JP2013161921A - 導電性積層体、及び有機薄型太陽電池素子 - Google Patents

導電性積層体、及び有機薄型太陽電池素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2013161921A
JP2013161921A JP2012022129A JP2012022129A JP2013161921A JP 2013161921 A JP2013161921 A JP 2013161921A JP 2012022129 A JP2012022129 A JP 2012022129A JP 2012022129 A JP2012022129 A JP 2012022129A JP 2013161921 A JP2013161921 A JP 2013161921A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
photoelectric conversion
conductive laminate
coating layer
organic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012022129A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5841853B2 (ja
Inventor
Takeshi Muto
豪志 武藤
Ken Kondo
健 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lintec Corp
Original Assignee
Lintec Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lintec Corp filed Critical Lintec Corp
Priority to JP2012022129A priority Critical patent/JP5841853B2/ja
Publication of JP2013161921A publication Critical patent/JP2013161921A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5841853B2 publication Critical patent/JP5841853B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/549Organic PV cells

Abstract

【課題】表面の平滑性に優れ、表面抵抗率が低く、有機光電変換素子に適用した場合に短絡電流密度を向上させることができる、導電性積層体及び有機光電変換素子を提供する。
【解決手段】基板上に、厚みが10〜1000nmのバッファ層、及び厚みが1〜50nmの被覆層を順に有する導電性積層体であって、前記バッファ層のみからなる単層の表面抵抗率が1000Ω/□以下であり、且つ、前記被覆層のみからなる単層の表面抵抗率が105〜1010Ω/□であって、前記被覆層の算術平均粗さ(Ra)が3.00nm以下であり、前記導電性積層体の表出している前記被覆層側から測定した該導電性積層体の表面抵抗率が500Ω/□以下である、導電性積層体。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電性積層体、及び該導電性積層体を有する有機光電変換素子に関する。
有機導電性材料の応用が期待されている製品として、有機光電変換素子、有機EL素子、タッチパネル、ディスプレイ、有機トランジスタ電極等の有機デバイスが挙げられる。これらの有機デバイスの中、有機太陽電池に代表される有機光電変換素子は、地球規模での問題であるエネルギー問題を解決するためのエネルギー源の有力候補の一つであり、環境負荷が少なく、半永久的に供給される太陽光エネルギーの利用の要望が多いことから、活発に研究されている。有機光電変換素子である有機太陽電池は、軽量、安価、フレキシブルな素子の作製が可能であり、現在の主流であるシリコン半導体等の無機系材料を用いた太陽電池に代わる次世代の太陽電池として期待されている。
このような背景から、有機導電性材料を用いた有機光電変換素子の研究が全世界的に行われており、有機光電変換素子の光電変換効率向上、特に短絡電流密度を向上し得る有機光電変換素子の構造の設計技術が重要である。
一般的に有機デバイスは、陽極電極と陰極電極との間に、例えば、有機光電変換素子の場合は光電変換層、有機EL素子の場合は有機発光層を有する。また、光電変換層もしくは有機発光層と電極との接触抵抗を下げることを目的として、光電変換層もしくは有機発光層と電極との間に種々の有機薄膜層を設ける場合がある。
例えば、このような有機薄膜層としては、PEDOT(ポリ(3,4−(エチレンジオキシ)チオフェン))とPSS(ポリスチレンスルホン酸)を水に溶解した分散液を用いて形成されたものが知られている。有機薄膜層の形成方法としては、当該分散液を陽極電極基板上に塗布し、塗布膜を形成し、加熱乾燥して塗布膜中の溶媒を除去することで、PEDOTとPSSとからなるコロイド粒子を含む有機薄膜層を形成することができる。
しかしながら、このようなPEDOTとPSSとからなるコロイド粒子を含む有機薄膜層は、膜表面や層界面が平滑でなくなるため、表面抵抗が増加するという問題を有する。
例えば、特許文献1には、有機EL素子等の有機デバイスにおける有機薄膜層の形成方法に関する発明が記載されている。特許文献1には、上記問題を解決することを目的として、PEDOTとPSSを含む分散液を3000rpm以上の回転数で遠心分離処理した溶液を用いることが提案されている。
また、特許文献2には、LEDディスプレイの有機層をインクジェット方式で形成するための有機層形成用塗液に関する発明が記載されているが、当該塗液中に高沸点の有機溶媒を配合することで、有機層の表面形状を平坦化することができる旨の開示がある。
特開2010−205685号公報 特開2001−52861号公報
しかしながら、特許文献1及び2記載の方法で形成される有機薄膜層は、有機EL素子やLEDディスプレイに用いられているが、有機光電変換素子の短絡電流密度の向上に寄与し得る程、表面抵抗率及び表面粗さを抑制しているとはいえない。そのため、有機光電変換素子に適用した場合でも短絡電流密度の向上に寄与し得る、導電性積層体が求められている。
本発明は、表面粗さが小さく平滑性に優れ、表面抵抗が低く、有機光電変換素子に適用した場合に短絡電流密度を向上させることができる、導電性積層体及び有機光電変換素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、基材上に、特定の表面抵抗を有する材料からなるバッファ層及び被覆層を設けた導電性積層体が、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[7]を提供するものである。
[1]基板上に、厚みが10〜1000nmのバッファ層、及び厚みが1〜50nmの被覆層を順に有する導電性積層体であって、
前記バッファ層のみからなる単層の表面抵抗率が1000Ω/□以下であり、且つ、前記被覆層のみからなる単層の表面抵抗率が105〜1010Ω/□であって、
前記被覆層の算術平均粗さ(Ra)が3.00nm以下であり、前記導電性積層体の表出している前記被覆層側から測定した該導電性積層体の表面抵抗率が500Ω/□以下である、導電性積層体。
