JP2013161764A - セラミックメタルハライドランプ - Google Patents

セラミックメタルハライドランプ Download PDF

Info

Publication number
JP2013161764A
JP2013161764A JP2012025594A JP2012025594A JP2013161764A JP 2013161764 A JP2013161764 A JP 2013161764A JP 2012025594 A JP2012025594 A JP 2012025594A JP 2012025594 A JP2012025594 A JP 2012025594A JP 2013161764 A JP2013161764 A JP 2013161764A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal halide
iodide
lamp
arc tube
agi
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012025594A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5825130B2 (ja
Inventor
Yasushi Sasai
泰 笹井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Iwasaki Denki KK
Original Assignee
Iwasaki Denki KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Iwasaki Denki KK filed Critical Iwasaki Denki KK
Priority to JP2012025594A priority Critical patent/JP5825130B2/ja
Priority to US13/760,799 priority patent/US8736168B2/en
Priority to CN201310050609.5A priority patent/CN103247514B/zh
Publication of JP2013161764A publication Critical patent/JP2013161764A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5825130B2 publication Critical patent/JP5825130B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J61/00Gas-discharge or vapour-discharge lamps
    • H01J61/02Details
    • H01J61/12Selection of substances for gas fillings; Specified operating pressure or temperature
    • H01J61/18Selection of substances for gas fillings; Specified operating pressure or temperature having a metallic vapour as the principal constituent
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J61/00Gas-discharge or vapour-discharge lamps
    • H01J61/02Details
    • H01J61/12Selection of substances for gas fillings; Specified operating pressure or temperature
    • H01J61/125Selection of substances for gas fillings; Specified operating pressure or temperature having an halogenide as principal component
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J61/00Gas-discharge or vapour-discharge lamps
    • H01J61/82Lamps with high-pressure unconstricted discharge having a cold pressure > 400 Torr
    • H01J61/827Metal halide arc lamps

Landscapes

  • Discharge Lamp (AREA)

Abstract

【課題】ランプ効率の実質的な低下を招くことなく、演色性、特に特殊演色評価数R9を改善したセラミックメタルハライドランプを提供することを目的とする。
【解決手段】外球内に発光管を内封したセラミックメタルハライドランプであって、前記発光管は、ハロゲン化金属、水銀及び始動用希ガスを封入した発光部と、その両端に配置される一対の電極アセンブリを挿通したキャピラリとを透光性セラミックで形成し、前記発光部は、少なくとも、ヨウ化ツリウム(TmI3)、ヨウ化タリウム(TlI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)及びヨウ化カルシウム(CaI2)が封入されており、更に、ヨウ化銀(AgI)が封入され、該ヨウ化銀の量は、2≦(AgI/CaI2)[モル比]≦5の範囲であり、0<(AgI/TlI)[モル比]≦10の範囲である。
【選択図】図2A

