール50において、解析に使用するフレーム画像の選択が行われる(ステップT7)。ここで、上述のように解析に必要となる枚数以上のフレーム画像を用いて解析を行うと、データ転送時間や解析処理時間がかかり、好ましくない。処理時間短縮のためには、撮影された一連のフレーム画像の中から解析に使用する枚数のフレーム画像を選択することが必要となる。一方、動態画像の解析は、動態周期や隣接するフレーム画像間での信号値の差分等に基づき行われるので、動態画像の解析結果を被写体の真の特徴量を表す結果とするには、被写体の動態1サイクル以上の枚数の、連続する一連のフレーム画像が必要である。そこで、ステップT7においては、解析に必要な枚数分の連続するフレーム画像を操作者が正しく選択するためのGUIとして選択用画面541を提供する。具体的には、選択枠541aを用いて選択させるようにすることで、連続しない1コマ毎の画像選択や、一周期に満たない選択を防止する。選択用画面541及びその動作については、第1の実施形態で説明したものと同様であるので説明を援用する。
解析に使用するフレーム画像群が選択されると、送信する画像数がネットワーク通信部56により解析サーバー30に通知される(ステップT8)。解析サーバー30においては、通知された画像数の画像データの受信が可能な状態となると、送信許可通知がコンソール50に送信される(ステップT9)。コンソール50においては、ネットワーク通信部56により解析サーバー30から送信許可通知が受信されると、選択されたフレーム画像群の間引きデータが解析サーバー30へ送信される(ステップT10)。なお、選択された一連のフレーム画像群の間引きデータに、患者情報、撮影順を示す番号等の情報が付帯される(例えば、DICOMマルチフォーマットのファイルフォーマットで画像データのヘッダ領域に書き込まれる)。
解析サーバー30においては、コンソール50より通知された枚数の画像の取得が終了すると、取得完了通知がコンソール50に送信される(ステップT11)。そして、解析処理が実行される(ステップT11)。解析処理においては、第1の実施の形態で説明したように、まず、大まかなブロック(大ブロック)で正常であるか異常の疑いがあるかを弁別し、異常の疑いがあると弁別されたブロックについてさらに小ブロックに再分割し、小ブロック毎に予め指定された特徴量を算出する。正常/異常の疑いありの弁別及び特徴量の算出においてはワーピング処理を行わないことが処理時間の短縮化の点から好ましい。解析処理の例は、第1の実施の形態において図7のステップS19で説明したものと同様であるので説明を援用する。
解析が終了すると、解析結果のデータがコンソール50に送信される。コンソール50においては、解析結果のデータが診断対象として選択されている患者情報と対応付けて記憶部52に記憶され、撮影・解析処理Bは終了する。
第2の実施の形態によれば、外部の解析センターの解析サーバー30で解析を行う場合においても、早期に医療施設側で解析結果を取得することができる。従って、施設内に解析サーバーを持たない小規模施設においても、短時間で被検者の検診を行うことが可能となる。
また、集団検診に於いては、第2の実施の形態に於ける動態撮影系及び撮影データの大ブロック化のみが、検診車により各地の集団検診場所(工場や学校等)で実施され、解析に必要なデータ(大ブロック化データ)はネットワークを通じて解析センターへ送付されることになる。この際に、受診者全員に適用される大ブロック化データ送信は短時間で終えることができ、精査必要な患者のデータは、小ブロック化で再送信する。尚、複数の特徴量解析を行う場合には、各特徴量の解析に必要なブロックサイズのうちの最小のブロックサイズで送信することで、送信を1回のみとすることができ好ましい。
以上説明したように、診断支援情報生成システム100〜300によれば、解析WS88(解析サーバー30)の制御部は、被写体の動態を撮影することにより得られた一連の複数のフレーム画像のそれぞれの解析対象領域を互いに対応する同一位置の複数画素からなる複数のブロック(大ブロック)に分割し、複数のフレーム画像における各ブロックの画素の信号値に基づいて各ブロックにおける被写体の動態に係る特徴量を算出し、算出された特徴量に基づいて各ブロックにおける被写体の動態が正常であるか又は異常の疑いがあるかを弁別する。そして、異常の疑いがあると弁別されたブロックを当該ブロックに含まれている画素数より少ない画素数からなる複数の小ブロックに再分割し、この再分割された各小ブロック内の画素の信号値に基づいて、各小ブロックにおける被写体の動態に係る特徴量を算出して診断支援情報を生成する。
従って、正常者と異常疑い者を短時間で弁別可能となる。更に、異常疑い者に弁別された場合は、画素単位やビニング単位で解析処理を行うことにより、より詳細な特徴量を算出することができる。この場合、再撮影を行う必要はなく、演算アルゴリズムを変更するのみでよい。即ち、短時間で被検者の検診を行うことができる。また、集団検診の比較的最初のステージで動態撮影を行えば、最後の医師による問診のステージに到達するころには、弁別結果及び異常の疑いがある場合には高精細な特徴量(診断支援情報)を生成し終えることが可能で、医師は異常疑いのある被検者に対し、その異常のある箇所にのみ聴診器でダブルチェックを行うことも可能となる。
