JP2013164418A - 分析すべき流体の成分の濃度を検出するためのセンサ及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】分析すべき流体の成分の濃度を検出するための改良されたセンサを提供する。
【解決手段】センサは、内部にセンサ空間が設けられており、且つ、センサ空間に流入する流体のための流入開口部を備えている基体と、成分の濃度を検出するために、センサ空間において流体が接触するように配置されている、流体を分析するためのセンサ素子とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】センサは、内部にセンサ空間が設けられており、且つ、センサ空間に流入する流体のための流入開口部を備えている基体と、成分の濃度を検出するために、センサ空間において流体が接触するように配置されている、流体を分析するためのセンサ素子とを備えている。
【選択図】図1
Description
本発明は、分析すべき流体の成分の濃度を検出するためのセンサ、分析すべき流体の成分の濃度を検出するための方法並びにセンサの製造方法に関する。
セラミックガスセンサは、金属性の捩じ込み体内にセラミック圧接パッケージを有することができる。それらのセンサの感応性の先端部はその機能に起因して、比較的高い温度(600℃から800℃)に加熱する必要があり、また保護管において排ガス管内に突出するように実装されている。例えば特許文献1には、測定ガスの物理的なパラメータを検出するためのセンサユニット、特に内燃機関の排ガス中の酸素含有量を検出するためのセンサユニットが開示されている。センサユニットはセンサ素子と、センサ素子のホルダーとして形成されているセンサケーシングとを有している。センサ素子は固体電解質を含んでおり、また、少なくとも測定ガスが流入できる領域においてはセンサ素子を加熱することができる。金属性の保護被覆部がセンサ素子の周囲に配置されている。
本発明の課題は、上記の背景のもとに改良された、分析すべき流体の成分の濃度を検出するためのセンサ、分析すべき流体の成分の濃度を検出するための方法並びにセンサの製造方法を提供することである。
分析すべき流体の成分の濃度を検出するためのセンサに関する課題は、内部にセンサ空間が設けられており、且つ、センサ空間に流入する流体のための流入開口部を備えている基体と、成分の濃度を検出するために、センサ空間において流体が接触するように配置されている、流体を分析するためのセンサ素子とを備えているセンサによって解決される。
分析すべき流体の成分の濃度を検出するための方法に関する課題は、センサ空間内に流入する流体のための流入開口部を備えているセンサ空間を準備するステップと、センサ空間に流体を案内するステップと、成分の濃度を検出するために、センサ空間において流体が接触するように配置されているセンサ素子を用いて流体を分析するステップとを備えている方法によって解決される。
センサの製造方法に関する課題は、流入開口部から軸方向において基体を通って延在している、環状の張り出し部を備えている貫通開口部を有しており、且つ、流入開口部と環状の張り出し部との間にセンサ空間が形成されている基体を準備するステップと、センサ素子を有するセンサ支持体及び固定素子を準備するステップと、センサ支持体が張り出し部に接触するまでセンサ支持体及び固定素子を貫通開口部に挿入するステップであって、センサ素子は流入開口部に向けられており、且つ、固定素子はセンサ支持体の流入開口部側とは反対側の面に配置されているステップと、固定素子を基体に接続させるステップとを備えている方法によって解決される。
有利な実施の形態はそれぞれの従属請求項また以下の説明より明らかになる。
ZrO2から成るセラミックガスセンサ、例えば車両のλセンサ(ラムダセンサ)をロッド状の素子として、ステアタイト/窒化ホウ素から成るセラミック圧接パッケージによって、金属性の捩じ込み体内に取り付けることができる。それらのセンサの感応性の先端部はその機能に起因して、比較的高い温度、例えば600℃から800℃に加熱する必要があり、また、始動段階において例えば滴り落ちる凝縮水から保護するための保護管において排ガス管内に突出するよう実装されている。ZrO2をベースとするセンサは、排ガスの温度を超える高さの温度に加熱されるので、排ガスの温度は熱的な負荷を表すものではない。
センサが高温耐性材料、例えばSiC又はGaNから製造される場合、そのようなセンサとしての半導体(例えばChemFET;化学感応性電界効果トランジスタ)を、500℃までの温度で比較的長い期間にわたり駆動させることができる。考えられる最高動作温度では、センサ特性の劣化を少なくしながら、自動車に必要とされる長い寿命を恐らく達成することはできない。
要求される寿命を達成するために、センサの継続運転温度を、機能的に可能である限り、500℃以下に低下させることが考えられる。このためにセンサを、排ガス管に対して後方にずらして配置することができる。このことは、ガスの成分のみ、又は、例えばガス圧力若しくはガスの成分の分圧のみを測定し、煤のような粒子は測定しないセンサにとっては、ガス流内に直接的に配置することは必ずしも必要ではないので実現可能である。
センサと、排ガスが流れる管との間には、排ガスの温度を低下させ、それによりセンサの動作温度を排ガス温度以下に維持し、過熱から保護することができる空間を配置することができる。
本発明において説明するセンサを車両においても、他の用途においても使用することができる。対象となる用途として、自動車の分野の他に火災報知器、固定式モータ等が挙げられる。特に、センサの動作温度よりも高い温度を有する流体では、その流体をセンサの手前の空間において冷却することができる。
分析すべき流体の成分の濃度を検出するためのセンサは以下の特徴を備えている:
内部にセンサ空間が設けられており、且つ、センサ空間に流入する流体のための流入開口部を備えている基体、
成分の濃度を検出するために、センサ空間において流体が接触するように配置されている、流体を分析するためのセンサ素子。
