まず、実施形態の回胴式遊技機の概要について説明する。
第1実施形態は、種々の図柄を変動表示する図柄変動表示手段と、内部抽選の結果に基づいて、当選した当選役に対応する当選役データを設定する当選役データ設定手段と、前記変動表示の停止に基づいて、停止した図柄に対応する入賞役を表わす停止結果データを設定する停止結果データ設定手段と、各遊技において、前記当選役データと前記停止結果データとを照合して一致しない場合に誤入賞と判定する誤入賞判定手段とを備えた回胴式遊技機であって、前記当選役データは少なくとも、特定の当選役に当選した場合に成立する特定の図柄組合せが属する特定の図柄組合せ群について定めたフラグを含む第1当選役データと、該特定の図柄組合せについて識別可能に定めたフラグを含む第2当選役データとを含み、前記停止結果データは少なくとも、特定の入賞役に入賞した場合に該特定の入賞役が属する特定の入賞役群について定めたフラグを含む第1停止結果データと、該特定の入賞役群の中のどの入賞役に入賞したかを識別するフラグを含む第2停止結果データとを含み、前記誤入賞判定手段は、前記第1当選役データと前記第1停止結果データとを照合する第1照合手段と、前記第2当選役データと前記第2停止結果データとを照合する第2照合手段とを含む。
第1実施形態によれば、第1照合手段は、特定の入賞役(例えば、後述の「ベル1」〜「ベル8」)に入賞した場合に、第1当選役データと第1停止結果データを照合することにより、特定の入賞役群への入賞が誤入賞であるか否かを判定する。次に、第2照合手段は、第2当選役データと第2停止結果データを照合することにより、特定の入賞役群の中のどの入賞役に入賞したのかを判定する。
このような照合による判定では、入賞役の各々(「ベル1」〜「ベル8」の8種)について個別に照合する必要がないので、入賞役の種別が増加しても、回胴式遊技機の制御負担を軽減することができる。
第2実施形態は、種々の図柄を変動表示する図柄変動表示手段と、内部抽選の結果に基づいて、当選した当選役に対応する当選役データを設定する当選役データ設定手段と、前記変動表示の停止に基づいて、停止した図柄に対応する入賞役を表わす停止結果データを設定する停止結果データ設定手段と、各遊技において、前記当選役データと前記停止結果データとを照合して一致する場合に正常入賞と判定する入賞判定手段とを備えた回胴式遊技機であって、前記当選役データは少なくとも、特定の当選役に当選した場合に成立する特定の図柄組合せが属する特定の図柄組合せ群について定めたフラグを含む第1当選役データと、該特定の図柄組合せについて識別可能に定めたフラグを含む第2当選役データとを含み、前記停止結果データは少なくとも、特定の入賞役に入賞した場合に該特定の入賞役が属する特定の入賞役群について定めたフラグを含む第1停止結果データと、該特定の入賞役群の中のどの入賞役に入賞したかを識別するフラグを含む第2停止結果データとを含み、前記入賞判定手段は、前記第1当選役データと前記第1停止結果データとを照合する第1照合手段と、前記第2当選役データと前記第2停止結果データとを照合する第2照合手段とを含む。
第2実施形態によれば、第1照合手段は、特定の入賞役(例えば、後述の「ベル1」〜「ベル8」)に入賞した場合に、第1当選役データと第1停止結果データを照合することにより、特定の入賞役群への入賞が正常であるか否かを判定する。次に、第2照合手段は、第2当選役データと第2停止結果データを照合することにより、特定の入賞役群の中のどの入賞役に入賞したのかを判定する。
このような照合による判定では、入賞役の各々(「ベル1」〜「ベル8」の8種)について個別に照合する必要がないので、入賞役の種別が増加しても、回胴式遊技機の制御負担を軽減することができる。
第1実施形態において前記第1照合手段により誤入賞でないと判定された場合、又は第2実施形態において正常入賞と判定された場合に、前記第2照合手段による照合を行うことが好ましい。
特定の入賞役に入賞した場合、誤入賞判定手段は、第1照合手段による照合の結果、誤入賞でないと判定された場合に、第2照合手段により特定の入賞役群の中のどの入賞役に入賞したかを判定する。
また、特定の入賞役に入賞した場合、入賞判定手段は、第1照合手段による照合の結果、正常入賞であると判定された場合に、第2照合手段により特定の入賞役群の中のどの入賞役に入賞したかを判定する。
このような判定を行うことにより、回胴式遊技機は、第1照合手段による照合の結果によっては、第2照合手段による照合を行う必要がない。したがって、不要な判定を回避して制御負担を軽減できる。
また、第1又は第2実施形態において、前記第2当選役データには、少なくとも2以上の図柄組合せが定められ、前記第2照合手段は、前記第2当選役データに定められた前記図柄組合せと前記第2停止結果データに定められた入賞役とを順次照合することが好ましい。
第2当選役データは、例えば、図柄組合せが異なる「ベル1」と「ベル2」のような複数の図柄組合せが成立した場合に定められるデータであり、少なくとも2以上の図柄組合せを含む。第2照合手段は、いわば特定の入賞役の種別を判定するものであり、2以上の図柄組合せと停止結果データに定められた入賞役(入賞役は常に1つ)とを順次照合する。
例えば、第2当選役データを構成するビット列から第1の図柄組合せに該当するビット(フラグ)を抽出して、第2停止結果データの入賞役に該当するビット(フラグ)と照合する。この照合が一致しない場合には、第2当選役データを構成するビット列から第2の図柄組合せに該当するビットを抽出して、第2停止結果データの入賞役に該当するビットと照合する。
このような制御を行うことにより、複数成立した特定の図柄組合せの誤入賞判定を簡易かつ正確に行うことができる。
第1実施形態の第1照合手段又は第2照合手段により誤入賞と判定された場合、又は第2実施形態の第1照合手段又は第2照合手段により正常入賞でないと判定された場合に、前記停止結果データ又は遊技価値の払出数をクリアすることが好ましい。
誤入賞判定手段の第1照合手段又は第2照合手段により誤入賞と判定された場合、又は入賞判定手段の第1照合手段又は第2照合手段により正常入賞でないと判定された場合には、回胴式遊技機の誤動作又は不正行為が原因となっている可能性がある。
このような場合には、具体的には、後述する主制御基板が停止した入賞役に対応する停止結果データをクリアする。不正に遊技メダル等の遊技価値を取得する行為を防止するために、遊技価値の払出数をクリアすることもできる。このように制御することにより、正確な誤入賞判定を行えると共に、セキュリティの高い回胴式遊技機とすることができる。
また、第1又は第2実施形態において、前記第2当選役データが全ての前記特定の図柄組合せに当選していることを示す場合には、前記第2照合手段による照合を行わないことが好ましい。
当選役には、例えば、後述の「複合ベル」のように、全て(全種別)の特定の図柄組合せが成立するものがある。このような役に当選した場合、第1照合手段により特定の入賞役群に正常に入賞していることが確認できれば誤入賞の可能性はなく、どの入賞役かの判定まで必要とされない。
このような場合、第2照合手段による照合を行わないので、回胴式遊技機は、不要な判定をする必要がなくなる。
(第1実施形態)
次に、図面を参照して、第1実施形態の回胴式遊技機について詳細に説明する。
<1.機械的構成>
図1は、本実施形態に係る回胴式遊技機の外観を示す。回胴式遊技機は、遊技に供する各種遊技部品を収納するための遊技機筐体1と、遊技機筐体1の前面側に開閉自在に取り付けられた前扉2とを備える。
前扉2には、そのほぼ中央に回胴視認部3が設けられており、その上側に液晶画面視認部4が設けられている。回胴視認部3に臨ませて、回胴装置210の回胴(リール)5a、5b、5cが横並びに、遊技者側から視認し得るように設けられている。
各回胴5a、5b、5cは、その外周に複数種類の図柄が施された図柄配列帯(図2参照)を有しており、各回胴5a、5b、5cの停止時の上記図柄の組合せによって遊技結果を表示する回胴装置210を構成している。なお、回胴装置210は、本発明の「図柄変動表示手段」に相当する。
図柄配列帯については、既に種々の図柄配列帯が公知であるのでその詳細な説明は省略するが、図柄配列帯には、各入賞役を構成するための図柄が表示されており、本実施形態では回転方向に21コマの図柄が配置されている。図柄には、例えば、「7」、「ベル」、「オレンジ」、「チェリー」、「JAC」、「BAR」、「人物」、「動物」、「魚」、「乗り物」等があるが、特に制限はなく、種々の図柄を採用することができる。
この回胴5a、5b、5cは、それぞれパルスモータからなる回胴駆動モータ211a、211b、211c(図4参照)により回転駆動されるように構成され、各回胴5a、5b、5cが回転することにより、上記図柄が変動表示するようになっている。
なお、回胴5a、5b、5cは、回胴駆動モータ211a、211b、211cのような電気的駆動源を用いて物理的に回転または停止が行われる機械式の回胴に限定されず、後述する液晶表示装置6のような表示装置に表示され、画像上で回転または停止が行われる演出的な回胴であってもよい。また、回胴の数は3個に限定されるものではなく、2個又は4個、その他任意の数配設してもよい。
回胴視認部3には、ここを横及び斜めに横断する形で、計5本の入賞ライン3aが施されている。これらの入賞ライン3aは、単位遊技(1ゲーム)に対する遊技メダル(遊技媒体、遊技価値)の投入枚数に応じ、有効となる入賞ライン数が変化する。
有効となった入賞ライン(以下、「有効入賞ライン」と称する)3a上で、各回胴5a、5b、5cが停止した際の停止図柄の組み合わせ表示態様が、内部抽選にて当選した役と一致した場合に入賞が確定し、上記停止図柄の組み合わせに応じた遊技価値が遊技者に付与される。
液晶画面視認部4は、前扉2の裏側に装着された表示装置としての液晶表示装置6(LCDユニット)の液晶画面6aに対応して、例えば、回胴視認部3よりも少し小さい矩形状に形成されている。遊技者はこの液晶画面視認部4を介して液晶画面6aを前側から視認可能となっている。
この液晶画面6aには、遊技に伴う演出が画像により表示される。液晶表示装置6は、演出を表示する演出装置として機能し、AT(アシストタイム)遊技状態においては、抽選によって当選した当選役の獲得のための操作手順等を遊技者に報知する主たる手段として働く。
なお、本実施形態では、液晶表示装置6を設けているが、これに限らず、電子ペーパを用いた画像表示装置、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)等であってもよく、回転式ドラムによる演出表示装置、7セグによる演出表示装置、またはこれらを組合せたものであってもよい。
回胴視認部3の左右両側には、LEDを内蔵し、発光色の種類や発光態様(点滅・点灯、発光強度の増減等)による光の装飾により、遊技に伴う演出を現出する装飾ランプ部13が設けられている。上記装飾ランプ部13は、AT遊技状態において、当選役獲得のための操作手順等を遊技者に報知する手段の一例でもある。
回胴視認部3の下方の段部には、遊技に供する遊技媒体としての遊技メダルを投入するためのメダル投入口7と、貯留装置(遊技機に投入された遊技メダル、または入賞によって獲得した遊技メダルを貯留して、その貯留数を電磁的方法よって記憶可能とする機能を備えた装置)に貯留された範囲、すなわちクレジットされた範囲内で、遊技メダルを最大枚数賭けで一度に擬似投入し得るMAXBETボタン8がある。
また、押した回数に応じて最大賭け数まで加算的に擬似投入し得る貯留メダル投入ボタン9、クレジットされた遊技メダルの精算を行う貯留メダル精算ボタン10が設けられている。
回胴視認部3の上記段部の下側に横長状に設けられた操作パネル部14には、メダル投入口7内に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン15、回胴5a、5b、5cの回転を一斉に開始させるための回胴回転始動レバー11、各回胴5a、5b、5cの回転を個別に停止させるための3個の回胴回転停止ボタン12a、12b、12c(以下、必要に応じて回胴回転停止ボタンを総称して、単に「回胴回転停止ボタン12」と称する)が設けられている。
