JP2013167531A - 時計部品組立体、てんぷおよび時計 - Google Patents

時計部品組立体、てんぷおよび時計 Download PDF

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【課題】ひげ玉とひげぜんまいとを精度よく位置決めした状態で溶接でき、ひげぜんまいの横振れの発生を抑制できる時計部品組立体、この時計部品組立体を備えたてんぷおよび時計を提供する。
【解決手段】てん真に対して同軸に外嵌固定されるひげ玉50と、アルキメデス曲線Xに沿って形成されたひげぜんまい40と、を溶接して構成された時計部品組立体15であって、ひげ玉50は、径方向外側の側面に、ひげぜんまい40の内周側端部43が溶接される溶接面57を備え、溶接面57は、ひげ玉50の軸方向から見て、ひげぜんまい40のアルキメデス曲線Xに対応した形状に形成されていることを特徴としている。
【選択図】図7

Description

この発明は、時計部品組立体、この時計部品組立体を備えたてんぷおよび時計に関するものである。
機械式時計は、表輪列を構成する香箱車、二番車、三番車および四番車の回転を制御するための脱進・調速機構を備えていることが知られている。一般的な脱進・調速機構は、がんぎ車と、てんぷとにより形成されている。また、てんぷは、てん輪と、てん輪の回転中心となるてん真と、アルキメデス曲線に沿うように渦巻状に形成され拡縮によりてん輪を往復回転させるひげぜんまいと、ひげぜんまいをてん真に固定するひげ玉とにより形成されている。
ひげ玉は、一般に略円環状をした部材であり、てん真に外嵌される本体部と、本体部の径方向外側において、ひげぜんまいの内周側端部が溶接される溶接面と、を備えている。
ひげぜんまいとひげ玉は、互いに溶接により固定された状態で時計部品組立体を構成している。時計部品組立体をてん真に固定することにより、ひげぜんまいがひげ玉を介して、てん真に対して略同軸に固定されている。
例えば、特許文献1のコレット(本願請求項の「ひげ玉」に相当。)は、金属製のバンド(本願請求項の「本体部」に相当。)から形成され、その内輪郭には、コレットをバランス・スタッフ(本願請求項の「てん真」に相当。)に組み込むための開口を形成している。また、その外輪郭には、コレットとバランス・スプリング(本願請求項の「ひげぜんまい」に相当。)との間の作用点(本願請求項の「溶接面」に相当。)を、スタッフの中心0からの距離Rが外輪郭の他の点よりも大きくなるような場所のアームの端部に配置している。バランス・スプリングは、バランス・スプリングの内側カーブの端部(本願請求項の「内周側端部」に相当。)がコレットの作用点に溶接されることにより、コレットに固定されている。バランス・スプリングが溶接される作用点を有するコレットのアームの端部は、バランス・スタッフの回転軸を中心とした、半径Rを有する略円弧形状に形成されている。
図15は、てんぷ10を軸方向から見たときの、ひげぜんまい40の横振れの説明図である。なお、図15において、てん輪の図示を省略している。また、ひげ玉50、アルキメデス曲線X、てんぷ10の中心軸O、およびアルキメデス曲線Xの中心軸T(以下、「ひげぜんまい40の中心軸T」ということがある。)を二点鎖線で図示している。
図15に示すように、てんぷ10の中心軸Oと、ひげぜんまい40の中心軸Tとは、一致するように設計されている。ひげぜんまい40は、てん輪(すなわちてんぷ10)を一定の回転周期で往復回転させているが、このてんぷ10の回転周期の誤差は、時計の精度に影響を与えることが知られている。また、てんぷ10の回転周期の誤差は、てんぷ10の回転中心である中心軸Oと、ひげぜんまい40の中心軸Tとのずれに依存することが知られている。
具体的には、てんぷ10を軸方向から見たときに、ひげぜんまい40の中心軸Tと、てんぷ10の中心軸Oとの位置ずれ(以下「横振れ」という。)が少ないほど、てんぷ10の回転周期の誤差は小さくなる。
ここで、ひげぜんまい40の内周側端部43は、ひげ玉50に溶接された時計部品組立体15の状態で、ひげ玉50を介して、てんぷ10の回転中心となるてん真30に固定される。また、ひげぜんまい40の外周側端部は、不図示のひげ持を介して、ひげ持受に固定される。
このため、ひげ玉50とひげぜんまい40との溶接位置が設計値からずれ、ひげぜんまい40が横振れした状態でひげ玉50に溶接された場合には、ひげぜんまい40の渦巻の軌跡が、設計された渦巻の軌跡からずれることとなる。これにより、ひげぜんまい40は、てんぷ10を往復回転させるときに設計されたとおりに拡縮できないため、てんぷ10の回転周期に誤差が発生することになる。
したがって、てんぷ10の回転周期の誤差を抑制するためには、横振れの発生を抑制するようにひげ玉50とひげぜんまい40とを精度よく位置決めして溶接することが要求される。
特開2005−300532号公報
しかし、上述の従来技術においては、以下の問題がある。
従来技術のひげ玉の溶接面は、てん真の回転軸を中心とした半径Rを有する略円弧状に形成されているのに対して、ひげぜんまいは、アルキメデス曲線に沿って形成されている。すなわち、ひげ玉の溶接面の曲率と、ひげぜんまいの曲率とが大きく異なっている。
したがって、ひげ玉とひげぜんまいとを溶接する際の位置決め時に、ひげ玉の接合面とひげぜんまいの内周側端部の内周面とを当接させると、線接触となるため互いに位置が不安定となり、位置ずれが発生しやすくなる。これにより、ひげ玉とひげぜんまいとを精度よく位置決めできず、ひげぜんまいがひげ玉に溶接されたときに、ひげぜんまいの横振れが発生するおそれがある。
そこで本発明は、ひげ玉とひげぜんまいとを精度よく位置決めした状態で溶接でき、ひげぜんまいの横振れの発生を抑制できる時計部品組立体、この時計部品組立体を備えたてんぷおよび時計の提供を課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明の時計部品組立体は、てん真に対して同軸に外嵌固定されるひげ玉と、アルキメデス曲線に沿って形成されたひげぜんまいと、を溶接して構成された時計部品組立体であって、前記ひげ玉は、径方向外側の側面に、前記ひげぜんまいの内周側端部が溶接される溶接面を備え、前記溶接面は、前記ひげ玉の軸方向から見て、前記ひげぜんまいのアルキメデス曲線に対応した形状に形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、ひげ玉の溶接面をひげぜんまいのアルキメデス曲線に対応した形状に形成することで、溶接面にひげぜんまいの内周側端部を溶接するとき、ひげ玉の溶接面とひげぜんまいの内周面とを面接触させることができる。したがって、従来技術のように、ひげ玉の溶接面とひげぜんまいの内周面とが線接触する場合と比較して、ひげ玉の溶接面に対してひげぜんまいを安定して精度よく配置できる。これにより、ひげ玉の中心軸と、ひげぜんまいのアルキメデス曲線の中心軸とが一致するように、ひげ玉とひげぜんまいとを精度よく位置決めした状態で溶接できるので、ひげぜんまいの横振れの発生を抑制できる。