Description

本発明は、セラミックメタルハライドランプに関する。
高輝度放電ランプ(HIDランプ)として、例えば、高圧水銀ランプ、高圧ナトリウムランプ、メタルハライドランプ及びセラミックメタルハライドランプがある。HIDランプは、電極間の放電を利用して発光する。このため、白熱電球と比べて、光束が大きく大規模な空間の照明に適し、エネルギー効率が良いといった種々の特徴を備えている。
HIDランプにおいて、1960年代には、蛍光水銀ランプより演色性と発光効率を改善した、金属ハロゲン化物を採用したメタルハライドランプが開発された。
メタルハライドランプにおいて、発光管の材質をセラミックスにすることにより、従来の石英と比べて発光管内部の封入物質との反応が少ないことから、多様な発光物質を使用することが出来、また発光管の劣化が少ないため長寿命化が可能となった。この結果、セラミックメタルハライドランプは、演色性の改善、光色及び光出力の安定化など光質の向上が実現され、高演色性が要求される店舗証明などに急速に浸透した。
しかし、セラミックメタルハライドランプにおいて、効率と演色性はトレードオフの関係にあり、双方を同時に向上するのは難しいとされている。従って、従来のセラミックメタルハライドランプは、高演色性と高ランプ効率を謳っていても、ランプ効率重視型又は演色性重視型のいずれかに分類される。一般的に、「ランプ効率」はlm/W(ルーメン毎ワット:ワット当たりの明るさ)で表され、「演色性」(色の見え方)は平均演色評価数(色の見え方の指数)Raで表される。この場合、一般に、ランプ効率η≧100程度であればランプ効率重視型であると評価され、平均演色評価数Ra≧80程度であれば演色性重視型と評価されている。
なお、本発明者は、本出願書類で開示する、発光管にヨウ化銀(AgI)を追加封入することで、高効率且つ高演色性のセラミックメタルハライドランプを実現する技術を開示した先行技術文献の存在を知らない。
演色性を評価する平均演色評価数Raは8色の基準色No.1〜8の平均であり、更に詳細に規定するために特殊演色評価数No.9〜15が規定されている。一般に、HIDランプでは、No.9(赤色)の見え方(特殊演色評価数R9)が、他の原色系の演色に比べて劣っている。
上記目的に鑑みて、本発明に係るセラミックメタルハライドランプは、外球内に発光管を内封したセラミックメタルハライドランプであって、前記発光管は、ハロゲン化金属、水銀及び始動用希ガスを封入した発光部と、その両端に配置される一対の電極アセンブリを挿通したキャピラリとを透光性セラミックで形成し、前記発光部は、少なくとも、希土類金属のハロゲン化物、タリウムのハロゲン化物、ナトリウム(Na)のハロゲン化物及びカルシウム(Ca)のハロゲン化物が封入されており、更に、銀(Ag)のハロゲン化物が封入され、該銀のハロゲン化物の封入量は、2≦(Ag/Ca)[モル比]≦5の範囲であり、0<(Ag/Tl)[モル比]≦10の範囲である。
更に、上記セラミックメタルハライドランプでは、前記希土類金属はツリウム(Tm)、ディスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)及びセリウム(Ce)のいずれか1種又は2種以上の混合物であってよい。
更に、本発明に係るセラミックメタルハライドランプは、外球内に発光管を内封したセラミックメタルハライドランプであって、前記発光管は、ハロゲン化金属、水銀及び始動用希ガスを封入した発光部と、その両端に配置される一対の電極アセンブリを挿通したキャピラリとを透光性セラミックで形成し、前記発光部は、少なくとも、ヨウ化ツリウム(TmI3)、ヨウ化タリウム(TlI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)及びヨウ化カルシウム(CaI2)が封入されており、更に、ヨウ化銀(AgI)が封入され、該ヨウ化銀の量は、2≦(AgI/CaI2)[モル比]≦5の範囲であり、0<(AgI/TlI)[モル比]≦10の範囲である。
更に、本発明に係るセラミックメタルハライドランプは、外球内に発光管を内封したセラミックメタルハライドランプであって、前記発光管は、ハロゲン化金属、水銀及び始動用希ガスを封入した発光部と、その両端に配置される一対の電極アセンブリを挿通したキャピラリとを透光性セラミックで形成し、前記発光部は、少なくとも、ヨウ化ツリウム(TmI3)、ヨウ化タリウム(TlI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)及びヨウ化カルシウム(CaI2)が封入されており、更に、臭化銀(AgBr)が封入され、該臭化銀の量は、2≦(AgBr/CaI2)[モル比]≦5の範囲であり、0<(AgBr/TlI)[モル比]≦10の範囲である。
更に、上記セラミックメタルハライドランプでは、更に、前記発光管を取り巻く発光管保護スリーブを備えていてもよい。
本発明によれば、ランプ効率の低下を許容範囲内に抑制しつつ、演色性、特に特殊演色評価数R9を改善したセラミックメタルハライドランプを提供することが出来る。