また、上記ボタンやレバーには、その内部に、操作が有効であるか否かを遊技者に報知するための発光装置(LED)を設けており、このLEDの発光態様(発光色、点灯、点滅、消灯など)により操作の有効、無効を報知するように構成されている。
本実施形態では、操作手段として、各回胴回転停止ボタン12a、12b、12cとMAXBETボタン8を利用することとしているので、これらボタンの内部にLEDを設けて、通常遊技や操作型遊技において、上記各ボタン操作の有効、無効を、当該LEDの発光態様により遊技者に報知するようにしている。
上述のMAXBETボタン8、貯留メダル投入ボタン9、貯留メダル精算ボタン10、回胴回転始動レバー11、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cには、それぞれ、これらが操作された際に操作検出情報を生成するスイッチ(8a、9a、10a、11a、12a’、12b’、12c’:図4参照)が備えられている。
操作パネル部14の下方には、遊技機の魅力をアピールするための色彩や絵柄が施され装飾パネル部17が設けられている。また、装飾パネル部17の下方には、前扉2と一体的に装着された横長状のメダル受け皿18が設けられ、このメダル受け皿18には、遊技メダル払出装置から払い出された遊技メダルや返却された遊技メダルを前側に排出するための遊技メダル払出口19が開口している。
前扉2の前扉上部両側及び前扉下部両側には、遊技に伴う演出効果音を外部に出力する音響出力部としてのスピーカ16が設けられている。上記スピーカ16は、AT遊技状態において、当選役獲得のための操作手順等を遊技者に報知する手段の一例でもある。
なお、本実施形態において、AT遊技状態が発生している間、上記操作手順等を遊技者に報知する演出装置は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることができるものであれば、いかなる装置も採用することができる。
図2は、本実施形態の回胴式遊技機の各回胴(リール)5a、5b、5cの図柄配列帯を展開した図である。左列は、図1の回胴5aに対応する図柄配列、中列は、同じく回胴5bに対応する図柄配列、右列は、同じく回胴5cに対応する図柄配列である。各列には図柄が21コマあり、上より0〜20までのコマ番号が割り当てられている。
遊技者は、各遊技にて変動表示している回胴5a、5b、5cに対し、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cを操作して回胴の変動を停止さる。そして、有効入賞ライン3a(図1、3参照)上に揃った図柄の組合せに応じた遊技メダルが払い出される。
図3は、本実施形態の回胴式遊技機の有効入賞ラインを示す図である。まず、図3(a)に示すように2本の非直線状の有効入賞ラインがある。1本目は、左列が上段、中列が中段、右列が上段の小V字型であり、2本目は、左列が下段、中列が中段、右列が下段の小山型である。
次に図3(b)に示すように2本の直線状の有効入賞ラインがある。1本目は、左列が上段、中列が中段、右列が下段の右下がり型であり、2本目は、左列が下段、中列が中段、右列が上段の右上がり型である。これらの有効入賞ラインは、各遊技の遊技メダルの賭け数により増減するが、最大の賭け数をベットした場合には、4本全てのラインが有効となる。
<2.回路構成>
(2−1.全体構成)
次に、本発明に係る回胴式遊技機の制御系について説明する。
図4は、本実施形態の回胴式遊技機の制御装置を示すブロック図である。図4に示すように、本実施形態に係る回胴式遊技機は、遊技動作全般の制御を司る主制御基板400と、主制御基板400から制御コマンドを受けて、画像と光と音についての演出制御を行う副制御部410と、外部電源から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板440とを中心に構成される。
副制御部410は、具体的には、演出装置を制御するための演出制御基板420と、液晶制御基板460とで構成され、液晶制御基板460には画像表示装置としての液晶表示装置6が接続されている。
主制御基板400には、遊技中継基板370を介して、メダル投入口7からの遊技メダルを検出するメダル検出センサ7aと、MAXBETボタン8の操作を検出するMAXBETスイッチ8aと、貯留メダル投入ボタン9の操作を検出する貯留メダル投入スイッチ9aと、貯留メダル精算ボタン10の操作を検出する貯留メダル精算スイッチ10aと、回胴回転始動レバー11の操作を検出する回胴回転始動スイッチ11aと、停止スイッチ基板360とが接続されており、これらのスイッチ等から信号が入力される。
また、停止スイッチ基板360には、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cの操作を検出する回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’や、各回胴回転停止ボタン12の内部に設けられるLED(図示省略)が搭載されている。
また、主制御基板400には、回胴中継基板330を介して回胴装置210の回胴5a、5b、5cを回転駆動するための回胴駆動モータ211a、211b、211c及び回胴位置検出センサ(各回胴に設けられているセンサであって、図柄の基準となる位置や回胴の回転を検出するためのセンサ)212a、212b、212cが接続されている。
主制御基板400は、回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御して、各回胴5a、5b、5cの回転動作及び目的とする位置への各回胴5a、5b、5cを停止させる停止動作を実現している。
主制御基板400には、払出中継基板350を介してホッパーユニット500が接続されている。ホッパーユニット500には、払出制御基板450、メダル払出センサ520及びホッパーモータ510が配置されている。
払出制御基板450は、主制御基板400から送信された遊技メダルの払い出しに関する払出制御コマンドに基づき、ホッパーモータ510を駆動制御し、目的とする枚数の遊技メダルを払い出すようになっている。払い出された遊技メダルは、メダル払出センサ520によって検出される。
また、主制御基板400には、払出中継基板350を介して満杯検知センサ600が接続されている。これは、メダル貯留部(図示省略)に取り付けられたセンサであり、メダルが満杯となり、これ以上受け入れできなくなったときに、満杯検知信号を出力するものである。
さらに、主制御基板400には、外部集中端子基板310が接続されている。外部集中端子基板310は、ホール全体の遊技機を統括的に管理するホールコンピュータHCに所定の遊技情報を送信する。
また、さらに主制御基板400には、回胴設定基板430が接続されている。回胴設定基板430は、ホール関係者が所持する設定鍵を挿入するための設定キースイッチ、上記設定鍵が挿入されることを条件に遊技の出王率に変化をもたらす「設定」を変更したり遊技動作に異常状態が発生した場合にこれを解除したりするためのリセットスイッチ等が設けられている。回胴設定基板430は、上記各スイッチの操作を検出して、その信号を出力する。
主制御基板400には、演出I/F基板340を介して接続された演出制御基板420と液晶制御基板460とが接続されている。演出制御基板420は、主制御基板400からの制御コマンドを受けて、スピーカ16やLED基板380を制御する制御基板である。また、演出制御基板420は、主制御基板400から送信される制御コマンドを受けて、これに関連付けられた液晶制御コマンドを液晶制御基板460に送信する。
液晶制御基板460は、上記液晶制御コマンドを受けて、液晶表示装置6を駆動制御し、演出内容に沿った画像を表示して画像による演出を実現している。なお、この液晶制御基板460は、図示しない液晶制御CPU、液晶制御RAM、液晶制御ROM、画像ROM、ビデオRAM、画像IC等を備えている。
液晶制御CPUは、液晶制御コマンドに基づいて、液晶制御ROMに記憶された画像制御プログラムにより液晶表示装置6に表示する演出内容を決定する。液晶制御RAMは、液晶制御CPUによる画像制御プログラムの実行の際、データ(プログラムで使用されるフラグや変数の値)を一時的に記憶する作業領域として利用される。
画像ICは、液晶制御CPUで決定された演出に沿った画像データを画像ROMから読み出し画像を形成し、液晶表示装置6に出力する。ビデオRAMは、画像ICが画像を形成する際に発生するデータを一時的に記憶する作業領域として利用される。
なお、本実施形態では、演出制御基板420と液晶制御基板460とを別個の基板で遊技機に設けているが、これらの基板が担う機能を備えた演出部として一体的に構成し、1つの基板に搭載してもよい。
(2−2.主制御基板)
次に、図5を参照して、主制御基板400の回路構成について説明する。主制御基板400は、回胴式遊技機の遊技動作全般の制御を司る制御基板である。
主制御基板400は、1チップマイクロコンピュータ401を中心に、主制御基板400に接続された各基板との間の信号を入出力するI/Oポート回路402、カウンタ回路403、主制御基板400に接続された外部周辺基板との信号のやり取りを仲介するI/F(インターフェース)回路404〜406、モータ駆動回路407、及びスイッチ入力回路408を備えている。
回胴式遊技機における遊技の動作制御は、1チップマイクロコンピュータ401を中心として、各上記回路が連携し合って行われている、1チップマイクロコンピュータ401は、遊技の動作を制御する制御信号(制御コマンドを含む)を周辺基板に送信して遊技動作全般を制御している。
また、1チップマイクロコンピュータ401は、メインROM401a、メインRAM401b、及びメインCPU401cを備えている。さらに、一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能を有するCTC(Counter Timer Circuit)401d、メインCPU401cに割込み信号を付与する割り込みコントローラ回路401eを備えている。
メインROM401aには、遊技動作制御プログラム(回胴式遊技機自体をどのように動作させるかが記憶されているプログラム)の他、回胴の停止制御の際に用いられる複数種類の停止制御用の停止制御テーブル(図示省略)、抽選により当選役を決定する際に用いられる抽選値テーブル(図7A参照)、入賞役に応じた払出枚数が定義された払出枚数データテーブル(図6B参照)が記憶されている。
メインRAM401bは、メインCPU401cが上記遊技動作制御プログラムを実行する際、データ(プログラムで使用されるフラグや変数の値)を一時的に記噫する作業領域として利用される。
メインCPU401cは、CTC401dを利用して計時機能等を発揮し、メインROM401aに記憶された上記遊技動作制御プログラムを実行して遊技の進行に係る全般的な処理を行う。
カウンタ回路403は、図示していないが、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成する乱数生成回路と当該乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを備えている。
メインCPU401cは、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を内部抽選用乱数値として取得する。メインCPU401cは、内部抽選により当選した役に対応する当選役データを設定するので、本発明の「当選役データ設定手段」に相当する。
