JP2013166847A - 配線基板用塗料 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス、プラスチックおよび金属などの基材パーツで構成された配線基板と良好に密着する性質の塗膜を形成させ、さらに、LED光の視認性を低下させない性質の塗膜を形成させることができる配線基板用塗料を提供すること。
【解決手段】 湿気硬化性シリコーンオリゴマーと硬化触媒とを塗膜形成要素とする配線基板用塗料。湿気硬化性シリコーンオリゴマーが、アルコキシシラン化合物またはその部分加水分解縮合物である。配線基板に対する密着性改善剤として、電気陰性度(ポーリング)1.1以上の金属酸化物のナノ微粒子を密着(接着)性改善剤として含有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、透明で硬度、密着性および電気的絶縁性などを具備した硬化塗膜(以下、単に「塗膜」という。)を形成させることができる湿気硬化性シリコーン系塗料をベースとする配線基板用塗料に関する。
さらに詳しくは、ガラス、プラスチック、金属等の各種材料からなる基材パーツで構成された配線基板との密着性に優れるとともに、LED(発光ダイオード)光を視認可能な透明性を有し、さらには、配線基板を水中に浸漬しても漏電が生じない程度の電気的絶縁性を維持することができる等、の特性に優れた塗膜を形成させることができる配線基板用塗料に係る発明である。
以下の説明で、配合単位を示す「%」および「部」は、特に断らない限り、質量単位である。
従来、湿気硬化性シリコーンオリゴマーと硬化触媒とを塗膜形成要素(塗膜主成分)とする湿気硬化性シリコーン系塗料は、透明で硬度、耐熱性および電気的絶縁性などを具備した硬化塗膜が得られることは公知である。
しかし、従来方法で得られる上記塗膜は、ガラス、プラスチックおよび金属などの基材との密着性が十分ではない。
特に、1)ガラス、2)ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂等のプラスチック、3)アルミニウム、ステンレス、ニッケル等からなる、配線基板に多用されている基材パーツに塗装(コーテイング)を施すと、塗膜が密着せず、塗膜の剥離や亀裂発生の現象が生じる。このために、湿気硬化性シリコーン系塗料は、これらの基材パーツで構成された配線基板を塗装(コーテイング)する用途に適していないとされていた。
また、従来方法では、湿気硬化性シリコーンオリゴマーと硬化触媒からなる塗膜形成成分に加えて、さらに、補強性充填材として、ホイスカー(whisker crystal:ひげ結晶)を添加して塗膜を補強することが多い。
しかし、上記ホイスカーが塗膜の透明性を阻害するため、塗膜補強に必要な量を混合、併用すると、塗膜が不透明となり、その結果、LED光が膜を透過し難くなるという問題点があった。
つまり、上記方法で調製した塗料をLEDの表面に塗布すると、LEDが発光した際の光の視認性が低下するものであった。
また、上記ホイスカーによる補強方法は、塗膜の物理的強度を増加させる目的に効果を奏したが、ガラス、プラスチックおよび金属などの基材に対する密着性を改善する作用・効果を有していなかった。
そのために、従来方法を用いて、ガラス、プラスチック並びに金属等の基材パーツで構成された配線基板および、この配線基板上に設置されたLED、などに塗装を施して、密着性を維持した塗膜であって、さらに電気的絶縁性かつLED光の視認性を低下させない透明性を具備した塗膜を形成させることができないという問題点があった。
具体的には、従来方法の塗料を用いて配線基板に塗装を施すと、ガラス、プラスチックおよび金属などの基材パーツで構成された配線基板には、安定的に密着した硬化塗膜が形成されない。このため、塗膜に剥離や亀裂が生じて、配線基板を湿気、水分、塵埃などから保護する塗膜に要求される機能が充分に発揮できないという問題点があった。
本発明の特許性(新規性・進歩性等)に影響を与えるものではないが、湿気硬化性シリコーンオリゴマーと硬化触媒を塗膜成分とする湿気硬化性シリコーン塗料に関連する先行技術文献として特許文献1〜3等を挙げることができる。
特開平10−60376号公報 特開2002−84090号公報 特開2004−307825号公報
本発明は、上記にかんがみて、上記問題点を解決するため、ガラス、プラスチックおよび金属などの基材パーツで構成された配線基板と良好に密着する性質の塗膜を形成させ、さらに、LED光の視認性を低下させない性質の塗膜を形成させることができる、などの特徴を備えた配線基板用塗料を提供することを目的とする。