また、ひげ玉の溶接面とひげぜんまいの内周面とを面接触させて溶接できるので、ひげ玉の溶接面に対応した溶接面積を安定して確保できる。したがって、ひげ玉の溶接面とひげぜんまいの内周面との溶接強度を十分に確保できるとともに、製造される時計部品組立体毎の溶接面積のバラつきに起因する溶接強度のバラつきを防止できる。
また、本発明の時計部品組立体は、前記溶接面が、前記軸方向から見て、所定距離だけ離間した前記ひげぜんまいのアルキメデス曲線上の複数の仮想点間を、各々直線により補間して得られた形状に形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、複数の仮想点間を直線により補間して、アルキメデス曲線と近似した形状の溶接面を形成しているので、溶接面を設計および作図する際に、複数の直線のみで溶接面のCAD(Computer Aided Design)データを容易に作成できる。
また、機械加工により溶接面を形成する場合、アルキメデス曲線と近似した形状を形成する複数の直線に沿わせて、切削工具を容易に動かすことができる。したがって、機械加工によりアルキメデス曲線に近似した形状の溶接面を容易に形成できる。
ところで、特殊形状の溶接面を備えたひげ玉を低コストで形成するには、電鋳が好適である。電鋳に用いられる電鋳型は、一般にフォトリソグラフィ技術によりフォトレジスト材から形成される。本発明によれば、複数の仮想点間を直線により補間して、アルキメデス曲線と近似した形状の溶接面を形成しているので、複数の直線のみで溶接面に対応した形状のフォトレジストマスクを容易に形成できる。したがって、溶接面に対応する電鋳型をフォトリソグラフィ技術により容易に形成できるので、アルキメデス曲線に近似した形状の溶接面を備えたひげ玉を電鋳により容易に形成できる。
また、本発明の時計部品組立体は、前記溶接面が、前記軸方向から見て、所定距離だけ離間した前記ひげぜんまいのアルキメデス曲線上の複数の仮想点間を、各々円弧により補間して得られた形状に形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、複数の仮想点間を円弧により補間して、アルキメデス曲線と近似した形状の溶接面を形成しているので、複数の円弧のみで溶接面のCADデータを容易に作成できる。また、アルキメデス曲線に近似した形状の溶接面を備えたひげ玉を、機械加工や電鋳により容易に形成できる。
また、本発明の時計部品組立体は、前記溶接面が、前記軸方向から見て、所定距離だけ離間した前記ひげぜんまいのアルキメデス曲線上の三個の仮想点を、一の円弧により補間して得られた形状に形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、三個の仮想点を一の円弧により補間して、アルキメデス曲線と近似した形状の溶接面を形成しているので、一の円弧のみで溶接面のCADデータをさらに容易に作成できる。また、アルキメデス曲線に近似した形状の溶接面を備えたひげ玉を、機械加工や電鋳によりさらに容易に形成できる。
また、溶接面は、一の円弧のみで補間して得られた形状に形成されているので、溶接面をより滑らかに形成できる。これにより、ひげ玉の溶接面に対してひげぜんまいを確実に面接触させて、安定して精度よく配置できる。したがって、ひげ玉とひげぜんまいとをさらに精度よく位置決めした状態で溶接できるので、ひげぜんまいの横振れの発生を確実に抑制できる。また、ひげ玉の溶接面とひげぜんまいの内周面とを、ほぼ隙間が無い状態で面接触させて溶接できるので、溶接面積を十分に確保できる。したがって、ひげ玉とひげぜんまいとの溶接強度をさらに確保できる。
また、本発明の時計部品組立体は、前記ひげ玉および前記ひげぜんまいの前記軸方向の両端面のうち、少なくとも一方側の各端面には、前記溶接面を跨るように溶接ナゲットが形成され、前記溶接ナゲットの外縁は、前記軸方向から見たとき、前記溶接面の周方向両端に接するように形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、軸方向から見て、溶接ナゲットの外縁が溶接面の周方向両端と接することにより、溶接面の周方向全体にわたってひげぜんまいを固定できる。したがって、ひげ玉の溶接面にひげぜんまいの内周面をさらに強固に溶接できる。
ところで、時計部品組立体を備えたてんぷは、ひげぜんまいのうち溶接ナゲットよりも外周側が拡縮することにより、周期的に往復回転する。したがって、てんぷの回転周期の誤差は、溶接ナゲットよりも外周側における拡縮可能なひげぜんまいの長さの誤差に依存する。
しかし、本発明によれば、溶接ナゲットの外縁が溶接面の周方向両端と接することにより、溶接面の周方向全体にわたってひげぜんまいを溶接できるので、溶接部分の周方向に沿った長さがバラつくのを防止できる。これにより、拡縮可能なひげぜんまいの長さのバラつきを抑制できるので、回転周期の誤差の少ないてんぷを形成できる。
また、本発明の時計部品組立体は、前記溶接面が、前記溶接面の前記軸方向の幅をαとし、前記ひげぜんまいの前記軸方向の幅をβとしたとき、1.0<α/β≦1.2を満たすように形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、溶接面の軸方向の幅αは、ひげぜんまいの軸方向の幅βよりも広く形成されているので、ひげぜんまいが溶接面から軸方向に突出することなく、ひげ玉の溶接面とひげぜんまいの内周面とを面接触させることができる。したがって、ひげ玉の溶接面に対してひげぜんまいをさらに安定して精度よく配置できるので、ひげぜんまいの横振れの発生をさらに抑制できる。
また、ひげ玉の溶接面とひげぜんまいとの溶接面積を最大に確保できるので、ひげ玉とひげぜんまいとの溶接強度をさらに向上できる。
また、本発明の時計部品組立体は、前記ひげ玉は、前記てん真に同軸に外嵌可能な開口を有する本体部と、前記本体部の前記径方向外側に突出形成され、前記ひげぜんまいが溶接される支持部と、を備え、前記支持部の前記径方向外側の側面には、前記溶接面が形成され、前記軸方向における前記支持部の両端面のうち、少なくとも一方の端面には、凹部が形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、支持部に凹部が形成されているので、凹部が形成されていない場合よりも、溶接時の熱が伝達する熱伝達経路の断面積を小さくできる。これにより、溶接面から本体部にかけて、支持部の熱伝達率を低くできる。また、溶接時の熱は、溶接面から凹部を回り込んで本体部に伝達する。これにより、凹部が形成されていない場合よりも、溶接面から本体部までの熱伝達経路が長くなるので、支持部の熱伝達率を低くできる。さらに、支持部は、凹部が形成されることにより、凹部が形成されていない場合よりも表面積が大きくなるので、熱を良好に放熱できる。
このように、溶接時の熱は、溶接面から本体部に伝達しにくくなるので、焼鈍される範囲を溶接面から凹部近傍までに制限できる。これにより、ひげ玉の本体部のうち焼鈍されず相対的に高硬度な部分を径方向に厚く確保でき、相対的に高硬度な部分が薄くなるのを抑制できるので、てん真にひげ玉を外嵌圧入したときの本体部の割れを防止できる。