また、メインCPU401cは、各遊技にて成立した入賞役に対応する停止結果データの設定や、上述の当選役データと停止結果データを照合する誤入賞判定(入賞判定)を行うので、本発明の「停止結果データ設定手段」、「誤入賞判定手段」、「入賞判定手段」に相当する。
I/F回路として、演出制御基板420とのI/F回路404、遊技中継基板370とのI/F回路405、およびその他の基板とのI/F回路406が配置されている。I/F回路405のスイッチ入力回路408には、遊技機本体に配置された各種スイッチやセンサからの信号が入力される。
また、モータ駆動回路407は、1チップマイクロコンピュータ401の制御の下、回胴駆動モータ211a、211b、211cを駆動制御する制御信号を出力する。
各回胴5a、5b、5cの回転制御および停止制御は、1チップマイクロコンピュータ401とモータ駆動回路407とによって行われており、これらは停止制御手段を構成している。
次に、上記停止制御装置による回胴5a、5b、5cの回転制御について説明する。モータ駆動回路407は、1チップマイクロコンピュータ401の制御の下、回胴駆動モータ211a、211b、211cに駆動パルス信号を出力する。
モータ駆動回路407は、回胴5a、5b、5cを1回転させるために必要な上記駆動パルス信号として、1−2相励磁方式で1回転させるために出力相パターンを504回(1図柄のステップ数を24カウントとし、図柄を1コマ進める位置が21箇所あるため)出力し、回胴5a、5b、5cの回転を制御している。
また、1チップマイクロコンピュータ401には、各回胴位置検出センサ212a、212b、212cからの検出信号が入力される。各回胴位置検出センサ212a、212b、212cからの検出信号は、各回胴5a、5b、5cの基準位置を示すリセット信号として1チップマイクロコンピュータ401に入力される。
1チップマイクロコンピュータ401は、上記リセット信号が入力されたときに各回胴駆動モータ211a、211b、211cに供給する上記出力相パターンの出力回数を計数している回胴励磁出力カウンタをクリアし、回胴励磁出力カウンタを順次更新しながら、モータ駆動回路407を制御して各回胴5a、5b、5cの回転動作を実現している。
1チップマイクロコンピュータ401は、回胴ごとの回胴励磁出力カウンタのカウント値を監視することで上記基準位置からの図柄ステップ数を把握し、基準位置(本実施形態では、枠内下段位置)にどの図柄が移動してきているのかを識別する。
次に、回胴5a、5b、5cの停止制御について説明する。1チップマイクロコンピュータ401は、上記抽選手段による抽選結果と抽選結果に対応する停止制御パターンを定めた停止制御テーブル(図示省略)とを参照し、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cが操作されるごとに有効入賞ライン3a上に停止させる図柄の種類を決定する。
そして、決定した図柄を所定の引き込みコマ数範囲内で有効入賞ライン3a上に停止させるように回胴駆動モータ211a、211b、211cへの出力相パターン信号を制御して、目的とする位置に回胴5a、5b、5cの停止動作を実現している。
具体的には、各回胴回転停止ボタン12a、12b、12cが操作されたタイミングで、このときに基準位置に存在する図柄情報(停止操作図柄番号)を取得し、この停止操作図柄番号と上記抽選結果に対応する停止制御テーブルとに基づいて、図柄の引き込みコマ数を決定し、回胴を停止させる。
当選役を構成可能な図柄と上記停止操作図柄番号との差が所定の引き込みコマ数(本実施形態では、最大引きコマ数は4コマ)範囲内であれば、上記当選役を構成可能な図柄を所定の有効入賞ライン3a上に引き込む形態で、回胴の停止制御が行われることになる。
なお、有効入賞ライン3a上に停止した図柄は、上記基準位置にどの図柄が停止したかで自然と定まるので、各回胴5a、5b、5cの有効入賞ライン3a上にどの図柄が停止したかは、回胴の停止毎に把握することができるようになっている。
このように、本実施形態では、遊技者による回胴の停止操作のタイミングに従い、当選役を有効入賞ライン3a上で極力一致させるべく、最大引き込みコマ数範囲内で各回胴5a、5b、5cの停止制御が行われる。なお、有効入賞ライン3a上に当選役が揃った場合、その当選役に入賞することになるので、その入賞した役を入賞役という。
(2−3.演出制御基板)
次に、副制御部410の演出制御基板420について説明する。演出制御基板420は、スピーカ16、LED基板380を制御する制御基板であり、演出制御部に相当する。
演出制御基板420は、1チップマイクロコンピュータ421を中心に、演出制御基板420に接続された演出I/F基板340との間の信号を入出力するI/Oポート回路422、カウンタ回路403と同様の機能を有するカウンタ回路423を備えている。
1チップマイクロコンピュータ421は、サブROM421a、サブRAM421b、およびサブCPU421cを備え、その他、周期的な割込みや一定周期のパルス出力を作成する機能や時間計測の機能を有するCTC421d、およびサブCPU421cに割込み信号を付与する割り込みコントローラ回路421eを備えている。
上記1チップマイクロコンピュータ421は、主制御基板400からの上記制御コマンドに基づいて、上記演出パターンテーブルから目的とする演出パターンを選択して、選択した演出パターンを現出するに必要なLED制御用の発光コマンド、スピーカ16制御用の音声コマンド、液晶コマンドなどを出力する。
サブROM421aには、演出制御プログラム(液晶表示装置6等の演出装置をどのように動作させるかが記述されているプログラム)の他、遊技に伴う演出内容を定めた演出パターンテーブル(図示省略)が記憶されている。
また、サブRAM421bは、サブCPU421cが上記演出制御プログラムを実行する際、一時的にデータを記憶する作業領域として利用される。
サブCPU421cは、メインCPU401cと同様に、CTC421dを利用して計時機能やタイマ割込み機能を発揮し、サブROM421aに記憶された上記演出制御プログラムを実行して、これら演出装置を制御したり、液晶制御基板460に対して液晶コマンドを送信したりする。
カウンタ回路423は、図示していないが、カウンタ回路403と同様に乱数生成回路とサンプリング回路とを備えている。サブCPU421cは、演出処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を演出用乱数値として取得する。この演出用乱数値は、主として演出パターンテーブルから目的とする演出パターンを決定するために利用される。
<3.各種テーブル>
(3−1.入賞役と払出枚数の対応表:図6A)
図6Aは、本実施形態の回胴式遊技機の入賞役と払出枚数の対応表である。対応表の1列目は入賞役であるが、入賞役は、「RB(レギュラーボーナス)」から「チェリーB」までの24種類がある。
対応表の次列は払出枚数であるが、3BET、2BETとは、遊技におけるメダルの賭け数がそれぞれ3枚、2枚であることを示している。本実施形態の回胴式遊技機では、通常遊技状態は3BETによる遊技、ボーナス遊技状態は2BETによる遊技が行われ、「チェリー役」のように払出枚数が遊技状態によって異なる入賞役もある。
役構成、すなわち図柄の組合せは、例えば、「RB」では、回胴5aに対応する左列が「青7」、回胴5bに対応する中列が「青7」、回胴5cに対応する右列が「バー」であることを示している。以下では、役構成を「青7・青7・バー」のように表記する。
[ボーナス役]
ボーナス役は、「RB(レギュラーボーナス)」と「BB(ビッグボーナス)」の2種類がある。まず、「RB」は、役構成が「青7・青7・バー」である。RBとは、BBと比較して利益の小さなボーナスであり、所定枚数メダルを獲得可能な特別遊技への移行契機となる役である。3BETのとき「RB」に入賞するが、遊技者が獲得できる遊技メダルの払い出しはない。
一方、「BB」は、役の構成が「青7・青7・青7」である。BBはRBと比較して利益の大きなボーナスであり、RBよりも多い所定枚数のメダルを獲得可能な特別遊技への移行契機となる役である。3BETのとき「BB」に入賞するが、遊技者が獲得できる遊技メダルの払い出しはない。
上記ボーナス役は、その当選フラグを次回遊技に持ち越すことが許容されている。すなわち、遊技者はボーナス役が当選した遊技にてボーナス図柄の組合せを有効入賞ライン上に停止させることができなかった場合にも、フラグが消滅せず次回以降の遊技でボーナス図柄の組合せを停止させることが可能である。
また、ボーナスのフラグが持ち越されている状態においても各遊技で内部抽選が行われ、ボーナス役以外の小役が当選する場合がある。このような場合、当選フラグが次回以降の遊技に持ち越されることのない小役を優先して入賞させるように、回胴5の停止制御が行われる。
[再遊技(リプレイ)役]
図6Aに示すように、再遊技役は全部で10種類ある。これは、入賞が確定した場合に、今回の遊技で投入した遊技メダルの枚数と同一の枚数を擬似的に付与して次回の遊技を開始可能とする再遊技を遊技者に付与する入賞役である。すなわち、遊技者が遊技メダルを投入(クレジットからの擬似的な投入を含む)することなく、所定の遊技開始条件を付与し、次回の遊技を開始可能とする。遊技者が遊技メダルを減らすことなく次回の遊技が可能になるという点では、上記再遊技役は、遊技メダルと同様に遊技価値を有するものといえる。
役構成としては、「リプレイA・リプレイA・リプレイA」のように同一再遊技図柄の組合せがあるが、この他にも「青7・赤7・青7」や「青7・赤7・バー」のように図柄が全て揃っていない組合せもある。なお、遊技状態がRT(リプレイタイム)状態に移行した場合には、再遊技役が当選しやすい状態となり、メダルの消費を抑えながら遊技を進めていくことができる。
[ベル役]
図6Aに示すように、全部で8種類のベル役があり、2BETのとき、3BETのとき何れも払出枚数が9枚である。役構成としては、「ベルA・ベルA・ベルA」のような同一ベル図柄の組合せの他、「ベルA・ベルA・ベルB」のように図柄が全て揃っていないベル役もある。
各回胴5a、5b、5cには、それぞれ「ベルA」、「ベルB」の2種類の図柄が配置されているので(図2参照)、組合せとして可能な計8種類のベル役が定義されている。遊技者が回胴回転停止ボタン12を操作する手順等によって、遊技において当選したベル役に入賞したり、しなかったりする。
[チェリー役]
図6Aに示すように、チェリー役は「チェリーA」と「チェリーB」の2種類があり、何れも3BETのとき払出枚数が1枚、2BETのとき払出枚数が4枚である。チェリーAの役構成は、「ANY・チェリー・ANY」であるが、「ANY」とは、図柄の種類は問わないという意味であり、チェリーAの有効入賞ライン3a上の図柄の組合せは、中列がチェリー図柄であれば左右列は何れの図柄であっても払出枚数のメダルを獲得可能である。
また、チェリーBの役構成は、「ANY・バー・ANY」であり、同様に有効入賞ライン3a上の図柄の組合せは、中列がバー図柄であれば左右列は何れの図柄であっても払出枚数のメダルを獲得可能である。なお、チェリー役についは、「BB」、「RB」と同時成立(重複当選)する役となっている(図7A参照)。
[スイカ役]
図6Aに示すように、スイカ役は1種類あり、3BETのとき払出枚数が9枚、2BETのとき払出枚数が12枚である。役構成としては、「スイカ・スイカ・スイカ」である。いわゆる小役としては、最も払出枚数の多い役である。なお、スイカ役についても、「BB」、「RB」と同時成立する役となっている。
[1枚役]
図6Aに示すように、1枚役は1種類あり、2BETのとき、3BETのとき何れも払出枚数が1枚である。役構成としては、「青7・バー・ベルA」である。1枚役についても、「BB」、「RB」と同時成立する役となっている。
(3−2.払出枚数データテーブル:図6B)
