JP2013167611A - 交流電圧検出回路,ヒーター制御装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】交流電源から入力した電圧をより簡易な回路構成で検出する。
【解決手段】交流電源10により入力端子62a,62bに印加された正の電圧により、第1制限回路71にツェナーダイオードZD1のツェナー電圧を超える分圧が印加されると、第1制限回路71が電流を許容して第1検出回路81のフォトトランジスタPT1がオンする。また、入力端子62a,62bに印加された負の電圧により、第2制限回路72にツェナーダイオードZD2,ZD3のツェナー電圧の合計値を超える分圧が印加されると、第2制限回路72が電流を許容して第2検出回路82のフォトトランジスタPT2がオンする。そのため、交流電源から入力した電圧を、フォトトランジスタPT1,PT2のオンオフで検出でき、交流電源10から入力した電圧をより簡易な回路構成で検出することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、交流電圧検出回路,ヒーター制御装置及び画像形成装置に関する。
従来より、電源から入力した電圧を検出する回路が知られている。例えば、特許文献1には、交流電源から入力した電圧を変圧するトランスと、変圧後の電圧を検出するフォトカプラーと、を備えた電源回路が記載されている。また、特許文献2には、交流電源から入力した電圧を変圧するトランスと、変圧後の電圧を検出する電圧検出回路と、を備えた電源回路が記載されている。
特開2009−268324号公報 特開2000−236662号公報
ここで、特許文献1,2に記載の装置では、トランスを介して変圧した後の電圧を検出しており、トランスがあることで回路全体の大きさや製造コストが増大してしまうという問題があった。また、トランスの有無に限らず、電圧検出回路においてなるべく回路構成を複雑にせずに、電圧を検出したいという要望があった。
本発明は、上述した課題に鑑みなされたものであり、交流電源から入力した電圧をより簡易な回路構成で検出することを主目的とする。
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の交流電圧検出回路は、
交流電源から入力した電圧を検出する交流電圧検出回路であって、
前記交流電源から電圧が印加される一対の入力端子と、
前記入力端子に印加された正の電圧が所定の第1閾値を超えているときに電流を許容すると共に、前記入力端子に印加された負の電圧の絶対値が前記第1閾値とは異なる所定の第2閾値を超えているときに電流を許容する制限回路と、
前記入力端子に正の電圧が印加されて前記制限回路が電流を許容したことを検出する第1検出回路と、
前記入力端子に負の電圧が印加されて前記制限回路が電流を許容したことを検出する第2検出回路と、
を備えたものである。
この本発明の交流電圧検出回路では、交流電源により一対の入力端子に印加された正の電圧が第1閾値を超えており制限回路が電流を許容すると、それを第1検出回路が検出する。また、交流電源により一対の入力端子に印加された負の電圧の絶対値が第2閾値を超えており制限回路が電流を許容すると、それを第2検出回路が検出する。そして、第1閾値と第2閾値とは値が異なっている。すなわち、交流電源から印加された電圧が正のときと負のときとで、第1閾値,第2閾値という異なる閾値で制限回路が電流を許容し、それを第1,第2検出回路が検出する。そのため、交流電源から入力した電圧が第1閾値と第2閾値とのいずれも超える場合と、いずれか一方のみ超える場合と、いずれも超えない場合とで、制限回路が電流を許容するか否かが変化し、第1,第2検出回路の検出結果も変化する。これにより、交流電源から入力した電圧を検出できる。例えば、第1閾値より第2閾値が大きい場合に、制限回路が電流を許容したことを第1検出回路及び第2検出回路が共に検出したときには、交流電源から入力した電圧が第2閾値を超えた、すなわち交流電源のピーク電圧が第2閾値より大きいことになる。制限回路が電流を許容したことを第1検出回路は検出したが第2検出回路は検出していないときには、交流電源から入力した電圧が第1閾値を超えたが第2閾値は超えなかった、すなわち交流電源のピーク電圧が第1閾値より大きく第2閾値以下であることになる。制限回路が電流を許容したことを第1検出回路及び第2検出回路がいずれも検出しなかったときには、交流電源から入力した電圧が第1閾値を超えなかった、すなわち交流電源のピーク電圧が第1閾値以下であることになる。このように、制限回路と第1,第2検出回路とを用いることで、交流電源から入力した電圧をより簡易な回路構成で検出することができる。
本発明の交流電圧検出回路において、前記制限回路は、前記一対の入力端子間に接続され、自身に印加された正の電圧が所定の第1電圧を超えているときに電流を許容する第1制限回路と、前記一対の入力端子間に前記第1制限回路と直列に接続され、自身に印加された負の電圧の絶対値が前記第1電圧とは異なる所定の第2電圧を超えているときに電流を許容する第2制限回路と、を有する回路であり、前記第1閾値は、前記第1制限回路に印加される正の分圧が前記第1電圧V1となるときの前記入力端子間の電圧であり、前記第2閾値は、前記第2制限回路に印加される負の分圧の絶対値が前記第2電圧V2となるときの前記入力端子間の電圧の絶対値であり、前記第1検出回路は、前記第1制限回路に正の電圧が印加されて該第1制限回路が電流を許容したことを検出する回路であり、前記第2検出回路は、前記第2制限回路に負の電圧が印加されて該第2制限回路が電流を許容したことを検出する回路であるものとしてもよい。
上述した第1制限回路と第2制限回路とを備える態様の本発明の交流電圧検出回路において、前記第1制限回路は、前記入力端子に正の電圧が印加されたときの高電位側にカソードが接続されると共に低電位側にアノードが接続されたツェナーダイオードを有し、前記第1電圧が該ツェナーダイオードのツェナー電圧に基づく値である回路であり、前記第2制限回路は、前記入力端子に負の電圧が印加されたときの高電位側にカソードが接続されると共に低電位側にアノードが接続されたツェナーダイオードを有し、前記第2電圧が該ツェナーダイオードのツェナー電圧に基づく値である回路であるものとしてもよい。こうすれば、ツェナーダイオードを用いて交流電源から入力した電圧をより簡易な回路構成で検出することができる。この場合において、前記第1制限回路は、前記ツェナーダイオードを1つ備えた回路としてもよく、その場合、前記第1電圧は、前記第1制限回路のツェナーダイオードのツェナー電圧であるものとしてもよい。また、前記第1制限回路は、前記ツェナーダイオードが直列に複数個接続されたものとしてもよく、その場合、前記第1電圧は、該直列に接続されたツェナーダイオードのツェナー電圧の合計値としてもよい。同様に、前記第2制限回路は、前記ツェナーダイオードを1つ備えた回路としてもよく、その場合、前記第2電圧は、前記第2制限回路のツェナーダイオードのツェナー電圧であるものとしてもよい。また、前記第2制限回路は、前記ツェナーダイオードが直列に複数個接続されたものとしてもよく、その場合、前記第2電圧は、該直列に接続されたツェナーダイオードのツェナー電圧の合計値としてもよい。
本発明の交流電圧検出回路において、前記第1検出回路は、前記一対の入力端子間に前記制限回路と直列に接続され、前記入力端子に正の電圧が印加されて前記制限回路が電流を許容したことを、自身を流れる電流に基づいて検出する回路であり、前記第2検出回路は、前記一対の入力端子間に前記制限回路と直列に接続され、前記入力端子に負の電圧が印加されて前記制限回路が電流を許容したことを、自身を流れる電流に基づいて検出する回路であるものとしてもよい。このように第1,第2検出回路を制限回路と直列に接続することで、制限回路が許容した電流が第1,第2検出回路自身に流れるため、制限回路が電流を許容したか否かを容易に検出することができる。