被写体の動態が正常であるか又は異常の疑いがあるかを弁別するには、複数のフレーム画像のそれぞれにおいて、各ブロック毎に画素の信号値の代表値を算出してブロック内の画素の信号値を当該算出された代表値に置き換え、撮影順が隣接するフレーム画像間において各ブロックの信号値の差分値を算出し、算出された差分値に基づいて、各ブロックにおける被写体の動態が正常であるか又は異常の疑いがあるかを弁別する。従って、FPDの検出部92の画素の出力バラツキの影響や被写体の体動による影響を低減することができる。また、胸部の動態解析の場合は、肋骨の移動による信号変化の影響を低減することができる。
また、解析対象が肺野領域である場合、大ブロックへの分割は、複数のフレーム画像のうち、肺野領域の面積が最小のフレーム画像(基準画像)において、その肺野領域を複数の画素からなる複数のブロックに分割し、他のフレーム画像を基準画像の各画素ブロックと同一位置の複数画素からなる複数のブロックに分割する。従って、肺野外の領域が解析対象の領域となることはない。
また、放射線の散乱を防止するためのグリッドが装着されてない状態で撮影を行うようにすることで、被写体の被曝量を低減することができる。
また、小ブロックに分割する際には、指定された特徴量に応じて、特徴量算出の単位となる小ブロックに含まれる画素数を決定するので、算出すべき個々の特徴量に応じた小ブロックで高精細な解析を行うことができる。
なお、上記実施の形態は本発明の好適な一例であり、これに限定されない。
例えば、上記実施の形態においては、コンソール5やコンソール50において間引き処理を行うこととして説明したが、例えば、特許第4,546,174号公報のように、動
態画像を撮影する撮影装置側(本実施の形態ではFPD9a)でビニング処理や単純間引き処理を行い、処理済みのフレーム画像をコンソール5に送信することとしてもよい。このようにすれば、FPDとコンソールとの間での画像データの転送時間も短縮することができるので、更に好ましい。
また、上記実施の形態においては、解析処理は、解析用WS8上で行うこととしたが、コンソール5上が解析用WS8の機能を持ち、コンソール5にて解析処理を行うこととしても良い。もしくは、SaaS (Software as a Service)等、クラウド上のマルチテナントなサーバーリソースにて解析処理を実施し、その解析結果を、コンソール5もしくは、PACS10に返す構成としても良い。
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてHDDや半導体の不揮発性メモリ等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
その他、診断支援情報生成システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
100 診断支援情報生成システム
1 ブッキー装置
11 制御部
12 検出器装着部
13 通信I/F
14 駆動部
15 バス
2 ブッキー装置
21 制御部
22 検出器装着部
23 通信I/F
24 駆動部
25 バス
3a 放射線源
3b 放射線源
3c 放射線源
4 クレードル
5 コンソール
51 制御部
52 記憶部
521 撮影管理テーブル
53 入力部
54 表示部
541 選択用画面
55 通信I/F
56 ネットワーク通信部
57 バス
9a FPD
9b FPD
91 制御部
92 検出部
93 記憶部
94 コネクタ
95 バッテリ
96 無線通信部
97 バス
6 操作卓
7 HIS/RIS
8 解析用WS
81 制御部
82 記憶部
83 入力部
84 表示部
85 通信部
86 バス
10 PACS
20 受付装置
50 コンソール
30 解析サーバー
200 診断支援情報生成システム
300 診断支援情報生成システム

Claims (9)

  1. 被写体に連続的に放射線を照射可能な放射線源と、2次元状に配置された複数の検出素子を有し前記複数の検出素子のそれぞれにおいて前記放射線源により連続的に照射され被写体を透過した放射線を順次検出することにより前記被写体の動態を示す複数のフレーム画像を生成する放射線検出器と、を有する撮影手段と、
    前記複数のフレーム画像に基づいて前記被写体の動態を解析して診断支援情報を生成する解析手段と、
    を備える動態診断支援情報生成システムであって、
    前記解析手段は、
    前記複数のフレーム画像のそれぞれの解析対象領域を互いに対応する同一位置の複数画素からなる複数の画素ブロックに分割し、前記複数のフレーム画像における各画素ブロックの画素の信号値に基づいて前記各画素ブロックにおける前記被写体の動態に係る特徴量を算出し、算出された特徴量に基づいて前記各画素ブロックにおける前記被写体の動態が正常であるか又は異常の疑いがあるかを弁別する弁別手段と、
    前記弁別手段により前記異常の疑いがあると弁別された画素ブロックを当該画素ブロックに含まれている画素数より少ない画素数からなる複数の小ブロックに再分割し、この再分割された各小ブロック内の画素の信号値に基づいて、前記各小ブロックにおける前記被写体の動態に係る特徴量を算出して診断支援情報を生成する診断支援情報生成手段と、
    を備える動態診断支援情報生成システム。
  2. 前記弁別手段は、前記複数のフレーム画像のそれぞれにおいて、前記各画素ブロック毎に画素の信号値の代表値を算出して画素ブロック内の画素の信号値を当該算出された代表値に置き換え、撮影順が隣接するフレーム画像間において前記各画素ブロックの信号値の差分値を算出し、前記算出された差分値に基づいて、前記各画素ブロックにおける前記被写体の動態が正常であるか又は異常の疑いがあるかを弁別する請求項1に記載の動態診断支援情報生成システム。
  3. 前記撮影手段は、前記被写体の胸部の安静呼吸の動態を撮影し、
    前記診断支援情報生成手段は、前記被写体の胸部の安静呼吸の動態に係る診断支援情報を生成する請求項1又は2に記載の動態診断支援情報生成システム。
  4. 前記弁別手段は、前記複数のフレーム画像のうち、肺野領域の面積が最小のフレーム画像において、その肺野領域を複数の画素からなる複数の画素ブロックに分割し、他のフレーム画像を前記各画素ブロックと同一位置の複数画素からなる複数の画素ブロックに分割する請求項3に記載の動態診断支援情報生成システム。
  5. 前記撮影手段は、放射線の散乱を防止するためのグリッドが装着されてない状態で撮影を行う請求項1〜4の何れか一項に記載の動態診断支援情報生成システム。
  6. 被写体に連続的に放射線を照射可能な放射線源と、2次元状に配置された複数の検出素子を有し前記複数の検出素子のそれぞれにおいて前記放射線源により連続的に照射され被写体を透過した放射線を順次検出することにより前記被写体の動態を示す複数のフレーム画像を生成する放射線検出器と、を有する撮影手段と、
    前記複数のフレーム画像に基づいて前記被写体の動態を解析して診断支援情報を生成する解析手段と、
    を備える動態診断支援情報生成システムであって、
    前記被写体の動態について算出すべき特徴量を指定するための指定手段を備え、
    前記解析手段は、前記指定手段により指定された特徴量に応じて、特徴量算出の単位となる小ブロックに含まれる画素数を決定し、前記複数のフレーム画像のそれぞれを前記指定手段により指定された画素数の画素からなる複数の小ブロックに分割し、前記複数のフレーム画像における解析対象領域内の各小ブロックの画素の信号値に基づいて前記各小ブロックにおける前記被写体の動態に係る前記指定された特徴量を算出して診断支援情報を生成する動態診断支援情報生成システム。
  7. 前記解析手段は、前記指定手段により複数の特徴量が指定された場合、前記指定された複数の特徴量のそれぞれに応じた画素数のうち、最も小さい画素数を前記小ブロックの画素数として決定する請求項6に記載の動態診断支援情報生成システム。
  8. 被写体に連続的に放射線を照射可能な放射線源と、2次元状に配置された複数の検出素子を有し前記複数の検出素子のそれぞれにおいて前記放射線源により連続的に照射され被写体を透過した放射線を順次検出することにより前記被写体の動態を示す複数のフレーム画像を生成する放射線検出器と、を有する撮影手段と、
    前記複数のフレーム画像に基づいて前記被写体の動態を解析して診断支援情報を生成する解析手段と、
    を備える動態診断支援情報生成システムにおける動態診断支援情報生成方法であって、
    前記撮影手段により、前記被写体の動態を一周期以上撮影して複数のフレーム画像を取得する工程と、
    前記解析手段により、前記複数のフレーム画像のそれぞれの解析対象領域を互いに対応する同一位置の複数画素からなる複数の画素ブロックに分割し、前記複数のフレーム画像における各画素ブロックの画素の信号値に基づいて前記各画素ブロックにおける前記被写体の動態に係る特徴量を算出し、算出された特徴量に基づいて前記各画素ブロックにおける前記被写体の動態が正常であるか又は異常の疑いがあるかを弁別する工程と、
    前記異常の疑いがあると弁別された画素ブロックを当該画素ブロックに含まれている画素数より少ない画素数からなる複数の小ブロックに再分割し、この再分割された各小ブロック内の画素の信号値に基づいて、前記各小ブロックにおける前記被写体の動態に係る特徴量を算出して診断支援情報を生成する工程と、
    を含む動態診断支援情報生成方法。
  9. 被写体の動態を示す複数のフレーム画像に基づいて前記被写体の動態を解析して診断支援情報を生成する動態解析装置であって、
    前記複数のフレーム画像のそれぞれの解析対象領域を互いに対応する同一位置の複数画素からなる複数の画素ブロックに分割し、前記複数のフレーム画像における各画素ブロックの画素の信号値に基づいて前記各画素ブロックにおける前記被写体の動態に係る特徴量を算出し、算出された特徴量に基づいて前記各画素ブロックにおける前記被写体の動態が正常であるか又は異常の疑いがあるかを弁別する弁別手段と、
    前記弁別手段により前記異常の疑いがあると弁別された画素ブロックを当該画素ブロックに含まれている画素数より少ない画素数からなる複数の小ブロックに再分割し、この再分割された各小ブロック内の画素の信号値に基づいて、前記各小ブロックにおける前記被写体の動態に係る特徴量を算出して診断支援情報を生成する診断支援情報生成手段と、
    を備える動態解析装置。
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