図6Bは、払出枚数データテーブルを示す図である。払出枚数データテーブルの左列は入賞役、中列は払出枚数、右列はオフセット値を示している。3BETの場合の入賞役に対応する払出枚数を示しており、例えば、入賞役「ベル1」〜「ベル8」では、払出枚数が「9枚」であり、オフセット値が「1」である。
上述の通り、「ベル役」は全部で8種類あるが、払出枚数は何れも9枚であるため、払出枚数データテーブルでは、1つの払出数データとしてまとめて記憶している。したがって、入賞役毎に個別に払出数データを記憶する場合と比較して、データ量を抑えることができる。
オフセット値の詳細は後述するが、各回胴5a、5b、5cが停止したときに作成される停止結果データから入賞役の種類を判定する際に用いられる数値である(図17参照)。
図6Bの「チェリーA」、「1枚役」、「スイカ」、「チェリーB」は、それぞれ別個のデータとして、払出枚数データテーブルに記憶され、オフセット値も異なっている。
ここで、「チェリーA」と「スイカ」は、払出枚数が異なるので、まとめて記憶することはできないが、「チェリーA」と「チェリーB」は、共にチェリー役であり、払出枚数も同じであるので、「チェリーA、B」として、まとめて記憶することもできる。
(3−3.役抽選テーブル:図7A、B)
図7Aは、役抽選テーブルを示す図である。本実施形態の回胴式遊技機では、遊技状態により役抽選テーブルが異なり、抽選対象の役も異なっている。
例えば、遊技状態「RT1」では、合計39種類の役(当選役)が抽選の対象である。同様に、「RT2」では35種類、「BB作動中」では3種類、「RB作動中」では14種類の役が抽選の対象である。何れの役にも当選しない場合は、ハズレであるが図7Aでは省略している。なお、実際の役抽選テーブルには、抽選のための判定値が記憶されている。
図7Aでは、「RT1」の列の1段目が「BB」となっているが、遊技状態が「RT1」のとき、「BB」が抽選対象であることを示している。また、「BB&チェリー」とは、「BB」と「チェリー」が同時成立することを意味し、同様に、「RB&チェリー」とは、「RB」と「チェリー」が同時成立することを意味する。
このような役があることで、遊技者は「チェリー」に入賞した場合に、同時に「BB」または「RB」の何れかのボーナス役にも当選しているのではないかと期待感を抱くことになる。
「複合ベル」とはベル役であるが、「ベル1」〜「ベル8」が成立する役であり、「複合ベル」が内部当選した遊技では、遊技者の操作により、「ベル1」〜「ベル8」の何れかが停止する。なお、図7Bに、主に、複数の役が停止可能な当選役の一覧を示す。
例えば、「RP3」は、再遊技(リプレイ)役であるが、「リプレイ3」、「リプレイ5」、「リプレイ7」が成立する役である。「RP3」が内部当選した遊技では、遊技者の操作により、上記3種類の再遊技役うち何れかが停止する。
「AT1」はアシスト役の1つであり、その内容は図7Bに示す通りである。すなわち、「スイカ」、「ベル1」、「ベル6」が成立する役であり、3種類のうち何れかの役が停止する。上記3種類の役のうち、何れの役が有効入賞ライン3a上に停止するかは、遊技者の回胴回転停止ボタン12の停止順や停止操作タイミングにより決まる。なお、停止順や停止操作タイミングによっては、何れの役も停止しない場合もある。
遊技状態が「RT2」のとき、再遊技役が「RP11」〜「RP16」となっている点が遊技状態「RT1」と異なるが、その他の点は、遊技状態「RT1」と同じである。
遊技状態が「BB作動中」のときには、「ボーナス中チェリー1」、「ボーナス中チェリー2」、「全小役」の3種類が抽選の対象である。図7Bで示す通り、「ボーナス中チェリー1」の内容は、「チェリーB」である。
また、「ボーナス中チェリー2」の内容は、「チェリーB」及び「1枚役」であるから、遊技者の操作により、何れかが停止する。また、「全小役」とは、ベル役、スイカ役等の全ての小役のことを示す。
遊技状態が「RB作動中」のときには、「ボーナス中チェリー1」、「ボーナス中チェリー2」の他、12種類のアシスト役が抽選の対象である。「ボーナス中チェリー1」、「ボーナス中チェリー2」については、上述した内容と同じである。また、「RB中AT1」とは、RB中に当選する「AT1」であり、「AT1」については上述の通りである。
(3−4.当選役データ:図8)
図8は、当選役データを示す図である。当選役データとは、内部抽選の結果に応じて設定されるデータであり、主制御基板400のメインRAM401bに割り当てられた所定の記憶領域に格納される。当選役の図柄組合せ(当選役の内訳となる役)は、各ビットに対応して記憶されており、データ量は全体で約4バイトである。なお、このデータ量は、当選役や図柄組合せの種類、数に応じて適宜設定される。
ここで、内部抽選の結果に応じて設定されるとは、該当するビットを「0」から「1」に変更することであり、例えば、内部抽選により「BB(ビッグボーナス)」が当選した場合には、Data1のビット1が「1」となる。
詳細は後述するが、当選役データは、誤入賞判定処理(図18参照)に用いられるデータでもある。誤入賞判定処理では、各遊技の回胴5a、5b、5cの停止後に設定される停止結果データ(当り図柄フラグ)と当選役データ(当選フラグ)とをビット演算することで一致、不一致を判定する。不一致の場合は、内部抽選に当選していない役が、何らかの不正や誤動作により成立したことを意味する。
図8の「当選役の図柄組合せ」は、今回の遊技で当選した役の他、持越しフラグに対応して決定される役、すなわちボーナス役のように前回の遊技において当選した役が含まれる。例えば、「BB(ビッグボーナス)」は、内部抽選により「BB」が当選した遊技で設定される他、「BB」フラグが持ち越されている遊技においても、他の小役が当選していない場合に設定される。
内部抽選により、例えば、「AT1」が当選した場合には、当選役の内訳は「スイカ」、「ベル1」、「ベル6」である(図7B参照)。このように複数の役が同時に成立する場合には、複数のビット、具体的には、Data3のビット0及びビット3が設定される。なお、「ベル1」〜「ベル8」は、アシスト役(本発明の「特定の当選役」)が当選した場合に、同時に複数成立するので、本発明の「特定の図柄組合せ」に相当する。
「ベル1」〜「ベル8」は、通常、ベル役の種別ごとに1ビットの記憶領域を使用するが、本実施形態の回胴式遊技機では、これらを群(グループ)として、共通の1ビットのデータ(フラグ)で定義する。ベル役の種別(「ベル1」〜「ベル8」の何れであるか)を判定するための手段は必要となるが、入賞役の種別が多くなっても、記憶するデータ数を抑えることができる。特定の図柄組合せ群について同一に定めたフラグ(図8、Data3のビット0)を含む当選役データは、本発明の「第1当選役データ」に相当する。
「AT1」が当選した場合、誤入賞判定ではベル役の種別を判定する必要があるので、「ベル1」、「ベル6」を示す数値をData4に記憶する。例えば、回胴5に配列された図柄であるベルAを「0」、ベルBを「1」と定義すると、「ベル1」の図柄の組合せは、「ベルA・ベルA・ベルA」であるので(図6A参照)、Data4のビット0〜2に「0」、「0」、「0」を設定する。
一方、「ベル6」の図柄の組合せは、「ベルB・ベルA・ベルB」であるので、Data4のビット4〜6に「1」、「0」、「1」を設定する。後述する停止結果データ(図10参照)にも、停止したベル役の種別を記憶するための領域が設けられているので、誤入賞判定処理では、上記当選役データ(8ビット)と停止結果データ(8ビット)とを照合して、両者の一致、不一致が判定できる。
なお、特定の図柄組合せについて識別可能に定めたフラグ(図8、Data4のビット0〜2、4〜6)を含む当選役データは、本発明の「第2当選役データ」に相当する。
また、全種別のベル役が含まれる「複合ベル」が当選した場合には、当選役データのData3のビット0及びData4のビット7が設定される。なお、本実施形態の回胴式遊技機では、「複合ベル」を除き、3以上の種別のベル役が同時に当選する場合はないので(図7A参照)、ベル役の種別を記憶するための領域は、6ビットあれば足りる。
(3−5.停止制御用データ設定テーブル:図9A、B)
図9A、Bは、メインROM401aに格納された停止制御用データ設定テーブルを示す図である。停止制御用データは、複数種類ある停止制御テーブル(図示省略)を選択するときに参照されるデータであり、当選役に応じて設定される。
停止制御用データのデータ数は、0〜73までの合計74種類であるため、全体でも1バイトで十分な容量である。1つの役に対し、1つの停止制御用データを割り当てるとデータ量は膨大になってしまうが、「RP3」のように、複数の再遊技役(「リプレイ3」、「リプレイ5」、「リプレイ7」)が停止可能な当選役に対し、1つの停止制御用データを定義しているので、記憶容量を抑えられる。
図9A、Bでは、各遊技状態での抽選対象を「○」印で示している。例えば、「チェリー」(停止制御用データ17)は、通常遊技状態(ボーナス非当選)で抽選されるが、「AT1」(停止制御用データ18)等のアシスト役は通常遊技中(ボーナス非当選)、及びボーナス遊技状態(RB作動中)にて抽選される。
「ハズレ」は、通常遊技状態では「停止制御用データ0」が設定されるが(図9A参照)、BB作動中の「ハズレ」は、「停止制御用データ72」が設定される(図9B参照)。
また、通常遊技状態の「チェリー」の場合、ボーナス非当選では「停止制御用データ17」、BB当選では「停止制御用データ37」、RB当選では「55」が設定され、ボーナス遊技状態では「停止制御用データ34、35」がそれぞれ設定される。
このように、同種類の当選役であっても遊技状態に対応して異なる停止制御用データが割り当てられているものがあり、リール演出(回胴動作演出)の抽選をする際、遊技状態の判別をすることなく停止制御用データを判断するだけで、遊技状態毎のリール演出抽選を行うことができる。
(3−6.停止結果データ:図10)
図10は、停止結果データを示す図である。停止結果データとは、遊技者が回胴5の停止操作を完了したとき、停止結果に応じて設定されるデータであり、主制御基板400のメインRAM401bに割り当てられた所定の記憶領域に格納される。各ビットは、入賞役に対応しており、データ量は、全体で約4バイトである。
ここで、停止結果に応じて設定されるとは、該当するビットを「0」から「1」に変更することであり、例えば、「チェリーA」に入賞した場合には、Data3のビット1が「1」となる。
停止結果データは、当選役データと照合することにより、誤入賞の判定が可能である。Data2に「RT作動図柄1」〜「RT作動図柄4」が記憶されている点、当選役データとは異なる。なお、RT作動図柄は、RT(リプレイタイム)状態に移行する際に停止する図柄であるため、誤入賞の判定には関係がない。
ベル役は全部で8種別あるので、通常は、その種別毎に1ビットの記憶領域を使用する。しかし、ここでも「ベル1」〜「ベル8」を群(グループ)として、共通の1ビットのデータ(フラグ)として定義する。「ベル1」〜「ベル8」は、本発明の「特定の入賞役」に相当する。また、特定の入賞役の何れかに入賞した場合に、特定の入賞役群について同一に定めたフラグ(図10、Data3のビット0)を含む停止結果データは、本発明の「第1停止結果データ」に相当する。
Data4は、当選役「AT1」のように2種別のベル役(「ベル1」と「ベル6」)が同時成立した場合に、その種別を記憶するために用いられる領域である。特定の入賞役群の中のどの入賞役に入賞したかを示すフラグ(図10、Data4のビット0〜2)を含む停止結果データは、本発明の「第2停止結果データ」に相当する。
なお、本実施形態の回胴式遊技機では、4本の有効入賞ライン3a(図3参照)上に、複数種別のベル役が同時に停止する図柄配列とはなっていないため(図2参照)、ベル役の種別を判定する際に用いられる記憶領域は3ビットあれば足りる。
(3−7.リール演出抽選テーブル:図11)