[2]前記バッファ層を形成する材料が、水系導電性ポリマーを含む、上記[1]に記載の導電性積層体。
[3]前記被覆層を形成する材料が、有機溶媒に可溶で水に不溶な硬化型導電性ポリマーを含む、上記[1]又は[2]に記載の導電性積層体。
[4]前記被覆層と前記バッファ層との厚みの比〔被覆層/バッファ層〕が、1/99〜50/50である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の導電性積層体。
[5]前記基板が、電極付き基板である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の導電性積層体。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかに記載の導電性積層体を有する、有機光電変換素子。
本発明の導電性積層体は、表面粗さが小さく平滑性に優れ、表面抵抗率が低く、有機光電変換素子に適用した場合に短絡電流密度を向上させることができる。
本発明の導電性積層体の一態様を示す導電性積層体の断面図である。 本発明の有機光電変換素子の第1態様を示す有機光電変換素子の断面図である。 本発明の有機光電変換素子の第2態様を示す有機光電変換素子の断面図である。
〔導電性積層体〕
図1は、本発明の導電性積層体の一態様を示す導電性積層体の断面図である。
図1にあるとおり、本発明の導電性積層体1は、基板11上に、厚みが10〜1000nmのバッファ層12、及び厚みが1〜50nmの被覆層13を順に有する。なお、本発明の導電性積層体は、効果を損なわない範囲において、上記以外の層を有していてもよい。
本発明の導電性積層体1において、バッファ層12のみからなる単層の表面抵抗率が1000Ω/□以下、被覆層13のみからなる単層の表面抵抗率が105〜1010Ω/□である。
つまり、本発明の導電性積層体は、基材上に、表面抵抗率が低い、厚み10〜1000nmのバッファ層、さらにその上に、表面抵抗率が高い、厚み1〜50nmの被覆層を設けた構成を有する。
このような構成を有することで、単にバッファ層もしくは被覆層のみを積層した場合に比べて、導電性積層体の表面粗さを小さくすることができ、導電性積層体の表面の平滑性が向上する。また、導電性積層体の表出している被覆層側から測定した該導電性積層体の表面抵抗率(以下、単に「導電性積層体の表面抵抗率」ともいう)を、バッファ層のみからなる単層の場合よりも低下させることができる。
すなわち、導電性積層体の表面の平滑性が向上することで、電極間のリーク電流が減少し、それと共に導電性積層体の表面抵抗率の低下するため、当該導電性積層体を有機光電変換素子に適用した場合に、有機光電変換素子の短絡電流密度が向上すると考えられる。
一方、基板上に表面抵抗率が低い材料から形成された層のみを積層した導電性積層体の場合、その形成された層の表面粗さは、比較的大きくなる傾向がある。その結果、このような電極間のリーク電流を抑制できず、また、導電性積層体の表面抵抗率を十分に低下させることができないため、当該導電性積層体を有機光電変換素子に適用した場合に、有機光電変換素子の短絡電流密度を十分に向上させることができないと考えられる。
また、導電性積層体が、基板上に表面抵抗率が高い材料から形成された層のみを積層している場合、形成された層は比較的表面粗さが小さくなる傾向があるが、表面抵抗率が高い点が問題となる。そのため、当該導電性積層体を有機光電変換素子に適用したとしても、有機光電変換素子の短絡電流密度は低下すると考えられる。
なお、本発明において、導電性積層体の表面抵抗率は、被覆層のみの単層の表面抵抗率とは異なる値を示す。それは、バッファ層及び被覆層の厚みが、上述のとおり数nmのレベルであるため、前記被覆層を測定した場合でも、バッファ層の特性も影響して、表面抵抗率の値は、被覆層形成材料の表面抵抗率に比べて格段に低下する。また、理由は定かではないが、被覆層を設けたことで、導電性積層体の表面抵抗率は、バッファ層のみの単層の表面抵抗率の値に比べて、格段に低下させることができる。
以下、本発明の導電性積層体1を構成する基板11、バッファ層12、及び被覆層13について説明する。
[基板]
本発明で用いる基板としては、導電性積層体の用途に応じて適宜選択されるが、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス等のガラスを含む無機材料、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラキシレン、エポキシ樹脂、フッ素系樹脂等の有機材料から選択され任意の方法で作製されたフィルムや板等が挙げられる。本発明で用いる基板としては、導電性積層体を有機光電変換素子に適用する観点から、透明基板であることが好ましい。
また、本発明で用いる基板としては、導電性積層体を有機光電変換素子に適用する観点から、上記の無機材料、有機材料から作製されたフィルムや板等に電極が形成された電極付き基板や、電極のみからなる基板であってもよい。
形成される電極の材料としては、スズドープ酸化インジウム(ITO)、IrO2、In23、SnO2、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)、ZnO(Ga、Alドープ)、MoO3等の材料が挙げられる。これらの中でも、透明性、導電性の観点から、ITOが好ましい。なお、電極の形成は、通常、スパッタリング、蒸着等の乾式法で行われるが、ディップコート法、スピンコート法等の湿式法でもよく、限定されるものではない。
基板11の厚みは、特に制限はないが、通常0.1〜10mmである。
基板11の波長550nmにおける可視光線透過率は、導電性積層体を有機光電変換素子に適用する観点から、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上である。
[バッファ層]
本発明の導電性積層体におけるバッファ層のみからなる単層の表面抵抗率は1000Ω/□以下であり、好ましくは850Ω/□以下、より好ましくは700Ω/□以下、更に好ましくは550Ω/□以下である。当該表面抵抗率が1000Ω/□を超えると、導電性積層体全体の表面抵抗率が高くなり、有機光電変換素子に適用した場合に短絡電流密度が低下するため好ましくない。
なお、「バッファ層のみからなる単層の表面抵抗率」とは、基板上にバッファ層のみを積層した試験サンプルにおいて、該試験サンプルのバッファ層の表面抵抗率を意味し、当該試験サンプルのバッファ層の厚みは、対象としている導電性積層体が有する被覆層の厚みと同じである。
また、表面抵抗率の値は、JIS K7194で規定された四端子法に基づき測定される値であり、より具体的には実施例に記載の方法で測定された値を意味する。
本発明において、バッファ層の形成に用いる材料(以下、「バッファ層形成材料」ともいう)は、形成されるバッファ層の表面抵抗率の値が上記範囲に属するように調整可能な材料であればよく、材料の化合物の構造や種類等の制限はない。
ただし、バッファ層形成材料として、水系導電性ポリマーが含まれていることが好ましい。本発明において、水系導電性ポリマーとは、水溶性の導電性ポリマー又は水分散可能な導電性ポリマーのことを意味する。当該水系導電性ポリマーを含むことで、形成されるバッファ層の表面抵抗率を上記範囲に属するように調整することが容易となる。なお、本発明で用いる水系導電性ポリマーは、親水性であり、コロイド粒子として水分散体となり得るポリマーで、表面抵抗率が上記範囲を満たすものである。