上述した第1検出回路及び第2検出回路が制限回路と直列に接続された態様の本発明の交流電圧検出回路において、前記第1検出回路と前記第2検出回路とが並列に接続されており、前記制限回路は、前記第1検出回路及び前記第2検出回路からみて前記並列の分岐点よりも前記入力端子側に接続されているものとしてもよい。この場合において、前記第1検出回路は、前記入力端子に正の電圧が印加されたときの高電位側にアノードが接続されると共に低電位側にカソードが接続された発光ダイオードとフォトトランジスタとからなるフォトカプラーを有しており、前記第2検出回路は、前記入力端子に負の電圧が印加されたときの高電位側にアノードが接続されると共に低電位側にカソードが接続された発光ダイオードとフォトトランジスタとからなるフォトカプラーを有していてもよい。こうすれば、フォトトランジスタのオンオフにより制限回路が電流を許容したか否かを容易に検出できる。また、第1検出回路と第2検出回路とが並列に接続され、しかも第1検出回路の発光ダイオードと第2検出回路の発光ダイオードとが逆向きに接続されているため、交流電源から印加された電圧が正負いずれの場合であっても、第1検出回路及び第2検出回路の発光ダイオードに印加される電圧は発光ダイオードの順方向電圧程度に抑えられる。このため、発光ダイオードに過電圧がかかるのを防止できる。さらに、交流電源から電圧が印加される発光ダイオードとフォトトランジスタとが絶縁されるため、例えば第1,第2検出回路の検出結果を用いる回路など、フォトトランジスタに接続される回路を交流電源から絶縁することができる。
上述した第1検出回路と第2検出回路とが並列に接続された態様の本発明の交流電圧検出回路は、前記一対の入力端子間に前記制限回路と直列に接続され、且つ前記第1検出回路及び前記第2検出回路からみて前記並列の分岐点よりも前記入力端子側に接続されている制限抵抗、を備えたものとしてもよい。こうすれば、交流電源からの電圧により制限回路や第1,第2検出回路に流れる電流を小さく抑えることができ、過電流を防止できる。また、第1検出回路及び第2検出回路からみて並列の分岐点よりも入力端子側に制限抵抗が接続されているため、第1検出回路及び第2検出回路のそれぞれに抵抗を直列に接続する場合に比して、抵抗を共通化できる。この場合において、前記制限抵抗は、前記交流電源から正の電圧が印加されたときにおける前記制限回路の高電位側に接続されているものとしてもよいし、低電位側に接続されているものとしてもよい。
本発明の交流電圧検出回路は、前記一対の入力端子間に前記制限回路と直列に接続された制限抵抗、を備えたものとしてもよい。こうすれば、交流電源からの電圧により制限回路に流れる電流を小さく抑えることができ、過電流を防止できる。この場合において、前記制限抵抗は、前記交流電源から正の電圧が印加されたときにおける前記制限回路の高電位側に接続されているものとしてもよいし、低電位側に接続されているものとしてもよい。
本発明のヒーター制御装置は、
交流電源から供給される電力により動作するヒーターを制御するヒーター制御装置であって、
上述したいずれかの態様の本発明の交流電圧検出回路と、
前記第1検出回路及び前記第2検出回路における前記検出の有無に基づいて、前記ヒーターの消費電力を制御する制御手段と、
を備えたものである。
この本発明のヒーター制御装置は、上述したいずれかの態様の本発明の交流電圧検出回路を備えているため、上述した本発明の交流電圧検出回路と同様の効果、例えば交流電源から入力した電圧をより簡易な回路構成で検出することができる効果が得られる。また、第1検出回路及び第2検出回路の検出の有無に基づいてヒーターの消費電力を制御するため、交流電源から入力した電圧の状態を検出し、各状態に応じたヒーターの制御を行うことができる。ここで、「ヒーターの消費電力を制御する」とは、例えばヒーターの電圧,電流及び抵抗値の少なくともいずれかを制御することとしてもよい。また、ヒーターの抵抗値の制御は、例えばヒーターが複数の負荷からなり、複数の負荷の直列又は並列の切り替えにより行うものとしてもよいし、複数の負荷のうちいずれに電流を流すかの切り替えにより行うものとしてもよい。また、前記制御手段は、前記第1検出回路及び前記第2検出回路における前記検出の有無に基づいて、前記制限回路が正の電圧と負の電圧とのいずれか一方のみに対して電流を許容する場合と、前記制限回路が正の電圧と負の電圧とのいずれに対しても電流を許容する場合とにおける、前記ヒーターの消費電力の変化を抑制するように該ヒーターを制御する手段としてもよい。
本発明の画像形成装置は、
上述した本発明のヒーター制御装置と、
液体を吐出して媒体に画像を形成するヘッドと、
前記交流電源から供給される電力により動作し、前記ヒーター制御装置によって消費電力が制御され、前記媒体を加熱して該媒体に吐出された前記液体を乾燥させるヒーターと、
を備えたものである。
この本発明の画像形成装置は、上述した本発明のヒーター制御装置を備えているため、上述した本発明のヒーター制御装置と同様の効果、例えば交流電源から入力した電圧をより簡易な回路構成で検出することができる効果や、交流電源から入力した電圧の状態を検出し各状態に応じたヒーターの制御を行うことができる効果が得られる。
本発明の一実施形態であるプリンター20の構成の概略を示す構成図。 ヒーター制御部61の回路図。 ピーク電圧Vm>第2閾値Vth2のときのグラフ。 第2閾値Vth2≧ピーク電圧Vm>第1閾値Vth1のときのグラフ。 第1閾値Vth1≧ピーク電圧Vmのときのグラフ。 変形例のヒーター制御部161の回路図。
次に、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態であるプリンター20の構成の概略を示す構成図である。図1には、カバー42及びヒーター45を除いた構成も示した。本実施形態のプリンター20は、インクジェット式のプリンターとして構成されており、図1に示すように、プラテン40上に搬送された印刷媒体S(例えば記録紙)に印刷ヘッド24から流体としてのインクを吐出して印刷を行う印刷機構21と、駆動モーター33による搬送ローラー35の駆動により印刷媒体Sがプラテン40上を通過するよう搬送方向(図中奥から手前)に印刷媒体Sを搬送する搬送機構31とを備えている。また、プリンター20は、プラテン40の図中右端に形成され印刷ヘッド24を封止するキャッピング装置41と、印刷機構21を覆うカバー42の裏面に取り付けられて印刷媒体Sを加熱するヒーター45と、プリンター20全体をコントロールするコントローラー50と、交流電源10(例えば商用電源など)に接続されプリンター20の各部に電力を供給する電源回路60と、交流電源10に接続されヒーター45を制御するヒーター制御部61と、を備えている。このプリンター20は、ヒーター45により加熱して乾燥されるインクを用いて印刷媒体Sに印刷を行って画像を形成する画像形成装置として構成されている。
印刷機構21は、キャリッジモーター34aの駆動に伴ってキャリッジベルト32によりガイド28に沿って主走査方向(左右)に往復動するキャリッジ22と、プラテン40上を通過する印刷媒体Sにインク滴を吐出して画像を形成する印刷ヘッド24と、各色のインクを個別に収容し印刷ヘッド24へインクを供給するインクカートリッジ26と、を備えている。キャリッジ22は、メカフレーム48の右側に配置されたキャリッジモーター34aと、メカフレーム48の左側に配置された従動ローラー34bと、キャリッジモーター34aと従動ローラー34bとに架設されたキャリッジベルト32とにより、印刷媒体Sの搬送方向に交差する主走査方向へ移動する。キャリッジ22の背面には、キャリッジ22の位置を検出するエンコーダー36が配置されており、このエンコーダー36を用いてキャリッジ22のポジションが管理可能となっている。
