JP2013167295A - 転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸水による寸法変化が小さく、基油にポリα−オレフィン油を含むグリース組成物との付着性にも優れ、更に高温での変形も少ない合成樹脂製保持器を備え、高信頼性で、特に外輪案内方式に適した転がり軸受を提供する。
【解決手段】少なくとも内輪、外輪、合成樹脂製保持器及び転動体を備える転がり軸受において、前記合成樹脂製保持器が、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとの混合物からなるジアミン成分と、蓚酸ジエステルからなるジカルボン酸成分との重縮合反応により形成され、融点が230〜240℃であるポリアミド樹脂に、強化繊維材を配合した樹脂組成物からなる転がり軸受。
【選択図】図1

Description

本発明は、合成樹脂製保持器を備える転がり軸受に関し、より詳細には合成樹脂製保持器の改良に関する。
転がり軸受では、軽量化や複雑な形状に成形できることなどの理由から、合成樹脂に補強繊維材を配合した樹脂組成物からなる合成樹脂製保持器を用いることがある。転がり軸受には様々な種類があるとともに、使用される環境も多様であり、求められる性能も異なるため、合成樹脂製保持器を形成する合成樹脂と強化繊維材との組み合わせを変える等して対応している。
合成樹脂にはポリアミド樹脂やポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等が広く使用されており、強化繊維材にはガラス繊維や炭素繊維等が広く使用されている。また、ポリアミド樹脂としては、ポリアミド66樹脂やポリアミド46樹脂が一般的であるが、ノナンジアミンとテレフタル酸とからなるポリアミド9Tも使用されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特開2001−317554号公報 特開2007−170430号公報 特開2007−303601号公報 特開2009−97644号公報
転がり軸受の中で、特に工作機械主軸に使用されるものは、高速回転時に、保持器外周面と外輪内周面とが接触する外輪案内方式であり、高速で回転され、更には水との接触機会が多いことから、保持器には吸水寸法変化が小さいことが要求されている。しかし、ポリアミド66樹脂やポリアミド46樹脂は吸水率が高いため、合成樹脂製保持器のベース樹脂には、吸水性が少ないポリフェニレンサルファイド樹脂やポリエーテルエーテルケトン樹脂が用いられることが多い。
また、工作機械主軸用の転がり軸受では、潤滑のためにグリース潤滑やオイルエア潤滑、ジェット潤滑等が行われているが、低コストでメンテナンスも容易なことから、グリース潤滑が一般的である。使用されるグリース組成物の基油には、安価で、添加剤の制約が少ないため多様な要求に対応しやすいことなどから、脂肪族炭化水素で、極性が低い鉱油やポリα−オレフィン油が使用されることが最も多いが、芳香族環が分子構造中に多数存在するポリフェニレンサルファイド樹脂やポリエーテルエーテルケトン樹脂とは分子構造が大きく異なるため、保持器とグリース組成物との濡れ性が悪く、グリース組成物の保持器への付着力が十分ではなく、潤滑性に難がある。また、ポリアミド9T樹脂も半芳香族ポリアミド樹脂であるため、同様の問題がある。
ポリアミド樹脂の中には、ポリアミド11樹脂(融点187℃)やポリアミド12樹脂(融点176℃)、ポリアミド612樹脂(融点216℃)、ポリアミド610樹脂(融点222℃)のように低吸水性で、分子構造中にアミド結合が少ないものが知られているが、融点が低いため、高速で回転して軸受温度が上昇すると、保持器が軟化して変形するおそれがある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、吸水による寸法変化が小さく、基油にポリα−オレフィン油を含むグリース組成物との付着性にも優れ、更に高温での変形も少ない合成樹脂製保持器を備え、高信頼性で、特に外輪案内方式に適した転がり軸受を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、下記の転がり軸受を提供する。
(1)少なくとも内輪、外輪、合成樹脂製保持器及び転動体を備える転がり軸受において、