図11は、リール演出(回胴動作演出)抽選テーブルを示す図である。図11の左列は、停止制御用データ設定テーブル(図9A、B参照)からリール演出の対象となる複数のデータを抽出したものであるが、以下、これらについて説明する。
「リール演出」とは、通常の回胴の変動方向、変動速度とは異なる態様で回胴5a、5b、5cを動作させ、ボーナス役、各種小役の当選を報知する演出をいう。この演出が実行されることにより遊技者は、回胴の変動態様に大きな違和感を覚え、同時にボーナス役や比較的当選確率の低い小役に内部当選したのではないかという期待感を抱くことになる。
第1のリール演出として、「フリーズ演出」がある。この演出では、遊技者が遊技を開始しようとして回胴回転始動レバー11を操作するものの、一定期間は回胴5a、5b、5cの変動表示が開始しない。すなわち、遊技が固定され、遊技者に対して操作が無効となったという印象を与える演出である。本実施形態では、5秒間のフリーズ演出や、フリーズ演出を後述する逆回転演出と組合せて1つの演出とし、特定の役の当選を報知する。
第2のリール演出として、「逆回転演出」がある。通常、回胴5a、5b、5cは、上方から下方に向かって変動するが、逆回転演出では逆方向である下方から上方へ向かって変動する。本実施形態の回胴式遊技機では、逆回転演出を30秒間行い、前述のフリーズ演出と組合せて1つの演出とし、特定の役の当選を報知する。
第3のリール演出として、「遅れ変動演出」がある。通常、遊技者が回胴回転始動レバー11を操作したとき、全ての回胴5a、5b、5cは、ほぼ同時に変動を開始する。しかし、遅れ変動演出では、1つの回胴のみが他の回胴の変動開始に遅れて、変動を開始する。本実施形態では、左回胴5aまたは右回胴5cを他の回胴の変動開始より遅らせる演出とし、特定の役の当選を報知する。
図11は、内部抽選にて「BB」(停止制御用データ36)が当選したとき、「フリーズ5秒」、「フリーズ5秒+逆回転30秒」、「左遅れ」、「右遅れ」の何れかのリール演出が選択されることを示している。
停止制御用データを判定し、リール演出が発生する可能性がある場合は、主制御基板側の1チップマイクロコンピュータ401(メインCPU401c)にてリール演出抽選が実行されるが(図14参照)、その際の乱数値は0〜127までの128個ある。図中の数字は、各リール演出の選択率がそれぞれ62/128、26/128、20/128、20/128であることを示している。
内部抽選にて「BB」(停止制御用データ36)が当選したとき、停止制御用データ36を利用してリール演出抽選を行っている。停止制御用データに基づき、何れのリール演出を実行するか抽選するのであり、リール演出用抽選用の乱数を各遊技にて取得しているわけではない。データ量の小さい停止制御用データを利用してリール演出抽選を行うことで、当選役データ(約4バイト)を利用してリール演出抽選を行うよりも動作制御の負担が軽減されるという利点がある。
「BB」(停止制御用データ36)の説明に戻るが、リール演出が発生する状態としては、通常遊技状態のBB当選遊技のみとなっている。換言すれば、BBフラグが持ち越された状態の遊技では、リール演出を発生させないことを意味する。
BBフラグが持ち越された状態でも各遊技で内部抽選が行われ、再遊技役、ベル役等の小役が当選する場合がある。このような場合、当選フラグを次回以降の遊技に持ち越すことができない小役を優先して回胴5の停止制御が行われる。すなわち、各遊技の当選役に応じた演出を優先するため、BBフラグが持ち越されている状態の遊技でリール演出を発生することがないようにした。
また、リール演出は回胴5a、5b、5cが通常とは異なる態様で変動するため、遊技者は変動態様に大きな違和感を覚えることになり、ほぼ見逃すことがない演出でもある。したがって、出現頻度を低く設定し、ボーナス当選の可能性が高い特別演出として使用できる。
BBフラグが持ち越されている状態の遊技でもリール演出を発生させることとすると、「BB」に入賞するまでの遊技で何度かリール演出が発生することも考えられる。そこで、リール演出の特別演出としての価値が損なわれないようにBB当選遊技のみで発生するようにしている。
内部抽選にて「チェリー」(停止制御用データ17)が当選したときには、「左遅れ」、「右遅れ」の何れかのリール演出が選択される。選択率はそれぞれ16/128、16/128であり、92/128は、何れのリール演出も発生しない。また、この場合、リール演出が発生する状態は、通常遊技状態である。
内部抽選にて「BB中ハズレ」(停止制御用データ72)が当選したときには、128/128(100%)の選択率で「フリーズ5秒」のリール演出が選択される。この場合、リール演出が発生する状態は、BB作動中である。換言すれば、リール演出はボーナスフラグが持ち越された状態を除き遊技状態に関わらず発生する可能性がある。なお、BB作動中では、ほぼ毎遊技で何らかの小役が当選する。BB作動中でハズレとなるのは稀なケースであるため、リール演出を発生させて報知することとしている。
<4.制御処理>
(4−1.主制御基板でのメイン処理:図12)
次に、本実施形態の主制御基板400が実行する主制御側のメイン処理の内容について説明する。図12は、遊技動作制御プログラムに従い、主制御基板400が行う主制御側のメイン処理を示すフローチャートである。主制御基板400は、電源投入処理が正常に終了した場合に、以下に説明するステップS11〜ステップS28の処理を行う。
まず、主制御基板400は、RAM初期化処理を行う(ステップS11)。これは、所定のワーク領域をクリアし、次回の遊技を開始させるために必要なワーク領域を確保するための処理である。その後、ステップS12に進む。
ステップS12では、主制御基板400は、遊技状態フラグ生成処理を行う。これは、遊技状態の移行を管理制御するための処理である。すなわち、遊技状態に応じたフラグとして、遊技状態ステータス、作動中フラグ、ボーナス間フラグ、一般遊技フラグ、MB作動中フラグなどを設定する。その後、ステップS13に進む。
ステップS13では、主制御基板400は、遊技メダル投入処理を行う。ここでは、メダル投入口7(クレジットからの擬似的な投入も含む)から遊技機本体に投入された遊技メダルの検出、投入された遊技メダルの枚数を計数、クレジットされた遊技メダルの精算に関する処理が行われる。その後、ステップS14に進む。
次に、主制御基板400は、回胴回転始動レバー11がONされたか否かを判定する(ステップS14)。これは、遊技者により回胴回転始動レバー11が操作されたか否かの判定であり、具体的には、主制御基板400が回胴回転始動スイッチ11aからの回胴回転開始信号を受信したか否かを監視する。
回胴回転始動レバー11がONされた場合には、「YES」の判定となり、ステップS15に進む。一方、回胴回転始動レバー11がONされていない場合には、「NO」の判定となり、ステップS13に戻る。すなわち、回胴回転開始信号を受信しない限り、ステップS15の処理には移行しない。
ステップS15では、主制御基板400は、内部抽選用乱数取得処理を行う。主制御基板400は、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号を受けると、カウンタ回路403のカウンタ値に基づき、内部抽選用乱数値を取得する。その後、ステップS16に進む。
ステップS16では、主制御基板400は、ステップS15で抽出した内部抽選用乱数値に基づき、当選役に関する内部抽選処理を行う。これは、上記内部抽選用乱数値と役抽選テーブル(図7A参照)とに基づき、当選役を決定し、その抽選結果情報(どの役に当選したのかを示す情報をいい、例えば内部当選フラグが該当する)を生成する処理である。以下、内部抽選処理の詳細について説明する。
(4−2.内部抽選処理:図13)
図13は、図12中の内部抽選処理(ステップS16)の内容を示すフローチャートである。まず、主制御基板400は、図12のステップS12で設定した遊技状態フラグを取得し、現在の遊技状態を確認する(ステップS161)。その後、ステップS162に進む。
ステップS162では、主制御基板400は、遊技状態に応じて役抽選テーブルを選択する。例えば、現在の遊技状態が通常遊技状態(RT1)である場合には、図7Aの「RT1」の列を選択する。その後、ステップS163に進む。
ステップS163では、主制御基板400は、内部抽選により取得した乱数値と選択された役抽選テーブルに記憶されている判定値を比較し、役の抽選を行う。その後、ステップS164に進む。
ステップS164では、主制御基板400は、抽選結果に基づき当選役データ(図8)と停止制御用データ(図9A、B)を設定する。例えば、内部抽選の結果「BB」が当選した場合には、図8の当選役データのData1ビット1の「BB」を設定する。同時に、図9Bの停止制御用データ設定テーブルから「停止制御用データ36」を設定する。その後、ステップS165に進む。
最後に、主制御基板400は、遊技開始コマンドを設定する(ステップS165)。遊技開始コマンドには、当選役に関する情報や、現在の遊技状態に関する情報が含まれ、様々な演出を制御するためコマンドである。以上の処理を行った後、内部抽選処理を終了する。
なお、この内部抽選処理では、抽選結果情報がメインRAM401bの所定の領域に格納される。この抽選結果情報は遊技毎にクリアされるが、ボーナス役の当選情報に限り、これらの入賞が確定するまで、その情報は次回以降の遊技に持ち越されるようになっている。
図12の説明に戻り、ステップS16の内部抽選処理が終了すると、主制御基板400は、リール演出抽選処理(ステップS17)を行う。以下、リール演出抽選処理の詳細について説明する。
(4−3.リール演出抽選処理:図14)
図14は、図12中のリール演出抽選処理(ステップS17)の内容を示すフローチャートである。まず、主制御基板400は、前回遊技のボーナス持越しフラグを取得する(ステップS171)。例えば、前回の遊技で「BB」が当選し、そのフラグが今回の遊技に持越されていた場合は、ボーナス持越しフラグが成立している状態となる。その後、ステップS172に進む。
ステップS172では、主制御基板400は、ボーナス持越し中であるか否かを判定する。ボーナス持越しフラグが成立していた場合には、「YES」の判定となり、ステップS174に進む。これは、ボーナスの持越し中には、リール演出(回胴動作演出)を行わないようにするためである。一方、ボーナス持越しフラグが成立していない場合には、「NO」の判定となり、ステップS173に進む。
ステップS172の判定が「NO」であった場合、主制御基板400は、停止制御用データに基づき演出を行うか否か抽選し、当選のとき演出当選フラグをセットする(ステップS173)。
この抽選の乱数値は、128個あるが、例えば、「BB」の場合、62/128で「フリーズ5秒」、26/128で「フリーズ5秒+逆回転30秒」、20/128で「左遅れ」、20/128で「右遅れ」のように選択される(図11参照)。
特に、「フリーズ演出」と「遅れ変動演出」が当選した場合、主制御基板400は、演出当選フラグをセットする。なお、本実施形態のリール演出の一つである「フリーズ5秒+逆回転30秒」は、フリーズを含むため、「フリーズ演出」の扱いとなる。その後、ステップS174に進む。
ステップS174では、主制御基板400は、演出種別コマンドをセットする。具体的には、各リール演出についての演出種別コマンドは、「00」(リール演出なし)、「01」(フリーズ5秒)、「02」(フリーズ5秒+逆回転30秒)、「03」(左遅れ)、「04」(右遅れ)であり、主制御基板400は、それぞれ異なる演出種別コマンドをセットする。なお、ボーナス持越し中の場合には、演出種別コマンド「00」がセットされる。その後、ステップS175に進む。
ステップS175では、主制御基板400は、フリーズ演出に当選したか否かを判定する。当選した演出が「フリーズ演出」である場合には、「YES」の判定となり、ステップS176に進む。