内部にセンサ空間が設けられており、且つ、センサ空間に流入する流体のための流入開口部を備えている基体、
成分の濃度を検出するために、センサ空間において流体が接触するように配置されている、流体を分析するためのセンサ素子。
センサとは特にガスセンサであると解される。流体は複数の成分を有していると考えられる。それらの成分は複数の凝集状態で存在していると考えられる。流体は燃焼時に発生すると考えられる。流体としては、例えば排ガス、例えば内燃機関の排ガスが考えられる。基体は温度耐性のある取り付け部で良い。基体を金属、例えば鋼から形成することができる。基体は、ガスセンサをガス管又はガス容器に固定するためのインタフェースを有することができる。インタフェースは例えばフランジ又はねじで良い。基体はデータ線路のコネクタとのインタフェースを有することができる。例えば基体はケーブルブシュを固定するための輪郭を有することができる。コネクタとのインタフェースには、ガスセンサの信号を処理するための装置も固定することができる。センサ空間は基体の内側における中空部で良い。例えばセンサ空間を円筒状に実施することができる。センサ素子は、流体内の成分の原子を定量化するよう構成されている半導体素子で良い。センサ素子を、流体の二つ以上の成分を分析するよう構成することができる。
基体は、流入開口部とセンサ素子との間に、センサ空間内のガスの温度調整のための温度調整面を有することができる。温度調整面は流体を冷却するための熱伝達面であると解することができる。ガスは温度調整面において所定量の熱エネルギを放出することができ、またその際に、ガスをセンサ素子の動作温度まで冷却することができる。
センサ空間を、基体を通る軸方向の孔として実施することができる。センサ素子を孔の流入開口部側とは反対側に配置することができる。センサ素子を、孔を横断する方向に配向することができる。孔内では流体は低い流速しか有していないので、孔は流体内の粒子による損傷からセンサ素子を保護することができる。
センサは保護装置を有することができ、この保護装置は、センサ素子の上方に設けられており、且つ、センサ素子をガスの少なくとも一つの別の固体、液体又は気体の成分から遮蔽する、及び/又は、流体の少なくとも一つの別の固体、液体又は気体の成分の濃度を低減するよう構成されている。保護装置とは、検出すべき成分に対しては少なくとも透過性であり、汚損を抑制する、及び/又は、センサを汚染する可能性がある有害なガス/成分に対しては非透過性であるフィルタであると解することができる。保護装置を保護キャップとして実施することができる。同様に、保護装置をセンサ素子上に層として実施することができる。保護装置を、センサ素子が影響を受けない程度まで有害な成分の濃度を低下させるように構成することができる。保護装置を、有害な成分の濃度を許容できるレベルにまで低下させるように構成することもできる。例えば、保護装置を、センサ素子の汚損を許容できるレベルにまで低下させるように、又は汚損を完全に排除するように構成することができる。
保護装置は加熱素子を有することができる。保護装置は例えば、比較的高い動作温度を必要とする、少なくとも一つの化学活性成分を有することができる。このために加熱素子は保護装置を加熱することができる。従って、加熱素子によって最初にガスの温度が調整されるのではなく、センサ素子の温度が調整される。加熱素子の加熱面は基体内に配置されているのではなく、加熱面をセンサ素子の下方又は保護装置内に配置することができる。加熱素子はセンサチップの温度を一定に調整するために使用される。加熱素子の温度調整面は保護装置に設けられている。択一的又は付加的に、相応の温度調整面をセンサ素子の支持体内に配置することができる。
センサは、センサ空間内に配置されており、且つ、センサ素子との接触接続のための電気的な導体路を備えているセンサ支持体を有することができ、センサ素子はセンサ支持体の流入開口部と対向する面に配置されている。電気的な導体路をセンサ支持体内に埋設させることができる。センサ支持体を多層セラミック材料から成るディスクとして実施することができる。導体路をセラミックから成る層の間に延在させることができる。層に対して垂直な方向において、導体路をスルーコンタクトとして実施することができる。センサ素子をその背面から冷却するため、スルーコンタクトを熱伝体として構成することもできる。
センサ支持体はセンサ素子のための加熱素子を有することができる。加熱素子をセンサ支持体内に埋設させることができる。加熱素子を高められた抵抗を有している導体路から形成することができる。流体が過度に冷たい場合には、この加熱素子を用いることによりセンサ素子の温度を動作温度にまで上昇させることができる。
センサは固定素子を有することができ、この固定素子は、センサ支持体と基体を気密に接続するために、及び/又は、センサ支持体を基体に固定するために構成されており、この場合、センサ空間は環状の張り出し部を有しており、また固定素子はセンサ支持体をその張り出し部に押し付けるよう構成されている。固定素子を基体とセンサ支持体との間の間隙にブリッジさせることができる。固定素子を熱耐性のある材料から形成することができる。固定素子は熱による基体の長さ変化とセンサ支持体の長さ変化との差異を補償調整することができる。センサ支持体を浮いた状態で張り出し部に支承させることができ、またこのセンサ支持体は基体の熱膨張率とセンサ支持体の熱膨張率との差異を補償調整することができる。これによってセンサ支持体をほぼ応力無しで支承することができ、その結果、センサの平均寿命を延長することができる。固定素子を、センサ支持体のガスが接触する側、又は、センサのガスが接触しない側に配置することができる。固定素子を基体及びセンサ支持体に気密に接続させることができる。固定素子を素材結合(素材による束縛:stoffschluessig)により基体及び/又はセンサ支持体と接続させることができる。例えば固定素子をはんだ付け、又は溶接することができる。