さらに、本発明の他の目的は、刷毛塗り、スプレイ(吹付け)或いはディッピング(浸漬)などの方法により、配線基板並びに、LEDを装着した上記基板などを同時的かつ全体的に塗装することができる配線基板用塗料を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意開発に努力をする過程で、特定の金属酸化物(ポーリング陰性度1.1以上)のナノ粒子(超微粒子)を塗料中に所定量含有させれば、基板等に対する密着性(接着性)が大幅に改善されることを知見して下記構成の配線基板用塗料に想到した。
湿気硬化性シリコーンオリゴマーと硬化触媒とを塗膜形成要素とする配線基板用塗料において、
前記湿気硬化性シリコーンオリゴマーが、下記示性式(1)で示されるアルコキシシラン化合物またはその部分加水分解縮合物であり、
Rn Si(OR24−n (1)
(但し、R:水素原子又は炭素数1〜18の非置換又は置換の一価炭化水素基、R2:炭素数1〜4のアルキル基、n:0〜3の整数。)
配線基板に対する密着性改善剤として、電気陰性度(ポーリング)1.1以上の金属酸化物のナノ粒子を密着(接着)性改善剤として含有することを特徴とする。
本発明の評価試験に用いた配線基板における配線図である。 同じく配線基板における部品配置図である。
本発明の配線基板用塗料は、湿気硬化性シリコーンオリゴマーと硬化触媒とを塗膜形成要素とする湿気硬化性シリコーン系塗料からなるものにおいて、塗膜副要素(密着性改善剤)としてナノ粒子である金属酸化物を加えて調製する。
本発明の配線基板用塗料は、ガラス、金属およびプラスチックなどの基材と良好に密着する硬化塗膜を形成させることができ、該硬化塗膜は、硬度、耐熱性、絶縁性および透明性を兼備している。
このため、本発明の配線基板用塗料は、ガラス、プラスチック及び金属などの基材パーツで構成された配線基板、さらには、LEDを装備した配線基板などに塗布するのに最適であり、配線基板を直接的かつ、全体的に塗装(被覆)することができる。
本発明で使用するのに好適な湿気硬化性シリコーンオリゴマー、硬化触媒および金属酸化物について、さらに詳細に説明する。
(A)湿気硬化性シリコーンオリゴマー:
湿気硬化性シリコーンオリゴマーは、例えば、分子末端にアルコキシシリル基を有する低分子量のシリコーンアルコキシオリゴマーであって、後述する硬化触媒の存在下で、アルコキシシリル基の架橋により、常温(必要により加熱処理下)で硬化するものである。
このような湿気硬化性シリコーンオリゴマーとしては、例えば、下記示性式(1)で示されるアルコキシシラン化合物またはその部分加水分解縮合物が挙げられる。
Rn Si(OR24−n (1)
(但し、R:水素原子又は炭素数1〜18の非置換又は置換の一価炭化水素基、R2:炭素数1〜4のアルキル基、n:0〜3の整数。)
Rとしては、炭素数1〜18の1価炭化水素基として、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、iso−ペンチル、sec−ペンチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、エチルヘキシル、ノニルデシル、イソデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシルなどの炭素数1〜18のものが挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどの炭素数3〜8のものが挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル、トリル、キシリルなどの炭素数6〜8のものが挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル、フェニルエチル、iso−フェニルエチル、o、mまたはp−メチルペンジルなどの炭素数7または8のものが挙げられる。
において、置換の1価の炭化水素基としては、上記した非置換の1価の炭化水素基の水素原子を、置換基で置換したものが挙げられ、このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、塩素、フッ素、臭素およびヨウ素など)、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、カルボキシルなどが挙げられる。これらの置換基は、同一であっても、それぞれ異なっていてもよく、また、例えば、1〜3個置換していてもよい。
これらのRのうち、水素、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基が特に好ましい。