前記合成樹脂製保持器が、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとの混合物からなるジアミン成分と、蓚酸ジエステルからなるジカルボン酸成分との重縮合反応により形成され、融点が230〜240℃であるポリアミド樹脂(以下「特定のポリアミド樹脂」)に、強化繊維材を配合した樹脂組成物からなることを特徴とする転がり軸受。
(2)外輪案内方式であることを特徴とする上記(1)記載の転がり軸受。
(3)ポリα−オレフィン油を主成分とする基油を含むグリース組成物が充填されていることを特徴とする上記(1)または(2)記載の転がり軸受。
本発明の転がり軸受は、合成樹脂製保持器のベース樹脂が特定のポリアミド樹脂であり、高温での変形が抑えられ、吸水寸法変化も小さいことから、信頼性が高く、特に外輪案内方式の転がり軸受として好適である。また、グリース潤滑としたときに、グリース組成物の基油に、分子構造がポリアミド樹脂と類似するポリα−オレフィン油を用いることにより、合成樹脂製保持器との付着性が高まり、潤滑性に優れるようになる。
本発明の転がり軸受の一例である玉軸受を示す断面図である。 図1に示す玉軸受の保持器の一例を示す斜視図である。 本発明の転がり軸受の他の例である円筒ころ軸受を示す断面図である。 図3に示す円筒ころ軸受の保持器の一例を示す斜視図である。 本発明の転がり軸受の他の例であるアンギュラ玉軸受を示す断面図である。 図5に示すアンギュラ玉軸受の保持器の一例を示す斜視図である。
以下、本発明に関して図面を参照して詳細に説明する。
本発明の転がり軸受は、合成樹脂製保持器を備える限り、その種類や構造には制限はなく、例えば図1に示すような玉軸受(図2はその保持器の一例)、図3に示すような円筒ころ軸受(図4はその保持器の一例)、図5に示すようなアンギュラ玉軸受(図6はその保持器の一例)、を例示することができる。
図1に示す玉軸受1は、内輪10と外輪11との間に、合成樹脂製保持器12により複数の玉(転動体)13を転動自在に保持するとともに、潤滑のためにグリース組成物Gを充填してシール14で密封したものである。また、合成樹脂製保持器12は冠型保持器と呼ばれ、図2に示すように、円環状の基部20に、玉(図示せず)を保持するためのポケット21が等間隔で形成されている。また、ポケット21の上端両側には弾性片22が形成されており、ポケット全体として円弧状を呈している。
図3に示す円筒ころ軸受110は、内周面に外輪軌道面111aを有する外輪111と、外周面に内輪軌道面112aを有する内輪112と、外輪軌道面111aと内輪軌道面112aとの間に転動可能に配設される複数の円筒ころ(転動体)113と、複数の円筒ころ113を円周方向に略等間隔に保持する合成樹脂製保持器114とを備える。また、合成樹脂製保持器114は、図4に示すように、軸方向に互いに同軸に離間配置される一対の円環部115と、一対の円環部115を連結すべく、円周方向に略等間隔で配置される複数の柱部116と、円周方向に互いに隣り合う各柱部116の間に形成され、円筒ころ113を転動可能に保持するポケット部117とを有する。
図5に示すアンギュラ玉軸受120は、内周面に外輪軌道面121aを有する外輪121と、外周面に内輪軌道面122aを有する内輪122と、外輪軌道面121aと内輪軌道面122aとの間に転動可能に配設される複数の玉(転動体)123と、複数の玉123を円周方向に略等間隔に保持する合成樹脂製保持器124とを備える。また、合成樹脂製保持器124は、図6に示すように、板状の円環部材125と、この円環部材125に円周方向に略等間隔で形成され、玉123を転動可能に保持する複数のポケット部126とを有する。
本発明では、合成樹脂製保持器12、114、124を、以下の樹脂組成物で形成する。
樹脂組成物のベース樹脂は、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとの混合物からなるジアミン成分と、蓚酸ジエステルからなるジカルボン酸成分との重縮合反応により形成される特定のポリアミド樹脂である。この特定のポリアミド樹脂は、ジアミン成分における1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとの混合比により融点が変わり、目的とする融点230〜240℃を確保するには、モル比で、1,9−ノナンジアミン:2−メチル−1,8−オクタンジアミン=5:95〜10:90、または70:30〜90:10とする。これ以外の混合比では、特定のポリアミド樹脂の融点が230℃未満となり、目的とする高温耐久性が得られない。
