JP2013168489A - プラズマ処理装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

プラズマ処理装置および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被処理基板の面内での加工ばらつきを抑制できるようにする。
【解決手段】実施形態によれば、被処理基板を保持する基板支持電極3と、前記基板支持電極に高周波出力を印加する高周波電源5a、5bと、前記基板支持電極と対向配置された誘電体板7と、前記誘電体板を挟んで前記基板支持電極に対向して配置される対向電極8とを備える。前記対向電極は、前記誘電体板と接するように配置され孔部9bを有する第1電極板9と、可動機構12により移動可能に設けられ前記第1電極板の前記孔部を補完する度合いを変更可能な第2電極板10とを備える。
【選択図】図

Description

本発明の実施形態は、プラズマ処理装置および半導体装置の製造方法に関する。
プラズマ処理装置として、例えば静電結合型RIE(reactive ion etching)装置は、内部を真空に維持するチャンバー内に、半導体ウエハを保持する基板支持電極およびこの基板支持電極と対向する対向電極を配置している。基板支持電極には、例えば60MHzおよび13.56MHzの各高周波電源がインピーダンス整合器を介して接続されている。チャンバーにはエッチング用のガスが導入される導入口が形成されている。
このようなRIE装置にて、所定のチャンバー内気圧、塩素および酸素のエッチングガス流量を所定流量とし、60MHzの高周波出力が大きい条件にて所定の高周波パワーを印加してプラズマを生成し、半導体ウエハをエッチングする。このとき、チャンバー内のプラズマ分布は、定在波の影響により基板支持電極中央部の密度が高く周辺に向かって低くなる傾向にある。このため、基板支持電極に載せた半導体ウエハ上の被エッチング膜のエッチングレートは、中央部で大きく周辺部に向かって小さくなり、半導体ウエハ上での加工ばらつきが発生する不具合があった。
特開2008−277583号公報
そこで、高周波を印加して半導体ウエハを加工する場合に、半導体ウエハ上での加工ばらつきを抑制できるようにしたプラズマ処理装置および半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本実施形態のプラズマ処理装置は、プラズマ空間を形成する処理室と、前記処理室内に設けられ被処理基板を支持する基板支持電極と、前記基板支持電極に高周波出力を印加する高周波電源と、前記処理室内に設けられ前記基板支持電極と対向配置された誘電体と、前記誘電体を挟んで前記基板支持電極に対向して配置される対向電極とを備え、前記対向電極は、前記誘電体と接するように配置され孔部を有する第1電極板と、可動機構により移動可能に設けられ前記第1電極板の前記孔部を補完する度合いを変更可能な第2電極板とを備えたことを特徴とする。
第1実施形態の模式的な全体構成図 対向電極の回転位置を示す図で(a)は第1電極板の平面図、(b)は第2電極板の平面図、(c)は孔部の断面図 基板支持電極と対向電極との間の容量分布図 被加工基板の(a)中央部と(b)周辺部のエッチング深さを示す図 第2電極板の回転位置を変えた場合の図2相当図 第2電極板の回転位置を変えた場合の図3相当図 第2電極板の回転位置を変えた場合の図4相当図 第1電極板の孔部の状態が(a)全閉の場合(従来相当)、(b)孔部の補完状態を図2のように設定した場合、(c)は孔部の補完状態を図5のように設定した場合の基板支持電極と対向電極との間のプラズマ分布図 膜のエッチングをする場合の被加工基板の(a)中央部と(b)周辺部のエッチング状態を示す図 第2実施形態の模式的な全体構成図 基板支持電極と対向電極との間の容量分布図 第2電極板の上下位置を変えた場合の模式的な全体構成図 第2電極板の上下位置を変えた場合の基板支持電極と対向電極との間の容量分布図 第3実施形態を示す対向電極の(a)第1電極板および(b)第2電極板の平面図 第4実施形態を示す模式的な全体構成図 その他の実施形態を示す第1電極板の孔部の種々の変形例の図
(第1実施形態)
以下、第1実施形態について、RIE装置に適用した例を図1〜図9を参照して説明する。図1はRIE装置1の全体構成を概略的に示している。このRIE装置1は、2周波重畳印加方式の静電結合型のプラズマエッチング装置として構成されている。プラズマ空間を形成するための処理室としてのチャンバー2は、アルミニウムなどの導電性の材料を有底円筒状に形成したもので、電気的に接地されている。
チャンバー2の底面部には被処理基板である半導体ウエハWを保持するための基板支持電極3が設けられている。基板支持電極3には、静電吸着により半導体ウエハWを保持する静電チャックが設けられると共に、処理中の半導体ウエハWの温度を制御するための温度調整部が設けられている。基板支持電極3は、電源部4から高周波電力が供給される。電源部4には、第1高周波電源5a、第2高周波電源5b、およびインピーダンス整合器6が設けられる。第1高周波電源5aは第1高周波として60MHzの高周波電圧を出力し、第2高周波電源5bは第2高周波として13.56MHzの高周波を出力する。インピーダンス整合器6は、第1高周波電源5aおよび第2高周波電源5bの出力を重畳させて基板支持電極3に印加する。
チャンバー2の上部には、基板支持電極3と対向するように例えば石英板からなる誘電体板7が設けられ、その上面に誘電体板7と接するように対向電極8が設けられている。誘電体板7は、チャンバー2内部で発生するプラズマから対向電極8を保護するために設けられている。対向電極8は、第1電極板9および第2電極板10を上下に重ねた構成とされ、両者共に接地されている。第2電極板10は中央部に回転軸11が上方に突出して設けられ、この回転軸11には可動機構12が接続されている。第2電極板10は可動機構12の駆動により回転軸11を中心として回転移動可能に設けられている。なお、誘電体板7の代わりに電極表面に酸化などにより誘電体膜を形成して対向電極8を保護しても良く、この場合、表面に誘電体膜が形成された電極の裏面側から後述する多数の孔部を設けて対向電極8の第1電極板9とすれば良い。
第1電極板9および第2電極板10は、図2(a)、(b)に示す平面図のように、中心位置にガス供給口9a、10aが形成されると共に、このガス供給口9a、10aを中心として所定半径毎に、周方向に一定の角度を存して周期的に切り抜かれた円形をなす孔部9b、10bが多数形成されている。第1電極板9の孔部9bと、第2電極板10の孔部10bとは同じ位置で同じ径で表面側から裏面側まで貫通するように形成されており、形成位置はガス供給口9a、10aを中心とした3つの同心円上にそれぞれ所定間隔(角度)を存した位置とされている。これら孔部9b、10bは、ガス供給口9a、10aよりも径が大きく、第1電極板9に対する第2電極板10の回転位置によって基板支持電極3との間の静電容量の分布状態を変化させるためのものである。可動機構12を駆動させて第2電極板10を例えばθ1だけ回転移動させることで、図2(c)に示すように、第1電極板9の孔部9bと第2電極板10の孔部10bとの重なり具合(補完の度合い)を変化させることができ、これによって開口させる幅寸法d1を変えて、対向する基板支持電極3との間の静電容量の分布を部分的に変化させることができる。
チャンバー2にはガス供給管13が接続されており、ガス供給源14からガス供給管13を通じてチャンバー2内部に所定の処理ガスが供給される。チャンバー2内においては、ガス供給管13から供給されるエッチング用の所定の処理ガスが、対向電極8の第2電極板10および第1電極板9の各ガス供給口10a、9aおよび誘電体板7のガス供給口7aを介して内部空間に導入される。また、チャンバー2には排気管15が接続されており、この排気管15を通じて真空排気装置16が接続されている。真空排気装置16は、一般的な粗引き用ポンプと高真空に真空引きする分子ターボポンプなどを組み合わせた構成で、チャンバー2内を所定の真空度まで減圧させるものである。
次に、上記構成の作用について説明する。
エッチングの対象となる半導体ウエハWは、例えば上面にシリコン酸化膜などの膜Fが形成されている。この半導体ウエハWに対して、例えば膜Fおよび半導体ウエハWの基材であるシリコン基板をエッチングしてラインアンドスペースパターンに加工することで素子分離用の溝を形成する。このエッチングに先立って、膜F上には、半導体ウエハWをラインアンドスペースパターンに加工するためのレジストパターンが形成されており、そのレジストパターンをマスク材としてエッチングを行う。
半導体ウエハWは、基板支持電極3上に載置され、静電チャックなどの手段により固定される。真空排気装置16によりチャンバー2内が所定の真空度に達するまで排気され、その後、所定の処理ガスがチャンバー2の内部に導入される。このときチャンバー2内は、内気圧40mTorr(5.33Pa)とされ、処理ガスとして塩素(Cl)および酸素(O)がガス供給管13から供給される。ここで処理ガスの流量は例えばCl/O=100/5sccmとしている。また、第1高周波電源5aの第1高周波の出力と第2高周波電源5bの第2高周波出力とを、第1高周波である60MHzの高周波出力が大きい条件となるように、1000W/200Wとして設定して半導体ウエハWをエッチングする。
この場合、上記の条件にてエッチングを実施するときに、対向電極8の第1電極板9に対する第2電極板10の回転位置をどのように設定するかによってチャンバー2内部のプラズマ空間に発生するプラズマの密度分布を変化させることができる。例えば、従来と同等の状態すなわち孔部9bが形成されていない状態に相当する位置(回転位置を調整して孔部9bが第2電極板10により全閉状態としたときの位置)では、基板支持電極3と対向電極8との間のプラズマ空間における静電容量の分布が平坦(フラット)になる。この場合には、図8(a)に示すように、定在波の影響により半導体ウエハWの中央部Wcにおいてプラズマの密度分布が高く、周辺部Wpにおいて密度分布が低い状態となる。
これに対して、図2に示すように、対向電極8の第2電極板10を、可動機構12により角度θ1だけ回転移動させて、第1電極板9との相対的な位置関係が図2(c)に示す状態つまり孔部9b、10bの重なり度合いが半分程度となって開口幅がd1である場合(半開状態)には、図3に示すように、対向電極8の中央部において基板支持電極3との間の静電容量が減少された静電容量の分布状態となる。この結果、基板支持電極3と対向電極8との間のプラズマ空間に発生するプラズマの密度分布は図8(b)に示すようにほぼ全領域にわたって均一となり、平坦なプラズマ密度分布状態が得られる。
このような対向電極8の回転位置でのエッチング処理では、半導体ウエハWは、中央部Wcから周辺部Wpにわたりほぼ同じエッチング速度でエッチングすることができ、図4(a)、(b)に示すように、両者のエッチング深さHc1、Hp1はほぼ同じとなる。これは、中央部において静電容量が周辺部よりも相対的に小さくなっているため、プラズマの発生密度を低下させる効果があり、これによって全体的にほぼ均一なプラズマの密度分布を得ることができるからである。
また、図5(a)〜(c)に示すように、第2電極板10を回転させて角度θ1よりも小さい回転角度θ2(<θ1)に設定した場合には、孔部9bと孔部10bとの位置がほぼ同じ(開口幅がd2で全開に近い状態)となる。これにより、孔部9bから孔部10bまで対向電極8に貫通穴ができた状態となり、この部分での容量が小さくなり、全体として図6に示すような静電容量の分布状態となる。周辺部の静電容量に対して中央部では図3に示したレベルよりも小さくなっている。この結果、基板支持電極3と対向電極8との間のプラズマ空間におけるプラズマ密度分布は、図8(c)に示すように、周辺部の密度に対して中央部で低くなる分布状態となる。
この結果、この条件でエッチング工程を行った場合には、図7に示すように、半導体ウエハWの中央部Wcでエッチング深さHc2が小さく、周辺部Wpでエッチング深さHp2が大きくなる。エッチング量の分布は従来方式の分布と逆転する傾向となるが、このような条件でのエッチングは、例えば、従来方式でエッチング工程を行なって中央部でのエッチング量が多くなってしまった半導体ウエハWに対してこれを調整する目的で用いることができる。
このように、可動機構12を駆動させて第2電極板10の孔部10bの位置を所定角度に回転させることで、基板支持電極3との間の静電容量の分布を調整し、プラズマ密度分布を図8(a)〜(c)に示しているように、所望する分布パターンに設定することができる。これによって、プラズマ密度分布を図8(b)のように半導体ウエハWの中央部から周辺部に渡って均一な状態に設定する使い方ができる。また、個々の半導体ウエハWの状態や、エッチング工程の内容に応じて図8(a)あるいは図8(c)のような不均一なプラズマ密度分布となるように変更設定して用いることができる。
次に、図9を参照して、上記したRIE装置1を用いた上記とは異なる半導体ウエハWoのエッチング処理工程について説明する。被処理基板である半導体ウエハWoとしてシリコン基板上に第1絶縁膜Fa、被加工膜としての第2絶縁膜Fbを形成したものを用い、第2絶縁膜FbをレジストパターンRをマスク材としてエッチング処理する。第2絶縁膜Fbは、第1絶縁膜Faをエッチングストッパとして選択的にエッチング処理が行えるものである。レジストパターンRは、第2絶縁膜Fbに開口部Pを形成するようにパターニングされている。このエッチング工程では、第1エッチングステップと第2エッチングステップとからなり、第1エッチングステップとして通常のエッチングを行い、続く第2エッチングステップとしてオーバーエッチングを行う。
図9(a)は、半導体ウエハWoの中央部Wcにおける断面を示し、図9(b)は、半導体ウエハWoの周辺部Wpにおける断面を示している。前述したようにRIE装置1によりエッチング(第1エッチングステップ)を行うと、チャンバー2内のプラズマ密度分布によっては、図9(a)、(b)に示しているように、半導体ウエハWoの中央部Wcと周辺部Wpとでエッチング速度に差が発生することがある。これによって、例えば半導体ウエハWoの中央部Wcにおいては第2絶縁膜Fbがエッチングされて第1絶縁膜Faが露出する状態となっているのに対して、周辺部Wpにおいてはまだ第2絶縁膜Fbが完全にエッチングされずエッチング残り部Fbbが発生している。
これに対して、続いて第2エッチングステップとしてオーバーエッチング処理を行うことで半導体ウエハWoの全域にわたって第2絶縁膜Fbに開口Pを確実に形成することができる。ここで、それまでのエッチング条件からオーバーエッチング用の条件に変更するが、オーバーエッチングをする際には、エッチング対象である第2絶縁膜Fbが少なく、エッチングによる生成物の発生も少ないことを考慮してオーバーエッチング用の条件が設定される。
このとき、同時に、半導体ウエハWoの中央部Wcと周辺部Wpとでエッチング量に差が発生することを考慮して、対向電極8の第2電極板10の位置を可動機構12により移動させて、プラズマ密度分布を変更設定し、最初のエッチング条件で予想される不均一なエッチング状態を修正するような設定とすることができる。
このような第1実施形態によれば、対向電極8として、第1電極板9に対して可動機構12により回転可能に設けた第2電極板10で回転位置を変更設定することで基板支持電極3との間の静電容量の分布を調整し、プラズマ密度分布が半導体ウエハWの全面にわたって平坦な分布となる条件を得ることができ、さらにはプラズマ密度分布が中央部で低く周辺部で高くなるような条件も得ることができる。
これにより、エッチング対象となる半導体ウエハWの中央部Wcと周辺部Wpとでエッチング量が異なる不具合を解消することができる。また、一旦不具合が発生した半導体ウエハWにおいても、プラズマ密度分布を中央部で低く周辺部で高くなるような設定をして再度エッチング工程を実施することで修復することができる。
そして、通常のエッチングとオーバーエッチングを行う場合に限ることなく、エッチング工程を複数ステップに分けてステップ毎に条件が設定されるようなエッチング処理においても、各ステップにおけるエッチング条件に適合するプラズマ密度分布を得るように対向電極8の第2電極板10を回転させて変更設定することができ、より適切なエッチング工程を確立することができる。
(第2実施形態)
図10〜図13は第2実施形態を示すもので、以下、第1実施形態と異なる部分について説明する。このRIE装置20においては、対向電極8に代えて、対向電極21を設けている。対向電極21は、第1電極板22と第2電極板23とを備えるが、第2電極板23は第1電極板22に対して回転移動するのではなく上下移動する構成である。第2電極板23は、支持部24を介して可動機構25により上下移動可能に設けられている。
第1電極板22には第1実施形態と同様にして孔部22aが形成されており、第2電極板23には第1電極板22の孔部22aに対応する位置に挿入される金属製の挿入凸部23aが設けられている。第2電極板23が下がった状態で第1電極板22と接する位置にあるときには、第2電極板23の挿入凸部23aが第1電極板22の孔部22aに貫通状態で挿入されている。第2電極板23を可動機構25により上方に移動させると、挿入凸部23aは孔部22aから抜けていき、孔部22a内に高さg1の空間部が形成される。
上記のようにして孔部22a内の空間部の高さgが変化されることで、基板支持電極3と対向電極21との間の静電容量の分布を変化させることができる。例えば図示の孔部22aの空間部の高さがg1の場合には、図11に示すような静電容量の分布となり、第1実施形態と同様に静電容量の分布を変更することでプラズマ密度分布を図8(b)のように設定することができる。
また、図12に示すように、第2電極板23を可動機構25により更に上昇させて第1電極板22の孔部22aに形成する空間部の高さをg2とすると、図13に示すように基板支持電極3の中央部側において静電容量を大きく下げた条件に設定することができる。これにより、プラズマ密度分布を図8(c)のように中央部で低く、周辺部で高く設定することができる。
このように、対向電極21の第2電極板23を可動機構25により上下動させることで、挿入凸部23aの孔部22aへの挿入度合いを調整して対向電極21と基板支持電極3との間の静電容量の分布を変化させ、これによってプラズマ密度分布を半導体ウエハWの全面に渡って平坦な条件あるいは中央部で低くする条件を設定することができ、第1実施形態と同等の効果を得ることができる。
また、この構成によってもエッチングステップ毎に第2電極板23の上下位置を制御して静電容量の分布を調整することでプラズマ密度分布を代えてエッチングステップを実施することができる。
(第3実施形態)
図14は第3実施形態を示すもので、第1の実施形態と異なるところは、次の点である。図14(a)には、対向電極を構成する第1電極板30が示され、図14(b)には、第2電極板31の構成が示されている。第1電極板30には、所定半径の円周上に処理ガスを導入するための多数の孔部30aが所定間隔で形成されている。図示のものでは、例えば2つの同心円の周上にガス導入用の孔部30aが形成されている。また孔部30aが並べられた円周の間および外周側の外の所定半径の円周上に、電極中心に対して周方向に周期的に切り抜かれた静電容量調整用の孔部30bが所定間隔で形成されている。
第2電極板31は、中心部32、内周部33および外周部34の3つの部分に分割されている。これら3つの部分32〜34は、第1電極板30の孔部30aの形成位置を上部側に連通させる隙間を設けて同心状に配置されている。中心部32は円板状に形成され、内周部33および外周部34は孔部30bに対応する位置に孔部31bが形成されている。内周部33および外周部34は、それぞれ独立して回転可能に設けられており、それぞれの孔部31bと第1電極板30の孔部30bとの重なり度合いを独立して調整可能である。
なお、図示はしていないが、内周部33および外周部34には、これらを独立して回転駆動させるための可動機構が設けられている。また、中心部32、内周部33および外周部34の間に隙間が形成されていて、その隙間に第1電極板30の孔部30aが対向するように位置されている。これにより、内周部33、外周部34の回転位置にかかわらず第1電極板30の孔部30aは、常にガス供給側からチャンバー2内のプラズマ空間に隙間を通じて連通した状態とされ、処理ガスの供給が妨げられることはない。
このような第3実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて次の効果が得られる。すなわち、対向電極を第1電極板30と3部分に分割した第2電極板31(32〜34)とから構成し、個別に可動機構により内周部33および外周部34を回転移動可能な構成としたので、静電容量の分布を中央部とその周辺部とでさらに細分して設定することができ、これによってプラズマ密度分布の設定の制御性もさらに高められる。
また、第2電極板31の中央部32、内周部33および外周部34のそれぞれの間に隙間を設け、第1電極板30のガス供給口30aを常に第2電極板31の隙間と連通可能としているので、回転位置に応じて処理ガスの流通の度合いが変化されることなく安定したガス供給を行うことができる。
(第4実施形態)
図15は第4実施形態を示すもので、第2実施形態と異なるところは、対向電極41の構成である。このRIE装置40においては、図15に示すように、対向電極41を、第1電極板42と内外に分割した2つの第2電極板43、44とにより構成し、一方の第2電極板43は支持部45を介して可動機構46により上下動可能とし、他方の第2電極板44は支持部47を介して可動機構48により上下動可能とした。
これにより、第1電極板42に形成した孔部42a、42bのうち、外周側の孔部42aは第2電極板43を上下動させると挿入凸部43aが孔部42a内を移動して基板支持電極3との間の静電容量が変化する。第1電極板42の内周側の孔部42bは第2電極板44を上下動させると挿入凸部44aが孔部42b内を移動して基板支持電極3との間の静電容量が変化する。
このような第4実施形態によっても、第2実施形態の構成と同様の効果が得られると共に、基板支持電極3と対向電極41との間の静電容量の分布を中央部とその周辺部とでさらに細分して設定することができ、これによってプラズマ密度分布の設定の制御性も高められる。
なお、上記実施形態において、第2電極板44は、回転させるのではなく上下動させる構成であるから、円形のもの以外でも適用できる。また、孔部42a、42bも円形に限らず様々な形状に設定することができる。
さらに、2つの第2電極板43、44に分割するのではなく、3つ以上の第2電極板に分割する構成としても良い。
(他の実施形態)
図16(a)〜(d)は上記実施形態の対向電極の変形例を示している。
図16(a)は、対向電極の第1電極板51として、中央側に径の大きい孔部51aを形成し、周辺側に径の小さい孔部51bを形成したものである。これに対して、第2電極板は同じ位置に孔部を形成しても良いし、異なる形状あるいは異なる位置に形成することもできる。第2電極板を第1実施形態と同様にして回転移動させて孔部51a、51bの開口度合いを調整することで、基板支持電極との間の静電容量の分布を調整することができる。これにより、半導体ウエハの中央部と周辺部とでプラズマ密度分布を調整してフラットな分布としたり、中央部が高く周辺部が低い状態としたり、あるいは中央部が低く周辺部が高い状態としたりすることができる。なお、この第1電極板51を用いる場合には、第2電極板を上下動させる第2実施形態の構成に適用することもできる。
図16(b)は、対向電極の第1電極板52として、四方向に所定間隔を存して長尺状(線状)の孔部52aを配置する構成である。これに対する第2電極板は、第2実施形態と同様に、孔部52a内に対応する形状の挿入凸部を挿通させる構成とすることができる。これにより、基板支持電極との間の静電容量の分布を調整することができる。なお、孔部52aは、図示の配置状態に限らず、外周側に向かうにしたがって長さを長くすることもできる。
同様に、図16(c)は、第1電極板53として、短い長尺状の孔部53aを格子状に配置している。また、図16(d)は、同心状に配置された円弧状の孔部54aを設けたものである。いずれの構成においても、第2実施形態と同様に、第2電極板側に孔部53a、54aと同じ位置に挿入凸部が設けられて上下動されることで静電容量の分布を調整するものである。
上記の変形例に加えて次のような変形をすることができる。
高周波電源として第1高周波および第2高周波を、60MHzおよび13.56MHzに設定したが、適宜の周波数に設定することができる。また、高周波電源として2個の第1高周波電源5a、第2高周波電源5bを設ける構成のもので説明したが、1個の高周波電源を用いる構成の装置にも適用できる。
第1実施形態で、対向電極8の第1電極板9と第2電極板10の孔部9b、10bは同じ位置で同じ形状でも良いし、異なる形状、異なる位置としても良い。回転移動により孔部の開口度合い(補完の度合い)を調整することで静電容量の調整が可能な構成であれば良い。
第2実施形態では、対向電極21の第2電極板23に設ける挿入凸部23aを金属製のものとしたが、誘電体製のものとすることもできる。
上記他の実施形態で示したものに限らず、静電容量の分布を変更可能な構成であれば、適宜の孔部の形状あるいは構成を採用することができる。さらには、各実施形態で示したような孔部のパターンを組み合わせて形成することもできる。
また、RIE装置以外のプラズマ処理装置にも適用することができる。そして、被処理基板に対するプラズマ処理工程を複数ステップに分けてステップ毎に条件が設定されるようなプラズマ処理を行う場合に、第2電極板を回転移動または上下動させて第1電極板の孔部を補完する度合いを変化させ、各ステップにおいてより適切なプラズマ処理条件が確立されるように被処理基板におけるプラズマ処理の処理量の分布を変更設定しても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図面中、1、20、40はRIE装置(プラズマ処理装置)、2はチャンバー(処理室)、3は基板支持電極、4は電源部、5aは第1高周波電源、5bは第2高周波電源、6はインピーダンス整合器6、7は誘電体板、8、21、41は対向電極、9、22、30、42は第1電極板、9b、10b、22a、30b、31b、42a、42bは孔部、10、23、31、43、44は第2電極板、12、25、46、48は可動機構、14はガス供給部、16は排気部、23a、43a、44aは挿入凸部、W、Woは半導体ウエハ(被処理基板)である。

Claims (5)

  1. プラズマ空間を形成する処理室と、
    前記処理室内に設けられ被処理基板を支持する基板支持電極と、
    前記基板支持電極に高周波出力を印加する高周波電源と、
    前記処理室内に設けられ前記基板支持電極と対向配置された誘電体と、
    前記誘電体を挟んで前記基板支持電極に対向して配置される対向電極とを備え、
    前記対向電極は、前記誘電体と接するように配置され孔部を有する第1電極板と、可動機構により移動可能に設けられ前記第1電極板の前記孔部を補完する度合いを変更可能な第2電極板とを備えていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマ処理装置において、
    前記第1電極板は、電極中心に対して周方向に周期的に切り抜かれた複数の前記孔部を有し、
    前記第2電極板は、前記第1電極板の前記孔部と対応する部分に電極中心に対して周方向に周期的に切り抜かれた複数の孔部が設けられると共に前記可動機構により前記電極中心を回転中心として回転移動可能に設けられていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  3. 請求項1に記載のプラズマ処理装置において、
    前記第2電極板は、前記第1電極板の前記孔部と対応する部分にその孔部に嵌合する挿入凸部が形成されると共に前記可動機構により前記第1電極板との距離を変更可能に設けられ、前記孔部に嵌合する挿入凸部の挿入度合いを変更可能に構成されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のプラズマ処理装置において、
    前記第1電極板が有する前記孔部は、複数の丸孔、複数の線状孔、複数の円弧状孔、格子状パターンを形成する複数の孔のいずれかもしくはこれらを組み合わせた孔のパターンにより形成されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のプラズマ処理装置を用い、被処理基板に対するプラズマ処理を行う半導体装置の製造方法であって、
    前記被処理基板に対して第1のプラズマ処理を行う工程と、
    前記被処理基板に対して前記第1のプラズマ処理の後に、前記被処理基板に対して続けて第2のプラズマ処理を行う工程とを備え、
    前記被処理基板に対して前記第1のプラズマ処理の後に前記第2のプラズマ処理を実施する前に、前記可動機構により前記プラズマ処理装置の前記第2電極板を移動させて前記第1電極板の前記孔部を補完する度合いを変化させ、前記被処理基板におけるプラズマ処理の処理量の分布を変更設定することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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