特に、特殊形状のひげ玉を低コストで形成するために、電鋳を利用して製造する方法が採用されている。ここで、電鋳によりひげ玉を形成する場合、材料にはニッケルおよびニッケル合金が採用されることが多い。一般に、ニッケルおよびニッケル合金の融点は、鉄等の金属と比較して高温であるため、ひげ玉にひげぜんまいを溶接する際の溶接温度は高温となる。しかし、本発明によれば、溶接温度が高温であっても、本体部が焼鈍されるのを抑制できる。したがって、本発明は、電鋳により形成されたひげ玉を備えた時計部品組立体に特に好適である。
また、本発明の時計部品組立体は、前記ひげ玉が、電鋳により形成されたことを特徴としている。
本発明によれば、電鋳を利用することにより、アルキメデス曲線に対応した特殊形状の溶接面を備えたひげ玉を低コストで形成できるので、ひげぜんまいの横振れの発生を抑制できる時計部品組立体を低コストで形成できる。
また、本発明のてんぷは、上述の時計部品組立体と、前記時計部品組立体を構成する前記ひげ玉が外嵌される前記てん真と、前記てん真に外嵌されるてん輪と、を備えたことを特徴としている。
また、本発明の時計は、上述のてんぷを備えたことを特徴としている。
本発明によれば、ひげぜんまいの横振れの発生を抑制できる時計部品組立体を備えているので、精度のよいてんぷおよび時計を形成できる。
本発明によれば、ひげ玉の溶接面をひげぜんまいのアルキメデス曲線に対応した形状に形成することで、溶接面にひげぜんまいの内周側端部を溶接するとき、ひげ玉の溶接面とひげぜんまいの内周面とを面接触させることができる。したがって、従来技術のように、ひげ玉の溶接面とひげぜんまいの内周面とが線接触する場合と比較して、ひげ玉の溶接面に対してひげぜんまいを安定して精度よく配置できる。これにより、ひげ玉の中心軸と、ひげぜんまいのアルキメデス曲線の中心軸とが一致するように、ひげ玉とひげぜんまいとを精度よく位置決めした状態で溶接できるので、ひげぜんまいの横振れの発生を抑制できる。
また、ひげ玉の溶接面とひげぜんまいの内周面とを面接触させて溶接できるので、ひげ玉の溶接面に対応した溶接面積を安定して確保できる。したがって、ひげ玉の溶接面とひげぜんまいの内周面との溶接強度を十分に確保できるとともに、製造される時計部品組立体毎の溶接面積のバラつきに起因する溶接強度のバラつきを防止できる。
コンプリート裏側の平面図である。 ムーブメント表側の平面図である。 てんぷを軸方向に見たときの平面図である。 図3のA−A線に沿った断面図である。 実施形態のひげ玉の平面図である。 図5のB−B線に沿った断面図である。 軸方向から見たときの実施形態の溶接面の拡大図である。 実施形態の溶接面の斜視図である。 ひげ玉にひげぜんまいを溶接するときの概略説明図である。 ひげ玉の製造工程のフローチャートである。 電鋳型を電鋳液に漬浸させた状態を示す図である。 電鋳を行って外形形成用孔内で金属体を成長させた状態を示す図である。 実施形態の第一変形例のひげ玉の溶接面の説明図である。 実施形態の第二変形例のひげ玉の溶接面の説明図である。 ひげぜんまいの横振れの説明図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して説明をする。以下では、まず時計およびてんぷについて説明をした後、ひげ玉およびひげぜんまいを備えた時計部品組立体について説明をする。
(時計)
一般に、時計の駆動部分を含む機械体を「ムーブメント」と称する。ムーブメントに文字板、針を取り付けて、時計ケースの中に入れて完成品にした状態を時計の「コンプリート」と称する。時計の基板を構成する地板の両側のうち、時計ケースのガラスのある方の側、すなわち、文字板のある方の側をムーブメントの「裏側」又は「ガラス側」又は「文字板側」と称する。地板の両側のうち、時計ケースの裏蓋のある方の側、すなわち、文字板と反対の側をムーブメントの「表側」又は「裏蓋側」と称する。
図1は、コンプリート裏側の平面図である。
図1に示すように、時計1のコンプリート1aは、時に関する情報を示す目盛り3などをもつ文字板2を備えている。また、時を示す時針4a、分を示す分針4bおよび秒を示す秒針4cを含む針4を備えている。
図2は、ムーブメント表側の平面図である。なお図2では、図面を見やすくするため、ムーブメント100を構成する時計部品のうち一部の図示を省略している。
機械式時計のムーブメント100は、基板を構成する地板102を有している。地板102の巻真案内穴102aには、巻真110が回転可能に組み込まれている。この巻真110は、おしどり190、かんぬき192、かんぬきばね194および裏押さえ196を含む切換装置によって、軸線方向の位置が決められている。
そして巻真110を回転させると、つづみ車(不図示)の回転を介してきち車112が回転する。きち車112の回転により丸穴車114および角穴車116が順に回転し、香箱車120に収容されたぜんまい(不図示)が巻き上げられる。
香箱車120は、地板102と香箱受160との間で回転可能に支持されている。二番車124、三番車126、四番車128およびがんぎ車130は、地板102と輪列受162との間で回転可能に支持されている。
ぜんまいの復元力により香箱車120が回転すると、香箱車120の回転により二番車124、三番車126、四番車128およびがんぎ車130が順に回転する。これら香箱車120、二番車124、三番車126および四番車128は、表輪列を構成する。
二番車124が回転すると、その回転に基づいて筒かな(不図示)が同時に回転し、この筒かなに取り付けられた分針4b(図1参照)が「分」を表示するようになっている。
また、筒かなの回転に基づいて日の裏車(不図示)の回転を介して筒車(不図示)が回転し、この筒車に取り付けられた時針4a(図1参照)が「時」を表示するようになっている。
表輪列の回転を制御するための脱進・調速装置は、がんぎ車130、アンクル142およびてんぷ10で構成されている。
がんぎ車130の外周には歯130aが形成されている。アンクル142は、地板102とアンクル受164との間で回転可能に支持されており、一対のつめ石142a,142bを備えている。アンクル142の一方のつめ石142aが、がんぎ車130の歯130aに係合した状態で、がんぎ車130は一時的に停止している。
てんぷ10は、一定周期で往復回転することにより、がんぎ車130の歯130aに、アンクル142の一方のつめ石142aおよび他方のつめ石142bを、交互に係合および解除させている。これにより、がんぎ車130を一定速度で脱進させている。
以下に、てんぷ10の構造について詳細に説明する。
(てんぷ)
図3は、ムーブメント100(図2参照)の裏側からてんぷ10を軸方向に見たときの平面図である。なお、図3において、ひげ持106を二点鎖線で図示している。
図4は、図3のA−A線に沿った断面図である。なお、図4において、地板102を挟んで紙面上側がムーブメント100(図2参照)の裏側となっており、地板102を挟んで紙面下側がムーブメント100の表側となっている。また、地板102、てんぷ受104およびひげ持106を二点鎖線で図示している。