において、アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のものが挙げられる。
上記のアルコキシシラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、または、これらの混合物などが挙げられる。
アルコキシシラン化合物の部分加水分解縮合物とは、上記したアルコキシシラン化合物に水を加えて、公知の触媒の存在下で攪拌しながら昇温することにより、部分的に加水分解を生じさせるとともに、縮合させることにより得られるものである。
また、湿気硬化性シリコーンオリゴマーは、25℃における動粘度が、例えば、0.1〜600mm/s、さらには0.5〜250mm/s、よりさらには1〜100mm/sのものを使用することが望ましい。動粘度が小さいと、相対的に架橋密度が高くなって塗膜に亀裂が発生しやすくなる。動粘度が大きいと塗装作業性が低下するおそれがあり、均一厚の塗膜を得難くなる。
さらに具体的には、湿気硬化性シリコーンオリゴマーは、市販品として入手可能であり、例えば、XR31−B1410(モメンテイブ・パーフォーマンス・マテリアルス社製)、MSE−100(旭化成ワッカーシリコーン社製)、KR−400、KR−500、KR−251,KR−255,KP−86 (以上、信越化学社製)などを好適に使用できる。
これら湿気硬化性シリコーンオリゴマーは、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。
(B)硬化触媒:
本発明において、硬化触媒は、湿気硬化性シリコーンオリゴマーを硬化させ得る触媒であれば、制限されない。下記各種化合物を好適に使用できる。
(1)有機錫化合物・・・ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクチレート、ジブチル錫ジラウレート、等、
(2)有機アルミニウム化合物・・・アルミニウムトリス(アセチルアセトン)、アルミニウムトリス(アセトアセテートエチル)、アルミニウムジイソプロポキシ(アセトアセテートエチル)、等、
(3)有機ジルコニウム化合物・・・ジルコニウム(アセチルアセトン)、ジルコニウムトリス(アセチルアセトン)、ジルコニウムテトラキス(エチレングリコールモノメチルエーテル)、ジルコニウムテトラキス(エチレングリコールモノエチルエーテル)、ジルコニウムテトラキス(エチレングリコールモノブチルエーテル)、等、
(4)有機チタニウム化合物・・・チタニウムテトラキス(エチレングリコールモノメチルエーテル)、テタニウムテトラキス(エチレングリコールモノエチルエーテル)、チタニウムテトラキス(エチレングリコールモノブチルエーテル)等、
そのほか、有機亜鉛化合物、シラン化合物等も使用可能である。
上記有機金属化合物以外にも、
1)塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などの鉱酸類、
2)ギ酸、酢酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸類、
3)アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機塩基類、
4)エチレンジアミン、アルカノールアミン、アミノ変性シリコーン、アミノシラン、シラザン、アミン類などのアミノ化合物類、
などが挙げられる。
これらのうち、好ましくは、有機錫化合物、有機アルミニウム化合物、有機チタニウム化合物、鉱酸類、アミノ化合物が挙げられる。
硬化触媒は、市販品として入手可能であり、例えば、CR−15(シラン系化合物/GE東芝シリコーン社製)、DX−175(有機チタニウム系化合物),D−15(有機亜鉛系化合物)、D−20(有機チタニウム系化合物), およびCAT−AC(アルミニウム系化合物)、以上は信越化学社製、などが用いられる。これら硬化触媒は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。
また、硬化触媒の配合割合は、本発明における湿気硬化性シリコーンオリゴマーの種類および硬化触媒の種類毎に異なり、一定ではない。例えば、湿気硬化性シリコーンオリゴマーと硬化触媒との全量(塗膜形成要素)に対して、0.1〜10%、好ましくは、2〜6%を含有させる。
硬化触媒の配合割合が、上記の範囲内であれば、十分に硬化反応を進行させることができ、また、250℃以下の加熱を施すことで硬化を促進させることができる。