一方、当選した演出が「フリーズ演出」でない場合には、「NO」の判定となり、リール演出抽選処理を終了する。なお、当選した演出が「フリーズ演出」でない場合とは、何れのリール演出にも当選していない場合と、「遅れ変動演出」に当選した場合とがある。
ステップS176では、主制御基板400は、フリーズ時間をセットする。本実施形態の「フリーズ演出」は、5秒間であるため(図11参照)、主制御基板400は、この時間をセットする。その後、ステップS177に進む。
最後に、主制御基板400は、指定数割り込み待ち処理を行う(ステップS177)。具体的には、前ステップのフリーズ時間(5秒)を、割込み処理の実行数によりカウントする。以上の処理を行った後、リール演出抽選処理を終了する。
図12の説明に戻り、ステップS17のリール演出抽選処理が終了すると、主制御基板400は、回胴回転開始設定処理(ステップS18)を行う。この回胴回転開始設定処理では、各回胴5a、5b、5cの回転について開始時に必要となるデータが設定される。以下、回胴回転開始設定処理の詳細について説明する。
(4−4.回胴回転開始設定処理:図15)
図15は、図12中の回胴回転開始設定処理(ステップS18)の内容を示すフローチャートである。まず、主制御基板400は、ウェイトタイマを取得する(ステップS181)。ウェイトタイマは、次の遊技を開始するまでの時間を設定するためのタイマである。その後、ステップS182に進む。
ステップS182では、主制御基板400は、ウェイトタイマが0であるか否かを判定する。ウェイトタイマの設定時間(4.1秒)が経過するまでは、遊技者による遊技を開始する操作が無効とされる。
ウェイトタイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS184に進む。一方、ウェイトタイマが0でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS183に進む。
ステップS182の判定が「NO」である場合、主制御基板400は、待ち時間が消費したか否かを判定する(ステップS183)。待ち時間が消費するまでは、「NO」の判定となり、ループする。一方、待ち時間が消費した場合には、「YES」の判定となり、ステップS184に進む。これにより、次の遊技を開始できるまでに4.1秒かかるようになっている。
次に、主制御基板400は、0となったウェイトタイマを再度4.1秒に設定する(ステップS184)。その後、ステップS185に進む。
ステップS185では、主制御基板400は、回転起動処理を行う。具体的には、図14のステップS173の演出当選フラグを取得し、これに応じた回胴5の起動時データ及び遅れ時間の設定を行う。例えば、前述の「左遅れ(変動演出)」の場合、遅れ時間として300msを設定し、中、右、左の順に回胴5が起動するように設定する。また、「逆回転演出」の場合は、所定の逆回転時間が経過した後、正回転起動設定を行う。その後、ステップS186に進む。
最後に、主制御基板400は、回胴回転始動時に必要となるデータ設定を行う(ステップS186)。具体的には、回胴の回転状態を示す回転状態フラグを全回胴回転中にセットし、制御コマンドとして回胴回転始動レバー11が操作されたときに生成される回胴回転開始コマンドをセットする。以上の処理を行った後、回胴回転開始設定処理を終了する。
図12の説明に戻り、ステップS18の回胴回転開始設定処理が終了すると、主制御基板400は、回胴停止処理(ステップS19)を行う。以下、回胴停止処理の詳細について説明する。
(4−5.回胴停止処理:図16)
図16は、図12中の回胴停止処理(ステップS19)の内容を示すフローチャートである。まず、主制御基板400は、回胴回転停止ボタン12の有効な停止操作(第1停止操作)があったか否かを判定する(ステップS191)。
遊技者が回胴回転始動レバー11を操作して各回胴5a、5b、5cが回転を開始し、概ね一定の回転速度になった場合に、各回胴5a、5b、5cに対応する回胴回転停止ボタン12a、12b、12cについての操作が受付可能な状態となる。回胴回転停止ボタン12の操作は、上記受付可能な状態にある場合に有効となり、受付可能な状態にない場合には、遊技者が回胴回転停止ボタン12を操作しても有効な停止操作と扱われない。
有効な停止操作があった場合には、「YES」の判定となり、ステップS192に進む。一方、有効な停止操作がなかった場合には、「NO」の判定となり、有効な停止操作があるまでループする。
ステップS192では、主制御基板400は、停止準備データをセットする。停止準備データとは、具体的には、回胴回転停止ボタン12の押し順を示す停止順番データ、現在停止している回胴数を示す回胴停止数データ、停止操作の対象となる回胴を示す停止対象回胴番号、停止間隔タイマ(引き込み制御下で回胴が完全に停止するのに要する余裕時間を含めた時間(例えば、211ms))であり、これらのデータがセットされる。その後、ステップS193に進む。
ステップS193では、主制御基板400は、図柄停止制御処理を行う。図柄停止制御処理は、具体的には、滑りコマ数を計算して回胴5a、5b、5cの図柄停止制御を行う処理である。その後、ステップS194に進む。
ステップS194では、主制御基板400は、制御コマンドとして停止結果情報コマンドをセットする。なお、停止結果情報コマンドには、図柄停止情報が含まれている。その後、ステップS195に進む。
ステップS195では、主制御基板400は、停止間隔タイマが0となったか否かを判定する。停止間隔タイマとは、第1停止操作の後に、第2停止操作を受付可能とするまでの時間を計測するタイマである。
停止間隔タイマが0となっていない場合には、「NO」の判定となり、当該タイマが0となるまでループする。一方、停止間隔タイマが0となった場合には、「YES」の判定となり、ステップS196に進む。
最後に、主制御基板400は、全ての回胴が停止したか否かを判定する(ステップS196)。第1停止操作、第2停止操作後は、「NO」の判定となり、再度、ステップS191〜S196の処理を繰り返す。第3停止操作後は、全ての回胴が停止したことになるので、「YES」の判定となり、回胴停止処理を終了する。
図12の説明に戻り、ステップS19の回胴停止処理が終了すると、主制御基板400は、払出数設定処理(ステップS20)を行う。以下、払出数設定処理の詳細について説明する。
(4−6.払出数設定処理:図17)
図17は、図12中の払出数設定処理(ステップS20)の内容を示すフローチャートである。まず、主制御基板400は、入賞ラインデータに基づき、当り図柄フラグ(停止結果データ)を作成する(ステップS201)。
具体的には、停止結果から、入賞した役に応じたビット値(ここでは、8ビット)をメインRAM401bの所定の領域に格納する。作成される当り図柄フラグは、Data1〜Data4に対応する4つのフラグである。その後、ステップS202に進む。
ステップS202では、主制御基板400は、払出枚数データテーブルをセットする。具体的には、払出枚数データテーブル(図6B)をメインRAM401bの所定の領域にセットする。その後、ステップS203に進む。
次に、主制御基板400は、停止結果データ3の入賞があったか否かを判定する(ステップS203)。「停止結果データ3」とは、停止結果データ(図10参照)のData3に該当する。
この入賞があった場合には、「YES」の判定となり、ステップS204に進む。一方、この入賞がなかった場合には、「NO」の判定となり、ステップS206に進む。なお、停止結果データ1、2の入賞役(Data1及びData2に含まれる入賞役)は、払い出しが行われない役であるので、ここで判定する必要はない。
また、停止結果データ4(Data4に対応)も、ベル役が同時成立したときに入賞したベル役の種別を判定する処理で用いられるので、ここで判定する必要がない。
ステップS203の判定が「YES」である場合、主制御基板400は、入賞役のビット番号を変換し、オフセット値としてセットする(ステップS204)。例えば、「ベル1」〜「ベル8」に入賞した場合、そのビット番号が0であるため(図10参照)、オフセット値「1」と変換する。
同様に、「チェリーA(ビット番号1)」、「1枚役(ビット番号2)」、「スイカ(ビット番号3)」、「チェリーB(ビット番号4)」の場合、オフセット値は、それぞれ「2」、「3」、「4」、「5」となる。その後、ステップS205に進む。
ステップS205では、主制御基板400は、払出枚数データテーブルを参照し、オフセット値に応じた払出枚数を取得する。例えば、「ベル1」に入賞した場合、オフセット値として「1」がセットされている。このとき、主制御基板400は、払出枚数データテーブル(図6B)を参照して、払出枚数「9枚」の情報を取得する。その後、ステップS206に進む。
ステップS206では、主制御基板400は、誤入賞判定処理を行う。本実施形態の回胴式遊技機では、払出枚数を設定(ステップS205)した後に誤入賞判定処理(ステップS206)を行うが、誤入賞判定処理で入賞が正常であることを確認した後に、払出枚数を設定する処理順序としてもよい。以下、誤入賞判定処理の詳細について説明する。
(4−7.誤入賞判定処理:図18)
図18は、図17中の誤入賞判定処理(ステップS206)の内容を示すフローチャートである。まず、主制御基板400は、当選フラグ(当選役データ、図8参照)をビット反転する(ステップS301)。その後、ステップS302に進む。
ステップS302では、当選フラグの反転値と当り図柄フラグ(停止結果データ、図10参照)の論理積を演算する。その後、ステップS303に進む。
次に、主制御基板400は、ステップS302の演算結果が0であるか否かを判定する(ステップS303)。演算結果が0(「00000000」)の場合には、「YES」(正常)の判定となり、ステップS304に進む。しかし、0以外のビットパターンの場合には、「NO」(誤入賞)の判定となり、ステップS311に進む。なお、Data2について判定する場合、RT作動図柄に対応するビット4〜7(図10参照)をマスク(0に変換)して上記演算を行う。
ステップS301〜S303の処理は、本発明の「第1照合手段」に相当する。なお、第1照合手段は、特に種別のない入賞役(例えば、「BB」)の照合も行うことができる。
ステップS303の判定が「YES」(正常)である場合、主制御基板400は、3回のループが終了したか否かを判定する(ステップS304)。これは、Data1〜Data3に対応するフラグの誤入賞判定を行うために必要な処理である。
3回のループが終了した場合には、「YES」の判定となり、ステップS305に進む。一方、3回のループが終了していない場合には、「NO」の判定となり、ステップS301〜S304の処理を繰り返す。
ステップS304の判定が「YES」である場合、主制御基板400は、「ベル1」〜「ベル8」に入賞したか否かを判定する(ステップS305)。具体的には、停止結果データ(図10参照)のData3のビット0が設定されているか否かを判定する。
「ベル1」〜「ベル8」の何れかの役に入賞した場合には、「YES」の判定となり、ステップS306に進む。一方、「ベル1」〜「ベル8」に入賞していない場合には、「NO」の判定となり、誤入賞判定処理を終了する。すなわち、「ベル1」〜「ベル8」に入賞していない場合には、ベルの種別判定は必要ないため、Data4に対応するフラグの誤入賞判定が行われない。
ステップS305の判定が「YES」である場合、主制御基板400は、「複合ベル」に当選しているか否かを判定する(ステップS306)。具体的には、当選役データ(図8参照)のData4のビット7が設定されているか否かを判定する。
「複合ベル」に当選している場合には、「YES」の判定となり、誤入賞判定処理を終了する。すなわち、「複合ベル」に当選している場合には、全種別のベル役に入賞可能であるため、種別の判定は必要なく、Data4に対応するフラグの誤入賞判定は行われない。一方、「複合ベル」に当選していない場合には、「NO」の判定となり、ステップS307に進む。