センサは少なくとも一つのシール素子を有することができ、このシール素子をセンサ支持体と基体との間に配置することができ、これに付加的又は択一的に、シール素子をセンサ支持体と固定素子との間に配置することができる。シール素子としてシールリングを使用することができる。シール素子は金属から成るもので良い。少なくとも一つのシール素子を用いることにより製造公差を補償調整することができる。
固定素子をばね素子として形成することができる。ばね素子は弾性の変形によって熱膨張の差異を補償調整することができる。ばね素子を、センサ支持体を包囲するように延在する気密な波状部として形成することができる。
センサ支持体及びばね素子は相互に適合された熱膨張率を有することができる。例えば、それらの熱膨張率は15%、特に10%、とりわけ5%よりも低い偏差を有することができる。熱膨張率の差異が小さいことによって、構成部材間の低い熱応力が生じる。これによって、構成部材間の接合箇所には僅かな負荷しか掛からない。
センサはセンサ素子の信号を処理するための装置を有することができる。この処理装置をセンサ支持体のセンサ素子側とは反対側の面に配置することができる。処理装置を、電気的な導体路を介してセンサ素子と接続することができる。処理装置は、例えば背面側に配置されており、例えばセンサ素子のアナログ信号をディジタル化するよう構成されているチップで良い。処理装置をセンサ素子に直接的に統合することもできる。従って、評価をオンボードでセンサ素子自体においてオンボードで、即ち同一のチップにおいて行うことができる。
センサは制御装置を有することができ、この制御装置は例えばセンサ素子の浄化サイクルを制御するよう構成されており、この制御は、例えばセンサ素子における触媒を再生するために、加熱素子が動作温度よりも高い温度を発生させることによって行われる。
分析すべき流体の成分の濃度を検出するための方法は以下のステップを備えている:
−センサ空間内に流入する流体のための流入開口部を備えているセンサ空間を準備するステップ;
−センサ空間に流体を案内するステップ;
−成分の濃度を検出するために、センサ空間において流体が接触するように配置されているセンサ素子を用いて流体を分析するステップ。
−センサ空間内に流入する流体のための流入開口部を備えているセンサ空間を準備するステップ;
−センサ空間に流体を案内するステップ;
−成分の濃度を検出するために、センサ空間において流体が接触するように配置されているセンサ素子を用いて流体を分析するステップ。
分析すべき流体の成分の濃度を検出するためのセンサを製造するための方法は以下のステップを備えている:
−流入開口部から軸方向において基体を通って延在している、環状の張り出し部を備えている貫通開口部を有しており、且つ、流入開口部と環状の張り出し部との間にセンサ空間が形成されている基体を準備するステップ;
−センサ素子を有するセンサ支持体及び固定素子を準備するステップ;
−センサ支持体が張り出し部に接触するまでセンサ支持体及び固定素子を貫通開口部に挿入するステップであって、センサ素子は流入開口部に配向されており、且つ、固定素子はセンサ支持体の流入開口部側とは反対側の面に配置されているステップ;
−固定素子を基体に接続させるステップ。
−流入開口部から軸方向において基体を通って延在している、環状の張り出し部を備えている貫通開口部を有しており、且つ、流入開口部と環状の張り出し部との間にセンサ空間が形成されている基体を準備するステップ;
−センサ素子を有するセンサ支持体及び固定素子を準備するステップ;
−センサ支持体が張り出し部に接触するまでセンサ支持体及び固定素子を貫通開口部に挿入するステップであって、センサ素子は流入開口部に配向されており、且つ、固定素子はセンサ支持体の流入開口部側とは反対側の面に配置されているステップ;
−固定素子を基体に接続させるステップ。
センサ支持体及び固定素子の挿入を、貫通開口部の流入開口部側とは反対側に位置する開口部から行うことができる。センサ支持体及び固定素子を一つのユニットとして貫通開口部に挿入することができる。この場合、固定素子の一方の端部を既にセンサ支持体と接続することができる。択一的に、センサ支持体及び固定素子を別個の素子として挿入することができ、その場合にはセンサ支持体を最初に挿入することができる。この場合には、センサ支持体と接触する固定素子の一方の端部を上述の接続ステップにおいてセンサ支持体と接続させることができる。
以下では、添付の図面を参照しながら本発明を例示的に詳細に説明する。
本発明の複数の有利な実施例の以下の説明においては、複数の図面に示されている同様に作用する素子には同一又は類似する参照番号が使用されており、それらの素子の反復的な説明は省略してある。
図1には、本発明の一つの実施例によるセンサ100が示されている。ガスセンサ100は基体102及びセンサ素子104を含んでいる。センサ100を例えば内燃機関の排ガス管に使用することができるか、又は火災報知器のセンシング領域に使用することができる。基体102には貫通開口部が設けられている。センサ素子104のための支持体105によって、貫通開口部は二つの区間に分割されている。図1の上方に示されている区間はセンサ空間106を形成している。センサ空間は分析すべき流体のための流入開口部を有している。センサ素子104はセンサ空間106の流入開口部側とは反対側に配置されている。支持体105はセンサ空間106の底部を形成している。従って、センサ素子104は流入開口部に対して後退した位置にずらされて配置されている。流入開口部と、この流入開口部と対向しているセンサ素子104の表面との間にセンサ空間106が広がっている。流入開口部と、この流入開口部と対向しているセンサ素子104の表面との間の距離は、センサ素子104の厚さの数倍であるか、又は、支持体の厚さの数倍に相当し、例えば1mm又は数mmの寸法を有している。基体102によって形成されているセンサ空間106の壁は、センサ空間の直径以上の高さを有することができる。基体102を通る貫通開口部の直径は、支持体105のセンサ空間106と対向している側においては、支持体105のセンサ空間106側とは反対側の直径に比べて小さい。センサ素子104が流入開口部から離れて配置されていることに基づき、センサ素子104を、有限の最大温度を有する半導体センサとして実施することができる。
以下では、例えば自動車の排ガス管のガスを分析するためにセンサ100が使用される実施例に基づき、センサ100を説明する。
前述の流入開口部を介して、排ガス管のガスを基体102の内側のセンサ空間106へと流入させ、センサ素子104の表面と接触させることができる。従ってセンサ空間106は排ガス管に向かって開かれている。センサ空間106は、軸方向において基体102を通る円筒状の欠落部として形成されている。この実施例において、基体102は中空のねじ取り付け部として実施されている。センサ空間106に同心に、基体102上にはインタフェースとしての雄ねじ108が配置されており、これによりガスセンサ100を、ガスが流れる管又は容器に捩じ込むことができる。インタフェースを例えばフランジとして実施することもできる。ねじ108側とは反対側の端部、即ち「冷たい背面」において、基体102は外面に段部110を有しており、この段部110は、データ線路とのコネクタ、例えばケーブルブシュを収容するよう構成されている。同様に、この段部110にはケーブルハーネスを、例えば溶接接続又は圧着接続により固定することができる。
基体102はセンサ空間106内に段部112を有している。段部112においてセンサ空間106の直径は、流入開口部とは背を向ける面に向かって拡張されている。段部112には、センサ空間106の延在方向を横断する方向においてセンサ支持体105が配置されている。センサ支持体105の流入開口部と対向する面の中央にセンサ素子104が配置されている。多層状に配置されているセラミック材料から形成されているセンサ支持体105においては、このセンサ支持体105の層の内部及び/又は層の間に電気的な導体路が延在している。導体路によってセンサ素子104がスルーコンタクト(バイア)を介してセンサ支持体105の背面に接続される。一つの実施例によれば、センサ素子104を動作温度に加熱するために、導体路は部分的に加熱素子として形成されている。センサ支持体105の背面におけるコンタクトピンからは、電気的な導体116が例えば接続ケーブルへと延びている。電気的な導体をはんだ付け又はボンディング接続することができる。
汚損及び/又は汚染からセンサ素子104を保護するために、センサ素子104の上方には保護キャップ118が配置されている。保護キャップ118は、粒子に対するフィルタとして形成することができる多孔性のセラミック材料から成るものである。付加的又は択一的に、センサ素子にとって有害なガス成分に反応し、それを無害な成分にするために、セラミック材料に触媒作用を備えさせることができる。この場合、セラミック材料自体は触媒作用を有するものではない。しかしながら、セラミック材料が触媒作用を有するように、セラミック材料を変性させることもできる。
センサ支持体105は、温度に起因する基体102の大きさの変化の影響を受けないように、浮いた状態で段部112に載置されている。センサ支持体105の熱膨張率と捩じ込み体102の鋼の熱膨張率との差異を補償調整するために、センサ支持体は波状部が設けられている環状のばね素子120によって段部112に対して押圧される。ばね素子120の代わりに、後続の図面に示されているように、別の固定素子も使用することができる。ばね素子120は例えばレーザ溶接による溶接部を介して基体102と接続されている。ばね素子120は例えば硬質はんだ又は活性はんだを用いてセンサ支持体105にはんだ付けされている。素材結合による二つの接続部によってガスセンサ100は気密に構成されている。
以下では、図1に基づき、内燃機関の排ガス管における半導体センサ100の一つの実施例を説明する。半導体センサ100は、500℃以下の動作温度を達成するように固定及び連結されている。ガスセンサ104の温度が動作期間全体にわたり、排ガスピーク温度よりも遙かに低い温度で一定に維持する可能性が示されている。この構造は熱交換耐性があり、且つ衝撃耐性があるように構成されているので、背面側に接続されているコンタクト領域110及びケーブルハーネスとの電気的なコンタクト116の密閉封止をセンサ100の寿命にわたり実現することができる。更には、センサ104は排ガスに由来する固体の堆積から保護されている。
排ガス管内でのガス流から後方にずらした位置における取り付けによって熱負荷を少なくすることができる半導体センサ104を使用できる解決手段について説明する。更には、圧接パッケージに代わる、金属ダイヤフラム120を介することによる、スペースを節約した気密で低応力の支持体セラミック105と捩じ込み体102との接続も説明する。
図示していない保護管構造によって、例えば流体機械的に形成される低圧に基づいて、熱い排ガスを捩じ込み体102に引き込むことができる。従ってガスは受動的にセンサ素子104に到達する。その際に、排ガスは捩じ込み体102の壁に熱エネルギの一部を放出し、それより排ガスがセンサ104と接触する際には500℃を遙かに下回る温度が達成される。半導体センサ104は一定の動作温度を必要とする。これは排ガス温度が比較的低い期間においても必要とされる。このことは、セラミックディスク105に統合されている加熱抵抗によって実現され、この加熱抵抗を、背面から引き出されている電気的なコンタクト116を介して駆動させることができる。相応の加熱機をセンサ104の保護キャップに統合することもできる。排ガス側から延びるセンサ104の電気的なコンタクトは、セラミックディスク105のバイア及び内部導体路を介して、同様にケーブルに接触接続させるために反対側へと案内されており、また、密なセラミック105内に埋設されていることによって、気密で電気的に絶縁されているコンタクト116を実施することができる。背面においては、ケーブルへの移行部が例えばはんだ付けされたピンを介して延びている。選択的に、そのようにして案内されるコンタクトを、背面に実装されており、且つ、センサ104のアナログ信号をディジタル処理してケーブルコンタクト116に転送するチップと接続することも可能であり、このことはやはりセラミックディスク105内のバイア及び導体路を介して実現することができる。
図示されている実施例においては、センサチップ104が、多層セラミック、例えば低温焼結セラミック(LTCC)又はAl2O3セラミックから成る平坦なディスク105上に機械的且つ電気的に接続されている。多層セラミック105の保持を、LTCC基板の製造技術に応じて、しかしながら、この使用目的のために特別に開発された、セラミック材料と導体路ペースト乃至抵抗ペーストとの組み合わせを用いて行なうことができる。この支持体ディスク105は、金属合金、例えばアンバー又はコバールから成る、フレキシブルな環状のダイヤフラム120内又はダイヤフラム120上に固定される。ダイヤフラム120の熱膨張率(WAK)はセラミック105に適合されている。この環状の金属性のダイヤフラム120の幾何学的配置によって、セラミック105及びダイヤフラム120に比べて遙かに高い熱膨張率を有している鋼から成る捩じ込み体102との熱膨張の差異を補償調整することができる。これに対して、圧接パッケージにおいて予定されているセラミックディスク105の固定的な緊張では、温度上昇によってセラミック105に向かう捩じ込み体102のより大きい膨張が生じると、即座にセラミックディスクが破損する恐れがある。セラミックディスクをセンサにとって好適な半導体材料SiCの低い熱膨張率に適合させることができ、このことは、熱機械的に十分に分離された実装の必要性を更に高めることができる。金属性のダイヤフラム120の薄い壁厚は、セラミックディスク105と金属から成る中実の捩じ込み体102との間での熱交換の良好な分離も生じさせ、これによってセンサチップ104の領域における可能な限り自律的な温度制御が実現される。図示されている実施例においては、セラミックディスク105からダイヤフラムリング120への移行部を、硬質はんだと一緒に焼結された金属化部によって、又は、セラミック105と直接的に反応する活性はんだによって製造することができる。ダイヤフラム120と捩じ込み体102との接続部を、例えばレーザ溶接を用いた溶接接続部として、又ははんだ接続部として実施することができ、これによって完全な気密性が達成される。フリップチップ技術において金・ガラス後焼成ペースト(Au-Glas-Postfiring-Paste)を用いることにより、セラミックディスク105の排ガス空間106に向けられている面上にセンサチップ104を実装することができる。同様に、セラミックディスク105の背面には、センサ104の近傍でのディジタル信号処理のための評価回路を実現する高温半導体チップを付加的に実装することができる。排ガスに由来する汚染粒子の堆積を多孔性のセラミック保護キャップ118によって阻止することができる。このセラミック保護キャップ118はガラスはんだを用いることにより、センサチップ104の上方及びセラミック支持体ディスク105上に固定することができる。更に、多孔性の保護キャップ118は、排ガスに由来する不所望な物質、例えばシリコーンを触媒により分解し、化学結合により除去することができる材料を含有することができ、これによりそのような不所望な物質がセンサ104を汚染する可能性はない。
ここで提案するアプローチを用いることにより、高い使用温度のための例えばChemFET−NOxセンサ又は圧力センサ、例えばSiC又はGaNをベースとするセンサを提供することができる。図示されている幾何学的配置は例示的なものに過ぎない。場合によっては、他の成形方法又は接続方法を用いた他の構造形状も考えられる。
図2は、本発明の一つの実施例による、分析すべき流体の成分の濃度を検出するための方法200のフローチャートを示す。この方法200を、図1に示されているようなガスセンサを用いて実施することができる。この方法は、準備ステップ202、案内ステップ204及び分析ステップ206を備えている。準備ステップ202においては、センサ空間内に流体を流入させるための流入開口部を備えたセンサ空間が準備される。案内ステップ204においては、流体がセンサ空間に案内され、その際に必要に応じて冷却される。分析ステップ206においては、センサ空間において流体が接触するように配置されているセンサ素子を用いて流体が分析され、成分の濃度が検出される。この分析の際に、流体の成分に関する分析結果を表すセンサ信号を形成して出力することができる。
図3は、本発明の一つの実施例によるガスセンサを製造するための方法300のフローチャートを示す。この方法は、二つの準備ステップ302,304、挿入ステップ306及び接続ステップ308を有している。準備ステップ302,304を同時に実施することも可能である。
準備ステップ302においては基体が準備される。基体は、流入開口部から軸方向において基体を通って延在している貫通開口部を有している。貫通開口部の壁において基体は環状の張り出し部を有している。準備ステップ304においては、センサ支持体及び固定素子が準備される。センサ支持体はセンサ素子を有しており、また張り出し部に配置されるように構成されている。挿入ステップ306においては、センサ支持体が張り出し部に接触するまで、センサ支持体及び固定素子がセンサ空間に挿入される。センサ素子は流入開口部に向けられている。固定素子はセンサ支持体及び基体と接触している。接続ステップ306においては、固定素子が基体と接続され、また、センサ支持体と接続されずに準備される限りは、固定素子がセンサ支持体と接続され、それによりセンサ空間は気密に閉じられる。
図4には、本発明の一つの実施例による、例示的に図1に示したようなセンサのためのセンサ素子104を備えているセンサ支持体105が示されている。センサ支持体105の前面上のセンサ素子104は保護キャップ118によって、許容できない高い濃度の有害な流体から保護されており、また付加的又は択一的に、分析すべき流体内の固体から保護されている。センサ支持体105は多層の複合材料として実施されている。センサ支持体105の内部では、相互に重なっており且つ電気的に絶縁されている異なる層において、導電性の材料、例えば金から成る導体路400が配置されている。電気的な導体116は高温(HT)硬鋼線から成るピンとして形成されており、センサ支持体105の背面から、接触すべき導体路400のそれぞれの平面に達するまでブラインドホール状の欠落部402に挿入されている。ブラインドホール内ではピン116が焼結された貴金属ペーストを用いて接触及び固定されている。センサ支持体105の別の層においては加熱抵抗層404が配置されている。加熱抵抗層404は例えばRuO2・ガラス複合材料から形成されており、またセンサ素子104を背面側から加熱できるようにするために導体路400を介して接触接続されている。センサ素子104は背面側において、焼結された貴金属ペースト406を用いてセンサ支持体105に固定されており、また別の導体路400へのスルーコンタクトを介して、それらの別の導体路400と電気的に接続されている。
換言すれば、図4には、ケーブルコンタクトへの移行部に関する、セラミック支持体105の背面における電気的なコンタクトピン116の接続の一実施例が示されている。コンタクトピン116を、熱負荷の少ない後方領域にある測定センサの他方の端部において、例えばはんだ付け、レーザ溶接又は圧着接続によってケーブルの心線と接続することができる。加熱されるセラミックディスク105からコンタクトピン116への電気的なコンタクトの移行部においては、特別な状況においてセラミックディスク105の縁部においてばね素子を接続する場合のように、金属性のはんだを使用することができる。
ここでもまた、接続部の高い動作温度範囲にとって適切なはんだの高いプロセス温度(1000℃以上から1200℃)は、LTCCセラミックの温度耐性(最大で950℃)と一致することは困難である。更には、コンタクトパッドにはんだ付けされている金属ピンは先が尖っておらず機械的に敏感であり、従って、それらの金属ピンは端面側において接続面を大きくするために遮蔽部が釘の頭のような形状を有することができる。プロセス(例えばケーブルに接続する際の処理)に起因して発生する可能性がある全体の引っ張り力はこれによって比較的大きい面に集中し、それによりクリティカルな(セラミックと金属の)境界面の負荷が低減される。
支持体セラミック105の内側にある導体路400と金属ピン116の固定、またそれと同時に行なわれる接触接続を、センサチップ104の接触接続のために開発されたものと同じ貴金属ペーストによって達成することができる。このために、ブラインドホール402を、支持体ディスク105のガス側とは反対側の面から導体路400の平面まで形成することができ、金属ピン116をこのブラインドホール内にペーストを用いて接着し、チップ及び保護キャップの固定と同じプロセスにおいて焼成することができる。金属ピン116のための材料として、金めっきが施された高温鋼線を使用することができる。焼成プロセスを大気下において、又は鋼線の酸化に続き、保護ガス雰囲気下でも行なうことができる。そのようにしてセラミックディスク105内に埋設された金属ピン116は機械的に非常に高い負荷を掛けることができ、また更なる処理に対して鈍感である。焼結された貴金属・ガラスペーストによって、導体路400及び鋼ピン116の金めっきが施された表面の所望の電気的な接触接続、並びに、ブラインドホール402の内側でのセラミック面への機械的に安定した接続が得られる。
図5には、本発明の一つの実施例によるセンサ100の断面図が示されている。センサ100は図1に示したセンサに実質的に対応している。基体102はセンサ空間106を有しており、このセンサ空間106の主延在方向を横断する方向においてセンサ支持体105が閉鎖部として配置されている。図1とは異なり、センサ支持体は欠落部を有しており、この欠落部内に半導体センサ素子104が配置されている。この実施例において、欠落部は、加熱機が統合されている保護装置118としての多孔性セラミックディスクによって覆われている。加熱機はセンサ支持体105の背面側から電気的に接触接続されている。基体102は、センサ空間106の周囲に延びる張り出し部500を有しており、この張り出し部500にセンサ支持体105が固定素子120を用いて気密に押圧される。固定素子120は金属性の対応部材として、ケーシング材料よりも高い熱膨張率(WAK)を有している。金属性の二つのシーリングリング502と、熱膨張率の低いセラミックから成るセンサ支持体とを組み合わせることにより、それらの熱膨張率は、基体の熱膨張率に対応する全体の熱膨張率を補完する。金属性の二つのシーリングリング502はセンサ支持体105の向かい合う面に配置されている。それらのシーリングリング502は延性材料、例えば軟質金属合金から成るものである。シーリングリング502は、可塑性の変形を介してセンサ支持体105と基体102の製造公差を補償調整するよう構成されている。固定素子120は力結合(力による束縛:kraftschluessig)によるシーリングのために、レーザ溶接部を用いて基体102に固定されている。
LTCCセラミックディスク105と図1に関連させて説明したばね素子との素材結合による接続は、LTCCセラミックが許容できる温度範囲(約950℃まで)に関して問題となる金属性のはんだは大抵の場合は銀を含有していることから特別な条件下で有効になる。しかしながら、銀(Ag)は例えばエンジン排ガスの場合のように高温及び水滴が存在する場合には非常に泳動し易く、またガスセンサを汚染させる可能性があるので、このはんだは限定的にしか使用できない。銀を含有しないはんだ(例えばNiをベースとするはんだ)は、セラミックディスクがLTCCから成る場合にはこのセラミックディスク105を変形させる可能性がある著しく高いプロセス温度を有している。錫(Sn)をベースとするはんだは、センサの後の動作温度よりも低い融点を有している。全ての要求を満たす特別なはんだを用いることにより、固定素子120をセンサ支持体105にはんだ付けすることができる。
金属ケーシング102に対するセラミックディスク105のシーリングコンセプトの別の実施例として、延性金属、例えば銅(Cu)又はアルミニウム(Al)から成るシーリングリング502、もしくはその種の延性金属から成るコーティングが両面に施されている鋼リングを用いる、力結合によるセラミックディスク105のシーリングを使用することができる。力結合による接続を例えば、ねじ接続によって確立することができるか、又は、レーザ溶接部を介して圧力を掛けて固定するかしめによって確立することができる。シーリングリングの押圧力は−40℃から最大で500℃までの使用温度範囲を超えても維持されるべきなので、セラミックディスク105の低い熱膨張と、金属ケーシング102の著しく高い熱膨張との差異を、ねじ接続された、もしくはかしめられた対応部品によって補償調整することができる。対応部品の材料と寸法を選択することによって、ケーシング102の金属に対するセラミックの熱膨張の不足分を補償調整することができる。即ち、対応部品はケーシング102よりも高い熱膨張率を有している。
半径方向におけるセラミックディスク105の熱膨張と金属ケーシング102の熱膨張との差異は、金属性のシーリングリング502のシール面への相対運動及び延性によって補償調整することができ、その際にシーリングリング502のシール作用に影響が及ぼされることはない。何故ならば、軸方向においては、調整された熱膨張係数の上述のアプローチは押圧力を一定に維持するからである。
不所望なガス成分からガスセンサを保護するための別のコンセプトでは、ガスセンサの多孔性の保護キャップ118が、気体成分に触媒作用を奏することができるようにするために、比較的高い動作温度を必要とすることができる。この場合、所定の物質、例えばSiをSi有機化合物から問題無く吸収することができる。これに対して、センサ素子104の理想的な動作温度は約50Kから100K程低い。この差異を考慮できるようにするために、一方では多孔性の保護キャップ118自体を加熱することができ、他方ではチップ実装面の外側にあるセラミックディスク105内の領域を加熱し、それによってチップを間接的に比較的低い温度レベルで一緒に加熱することができる。多孔性のセラミックに設けられた加熱構造、例えば金属性の蛇行状の構造による加熱が行なわれる場合、平坦なディスクとしてのこの多孔性の構造素子の形状は有利である。何故ならば、この形状はセンサ支持体105の製造時のプリント方法の可能性を、図1及び図4に示されているような3次元の保護キャップ118に比べて制限しないからである。多孔性のセラミックの平坦な形状を実現するために、セラミック支持体ディスク105の凹部にチップを埋めることによって実装することができ、この支持体ディスク105を続いて多孔性のディスクによって覆い、またガラスはんだ接続によって固定することができる。この実施例において、支持体ディスク105からの電気的なスルーコンタクトは、貴金属ペーストを塗布することにより形成された点を用いて、多孔性のセラミックディスク上に設けられている加熱機の電気的なコンタクトと接続され、またチップ接続及びガラスはんだシーリングと共に同一のプロセスにおいて焼成される。
図6には、本発明の一つの実施例によるセンサの一部としての加熱素子600が示されている。加熱素子600は、図1,4及び5に示されているように、センサ支持体と保護装置の接続個所に配置されている。この実施例において加熱素子600は、図示していない保護装置の矩形の外側輪郭602に応じた線形の形状を有している。この実施例において、外側輪郭602はセンサチップのための保護キャップの接触領域である。センサチップの外側輪郭604は同様に矩形であり、また加熱素子600の内側に示されている。加熱素子600は比抵抗の高い半導体抵抗層として形成されている。加熱素子600の両側にはその延在方向に沿って、比抵抗の低い二つの導体路606が設けられている。導体路606は加熱素子600の電気的に接触接続するために形成されている。導体路606の各端部から加熱素子600が延びており、また各端部はセンサ支持体を通るピンコンタクトホール608と接続されている。ピン608に電圧が印加されると、加熱素子600における電圧が低下し、加熱素子600は保護装置を縁部から加熱する。
セラミック支持体ディスク内に加熱機を配置することによって保護キャップの形状を維持し、保護キャップの所望の比較的高い動作温度を達成できることは、加熱機の電気的な接続をより簡単に実現し、また加熱機の構造が多孔性のセラミックの通気性を阻害することはないという利点を有している。ここでは、チップ実装領域の外側の面におけるセラミックディスク内のリング状又はストライプ状の種々の加熱面が考えられ、これによって先ず保護キャップの縁部を加熱することができる。予定されているLTCC支持体セラミックの低い熱伝導率及び保護キャップの多孔性のSiCセラミックの高い熱伝導率は、チップ温度に比べて50Kから100K程高いキャップ温度/保護装置温度を実現する。上記において説明した二つのコンセプトはいずれも有利である。支持体セラミックに統合されている加熱機は廉価でロバストな解決手段である。何故ならば、その場合には支持体に凹部を設ける必要はないからである。