ここで、本発明において、湿気硬化性シリコーンオリゴマーには、予め硬化触媒が含有されているものが市販されている。そのような市販品としては、例えば、KR−400、KR−251,KR−255,KP−86(以上、信越化学社製)などがある。これらの湿気硬化型シリコーンオリゴマーは、単独で用いてもよく、また、2種以上を混合、併用してもよい。
(C)金属酸化物:
本発明における金属酸化物の構成金属は、電気陰性度(ポーリング)1.1以上、望ましくは、1.1〜2.0とする。なお、本発明者らは、電気陰性度1.0のCaの金属酸化物では、効果がないことを確認している。
そして、金属酸化物は、限定的ではないが、Al(1.61)、Zn(1.65)、Ag(1.93)、Cr(1.66)、Sn(1.96)、Co(1.88)、Fe(1.83)、Mn(1.55)、Zr(1.33)およびCe(1.12)などの酸化物乃至複酸化物の1種又は2種以上を好適に使用できる。なお、元素記号の後の括弧は電気陰性度の値である。
さらに、塗膜透明性を更に良好に維持させる見地からは、Al、ZnおよびCeなどの酸化物乃至複酸化物の1種又は2種以上とすることが望ましい。
また、金属酸化物は、ナノ粒子とする。金属酸化物の望ましい粒径は、金属酸化物の種類・特性等により若干異なるが、平均粒径(メディアン径)が約1〜150nm、望ましくは約1〜80nm、さらに望ましくは約5〜50nm、よりさらに望ましくは約5〜30nmの範囲内で調節された粒子状のものが望ましい(測定法はBET法に基づく。)。粒径が大きいと、塗膜中で沈降して基材界面側の金属酸化物の分布率が高くなって、金属酸化物の分布が厚み方向で偏在し、密着性改善作用を奏し難くなるとともに、塗膜の光透過性が低下するおそれがある。粒径が小さいと、透明性・密着性を確保し易くなるが、慎重に取り扱わないと凝集塊を生成しやすくなり粒径が大きい場合と同様の結果となる。
そして、ナノ粒子の金属酸化物は、乾燥状態(粉末状)あるいは、溶媒(有機溶剤)に分散させた湿潤状態のもののいずれでもよい。
これらのナノ粒子の金属酸化物は、市販品として入手可能である。例えば、Alであれば、SIGMA・ALDRICH社(米国)、TECNAN社(スペイン)等から、ZnOであれば、堺化学工業(株)、石原産業(株)、住友大阪セメント(株)、TECNAN社等から、CeOであれば、SIGMA・ALDRICH社、TECNAN社等から上市されているものの内から、適宜、選択可能である。
また、金属酸化物の配合量は、密着性改善作用を奏すれば、特に、限定されない。金属酸化物の種類により異なるが、塗膜形成要素(シリコーンオリゴマーと硬化触媒との合計量)100部に対して、0.05〜5.0部、さらには、0.1〜1.0部、よりさらには0.3〜1.0部が望ましい。金属酸化物の配合量が多いと、塗膜透明性を阻害するおそれがある。
これらの金属酸化物ナノ粒子の配合量(添加量)は、限定的ではないが、塗膜形成要素(湿気硬化性シリコーンオリゴマーと硬化触媒との合計量)100部に対して、望ましくは0.05〜5.0部さらには、0.1〜2.0部、よりさらには0.3〜1.0部とする。これらの範囲で塗膜密着性を改善する効果が得られるとともに、塗膜の透明性も維持できる。
ここで、上記金属酸化物は、湿気硬化性シリコーンオリゴマーと硬化触媒の混合物が形成する膜の密着性、特に、ガラス、プラスチック(ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂および塩化ビニル樹脂など)並びに金属(アルミニウム、ステンレス及びニッケルなど)等の基材との密着性を改良するために必要不可欠な成分である。
補助的であるが、本発明の塗料に配した金属酸化物の沈降を防止し、安定的な分散状態を維持させるために、フュームドシリカを分散性改善剤として併用することが望ましい。本発明の趣旨に適するフュームドシリカは、粒子径が20nm以下の親水性または疎水性のシリカ微粒子である。
そして、フュームドシリカの配合量は、限定的ではないが、併用の金属酸化物の量と同等量もしくは、それ以下、例えば、塗膜形成要素100部に対して、0.01〜1.0部、さらには0.05〜0.5部が望ましい。フュームドシリカの配合量が多いと、塗膜の透明性を損なうおそれがある。
なお、フュームドシリカは、あらかじめ、金属酸化物と混合し、相互を十分に分散させてから湿気硬化性シリコーンオリゴマーと硬化触媒の混合物に添加、混合して用いることが望ましい。
本発明に適したフュームドシリカは、市販品として入手可能であり、例えば、「アエロジル200」(日本アエロジル社製登録商標)がある。
フュームドシリカは、金属酸化物粒子の組成物中における凝集を抑止し、密着性を高める効果を上げるために必要な補助資材であるが、本発明の塗料構成のための必須成分ではない。