ステップS307では、主制御基板400は、当選フラグのビット0〜2と、当り図柄フラグのビット0〜2とを比較する。当選フラグは、そのままビット0〜2を抽出し、当り図柄フラグのビット0〜2と比較する。その後、ステップS308に進む。
次に、主制御基板400は、比較結果が一致するか否かを判定する(ステップS308)。比較結果が一致する場合には、「YES」(正常)の判定となり、誤入賞判定処理を終了する。一方、比較結果が一致しない場合には、「NO」の判定となり、ステップS309に進む。
ステップS309では、主制御基板400は、当選フラグのビット4〜6と、当り図柄フラグのビット0〜2とを比較する。これは、もう一方の種別のベル役が成立していた場合のビット比較である。その後、ステップS310に進む。
次に、主制御基板400は、比較結果が一致するか否かを判定する(ステップS310)。比較結果が一致する場合には、「YES」(正常)の判定となり、誤入賞判定処理を終了する。一方、比較結果が一致しない場合には、「NO」(誤入賞)の判定となり、ステップS311に進む。
ステップS307〜S310の処理は、本発明の「第2照合手段」に相当する。第1照合手段により、正常な入賞と判定された場合のみ、第2照合手段による照合が行われる。上述の通り、「複合ベル」を除き、アシスト役が当選した場合には、当選フラグに2種別のベル役の図柄組合せが設定されるため、誤入賞判定処理では、これらを順次照合する。
ステップS303及びS310の判定がそれぞれ「NO」(誤入賞)である場合、主制御基板400は、当り図柄フラグと払出枚数をクリアする(ステップS311)。当り図柄フラグのクリアとは、4バイト分の全ての停止結果データ(図10参照)をクリアすることである。また、図17のステップS205で取得した遊技メダルの払出枚数を無効とする。その後、ステップS312に進む。
なお、誤入賞判定処理で入賞が正常であることが確認できた後に、払出枚数を設定する処理順序の回胴式遊技機の場合には、ステップS311において、当り図柄フラグをクリアするのみでよい。
ステップS312では、主制御基板400は、エラー表示の設定を行う。具体的には、主制御基板400は、演出制御基板420にエラー表示のためのエラー表示コマンドを送信する。その後、ステップS313に進む。
ステップS313では、主制御基板400は、エラー処理を行う。具体的には、演出制御基板420が上記エラー表示コマンドを受信すると、液晶表示装置6、スピーカ16等により、エラーが生じた旨が報知される。また、主制御基板400は、エラー状態から復帰した後に、誤入賞判定処理を終了する。
なお、エラー処理(ステップS313)は、省略してもよい。その場合、主制御基板400は、誤入賞を表示するエラー表示コマンドを送信し(ステップS312)、遊技の進行は停止することなく、誤入賞判定処理を終了する。
以下では、上記ステップS301〜S310の処理について、具体例を挙げて説明する。
[正常な入賞である場合]
例えば、当選役が「AT1」であった場合、停止可能な役は「ベル1」、「ベル6」、「スイカ」である(図7B参照)。各遊技では、図8のData1〜Data4に対応する4つの当選フラグが作成されるが、特に、Data3及びData4の判定について説明する。
まず、「ベル1」、「ベル6」に対応するData3のビット0及び、「スイカ」に対応するData3のビット3が「1」となり、第1の当選フラグ「00001001」が作成される。
また、「ベル1」は、「ベルA・ベルA・ベルA」、「ベル6」は、「ベルB・ベルA・ベルB」という図柄組合せであるので(図6A参照)、「ベルA」を「0」、「ベルB」を「1」として、Data4に対応する第2の当選フラグ「01010000」が作成される。
ここで、第1の当選フラグの反転値は「11110110」、第2の当選フラグの反転値は「10101111」となるので(ステップS301)、これらと当り図柄フラグ(停止結果データ)の論理積を演算する。
成立した役が「ベル6」であったとすると、図10のData3に対応する第1の当り図柄フラグは、「00000001」、Data4に対応する第2の当り図柄フラグは、「00000101」となる。
Data3について、第1の当選フラグの反転値「11110110」と、第1の当り図柄フラグ「00000001」との論理積は、「00000000」となる(ステップS302)。Data3については、論理積の演算結果が0となるので、正常な入賞であると判定される(ステップS303:YES)。
一方、Data4については、第2の当選フラグの反転値「10101111」と、第2の当り図柄フラグ「00000101」から直接に論理積を演算すると、正常な入賞も誤入賞と判定される場合があるので、上記のステップS305〜S310にて処理する。
まず、「当選フラグのビット0〜2」と「当り図柄フラグのビット0〜2」を比較する(ステップS307)。第2の当選フラグのビット0〜2である「000」と、第2の当り図柄フラグのビット0〜2である「101」を比較すると、比較結果は一致せず(ステップS308:NO)、成立した役は「ベル1」ではないことが分かる。
次に、「当選フラグのビット4〜6」と「当り図柄フラグのビット0〜2」を比較する(ステップS309)。第2の当選フラグのビット4〜6である「101」と、第2の当り図柄フラグのビット0〜2である「101」を比較すると、両者は一致するので、成立した役が「ベル6」であることが分かる。したがって、内部抽選により当選した役の1つである「ベル6」が、有効入賞ライン3a上に停止した正常な入賞と判定される(ステップS310:YES)。
[誤入賞である場合]
上記例と同じく、当選役が「AT1」であるが、成立した役が「チェリーA」であったとする。このとき、図10のData3とData4に対応する第1、第2の当り図柄フラグ(停止結果データ)は、それぞれ「00000010」と、「00000000」となる。
Data3について、第1の当選フラグの反転値「11110110」と、第1の当り図柄フラグ「00000010」との論理積は、「00000010」となり、論理積の演算結果が0ではない。
したがって、このような場合、「チェリーA」が当選役「AT1」による成立対象でないにも関わらず、有効入賞ライン3a上に停止した状態、すなわち、誤入賞であると判定される(ステップS303:NO)。
図17の説明に戻り、ステップS206の誤入賞判定処理が終了すると、主制御基板400は、当り図柄フラグに応じた入賞コマンドをセットする(ステップS207)。誤入賞の場合には(図18のステップS303、S310:NO)、当り図柄フラグはクリアされるが、正常な入賞の場合には(図18のステップS303、S308、S310:YES)、入賞役の情報を含んだ入賞コマンドがセットされる。その後、ステップS208に進む。
次に、主制御基板400は、ボーナス遊技状態であるか否かを判定する(ステップS208)。現在の遊技状態がボーナス遊技状態である場合には、「YES」の判定となり、ステップS209に進む。一方、現在の遊技状態がボーナス遊技状態でない場合には、「NO」の判定となり、払出数設定処理を終了する。
ステップS208の判定が「YES」の場合、主制御基板400は、ボーナス中獲得枚数情報コマンドをセットする(ステップS209)。ボーナス中に獲得した遊技メダル数は、液晶表示装置6等に表示されるが、ボーナス中獲得枚数情報コマンドには、この情報が含まれている。その後、払出数設定処理を終了する。
図12の説明に戻り、ステップS20の払出数設定処理が終了すると、主制御基板400は、メダル払出枚数監視処理を行う(ステップS21)。主制御基板400は、上述の払出数設定処理で取得した払出枚数(ステップS205)に基づいてクレジットの加算、又は、ホッパーユニット500を駆動制御して遊技メダルを払い出す。さらに、各制御動作にエラーがないか否かを監視する。その後、ステップS22に進む。
ステップS22では、主制御基板400は、RT遊技数設定処理を行う。具体的には、主制御基板400は、RT作動図柄(図10参照)に入賞した場合に、RT遊技が行える上限遊技数を設定する。その後、ステップS23に進む。
次に、主制御基板400は、リプレイ図柄が停止したか否かを判定する(ステップS23)。停止した役がリプレイ図柄であった場合には、「YES」の判定となり、ステップS24に進む。一方、停止した役がリプレイ図柄でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS25に進む。
ステップS23の判定が「YES」である場合、主制御基板400は、再遊技開始設定処理を行う(ステップS24)。これは、再遊技(リプレイ遊技)の作動開始を設定する処理である。この処理の後、RAM初期化処理(ステップS11)に戻る。
ステップS23の判定が「NO」である場合、主制御基板400は、遊技状態フラグがボーナス遊技状態に設定されているか否かを判定する(ステップS25)。ボーナス遊技状態である場合には、「YES」の判定となり、ステップS26に進む。一方、ボーナス遊技状態でない場合には、「NO」の判定となり、ステップS27に進む。
ステップS25の判定が「YES」である場合、主制御基板400は、ボーナス遊技作動中処理を行う(ステップS26)。これは、ボーナス遊技を継続、または終了するための処理である。この処理の後、RAM初期化処理(ステップS11)に戻る。
ステップS25の判定が「NO」である場合、主制御基板400は、停止した役がボーナス図柄であるか否かを判定する(ステップS27)。停止した役がボーナス図柄であった場合には、「YES」の判定となり、ステップS28に進む。一方、入賞役がボーナス図柄でなかった場合には、「NO」の判定となり、RAM初期化処理(ステップS11)に戻る。
ステップS27の判定が「YES」である場合、主制御基板400は、ボーナス作動開始処理を行う(ステップS28)。これは、ボーナス遊技の作動を開始する処理である。この処理の後、RAM初期化処理(ステップS11)に戻る。以上が、主制御基板400で行われるメイン処理の詳細である。
(4−8.タイマ割込み処理:図19)
図19は、本実施形態の主制御基板でのタイマ割込処理を示すフローチャートである。以下では、1.5ms毎に実行される前記タイマ割込処理について説明する。特に、上述のメイン処理の中でセットされる各種制御コマンドは、タイマ割込み処理の中で出力される。
まず、主制御基板400は、タイマ割込みが発生した場合、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理を行う(ステップS401)。その後、ステップS402に進む。
ステップS402では、主制御基板400は、ポート入力処理を行う。ポート入力処理では、回胴式遊技機に設けられたスイッチ類やセンサ類からの検出情報を管理する。その後、ステップS403に進む。
ステップS403では、主制御基板400は、回胴回転制御処理を行う。回胴回転制御処理では、回胴状態フラグを確認した際の回胴始動時や、停止指令フラグを確認した際の回胴停止時において、回胴駆動モータに出力するパルス信号を管理制御したり、回胴5a、5b、5cの回転位置やその速度を監視したりする。その後、ステップS404に進む。
ステップS404では、主制御基板400は、定期更新処理を行う。定期更新処理では、遊技動作に用いられるタイマを更新したり、ウォッチドッグタイマを定期的にクリアしたりする。その後、ステップS405に進む。
ステップS405では、主制御基板400は、コマンド出力処理を行う。コマンド出力処理は、具体的には、遊技の進行に応じてセットされる制御コマンドを演出制御基板420側に送信する処理である。主制御基板400は、割込み毎に制御コマンドを1バイト分出力している。1つの制御コマンドは2バイト長であるので、連続する2回のタイマ割り込みで1つの制御コマンドが送信される。その後、ステップS406に進む。