図3に示すように、てんぷ10は、主にてん輪20と、てん真30と、ひげぜんまい40とひげ玉50とにより構成された時計部品組立体15と、を備えている。
(てん輪)
てん輪20は、例えば真鍮等の金属により形成されており、略円環状に形成されたてん輪本体部21を備えている。てん輪本体部21の中心軸は、てんぷ10の回転中心である中心軸Oと一致している。
てん輪本体部21の内周面21aからは、中心軸Oに向かって径方向に沿うように四本のアーム部23(23a〜23d)が延設されている。四本のアーム部23a〜23dは、てん輪本体部21の周方向に90°ピッチとなるように、略等間隔に形成されている。四本のアーム部23a〜23dは、てん輪本体部21の内周面21aから中心軸Oに向かうに従って漸次幅が広くなるように形成されており、中心軸O近傍で連結されている。
図4に示すように、四本のアーム部23a〜23dの連結部25には、中心軸Oと同軸の嵌合孔25aが形成されている。連結部25の嵌合孔25aは、てん真30に外嵌圧入されている。
(てん真)
てんぷ10は、中心軸Oと同軸上に、てん真30を備えている。てん真30は、例えば真鍮等の金属により形成された棒状の部材である。
てん真30は、軸方向の両端に、先細りに形成されたほぞ31(31a,31b)を備えている。てん真30は、一方のほぞ31aがてんぷ受104に不図示の軸受けを介して枢支され、他方のほぞ31bが地板102に不図示の軸受けを介して枢支されることにより、中心軸Oまわりに回転可能となっている。
てん真30には、軸方向における略中央に、てん輪20の連結部25の嵌合孔25aが外嵌圧入されている。これにより、てん輪20とてん真30とが一体化されている。
てん真30は、軸方向におけるてん輪20よりも地板102側(図4における下側)に、略円筒形状をした振り座35を備えている。振り座35には、径方向に張り出したフランジ部36が形成されている。フランジ部36の径方向外側には、所定の位置に不図示の振り石が設けられている。振り石は、てんぷ10の往復回転の周期と同期してアンクル142の一方のつめ石142aおよび他方のつめ石142bを、交互に跳ね上げている。これにより、アンクル142の一方のつめ石142aおよび他方のつめ石142bは、がんぎ車130の歯130aに対して係合および解除される。
(時計部品組立体)
てんぷ10は、ひげぜんまい40およびひげ玉50により構成された時計部品組立体15を備えている。
(ひげぜんまい)
図4に示すように、ひげぜんまい40は、てん輪20よりもてんぷ受104側(図4における上側)に設けられている。
図3に示すように、ひげぜんまい40は、例えば鉄やニッケル等の金属からなる薄板ばねであり、複数の巻き数をもった渦巻状のひげぜんまい本体41と、ひげぜんまい本体41の外周側の円弧部42と、により形成されている。ここで、図15に示すように、ひげぜんまい40は、ひげぜんまい本体41がいわゆるアルキメデス曲線Xに沿うように形成されている。
アルキメデス曲線Xは、極座標系において、
r=aθ(aは定数)・・・(1)
により得られる曲線である。
ひげぜんまい本体41がアルキメデス曲線Xに沿うように形成されることで、軸方向から見たときに、ひげぜんまい本体41が渦巻状にかつ径方向に略等間隔に隣り合うように配置される。
図3に示すように、ひげぜんまい本体41の外周側は、ひげぜんまい本体41よりも曲率半径が大きく形成された円弧部42となっている。円弧部42の外周側端部42aは、てんぷ受104(図4参照)から不図示のひげ持受を介して立設されたひげ持106に固定されている。また、ひげぜんまい40の内周側端部43は、ひげ玉50に固定されている。
(ひげ玉)
図5は、軸方向から見たときのひげ玉50の平面図である。なお、図5では、紙面表側がてんぷ受104(図4参照)側となっており、紙面裏側が地板102(図4参照)側となっている。また、図5では、てん真30およびひげぜんまい40を二点鎖線で図示している。
図6は、図5のB−B線に沿った断面図である。なお、図6では、紙面左側がてんぷ受104(図4参照)側となっており、紙面右側が地板102(図4参照)側となっている。また、図5および図6において、本体部51と支持部55との境界は、一点鎖線で図示している。
図5に示すように、ひげ玉50は、例えばニッケルやニッケル合金等により形成された環状の部材であり、てん真30に外嵌される本体部51と、本体部51の径方向外側に突出形成された支持部55と、支持部55の径方向外側の側面に形成された溶接面57と、を備えている。図6に示すように、ひげ玉50の本体部51の軸方向の幅は、ひげぜんまい40の軸方向の幅βよりも十分広く形成されている。
(本体部)
図5に示すように、本体部51は、外形が略楕円環状に形成されており、径方向に沿う第一方向F(図5における左右方向)に長軸方向を有し、第一方向Fと直交する第二方向S(図5における上下方向)に短軸方向を有している。
本体部51は、径方向に所定の肉厚を有しており、中央に開口53が形成されている。開口53は、本体部51の外形に対応して、第一方向Fに長軸方向を有し、第二方向Sに短軸方向を有する略楕円形状に形成されている。開口53により、本体部51は、てん真30に対して外嵌可能に形成されている。
本体部51のうち、第一方向Fに対応した部分は、両側が径方向外側に膨出した一対の膨出部51a,51aとなっている。また、本体部51のうち、第二方向Sに対応した部分は、内周面の直径がてん真30の外径よりも小さく形成された一対の外嵌固定部51b,51bとなっている。膨出部51a,51aを設けることで、開口53をてん真30に外嵌する際、てん真30の外周面と膨出部51a,51aとの間に空間が形成される。これにより、本体部51をてん真30に外嵌圧入する際、膨出部51a,51aは、容易に弾性変形できる。したがって、ひげ玉50の外嵌固定部51b,51bは、膨出部51a,51aの弾性力により外嵌圧入時における破損が抑制されるとともに、てん真30に対して適度な保持力を確保できる。
(支持部)
本体部51の外嵌固定部51b,51bの径方向外側には、一対の支持部55,55が形成されている。支持部55は、本体部51の外嵌固定部51bから径方向外側に向かって突出形成されている。支持部55は、径方向内側から径方向外側に向かって、第一方向Fに沿う方向の幅が漸次狭くなる先細り形状に形成されている。
一対の支持部55,55は、中心軸Oを挟んで径方向の両側に形成されており、本体部51の周方向に等ピッチ(本実施形態では180°ピッチ)に形成されている。
図6に示すように、軸方向における支持部55の両端面56a,56bのうち、地板102側(図4参照、図6における右側)の一方端面56aには、凹部60として、段差部61が形成されている。段差部61は、支持部55の一方端面56aを本体部51側から支持部55の径方向外側の側面(すなわち溶接面57)にかけて、軸方向に凹ませることにより形成されている。これにより、支持部55には、径方向外側に面する側壁面62が形成される。