ジカルボン酸成分である蓚酸ジエステルとしては、蓚酸ジブチルが好適である。
ジアミン成分とジカルボン酸成分との比率は、縮重合反応が安定して進行すれば特に制限はないが、モル比で、(ジカルボン酸成分/ジアミン成分)=0.99〜1.01が好適である。
また、縮重合の反応条件には制限はなく、他のポリアミド樹脂を縮重合するときの反応条件に準じて行うことができる。例えば、以下に示すような(1)前重縮合工程、(2)後重縮合工程の順で行うのが好ましい。
(1)前重縮合工程
反応器内を窒素置換した後、ジアミン成分とジカルボン酸成分とを上記比率で混合する。混合に際してジアミン成分及びジカルボン酸成分が共に可溶な溶媒を用いることができ、例えば、トルエン、キシレン、トリクロロベンゼン、フェノール、トリフルオロエタノールなどを用いることができる。そして、例えば、ジアミン成分を溶解したトルエン溶液を50℃に加熱した後、ジカルボン酸成分を加える。次いで、反応器内を攪拌及び/又は窒素バブリングしながら、常圧下で昇温する。反応温度は、最終到達温度が80〜150℃、好ましくは100〜140℃の範囲になるように制御する。また、最終到達温度での反応時間は3時間〜6時間である。
(2)後重縮合工程
高分子量化を図るために、前重縮合工程で生成した重合物を常圧下において反応器内で徐々に昇温する。昇温過程において前重縮合工程の最終到達温度(80〜150℃)から、最終的に220℃以上300℃以下、好ましくは230℃以上280℃以下、更に好ましくは240℃以上270℃以下の温度範囲にまで到達させる。昇温時間を含めて1〜8時間、好ましくは2〜6時間保持して反応を行うことが好ましい。さらに後重合工程において、必要に応じて減圧下での重合を行うこともできる。減圧重合を行う場合の好ましい最終到達圧力は0.1MPa未満〜13.3Paである。
このようにして得られる特定のポリアミド樹脂は、融点が上記したとおり230〜240℃となり、更には飽和吸水率が0.9〜1.3%で、従来から合成樹脂製保持器のベース樹脂に多用されているポリアミド66樹脂(飽和吸水率5.6%)に比べて大幅に小さい。そのため、高温での軟化が抑えられ、吸水による寸法変化量も非常に小さくなり、信頼性が非常に高まる。
尚、合成樹脂製保持器は、生産面からは射出成形して作製することが望ましい。そこで、射出成形を考慮して、特定のポリアミド樹脂の分子量を、強化繊維材を含有した状態で射出成形が可能な流動性を示す範囲、具体的には数平均分子量で13000〜28000、より好ましくは耐疲労性や成形性を考慮すると数平均分子量で18000〜26000の範囲とする。数平均分子量が13000未満では、分子量が低すぎて耐疲労性が悪く、実用性が低い。これに対して数平均分子量が28000を越える場合は、強化繊維材を規定量含有した状態での溶融粘度が高すぎ、精度よく射出成形で製造することが困難になる。
特定のポリアミド樹脂は単独でも一定以上の耐久性を示し、これを成形して得られる保持器は、接触する相手材(転動体や外輪)の摩耗に対して有利に働いて保持器として十分に機能する。しかし、本発明で目的とするような、より過酷な条件で使用したときに、保持器の破損や変形、摩耗等を抑えて信頼性を高めるために、強化繊維材を配合する。
強化繊維材には制限はなく、従来から合成樹脂製保持器に使用されているものを使用できるが、強度に優れ、耐熱性を有することなどから、ガラス繊維や炭素繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー等が好ましく、特定のポリアミド樹脂との接着性を考慮してシランカップリング剤等で表面処理したものが更に好ましい。また、これらの強化繊維材は複数種を組み合わせて使用することもできる。耐衝撃性を考慮するとガラス繊維や炭素繊維、アラミド繊維等の繊維状を配合することが好ましく、相手材の損傷を考慮すると繊維状物とウィスカー状物とを組み合わせて配合することが好ましい。尚、混合比率は、繊維状物及びウィスカー状物の種類により異なり、衝撃強度や相手材の損傷度合等を考慮して適宜選択される。
