JP2013166402A - 車両用内装部材における水入り防止構造 - Google Patents

車両用内装部材における水入り防止構造 Download PDF

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浩文 宗雲
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Abstract

【課題】パッキン等を備えていない安価なクリップを使用しても、車両の室内側へ水が流れ込むのを防止する。
【解決手段】ボデーのインナパネル22に開けられたクリップ孔に対し、内装パネル10に予め組付けられたクリップ30を挿入することによってインナパネル22に内装パネル10が取付けられ、このインナパネルのクリップ孔から浸入してくる雨水等を対象とした車両用内装部材における水入り防止構造であって、内装パネル10のインナパネル22と対向する面に、クリップ孔から浸入してくる水滴を受けて外方へ導く案内プレート16が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、内装パネルをクリップで取付けるために、ボデーのインナパネルに開けられているクリップ孔から浸入してくる雨水等を対象とした車両用内装部材における水入り防止構造に関する。
車両のボデー側に内装パネルを取付ける手段としてクリップを用いた場合、ボデーのインナパネルにクリップ孔を開け、内装パネルに予め組付けられたクリップをクリップ孔に挿入している。そして、インナパネルのクリップ孔から水が浸入するのを防ぐために、クリップ孔の周囲をシール可能なパッキンを備えたクリップが一般に使用されている。
その他の防水対策としては、例えば特許文献1で示すように車両用ドアのインナパネルおよび内装パネルにフランジやリブを成形して水入りを防いでいる。
特開平5−201252号公報
パッキンを備えたクリップは高価であり、コスト低減のために、図4で示すようにパッキンを廃止したクリップ30を使用した場合、ボデーのインナパネル22に開けたクリップ孔とクリップ30との隙間から雨水等が浸入する。この水は水滴となり、図4の点線矢印で示すように内装パネル10の内面11に沿って流れ落ち、トリム部材24を伝って室内側へ流れ込む。
また、特許文献1で示す防水対策では、ドアの外部から内部への水の浸入を、ある程度抑えることができるものの、一旦浸入した水は室内側へ流れ込むことになる。
本発明は、このような課題を解決しようとするもので、その目的は、パッキン等を備えていない安価なクリップを使用しても、車両の室内側へ水が流れ込むのを防止することである。
本発明は、上記の目的を達成するためのもので、以下のように構成されている。
ボデーのインナパネルに開けられたクリップ孔に対し、内装パネルに予め組付けられたクリップを挿入することによってインナパネルに内装パネルが取付けられ、このインナパネルのクリップ孔から浸入してくる雨水等を対象とした車両用内装部材における水入り防止構造であって、内装パネルのインナパネルと対向する面に、クリップ孔から浸入してくる水滴を受けて外方へ導く案内プレートが設けられている。
より好ましくは、内装パネルが車幅方向の両側において上下方向に連続する側壁を有し、案内プレートが内装パネルの両側壁の間にわたって設けられていることである。
本発明においては、内装パネルに、インナパネルのクリップ孔から浸入してくる水滴を受けて外方へ導く案内プレートが設けられていることから、シール用のパッキン等を備えていない安価なクリップを使用しても、車両の室内側へ水が流れ込むのを防止することができる。
また、案内プレートが内装パネルの両側壁の間にわたって設けられたことにより、案内プレートに付着した水滴が車両の傾きによって内装パネルの両側から車両の室内側へ流れ込むのを防止できる。
内装パネルを内側から見た斜視図。 内装パネルをボデー側に取付けた状態の縦断面図。 内装パネルをボデー側に取付けた状態の横断面図。 本発明を適用する前の構造を図2と対応させて表した縦断面図。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を用いて説明する。
図面に示されている内装パネル10は、樹脂による一体成形品で、図2および図3で示すボデーのアウタパネル20(ピラー)と対応する箇所の室内側に設けられる。内装パネル10の意匠面とは反対側の内面11には、複数個のクリップ座14が一体に成形されている。これらの各クリップ座14には、クリップ30がそれぞれ組付けられている。これらのクリップ30をボデーのインナパネル22に開けられているクリップ孔(図示省略)に挿入することにより、内装パネル10がインナパネル22に取付けられる(図2および図3)。
なお、内装パネル10は、その両側において内面11の側へ曲げられた形状で、かつ上下方向に連続する側壁12を備えている。
内装パネル10の内面11には、各クリップ座14の下方において案内プレート16が一体に成形されている。この案内プレート16の正面視における形状はほぼ「Y」の字状になっており(図1)、その両翼に相当する部分がそれぞれ水受け部16aを構成し、これらの交わる中間部分が排水溝16bを構成している。
案内プレート16の水受け部16aは、内装パネル10の内面11を伝って上方から流れてくる水滴を受止め、排水溝16bに導くことができる。排水溝16bは、その傾斜によって水を外方へ排出することができる。また、両水受け部16aの端部は、内装パネル10の両側壁12にそれぞれ隙間のない状態で接合している。つまり、案内プレート16は、内装パネル10の両側壁12の間にわたって設けられている。
既に説明したように、内装パネル10の各クリップ座14に組付けられている個々のクリップ30をインナパネル22のクリップ孔にそれぞれ挿入することで、内装パネル10がインナパネル22に取付けられる。この取付け構造では、パッキンを廃止した安価なクリップ30が使用されているため、インナパネル22のクリップ孔から雨水等が内側に浸入する。この雨水は水滴となり、図2の点線矢印で示すようにクリップ座14および内装パネル10の内面11を伝って下方へ流れる。
内装パネル10の内面11に沿って流れ落ちる水滴は、案内プレート16の水受け部16aで受止められて排水溝16bに集められ、この排水溝16bから外方へ排出される。そして、案内プレート16(水受け部16a)は、前述のように内装パネル10の両側壁12の間にわたって設けられている。このため、内面11の全域において水滴を受止めることができるとともに、案内プレート16に付着している水滴が車両の傾きによって内装パネル10の両側から室内側へ流れ込むことが防止される。
以上は本発明を実施するための最良の形態を図面に関連して説明したが、この実施の形態は本発明の趣旨から逸脱しない範囲で容易に変更または変形できるものである。
例えば案内プレート16については、内装パネル10とは別に成形した後、該内装パネル10の内面11に溶着等で固定することも可能である。この場合、内装パネル10の成形用金型にスライド型を追加するなどの設備の変更を避けることができる。
10 内装パネル
12 側壁
16 案内プレート
20 アウタパネル
22 インナパネル
30 クリップ

Claims (2)

  1. ボデーのインナパネルに開けられたクリップ孔に対し、内装パネルに予め組付けられたクリップを挿入することによってインナパネルに内装パネルが取付けられ、このインナパネルのクリップ孔から浸入してくる雨水等を対象とした車両用内装部材における水入り防止構造であって、
    内装パネルのインナパネルと対向する面に、クリップ孔から浸入してくる水滴を受けて外方へ導く案内プレートが設けられている車両用内装部材における水入り防止構造。
  2. 請求項1に記載された車両用内装部材における水入り防止構造であって、
    内装パネルが車幅方向の両側において上下方向に連続する側壁を有し、案内プレートは内装パネルの両側壁の間にわたって設けられている車両用内装部材における水入り防止構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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