希釈剤は、塗布時の作業性を改善するために、本発明の塗料に適宜、適量を添加、混合して用いることができる。
希釈剤としては、湿気硬化性シリコーンオリゴマー、硬化触媒、金属化合物およびフュームドシリカを溶解または分散できるものであって、硬化作用を極度に阻害せず、適度の揮発性を有するものであれば、制限されない。
例えば、
1)メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノールなどのアルコール系溶剤、
2)ミネラルスピリットなどの石油系溶剤、
3)ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、などの脂肪族炭化水素系溶剤、
4)ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶剤、
5)揮発性ジメチルポリシロキサンなどのシリコーン系溶剤、
などが挙げられる。
これら溶剤は、希釈剤として、単独また、2種以上併用して用いることができる。
希釈剤の配合割合は、本発明の配線基板用塗料を構成する成分である湿気硬化性シリコーンオリゴマー、硬化触媒および金属化合物の全量100部に対して30部以下が望ましく、さらに好ましくは、5部以下である。希釈剤の配合量が30部を超えると、膜厚が薄くなり過ぎて被覆効果が低下するおそれがある。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これに制限されるものではない。
<実施の手順>
I.供試体用基材の準備
試験に供する塗料を塗布するための供試体用基材は、ガラス板、アルミニウム板、ステンレス板、ニッケル板、エポキシ板およびポリイミド板について、それぞれ寸法:120×50mmに裁断して、脱脂処理して調製した。
また、使用したシリコーンオリゴマー製品の、公表特性値を表1に示す。
Figure 2013166847
II.基準塗料の調製
表2に示す処方に従って、実施例A・B・C群用の原料塗料(対照例)をそれぞれ調製した。
A群用:市販のシリコーンオリゴマー単独と各種硬化触媒を組み合わせた群、
B群用:市販の硬化触媒含有シリコーンオリゴマーの群、
C群用:市販のシリコーンオリゴマー2種と各種硬化触媒を組合わせた群
Figure 2013166847
III.実施例塗料の調製
下記表3〜6に示す処方に従って、それぞれ、実施例A群、実施例B群、実施例B´群、及び実施例C群の各塗料を調製した。
なお、表3〜6における、金属酸化物ナノ粒子は、平均粒径(メディアン径)が、それぞれ、ZnO:10nm、Al:13nm、CeO:25nmであると公表値から推定される市販品(何れも粉末状)を使用した。
Figure 2013166847
Figure 2013166847
Figure 2013166847
Figure 2013166847
IV.供試体の作成
上記各対照例および各実施例の塗料を、前記各供試体用基材に塗布し、14日間、室温で放置乾燥、硬化させて各供試体を調製した。
V.試験方法
上記各対照例および各実施例群で調製した供試体の塗膜について、(1)透明性、(2)密着性、(3)硬度及び(4)電気絶縁性の各項目の試験を下記手順でおこなった。
(1)透明性試験:
前記対照例塗料および実施例塗料を供試体用基材のガラス板に塗布し、膜を形成させた。
塗膜の透明性を調べる基準として、膜を形成させたガラス板を直接的に新聞紙(琉球新報紙)の上にかざし、記事文の文字を判読する方法で評価した。
具体的には、紙面から約30cm離れた位置から文字を判読し、ひらがなの「わ」と「ね」が判別できるものを◎印、判別が困難であっても紙面の文字を確認できるものを△印、紙面の文字が確認できないものを×印、とする3段階で評価し、◎印の評価をうけたものは、LEDの光を視認する上で問題はないものとした。
(2)密着性試験:
前記対照例塗料および実施例塗料を前記供試体用基材に塗布し、形成させた塗膜についてゴバン目試験をした。
碁盤目試験の測定値が、99〜100/100を◎印、97〜98/100を○印、97〜95/100を△印、95〜0/100を▲印として評価とした。
(3)硬度試験:
前記手順で作成した基準供試体と比較供試体に形成させた膜について、それぞれの鉛筆硬度を測定し、測定値が3H以上を◎、3H未満2H以上を○、2H未満を×として評価した。
(4)電気絶縁性試験:
本発明の塗料の形成膜の電気絶縁性を調べるために、本組成物を配線基板に塗布し、基板全体を膜で被覆した状態にし、室温で乾燥、硬化させた。15日後、上記基板を水中に浸漬させた状態で通電し、基板に設置したLEDの点灯を確認する試験をおこなった。
試験用の配線基板として、エポキシ樹脂製の基板にLEDを装着できる構造になっている組立キット(白色LED灯光組立キット/秋月電子販売品)を準備した(図1・2参照)。
具体的には、上記基板を組み立ててから、有機溶剤(イソプロパノール80部、トルエン20部からなる混合溶剤)を用いて基板全体を洗浄したのち、対照例(原料塗料)(表2)および実施例(表3〜表6)の各塗料を基板の全体に塗布した後、14日間、室温で養生してから、この配線基板を水中に沈め、通電し、LEDが正常に点灯するか否かを確かめた。そして、水中で点灯したものを○印、不点灯のものを×として評価した。
さらに、通電状態で電気用テスター(HIOKI製3030−10型)を用いて漏電の有無を調べ、非漏電性が確認されたものを○印で評価した。
ただし、上記基板を水中に沈める際、電源(1.5V)を接続したリード線は水に触れないように加工してから、配線基板上に設置したLEDは水中に沈めた。
VI.試験結果:
各対照例の試験結果を表7に、A・B・B´・C群の各実施例の結果を、それぞれ表8〜11に示す。
各対照例の塗料で形成した塗膜は、(1)透明性および(2)硬度においては、実用上問題がないが、被塗布物が鉄板等の場合を除いて実用的な密着性が得られず、さらには、電気絶縁性においては、全ての対照例において、問題が発生した。
これに対して、各実施例で形成した塗膜は、A群、B群、B´群、C群のいずれにおいても、硬度と透明性を維持しており、さらにガラス、プラスチック(特に、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂およびアクリル樹脂など)並びに金属(特に、アルミニウム、ステンレス及びニッケル)等の基材との密着性に優れており、またさらに、本発明の塗料の形成膜で被覆した配線基板は、水中に浸漬した状態で通電したとき、漏電することなく、電気的絶縁性を維持する機能を備えていることが確認できた。
Figure 2013166847
Figure 2013166847
Figure 2013166847
Figure 2013166847
Figure 2013166847
本発明の配線基板用塗料は、透明性、硬度並びに電気絶縁性を具備しており、さらに、ガラス、プラスチック、金属などとの密着性に優れる膜を形成することができるので、屋外に設置する照明器具、空調機器などの配線基板に塗装を施し、これらを雨水から保護する用途に供することができる。またさらに、通信機器(携帯電話機)、車両、船舶、航空機などの配線基板にコーテイングを施し、漏電事故を防止する効果も奏することができる。
なお、本発明の配線基板用塗料は、汎用の湿気硬化性シリコーン系塗料としての利用も期待できる。

Claims (4)

  1. 湿気硬化性シリコーンオリゴマーと硬化触媒とを塗膜形成要素(シリコーンオリゴマーと硬化触媒からなる。以下同じ。)とする配線基板用塗料において、
    前記湿気硬化性シリコーンオリゴマーが、下記示性式(1)で示されるアルコキシシラン化合物またはその部分加水分解縮合物であり、
    Rn Si(OR24−n ・・・(1)
    (但し、R:水素原子、または、炭素数1〜18の置換もしくは非置換の1価の炭化水素基、R2:炭素数1〜4のアルキル基、n:0〜3の整数。)
    配線基板に対する密着性改善剤として、電気陰性度(ポーリング)1.1以上の金属酸化物のナノ粒子を密着(接着)性改善剤として含有することを特徴とする配線基板用塗料。
  2. 前記金属酸化物が、ZnO、AlおよびCeOの群から選択される1種又は2種以上からなり、平均粒径(メディアン径)が1〜150nmの範囲にあるとともに、前記塗膜形成要素100質量部に対して、0.05〜5.0質量部配合されていることを特徴とする請求項1記載の配線基板用塗料。
  3. さらに、分散性改善剤としてフュームドシリカが、前記塗膜形成要素100質量部に対して、0.01〜1.0質量部配合されていることを特徴とする請求項1又は2記載の配線基板用塗料。
  4. 湿気硬化性シリコーンオリゴマーと硬化触媒とを塗膜形成要素とする湿気硬化性シリコーン系塗料であって、
    電気陰性度(ポーリング)1.1以上の金属酸化物のナノ粒子を、被塗布物に対する接着性改善剤として含有することを特徴とする湿気硬化性シリコーン系塗料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014220225A (ja) * 2013-04-10 2014-11-20 東京応化工業株式会社 透明絶縁膜形成用組成物

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