また、ガラス繊維としては、一般的な平均繊維径である10〜13μmのものの他に、少ない含有量で高強度化と耐衝撃性の向上が可能な平均繊維径が5〜7μmのもの、あるいは異形断面(楕円や長楕円、まゆ形等)のものがより好ましい。
炭素繊維としては、強度を優先するのであればPAN系のものが好適であるが、コスト面で有利なピッチ系のものも使用可能である。また、平均繊維径としては5〜15μmのものが好適である。炭素繊維は、繊維自体の強度や弾性率が高いため、ガラス繊維に比べて保持器の高強度化や高弾性率化が可能である。
アラミド繊維としては、強化性に優れるパラ系アラミド繊維が好適である。また、平均繊維径としては5〜15μmのものが好適である。アラミド繊維は、ガラス繊維や炭素繊維に比べて鉄鋼材料を傷つけることがないので、相手材の表面状態を悪くすることがなく、軸受の音響特性等を重視する場合は特に好適である。
強化繊維材の配合量は、保持器全体の10〜40質量%が好ましく、15〜30質量%がより好ましい。配合量が10質量%未満の場合には、機械的高度の改善が少なく好ましくない。配合量が40質量%を超えるばあいには、成形性が低下するとともに、強化繊維材の種類によっては相手材への傷付け性が高くなるので好ましくない。
上記の樹脂組成物には、各種の添加剤を添加することができるが、特に成形時及び使用時の熱による劣化を防ぐために、特定のポリアミド樹脂にヨウ化物系熱安定剤やアミン系酸化防止剤をそれぞれ単独で、または併用して添加することが好ましい。
転がり軸受は、メンテナンスが容易なグリース潤滑とすることが好ましく、図1に示すように軸受内部空間にグリース組成物を充填する。グリース組成物の基油は、特定のポリアミド樹脂との群れ性を考慮して、ポリα−オレフィン油が好ましい。特定のポリアミド樹脂は、合成樹脂製保持器のベース樹脂として一般的なポリアミド66樹脂に比べてアミド基間に長い炭化水素鎖を有し、また芳香族環を持たない分子構造であるため、ポリα−オレフィン油との濡れ性に優れる。基油はポリα−オレフィン油単独でもよいが、潤滑性や耐熱性を高めるためにジエステル油や芳香族エステル油等を混合してもよい。混合する場合のジエステル油や芳香族エステル油等の混合量は、基油全量の30質量%以下が好ましい。また、基油粘度は、40℃における動粘度で40〜220mm/sが適当である。
増ちょう剤は、上記の基油を保持し、グリース性状を維持できるものであれば制限はないが、アミンとイソシアネートとからなるウレア化合物や、Li石けん、Liコンプレックス石けん、Ba石けん、Baコンプレックス石けん等の金属石けんを用いることができる。中でも、ポリアミドに構造が類似のウレア結合を有するウレア化合物が好ましく、グリース組成物と特定のポリアミド樹脂との付着性が高まる。また、増ちょう剤量は、グリース組成物全量の10〜20質量%が適当である。
グリース組成物には各種の添加剤を添加することができるが、高温特性や潤滑性能等を考慮して、アミン系やフェノール系等の酸化防止剤、Caスルフォネート等の防錆剤、MoDTC等の極圧剤、モンタン酸エステルワックスやモンタン酸エステル部分けん化ワックス、ポリエチレンワックス、オレイン酸等の油性向上剤等が好ましい。また、これら添加剤の添加量は、グリース組成物全量の10質量%以下が適当である。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
(実施例1〜3、比較例1〜4)
表1に示すポリアミド樹脂及び補強繊維材を配合して樹脂組成物(樹脂ペレット)を調製した。そして、各樹脂ペレットを用いて、アンギュラ玉軸受(日本精工製「70BER20XDB」:内径70mm、外径110mm、幅24mm、接触角25°、2列組み合わせ)の保持器(図6参照)を射出成形により作製した。
Figure 2013167295
尚、表中の各ポリアミド樹脂は下記の通りである。
・ポリアミド樹脂A(ヨウ化銅系熱安定剤含有)
ジアミン成分:1,9−ノナンジアミン:2−メチル−1,8−オクタンジアミン
=85:15
ジカルボン酸成分:蓚酸ブチル
ジアミン成分:ジカルボン酸成分=1:1
数平均分子量:22000
融点:235℃
・ポリアミド樹脂B(ヨウ化銅系熱安定剤含有)
ジアミン成分:1,9−ノナンジアミン:2−メチル−1,8−オクタンジアミン
=6:94
ジカルボン酸成分:蓚酸ブチル
ジアミン成分:ジカルボン酸成分=1:1
数平均分子量:22000
融点:232℃
・ポリアミド樹脂C(ヨウ化銅系熱安定剤含有)
ジアミン成分:1,9−ノナンジアミン:2−メチル−1,8−オクタンジアミン
=50:50
ジカルボン酸成分:蓚酸ブチル
ジアミン成分:ジカルボン酸成分=1:1
数平均分子量:22000
融点:206℃
また、比較例1で用いたガラス繊維30質量%含有ポリアミド66樹脂は、宇部興産製「ナイロン2020GU6(銅系熱安定剤含有)」であり、数平均分子量は20000である。比較例2で用いたガラス繊維30質量%含有ポリアミド9T樹脂は、クラレ製「ジェネスタG1300A(熱安定剤含有グレード)」であり、数平均分子量は不明である。比較例4で用いたPAN系炭素繊維30質量%含有L−PPS樹脂は、ポリプラスチックス製「フォートロン2130A1である。
そして、各保持器について(1)寸法安定性、(2)耐久性を評価した。結果を表2に示す。
(1)寸法安定性の評価
各保持器を下記条件Iまたは条件IIの下に放置し、所定時間経過後に保持器外径寸法を測定し、放置前からの寸法変化量を求めた。何れの条件においても、寸法変化量が50μm以下を合格「〇」とし、50μmを越えるものを不合格「×」とした。
・条件I:60℃、90%RH、70時間
・条件II:80℃、90%RH、300時間
(2)耐久性の評価
各保持器をアンギュラ玉軸受(日本精工製「70BER20XDB」)に組み込んで試験軸受を作製し、更に試験軸受を実際のスピンドルモータに装着して下記条件I〜IIIにて舵操作を繰り返し行った。何れの条件においても、1000時間の連続運転ができた場合を合格「〇」、1000時間の連続運転ができなかった場合を不合格「×」とした。尚、試験軸受には、ポリα−オレフィン油(動粘度:100℃で5.7mm/s)を基油とし、脂肪族ジウレア化合物を増ちょう剤(増ちょう剤量:13質量%)とし、更に極圧剤、酸化防止剤、防錆剤を適量添加してなり、ちょう度No.2のグリース組成物を軸受内部空間の7体積%となるように充填した。このグリース充填量は、樹脂組成物の差異を見るために、通常よりも少ない量である。また、試験軸受の組み込み時の予圧荷重は1500N、試験回転数は10000min−1である。
・条件I :30℃、50%RH
・条件II :50℃、90%RH
・条件III:80℃、50%RH
Figure 2013167295
表2に示すように、本発明に従い特定のポリアミド樹脂を用いた実施例1〜3では、何れの条件でも合格している。これに対し比較例1では、従来多用されているポリアミド66樹脂を用いているため、高温、高湿度の過酷な条件では寸法安定性が悪く、それに伴って耐久性も低くなっている。また、比較例2では、特定のポリアミド樹脂と構造が類似するものの、ジアミン成分の混合比率が本発明の好ましい範囲を外れるため、高温条件での耐久性に劣っている。また、比較例3ではポリアミド9T樹脂を、比較例4では低吸水性のポリフェニレンサルファイド樹脂をそれぞれ用いており、寸法安定性は問題がないものの、グリース組成物の基油であるポリα−オレフィン油との濡れ性が悪く、樹脂の摩耗の進行が早くなり、湿度が高い条件で1000時間の耐久性が得られていない。
1 玉軸受
12 合成樹脂製保持器
110 円筒ころ軸受
114 合成樹脂製保持器
120 アンギュラ玉軸受
124 合成樹脂製保持器

Claims (3)

  1. 少なくとも内輪、外輪、合成樹脂製保持器及び転動体を備える転がり軸受において、
    前記合成樹脂製保持器が、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとの混合物からなるジアミン成分と、蓚酸ジエステルからなるジカルボン酸成分との重縮合反応により形成され、融点が230〜240℃であるポリアミド樹脂に、強化繊維材を配合した樹脂組成物からなることを特徴とする転がり軸受。
  2. 外輪案内方式であることを特徴とする請求項1記載の転がり軸受。
  3. ポリα−オレフィン油を主成分とする基油を含むグリース組成物が充填されていることを特徴とする請求項1または2記載の転がり軸受。
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