図1は、セラミックメタルハライドランプの構造を説明する図である。 図2Aは、横軸を(AgI/CaI2)[モル比]とし、縦軸に特殊演色評価数R9としたグラフである。 図2Bは、横軸を(AgI/TlI)[モル比]とし、縦軸を光束比率[%]としたグラフである。 図3は、発光金属として少量のヨウ化カルシウムに加え、ヨウ化銀(AgI)を追加併用した場合の典型的なランプの分光分布図(実線で示す)である。比較例として、ヨウ化銀(AgI)を加えないランプの分光分布図(破線で示す)も示す。 図4は、本実施形態に使用されている発光管の部分断面図である。
以下、本発明に係るセラミックメタルハライドランプの実施形態に関して、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中、同じ要素に対しては同じ参照符号を付して、重複した説明を省略する。
[セラミックメタルハライドランプ]
図1は、セラミックメタルハライドランプの構造を説明する図であり、図1(A)はランプの正面図、図1(B)はその側面図である。ランプ10は、外球2の内部に、発光部となる発光管4を内封し、発光管の周囲を発光管保護スリーブ(「内管」ともいう。)18が取り囲んでいる。外球2の端部には、E形の口金6が接合されている。発光管4は、金属の線材や板を組み合わせた構造物に内管18を取り付けたマウント8により、所定の位置に支持され、給電される。なお、外球2の内部に2組の(発光管−内管)を設けてもよい。
これらの各要素について簡単に説明する。
発光管4は、中央の発光部(太管部)4a及び両端のキャピラリ(細管部)4b,4cの形状をもつ透光性セラミックス製の容器である。1対のリード線3,5が、これら細管部4b,4cを夫々通って発光部4aの領域まで延びて、1対のタングステン(W)製の主電極を形成している。なお、この発光管4の特徴及び封入される発光物質に関しては、後で詳しく説明する。
マウント8は、一対の導入線が気密封着されたステム管14と、一方の導入線に接続された、ニッケルメッキ鉄線等の線材や略長四角形状の枠状に成形した丸棒体から成る支柱16とを主要部品として構成されている。
内管18は、発光管4が破裂したときに外球への影響を防止するために発光管4の周囲を夫々囲むように配設され、透明石英ガラス管から成る。発光管4の周囲に内管を設けることにより点灯中の発光管が保温されるという効果がある。そのため内管が存在しないランプよりも発光管の壁面負荷(ランプ電力÷発光部内面積)の値を小さくすることができ、発光管が破裂する確率を減少させることができる。さらに壁面負荷が比較的小さい発光管では、発光管と封入発光物質との化学反応の速度を抑えることができる。しかし、ランプ10では、内管18の存在は、必須ではなく、無くてもよい。
外球2は、例えば、ホウケイ酸ガラス等の透光性の硬質ガラスからなる。透明型と拡散型(不透明)がある。外球2は、最大口径の中央部2a、図で見て下部側の閉塞されたトップ部2b、及び上部側のネック部2cを有するBT形をなしている。ネック部2cには、ステム管14のフレア部が封止された封止部が有る。封止後、ステム管14に設けられた排気管(図示せず。)を通じて外球2内は排気され、アルゴン(Ar),窒素(N2)等の不活性ガスが封入され、或いは真空にした気密雰囲気となっている。
この封止部を覆ってねじ込み形口金6が耐熱性の接着剤を用いて接合され、或いはモールドにより形成された螺旋状のねじ溝に口金6が螺合されて、取付けられる。ランプ10は、口金6をソケット(図示せず。)に装着して、電源から所定の点灯回路装置を介して通電され、主電極間の放電により安定した点灯が持続される。
[発光物質]
本発明者は、このようなランプを使って、演色性、特に特殊演色評価数R9を改善する研究を行った。使用したランプは、定格出力100W、相関色温度4200Kである。
このタイプの発光管の発光部には、発光物質として、ハロゲン化金属、水銀及び始動用希ガスが封入されている。ハロゲン化物としては、少なくとも、希土類金属のハロゲン化物、タリウムのハロゲン化物、ナトリウム(Na)のハロゲン化物及びカルシウム(Ca)のハロゲン化物が含まれる。希土類金属としては、ツリウム(Tm)、ディスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)及びセリウム(Ce)のいずれか1種又は2種以上の混合物が含まれる。
表1は、実験に使用したランプの発光部に封入された発光物質を示している。サンプルNo.1は、本実施形態として開示するランプNo.2,3に対する比較例として示す現行のランプである。
Figure 2013161764
サンプルNo.1は、ハロゲン化金属として、ヨウ化ツリウム(TmI3)、ヨウ化タリウム(TlI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)及びヨウ化カルシウム(CaI2)が封入されている。更に、ヨウ化ディスプロシウム(DyI3)及びヨウ化セリウム(CeI3)が封入されている。
