JP2013169197A - 抽出物の製造方法 - Google Patents

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みれい 小高
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清隆 宮内
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Abstract

【課題】抽出液を濃縮する工程を経て抽出物を製造する際の、香気成分の低減を抑制できる抽出物の製造方法を提供する。
【解決手段】第1の原料1の最初の抽出液2aをRO膜で濃縮した最初のRO透過液3aを含む抽出媒体を用いて、第2の原料11を抽出して透過液使用抽出液4aを得る。透過液使用抽出液4aをRO膜で濃縮して、透過液使用RO濃縮液5bを得、これを乾燥して粉末状の抽出物6aを得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、抽出物の製造方法に関する。
抽出液を低容量化して、輸送効率および取扱い性を向上させるために、従来から抽出液を濃縮することが行われている。
また、例えばインスタントコーヒーやインスタント茶等の粉末状の抽出物は、コーヒー豆、茶葉等の原料を、水または湯で抽出した抽出液、またはこれを濃縮した濃縮抽出液を乾燥して製造される。
抽出液を濃縮する方法として、一般的な濃縮方法である減圧濃縮法を用いると、蒸発に伴う香気成分の散逸が著しいため、蒸発を伴わない膜処理を用いる方法が提案されている。
特許文献1には、抽出液をルーズ逆浸透複合膜で濃縮(1段目)して得られる透過液を、低圧逆浸透複合膜で濃縮(2段目)し、2段目で得られる濃縮液と、1段目の濃縮液を混合して所望の濃度の濃縮抽出液を得る方法が記載されている。
この方法によれば、1段目のルーズ逆浸透複合膜濃縮で透過液側に流出した香気成分が、2段目の逆浸透濃縮では濃縮液側に含まれるため、これによって香気成分を回収でき、濃縮による香気成分の低減を抑制できることが記載されている。
特開平4−88948号公報
特許文献1の実施例には、2段目の逆浸透濃縮の透過液は無味無臭であると記載されており、通常この透過液は廃棄される。
しかしながら、本発明者等の知見によれば、逆浸透濃縮の透過液側にも香気成分の流出が生じる場合があり、特許文献1の方法では香気を保つのに十分とは言えず、抽出物の製造工程における風味の低下が生じ得る。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、抽出物の製造工程における風味の低下を防止できる、または抽出物の風味を向上できる、抽出物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は下記[1]〜[6]である。
[1] 第1の原料の抽出液をRO膜で濃縮して得られるRO透過液を含む抽出媒体を用いて、第2原料を抽出して透過液使用抽出液を得る工程を有する、抽出物の製造方法。
[2] 前記透過液使用抽出液をRO膜で濃縮して、透過液使用RO濃縮液を得る工程を有する、[1]記載の抽出物の製造方法。
[3] 前記透過液使用RO濃縮液を含むRO濃縮液を乾燥して粉末状の抽出物を得る工程を有する、[2]記載の抽出物の製造方法。
[4] 前記透過液使用抽出液を乾燥して粉末状の抽出物を得る工程を有する、[1]記載の抽出物の製造方法。
[5] 前記第1の原料および第2の原料が、茶類またはコーヒー豆である、[1]〜[4]のいずれかに記載の抽出物の製造方法。
[6] 前記第1の原料と第2の原料とが同種である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の抽出物の製造方法。
本発明によれば、抽出物の製造工程における風味の低下を防止することができる。または抽出物の風味を向上させることができる。
したがって、風味が良好な抽出物が得られる。
本発明の製造方法の一実施形態の工程図である。 本発明の製造方法の一実施形態の工程図である。 比較例の工程図である。 比較例の工程図である。
本発明で製造する抽出物は、液状(濃縮液状を含む)または粉末状の抽出物であることが好ましい。
本発明における原料(第1の原料、第2の原料)は特に限定されるものでなく、液状または粉末状の抽出物の製造において、被抽出物として用い得る原料であればよい。製造工程における香気成分の低減が少ないことが好ましい原料が好適である。
例えば緑茶、ほうじ茶、ウーロン茶、紅茶、穀物茶(麦、はと麦、玄米、大豆、そばなどの茶)、健康茶(霊芝、朝鮮人参、アロエ、イチョウ、シソ、ウメなどの茶)、ハーブ(ラベンダー、ペパーミント、レモングラス、カモミールなど)等の茶類または焙煎したコーヒー豆等が好ましい。
第1の原料と第2の原料とは同種の原料であってもよく、異種の原料であってもよい。
第1の原料と第2の原料とが同種の原料であると、該原料に含まれる香気成分で構成される風味が良好に得られる。
第1の原料と第2の原料とが異種の原料であると、第2の原料に含まれる香気成分に第1の原料の香気成分の一部が加えられた風味を得ることができる。したがって、従来は廃棄されていたRO透過液を有効に利用して風味を調整し向上させることが可能である。
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態を説明する。図1は本実施形態の工程図である。
[最初の抽出工程]
図中符号2は最初の抽出工程である。まず、第1の原料1を、RO透過液を含まない抽出媒体(最初の抽出媒体)で抽出し、常法により茶葉残渣等の夾雑物を取り除いて、抽出液(最初の抽出液2a)を得る。
最初の抽出媒体は、原料の種類等に応じて公知のものを適宜用いることができる。原料が茶類またはコーヒー豆の場合、水性媒体が好ましい。水性媒体は、単なる水、または脱イオン水でもよく、これらに糖類、デキストリン類、環状デキストリン類、乳化剤類、アルコール類、アスコルビン酸等の抗酸化剤類等、公知の添加剤を適宜添加したものでもよい。該添加剤は、抽出後の適宜の段階で添加してもよい。
抽出温度、抽出時間等の抽出成分の組成に影響する抽出条件は、原料の種類、または得ようとする抽出物の組成に応じて適宜設定することができる。
抽出媒体の使用量によって、最初の抽出液2aの固形分濃度(Brix濃度)を調整できる。最初の抽出液2aの固形分濃度は、目的の風味、固形分等に応じて適宜選択され、特に限定されないが、抽出における原料からの固形分回収率および風味の点で、例えばBrix濃度が0.1〜10%であることが好ましく、0.1〜6%がより好ましい。
[最初の濃縮工程]
次に、最初の抽出工程2で得られた最初の抽出液2aを、RO膜(逆浸透膜)で濃縮する(最初の濃縮工程3)。
最初の濃縮工程3で用いるRO膜は、食塩阻止率が90%以上の公知のRO膜を適宜選択して使用することが好ましい。
RO膜の形態は特に限定されず、スパイラル式、ホロファイバー式、チューブ式、平板式などのいずれでもよい。膜の材質も特に限定されない。
図中符号3bは本工程で得られる最初のRO濃縮液である。
最初の濃縮工程3における操作圧力は、高いと濃縮速度(時間当たりの透過流量)は速いが膜の目詰まり(ファウリング)が早く生じやすくなり、圧力が低いと目詰まりは遅いが、濃縮速度も遅くなるため、これらの不都合が生じない範囲で設定することが好ましい。
濃縮温度は、低温である方が、濃縮工程において透過液側に流出する香気成分は少ないが、濃縮速度が遅くなる。また特にタンニンとカフェインを含む茶類の抽出液では、濃縮温度が低温であるほど抽出液に含まれるタンニンとカフェインによるクリームダウンが生じやすくなる。クリームダウンとは、タンニンとカフェインの結合体が析出し、液の濁りや茶褐色の沈殿を生じる現象である。低温や高濃度の条件下で主に発生し、外観上の問題だけでなく、沈殿による膜の透過効率悪化の原因となる。
一方、濃縮温度が高すぎると着色やフレーバーの変質等が生じやすくなる。本発明の方法では、透過液側に流出した香気成分を良好に回収できるため、着色やフレーバーの変質等が生じない範囲で濃縮温度を高くして、濃縮速度を高めることができる。
濃縮温度は特に限定されないが、例えば50℃超、好ましくは55℃以上とすることができる。濃縮温度の上限は、例えば90℃以下が好ましい。
なお、本明細書における濃縮温度とは、膜処理時の処理液温度を意味する。
最初の濃縮工程3における濃縮倍率、および本工程で得られる最初のRO濃縮液3bの固形分濃度は、特に限定されない。次工程における操作性等を考慮して適宜設定することができる。
[透過液使用抽出工程]
次に、最初の濃縮工程3で得られた最初のRO透過液3aを含む抽出媒体を用いて、第2の原料11を抽出して透過液使用抽出液4aを得る(透過液使用抽出工程4)。
本実施形態において、本工程で用いる第2の原料11は最初の抽出工程2で用いた第1の原料1と同種の原料である。
本工程で用いる抽出媒体は、最初のRO透過液3a以外の他の抽出媒体を含んでもよい。該他の抽出媒体は、最初の抽出工程2で用いた抽出媒体(最初の抽出媒体)と同じであることが好ましい。本工程で用いる抽出媒体における最初のRO透過液3aの含有量は特に限定されないが、30質量%以上が好ましい。100質量%でもよい。最初の濃縮工程3で得られた最初のRO透過液3aの全量を、本工程で用いることが好ましい。
本工程における抽出温度、抽出時間等の抽出成分の組成に影響する抽出条件は、最初の抽出工程2と同じであることが好ましい。抽出媒体の使用量によって、透過液使用抽出液4aの固形分濃度(Brix濃度)を調整できる。
本実施形態において、透過液使用抽出液4aの固形分濃度は、目的の風味、固形分に応じて適宜選択され、特に限定されないが、抽出における原料からの固形分回収率および風味の点で、例えばBrix濃度が0.1〜10%であることが好ましく、0.1〜6%がより好ましい。
透過液使用抽出工程4で得られる透過液使用抽出液4aは、最初の濃縮工程3において透過液側(最初のRO透過液3a)に流出した香気成分を含むため、最初の抽出工程2で得られる最初の抽出液2aに比べて、香気成分が多く、風味が豊かである。
[透過液使用濃縮工程]
次に、透過液使用抽出液4aを、RO膜(逆浸透膜)で濃縮(透過液使用濃縮工程5)する。図中符号5aは本工程で得られるRO透過液であり、符号5bは本工程で得られる透過液使用RO濃縮液である。
本工程は最初の濃縮工程3と同じRO膜を用いて行うことが好ましい。濃縮時の条件は最初の濃縮工程3と同様とすることができる。
本実施形態において、透過液使用RO濃縮液5bの固形分濃度は、次の乾燥工程で得られる粉末の物性の点で、例えばBrix濃度が1.5〜20%であることが好ましく、より好ましくは3.5〜20%、さらに好ましくは6〜20%である。
透過液使用抽出液4aには、最初の抽出液2aに比べて香気成分が多く含まれているため、透過液使用RO濃縮液5bは、最初のRO濃縮液3bに比べて香気成分が多く、風味が豊かである。
しかも、透過液使用RO濃縮液5bには、最初の抽出液2aに含まれる全成分のうち、濃縮工程3において透過液3a側に流出した成分が回収添加されているため、濃縮工程3を経た濃縮液でありながら、濃縮前の最初の抽出液2aと同等の風味を得ることができる。
[乾燥工程]
次に、透過液使用濃縮工程5で得られた透過液使用RO濃縮液5bを乾燥し(乾燥工程6)、粉末状の抽出物6aを得る。
乾燥方法は、公知の手法を適宜用いることができる。例えばドラム乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥、真空加熱乾燥等が挙げられる。
本実施形態によれば、透過液使用RO濃縮液5bが、最初のRO濃縮液3bよりも香気成分を多く含むため、最初のRO濃縮液3bの乾燥品に比べて風味豊かな粉末状の抽出物6aが得られる。
また透過液使用RO濃縮液5bは、濃縮しない抽出液に比べて固形分濃度が高いため、乾燥効率が向上し、得られる粉末状抽出物6aの物性も向上する。
<第2の実施形態>
図2は本実施形態の工程図である。図1と同じ構成要素には同じ符号を付してその説明を省略する。
本実施形態では、第1の実施形態における透過液使用抽出工程4で得られた透過液使用抽出液4aを、濃縮せずに、乾燥させて粉末状の抽出物を得る。
乾燥工程16は第1の実施形態と同様に行うことができる。
本実施形態によれば、透過液使用抽出液4aを濃縮させないため、濃縮時に透過液側に流出する香気成分の低減を防止することができる。したがって、第1の実施形態の粉末状の抽出物6aよりも、風味が豊かな粉末状の抽出物16aを得ることができる。
なお、乾燥効率および乾燥粉末の物性の点では、第1の実施形態のように濃縮液を乾燥させる方が好ましいが、本実施形態においても、透過液使用抽出工程4で使用する抽出媒体の量を、良好な抽出物が得られる範囲で少なくして、透過液使用抽出液4aの固形分濃度を高めることによって、乾燥効率および粉末状抽出物16aの物性を改善することが可能である。
<変形例>
なお、本発明の製造方法は、RO膜で濃縮した際に透過液側に流出した成分を含有するRO透過液を抽出媒体に用いた抽出工程(透過液使用抽出工程)を有していれば、該透過液側に流出した成分を回収・使用して抽出物の風味を向上させる効果を得ることができる。
したがって、本発明における透過液使用抽出工程で用いられるRO透過液は、最初のRO透過液3aでもよく、透過液使用RO透過液5aでもよい。すなわち、図1には記載していないが、さらに透過液使用RO透過液5aを抽出媒体に用いて、透過液使用抽出工程4以下と同じ工程を行ってもよい。
透過液使用抽出工程4で用いる抽出媒体として、最初の抽出工程2で用いた抽出媒体(最初の抽出媒体)と異なる抽出媒体を用いることもできる。
透過液使用抽出工程4には、最初の濃縮工程3で得られたRO透過液3aの一部のみを用いてもよい。
透過液使用濃縮工程5で用いるRO膜として、最初の濃縮工程3とは異なるRO膜を用いることもできる。
乾燥工程6において、透過液使用RO濃縮液5bに最初のRO濃縮液3bを添加したRO濃縮液を乾燥させてもよい。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
粉末状の抽出物(紅茶パウダー)の評価は下記の方法で行った。
<フレーバー分析>
本発明者等は、紅茶の香気成分のなかでも、トランス−2−ヘキサナールのような青葉系の香気成分がRO濃縮の透過液側に流出しやすいことを知見した。したがって、トランス−2−ヘキサナールの含有量を比較することでフレーバーの比較を行った。
すなわち、紅茶パウダーについてGC/MSでフレーバー分析を行い、トランス−2−ヘキサナールのピーク面積を算出した。比較例1のピーク面積を基準値100として、相対値で表す。
<風味の官能試験方法>
紅茶パウダーを濃度0.3質量%となるように80℃の湯に溶解したものを、訓練されたパネラー10名が飲んで風味を比較評価した。
比較例1をコントロール(3点)とし、これと比較したときの風味を下記基準の5段階で評価した。10名の平均点を算出した。
5点:コントロールと比べて非常に良好。
4点:コントロールと比べて良好。
3点:コントロールと同じ。
2点:コントロールと比べて悪い。
1点:コントロールと比べて非常に悪い。
<比容積の測定方法>
紅茶パウダーの、1g当たりの体積である比容積[単位:ml/g]を、衝撃法比容積試験機(中村医科理科社製)にて測定した。
<比較例1>
原料として紅茶茶葉を用い、図3に示す工程で粉末状の抽出物(紅茶パウダー)を製造した。
[最初の抽出工程]
6kgの紅茶茶葉を78kg(茶葉に対して13倍)の90℃の湯にて抽出し、Brix濃度(以下Bxと略記する。)3.5%の素抽出液55kgを得た。この素抽出液を間接冷却法にて50℃まで冷却した後、クラリファイアー(アルファラバル社製、製品名:LAPX404。以下同様。)を使用して茶葉残滓等の夾雑物を除去して、Bx3.4%の紅茶抽出液(最初の抽出液)50kgを得た。
[乾燥工程]
上記で得た紅茶抽出液(最初の抽出液)を間接加熱法にて70℃に加熱し、粉乳用ドライヤーを用いて常法により乾燥粉末化して紅茶パウダー(粉末状の抽出物)を得た。
[評価]
上記の方法で紅茶パウダーのフレーバー分析を行い、トランス−2−ヘキサナールのピーク面積を算出した。紅茶パウダーの風味を上記の官能試験方法で評価した。紅茶パウダーの比容積を上記の測定方法で測定した。これらの結果を表1に示す。表1には主な製造条件も示す(以下、同様)。
<比較例2>
比較例1と同じ紅茶茶葉を用い、図4に示す工程で粉末状の抽出物(紅茶パウダー)を製造した。
[最初の抽出工程]
比較例1において、紅茶茶葉の使用量を11.2kgに、90℃の湯の量を145.6kg(茶葉に対して13倍)に変更したほかは、比較例1と同様に行った。得られたBx3.5%の素抽出液は87kg、Bx3.4%の紅茶抽出液(最初の抽出液)は80kgであった。
[最初の濃縮工程]
得られた紅茶抽出液(最初の抽出液)の44kgを間接加熱法にて55℃に加熱し、膜モジュールとして日東電工社製のNTR−759HG(製品名、食塩阻止率:99%)を用いたスパイラル式RO装置(日東電工社製、製品名:RUW−5A)で2倍濃縮を行ってRO濃縮液(最初のRO濃縮液)22kgとRO透過液(最初のRO透過液)22kgを得た。2倍濃縮に必要な処理時間は15分、平均透過流量は1,467ml/分であった。得られたRO濃縮液(最初のRO濃縮液)のBxは6.6%、RO透過液(最初のRO透過液)のBxは0.0であった。
[RO濃縮液およびRO透過液の風味]
得られたRO濃縮液(最初のRO濃縮液)を2倍希釈したときの風味は、紅茶抽出液(最初の抽出液)よりも紅茶の青葉のようなフレッシュな茶葉感に欠けており、RO透過液(最初のRO透過液)の風味は、紅茶由来の青臭い風味が残っているのが感じられた。
[乾燥工程]
上記で得たRO濃縮液(最初のRO濃縮液)を、比較例1と同様にして乾燥粉末化して紅茶パウダー(粉末状の抽出物)を得た。
[評価]
比較例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
<比較例3>
比較例2で得た紅茶抽出液(最初の抽出液)を用い、比較例2と同様の手順で抽出物(紅茶パウダー)を製造した。ただし、比較例2では、最初の濃縮工程における濃縮温度を55℃としたが、本例では10℃とした。
[最初の濃縮工程]
比較例2で得た紅茶抽出液(最初の抽出液)の20kgを間接冷却法にて10℃に冷却し、比較例2と同様にして2倍濃縮を行い、RO濃縮液(最初のRO濃縮液)10kgとRO透過液(最初のRO透過液)10kgを得た。2倍濃縮に必要な処理時間は80分、平均透過流量は125ml/分であった。得られたRO濃縮液(最初のRO濃縮液)のBxは6.6%、RO透過液(最初のRO透過液)のBxは0.0であった。
[RO濃縮液およびRO透過液の風味]
得られたRO濃縮液(最初のRO濃縮液)を2倍希釈したときの風味は、比較例2に比べると紅茶の青葉のようなフレッシュな茶葉感が多く残っていたが、紅茶抽出液(最初の抽出液)に比べると香気がやや劣る。RO透過液(最初のRO透過液)の風味は、紅茶由来の青臭い風味がわずかに残っているのが感じられた。
[乾燥工程]
上記で得たRO濃縮液(最初のRO濃縮液)を、比較例1と同様にして乾燥粉末化して紅茶パウダー(粉末状の抽出物)を得た。
[評価]
比較例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例1>
第1の原料および第2の原料として比較例1と同じ紅茶茶葉を用い、図1に示す工程で粉末状の抽出物(紅茶パウダー)を製造した。
[最初の抽出工程]
比較例1と同様にして、Bx3.4%の紅茶抽出液(最初の抽出液)50kgを得た。
[最初の濃縮工程]
比較例2と同様にして、得られた紅茶抽出液(最初の抽出液)の44kgを2倍濃縮して、Bxが6.6%のRO濃縮液(最初のRO濃縮液)22kgと、Bxが0.0のRO透過液(最初のRO透過液)22kgを得た。2倍濃縮に必要な処理時間は15分、平均透過流量は1,467ml/分であった。
[透過液使用抽出工程]
上記で得られたRO透過液(最初のRO透過液)22kgと、43kgの水との混合物を90℃に加熱して65kg(茶葉に対して13倍)の抽出媒体とした。この抽出媒体を用いて、最初の抽出工程と同様にして5kgの紅茶茶葉を抽出し、Bx3.5%の素抽出液46kgを得た。最初の抽出工程と同様にして夾雑物を除去し、Bx3.4%の紅茶抽出液(透過液使用抽出液)41kgを得た。
[透過液使用抽出液の風味]
得られた透過液使用抽出液の風味は、紅茶抽出液(最初の抽出液)と比べて紅茶の青葉のようなフレッシュな茶葉感に優れており、香気豊かな抽出液であった。
[透過液使用濃縮工程]
上記で得られた透過液使用抽出液の36kgを、最初の濃縮工程と同様にして2倍濃縮して、Bxが6.6%のRO濃縮液(透過液使用RO濃縮液)18kgと、Bxが0.0のRO透過液(透過液使用RO透過液)18kgを得た。2倍濃縮に必要な処理時間は13分、平均透過流量は1,385ml/分であった。
[透過液使用RO濃縮液の風味]
得られた透過液使用RO濃縮液を2倍希釈したときの風味は、紅茶抽出液(最初の抽出液)と同等であった。
[乾燥工程]
上記で得た透過液使用RO濃縮液を、比較例1と同様にして乾燥粉末化して紅茶パウダー(粉末状の抽出物)を得た。
[評価]
比較例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例2>
第1の原料および第2の原料として比較例1と同じ紅茶茶葉を用い、図2に示す工程で粉末状の抽出物(紅茶パウダー)を製造した。本例が実施例1の工程と異なる点は、透過液使用抽出液を濃縮せずに乾燥粉末化した点である。
最初の抽出工程、最初の濃縮工程、および透過液使用抽出工程は、実施例1と同じである。
[乾燥工程]
得られた透過液使用抽出液を、比較例1と同様にして乾燥粉末化して紅茶パウダー(粉末状の抽出物)を得た。
[評価]
比較例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 2013169197
表1に示されるように、実施例1で得られた紅茶パウダーは、比較例1の紅茶パウダーとトランス−2−ヘキサナールの含有量がほぼ同じであり、RO濃縮工程を経ることによる香気成分の低減が良好に抑制されている。官能試験による風味の評価において、実施例1は比較例1と同等以上の結果が得られた。
実施例1で得られた紅茶パウダーは、比較例1よりも高固形分である濃縮液を乾燥粉末化したため、比較例1よりもしっかりとした粉になり、比容積が低かった。
実施例2で得られた紅茶パウダーは、比較例1の紅茶パウダーに比べてトランス−2−ヘキサナールの含有量が高く、RO濃縮工程を経ることによる香気成分の低減が抑制されたうえに、さらに香気成分が増強されている。官能試験による風味の評価において、実施例2は比較例1よりも優れていた。
実施例2で得られた紅茶パウダーは、透過液使用抽出液を濃縮せずに低固形分の状態で乾燥粉末化したため、実施例1よりも比容積が大きくなり、比較例1と同程度に嵩高い粉になった。
比較例1で得られた紅茶パウダーは、抽出液を濃縮せずに低固形分の状態で乾燥粉末化したため、嵩高く、軽くて舞いやすい。
比較例2で得られた紅茶パウダーは、RO濃縮を行ったため、比較例1の紅茶パウダーに比べてトランス−2−ヘキサナールの含有量が低く、官能試験による風味の評価においても、茶葉の青臭い風味が抜けた感じがあり、比較例1に比べて劣っていた。
比較例2で得られた紅茶パウダーは、比較例1よりも高固形分である濃縮液を乾燥粉末化したため、比較例1よりもしっかりとした粉になり、比容積が低かった。
比較例3では、濃縮温度が10℃と低いため、濃縮処理における透過流量が比較例2の1/10以下と著しく処理効率が悪かった。
比較例3で得られた紅茶パウダーは、比較例2と同程度にしっかりとした粉であった。
紅茶パウダーの風味の点では、比較例1の紅茶パウダーに比べてトランス−2−ヘキサナールの含有量がやや低く、茶葉の青臭い風味が抜けた感じがややあり、比較例1に比べてわずかに劣っていた。
1 第1の原料
2 最初の抽出工程
2a 最初の抽出液
3 最初の濃縮工程
3a 最初のRO透過液
3b 最初のRO濃縮液
4 透過液使用抽出工程
4a 透過液使用抽出液
5 透過液使用濃縮工程
5a 透過液使用RO透過液
5b 透過液使用RO濃縮液
6、16 乾燥工程
6a、16a 粉末状の抽出物
11 第2の原料

Claims (6)

  1. 第1の原料の抽出液をRO膜で濃縮して得られるRO透過液を含む抽出媒体を用いて、第2の原料を抽出して透過液使用抽出液を得る工程を有する、抽出物の製造方法。
  2. 前記透過液使用抽出液をRO膜で濃縮して、透過液使用RO濃縮液を得る工程を有する、請求項1記載の抽出物の製造方法。
  3. 前記透過液使用RO濃縮液を含むRO濃縮液を乾燥して粉末状の抽出物を得る工程を有する、請求項2記載の抽出物の製造方法。
  4. 前記透過液使用抽出液を乾燥して粉末状の抽出物を得る工程を有する、請求項1記載の抽出物の製造方法。
  5. 前記第1の原料および第2の原料が、茶類またはコーヒー豆である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の抽出物の製造方法。
  6. 前記第1の原料と第2の原料とが同種である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の抽出物の製造方法。
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