段差部61の軸方向の深さは、例えば本体部51の軸方向の厚さの半分程度になるように形成されている。段差部61を形成することで、支持部55のうち側壁面62よりも径方向外側の段差部形成領域55aは、側壁面62よりも径方向内側の段差部非形成領域55bよりも軸方向に薄肉に形成される。
支持部55に段差部61を形成することにより、後述するように、溶接面57にひげぜんまい40を溶接する際、溶接時の熱伝達経路となる段差部形成領域55aの断面積を小さくできる。これにより、溶接面57から本体部51にかけて、支持部55の熱伝達率を低くできる。このように、溶接時の熱は、溶接面57から本体部51に伝達しにくくなるので、焼鈍される範囲を溶接面57から段差部61近傍までに制限できる。したがって、ひげ玉50の本体部51のうち焼鈍されず相対的に高硬度な部分の径方向の厚さを厚く確保でき、相対的に高硬度な部分が薄くなるのを抑制できるので、てん真30にひげ玉50を外嵌圧入したときの本体部51の割れを防止できる。
特に、後述するように、本実施形態では、特殊形状のひげ玉50を低コストで形成するために電鋳を利用している。ここで、電鋳によりひげ玉50を形成する場合、材料にはニッケルおよびニッケル合金が採用されることが多い。一般に、ニッケルおよびニッケル合金の融点は、鉄等の金属と比較して高温であるため、ひげ玉50にひげぜんまい40を溶接する際の溶接温度は高温となる。しかし、支持部55に段差部61を形成することにより、溶接温度が高温であっても、本体部51が焼鈍されるのを抑制できる。
また、段差部61は、周方向に等ピッチに形成された一対の支持部55,55に、各々同一形状で形成されている。これにより、一対の支持部55,55の重量は略同一となるので、ひげ玉50の重心をひげ玉50の回転中心(すなわち中心軸O)に配置できる。したがって、ひげ玉50が回転したときに、振動することなく安定して回転できるので、本実施形態のひげ玉50を構成部品として、てんぷ10(図3参照)および時計1(図1参照)を形成したとき、回転周期の誤差が少なく良好な性能が確保される。
(溶接面)
図5に示すように、一対の支持部55,55の径方向外側の側面には、各々溶接面57が形成されている。溶接面57には、ひげぜんまい40のひげぜんまい本体41のうち、内周側端部43の内周面43aが、例えばレーザ溶接により溶接される。
図7は、軸方向から見たときの溶接面57の拡大図である。なお、図7では、ひげぜんまい40、ひげぜんまい本体41に対応したアルキメデス曲線Xおよびひげぜんまい40の内周面43aに対応したアルキメデス曲線X1を二点鎖線で図示している。
図8は、実施形態の溶接面57の斜視図である。
図7に示すように、溶接面57は、ひげぜんまい40の内周面43aに沿ったアルキメデス曲線X1に対応した形状に形成されている。溶接面57の外形は、軸方向から見て、アルキメデス曲線X1上の複数の仮想点P1〜P9間を、各々直線により補間して得られた形状に形成されている。
具体的に、溶接面57の外形形状は、次のように決定されている。
まず、軸方向から見て、ひげぜんまい40の溶接面57に対応した位置において、ひげぜんまい40の内周面43aに沿ったアルキメデス曲線X1上に、所定距離(例えば、本実施形態では15μm)だけ離間した複数の仮想点P1〜P9を設ける。続いて、各仮想点P1〜P9の間を、各々直線で接続して補間することにより、軸方向から見て、アルキメデス曲線X1と近似した溶接面57の外形形状が得られる。この溶接面57の外形形状に基づき、図8に示すように、軸方向に幅αを有する溶接面57が形成される。溶接面57は、各直線に対応して形成された平面が周方向に複数並んで形成されている。
このように、複数の仮想点P1〜P9間を直線により補間することにより、アルキメデス曲線X1と近似した形状の溶接面57を形成しているので、溶接面57を設計および作図する際に、複数の直線のみで溶接面57のCADデータを容易に作成できる。
ここで、図6に示すように、溶接面57は、溶接面57の軸方向の幅をαとし、ひげぜんまい40の軸方向の幅をβとしたとき、
1.0<α/β≦1.2・・・(2)
を満たすように形成されている。すなわち、溶接面57の軸方向の幅αは、ひげぜんまい40の軸方向の幅βよりも広く形成されている。これにより、後述するように、ひげ玉50とひげぜんまい40との溶接時には、ひげぜんまい40が溶接面57から軸方向に突出することなく、ひげ玉50の溶接面57とひげぜんまい40の内周面43aとを面接触させることができる。
また、溶接面57は、一対の支持部55,55に対応して、中心軸Oを挟んで径方向の両側に一対形成されている。したがって、ひげぜんまい40をひげ玉50に溶接するとき、一対の支持部55,55の溶接面57のうち、一方の支持部55の溶接面57とひげぜんまい40の内周側端部43とを位置合わせして溶接すればよい。したがって、支持部55の溶接面57が一箇所の場合よりも、ひげ玉50の溶接面57とひげぜんまい40の内周側端部43との位置決めが素早くできる。これにより、ひげぜんまい40をひげ玉50に溶接する時の作業効率を向上できる。
(ひげ玉とひげぜんまいとの溶接)
図9は、ひげ玉50にひげぜんまい40を溶接するときの概略説明図である。
図9に示すように、上述したひげ玉50の溶接面57には、ひげぜんまい40の内周側端部43が、例えばレーザ溶接により溶接されている。具体的な溶接方法としては、まず、平板状の位置規制治具86に、支持部55の軸方向の他方端面56bおよびひげぜんまい本体41の軸方向の他方端面41bを当接させて、支持部55の他方端面56bおよびひげぜんまい本体41の他方端面41bを略面一の位置に合わせる。
このとき、溶接面57の軸方向の幅αおよびひげぜんまい40の軸方向の幅βは、(2)式を満たすように形成されているので、ひげぜんまい40が溶接面57から軸方向に突出することがない。したがって、ひげ玉50の溶接面57とひげぜんまい40の内周面43aとを確実に面接触させて位置決めできる。
続いて、所定のレーザ出力および照射範囲(以下「レーザスポット径」という。)を有するレーザ溶接機85を使用して、段差部61が形成されている一方端面56a側から、ひげ玉50の溶接面57近傍に所定出力のレーザ88を照射してレーザ溶接を行う。これにより、図5に示すように、支持部55の一方端面56aおよびひげぜんまい本体41の一方端面41aに、溶接面57を跨ぐようにレーザスポット径に対応した溶接ナゲット71が形成され、ひげ玉50にひげぜんまい40が溶接される。
このとき、レーザ溶接で形成される溶接ナゲット71の直径は、溶接面57の周方向に沿う方向の幅と略同一になるように形成されるのが望ましい。これにより、軸方向から見て、溶接ナゲット71の外縁が、溶接面57の周方向両端に接するように形成されるので、溶接面57の周方向に沿う方向の全体にわたって、ひげぜんまい40の内周面43aと溶接できる。したがって、支持部55の溶接面57にひげぜんまい40を強固に溶接できる。