ハロゲン化金属の内、ヨウ化ツリウム(TmI3)、ヨウ化タリウム(TlI)及びヨウ化ナトリウム(NaI)が封入されたTm―Tl−Na系セラミックメタルハライドランプは、(TmI3)が緑色領域の発光を増加し、(TlI)が発光効率を向上させ、ヨウ化ナトリウム(NaI)が黄色領域の発光を増加して演色性を向上させている。
更に、発光物質として、ヨウ化カルシウム(CaI2)が封入されている。ヨウ化カルシウム(CaI2)は、色変化の低減やアークの揺れの抑制のために用いられている。同時に、ヨウ化カルシウム(CaI2)は、赤色領域の発光を増加し、演色性が向上する効果が有る。しかし、単純に、ヨウ化カルシウム(CaI2)を増量し、例えば全ハロゲン化物の50モル%以上にすると、他の発光物質の発光を低下させてしまい、ランプ効率ηの低下を招いてしまう。またランプ効率ηの低下を嫌ってヨウ化カルシウム(CaI2)の封入量を少なめに、例えば全ハロゲン化物の20%以下にすると赤色領域の発光増加は期待できない。
本発明者は、現行のランプ(サンプルNo.1)に対して、ヨウ化銀(AgI)を追加封入することで、ヨウ化カルシウム(CaI2)を増量すること無く、赤色発光が増加することを発見した。ここで、ヨウ化銀(AgI)を採用した理由は、基本的に可視光領域に強いピークが無いためランプの光学特性に大きな影響を与えないこと、更に、発光管4を形成する多結晶アルミナとほとんど反応しないので浸食のおそれも無いことが挙げられる。
Figure 2013161764
図2Aは、横軸を(AgI/CaI2)[モル比]とし、縦軸に特殊演色評価数R9としたグラフである。
サンプルNo.1〜3のデータが示すように、ヨウ化カルシウム(CaI2)に対するヨウ化銀(AgI)の比率[モル比]がゼロ〜6.3まで増加すると、特殊演色評価数R9は、45から54まで上昇して50に低下する。現行のランプ(サンプルNo.1)の特殊演色評価数R9=45より+10%以上のR9≧50を望ましい赤色系の特殊演色評価数とすると、2≦(AgI/CaI2)[モル比]≦5の範囲となる。換言すると、ヨウ化銀(AgI)の封入量は、現行ランプで封入されているヨウ化カルシウム(CaI2)の封入量を基準として、2×CaI2≦(AgI)≦5×CaI2 [単位モル]の範囲内となる。
懸念した他の発光物質の発光の低下に関しては、ヨウ化銀(AgI)を追加封入しても影響は無かった。表2に示すように、サンプルNo.1〜3に関して、平均演色評価数は、Ra=93と一定で変化していない。
更に、発光物質として、現行のランプ(サンプルNo.1)では、ヨウ化タリウム(TlI)が封入されている。ヨウ化タリウム(TlI)は、比視感度の高い535nmに発光を持ち、光束値へ最も影響のある物質である。
ランプにヨウ化銀(AgI)を追加封入して演色性を改善することで、ランプ効率ηの低下が懸念された。そこで、光束値へ最も影響のある物質であるヨウ化タリウム(TlI)に対する今回追加封入されたヨウ化銀(AgI)の割合と、ランプ効率との関係を実験により求めた。図2Bは、横軸を(AgI/TlI)[モル比]とし、縦軸を光束比率としたグラフである。光束比率は、現行のランプ(サンプルNo.1)の光束値11100[lm]を100%としたときの各ランプの光束値の割合を表す。
ヨウ化タリウム(TlI)に対するヨウ化銀(AgI)の比率[モル比]がゼロ〜14まで増加したことで、光束比率は、94.4%まで低下している。ここで、光束値の変化が±5%以内であれば、人間の眼に違和感は無く、実用上問題は無い。なお、定格出力100Wで光束値111,000[lm]の現行ランプ(サンプルNo.1)のランプ効率η=111〔lm/W〕における−5%の変化は、ランプ効率η=105〔lm/W〕に相当する。
光束低下を5%未満にすると、0<(AgI/TlI)[モル比]≦10の範囲となる。換言すると、ヨウ化銀(AgI)の封入量は、現行ランプで封入されているヨウ化タリウム(TlI)の封入量を基準として、0<(AgI)≦10×TlI [単位モル]の範囲内となる。
図3は、発光金属として少量のヨウ化カルシウムに加え、ヨウ化銀(AgI)を追加併用した場合の典型的なランプの分光分布図(実線で示す)である。比較例として、ヨウ化銀(AgI)を加えないランプの分光分布図(破線で示す)も示す。ここで、ヨウ化銀(AgI)を追加併用した場合のランプは、上述した条件、2≦(AgI/CaI2)[モル比]≦5及び0<(AgI/TlI)[モル比]≦10を夫々満足する(AgI/CaI2)[モル比]=3.1及び(AgI/TlI)[モル比]=7.1のランプである。
図3の分光分布図の○(丸)で囲んだ箇所を参照されたい。図3の光分布図より明らかなように、ヨウ化カルシウムを加えただけでは赤色領域の発光強度は増加しないが、ヨウ化銀を追加併用することにより、ヨウ化カルシウムの封入量が同じであっても、630〜650nmの領域の発光強度は増大し、他の波長の発光強度は下がらないランプが実現できた。