ステップS406では、主制御基板400は、メダル情報出力処理を行う。メダル情報出力処理では、遊技メダル投入や遊技メダル払い出しの際のメダル払出信号を出力する。上記各信号は、外部集中端子基板310を介してホールコンピュータHCに送信される。その後、ステップS407に進む。
ステップS407では、主制御基板400は、表示出力処理を行う。表示出力処理では、遊技機に設けられたLEDや7セグメント等の発光を制御する発光制御信号を出力する。その後、ステップS408に進む。
ステップS408では、主制御基板400は、異常監視処理を行う。異常監視処理では、上記入力管理処理の情報に基づいて遊技動作状態を監視し、回胴式遊技機の異常を監視する。その後、ステップS409に進む。
最後に、主制御基板400は、レジスタの内容を復帰させ(ステップS409)、タイマ割込み処理を終了する。以上が、第1実施形態の回胴式遊技機の詳細である。
上記のように、第1実施形態の回胴式遊技機の誤入賞判定手段は、第1照合手段により特定の入賞役群への入賞について照合し、第2照合手段により特定の入賞役群の中のどの入賞役に入賞したかを照合する。上記の判定処理では、入賞役の全てを照合する必要がないので、入賞役の種類が増加しても簡易かつ正確な誤入賞判定をして、制御負担を軽減することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の回胴式遊技機について詳細に説明する。
(5−1.払出数設定処理:図20)
以下では、図20を参照し、第1実施形態との相違点である払出数設定処理について説明する。第2実施形態の払出数設定処理には、入賞判定処理(図21参照)が含まれ、この判定結果により払出数を設定するか否かが決定される。
まず、主制御基板400は、入賞ラインデータに基づき、当り図柄フラグ(停止結果データ)を作成する(ステップS501)。具体的には、停止結果から、入賞した役に応じたビット値(ここでは、8ビット)をメインRAM401bの所定の領域に格納する。作成される当り図柄フラグは、Data1〜Data4に対応する4つのフラグである。その後、ステップS502に進む。
ステップS502では、主制御基板400は、払出枚数データテーブルをセットする。具体的には、払出枚数データテーブル(図6B)をメインRAM401bの所定の領域にセットする。その後、ステップS503に進む。
ステップS503では、主制御基板400は、入賞判定処理を行う。以下、入賞判定処理の詳細について説明する。
(5−2.入賞判定処理:図21)
図21は、図20中の入賞判定処理(ステップS503)の内容を示すフローチャートである。まず、主制御基板400は、当選フラグ(当選役データ、図8参照)をビット反転する(ステップS601)。その後、ステップS602に進む。
ステップS602では、当選フラグの反転値と当り図柄フラグ(停止結果データ、図10参照)の論理積を演算する。その後、ステップS603に進む。
次に、主制御基板400は、ステップS602の演算結果が0であるか否かを判定する(ステップS603)。演算結果が0(「00000000」)の場合には、「YES」(正常)の判定となり、ステップS604に進む。しかし、0以外のビットパターンの場合には、「NO」(異常)の判定となり、ステップS611に進む。なお、Data2について判定する場合、RT作動図柄に対応するビット4〜7(図10参照)をマスク(0に変換)して上記演算を行う。
ステップS601〜S603の処理は、本発明の「第1照合手段」に相当する。なお、第1照合手段は、特に種別のない入賞役(例えば、「BB」)の照合も行うことができる。
ステップS603の判定が「YES」(正常)である場合、主制御基板400は、3回のループが終了したか否かを判定する(ステップS604)。これは、Data1〜Data3に対応するフラグの入賞判定を行うために必要な処理である。
3回のループが終了した場合には、「YES」の判定となり、ステップS605に進む。一方、3回のループが終了していない場合には、「NO」の判定となり、ステップS601〜S604の処理を繰り返す。
ステップS604の判定が「YES」である場合、主制御基板400は、「ベル1」〜「ベル8」に入賞したか否かを判定する(ステップS605)。具体的には、停止結果データ(図10参照)のData3のビット0が設定されているか否かを判定する。
「ベル1」〜「ベル8」の何れかの役に入賞した場合には、「YES」の判定となり、ステップS606に進む。一方、「ベル1」〜「ベル8」に入賞していない場合には、「NO」の判定となり、入賞判定処理を終了する。すなわち、「ベル1」〜「ベル8」に入賞していない場合には、ベルの種別判定は必要ないため、Data4に対応するフラグの入賞判定が行われない。
ステップS605の判定が「YES」である場合、主制御基板400は、「複合ベル」に当選しているか否かを判定する(ステップS606)。具体的には、当選役データ(図8参照)のData4のビット7が設定されているか否かを判定する。
「複合ベル」に当選している場合には、「YES」の判定となり、入賞判定処理を終了する。すなわち、「複合ベル」に当選している場合には、全種別のベル役に入賞可能であるため、種別の判定は必要なく、Data4に対応するフラグの入賞判定は行われない。一方、「複合ベル」に当選していない場合には、「NO」の判定となり、ステップS607に進む。
ステップS607では、主制御基板400は、当選フラグのビット0〜2と、当り図柄フラグのビット0〜2とを比較する。当選フラグは、そのままビット0〜2を抽出し、当り図柄フラグのビット0〜2と比較する。その後、ステップS608に進む。
次に、主制御基板400は、比較結果が一致するか否かを判定する(ステップS608)。比較結果が一致する場合には、「YES」(正常)の判定となり、入賞判定処理を終了する。一方、比較結果が一致しない場合には、「NO」の判定となり、ステップS609に進む。
ステップS609では、主制御基板400は、当選フラグのビット4〜6と、当り図柄フラグのビット0〜2とを比較する。これは、もう一方の種別のベル役が成立していた場合のビット比較である。その後、ステップS610に進む。
次に、主制御基板400は、比較結果が一致するか否かを判定する(ステップS610)。比較結果が一致する場合には、「YES」(正常)の判定となり、入賞判定処理を終了する。一方、比較結果が一致しない場合には、「NO」(異常)の判定となり、ステップS611に進む。
ステップS607〜S610の処理は、本発明の「第2照合手段」に相当する。第1照合手段にて、正常な入賞と判定された場合のみ、第2照合手段による照合が行われる。上述の通り、「複合ベル」を除き、アシスト役が当選した場合には、当選フラグに2種別のベル役の図柄組合せが設定されるため、入賞判定処理では、これらを順次照合する。
ステップS603及びS610の判定がそれぞれ「NO」(異常)である場合、主制御基板400は、当り図柄フラグをクリアする(ステップS611)。当り図柄フラグのクリアとは、4バイト分の全ての停止結果データ(図10参照)をクリアすることである。その後、入賞判定処理を終了する。
図20の説明に戻り、ステップS503の入賞判定処理が終了すると、主制御基板400は、当り図柄フラグがあるか否かを判定する(ステップS504)。ステップS501で作成した当り図柄フラグが残っている場合には、「YES」の判定となり、ステップS505に進む。
一方、上述の入賞判定処理(図20のステップS611)で、当り図柄フラグがクリアされた場合には、当り図柄フラグが残っていない。このような場合には、「NO」の判定となり、払出数設定処理を終了する。
ステップS504の判定が「YES」である場合、主制御基板400は、停止結果データ3の入賞があったか否かを判定する(ステップS505)。「停止結果データ3」とは、停止結果データ(図10参照)のData3に該当する。
この入賞があった場合には、「YES」の判定となり、ステップS506に進む。一方、この入賞がなかった場合には、「NO」の判定となり、ステップS508に進む。なお、停止結果データ1、2の入賞役(Data1及びData2に含まれる入賞役)は、払い出しが行われない役であるので、ここで判定する必要はない。
また、停止結果データ4(Data4に対応)も、ベル役が同時成立したときに入賞したベル役の種別を判定する処理で用いられるので、ここで判定する必要がない。
ステップS505の判定が「YES」である場合、主制御基板400は、入賞役のビット番号を変換し、オフセット値としてセットする(ステップS506)。例えば、「ベル1」〜「ベル8」に入賞した場合、そのビット番号が0であるため(図10参照)、オフセット値「1」と変換する。
同様に、「チェリーA(ビット番号1)」、「1枚役(ビット番号2)」、「スイカ(ビット番号3)」、「チェリーB(ビット番号4)」の場合、オフセット値は、それぞれ「2」、「3」、「4」、「5」となる。その後、ステップS507に進む。
ステップS507では、主制御基板400は、払出枚数データテーブルを参照し、オフセット値に応じた払出枚数を取得する。例えば、「ベル1」に入賞した場合、オフセット値として「1」がセットされている。このとき、主制御基板400は、払出枚数データテーブル(図6B)を参照して、払出枚数「9枚」の情報を取得する。その後、ステップS508に進む。
ステップS508では、主制御基板400は、当り図柄フラグに応じた入賞コマンドをセットする。入賞が異常である場合には(図21のステップS603、S610:NO)当り図柄フラグはクリアされるが、入賞が正常である場合には(図21のステップS603、S608、S610:YES)、入賞役の情報を含んだ入賞コマンドがセットされる。その後、ステップS509に進む。
次に、主制御基板400は、ボーナス遊技状態であるか否かを判定する(ステップS509)。現在の遊技状態がボーナス遊技状態である場合には、「YES」の判定となり、ステップS510に進む。一方、現在の遊技状態がボーナス遊技状態でない場合には、「NO」の判定となり、入賞判定処理を終了する。
ステップS509の判定が「YES」の場合、主制御基板400は、ボーナス中獲得枚数情報コマンドをセットする(ステップS510)。ボーナス中に獲得した遊技メダル数は、液晶表示装置6等に表示されるが、ボーナス中獲得枚数情報コマンドには、この情報が含まれている。その後、払出数設定処理を終了する。以上が、第2実施形態の回胴式遊技機の詳細である。
上記のように、第2実施形態の回胴式遊技機の入賞判定手段は、第1照合手段により特定の入賞役群への入賞について照合し、第2照合手段により特定の入賞役群の中のどの入賞役であるか(種別)を照合する。上記の判定処理では、入賞役の全てを照合する必要がないので、入賞役の種類が増加しても簡易かつ正確な入賞判定をして、制御負担を軽減することができる。
上記の実施形態は、本発明の一例であり、これ以外にも本発明を実施することができる種々の変形例が考えられる。
実施形態の特定の図柄組合せは、8種別のうち2種別が成立するベル役であったが、例えば、3種類の色違い図柄を各回胴5a、5b、5cにそれぞれ配置し、それらの組合せ(27種類)による役とすることもできる。図柄組合せの種類が多い方が、誤入賞判定(入賞判定)の際に本発明を採用することによって軽減できる制御負担の幅が大きい。
特定の図柄組合せは、ベル役に限られず、複数の種別が規定されたチェリー役やスイカ役等、いかなる小役であってもよい。3種別以上の役が同時に成立するようにしてもよい。この場合、1つの当選役データに3以上の図柄組合せが記憶できるようにすることが好ましい。
当選役データと停止結果データの照合は、論理積演算に限られず、他のビット演算や単なるビット比較等、両データの一致、不一致が判定できる如何なる方法を採用してもよい。
以上、本実施形態として回胴式遊技機について説明したが、本発明は、これに限らず、遊技球が遊技媒体となる回胴式遊技機(いわゆる、パロット機)等の遊技機にも適用可能である。