ここで、てんぷ10は、ひげぜんまい40のうち溶接ナゲット71よりも外周側が拡縮することにより、周期的に往復回転する。したがって、てんぷ10の回転周期の誤差は、溶接ナゲット71よりも外周側における拡縮可能なひげぜんまい40の長さの誤差に依存する。しかし、本実施形態によれば、溶接面57の周方向に沿う方向の幅と溶接ナゲット71の直径とを略同一とすることで、溶接面57とひげぜんまい40との溶接部分がばらつくのを防止できる。さらに、溶接ナゲット71の直径が溶接面57の周方向に沿う方向の幅よりも大きくなった場合に発生する、ひげぜんまい40の脆化を抑制できる。これにより、拡縮可能なひげぜんまい40の長さのばらつきを抑制できるので、回転周期の誤差の少ないてんぷ10を形成できる。
ところで、てんぷ10の回転周期の誤差は、ひげぜんまい40が固定される位置の精度に依存する。具体的には、図15に示すように、軸方向から見たときに、ひげぜんまい本体41に対応するアルキメデス曲線Xの中心軸Tと、てんぷ10の中心軸Oとが一致するように設計されているので、両者間の位置ずれ(以下「横振れ」という。)が少ないほど、てんぷ10の回転周期の誤差は小さくなる。
また、径方向外側から見たときに、ひげぜんまい本体41に対応するアルキメデス曲線Xの中心軸と、てんぷ10の中心軸Oとの角度ずれ(「縦振れ」または「平振れ」という。)が少ないほど、てんぷ10の回転周期の誤差は小さくなる。
ここで、溶接面57は、ひげぜんまい40の内周面43aに沿ったアルキメデス曲線X1に対応した形状に形成されている。このため、溶接面57にひげぜんまい40の内周側端部43を溶接するとき、支持部55の溶接面57とひげぜんまい40の内周面43aとが、ほぼ面接触した状態で位置決めされる。これにより、従来技術のように、ひげ玉50の溶接面57とひげぜんまい40の内周面43aとが線接触する場合と比較して、ひげぜんまい40は、ひげ玉50の溶接面57に対して安定して精度よく配置される。したがって、ひげ玉50とひげぜんまい40とは、ひげ玉50の中心軸Oとひげぜんまい40のアルキメデス曲線Xの中心軸Tとが一致するように、精度よく位置決めした状態で溶接される。
(効果)
本実施形態によれば、ひげ玉50の溶接面57をひげぜんまい40の内周面43aに沿ったアルキメデス曲線X1に対応した形状に形成することで、溶接面57にひげぜんまい40の内周側端部43を溶接するとき、ひげ玉50の溶接面57とひげぜんまい40の内周面43aとを面接触させることができる。したがって、従来技術のように、ひげ玉50の溶接面57とひげぜんまい40の内周面43aとが線接触する場合と比較して、ひげ玉50の溶接面57に対してひげぜんまい40を安定して精度よく配置できる。これにより、ひげ玉50の中心軸Oと、ひげぜんまい40のアルキメデス曲線Xの中心軸Tとが一致するように、ひげ玉50とひげぜんまい40とを精度よく位置決めした状態で溶接できるので、ひげぜんまい40の横振れの発生を抑制できる。
また、ひげ玉50の溶接面57とひげぜんまい40の内周面43aとを面接触させて溶接できるので、ひげ玉50の溶接面57に対応した溶接面積を安定して確保できる。したがって、ひげ玉50の溶接面57とひげぜんまい40の内周面43aとの溶接強度を十分に確保できるとともに、製造される時計部品組立体15毎の溶接面積のバラつきに起因する溶接強度のバラつきを防止できる。
(ひげ玉の製造工程)
続いて、以下に上述した実施形態のひげ玉50(図5参照)の製造工程について、図面を参照して説明する。
図10は、ひげ玉50の製造工程のフローチャートである。
図11は、電鋳型94を電鋳液Wに漬浸させた状態を示す図である。
図12は、電鋳を行って、外形形成用孔95内で金属体99を成長させた状態を示す図である。
図10に示すように、本実施形態のひげ玉50の製造工程は、電鋳工程S10と、厚み調整工程S20と、除去工程S30とを備えている。以下に、各工程について説明する。
(電鋳工程S10)
はじめに、ひげ玉50(図5参照)の外形形状を形成する電鋳工程S10を行う。
図11に示すように、電鋳工程S10では、以下のように形成された電鋳型94を用いて、ひげ玉50の外形形状を形成している。
電鋳型94は、フォトリソグラフィ技術を用いて形成される。
具体的には、まず、シリコン基板90を用意した後、シリコン基板90の表面に、金、銀、銅やニッケル等を主成分とする導電膜91を形成する。続いて、導電膜91上に、第一の感光性材料94aを塗布する。なお、第一の感光性材料94aは、ポジレジストでもネガレジストでも構わないが、本実施形態ではネガレジストを用いている。続いて、ひげ玉50の外形形状にパターニングされ、それ以外の領域が開口したフォトレジストマスク(不図示)を用いて、第一の感光性材料94aを露光する。
ここで、本実施形態では、複数の仮想点P1〜P9間を直線により補間して、アルキメデス曲線X1と近似した形状の溶接面57を形成する。したがって、フォトレジストマスクにおける溶接面57に対応した領域の形状は、複数の直線のみで容易に形成できる。
ネガレジストである第一の感光性材料94aを露光すると、露光された部分が硬化する。続いて、現像液(不図示)を用いて、第一の感光性材料94aを現像すると、露光されていない領域が溶解される。続いて、段差部61(図5参照)の外形を形成するために、第一の感光性材料94aに重ねて、第二の感光性材料94bを塗布する。そして、上述と同様に、第二の感光性材料94bを露光および現像する。これにより、段差部61を有するひげ玉50の外形形状に倣って、第一の感光性材料94aおよび第二の感光性材料94bに外形形成用孔95が形成されるとともに、導電膜91が露出されて、アルキメデス曲線X1と近似した形状の溶接面57を備えたひげ玉50を形成可能な電鋳型94が形成される。
電鋳工程S10では、まず、処理槽96内に貯液された電鋳液Wにシリコン基板90全体を漬浸させる。なお、この電鋳工程S10を行うにあたって、電鋳すべき金属材料に応じて電鋳液Wを選択する。例えば、ニッケル電鋳を行う場合には、スルファミン酸浴、ワット浴や硫酸浴等が用いられる。
仮にスルファミン酸浴を用いてニッケル電鋳を行う場合には、処理槽96の中にスルファミン酸ニッケル水和塩を主成分とするスルファミン酸浴を入れる。また、電鋳すべき金属材料(本実施形態ではニッケル)からなる陽極電極97をスルファミン酸浴の中に浸漬させる。陽極電極97としては、例えば、電鋳すべき金属材料からなるボールを複数用意し、この金属ボールをチタン等で作った金属製のかごの中に入れることで構成する。
そして、シリコン基板90をスルファミン酸浴の中に浸漬した後、シリコン基板90に形成した導電膜91を電源98の陰極に接続すると共に陽極電極97を電源98の陽極に接続して、電鋳を開始する。すると、陽極電極97を構成する金属がイオン化してスルファミン酸浴中を移動し、外形形成用孔95内で露出する導電膜91上に金属として析出し、この金属が徐々に成長する。そして、図12に示すように、少なくとも外形形成用孔95を完全に塞ぐ金属体99になるまで金属を成長させる。この際、外形形成用孔95は、上述したように段差部61を有するひげ玉50(図5参照)の外形形状に倣っているので、成長した金属体99に関しても段差部61を有するひげ玉50の外形形状に倣った状態となっている。ひげ玉50の外形形状が形成された時点で、電鋳工程S10が終了する。
(厚み調整工程S20)
次に、金属体99の厚みがひげ玉50(図5参照)の厚みとなるように調整する、厚み調整工程S20を行う。
厚み調整工程S20では、処理槽96からシリコン基板90を引き上げ、純水等で洗浄処理する。その後、外形形成用孔95から溢れた金属体99を除去すると共に、残った金属体99の厚みがひげ玉50(図5参照)の厚みとなるように厚み調整する。この方法としては、CMP法(化学機械研磨法)等の研磨加工によって行えば良い。
(除去工程S30)
最後に、第一の感光性材料94a、第二の感光性材料94b、導電膜91およびシリコン基板90を除去する除去工程S30を行う。
除去工程S30では、アッシング処理や剥離液法等により第一の感光性材料94aおよび第二の感光性材料94bを除去すると共に、CMP法等によりシリコン基板90および導電膜91を除去する。これにより、ひげ玉50を電鋳によって作製することができる。
シリコン基板90および導電膜91が除去された時点で、除去工程S30が終了するとともに、ひげ玉50の製造工程の全てが終了する。
(効果)
本実施形態によれば、アルキメデス曲線X1に対応した特殊形状の溶接面57を備えたひげ玉50を低コストで形成できるので、時計部品組立体15を低コストで形成できる。特に、本実施形態のように、複数の仮想点P1〜P9間を直線により補間して、アルキメデス曲線X1と近似した形状の溶接面57を形成する場合、複数の直線のみで溶接面57に対応した形状のフォトレジストマスクを容易に形成できる。したがって、溶接面57に対応する電鋳型94をフォトリソグラフィ技術により容易に形成できるので、アルキメデス曲線X1に近似した形状の溶接面57を備えたひげ玉50を電鋳により容易に形成できる。
(実施形態の第一変形例の溶接面)
続いて、実施形態の第一変形例に係るひげ玉50の溶接面57について説明する。
図13は、本実施形態の第一変形例のひげ玉50の溶接面57の説明図である。なお、図13では、分かり易くするために、複数の仮想点P1〜P9のうち、P1〜P3を図示している。
実施形態では、ひげ玉50の溶接面57の外形は、軸方向から見て、ひげぜんまい40の内周面43aに沿ったアルキメデス曲線X1上の複数の仮想点P1〜P9間を、各々直線により補間して得られた形状に形成されていた(図7参照)。これに対して、実施形態の第一変形例では、図13に示すように、ひげ玉50の溶接面57の外形は、軸方向から見て、ひげぜんまい40の内周面43aに沿ったアルキメデス曲線X1上の複数の仮想点P1〜P9(図13では、P1〜P3のみ図示)間を、各々円弧により補間して得られた形状に形成されている点で、実施形態とは異なっている。なお、実施形態と同様の構成の部分については、詳細な説明を省略する。
図13に示すように、第一変形例の溶接面57は、次のように外形形状が決定されている。
まず、軸方向から見て、溶接面57と当接するひげぜんまい40の内周面43aに対応したアルキメデス曲線X1上に、所定距離(例えば、本実施形態では15μm)だけ離間した複数の仮想点P1〜P9(図13では、P1〜P3のみ図示)を設ける。そして、各仮想点P1〜P9の間を、各々円弧により接続して補間する。
各仮想点P1〜P9の間を各々円弧により補完する方法として、例えば、仮想点P1〜P3の三点から決定される円弧を形成し、仮想点P1〜P2を通る円弧を第一の円弧とする。続いて、仮想点P2〜P4の三点から決定される円弧を形成し、仮想点P2〜P3間の円弧を第二の円弧とする。以降同様にして、各仮想点P4〜P9の間に円弧を形成して接続することにより、各仮想点P1〜P9の間が各々円弧により補間される。なお、この各仮想点P1〜P9の補完方法は一例であり、他の方法により各仮想点P1〜P9の間を補間してもよい。これにより、軸方向から見て、アルキメデス曲線X1と近似した溶接面57の外形形状が得られ、各仮想点P1〜P9間の各円弧に対応して形成された曲面が周方向に複数並んだ溶接面57が形成される。
(実施形態の第一変形例の効果)
実施形態の第一変形例によれば、複数の仮想点P1〜P9間を円弧により補間して、アルキメデス曲線X1と近似した形状の溶接面57を形成しているので、複数の円弧のみで溶接面57のCADデータを容易に作成できる。また、アルキメデス曲線X1に近似した形状の溶接面57を備えたひげ玉を、機械加工や電鋳により容易に形成できる。
(実施形態の第二変形例の溶接面)
続いて、実施形態の第二変形例に係るひげ玉50の溶接面57について説明する。
図14は、本実施形態の第二変形例のひげ玉50の溶接面57の説明図である。
上述した実施形態では、ひげ玉50の溶接面57の外形は、軸方向から見て、ひげぜんまい40の内周面43aに沿ったアルキメデス曲線X1上の複数の仮想点P1〜P9間を、各々直線により補間して得られた形状に形成されていた(図7参照)。これに対して、実施形態の第二変形例では、図14に示すように、ひげ玉50の溶接面57の外形は、軸方向から見て、ひげぜんまい40の内周面43aに沿ったアルキメデス曲線X1上の三個の仮想点P1〜P3間を、一の円弧により補間して得られた形状に形成されている点で、実施形態とは異なっている。なお、実施形態と同様の構成の部分については、詳細な説明を省略する。
図14に示すように、第二変形例の溶接面57は、次のように外形形状が決定されている。
まず、軸方向から見て、ひげぜんまい40の内周面43aに対応したアルキメデス曲線X1と、第二方向S(図14における上下方向)の軸線との交点に、仮想点P1を設ける。続いて、仮想点P1を挟んで第一方向F(図14における左右方向、図5参照)の両側に、形成される溶接面57の周方向端部に対応した仮想点P2および仮想点P3を設ける。そして、各仮想点P1〜P3の間を、一の円弧により接続して補間する。これにより、軸方向から見て、アルキメデス曲線X1と近似した溶接面57の外形形状が得られ、各仮想点P1〜P3間を接続する一の円弧に対応して形成された曲面により、溶接面57が形成される。なお、このように仮想点P1〜P3間を補間して形成された一の円弧の中心は、てん真30の中心軸Oからずれるが、円弧がひげぜんまい40に対応したアルキメデス曲線X1と近似して形成されているため、このずれは非常に僅かである。したがって、円弧に対応した溶接面57にひげぜんまい40を溶接しても、てんぷ10の回転周期に与える誤差は非常に僅かであり問題ない。
(実施形態の第二変形例の効果)
実施形態の第二変形例によれば、三個の仮想点P1〜P3を一の円弧により補間して、アルキメデス曲線X1と近似した形状の溶接面57を形成しているので、一の円弧のみで溶接面57のCADデータをさらに容易に作成できる。また、アルキメデス曲線X1に近似した形状の溶接面57を備えたひげ玉50を、機械加工や電鋳によりさらに容易に形成できる。特に、一の円弧のみで補間する手法は、溶接面57の第一方向Fの幅(すなわち溶接面57の周方向の幅)が小さい場合に有効である。
また、溶接面57は、一の円弧のみで補間して得られた形状に形成されているので、溶接面57をより滑らかに形成できる。これにより、ひげ玉50の溶接面57に対してひげぜんまい40を確実に面接触させて、安定して精度よく配置できる。したがって、ひげ玉50とひげぜんまい40とをさらに精度よく位置決めした状態で溶接できるので、ひげぜんまい40の横振れの発生を確実に抑制できる。また、ひげ玉50の溶接面57とひげぜんまい40の内周面43aとを、ほぼ隙間が無い状態で面接触させて溶接できるので、溶接面積を十分に確保できる。したがって、ひげ玉50とひげぜんまい40との溶接強度をさらに確保できる。
なお、この発明の技術範囲は上記実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
実施形態では、ひげぜんまい40の内周面43aに対応したアルキメデス曲線X1上に仮想点を9個設けており、各仮想点P1〜P9の離間距離を15μmに設定していたが、仮想点の個数および各仮想点の離間距離は、実施形態に限られない。
実施形態では、ひげ玉50および溶接面57を電鋳により形成したが、ひげ玉50および溶接面57の形成方法は電鋳に限られない。例えば、ひげ玉50および溶接面57を機械加工により形成してもよい。ただし、アルキメデス曲線に対応した特殊形状の溶接面57を備えたひげ玉50を低コストで形成できる点で、実施形態に優位性がある。
ひげ玉50の外形形状は、実施形態に限られることはない。例えば、実施形態のひげ玉50の本体部51は、外形が略楕円環状に形成されていた。これに対して、ひげ玉50の本体部51は、外形が略真円環状に形成されていてもよい。ただし、ひげ玉50の本体部51に第一方向Fに膨出した膨出部51a,51aが形成されており、膨出部51a,51aの弾性力により外嵌圧入時における本体部51の破損が抑制されるとともに、てん真30に対して適度な保持力を確保できる点で、実施形態のひげ玉50に優位性がある。
ひげ玉50に形成される凹部60は、実施形態の段差部61に限られることはない。例えば、凹部60は、支持部55の端面56a,56bに形成される溝であってもよいし、支持部55の両端面56a,56bを軸方向に貫通する貫通孔であってもよい。
実施形態では、本体部51の周方向に180°ピッチに、一対の支持部55,55が形成されていたが、支持部55の周方向のピッチ角および個数は、実施形態に限定されることはない。例えば、支持部55を一個形成してもよい。ただし、ひげ玉50の重心をひげ玉50の回転中心(すなわち中心軸O)に配置でき、ひげ玉50が振動することなく安定して回転できる点で、実施形態に優位性がある。また、本体部51の周方向に120°ピッチに、三個の支持部55を形成してもよい。
実施形態では、ひげ玉50にひげぜんまい40を溶接する方法として、レーザ溶接を例に説明をしたが、溶接方法はレーザ溶接に限られることはない。例えば、アーク溶接や、抵抗溶接、摩擦攪拌接合等により、ひげ玉50にひげぜんまい40を溶接してもよい。ひげ玉50の溶接面57をアルキメデス曲線X1に対応した形状に形成することで、いずれの溶接方法においても本発明の効果を得ることができる。
1・・・時計 10・・・てんぷ 15・・・時計部品組立体 20・・・てん輪 30・・・てん真 40・・・ひげぜんまい 43・・・内周側端部 50・・・ひげ玉 51・・・本体部 53・・・開口 55・・・支持部 57・・・溶接面 60・・・凹部 61・・・段差部 71・・・溶接ナゲット X,X1・・・アルキメデス曲線 P1〜P9・・・仮想点

Claims (10)

  1. てん真に対して同軸に外嵌固定されるひげ玉と、アルキメデス曲線に沿って形成されたひげぜんまいと、を溶接して構成された時計部品組立体であって、
    前記ひげ玉は、径方向外側の側面に、前記ひげぜんまいの内周側端部が溶接される溶接面を備え、
    前記溶接面は、前記ひげ玉の軸方向から見て、前記ひげぜんまいのアルキメデス曲線に対応した形状に形成されていることを特徴とする時計部品組立体。
  2. 請求項1に記載の時計部品組立体であって、
    前記溶接面は、前記軸方向から見て、所定距離だけ離間した前記ひげぜんまいのアルキメデス曲線上の複数の仮想点間を、各々直線により補間して得られた形状に形成されていることを特徴とする時計部品組立体。
  3. 請求項1に記載の時計部品組立体であって、
    前記溶接面は、前記軸方向から見て、所定距離だけ離間した前記ひげぜんまいのアルキメデス曲線上の複数の仮想点間を、各々円弧により補間して得られた形状に形成されていることを特徴とする時計部品組立体。
  4. 請求項1に記載の時計部品組立体であって、
    前記溶接面は、前記軸方向から見て、所定距離だけ離間した前記ひげぜんまいのアルキメデス曲線上の三個の仮想点を、一の円弧により補間して得られた形状に形成されていることを特徴とする時計部品組立体。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の時計部品組立体であって、
    前記ひげ玉および前記ひげぜんまいの前記軸方向の両端面のうち、少なくとも一方側の各端面には、前記溶接面を跨るように溶接ナゲットが形成され、
    前記溶接ナゲットの外縁は、前記軸方向から見たとき、前記溶接面の周方向両端に接するように形成されていることを特徴とする時計部品組立体。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の時計部品組立体であって、
    前記溶接面は、
    前記溶接面の前記軸方向の幅をαとし、
    前記ひげぜんまいの前記軸方向の幅をβとしたとき、
    1.0<α/β<1.2
    を満たすように形成されていることを特徴とする時計部品組立体。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の時計部品組立体であって、
    前記ひげ玉は、
    前記てん真に同軸に外嵌可能な開口を有する本体部と、
    前記本体部の前記径方向外側に突出形成され、前記ひげぜんまいが溶接される支持部 と、
    を備え、
    前記支持部の前記径方向外側の側面には、前記溶接面が形成され、
    前記軸方向における前記支持部の両端面のうち、少なくとも一方の端面には、凹部が形成されていることを特徴とする時計部品組立体。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の時計部品組立体であって、
    前記ひげ玉は、電鋳により形成されたことを特徴とする時計部品組立体。
  9. 請求項1に記載の時計部品組立体と、
    前記時計部品組立体を構成する前記ひげ玉が外嵌される前記てん真と、
    前記てん真に外嵌されるてん輪と、
    を備えたてんぷ。
  10. 請求項9に記載のてんぷを備えた時計。
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