[代替例]
(1) 上記実施形態では、ハロゲン化金属である銀(Ag)をヨウ化物の形で封入する例について説明したが、これを臭化物である臭化銀(AgBr)に置き換えることができる。臭化銀(AgBr)は、電離しイオン化しやすい点でヨウ化銀(AgI)と同様の性質を有するため、ヨウ化銀(AgI)の一部又は全部を臭化銀(AgBr)に置き換えることが出来る。臭化銀(AgBr)を追加併用した場合、その量は次のようになる。
2≦(AgBr/CaI2)[モル比]≦5
0<(AgBr/TlI)[モル比]≦10
(2) 上記実施形態では、発光金属をヨウ化物の形で封入する例を説明したが、他のハロゲン化に置き換えることが出来る。セラミックメタルハライドランプでは、安定器(図示せず。)から発光管の電極間に、ベース電圧(例えば、200〜300V)に重畳して非常に高圧なパルス電圧(例えば、3.7〜4.5kV)を瞬間的に印加し絶縁破壊を行いグロー放電に移行し、更にアーク放電に移行した状態で利用し、ランプの点灯中は、ハロゲン化金属の略全てが電離状態にあるため、その金属が発光物質として機能している。従って、本実施形態で開示したメタルハライドランプは、次のようになる。
発光部には、少なくとも、希土類金属のハロゲン化物、タリウムのハロゲン化物、ナトリウム(Na)のハロゲン化物及びカルシウム(Ca)のハロゲン化物が封入されており、更に、銀(Ag)のハロゲン化物が封入され、該銀のハロゲン化物の封入量は、その量は次のようになる。
2≦(Ag/Ca)[モル比]≦5
0<(Ag/Tl)[モル比]≦10
(3) 発光金属のうちツリウム(Tm)を他の希土類金属で置き換えてもよい。特に希土類金属のうちツリウム(Tm)、ディスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、セリウム(Ce)は相互に置き換えるか、又はこれらのうち二種以上を混合物として封入しても、ほぼ同等の効果が得られる。
[発光管]
図4は、本実施形態に使用されている発光管4の部分断面図である。この発光管4は、楕円の長軸を回転軸として回転させたような略楕円形状に形成された発光部4aの長軸方向両端側に、一対のキャピラリ4b,4cが角隅部のない遷移曲面を介して連続的に形成されている。発光管4は、発光部4aとキャピラリ4b,4cを透光性アルミナの粉末圧縮体を型取りして一体成型した、所謂1ピースタイプである。このため、発光管の肉厚を均一に形成することが出来る。なお、発光部4aとキャピラリ4b,4cとを半割の形状で成型し、発光部中央で接合した所謂2ピースタイプの発光管でもよい。
例えば、発光部とキャピラリとを別個の部品(3ピース又は5ピース)に分けて加工し、セラミックの焼結時に焼嵌めによって組み立てるタイプの発光管は、焼嵌め時の機械的強度を確保するため、発光部端部の肉厚は中央部と比べると1.5以上となっている。発光管端部は、発光部内の放電箇所から離れており、肉厚が厚いため温度が上昇し難しい。最冷温度を上げるために壁面付加を高めにしなければならず、発光部内の温度差が大きくなる。壁面付加が高い場合、発光部の最高温度が非常に高くなり、その箇所ではハロゲン化金属との間で化学反応が激しくなり、浸食が速まり、ランプ寿命が短くなる。
これに対して、本実施形態で使用される発光管4は、発光管の肉厚が均一であるため壁面付加を小さくすることが出来、ランプ寿命を犠牲にすることなく、高いランプ効率、高演色性を実現することが出来る。
[本実施形態の利点・効果]
このような発光管を使用し、ヨウ化銀(AgI)を所定量封入することで、ランプ効率の低下を許容範囲内に抑制しつつ、演色性の向上を実現することが出来た。具体的には、本実施形態によれば、100Wクラスのランプにおいて、特殊演色評価数R9≧50且つ平均演色評価数Ra>90の高演色性を有し、ランプ効率η>100の高効率の要求に応えるメタルハライドランプを提供することができた。発光管の基本的構造が同じである限り、発光部内の発光物質の組成をモル比換算で決定すれば、100Wクラス以外の他の出力のセラミックメタルハライドランプにおいても同様の結果が得られる。
この結果、高いランプ効率且つ高演色性のセラミックメタルハライドランプが実現できる。
[まとめ]
以上、本実施形態に係る外球保護構造を備えたセラミックメタルハライドランプについて説明したが、これらは例示であって、本発明の範囲を制限するものではない。当業者が、本実施形態に対して容易になしえる追加・削除・変更・改良等は、本発明の範囲内である。本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の記載によって定められる。
2:外球、 2a:中央部、 2b:トップ部、 2c:ネック部、 3:リード線、 4:発光管、 4a:発光部,太管部、 4b,4c:キャピラリ,細管部、 5:リード線、 6:口金、 8:マウント、 10:ランプ、 14:ステム管、 16:支柱、 18:内管,発光管保護スリーブ、