このような水系導電性ポリマーとしては、例えば、ポリチオフェン又はドーピングされたポリチオフェン、ポリピロール又はドーピングされたポリピロール、ポリアニリン又はドーピングされたポリアニリン、ポリアセチレン類等が挙げられる。
これらの中でも、分散性に優れ、塗膜の形成が容易であり、高透明性、及び導電性に優れるという観点から、ポリチオフェン又はドーピングされたポリチオフェン、ポリアニリン又はドーピングされたポリアニリンが好ましい。
ドーピングされたポリチオフェンとしては、例えば、ポリ(3,4)−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォネート(PEDOT/PSS)等が挙げられる。
また、ドーピングされたポリアニリンとしては、例えば、ポリアニリン/カンファースルホン酸(PANI/CSA)等が挙げられる。
具体的な市販品としては、日本アグフアマテリアルズ社製の「HBS5」、AGFA社の「EL−P3040」等のポリチオフェンの水分散液、日産化学工業(株)のORMECOND1033W等のポリアニリンの水分散液が挙げられる。
水系導電性ポリマーの含有量は、バッファ層形成材料中、好ましくは70〜100質量%、より好ましくは85〜100質量%、更に好ましくは95〜100質量%、より更に好ましくは実質100質量%である。
バッファ層は、上述のバッファ層形成材料を水に溶かして水分散液とし、当該水分散液をスピンコート法等の公知の塗布法により基板上に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を加熱乾燥させることで形成することができる。
バッファ層12の厚みとしては、10〜1000nmであるが、好ましくは30〜700nm、より好ましくは50〜500nm、更に好ましくは70〜250nmである。10nm以上であればバッファ層の均一性維持のうえで好ましく、1000nm以下であれば光透過率を高く保持できるため好ましい。
[被覆層]
本発明の導電性積層体における被覆層のみからなる単層の表面抵抗率は105〜1010Ω/□であり、好ましくは106〜1010Ω/□、より好ましくは107〜1010Ω/□、更に好ましくは108〜1010Ω/□である。
該表面抵抗率が上記範囲内であれば、バッファ層上に被覆層を形成した場合に、導電性積層体の表面抵抗率を、バッファ層のみからなる単層の表面抵抗率よりも低下させることができる。その結果、有機光電変換素子に適用した場合に、短絡電流密度を十分に向上させることができる。
なお、「被覆層のみからなる単層の表面抵抗率」とは、基板上にバッファ層を形成せずに被覆層のみを積層した試験サンプルにおいて、該試験サンプルの被覆層の表面抵抗率を意味し、当該試験サンプルの被覆層の厚みは、対象としている導電性積層体が有する被覆層の厚みと同じである。
本発明において、被覆層の形成に用いる材料(以下、「被覆層形成材料」ともいう)は、形成される被覆層の表面抵抗率の値が上記範囲に属するように調整可能な材料であり、且つ、有機溶媒に可溶で水に不溶なものであればよく、材料の化合物の構造や種類等の制限はない。
ただし、被覆層形成材料として、有機溶媒に可溶で水に不溶な硬化型導電性ポリマーが含まれていることが好ましい。硬化型導電性ポリマーとしては、熱硬化型導電性ポリマー、紫外線硬化型導電性ポリマー等が挙げられる。
このような硬化型導電性ポリマーを被覆層形成材料として含むことで、形成される被覆層の表面抵抗率を上記範囲に属するように調整することが容易となる。
また、有機溶媒に可溶で水に不溶な硬化型導電性ポリマーを被覆層形成材料として含むことで、バッファ層上に被覆層を形成する際に、バッファ層を溶解してしまうことを防止することができ、得られる導電性積層体の表面粗さを小さくすることができる。その結果、有機光電変換素子に適用した場合、電極間のリーク電流が減少するため、効果的に短絡電流密度を向上させることができる。
熱硬化型導電性ポリマーとしては、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等の有機溶媒に可溶で水に不溶な導電性ポリマーを変性して得られる導電性ポリマー等が挙げられる。
紫外線硬化型導電性ポリマーとしては、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等の有機溶媒に可溶で水に不溶な導電性ポリマーの側鎖に、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和基を有する導電性ポリマー等が挙げられる。この紫外線硬化型導電性ポリマーは、例えば、有機溶媒に可溶で水に不溶な導電性ポリマーのポリマー鎖に、−COOH、−NCO、エポキシ基、−OH、−NH2等の官能基を導入し、この活性点と重合性不飽和基を有する化合物を反応させて得ることができる。
具体的な有機溶媒に可溶で水に不溶な硬化型導電性ポリマーとしては、下記一般式(1a)〜(1c)、一般式(2a)〜(2c)、一般式(3a)〜(3c)で表されるモノマーに重合開始剤を配合して重合して得られるポリマーが挙げられる。
上記一般式(1a)〜(3c)のそれぞれにおいて、R1は、それぞれ独立に、ビニル基、(メタ)アクリロイル基を示す。R2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基を示し、炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。R3は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基を示す。また、xは、1〜6の整数であり、好ましくは2〜6の整数である。mは0〜12の整数であり、好ましくは4〜12の整数である。nは1〜12の整数であり、好ましくは4〜12の整数である。aは1〜2の整数、b及びcは1〜4の整数である。
なお、R2、R3が示す炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
硬化型導電性ポリマーの含有量は、被覆層形成材料中、好ましくは70〜100質量%、より好ましくは85〜100質量%、更に好ましくは95〜100質量%、より更に好ましくは95〜99.9質量%である。なお、被覆層形成材料は、本発明の効果が損なわれない範囲で、所望により、重合開始剤等のその他の添加剤を含んでいてもよい。
被覆層は、上述の被覆層形成材料を有機溶媒に溶かした溶液を、スピンコート法等の公知の塗布法によりバッファ層上に塗布して塗膜を形成し、該塗膜を加熱乾燥させることで形成することができる。
被覆層13の厚みとしては、平滑性の向上及び導電性積層体の表面抵抗率を低下させる観点から、1〜50nmであるが、好ましくは3〜45nm、より好ましくは5〜40nm、更に好ましくは7〜30nmである。1nm未満であると、形成される被覆層の算術平均粗さ(Ra)が大きくなり平滑性が劣る。一方、50nmを超えると、導電性積層体の表面抵抗率が上昇してしまう。
また、被覆層とバッファ層との厚みの比〔被覆層/バッファ層〕は、表面粗さを小さくすると共に、導電性積層体の表面抵抗率を低下させる観点から、好ましくは1/99〜50/50、より好ましくは3/97〜30/70、更に好ましくは5/95〜23/77である。
[導電性積層体の特性]
本発明において、導電性積層体の表面粗さは、導電性積層体の被覆層13の算術平均粗さ(Ra)で評価している。算術平均粗さ(Ra)の値は、JIS B 0601:2001の規定に基づき測定される値であり、より具体的には実施例に記載の方法で測定された値を意味する。
被覆層の算出平均粗さ(Ra)は、3.00nm以下であり、好ましくは2.60nm以下、より好ましくは2.30nm以下、更に好ましくは2.00nm以下である。当該被覆層の算出平均粗さ(Ra)が3.00nmを超えると、有機光電変換素子に適用した場合に、電極間でリーク電流が発生し、短絡電流密度を十分に向上させることができない。
また、本発明の導電性積層体の表出している被覆層側から測定した導電性積層体の表面抵抗率は、500Ω/□以下であり、好ましくは350Ω/□以下、より好ましくは280Ω/□以下、更に好ましくは235Ω/□以下である。導電性積層体の表面抵抗率が500Ω/□を超えると、有機光電変換素子に適用した場合に短絡電流密度が低下するため好ましくない。
本発明の導電性積層体は、上述のように、表面の平滑性に優れ、且つ、表面抵抗率が低いため、電極間に、例えば、有機光電変換素子の場合は光電変換層、有機EL素子の場合は有機発光層を有する有機デバイスにおいて、光電変換層もしくは有機発光層と電極との接触抵抗を下げることを目的として用いることができる。なかでも、短絡電流密度を向上させることができため有機光電変換素子に好適に用いることができる。
[有機光電変換素子]
次に、本発明の導電性積層体の被覆層上に、さらに光電変換層を有する、有機光電変換素子について説明する。
有機光電変換素子とは、光エネルギー照射によって起電力を発生する素子のことであり、一般的には光エネルギーを電気的なエネルギーに変換する素子で光電変換層に電荷を取り出すための電極を設けたものである。有機光電変換素子としては、有機太陽電池、フォトダイオード等の種々の有機半導体デバイス用途が挙げられる。これらの中でも、本発明の有機光電変換素子の用途としては、有機太陽電池が適している。また、光電変換層とは、有機光電変換素子の中心をなす光電効果を受ける層であり、単層からなってもよいし、複数層からなってもよい。
図2及び3は、本発明の有機光電変換素子の一つの態様を示した有機光電変換素子の断面図である。
図2に示された有機光電変換素子2aは、導電性積層体1の被覆層13上に、光電変換層14及び電極15を順に有する。光電変換層14は、有機光電変換素子の中心をなす光電効果を受ける層である。図2の有機光電変換素子2aの光電変換層14は、p型半導体材料(電子供与性材料)及びn型半導体材料(電子受容性材料)の混合材料から形成された層であり、単層から構成されている。
一方、図3に示された有機光電変換素子2bの光電変換層14は、p型半導体材料からなるp型半導体層14aと、n型半導体材料からなるn型半導体層14bの複数層から構成されている。
光電変換層が単層の場合には、光電変換層14は、通常、真性半導体層から形成される。真性半導体層とは、p型半導体材料(電子供与性材料)及びn型半導体材料(電子受容性材料)よりなるp−n接合界面を持つ有機層のことである。
光電変換層が複数層の場合には、光電変換層14は、p型半導体材料(電子供与性材料)からなるp型半導体層14aと、n型半導体材料(電子受容性材料)からなるn型半導体層14bからなるp−n接合界面を持つ有機層より構成される。
真性半導体層において、p型半導体材料とn型半導体材料の質量比(p型半導体材料/n型半導体材料)は、高い光電変換効率が得る観点から、好ましくは1/10〜10/1、より好ましくは1/5〜5/1、更に好ましくは1/5〜1/1である。
光電変換層における、p型半導体材料としては、特に限定されず、例えば、銅フタロシアニン等の縮合多環芳香族低分子化合物、ポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)等のポリチオフェン誘導体の共役系ポリマーもしくはオリゴマー等が挙げられる。
一方、n型半導体材料としては、特に限定されず、例えば、[6,6]−フェニルC61ブチリックアシッドメチルエステル([6,6]−PCBM、又は[60]PCBM)等のフラーレン化合物、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、ホスフィンオキサイド誘導体、カーボンナノチューブ(CNT)、ポリ−p−フェニレンビニレン系重合体にシアノ基を導入した誘導体(CN−PPV)等が挙げられる。これらの中でも、安定でキャリア移動度の高いn型半導体材料であることから、フラーレン化合物が好ましい。
なお、これらのp型半導体材料及びn型半導体材料は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、真性半導体層、p型半導体層及びn型半導体層等の光電変換層の形成方法としては、特に限定されないが、例えは、スピンコート及びバーコート等の塗布法、真空蒸着法等が挙げられる。これらの中でも、真性半導体層の形成方法としては、p型半導体材料及びn型半導体材料を溶媒に溶かした溶液を上記塗布法により塗布する方法が好ましい。この溶液に含まれる溶媒としては、特に限定されず、例えば、クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン、テトラヒドロフラン等を用いることができる。
本発明の有機光電変換素子の電極15の材料としては、特に限定されないが、陰極電極の材料としては、電子受容性材料のLUMOレベルに対してエネルギー障壁が小さく、仕事関数が比較的小さなものが好ましく、例えば、Ag、Al、Pt,Ir、Cr、ZnO、CNT、及びそれらの合金、複合体等が挙げられる。
一方、陽極電極の材料としては、電子供与性材料のHOMOレベルとエネルギー障壁が小さく、比較的仕事関数が大きなものが好ましく、透明なものがより好ましい。例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO)、IrO2、In23、SnO2、酸化インジウム−酸化亜鉛(IZO)、ZnO(Ga、Alドープ)、MoO3等の材料が挙げられる。
電極の形成方法としては、特に制限はされず、例えば、真空蒸着、各種スパッタリング等の方法が挙げられる。
なお、図3の有機光電変換素子2bのように、光電変換層14と電極15との間にブロッキング層16を設けてもよい。ブロッキング層を形成する材料としては、例えば、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(バソクプロイン;BCP)、ビス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリノエート)−アルミニウム(III)フェノレート(Alq2OPH)等が挙げられる。
[製造例1]
(下記式(1A)で表される化合物(1A)の合成)
はじめに、公知の方法により下記式(a)で表される化合物を合成した。
上記式(a)で表される化合物1.08g(2.09mmol)を、室温でジクロロメタン190mL中に分散させ、メタクリル酸(東京化成製)0.9g、4−N,N−ジメチルアミノピリジン1.28g、及びジシクロヘキシルカルボキシジイミド(DCC)2.16gを加え、12時間攪拌して反応させた。
得られた反応混合物を、セライトでろ過して固形分を除去した後、減圧濃縮を行った。そして、得られた濃縮物を、シリカゲルカラム(和光純薬製、製品名「C−200」)を用いてカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン/n−ヘキサン=1/1)で精製し、上記式(1A)で表される化合物(1A)(有機溶媒に可溶で水に不溶なポリチオフェン骨格を有する硬化型導電性ポリマー)を0.9624g(収率67%)得た。
得られた化合物(1A)の分析結果を以下に示す。
1H−NMR(500MHz、TMS内部標準、ppm表示、溶媒:重クロロホルム中、25℃);7.03(2H,d)、6.99(4H,br)、6.67(2H,d)、6.09(1H,d)、5.55(1H,d)、4.14(2H,t)、2.80(4H,br)、1.95(3H,t)、1.68(6H,br)、1.42〜1.30(10H,br)、0.90(3H,t)。質量分析(EI−MS);m/Z=584(M+)。
[製造例2]
(化合物(1A)含有塗布液の調整)
製造例1で合成した上記式(1A)で表される化合物(1A)を、クロロベンゼン(シグマアルドリッチ製)に溶解し、濃度1質量%の溶液を調製した。当該溶液に、光開始剤として、2,2−ジメトキシ−1,2ジフェニルエタン−1−オン(長瀬産業製、製品名「イルガキュア651」)を、化合物(1A)100質量部に対して、1質量部添加して、化合物(1A)含有塗布液を調製した。なお、得られた塗布液は、室温、暗所で保管した。
[実施例1]
(1)導電性積層体の作製
以下の手順で、図1に示す構成を有する導電性積層体を作製した。
透明電極付き基板11として、UV−オゾンクリーナー「UV253E」(製品名、フィルジェン株式会社製)により洗浄処理を行ったITOガラス基板(ガラス基板に、透明電極としてスズドープ酸化インジウム膜を形成したもの)を使用した。このITOガラス基板上に、PEDOT/PSS(日本アグフアマテリアルズ製、商品名「HBS5」、水系導電性ポリマー、表1及び2では「水系導電性ポリマー1」と記す)の水分散液(固形分濃度:2.0質量%)を用いて、乾燥後の厚みが110nmとなるように塗布し塗膜を形成し、加熱乾燥して該塗膜を硬化させ、厚み110nmのバッファ層12を基板11上に形成した。
そして、このバッファ層12上に、硬化型導電性ポリマー(日産化学工業製、有機溶媒に可溶で水に不溶なポリアニリン骨格を有する熱硬化型導電性ポリマー、表1及び2では「硬化型導電性ポリマー1」と記す)の溶液(溶媒:ジメチルアセトアミド、固形分濃度:1.0質量%)を用いて、乾燥後の厚みが25nmとなるように塗布し塗膜を形成し、加熱乾燥して該塗膜を硬化させ、厚み25nmの被覆層13をバッファ層12上に形成し、導電性積層体1を作製した。
(2)有機光電変換素子の作製
以下の手順で、図2に示す構成を有する有機光電変換素子を作製した。
p型半導体材料として、ポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)(Merck社製、製品名「SP001」)69mg、n型半導体材料として、フェニルC61酪酸メチルエステル(PCBM)(フロンティアカーボン社製)51mgを用い、脱水クロロベンゼン(3.0ml)に溶解させ、真性半導体層である光電変換層形成用の塗布液を調製した。
そして、乾燥窒素で置換したグローブボックス中で、上述の導電性積層体の被覆層上に、調整した塗布液を乾燥後の厚みが150nmとなるように、被覆層13上に塗布し塗膜を形成し、ホットプレートにより150℃で10分間加熱乾燥して該塗膜を硬化させ、厚み150nmの光電変換層14を形成した。
次いで、該積層体を大気に曝すことなく真空蒸着機(ALSテクノロジー社製)に移し、真空度3×10-4Pa以下で、光電変換層14上に、電極15としてアルミニウム層(厚さ100nm、面積0.55cm2)を真空蒸着により積層し、有機光電変換素子を作製した。
[実施例2]
被覆層の厚みを10nmとした以外は、実施例1と同様の方法で導電性積層体及び有機光電変換素子を作製した。
[実施例3]
ドーピングされたポリアニリン(日産化学工業製、商品名「D1033W」、水系導電性ポリマー、表1及び2では「水系導電性ポリマー2」と記す)の水分散液(固形分濃度:2.5質量%)を用いて、厚み110nmのバッファ層を形成した以外は、実施例1と同様の方法で導電性積層体及び有機光電変換素子を作製した。
[実施例4]
製造例2で調製した、化合物(1A)含有塗布液(溶媒:クロロベンゼン、固形分濃度:1.0質量%)を用いて、乾燥後の厚みが25nmとなるように塗布し塗膜を形成し、大気中120℃で加熱乾燥後、キセノンランプ光を大気中で5分間照射し、光重合して、該塗膜を硬化させて、有機溶媒に可溶で水に不溶なポリチオフェン骨格を有する硬化型導電性ポリマー(表1及び2では「硬化型導電性ポリマー2」と記す)からなる厚み25nmの被覆層をバッファ層上に形成した以外は、実施例1と同様の方法で導電性積層体及び有機光電変換素子を作製した。
[比較例1]
被覆層を形成せず、PEDOT/PSS(エイチ・シー・スタルク製、商品名「Clevios P AI4083」、水系導電性ポリマー、表1及び2では「水系導電性ポリマー3」と記す)の水分散液(固形分濃度:1.0質量%)を用いて、厚み40nmのバッファ層を基板上に形成した以外は、実施例1と同様の方法で、被覆層が形成されていない導電性積層体及び有機光電変換素子を作製した。
[比較例2]
被覆層を形成せず、PEDOT/PSS(日本アグフアマテリアルズ製、商品名「HBS5」、水系導電性ポリマー(水系導電性ポリマー1))の水分散液(固形分濃度:2.0質量%)を用いて、厚み110nmのバッファ層を基板上に形成した以外は、実施例1と同様の方法で、被覆層が形成されていない導電性積層体及び有機光電変換素子を作製した。
[比較例3]
被覆層を形成せず、硬化型導電性ポリマー(日産化学工業製、有機溶媒に可溶で水に不溶なポリアニリン骨格を有する熱硬化型導電性ポリマー(硬化型導電性ポリマー1))の溶液(溶媒:ジメチルアセトアミド、固形分濃度:1.0質量%)を用いて、厚み25nmのバッファ層を基板上に形成した以外は、実施例1と同様の方法で、被覆層が形成されていない導電性積層体及び有機光電変換素子を作製した。
[比較例4]
被覆層を形成せず、ドーピングされたポリアニリン(日産化学工業製、製品名「D1033W」、水系導電性ポリマー(水系導電性ポリマー2))の水分散液(固形分濃度:2.5質量%)を用いて、厚み110nmのバッファ層を基板上に形成した以外は、実施例1と同様の方法で、被覆層が形成されていない導電性積層体及び有機光電変換素子を作製した。
[比較例5]
被覆層を形成せず、製造例2で調整した、化合物(1A)含有塗工液(溶媒:クロロベンゼン、固形分濃度:1.0質量%)を用いて、乾燥後の厚みが25nmとなるように塗布し塗膜を形成し、大気中120℃で加熱乾燥後、キセノンランプ光を大気中で5分間照射し、光重合して、該塗膜を硬化させ、有機溶媒に可溶で水に不溶なポリチオフェン骨格を有する硬化型導電性ポリマー(硬化型導電性ポリマー2)からなる厚み25nmのバッファ層を基板上に形成した以外は、実施例1と同様の方法で、被覆層が形成されていない導電性積層体及び有機光電変換素子を作製した。
[比較例6]
PEDOT/PSS(エイチ・シー・スタルク製、商品名「Clevios P AI4083」、水系導電性ポリマー(水系導電性ポリマー3))の水分散液(固形分濃度:1.0質量%)を用いて、厚み70nmの被覆層をバッファ層上に形成した以外は、実施例1と同様の方法で導電性積層体及び有機光電変換素子を作製した。
[比較例7]
PEDOT/PSS(エイチ・シー・スタルク製、商品名「Clevios P AI4083」、水系導電性ポリマー(水系導電性ポリマー3))の水分散液(固形分濃度:1.0質量%)を用いて、厚み40nmの被覆層をバッファ層上に形成した以外は、実施例1と同様の方法で導電性積層体及び有機光電変換素子を作製した。
[比較例8]
硬化型導電性ポリマー(日産化学工業製、有機溶剤に可溶で水に不溶なポリアニリン骨格を有する熱硬化型導電性ポリマー(硬化型導電性ポリマー1))の溶液(溶媒:ジメチルアセトアミド、固形分濃度:1.0質量%)を用いて、厚み25nmのバッファ層を基板上に形成し、PEDOT/PSS(日本アグフアマテリアルズ製、商品名「HBS5」、水系導電性ポリマー(水系導電性ポリマー1))の水分散液(固形分濃度:2.0質量%)を用いて、厚み110nmの被覆層をバッファ層上に形成した以外は、実施例1と同様の方法で導電性積層体及び有機光電変換素子を作製した。
[比較例9]
PEDOT/PSS(エイチ・シー・スタルク製、商品名「Clevios P AI4083」、水系導電性ポリマー(水系導電性ポリマー3))の水分散液(固形分濃度:1.0質量%)を用いて、厚み40nmのバッファ層を基板上に形成し、PEDOT/PSS(日本アグフアマテリアルズ製、商品名「HBS5」、水系導電性ポリマー(水系導電性ポリマー1))の水分散液(固形分濃度:2.0質量%)を用いて、厚み110nmの被覆層をバッファ層上に形成した以外は、実施例1と同様の方法で導電性積層体及び有機光電変換素子を作製した。
[実施例5]
以下の手順で、図3に示す構成を有する有機光電変換素子を作製した。
実施例1で作製した導電性積層体の被覆層上に、蒸着機(ALSテクノロジー社製)により、p型半導体材料として、銅フタロシアニン(東京化成製、商品名「P1005」)60nm、n型半導体材料として、C60フラーレン(フロンティアカーボン製、商品名「Nanom Purple SU」)60nmを用い、この順で蒸着し、p型半導体層14a及びn型半導体層14bからなる光電変換層14を形成した。さらに、ブロッキング層16(バソクプロイン(Lumitec製))を10nm、電極15として、銀を100nm積層し、有機光電変換素子を作製した。
[実施例6]
実施例3で作製した導電性積層体の被覆層上に、実施例5と同様の方法にて、光電変換層、ブロッキング層、及び電極を順に形成し、有機光電変換素子を作製した。
[実施例7]
実施例4で作製した導電性積層体の被覆層上に、実施例5と同様の方法にて、光電変換層、ブロッキング層、及び電極を順に形成し、有機光電変換素子を作製した。
[比較例10]
比較例1で作製した導電性積層体のバッファ層上に、実施例5と同様の方法にて、光電変換層、ブロッキング層、及び電極を順に形成し、有機光電変換素子を作製した。
[比較例11]
比較例2で作製した導電性積層体のバッファ層上に、実施例5と同様の方法にて、光電変換層、ブロッキング層、及び電極を順に形成し、有機光電変換素子を作製した。
[比較例12]
比較例3で作製した導電性積層体のバッファ層上に、実施例5と同様の方法にて、光電変換層、ブロッキング層、及び電極を順に形成し、有機光電変換素子を作製した。
[比較例13]
比較例4で作製した導電性積層体のバッファ層上に、実施例5と同様の方法にて、光電変換層、ブロッキング層、及び電極を順に形成し、有機光電変換素子を作製した。
[比較例14]
比較例5で作製した導電性積層体のバッファ層上に、実施例5と同様の方法にて、光電変換層、ブロッキング層、及び電極を順に形成し、有機光電変換素子を作製した。
[比較例15]
透明電極付き基板として、実施例1で用いたITOガラス基板を使用し、このITOガラス基板上に、実施例5と同様の方法にて、光電変換層、ブロッキング層、及び電極を順に形成し、バッファ層及び被覆層が形成されていない有機光電変換素子を作製した。
以上のようにして作製した導電性積層体及び有機光電変換素子の各種物性値を表1及び2に示す。なお、表1、2における、各層の厚み、バッファ層、被覆層及び導電性積層体の表面抵抗率、算術平均粗さ(Ra)、並びに有機光電変換素子の短絡電流密度(Jsc)は、以下の方法に基づいて測定した値である。
(1)導電性積層体の各層の厚み
段差計「Dektak150」(製品名、日本ビーコ社製)を用いて測定した。
(2)バッファ層、被覆層、及び導電性積層体の表面抵抗率
バッファ層、被覆層、及び導電性積層体の表面抵抗率の値は、下記の試験サンプルを作製し、JIS K7194で規定された四端子法に基づき、抵抗率計「ロレスタGP MCP−T600」(製品名、三菱化学社製)を用いて測定した。
なお、比較例15は、基板のみであるため、この表面抵抗率の測定は行っていない。また、比較例1〜5及び10〜15の導電性積層体は、被覆層を有していないため、被覆層の表面抵抗率の測定をしておらず、バッファ層の試験サンプルと導電性積層体の試験サンプルは同一のものであるため、バッファ層と導電性積層体の表面抵抗率の値は同じである。
(バッファ層の試験サンプル)
厚さ50μmのPETフィルム(東洋紡社製、製品名「PET−A4300」)上に、下記の各実施例及び比較例に記載の形成方法に従い、同じ材料を用いて、同じ膜厚となるように、バッファ層のみからなる単層を形成し、試験サンプルを作製した。
(被覆層の試験サンプル)
厚さ50μmのPETフィルム(東洋紡社製、製品名「PET−A4300」)上に、下記の各実施例及び比較例に記載の被覆層の形成方法に従い、同じ材料を用いて、同じ膜厚となるように、被覆層のみからなる単層を形成し、試験サンプルを作製した。
(導電性積層体の試験サンプル)
厚さ50μmのPETフィルム(東洋紡社製、製品名「PET−A4300」)上に、下記の各実施例及び比較例に記載の形成方法に従い、同じ材料を用いて、同じ膜厚となるように、バッファ層、及び該バッファ層上に被覆層を形成し、試験サンプルを作製した。
(3)算術平均粗さ(Ra)
作製した導電性積層体の表出している被覆層(被覆層が形成されていない導電性積層体については、バッファ層)の算術平均粗さ(Ra)を、JIS B 0601:2001の規定に基づき、走査型プローブ顕微鏡「SPI3800N」(製品名、セイコーインスツル製)を用いて測定した。
(4)有機光電変換素子の短絡電流密度(Jsc)
作製した有機光電変換素子について、ソーラーシミュレータ(ワコム電創社製、製品名「WXS−50S−1.5」)、及び電圧−電流発生器(ADC社製、製品名「R6243」)を用いて測定した。なお、作製した有機光電変換素子の有効面積は、いずれも0.055cm2であった。
表1及び2から、本発明の導電性積層体は、表面粗さが小さく、表面抵抗率が低く抑えられている。そのため、当該導電性積層体を用いた有機光電変換素子は、光電変換層を塗布法並びに低分子蒸着法のいずれの方法で形成しても、短絡電流密度が向上している。
一方、本発明の実施例に比べ、比較例の導電性積層体を用いた有機光電変換素子は、いずれも短絡電流密度が十分に向上していないことがわかる。なお、比較例6、7及び9の導電性積層体は、被覆層形成材料として水系導電性ポリマーを用いて被覆層を形成したため、該被覆層を形成の際に、同じく水系導電性ポリマーから形成されたバッファ層が溶解したため、表面層の算術平均粗さ(Ra)が大きくなってしまい、結果として短絡電流密度が十分に向上しなかったと考えられる。
本発明の導電性積層体は、有機太陽電池に代表される有機光電変換素子の部材として適用し得る。
1 導電性積層体
2a、2b 有機光電変換素子
11 基板(透明電極付き基板)
12 バッファ層
13 被覆層
14 光電変換層
14a p型半導体層
14b n型半導体層
15 電極
16 ブロッキング層

Claims (6)

  1. 基板上に、厚みが10〜1000nmのバッファ層、及び厚みが1〜50nmの被覆層を順に有する導電性積層体であって、
    前記バッファ層のみからなる単層の表面抵抗率が1000Ω/□以下であり、且つ、前記被覆層のみからなる単層の表面抵抗率が105〜1010Ω/□であって、
    前記被覆層の算術平均粗さ(Ra)が3.00nm以下であり、前記導電性積層体の表出している前記被覆層側から測定した該導電性積層体の表面抵抗率が500Ω/□以下である、導電性積層体。
  2. 前記バッファ層を形成する材料が、水系導電性ポリマーを含む、請求項1に記載の導電性積層体。
  3. 前記被覆層を形成する材料が、有機溶媒に可溶で水に不溶な硬化型導電性ポリマーを含む、請求項1又は2に記載の導電性積層体。
  4. 前記被覆層と前記バッファ層との厚みの比〔被覆層/バッファ層〕が、1/99〜50/50である、請求項1〜3のいずれかに記載の導電性積層体。
  5. 前記基板が、電極付き基板である、請求項1〜4のいずれかに記載の導電性積層体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の導電性積層体を有する、有機光電変換素子。
JP2012022129A 2012-02-03 2012-02-03 導電性積層体、及び有機薄型太陽電池素子 Active JP5841853B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012022129A JP5841853B2 (ja) 2012-02-03 2012-02-03 導電性積層体、及び有機薄型太陽電池素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012022129A JP5841853B2 (ja) 2012-02-03 2012-02-03 導電性積層体、及び有機薄型太陽電池素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013161921A true JP2013161921A (ja) 2013-08-19
JP5841853B2 JP5841853B2 (ja) 2016-01-13

Family

ID=49173940

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012022129A Active JP5841853B2 (ja) 2012-02-03 2012-02-03 導電性積層体、及び有機薄型太陽電池素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5841853B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006044090A (ja) * 2004-08-05 2006-02-16 Seiko Epson Corp ラインヘッドとその製造方法、及び画像形成装置
JP2010021566A (ja) * 2001-06-11 2010-01-28 Trustees Of Princeton Univ 有機光起電力素子
JP2010073416A (ja) * 2008-09-17 2010-04-02 Fujimori Kogyo Co Ltd 両面受光の色素増感型太陽電池
WO2011002532A1 (en) * 2009-06-29 2011-01-06 General Electric Company Fluorene dimers and trimers and optoelectronic devices using the same
WO2011149055A1 (ja) * 2010-05-27 2011-12-01 住友化学株式会社 新規化合物及びそれを用いた発光素子

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010021566A (ja) * 2001-06-11 2010-01-28 Trustees Of Princeton Univ 有機光起電力素子
JP2006044090A (ja) * 2004-08-05 2006-02-16 Seiko Epson Corp ラインヘッドとその製造方法、及び画像形成装置
JP2010073416A (ja) * 2008-09-17 2010-04-02 Fujimori Kogyo Co Ltd 両面受光の色素増感型太陽電池
WO2011002532A1 (en) * 2009-06-29 2011-01-06 General Electric Company Fluorene dimers and trimers and optoelectronic devices using the same
WO2011149055A1 (ja) * 2010-05-27 2011-12-01 住友化学株式会社 新規化合物及びそれを用いた発光素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP5841853B2 (ja) 2016-01-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6222086B2 (ja) 垂直に相分離している有機半導体材料層
WO2013018951A1 (ko) 3,6-카바졸을 포함하는 전도성 고분자 및 이를 이용한 유기태양전지
JP6648968B2 (ja) 有機薄膜太陽電池用バッファ層の製造方法及び有機薄膜太陽電池の製造方法
JP5949335B2 (ja) タンデム型の光電変換素子およびこれを用いた太陽電池
JPWO2012111811A1 (ja) 有機光電変換素子および太陽電池
Zhao et al. A water/alcohol-soluble copolymer based on fluorene and perylene diimide as a cathode interlayer for inverted polymer solar cells
Seo et al. Enhanced electrical properties of PEDOT: PSS films using solvent treatment and its application to ITO-free organic light-emitting diodes
EP3373354B1 (en) Composition for hole trapping layer of organic photoelectric conversion element
JP5853852B2 (ja) 共役系高分子化合物およびこれを用いた有機光電変換素子
JP2013089685A (ja) 有機光電変換素子およびこれを用いた太陽電池
JP5593900B2 (ja) 有機光電変換素子
KR101117426B1 (ko) 유기태양전지 및 이의 제조 방법
JP5700044B2 (ja) 有機光電変換素子およびその製造方法
JP2014053383A (ja) タンデム型の有機光電変換素子およびこれを用いた太陽電池
JP6135668B2 (ja) タンデム型有機光電変換素子およびこれを用いた太陽電池
JP7243636B2 (ja) 有機光電変換素子の正孔捕集層用組成物
US11563176B2 (en) Composition for hole collecting layer of organic photoelectric conversion element
Matsuo et al. Anthracene-based organic small-molecule electron-injecting material for inverted organic light-emitting diodes
JP5841853B2 (ja) 導電性積層体、及び有機薄型太陽電池素子
JP2013077760A (ja) 有機光電変換素子およびこれを用いた太陽電池
JP6003071B2 (ja) タンデム型有機光電変換素子
JP2012134337A (ja) 有機光電変換素子
Jia et al. Metallophthalocyanine derivatives utilized as cathode interlayers for polymer solar cells: a practical approach to prepare a uniform film
JP5737377B2 (ja) 有機薄膜太陽電池
Hemavathi et al. Alcohol soluble cyanopyridine based conjugated donor-acceptor polymers: Synthesis, photophysical and their charge transport behavior

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140317

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150602

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150630

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151116

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5841853

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250