図7には、周辺素子を備えている、本発明の一つの実施例によるセンサ100が示されている。図7に示されているセンサは図5に示したセンサ100の全体の外観に相当する。図5に示したものの他に、ここではケーブル702とのインタフェース700も示されている。インタフェース700においては、例えば金めっきが施された高温鋼線から成る鋼ピン116がはんだ接続、溶接接続又は圧着接続を介してケーブル702へと移行している。基体102は排ガスが流れる体積体704内に捩じ込まれた状態で示されている。センサ空間から排ガス流へと突出している誘導装置706が示されており、この誘導装置706は排出されたばかりの排ガスを、矢印によって示されているように、排ガス流からセンサ空間へと流入させ、分析された排ガスをセンサ空間から流出させるよう構成されている。誘導装置706は同心の断面を備えている流入チャネル及び流出チャネルを有している。ここでは、流入チャネルによって流出チャネルが包囲されている。流入チャネルは環状の断面を有することができる。流出チャネルは丸い断面を有することができる。流入チャネルの外壁は流出チャネルの外壁よりも遙かに大きい面積を有することができる。流入チャネルの長さ及び流出チャネルの長さは、例えばセンサ空間の横断面の少なくとも3倍又は4倍に相当するもので良い。排出されたばかりの排ガスは流入チャネルを通ってセンサ空間へと案内され、このセンサ空間において、センサ100の動作温度が達成されるまで冷却することを目的として、センサ空間の温度調整面に沿って案内される。冷却された排ガスはセンサ空間の底部において、センサ空間を包囲している外壁から側方に向かってセンサ素子を介して案内され、分析後には、センサ素子104の中心の上方に配置されている流出チャネルの開口部を介して再び体積体704へと排出される。誘導装置706は、排ガスが境界層の外側からセンサ空間に導入されるように構成することができる。誘導装置706内のガス流を、体積体704内のガス流の移動によって動かすことができる。
図面に示されており、また上記において説明した実施例は単に例示的なものとして選択されたに過ぎない。異なる実施例を完全に、又は個々の特徴に関して相互に組み合わせることもできる。また、ある実施例を別の実施例の特徴によって補完することもできる。更には、本発明による方法のステップを繰り返し実施すること、並びに上述した順序とは異なる順序で実施することも可能である。
Claims (11)
- 分析すべき流体の成分の濃度を検出するためのセンサ(100)において、
該センサ(100)は、
内部にセンサ空間(106)が設けられており、且つ、該センサ空間(106)に流入する流体のための流入開口部を備えている基体(102)と、
前記成分の濃度を検出するために、前記センサ空間(106)において前記流体が接触するように配置されている、前記流体を分析するためのセンサ素子(104)とを備えていることを特徴とする、センサ(100)。 - 前記基体(102)は、前記流入開口部と前記センサ素子(104)との間に、前記センサ空間(106)内の前記流体を冷却するための温度調整面を有している、請求項1に記載のセンサ(100)。
- 前記センサ(100)は保護装置(118)を備えており、該保護装置(118)は前記センサ素子(104)を覆い、且つ、前記流体の少なくとも一つの別の固体、液体又は気体の成分の濃度を少なくとも低下させるよう構成されている、請求項1又は2に記載のセンサ(100)。
- 前記保護装置(118)は加熱素子を有している、請求項3に記載のセンサ(100)。
- 前記センサ(100)はセンサ支持体(105)を備えており、該センサ支持体(105)は前記センサ空間(106)内に配置されており、且つ、前記センサ素子(104)との接触接続のための電気的な導体路を有しており、
前記センサ素子(104)は前記センサ支持体(105)の前記流入開口部と対向する面に配置されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のセンサ(100)。 - 前記センサ支持体(105)は前記センサ素子(104)のための加熱素子を有している、請求項5に記載のセンサ(100)。
- 前記センサ(100)は固定素子(120)を備えており、該固定素子(120)は、前記センサ支持体(105)及び前記基体(102)を気密に接続するために、及び/又は、前記センサ支持体(105)を前記基体(102)に固定するために構成されており、
前記センサ空間(106)は環状の張り出し部(112)を有しており、
前記固定素子(120)は前記センサ支持体(105)を前記張り出し部(112)に押し付けるよう構成されている、請求項5又は6に記載のセンサ(100)。 - 前記固定素子(120)はばね素子(120)として形成されている、請求項7に記載のセンサ(100)。
- 前記センサ(100)は前記センサ素子(104)の信号を処理するための装置を備えている、請求項5乃至8のいずれか一項に記載のセンサ(100)。
- 分析すべき流体の成分の濃度を検出するための方法(200)において、
該方法(200)は、
センサ空間(106)内に流入する前記流体のための流入開口部を備えているセンサ空間(106)を準備するステップ(202)と、
前記センサ空間(106)に前記流体を案内するステップ(204)と、
前記成分の濃度を検出するために、前記センサ空間(106)において前記流体が接触するように配置されているセンサ素子(104)を用いて前記流体を分析するステップ(206)とを備えていることを特徴とする、方法(200)。 - 分析すべき流体の成分の濃度を検出するためのセンサ(100)の製造方法(300)において、
該製造方法(300)は、
流入開口部から軸方向において基体(102)を通って延在している、環状の張り出し部(112)を備えている貫通開口部を有しており、且つ、前記流入開口部と前記環状の張り出し部(112)との間にセンサ空間(106)が形成されている基体(102)を準備するステップ(302)と、
センサ素子(104)を有するセンサ支持体(105)及び固定素子(120)を準備するステップ(304)と、
前記センサ支持体(105)が前記張り出し部(112)に接触するまで前記センサ支持体(105)及び前記固定素子(120)を前記貫通開口部に挿入するステップ(306)であって、前記センサ素子(104)は前記流入開口部に向けられており、且つ、前記固定素子(120)は前記センサ支持体(105)の流入開口部側とは反対側の面に配置されているステップと、
前記固定素子(120)を前記基体(102)に接続させるステップ(308)とを備えていることを特徴とする、製造方法(300)。
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