Claims (5)

  1. 外球内に発光管を内封したセラミックメタルハライドランプにおいて、
    前記発光管は、ハロゲン化金属、水銀及び始動用希ガスを封入した発光部と、その両端に配置される一対の電極アセンブリを挿通したキャピラリとを透光性セラミックで形成し、
    前記発光部は、少なくとも、希土類金属のハロゲン化物、タリウムのハロゲン化物、ナトリウム(Na)のハロゲン化物及びカルシウム(Ca)のハロゲン化物が封入されており、
    更に、銀(Ag)のハロゲン化物が封入され、該銀のハロゲン化物の封入量は、
    2≦(Ag/Ca)[モル比]≦5の範囲であり、
    0<(Ag/Tl)[モル比]≦10の範囲である、セラミックメタルハライドランプ。
  2. 請求項1に記載のセラミックメタルハライドランプにおいて、
    前記希土類金属はツリウム(Tm)、ディスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)及びセリウム(Ce)のいずれか1種又は2種以上の混合物である、セラミックメタルハライドランプ。
  3. 外球内に発光管を内封したセラミックメタルハライドランプにおいて、
    前記発光管は、ハロゲン化金属、水銀及び始動用希ガスを封入した発光部と、その両端に配置される一対の電極アセンブリを挿通したキャピラリとを透光性セラミックで形成し、
    前記発光部は、少なくとも、ヨウ化ツリウム(TmI3)、ヨウ化タリウム(TlI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)及びヨウ化カルシウム(CaI2)が封入されており、
    更に、ヨウ化銀(AgI)が封入され、該ヨウ化銀の量は、
    2≦(AgI/CaI2)[モル比]≦5の範囲であり、
    0<(AgI/TlI)[モル比]≦10の範囲である、セラミックメタルハライドランプ。
  4. 外球内に発光管を内封したセラミックメタルハライドランプにおいて、
    前記発光管は、ハロゲン化金属、水銀及び始動用希ガスを封入した発光部と、その両端に配置される一対の電極アセンブリを挿通したキャピラリとを透光性セラミックで形成し、
    前記発光部は、少なくとも、ヨウ化ツリウム(TmI3)、ヨウ化タリウム(TlI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)及びヨウ化カルシウム(CaI2)が封入されており、
    更に、臭化銀(AgBr)が封入され、該臭化銀の量は、
    2≦(AgBr/CaI2)[モル比]≦5の範囲であり、
    0<(AgBr/TlI)[モル比]≦10の範囲である、セラミックメタルハライドランプ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のセラミックメタルハライドランプにおいて、
    更に、前記発光管を取り巻く発光管保護スリーブを備えている、セラミックメタルハライドランプ。
JP2012025594A 2012-02-08 2012-02-08 セラミックメタルハライドランプ Expired - Fee Related JP5825130B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012025594A JP5825130B2 (ja) 2012-02-08 2012-02-08 セラミックメタルハライドランプ
US13/760,799 US8736168B2 (en) 2012-02-08 2013-02-06 Ceramic metal halide lamp
CN201310050609.5A CN103247514B (zh) 2012-02-08 2013-02-06 陶瓷金属卤化物灯

