JP2013074802A - ガレート型カテキン含有豆乳およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】青臭みが低減され、しかもガレート型カテキンと大豆タンパクを含有するにも関わらず沈殿や凝集が生じないという安定性に優れた豆乳およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】ガレート型カテキンを含有する豆乳であって、前記ガレート型カテキンの量が原料大豆の量に対して0.6〜5.0重量%であり、かつ、前記原料大豆を磨砕する以前の製造段階で前記ガレート型カテキンが原料大豆と混合されて得られることを特徴とする豆乳。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガレート型カテキンを含有する豆乳およびその製造方法に関する。
豆乳は、良質のタンパク質、不飽和脂肪酸、ビタミン・ミネラル類を多く含み、近年、日本だけでなくアメリカやアジアなど世界中で消費量が増大している健康飲料である。
さらに最近では、大豆イソフラボンによる骨粗鬆症の予防、更年期障害の不快症状の緩和および動脈硬化の予防などの生理機能が知られるようになり、今最も注目を集めている健康飲料の一つである。それにもかかわらず、豆乳はその独特の大豆臭のため、栄養機能性よりも嗜好性を重視する消費者にとっては商品選択の障壁となっている。新たな消費者の獲得および健康飲料として無理なく常飲するためには、豆乳の不快な臭いの低減は非常に重要な課題となっている。
そこで、豆乳臭のマスキング方法として、例えば、パラチノースの添加による風味改善(特許文献1)、パノースの添加による不快臭低減方法(特許文献2)、シソ抽出物による呈味改善(特許文献3)、酵母エキスの添加による豆乳臭の抑制(特許文献4)、ぶどう果皮抽出物による風味改善(特許文献5)などの提案がなされている。しかし、これらの方法はいずれも、豆乳臭のマスキング効果が不十分であるか、あるいは、マスキング剤自身の風味が強く出てしまうため、実用上十分なものとは言えなかった。
豆乳の不快な臭いは、アセトアルデヒド、アセトン、ヘキサナール、エチルビニルケトンなどのカルボニル化合物、ヘキサノールなどのアルコール類、アミン類、フェノール類、脂肪酸類などから構成されている。その中でも、青臭みの原因物質として知られているn−ヘキサナール(1−ヘキサナール)およびn−ヘキサノール(1−ヘキサノール)が、豆乳の不快臭の主な原因物質であり、これらの低減は重要な課題となっている。
一方で、消臭成分としてカテキン化合物を用いた低臭納豆(特許文献6)、抗菌成分としてカテキン化合物を用いた豆腐系食品用保存剤(特許文献7)が提案されている。
緑茶に多く含まれるポリフェノールであるカテキン類は、上記のような消臭・抗菌作用だけでなく、抗酸化作用、ガン抑制作用、コレステロール低下作用、インフルエンザウイルスの不活化などの生理活性が期待されている。
そのカテキン類の中でも、エピカテキンガレート(ECg)、エピガロカテキンガレート(EGCg)のような分子内にガロイル基を有するガレート型カテキンは、極めて高い生理活性を示すことが様々な研究で明らかになっている。例えば、ヒト肺ガン細胞株の増殖抑制効果、ヒトインフルエンザウイルスの不活化、LDLの酸化に対する抑制効果などに関して、ガレート型カテキンは非ガレート型カテキンよりも高い生理活性を示すことが報告されている。しかし、ガレート型カテキンは、収斂味とも表現される特有の渋味を有し、苦味に関してもエピカテキン(EC)、カテキン(C)の2〜3倍の強さをもつことから、その苦渋味の軽減は非常に重要な課題である。
さらに、ガレート型カテキンはタンパク質と反応して凝集してしまうことから、豆乳などのタンパク質を含有する飲料への添加は困難であり、特許文献6および7の方法に従ってガレート型カテキンを豆乳に添加させた場合、凝集沈殿が起きてしまう。そのため、タンパク質を含有する飲料にはタンナーゼを作用させてガレート型カテキンを加水分解させるなどの方法がとられていた(特許文献8)。
また、カテキン類に対して、平均分子量が7,000未満のタンパク質分解ペプチドと7,000以上のペプチドまたはタンパク質を併用する方法も提案されているが(特許文献9)、ガレート型カテキンに対しては凝集沈殿を防止する効果は不十分であった。
特開2003−230365号公報 特開2005−137362号公報 特開2005−253348号公報 特開2002−253163号公報 特開2009−189356号公報 特開平8−173077号公報 特開平3−65153号公報 特開2007−319008号公報 特開2004−346132号公報
本発明の目的は、青臭みが低減され、しかもガレート型カテキンと大豆タンパクを含有するにも関わらず沈殿や凝集が生じないという安定性に優れた豆乳およびその製造方法を提供することにある。
前記課題を達成するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、原料大豆に対するガレート型カテキンの量を調整し、かつガレート型カテキンと原料大豆との混合時期を調整すると、青臭みが低減され、凝集や沈殿のない豆乳が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕ガレート型カテキンを含有する豆乳であって、前記ガレート型カテキンの量が原料大豆の量に対して0.6〜5.0重量%であり、かつ、前記原料大豆を磨砕する以前の製造段階で前記ガレート型カテキンが原料大豆と混合されて得られることを特徴とする豆乳、
〔2〕ガレート型カテキンがガレート型カテキン純度45重量%以上の茶抽出物である前記〔1〕記載の豆乳、
〔3〕原料大豆を磨砕する以前の製造段階でガレート型カテキンを原料大豆と混合する工程を有することを特徴とする前記〔1〕または〔2〕記載の豆乳の製造方法
に関する。
本発明によれば、ガレート型カテキンの添加によっても苦渋味や茶の味はなく、n−ヘキサナールおよびn−ヘキサノールによる豆乳の青臭みを顕著に低減することができる。また、ガレート型カテキンは高い生理活性を有するため、本発明によって得られる豆乳は健康増進効果も非常に高い。
図1は、試験例1において行なった、比較例1および実施例1で得られた試料についての固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ質量分析法(SPME−GC−MS法)によるトータルイオンクロマトグラム(TIC)を示す。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明の豆乳は、ガレート型カテキンを含有する豆乳であって、前記ガレート型カテキンの量が原料大豆の量に対して0.6〜5.0重量%であり、かつ、前記原料大豆を磨砕する以前の製造段階で前記ガレート型カテキンが原料大豆と混合されて得られることを特徴とする。
豆乳は、原料大豆を水に浸漬し膨潤させた後に、磨砕し、煮沸処理等により加熱処理した後、圧搾濾過等の工程によって不溶画分を除去して得られる乳状の液体である。
そして、本発明でいう豆乳とは、上記工程で得られるそのままの豆乳(無調製豆乳)の他、甘味料・香料・植物油などを加えた調製豆乳、果実やコーヒー麦芽などを加えて風味つけした豆乳飲料など、豆乳製品全般を指す。
本発明で用いられる原料大豆は、その産地、品種については特に限定はない。
本発明の豆乳においては、前記原料大豆の量に対してガレート型カテキンの量が0.6〜5.0重量%となるように調整されている点に一つの特徴がある。ガレート型カテキンの量が0.6重量%未満では、豆乳の青臭みを低減するというガレート型カテキンに由来する効果が十分に得られず、また、5.0重量%を超えるとガレート型カテキンの苦渋味を強く感じてしまう。前記ガレート型カテキンの量は、好ましくは1.0〜3.0重量%である。
なお、前記の原料大豆の量に対するガレート型カテキンの量とは、原料として使用される大豆(乾燥重量)を100重量%としたときのガレート型カテキンの重量を示す。
本発明において「ガレート型カテキン」とは、分子内にガロイル基を有するカテキンであり、具体的には、ECg、EGCg、Cg(カテキンガレート)、GCg(ガロカテキンガレート)などを指す。これらは使用原料として、精製品の他、粗製品でも良く、これらを含有する天然物もしくはその加工品でも良いが、ガレート型カテキンの純度として45重量%以上の茶抽出物を使用することが好ましい。前記ガレート型カテキンの純度は、より好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。このようなガレート型カテキンの市販品としては、太陽化学(株)「サンフェノン」、三井農林(株)「ポリフェノン」などが挙げられる。
本発明では、ガレート型カテキンの純度が45重量%以上の茶抽出物を使用することで、マスキング効果が十分となるだけでなく、茶の風味が抑えられて、豆乳の風味が良好となる。
なお、茶抽出物(チャ抽出物)とは、茶の葉から得られたカテキン類を主成分とするものをいう。詳しくは、カメリア属(Camellia属)の葉より製した茶より、室温時、温時又は熱時、水、酸性水溶液、含水エタノール、エタノール、含水メタノール、メタノール、アセトン、酢酸エチル又はグリセリン水溶液で抽出したものより得られたものである。
本発明の豆乳は、前記原料大豆を磨砕する以前の製造段階で前記ガレート型カテキンが原料大豆と混合されて得られる点にも特徴がある。
豆乳の製造工程としては、例えば、以下の(1)〜(4)のような工程に分けられる。
(1)原料大豆を水に一定の時間浸漬させて膨潤させる工程(膨潤工程)
(2)膨潤した原料大豆をミキサーなどで磨砕する工程(磨砕工程)
(3)大豆磨砕物に水を追加して加熱する工程(加熱工程)
(4)加熱処理物を濾過布などにより圧搾濾過し、おからと豆乳とに分ける工程(濾過工程)
本発明においても、上記の工程にしたがって豆乳を製造するが、前記(2)磨砕工程以前の段階、即ち、膨潤工程または膨潤した原料大豆をミキサーなどで磨砕するまでの段階で、ガレート型カテキンを前記原料大豆と混合しておくことで、得られる豆乳中においてタンパク質の凝集・沈殿を顕著に低減させることが可能になる。
前記ガレート型カテキンを原料大豆に添加する方法としては、具体的には、原料大豆の浸漬水中に添加する、水に浸漬させた後に添加する、磨砕工程直前に添加する、などの方法がある。
一方、前記のように磨砕後から圧搾濾過前の処理物や圧搾濾過後に得られる豆乳中に、ガレート型カテキンを添加して混合すると、いずれの場合も凝集・沈殿が豆乳中に生じてしまう。
また、本発明の豆乳には、所望により、消泡剤、増粘多糖類、糖質、果汁、野菜汁、茶類、コーヒー、アルコール類、酸味料、炭酸ガス、香料、着色料、食物繊維、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸、油脂、乳化剤、高甘味度甘味料(人工甘味料)等の任意成分を添加してもよい。これらの任意成分を適宜選択することで、嗜好性の幅を広げることができる。
前記任意成分は、嗜好性や物理的安定性に悪影響を与えない範囲で使用すればよい。
なお、前記任意成分は、前記(1)〜(4)の製造工程の任意の段階で添加すればよい。
また、前記(1)浸漬工程での原料大豆の水中への浸漬時間や温度、
前記(2)磨砕工程でのミキサーの種類、磨砕時の温度、磨砕後の大豆の状態、
前記(3)加熱工程での、大豆磨砕物と水との量比、加熱温度と加熱時間、
前記(4)濾過工程での、濾過布の種類、圧搾濾過での圧搾力、温度
などの各条件については、一般の豆乳の製造条件と同じであればよく、特に限定はない。
以上のようにして得られる本発明の豆乳は、青臭みが低減され、しかもガレート型カテキンと大豆タンパクを含有するにも関わらず沈殿や凝集が生じないという安定性に優れたものである。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではない。尚、以下の実施例の記載中、「部」は重量部を意味する。
(比較例1)
大豆20部を水80部に一晩、室温で浸漬させて膨潤させた。続いて全量をミキサーにて磨砕し、水40部を追加して、80℃で1時間加熱した。その後、濾過布を用いて圧搾濾過しておからを除去し、豆乳100部を得た。
(実施例1)
大豆20部を、茶抽出物(商品名:サンフェノン90S、ガレート型カテキン純度66重量%、太陽化学株式会社製、以下同じ)0.4部を溶解させた水80部に一晩、室温で浸漬させて膨潤させた。続いて全量をミキサーにて磨砕し、水40部を追加して、80℃で1時間加熱した。その後、濾過布を用いて圧搾濾過しておからを除去し、豆乳100部を得た。得られた豆乳は、ガレート型カテキンを含有しながら、苦渋味や茶の風味はなく、凝集・沈殿もない安定性に優れた豆乳であった。
(実施例2)
大豆20部を水80部に一晩、室温で浸漬させて膨潤させた。続いて茶抽出物0.4部を添加混合し、全量をミキサーにて磨砕し、水40部を追加して、80℃で1時間加熱した。その後、濾過布を用いて圧搾濾過しておからを除去し、豆乳100部を得た。得られた豆乳は、ガレート型カテキンを含有しながら、苦渋味や茶の風味はなく、凝集・沈殿もない安定性に優れた豆乳であった。
(比較例2)
大豆20部を水80部に一晩、室温で浸漬させて膨潤させた。続いて全量をミキサーにて磨砕し、その後、茶抽出物0.4部を添加混合し、水40部を追加して、80℃で1時間加熱した。その後、濾過布を用いて圧搾濾過しておからを除去し、豆乳100部を得た。
(比較例3)
大豆20部を水80部に一晩、室温で浸漬させて膨潤させた。続いて全量をミキサーにて磨砕し、水40部を追加して、80℃で1時間加熱した。その後、茶抽出物0.4部を添加混合し、濾過布を用いて圧搾濾過しておからを除去し、豆乳100部を得た。得られた豆乳は白色が薄く、しばらく経つと白色粒子は沈降してしまった。また、圧搾濾過した残渣には、おからと共に凝集物が多数確認された。
(比較例4)
比較例1で得られた豆乳100部に対して茶抽出物0.4部を添加混合した。すると、豆乳はただちに凝集した。
[試験例1]
比較例1および実施例1で得られた各試料(豆乳)について、下記に示す固相マイクロ抽出−ガスクロマトグラフ質量分析法(SPME−GC−MS法)にて分析した。図1に、得られたトータルイオンクロマトグラム(TIC)の比較を示した。各クロマトグラムのイオン強度は、1.5×108が100%になるように設定している。
尚、各ピークは以下の成分である。
保持時間 :成分
≪5:21≫:n−ヘキサナール
≪10:08≫:2−ペンチルフラン
≪14:03≫:n−ヘキサノール
≪16:43≫:1−オクテン−3−オール
n−ヘキサナールおよびn−ヘキサノールのピークが、実施例1(図中、No.2)では比較例1(図中、No.1)に比べて明らかに減少していることが確認できる。また、2−ペンチルフラン、1−オクテン−3−オールに関してはほぼ変化していないことがわかる。
続いて、内部標準物質としてシクロヘキサノン(Cyclohexanone)を1.0ppm、比較例1、2、4および実施例1、2の各試料(豆乳)に添加し、下記分析方法に従って分析を行なった。得られたクロマトグラムの内部標準物質のピーク面積値に基づき、n−ヘキサナールおよびn−ヘキサノールを各ピーク面積値から定量した。各成分量を、比較例1の値を100としたときの相対値によって評価した。結果を表1に示す。
<分析方法>
・測定方法:試料4.00±0.04g をヘッドスペース用バイアル瓶(20mL容量)に採取し、セプタム付キャップにて密栓した。次に、前記バイアル瓶のヘッドスペース部分にSPMEファイバーを投入し、揮発成分を抽出した。その後、GC−MS計のサンプル注入口に前記SPMEファイバーを入れ、キャピラリーカラムへ抽出成分を導入し、質量分析を行なった。
・SPME条件:ファイバー(50/30μm, DVB/CAR/PDMS、スペルコ社製)、予備加熱(65℃、3分)、吸着時間(30分)、脱着時間(5分)、注入口温度(250℃)
・GC−MS条件:GC−MS計(JMS−Q1000GC K9、日本電子社製)、カラム(Inter−cap WAX、0.25mmid×30m、膜厚0.25μm、GLサイエンス社製)、温度条件(40℃で5分→230℃まで5℃/分→230℃で5分)、スプリット(比:5.6)、キャリアガス(ヘリウム)
[試験例2]
5名のパネラーによる、豆乳臭の官能試験を行なった。下記に示す官能評価方法によって得られた結果を表1に示す。
<官能評価方法>
5名のパネラーが、下記に示す内容に従って豆乳臭の強度を3段階評価し、その平均値を四捨五入して整数で表したものを評点とする。
強度:内容
1:豆乳臭をほとんど感じない。
2:豆乳臭を感じる。
3:豆乳臭を強く感じる。
Figure 2013074802
表1に示す結果より、実施例1、2で得られた豆乳は、青臭み成分であるn−ヘキサナールおよびn−ヘキサノールの量が、共に比較例1のものに比べて顕著に低減されていることがわかる。この結果は官能評価結果とも一致し、青臭み成分の低減により豆乳臭が低減していることがわかる。また、実施例1、2で得られた豆乳と、比較例2、4で得られた豆乳とを比べると、青臭み成分であるn−ヘキサノールが顕著に低減されていることがわかる。
これらの結果より、豆乳臭の低減にはガレート型カテキンの添加を原料大豆を磨砕する以前の段階で行なうことが効果的であるといえる。
また、比較例2、4の結果より、磨砕工程以降でのガレート型カテキンの添加は、豆乳の凝集・沈殿を引き起こしてしまうことがわかる。
(実施例3)
実施例1において、茶抽出物の代わりにEGCg(商品名:サンフェノンEGCg、ガレート型カテキン純度95重量%以上、太陽化学株式会社製、以下同じ)0.3部を添加し、実施例1と同様にして豆乳100部を得た。試験例1に従い、測定結果を表2に示す。
(実施例4)
大豆20部を、茶抽出物0.2部を溶解させた水80部に一晩、室温で浸漬させて膨潤させた。続いて全量をミキサーにて磨砕し、水80部を追加して、80℃で1時間加熱した。その後、濾過布を用いて圧搾濾過しておからを除去し、豆乳130部を得た。試験例1に従い、測定結果を表2に示す。
(比較例5)
大豆20部を、茶抽出物0.1部を溶解させた水80部に一晩、室温で浸漬させて膨潤させた。続いて全量をミキサーにて磨砕し、水80部を追加して、80℃で1時間加熱した。その後、濾過布を用いて圧搾濾過しておからを除去し、豆乳130部を得た。試験例1に従い、測定結果を表2に示す。
(比較例6)
大豆20部を、市販の緑茶飲料160部に一晩、室温で浸漬させて膨潤させた。続いて全量をミキサーにて磨砕し、80℃で1時間加熱した。その後、濾過布を用いて圧搾濾過しておからを除去し、豆乳130部を得た。得られた豆乳は、茶の風味を感じるものであった。試験例1に従い、測定結果を表2に示す。
(比較例7)
大豆20部を、ぶどう果皮抽出物(商品名:グレープアクティブ ホワイトM、FERCO社製)0.2部を溶解させた水80部に一晩、室温で浸漬させて膨潤させた。続いて全量をミキサーにて磨砕し、水80部を追加して、80℃で1時間加熱した。その後、濾過布を用いて圧搾濾過しておからを除去し、豆乳130部を得た。試験例1に従い、測定結果を表2に示す。
Figure 2013074802
尚、各種原料のガレート型カテキン量は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による検量線法によって定量したECg、EGCg、Cg、GCgの総量から算出した。HPLC分析条件を下記に示す。
カラム:逆相用カラム「COSMOSIL Cholester」(ナカライテスク、4.6mmi.d.×250mm)
移動相:A;H2O(0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)), B;アセトニトリル(0.1%TFA)
流速:1mL/min
注入:10μL
検出:280nm
勾配(容量%):95%A/5%Bから70%A/30%Bまで25分間、70%A/30%Bから100%Bまで2分間、100%Bで8分間(全て直線)
検量線は、各種標準品、ECg、EGCg、Cg、GCg(全て和光純薬社製)を用いて作成した。また、各カテキン類のリテンションタイムと、没食子酸、カフェインのリテンションタイムには重なりがないことを確認した。
表2の結果より、実施例1、3、4で得られた豆乳は、いずれも比較例1のものと比べて、n−ヘキサナール、n−ヘキサノールが顕著に低減されていることがわかる。
一方、比較例5の豆乳では、n−ヘキサノールが低減されておらず、比較例6、7の豆乳は、n−ヘキサナール、n−ヘキサノールの両方ともほとんど低減されていないことがわかる。

Claims (3)

  1. ガレート型カテキンを含有する豆乳であって、前記ガレート型カテキンの量が原料大豆の量に対して0.6〜5.0重量%であり、かつ、前記原料大豆を磨砕する以前の製造段階で前記ガレート型カテキンが原料大豆と混合されて得られることを特徴とする豆乳。
  2. ガレート型カテキンがガレート型カテキン純度45重量%以上の茶抽出物である請求項1記載の豆乳。
  3. 原料大豆を磨砕する以前の製造段階でガレート型カテキンを原料大豆と混合する工程を有することを特徴とする請求項1または2記載の豆乳の製造方法。
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