印刷ヘッド24は、キャリッジ22の下部に設けられており、圧電素子に電圧をかけることによりこの圧電素子を変形させてインクを加圧する方式により印刷ヘッド24の下面に設けられたノズルから各色のインクを吐出するものである。なお、この印刷ヘッド24は、発熱抵抗体に電圧をかけインクを加熱して発生した気泡によりインクを加圧する方式を採用してもよい。インクカートリッジ26は、メカフレーム48側に装着され、溶媒としての水に着色剤としての染料または顔料を含有したイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色のインクを個別に収容している。
プラテン40は、印刷ヘッド24の下方を搬送されヒーター45によって加熱される印刷媒体Sを支持する部材であり、ガイド28に沿って移動する印刷ヘッド24に対向するように印刷ヘッド24の主走査方向に沿って形成されている。
ヒーター45は、キャリッジ22及びプラテン40の上側に位置しており、主走査方向右側に配置された第1負荷46と主走査方向左側に配置された第2負荷47とを備えている。第1負荷46及び第2負荷47は、抵抗加熱方式で発熱し、これによりヒーター45はプラテン40上を通過する印刷媒体Sを加熱して印刷媒体Sに吐出されたインクを乾燥させることが可能となっている。このヒーター45は、印刷媒体Sと比べて主走査方向が長くなっており、印刷媒体S全体を主走査方向にわたって略均一に加熱できるようになっている。詳しくは後述するが、ヒーター45は交流電源10から供給される交流電力により動作し、ヒーター制御部61によって消費電力が制御される。
電源回路60は、交流電源10に接続され、交流電源10から供給された電力をプリンター20の各部に供給する回路である。この電源回路60は、交流電源10から供給された交流電力を図示しないAC−DC変換回路により直流電力に変換して、印刷機構21,搬送機構31,コントローラー50,ヒーター制御部61などプリンター20の各部に供給する。電源回路60は、供給先の動作電圧に応じてDC20V,DC5Vなどの直流電圧を供給する。この電源回路60は、ヒーター制御部61に対してはDC5Vを供給する直流電源Vccとして機能するものとした。なお、直流電源Vccは、例えばDC3.3Vなど数V程度の電圧としてもよく、DC5Vに限られない。
ヒーター制御部61は、交流電源10に接続され、交流電源10から供給された交流電力をヒーター45に供給すると共に、ヒーター45の消費電力を制御するものである。図2は、ヒーター制御部61の回路図である。図示するように、ヒーター制御部61は、交流電源10から入力した電圧を検出する交流電圧検出回路62と、交流電源10から供給された交流電力をヒーター45に供給する際の電路の切替を行う電圧切替回路63と、交流電圧検出回路62の検出結果に基づいて電圧切替回路63の電路を切り替える制御回路64と、を備えている。
交流電圧検出回路62は、一対の入力端子62a,62bと、制限回路70と、第1検出回路81と、第2検出回路82と、制限抵抗85と、を備えている。入力端子62a,62bは、交流電源10に接続されており、交流電源10から電圧が印加される。入力端子62aと入力端子62bとの間には、制限抵抗85と、第1検出回路81及び第2検出回路82と、制限回路70と、が直列に接続されている。また、制限抵抗85と第1検出回路81及び第2検出回路82とを接続する電路には分岐点62cが存在し、制限回路70と第1検出回路81及び第2検出回路82とを接続する電路には分岐点62dが存在しており、第1検出回路81と第2検出回路82とは互いに並列に接続されている。制限回路70は、第1検出回路81及び第2検出回路82からみて分岐点62dよりも入力端子62b側(交流電源10側)に接続されている。制限抵抗85は、第1検出回路81及び第2検出回路82からみて分岐点62cよりも入力端子62a側(交流電源10側)に接続されている。なお、以降の説明では、交流電源10の電圧の正負を入力端子62bの電位を基準として表記する。すなわち、入力端子62bに対して入力端子62aの電位が高い状態を、交流電源10から正の電圧が印加されている状態とし、入力端子62bに対して入力端子62aの電位が低い状態を、交流電源10から負の電圧が印加されている状態として説明する。
制限回路70は、ツェナーダイオードZD1を備えた第1制限回路71と、直列に接続されたツェナーダイオードZD2及びツェナーダイオードZD3を備えた第2制限回路72と、を備えている。第1制限回路71のツェナーダイオードZD1は、アノードが入力端子62bに接続され、カソードがツェナーダイオードZD2のカソードに接続されている。第2制限回路72のツェナーダイオードZD2は、アノードがツェナーダイオードZD3のカソードに接続され、カソードがツェナーダイオードZD1のカソードに接続されている。ツェナーダイオードZD3は、アノードが分岐点62dに接続され、カソードがツェナーダイオードZD2に接続されている。ツェナーダイオードZD1〜ZD3は、ツェナー電圧(降伏電圧)VZ1〜VZ3が例えば数十〜百数十ボルト、順方向電圧VF1〜VF3が例えば数ボルトである。本実施形態では、ツェナーダイオードZD1〜ZD3はいずれも同じ素子であるものとし、ツェナー電圧VZ1〜VZ3がいずれも120V、順方向電圧VF1〜VF3がいずれも2Vであるものとした。
この制限回路70では、第1制限回路71のツェナーダイオードZD1は、交流電源10から入力端子62a,62bに正の電圧が印加されたときの高電位側(入力端子62a側)にカソードが接続されると共に低電位側(入力端子62b側)にアノードが接続された状態になっている。そのため、ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧VZ1を第1電圧V1とすると、第1制限回路71は、交流電源10により第1制限回路71に印加された正の電圧(ツェナーダイオードZD1にとっての逆方向バイアス)が第1電圧V1以下のときにはツェナーダイオードZD1は導通せず、電流はほとんど流れない。一方、交流電源10により第1制限回路71に印加された正の電圧が第1電圧V1を超えているときにはツェナーダイオードZD1が導通して電流を許容する。また、第1制限回路71は、交流電源10により第1制限回路71に印加された負の電圧(ツェナーダイオードZD1にとっての順方向バイアス)の絶対値がツェナーダイオードZD1の順方向電圧VF1以下のときにはツェナーダイオードZD1は導通せず、電流はほとんど流れない。一方、交流電源10により第1制限回路71に印加された負の電圧の絶対値が順方向電圧VF1を超えているときにはツェナーダイオードZD1が導通して電流を許容する。また、第2制限回路72のツェナーダイオードZD2,ZD3は、交流電源10から入力端子62a,62bに負の電圧が印加されたときの高電位側(入力端子62b側)にカソードが接続されると共に低電位側(入力端子62a側)にアノードが接続された状態になっている。そのため、ツェナーダイオードZD2,ZD3のツェナー電圧VZ2,VZ3の合計値を第2電圧V2とすると、第2制限回路72は、交流電源10により第2制限回路72に印加された負の電圧(ツェナーダイオードZD2,ZD3にとっての逆方向バイアス)の絶対値が第2電圧V2以下のときにはツェナーダイオードZD2,ZD3は導通せず、電流はほとんど流れない。一方、交流電源10により第2制限回路72に印加された負の電圧の絶対値が第2電圧V2を超えているときにはツェナーダイオードZD2,ZD3が導通して電流を許容する。また、第2制限回路72は、交流電源10により第2制限回路72に印加された正の電圧(ツェナーダイオードZD2,ZD3にとっての順方向バイアス)がツェナーダイオードZD2,ZD3の順方向電圧VF2,VF3の合計値以下のときにはツェナーダイオードZD2,ZD3は導通せず、電流はほとんど流れない。一方、交流電源10により第2制限回路72に印加された正の電圧が順方向電圧VF2,VF3の合計値を超えているときにはツェナーダイオードZD2,ZD3が導通して電流を許容する。
第1検出回路81は、発光ダイオードLED1とフォトトランジスタPT1とで構成されたフォトカプラーPC1を備えている。発光ダイオードLED1は、交流電源10から入力端子62a,62bに正の電圧が印加されたときの高電位側(分岐点62c側)にアノードが接続されると共に低電位側(分岐点62d側)にカソードが接続されている。フォトトランジスタPT1は、コレクターがプルアップ抵抗Rv1を介して直流電源Vccに接続されると共に制御回路64の後述するVa端子に接続されており、エミッターがグランドに接地されている。この第1検出回路81では、交流電源10から印加された正の電圧により第1制限回路71が電流を許容して発光ダイオードLED1に順方向電流が流れると発光ダイオードLED1が発光し、この発光を受けてフォトトランジスタPT1がオンとなる。一方、交流電源10から正の電圧が印加されていても第1制限回路71が電流を許容しないときや、交流電源10から負の電圧が印加されているときには、発光ダイオードLED1は順方向電流が流れないため発光せず、フォトトランジスタPT1はオフとなる。このように、第1検出回路81は、フォトトランジスタPT1のオンオフによって、交流電源10から印加された正の電圧により第1制限回路71が電流を許容したことを検出する回路である。なお、発光ダイオードLED1の順方向電圧VF4は例えば数Vであり、本実施形態では2Vであるものとした。また、プルアップ抵抗Rv1の抵抗値は、フォトトランジスタPT1がオンになって流れるフォトトランジスタPT1のコレクター電流が回路の許容値以下に制限されるように適切な値(例えば、1kΩ)に設定されている。
第2検出回路82は、発光ダイオードLED2とフォトトランジスタPT2とで構成されたフォトカプラーPC2を備えている。発光ダイオードLED2は、交流電源10から負の電圧が印加されたときの高電位側(分岐点62d側)にアノードが接続されると共に低電位側(分岐点62c側)にカソードが接続されている。フォトトランジスタPT2は、コレクターがプルアップ抵抗Rv2を介して直流電源Vccに接続されると共に制御回路64の後述するVb端子に接続されており、エミッターがグランドに接地されている。この第2検出回路82では、交流電源10から印加された負の電圧により第2制限回路72が電流を許容して発光ダイオードLED2に順方向電流が流れると発光ダイオードLED2が発光し、この発光を受けてフォトトランジスタPT2がオンとなる。一方、交流電源10から負の電圧が印加されていても第2制限回路72が電流を許容しないときや、交流電源10から正の電圧が印加されているときには、発光ダイオードLED2は順方向電流が流れないため発光せず、フォトトランジスタPT2はオフとなる。このように、第2検出回路82は、フォトトランジスタPT2のオンオフによって、交流電源10から印加された負の電圧により第2制限回路72が電流を許容したことを検出する回路である。なお、発光ダイオードLED2の順方向電圧VF5は例えば数ボルトであり、本実施形態では2Vであるものとした。また、プルアップ抵抗Rv2の抵抗値は、フォトトランジスタPT2がオンになって流れるフォトトランジスタPT2のコレクター電流が回路の許容値以下に制限されるように適切な値(例えば、1kΩ)に設定されている。
制限抵抗85は、一対の入力端子62a.62b間に制限回路70と直列に接続され、且つ第1検出回路81及び第2検出回路82からみて分岐点62cよりも入力端子62a側(交流電源10側)に接続された抵抗R1を備えている。制限抵抗85は、交流電源10からの交流電圧により制限回路70や第1検出回路81,第2検出回路82に流れる電流を制限するためのものである。抵抗R1の抵抗値は、交流電源10からの電圧によって制限回路70が電流を許容する際に流れる電流が所定の値(例えば、数mA以下)に制限されるように適切な値(例えば数kΩ)に設定されている。本実施形態では、抵抗R1は5kΩとした。
電圧切替回路63は、ヒーター45に接続され電力を出力する出力端子63a〜63cと、入力端子62bと出力端子63bとの間の導通の有無を切り替えるスイッチSW1と、出力端子63cを入力端子62a及び出力端子63acと導通させるか入力端子62bと導通させるかの切替を行うスイッチSW2と、を備えている。出力端子63a,63b間には、ヒーター45の第1負荷46が接続されている。また、出力端子63b,63c間には、ヒーター45の第2負荷47が接続されている。スイッチSW1,SW2の切替は、制御回路64の後述するS1端子,S2端子からの信号(電圧)により行われる。この電圧切替回路63は、スイッチSW1,SW2が切り替わることにより、第1負荷46と第2負荷47とを直列に接続するか並列に接続するかの切り替えが可能となっている。具体的には、スイッチSW1,SW2がいずれも図2の実線で示した状態のとき、すなわちスイッチSW1が入力端子62bと出力端子63bとの間を導通させず、スイッチSW2が出力端子63cと入力端子62bとの間を導通させる状態のときには、第1負荷46及び第2負荷47が直列に接続された状態となる。この状態では、入力端子62a,62b間の電圧が出力端子63a,63c間に印加される。また、スイッチSW1,SW2がいずれも図2の波線で示した状態のとき、すなわちスイッチSW1が入力端子62bと出力端子63bとの間を導通させ、スイッチSW2が出力端子63cと入力端子62a及び出力端子63aとの間を導通させる状態のときには、第1負荷46及び第2負荷47が並列に接続された状態となる。この状態では、入力端子62a,62b間の電圧が出力端子63a,63b間に印加されると共に出力端子63c,63b間に印加される。また、スイッチSW1が図2の実線で示した状態でありスイッチSW2が波線で示した状態であるときには、電路が開放されて第1負荷46,第2負荷47には電流が流れない状態すなわちヒーター45がオフの状態となる。
制御回路64は、ICチップとして構成され、第1検出回路81及び第2検出回路82における検出の有無に基づいて、電圧切替回路63のスイッチSW1,SW2を切り替えてヒーター45の消費電力を制御するものである。この制御回路64は、直流電源Vccが入力されるVcc端子と、プルアップ抵抗Rv1を介して直流電源Vccに接続されると共にフォトトランジスタPT1のコレクターに接続されるVa端子と、プルアップ抵抗Rv2を介して直流電源Vccに接続されると共にフォトトランジスタPT2のコレクターに接続されるVb端子と、電圧切替回路63のスイッチSW1,SW2に信号を出力するS1端子,S2端子と、グランドに接地されるGND端子と、を備えている。Vcc端子及びGND端子は制御回路64の制御電圧の入力端子であり、Vcc端子とGND端子との間に印加される直流電源Vccからの電圧により、制御回路64は動作する。Va端子は、第1検出回路81のフォトトランジスタPT1がオンのときにはグランドと同電位すなわちローとなり、フォトトランジスタPT1がオフのときには直流電源Vccと同電位すなわちハイとなる。Vb端子は、第2検出回路82のフォトトランジスタPT2がオンのときにはグランドと同電位すなわちローとなり、フォトトランジスタPT2がオフのときには直流電源Vccと同電位すなわちハイとなる。この制御回路64は、交流電源10の周期(例えば1/60sec,1/50secなど)よりも長い所定期間の間にVa端子及びVb端子がローとなったか否かを判定し、判定結果に基づいてS1端子及びS2端子から信号を出力する処理を繰り返す。具体的には、所定期間の間にVa端子及びVb端子がいずれもローとなった場合には、スイッチSW1,SW2が図2の実線の状態となるようにS1端子,S2端子から信号を出力して、第1負荷46と第2負荷47とが直列に接続された状態にする。また、Va端子がローとなりVb端子がローとならなかった場合には、スイッチSW1,SW2が図2の波線の状態となるようにS1端子,S2端子から信号を出力して、第1負荷46と第2負荷47とが並列に接続された状態にする。Va端子及びVb端子がいずれもローとならなかった場合には、スイッチSW1が図2の実線で示した状態となりスイッチSW2が波線で示した状態となるようにS1端子,S2端子から信号を出力して、ヒーター45をオフにする。
コントローラー50は、CPU52を中心とするマイクロプロセッサーとして構成されており、一時的にデータを記憶したりデータを保存したりするRAM54と、各種処理プログラムを記憶しデータを書き換え可能なフラッシュメモリー55と、を備えている。このコントローラー50には、例えばパソコンなどの外部機器との情報のやり取りを行う図示しないインターフェース(I/F)やデータの入出力を行う図示しない入出力ポートなどが接続されている。コントローラー50には、エンコーダー36からのポジション信号などが入力ポートを介して入力されている。また、コントローラー50からは、印刷ヘッド24への駆動信号や、駆動モーター33,キャリッジモーター34aへの駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。
こうして構成されたプリンター20は、例えばプリンター20に接続されたパソコンを介してユーザーから記録紙Sへ画像の印刷をするよう指示されると、コントローラー50が印刷対象の画像データをパソコンから入力し、これをRAM74の印刷バッファー領域に記憶すると共に、画像データに基づく画像を記録紙Sに形成する印刷処理ルーチンを実行する。印刷処理ルーチンでは、コントローラー50が駆動モーター33を制御して印刷媒体Sを搬送させる処理と、キャリッジモーター34aを制御してキャリッジ22を移動させながら印刷ヘッド24のノズルからインクを吐出して画像データのうち1パス分の印刷を行う処理とを繰り返し行って、印刷媒体Sに画像を形成する。また、ヒーター制御部61は、ヒーター45に交流電力を供給して第1負荷46,第2負荷47の発熱により印刷媒体Sを加熱し、印刷媒体Sに吐出されたインクを乾燥させる。
次に、ヒーター制御部61の動作について説明する。まず、入力端子62a,62b間に正の電圧が印加された場合、すなわち入力端子62a,62b間の電圧V>0の場合における、交流電圧検出回路62の動作について説明する。この場合、第1制限回路71の分圧が第1電圧V1を超えて第1制限回路71が電流を許容するためには、第1制限回路71に直列に接続されたツェナーダイオードZD2,ZD3、発光ダイオードLED1がいずれも導通し、且つ第1制限回路71の分圧が第1電圧V1を超える必要がある。そのため、ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧VZ1、ツェナーダイオードZD2,ZD3の順方向電圧VF2,VF3、発光ダイオードLED1の順方向電圧VF4、抵抗R1を用いた以下の式(1)で表される第1閾値Vth1を入力端子62a,62b間の電圧Vが超えるときに、第1制限回路71に印加される正の分圧が第1電圧V1(=VZ1)を超えて、第1制限回路71に電流が流れる。そして、第1制限回路71が電流を許容すると、発光ダイオードLED1に電流が流れてフォトトランジスタPT1がオンする。なお、式(1)における電流I1は、ツェナーダイオードZD1〜ZD3,発光ダイオードLED1が正の電圧で導通するために必要な電流の最低値(例えば数mA)であり、R1×I1はこの電流I1による制限抵抗85での電圧降下の値である。本実施形態では、電流I1は1mAであるものとした。そのため、本実施形態では、第1閾値Vth1=VZ1(120V)+VF2(2V)+VF3(2V)+VF4(2V)+R1(5kΩ)×I1(1mA)=131Vとなる。なお、数十〜百数十ボルトの値となるツェナーダイオードZD1のツェナー電圧VZ1と比べると、ツェナーダイオードZD2,ZD3の順方向電圧VF2,VF3,発光ダイオードLED1の順方向電圧VF4、抵抗R1における電圧降下はいずれも数ボルト程度の小さい値であるため、第1閾値Vth1の値はツェナー電圧VZ1の値が支配的となる。そのため、ツェナー電圧VZ1を任意の値とするようツェナーダイオードZD1として用いる素子を選択することで、第1閾値Vth1を所望の値に調整することができる。ここで、発光ダイオードLED1と発光ダイオードLED2とは並列に接続されているため、入力端子62a,62b間に第1閾値Vth1を超える正の電圧が印加されて電流が流れている場合には、発光ダイオードLED2の逆方向バイアスは分岐点62c,62d間の電圧すなわち発光ダイオードLED1の順方向電圧VF4となる。そのため、入力端子62a,62bの電圧Vに関わらず発光ダイオードLED2に印加される電圧は一定となり、発光ダイオードLED2に過電圧がかかるのを防止できる。
Vth1=VZ1+VF2+VF3+VF4+R1×I1 (1)
続いて、入力端子62a,62b間に負の電圧が印加された場合(電圧V<0)における、交流電圧検出回路62の動作について説明する。この場合、第2制限回路72の分圧の絶対値が第2電圧V2を超えて第2制限回路72が電流を許容するためには、第2制限回路72に直列に接続されたツェナーダイオードZD1、発光ダイオードLED2がいずれも導通し、且つ第2制限回路72の分圧の絶対値が第2電圧V2を超える必要がある。そのため、ツェナーダイオードZD2,ZD3のツェナー電圧VZ2,VZ3、ツェナーダイオードZD1の順方向電圧VF1、発光ダイオードLED2の順方向電圧VF5、抵抗R1を用いた以下の式(2)で表される第2閾値Vth2を入力端子62a,62b間の電圧Vの絶対値が超えるときに、第2制限回路72に印加される負の分圧の絶対値が第2電圧V2(=VZ2+VZ3)を超えて、第2制限回路72に電流が流れる。そして、第2制限回路72が電流を許容すると、発光ダイオードLED2に電流が流れてフォトトランジスタPT2がオンする。なお、式(2)における電流I2は、ツェナーダイオードZD1〜ZD3,発光ダイオードLED2が負の電圧で導通するために必要な電流の最低値(例えば数mA)であり、R1×I2はこの電流I2による制限抵抗85での電圧降下の値である。本実施形態では、電流I2は1mAであるものとした。そのため、本実施形態では、第2閾値Vth2=VZ2(120V)+VZ3(120V)+VF1(2V)+VF5(2V)+R1(5kΩ)×I2(1mA)=249Vとなる。なお、数十〜百数十ボルトの値となるツェナーダイオードZD2,ZD3のツェナー電圧VZ2,VZ3と比べると、ツェナーダイオードZD1の順方向電圧VF1,発光ダイオードLED2の順方向電圧VF5、抵抗R1における電圧降下はいずれも数ボルト程度の小さい値であるため、第2閾値Vth2の値は第2電圧V2すなわちツェナー電圧VZ2,VZ3の値が支配的となる。そのため、ツェナー電圧VZ2,VZ3を任意の値とするようツェナーダイオードZD2,ZD3として用いる素子を選択することで、第2閾値Vth2を所望の値に調整することができる。なお、第1閾値Vth1と第2閾値Vth2とは、異なる値となるように調整する。ここで、発光ダイオードLED1と発光ダイオードLED2とは並列に接続されているため、入力端子62a,62b間に絶対値が第2閾値Vth2を超える負の電圧が印加されて電流が流れている場合には、発光ダイオードLED1の逆方向バイアスは分岐点62c,62d間の電圧すなわち発光ダイオードLED2の順方向電圧VF5となる。そのため、入力端子62a,62bの電圧Vに関わらず発光ダイオードLED1に印加される電圧は一定となり、発光ダイオードLED1に過電圧がかかるのを防止できる。
Vth2=VZ2+VZ3+VF1+VF5+R1×I2 (2)
以上のように、交流電圧検出回路62において、制限回路70は、入力端子62a,62bに印加された正の電圧が第1閾値Vth1を超えているときに電流を許容すると共に、入力端子62a,62bに印加された負の電圧の絶対値が第1閾値Vth1とは異なる第2閾値Vth2を超えているときに電流を許容する回路として動作する。そして、入力端子62a,62bに印加された正の電圧が第1閾値Vth1を超えて制限回路70に電流が流れると、第1検出回路81のフォトトランジスタPT1がオンすることによりこれを検出する。同様に、入力端子62a,62bに印加された負の電圧の絶対値が第2閾値Vth2を超えて制限回路70に電流が流れると、第2検出回路82のフォトトランジスタPT2がオンすることによりこれを検出する。
次に、交流電圧検出回路62を含むヒーター制御部61全体の動作について説明する。図3〜5は、交流電源10により入力端子62a,62b間に印加される電圧Vの波形,制限回路70の電流波形、及び制御回路64のVa端子,Vb端子の電位の関係を示すグラフである。図3は、交流電源10のピーク電圧Vm>第2閾値Vth2の場合について示し、図4は第2閾値Vth2≧ピーク電圧Vm>第1閾値Vth1の場合について示し、図5は第1閾値Vth1≧ピーク電圧Vmの場合について示している。
まず、ピーク電圧Vm>第2閾値Vth2の場合について図3を用いて説明する。交流電源10がAC200V(ピーク電圧Vm=282V)電源である場合など、ピーク電圧Vmが第2閾値Vth2(>第1閾値Vth1)を超えているときには、図示するように交流電源10から印加された正の電圧が時刻t1,t2間で第1閾値Vth1を超える。これにより、時刻t1,t2間では第1制限回路71に印加された正の電圧(分圧)が第1電圧V1を超えるため導通し、制限回路70が電流を許容する。そして、この電流により第1検出回路81の発光ダイオードLED1が発光してフォトトランジスタPT1がオンするため、時刻t1,t2間ではVa端子の電位がローとなる。一方、時刻t1,t2間では第2検出回路82の発光ダイオードLED2には逆方向バイアスがかかるため、Vb端子の電位はハイのままとなる。また、交流電源10から印加された負の電圧の絶対値が時刻t3,t4間で第2閾値Vth1を超える(電圧Vが−Vth2未満となる)。これにより、時刻t3,t4間では第2制限回路72に印加された負の電圧(分圧)の絶対値が第2電圧V2を超えるため導通し、制限回路70が電流を許容する。そして、この電流により第2検出回路82の発光ダイオードLED2が発光してフォトトランジスタPT2がオンするため、時刻t3,t4間ではVb端子の電位がローとなる。一方、時刻t3,t4間では第1検出回路81の発光ダイオードLED1には逆方向バイアスがかかるため、Va端子の電位はハイのままとなる。そして、Va端子,Vb端子のいずれもローとなるため、制御回路64はスイッチSW1,SW2が図2の実線の状態となるようにS1端子,S2端子から信号を出力する。これにより、第1負荷46及び第2負荷47は直列に接続された状態となり、出力端子61c,61eに入力端子61a,61b間の電圧Vが印加されて発熱する。そのため、ヒーター45の第1負荷46,第2負荷47の抵抗値をRとすると、ヒーター45の消費電力W=V2/2Rとなる。
次に、第2閾値Vth2≧ピーク電圧Vm>第1閾値Vth1の場合について図4を用いて説明する。交流電源10がAC100V(ピーク電圧Vm=141V)電源である場合など、ピーク電圧Vmが第2閾値Vth2以下であるが第1閾値Vth1を超えているときには、図示するように交流電源10から印加された正の電圧が時刻t5,t6間で第1閾値Vth1を超える。これにより、図3の時刻t1,t2間と同様に、時刻t5,t6間では制限回路70が電流を許容し、フォトトランジスタPT1がオンしてVa端子の電位がローとなる。一方、第2閾値Vth2≧ピーク電圧Vmであるため、交流電源10から印加された負の電圧の絶対値は第2閾値Vth2を超えることがない。そのため、図3とは異なり交流電源10から負の電圧が印加されているときに制限回路70は電流を許容せず、Va端子及びVb端子の電圧はいずれもハイのままとなる。そして、Va端子がローとなりVb端子がローとならないため、制御回路64はスイッチSW1,SW2が図2の波線の状態となるようにS1端子,S2端子から信号を出力する。これにより、第1負荷46と第2負荷47とが並列に接続された状態となり、出力端子63a,63b間と出力端子63c,63b間とにそれぞれ入力端子62a,62b間の電圧が印加されて発熱する。そのため、ヒーター45の消費電力W=V2/(0.5R)となる。
続いて、第1閾値Vth1≧ピーク電圧Vmの場合について図5を用いて説明する。プリンター20が交流電源10に接続されていない場合など、ピーク電圧Vmが第1閾値Vth1以下であるときには、図示するように交流電源10から印加された正の電圧は第1閾値Vth1を超えることがなく、負の電圧の絶対値は第2閾値Vth2を超えることがない。そのため、制限回路70は電流を許容せず、Va端子及びVb端子の電圧はいずれもハイのままとなる。そして、Va端子及びVb端子がいずれもローとならないため、制御回路64はスイッチSW1が図2の実線で示した状態となりスイッチSW2が波線で示した状態となるようにS1端子,S2端子から信号を出力する。これにより、電路が開放されて第1負荷46,第2負荷47には電流が流れない状態すなわちヒーター45がオフの状態となる。
このようにヒーター制御部61が動作することにより、ピーク電圧Vmが第2閾値Vth2を超えているときには、ヒーター45の消費電力W=V2/(2R)となり、電圧Vmが第1閾値Vth1を超えているが第2閾値Vth2以下であるときには、ヒーター45の消費電力W=V2/(0.5R)となる。そのため、ピーク電圧Vmが第1閾値Vth1を超えているが第2閾値Vth2以下であるときには、ピーク電圧Vmが第2閾値Vth2を超えているときと比べて入力端子62a,62b間の電圧Vが小さくなるが、その場合にヒーター45の抵抗値を小さくして消費電力Wの低下を抑制できる。しかも、本実施形態では、上述した消費電力Wの式から容易に理解できるように、電圧V=AC200Vの場合と電圧V=AC100Vの場合とでヒーター45の消費電力Wが同じ値となる。そのため、交流電源10がAC200VであってもAC100Vであっても、ヒーター45の発熱量が同じとなり、印刷媒体Sに吐出されたインクを安定して乾燥させることができる。これにより、ヒーター45の発熱量が不足してインクが乾燥しにくくなることや、ヒーター45の発熱量が過大となり印刷媒体Sの変形や熱による印刷機構21の不具合などが生じることなどをより抑制できる。また、ピーク電圧Vmが第1閾値Vth1以下であるときには、交流電源10に接続されていないとみなしてヒーター45の電路を開放することができる。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の交流電圧検出回路62が本発明の交流電圧検出回路に相当し、入力端子62a,62bが一対の入力端子に相当し、制限回路70が制限回路に相当し、第1検出回路81が第1検出回路に相当し、第2検出回路82が第2検出回路に相当し、第1制限回路71が第1制限回路に相当し、第2制限回路72が第2制限回路に相当し、制限抵抗85が制限抵抗に相当し、ヒーター制御部61がヒーター制御装置に相当し、制御回路64及び電圧切替回路63が制御手段に相当し、印刷ヘッド24がヘッドに相当し、ヒーター45がヒーターに相当する。
以上説明した本実施形態のプリンター20によれば、交流電源10により一対の入力端子62a,62bに印加された正の電圧が第1閾値Vth1を超えており制限回路70の第1制限回路71が電流を許容すると、それを第1検出回路81が検出する。また、交流電源10により一対の入力端子62a,62bに印加された負の電圧の絶対値が第2閾値Vth2を超えており制限回路70の第2制限回路72が電流を許容すると、それを第2検出回路82が検出する。そして、第1閾値Vth1と第2閾値Vth2とは値が異なっている。そのため、交流電源から入力した電圧が第1閾値Vth1と第2閾値Vth2とのいずれも超える場合と、いずれか一方のみ超える場合と、いずれも超えない場合とで、制限回路70が電流を許容するか否かが変化し、第1,第2検出回路81,82の検出結果も変化する。このように、制限回路70と第1,第2検出回路81,82とを用いることで、交流電源10から入力した電圧をより簡易な回路構成で検出することができる。交流電圧検出回路62には交流電源10がそのまま印加されるため、例えばDC5Vで動作する回路などに比して絶縁のための空間距離が必要となるなど回路の基板面積が大きくなりやすい場合があるが、交流電圧検出回路62の回路構成を簡易なものとすることで基板面積の増大を抑制できる。
また、第1制限回路71はツェナーダイオードZD1を有し、第2制限回路72は直列に接続されたツェナーダイオードZD2,ZD3を有しており、ツェナーダイオードを用いて交流電源から入力した電圧をより簡易な回路構成で検出することができる。また、ツェナーダイオードZD1〜ZD3は同じ素子として、第1制限回路71と第2制限回路72とでツェナーダイオードの数を変えることにより第1閾値Vth1と第2閾値Vth2とを容易に異ならせることができる。
さらに、第1,第2検出回路81,82を制限回路71と直列に接続することで、制限回路70が許容した電流が第1,第2検出回路81,82自身に流れるため、制限回路70が電流を許容したか否かを容易に検出することができる。
さらにまた、第1,第2検出回路81,82をフォトカプラーPC1,フォトカプラーPC2により構成したため、フォトトランジスタPT1,PT2のオンオフにより制限回路70が電流を許容したか否かを容易に検出できる。また、フォトトランジスタに接続される制御回路64を交流電源10から絶縁することができる。
そしてまた、第1検出回路81と第2検出回路82とが並列に接続され、しかも発光ダイオードLED1と発光ダイオードLED2とが逆向きに接続されているため、交流電源10から印加された電圧が正負いずれの場合であっても、発光ダイオードLED1,LED2に過電圧がかかるのを防止できる。
そしてまた、交流電源から電圧が印加される発光ダイオードとフォトトランジスタとが絶縁されるため、例えば第1,第2検出回路の検出結果を用いる回路など、フォトトランジスタに接続される回路を交流電源から絶縁することができる。
そしてまた、制限抵抗85が一対の入力端子62a,62b間に制限回路70と直列に接続され、且つ第1検出回路81及び第2検出回路82と直列に接続されているため、交流電源10からの電圧により制限回路70や第1,第2検出回路81,82に流れる電流を小さく抑えることができ、過電流を防止できる。また、第1,第2検出回路81,82からみて並列の分岐点62cよりも入力端子62a側に制限抵抗85が接続されているため、第1検出回路81及び第2検出回路82のそれぞれに抵抗を直列に接続する場合に比して、抵抗を共通化できる。
そしてまた、第1検出回路81及び第2検出回路82の検出の有無に基づいて制御回路64が電圧切替回路63を切り替えてヒーター45の消費電力Wを制御するため、交流電源10から入力した電圧の状態を検出し、各状態に応じたヒーター45の制御を行うことができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、第1制限回路71はツェナーダイオードを1つ備えており、第2制限回路72はツェナーダイオードを2つ備えているものとしたが、これに限らず第1制限回路71が複数のツェナーダイオードを備えているものとしてもよく、第2制限回路72がツェナーダイオードを1つ備えているものとしてもよい。また、ツェナーダイオードZD1〜ZD3はいずれも同じ素子であるものとしたが、ツェナー電圧VZ1〜VZ3や順方向電圧VF1〜VF3が異なる素子としてもよい。
上述した実施形態では、制限抵抗85は第1検出回路81及び第2検出回路82からみて並列の分岐点62cよりも入力端子62a側に接続されているものとしたが、分岐点62dよりも入力端子62b側に接続されているものとしてもよい。また、第1検出回路81及び第2検出回路82のそれぞれに抵抗を直列に接続してもよい。この場合の変形例のヒーター制御部161の回路図を図6に示す。なお、ヒーター制御部161のうち図2と同じ構成要素については同じ符号を付して、説明を省略する。ヒーター制御部161は制限抵抗85の代わりに制限抵抗185を備えた交流電圧検出回路162を有する点以外は、図2のヒーター制御部61と同じ構成である。図示するように、制限抵抗185は、第1検出回路81の発光ダイオードLED1のアノードと分岐点62cとの間に直列に接続された抵抗R2と、第2検出回路82の発光ダイオードLED2のカソードと分岐点62cとの間に直列に接続された抵抗R3とを備えている。こうしても、制限抵抗185の抵抗R2,R3により交流電圧検出回路162を流れる電流を抑制することができる。なお、抵抗R2は発光ダイオードLED1と分岐点62dとの間に接続してもよく、抵抗R3は発光ダイオードLED2と分岐点62dとの間に接続してもよい。
上述した実施形態では、制限回路70は分岐点62dと入力端子62bとの間に接続されているものとしたが、入力端子62aと分岐点62cとの間に接続されているものとしてもよい。また、第1制限回路71を分岐点62dと入力端子62bとの間に接続され第2制限回路72を入力端子62aと分岐点62cとの間に接続されているなど、第1制限回路71と第2制限回路72とが入力端子62a,62b端子間において分かれて接続されていてもよい。
上述した実施形態では、第1閾値Vth1より第2閾値Vth2の方が値が大きいものとしたが、第1閾値Vth1と第2閾値Vth2との値が異なっていればよく、第2閾値Vth2より第1閾値Vth1の方が値が大きいものとしてもよい。第1電圧V1と第2電圧V2との関係についても同様である。
上述した実施形態では、交流電源10の電圧の正負を入力端子62bの電位を基準として説明したが、入力端子62aの電位を基準として考えてもよい。その場合、図2における第1制限回路71が本発明の第2制限回路に相当し、第2制限回路72が本発明の第1制限回路に相当し、第1検出回路81が本発明の第2検出回路に相当し、第2検出回路82が本発明の第1検出回路に相当することになる。
上述した実施形態では、制御回路64は所定期間の間にVa端子及びVb端子がローとなったか否かを判定し、判定結果に基づいてS1端子及びS2端子から信号を出力するものとしたが、第1検出回路81,第2検出回路82における検出結果に基づいてヒーター45の消費電力を制御するものであればこれに限られない。例えば、フォトトランジスタPT1のコレクターとグランドとの間の電圧を平滑回路により平滑化して、平滑後の電圧値が所定の閾値を下回っているか否かにより、フォトトランジスタPT1がオンしたか否かすなわち第1制限回路71に正の電圧が印加され電流を許容したことを第1検出回路81が検出したか否かを判定するものとしてもよい。第2検出回路82の検出結果の判定についても同様である。
上述した実施形態では、制御回路64は所定期間の間にVa端子及びVb端子がローとなったか否かによりピーク電圧Vm>第2閾値Vth2であるか、第2閾値Vth2≧ピーク電圧Vm>第1閾値Vth1であるか、第1閾値Vth1≧ピーク電圧Vmであるかの3状態を判定するものとしたが、Va端子及びVb端子がローとなった期間の長さ(制限回路70が電流を許容した期間の長さ)に基づいて交流電源10の電圧を判定するものとしてもよい。例えば、図3の時刻t1,t2間と、図4の時刻t5,t6間とでは、交流電源10のピーク電圧Vmが高い値である時刻t1,t2間の方が期間が長くなる。このように、Va端子やVb端子がローとなる期間の長さは交流電源10のピーク電圧Vmと相関があるため、この期間を測定して交流電源10の電圧を判定することができる。こうすれば、交流電源10の電圧をより精度良く検出することができる。
上述した実施形態では、ヒーター45は第1負荷46と第2負荷47とを備えるものとしたが、3つ以上の負荷を備えるものとしてもよい。また、第1負荷46と第2負荷47との抵抗値は同じ値としたが、異なる値でもよい。
上述した実施形態では、制御回路64が電圧切替回路63を切り替えることで第1負荷46と第2負荷47とが直列に接続されるか並列に接続されるかを切り替えてヒーター45の抵抗値を変化させて消費電力を制御するものとしたが、これに限られない。例えば、第1負荷46と第2負荷47とのいずれにも電流を流すかいずれか一方に電流を流すかを切り替えるものとするなど、複数の負荷のうちいずれに電流を流すかの切り替えを行うことでヒーター45の抵抗値を変化させるものとしてもよい。また、ヒーター45には入力端子62a,62b間の電圧を変圧して供給するものとし、変圧比を変化させることでヒーター45の電圧を制御して、消費電力を制御するものとしてもよい。
上述した実施形態では、ヒーター制御部61は、プリンター20において印刷媒体Sを加熱して印刷媒体Sに吐出されたインクを乾燥させるヒーター45の消費電力を制御するものとしたが、プリンター20の他の用途に用いるヒーターやプリンター20以外の機器で用いるヒーターなど、どのようなヒーターを制御するものとしてもよい。
上述した実施形態では、交流電圧検出回路62はヒーター制御部61に用いられるものとして説明したが、交流電源から入力した電圧を検出するものであればよく、検出結果をヒーター以外の他の機器の制御に用いるものとしてもよい。
10 交流電源、20 プリンター、21 印刷機構、22 キャリッジ、24 印刷ヘッド、26 インクカートリッジ、28 ガイド、31 搬送機構、32 キャリッジベルト、33 駆動モーター、34a キャリッジモーター、34b 従動ローラー、35 搬送ローラー、36 エンコーダー、40 プラテン、41 キャッピング装置、42 カバー、45 ヒーター、46 第1負荷、47 第2負荷、48 メカフレーム、50 コントローラー、52 CPU,54 RAM、55 フラッシュメモリー、60 電源回路、61,161 ヒーター制御部、62,162 交流電圧検出回路、62a,62b 入力端子、62c,62d 分岐点、63 電圧切替回路、63a〜63b 出力端子、64 制御回路、67 第1切替部、68 第2切替部、70 制限回路、71 第1制限回路、72 第2制限回路、81 第1検出回路、82 第2検出回路、85,185 制限抵抗、LED1,LED2 発光ダイオード、PC1,PC2 フォトカプラー、PT1,PT2 フォトトランジスタ、R1,R2,R3 抵抗、Rv1,Rv2 プルアップ抵抗、S 印刷媒体、SW1,SW2 スイッチ、ZD1,ZD2,ZD3 ツェナーダイオード。

Claims (10)

  1. 交流電源から入力した電圧を検出する交流電圧検出回路であって、
    前記交流電源から電圧が印加される一対の入力端子と、
    前記入力端子に印加された正の電圧が所定の第1閾値を超えているときに電流を許容すると共に、前記入力端子に印加された負の電圧の絶対値が前記第1閾値とは異なる所定の第2閾値を超えているときに電流を許容する制限回路と、
    前記入力端子に正の電圧が印加されて前記制限回路が電流を許容したことを検出する第1検出回路と、
    前記入力端子に負の電圧が印加されて前記制限回路が電流を許容したことを検出する第2検出回路と、
    を備えた交流電圧検出回路。
  2. 前記制限回路は、前記一対の入力端子間に接続され、自身に印加された正の電圧が所定の第1電圧を超えているときに電流を許容する第1制限回路と、前記一対の入力端子間に前記第1制限回路と直列に接続され、自身に印加された負の電圧の絶対値が前記第1電圧とは異なる所定の第2電圧を超えているときに電流を許容する第2制限回路と、を有する回路であり、
    前記第1閾値は、前記第1制限回路に印加される正の分圧が前記第1電圧V1となるときの前記入力端子間の電圧であり、
    前記第2閾値は、前記第2制限回路に印加される負の分圧の絶対値が前記第2電圧V2となるときの前記入力端子間の電圧の絶対値であり、
    前記第1検出回路は、前記第1制限回路に正の電圧が印加されて該第1制限回路が電流を許容したことを検出する回路であり、
    前記第2検出回路は、前記第2制限回路に負の電圧が印加されて該第2制限回路が電流を許容したことを検出する回路である、
    請求項1に記載の交流電圧検出回路。
  3. 前記第1制限回路は、前記入力端子に正の電圧が印加されたときの高電位側にカソードが接続されると共に低電位側にアノードが接続されたツェナーダイオードを有し、前記第1電圧が該ツェナーダイオードのツェナー電圧に基づく値である回路であり、
    前記第2制限回路は、前記入力端子に負の電圧が印加されたときの高電位側にカソードが接続されると共に低電位側にアノードが接続されたツェナーダイオードを有し、前記第2電圧が該ツェナーダイオードのツェナー電圧に基づく値である回路である、
    請求項2に記載の交流電圧検出回路。
  4. 前記第1検出回路は、前記一対の入力端子間に前記制限回路と直列に接続され、前記入力端子に正の電圧が印加されて前記制限回路が電流を許容したことを、自身を流れる電流に基づいて検出する回路であり、
    前記第2検出回路は、前記一対の入力端子間に前記制限回路と直列に接続され、前記入力端子に負の電圧が印加されて前記制限回路が電流を許容したことを、自身を流れる電流に基づいて検出する回路である、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の交流電圧検出回路。
  5. 前記第1検出回路と前記第2検出回路とが並列に接続されており、
    前記制限回路は、前記第1検出回路及び前記第2検出回路からみて前記並列の分岐点よりも前記入力端子側に接続されている、
    請求項4に記載の交流電圧検出回路。
  6. 前記第1検出回路は、前記入力端子に正の電圧が印加されたときの高電位側にアノードが接続されると共に低電位側にカソードが接続された発光ダイオードとフォトトランジスタとからなるフォトカプラーを有しており、
    前記第2検出回路は、前記入力端子に負の電圧が印加されたときの高電位側にアノードが接続されると共に低電位側にカソードが接続された発光ダイオードとフォトトランジスタとからなるフォトカプラーを有している、
    請求項5に記載の交流電圧検出回路。
  7. 請求項5又は6に記載の交流電圧検出回路であって、
    前記一対の入力端子間に前記制限回路と直列に接続され、且つ前記第1検出回路及び前記第2検出回路からみて前記並列の分岐点よりも前記入力端子側に接続されている制限抵抗、
    を備えた交流電圧検出回路。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の交流電圧検出回路であって、
    前記一対の入力端子間に前記制限回路と直列に接続された制限抵抗、
    を備えた交流電圧検出回路。
  9. 交流電源から供給される電力により動作するヒーターを制御するヒーター制御装置であって、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の交流電圧検出回路と、
    前記第1検出回路及び前記第2検出回路における前記検出の有無に基づいて、前記ヒーターの消費電力を制御する制御手段と、
    を備えたヒーター制御装置。
  10. 請求項9に記載のヒーター制御装置と、
    液体を吐出して媒体に画像を形成するヘッドと、
    前記交流電源から供給される電力により動作し、前記ヒーター制御装置によって消費電力が制御され、前記媒体を加熱して該媒体に吐出された前記液体を乾燥させるヒーターと、
    を備えた画像形成装置。
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