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012025594A JP5825130B2 (ja) 2012-02-08 2012-02-08 セラミックメタルハライドランプ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013161764A true JP2013161764A (ja) 2013-08-19
JP5825130B2 JP5825130B2 (ja) 2015-12-02

Family

ID=48902301

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012025594A Expired - Fee Related JP5825130B2 (ja) 2012-02-08 2012-02-08 セラミックメタルハライドランプ

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8736168B2 (ja)
JP (1) JP5825130B2 (ja)
CN (1) CN103247514B (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5909994B2 (ja) * 2011-10-31 2016-04-27 岩崎電気株式会社 セラミックメタルハライドランプ

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0682356B1 (en) * 1994-05-12 2000-01-26 Iwasaki Electric Co., Ltd. Metal halide lamp
EP1271614B1 (en) * 2001-06-27 2005-09-21 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Metal Halide Lamp
CN1918687A (zh) * 2004-02-12 2007-02-21 株式会社杰士汤浅 陶瓷金属卤化物灯、其使用方法及照明器具
US7256546B2 (en) * 2004-11-22 2007-08-14 Osram Sylvania Inc. Metal halide lamp chemistries with magnesium and indium
JP2011210557A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Iwasaki Electric Co Ltd メタルハライドランプ

Also Published As

Publication number Publication date
CN103247514A (zh) 2013-08-14
CN103247514B (zh) 2015-10-21
JP5825130B2 (ja) 2015-12-02
US8736168B2 (en) 2014-05-27
US20130200787A1 (en) 2013-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2006046704A1 (ja) メタルハライドランプおよび照明装置
JP2006120599A (ja) 金属蒸気放電ランプおよび金属蒸気放電ランプ点灯装置
KR101445122B1 (ko) 높은 색 온도를 가진 방전 램프
JP4279122B2 (ja) 高圧放電ランプおよび照明装置
WO2010122970A1 (ja) セラミックメタルハライドランプ
JP2004335464A (ja) 調光特性を向上させるために微量なTlIを充填したメタルハライドランプ
JP2007053004A (ja) メタルハライドランプおよびそれを用いた照明装置
JP4340170B2 (ja) 高圧放電ランプおよび照明装置
JP4402539B2 (ja) メタルハライドランプおよびそれを用いた照明装置
JP4279120B2 (ja) 高圧放電ランプおよび照明装置
JP4181949B2 (ja) 高圧放電ランプおよび照明装置
JP5825130B2 (ja) セラミックメタルハライドランプ
JP2008218192A (ja) 高圧放電ランプおよび照明器具
JP5332939B2 (ja) セラミックメタルハライドランプ
JP2003272560A (ja) メタルハライドランプ
JP5874589B2 (ja) セラミックメタルハライドランプ
JP2010003488A (ja) メタルハライドランプおよび照明器具
JP5397514B1 (ja) セラミックメタルハライドランプ
JP4756878B2 (ja) セラミック放電ランプ点灯装置
JP5045065B2 (ja) セラミックメタルハライドランプ
JP4331037B2 (ja) メタルハライドランプ
JP2009231133A (ja) 高圧放電ランプおよび照明装置
JP2006120648A (ja) メタルハライドランプ、放電ランプ点灯装置および照明装置
JP2002352769A (ja) 高圧放電ランプおよび照明装置
JP2001297732A (ja) 高圧放電ランプおよび照明装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141028

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141106

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150915

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150916

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150928

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5825130

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees