JP2006120648A - メタルハライドランプ、放電ランプ点灯装置および照明装置 - Google Patents

メタルハライドランプ、放電ランプ点灯装置および照明装置 Download PDF

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伸治 犬飼
Kazuo Takita
和雄 瀧田
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直也 松本
Shinji Atago
慎司 愛宕
Hisanori Sano
久則 佐野
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Abstract

【課題】光束維持特性が優れたメタルハライドランプ、これを用いた放電ランプ点灯装置および照明装置を提供する。
【解決手段】メタルハライドランプは、長手方向の中央部の径が最大で両端に向かって順次径が小さくなっている放電空間部および放電空間部の長軸方向の両端に形成された一対の封止部を有する石英ガラスからなる透光性放電容器1a、管壁負荷が10〜20W/cm、ランプ電力が400Wクラス以下であり、透光性放電容器内の電位傾度をX(V/mm)とし、定格ランプ電力をWL(W)としたとき、電位傾度Xが77/WL0.55≦X≦210/WL0.69の条件を、透光性放電容器の放電空間部の石英ガラスの重量をA(g)、下側封止部の石英ガラスの重量をB(g)としたとき、重量A+Bが0.019×WL+0.48≦A+B≦0.029×WL+2.15の条件を、それぞれ満足する発光管を具備していることを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、メタルハライドランプ、これを用いた放電ランプ点灯装置および照明装置に関する。
メタルハライドランプは、高ランプ効率で、しかも高演色であるという特徴を備えていて、広く普及しているが、近年の省エネルギー指向の観点からさらなる高ランプ効率のものが要求されている。
ところで、メタルハライドランプのランプ効率を大きく左右する要因として、発光管最冷部温度がある。一般に、メタルハライドランプを垂直点灯する場合、点灯中下側の電極周辺特に電極の根本付近が最冷部となっている。この最冷部温度が高いほど発光管に封入した金属ハロゲン化物の蒸気圧は高くなり、これに伴い金属の発光が強くなりランプ効率が高くなる。
最冷部の温度を高くする方策の一つとして、たとえば電極間距離を短くすることによって管壁負荷を高く設定することが考えられる。なお、この場合の管壁負荷とは、発光管の内表面積当たりのランプ電力をいう。
本件出願人により製造され、現在市販されている水銀灯安定器適合形の中形のメタルハライドランプ(HL−ネオハライドランプ)である定格ランプ電力250Wのランプ効率は、86lm/Wである。また、同じく定格ランプ電力400Wのランプ効率は、100lm/Wである。
図1は、メタルハライドランプにおける管壁負荷とランプ効率の関係を示すグラフである。
図において、横軸は管壁負荷(W/cm)を、縦軸はランプ効率(lm/W)を、それぞれ示す。また、曲線Aは定格ランプ電力250W、曲線Bは定格ランプ電力400Wクラス、をそれぞれ示す。なお、図1は、本発明者らが種々の実験に基づいて作成したものである。
そうして、上述した現行のメタルハライドランプのランプ効率をそれぞれ5lm/W向上させて、直線a、b以上のランプ効率にするためには、管壁負荷を定格ランプ電力250Wの場合には16.5〜21W/cmに、また定格ランプ電力400Wの場合には16〜21.5W/cmに、それぞれすればよいことが図1から理解できる。
一方、定格ランプ電力200W以下の小形メタルハライドランプが店舗などの屋内の低天井に多く用いられるようになってきている。従来のこのような用途のメタルハライドランプの主流は、発光金属としてDyを用いて、その連続発光を利用する構成である。このメタルハライドランプは、力率が悪いため、専用安定器を用いて点灯するように構成されており、そのランプ効率は75lm/W程度である。
また、発光金属としてSc−Naを主成分としてさらにLiを添加して平均演色評価数Raを80程度まで高めたものもあるが、このものも専用安定器により点灯する構成である。
ところで、従来のこの種のハロゲン化物を封入したメタルハライドランプでは、石英ガラス管の両端をそのままピンチシールした構造(フルプレスタイプ)が主流になっている。このような構造では封止部が比較的大きくなるため、当該部分における熱損失が増加して、最冷部温度が低くなる傾向にある。
たとえば、特開昭57−53062号公報(特許文献1)などに開示されているように、上記の構造の発光管の封止部の熱損失を低減するために、封止部の電極側の断面積を小さくすることができる。これにより最冷部温度を上昇させて発光金属の蒸気圧を高めることにより、現在市販されているメタルハライドランプよりさらに高いランプ効率を見込むことが可能になる。
特開昭57−53062号公報
従来の中形メタルハライドランプにおいては、さらにランプ効率の向上が要求されるので、これに応えようとして管壁負荷を大きくすると、図4の曲線Fに示すように、光束維持率特性が現行品より低下してしまうことが分かった。これは管壁負荷を高く設定したために、点灯中上側の封止部付近の発光管の温度が高くなり、金属ハロゲン化物(特にハロゲン化スカンジウム)と発光管構成材料の石英とが反応してハロゲン化シリコンが生成され、さらにシリコンとハロゲンに解離してシリコンが電極先端付近に輸送され、さらに電極構成材料のタングステンとシリコンとが低融点の合金を形成し、この合金が飛散して発光管の内表面に付着して遮光されるためであると考えられる。
また、発光管の下側の封止部の断面積を小さくすると、0時間のランプ効率は向上するが、0−100時間での光束低下が発生し、甚だしいものでは20%も低下するものが発生する。このように断面積を小さくしないメタルハライドランプにおいても、0−100時間の光束低下を生じるが、せいぜい10%以内である。その原因として、以下のことが考えられる。すなわち、0−100時間の光束低下の原因は、封入物が発光管内で落ちつくまである程度時間がかかるためである。さらに詳述すると、0時間では、封入物はエージングによって発光管内全体に分散しているが、使用される際の点灯方向や使用される照明器具との組み合わせにおいて、点灯、消灯を繰り返すことにより、封入物の溜まり具合が決まってくる。このときの封入物の溜まりにより実質的な封入量の低下が生じて100時間における光束低下が生じる。特開平9−223483号公報に開示されているような溝(窪み)を設けた場合には、特に封入物の溜まりによる光束低下の割合が大きくなる。
一方、封止部の幅が広いメタルハライドランプであると、最冷部は封止部の肩に形成されやすくなるが、最冷部温度が低く、これに伴い封入物の蒸気圧が比較的低くなるため、アーク中に対流が生じやすい状態になっている。このため、100時間経過後においても、その光束低下はそれほど問題にならない。
これに対して、封止部の断面積を小さくして、封止部の熱損失を少なくすることで最冷部温度を上昇させると、最冷部は電極軸の基端部付近に生じやすくなるとともに、最冷部温度が高く発光金属の蒸気圧が高くなるため、アーク中の対流が少なくなる。そして、点灯、消灯の繰り返しにより電極の後背部に溜まった封入物は、発光に寄与しなくなる。
以上を要約すると、優れた寿命特性を備えながら高いランプ効率のメタルハライドランプの実現が望まれている。
また、小形メタルハライドランプにおいても、中形と同様さらにランプ効率の向上が要求されるし、また併せてトータルコストの低減も要求される。
本発明は、中形および小形においてランプ効率を向上するとともに、光束維持特性が優れたメタルハライドランプ、これを用いた放電ランプ点灯装置および照明装置を提供することを目的とする。また、本発明は、トータルコストを低減した中形および小形のメタルハライドランプ、これを用いた放電ランプ点灯装置および照明装置を提供することを他の目的とする。
請求項1の発明のメタルハライドランプは、長手方向の中央部の径が最大で両端に向かって順次径が小さくなっている放電空間部および放電空間部の長軸方向の両端に形成された一対の封止部を有する石英ガラスからなる透光性放電容器、透光性放電容器の両端の封止部に封装されて透光性放電容器の放電空間部内に臨在する一対の電極、ならびに透光性放電容器の放電空間部内に封入された少なくとも発光金属のハロゲン化物および希ガスを含むイオン化媒体を備え、管壁負荷が10〜20W/cm、ランプ電力が400Wクラス以下であり、透光性放電容器内の電位傾度をX(V/mm)とし、定格ランプ電力をWL(W)としたとき、電位傾度Xが77/WL0.55≦X≦210/WL0.69の条件を、透光性放電容器の放電空間部の石英ガラスの重量をA(g)、下側封止部の石英ガラスの重量をB(g)としたとき、重量A+Bが0.019×WL+0.48≦A+B≦0.029×WL+2.15の条件を、それぞれ満足する発光管を具備していることを特徴としている。
本発明は、ランプ効率またはおよび演色性を向上するとともに、要すれば水銀灯安定器適合形に代表されるように安価な安定器に適合するように構成してトータルコストの低減を可能にしたものである。すなわち、本発明においては、管壁負荷を上記の範囲まで高くし、透光性放電容器の放電空間部の形状を長手方向の両端部近傍が中央部より小さくし、電極の放電空間への突出長を上記の範囲として発光管内の電位傾度を大きくし、かつ封止部の断面積を上記の範囲として封止部の熱損失を小さくすることによって、ランプ効率および演色性の改善を実現可能にしたものである。以下、本発明の各構成要件について分説する。
<透光性放電容器について>
透光性放電容器は、石英ガラスによって構成され、両端に封止部が形成されている。
また、透光性放電容器の両端の封止部は、ピンチシールによる構造を採用することができる。ピンチシール構造の封止部には、内部にモリブデン箔が気密に埋設され、モリブデン箔の一端に電極の軸の基端が溶接され、他端には導入線が溶接される。
<電極について>
一対の電極は、透光性放電容器両端の一対の封止部に封装されて透光性放電容器の内部に臨在している。電極の構造は、特に限定されないが、一般的にはタングステンの軸とその先端部に巻装されたタングステンのコイルとによって構成される。
<イオン化媒体について>
イオン化媒体は、少なくとも発光金属のハロゲン化物および希ガスを含んでいる。さらに好適には水銀がバッファガスとしてイオン化媒体に含まれる。
発光金属としては、Naと希土類金属好ましくはScとが用いられる。ハロゲンとしては、一般的にはIが用いられ、要すればさらに適量のBrが添加される。
<放電空間部の形状について>
発光管の放電空間部の形状において、「長手方向の中央部の径が最大で両端に向かって順次小さくなっている」とは、回転楕円体形状に代表される形状であるが、これに限定されるものではなく、さらに紡錘形状やほぼ回転菱形体形状などであってもよいという意味である。なお、「回転菱形体」とは、一対の円錐体の底面を接合して一体化した基本形状をなしているような形状をいう。このように本発明の放電空間部形状であると、局部的な温度変化が少ないので、放電空間内の対流が少なくなる。
<管壁負荷について>
本発明において、管壁負荷は、定格ランプ電力を透光性放電容器の内表面積で除した値をいう。管壁負荷は、一般に高いほどランプ効率および演色性が改善される方向であるが、高すぎると光束維持率などの寿命特性が悪化するので、本発明においては、10〜20W/cmの範囲に規定している。この範囲であれば、寿命特性に問題はないとともに、ランプ効率および演色性の改善が容易になる。
<電位傾度について>
電位傾度Xは、定格ランプ電圧を電極間距離で除した値であるが、本発明において、これを77/WL0.55≦X≦210/WL0.69と規定したのは、以下の理由による。すなわち、電位傾度Xを77/WL0.55未満にすると、電極間距離が大きくなって色分離が発生しやすくなる。また、210/WL0.69を越えると、初期のランプ効率は高くなる方向であるが、光束維持率が悪化する。さらに、電位傾度を大きくすることは、電極管距離を短くすることによっても実現できるが、この場合には所望のランプ電圧を確保するために、水銀蒸気圧を高める必要から水銀封入量を多くする必要があり、発光管が破裂する危険性が高くなる。しかも、たとえばナトリウムハロゲン化物をスカンジウムハロゲン化物に対してモル比で3倍以上とするようにNaを多く封入する場合、アーク温度が低下するため、ランプ電圧が低下する傾向にあり、所定のランプ電圧を得るにはより多くの水銀を封入する必要がある。このため、従来この種ランプにおいては、電極間距離を大きくすることによって、水銀封入量を抑制していた。
ところが、電極間距離が大きくなると、発光金属としてNaおよびScを封入している場合、色分離が生じる傾向が強くなる。すなわち、発光管の上下における温度差が大きくなることによる熱拡散により、Naイオンは点灯中上部に、Scなどは下部に多く存在する。なお、水銀はアークの中央に存在する。
これに対して、電位傾度が上記の範囲内であれば、現行の市販されている100Wクラスの石英ガラス管の両端をそのままピンチシールした構造(フルプレスタイプ)のメタルハライドランプと同等以上の光束維持率が得られる。しかも、本発明によれば、適度な範囲において電位傾度を大きくすることと、その他の構成との組み合わせにより、上述した種々の問題を解決することができた。
<透光性放電容器の重量A+Bについて>
透光性放電容器における放電空間部の石英ガラスの重量A(g)と下側封止部の石英ガラスの重量B(g)との和A+Bを前記のように規定している理由は、以下のとおりである。すなわち、重量A+Bは、封止部の熱損失を小さくするために前記条件を満足させる。この範囲であれば、最冷部温度を所定値範囲にして発光金属の蒸気圧を十分高く維持でき、所望の高いランプ効率を得ることができる。したがって、重量A(g)を大きくする場合には、重量A+Bの許容範囲内で重量B(g)を小さくすればよい。反対に、重量Aが小さいときには、放電空間が小さく最冷部の温度が高くなるので、重量A+Bの許容範囲内で重量Bを大きくすればよい。
なお、透光性放電容器の放電空間部の重量には、厳密には放電空間部の上下両端部に配設されている上側封止部および下側封止部との接合部における放電空間部の肉厚相当分を加味した領域を含むが、測定の簡便のために放電空間部と上側封止部および下側封止部とのそれぞれの形状線の接合部の位置を含む透光性放電容器の軸に対して直交する二つの平面に挟まれた部分の重量を放電空間部の重量というものとする。したがって、下側封止部の重量は、上記のうち下側の平面から下に位置する下側封止部の重量をいう。
ところで、重量A+B値が0.019×WL+0.48未満であると、定格ランプ電力当たりの放電空間部の体積が小さくなり、また下側封止部の熱損失が小さくなりすぎて放電空間部の温度が上昇しすぎてしまい、Na抜け速度の上昇や発光管リークの問題が生じるので、不可である。これに対して、重量A+B値が0.029×WL+2.15を超えると、発光管の表面積が増加し、また熱容量が増加するために、封止部の熱損失が増加して最冷部温度が低くなりすぎ、ランプ効率を所要の高さに維持できなくなるとともに、色分離を十分に少なくできないので、不可である。したがって、重量A+B値は、前記の数値条件内において放電空間内の温度を適切にすることができる。
<ランプ電力について>
ランプ電力は、400Wクラス以下において本発明が成立する。すなわち、以上説明した管壁負荷、電位傾度およびA+B値は、そのいずれも200Wクラス以下だけでなく、400Wクラス以下でも成り立つことは後述する図8および図9から明らかである。
<その他の構成について>
以上の説明の構成に対して、以下に示す各構成を単独で、または複数をまとめて組み合わせることができる。
1 安価な安定器に適合させる構成について
水銀灯安定器のように安価な安定器に適合するように構成するためには、ランプ力率をある程度高い値にする必要がある。なぜなら、安価な安定器の場合、二次電圧をあまり高くしないので、小形ではあるが、寿命中のアーク立ち消えの懸念があり、これを克服するためである。ランプ力率を高くするには、イオン化媒体の発光金属にSc−Naを主成分として用いることにより実現可能になる。
2 専用安定器点灯形の構成について
ランプ電圧が高い従来の専用安定器点灯形に構成する場合は、発光金属はSc−Na以外であってもよい。したがって、本発明においては、発光金属として一般的には希土類金属およびNaを用いることができる。
3 Naハロゲン化物の封入量について
Naハロゲン化物を重量比でScハロゲン化物の3倍以上封入して、高いランプ効率を得ることができる。
4 外管について
一般照明用として用いる場合のように、必要に応じて発光管を外管内に収納することができる。この場合、外管内は、不活性ガスたとえば窒素を定常点灯時に約0.1MPaの圧力を呈するように封入するか、真空にするか、またはわずかな酸素分圧の真空に近い雰囲気にすることができる。外管の一端または両端に受電手段たとえば口金を装着することができる。なお、口金が一端にのみ装着する片口金の場合、口金を点灯中上にするか、下にするかは、専ら使用目的に応じて任意に設定することができる。
<本発明の作用について>
本発明においては、透光性放電容器の放電空間部を中央部の径が最大で両端に向かって順次小さくなっている形状とし、管壁負荷、電位傾度Xおよび透光性放電容器の放電空間部および下側封止部の石英ガラスの重量A+B値の数値条件を前記のように規定したことにより、発光管の最冷部温度が上昇して放電媒体の蒸気圧が高くなり、また発光管内の温度差が小さくなって熱拡散および対流が少なくなるために、NaだけでなくたとえばScなどのその他の発光金属が発光管内の上部までバランスよく拡散して色分離が少なくなる。また、発光金属の蒸気圧が上昇することによって発光金属による発光が強くなり、反対に水銀の発光が少なくなる。このため、ランプ効率が高くて、しかも色分離が少ないランプ電力400Wクラス以下、好適には200W以下のメタルハライドランプを得ることができる。さらに、所望により水銀灯安定器のように安価な安定器に適合するランプ電力400Wクラス以下、好適には200W以下のメタルハライドランプを得ることができる。
さらにまた、ナトリウムハロゲン化物をスカンジウムハロゲン化物に対して重量比で3倍以上封入した場合であっても、水銀を過剰に封入することなく、所望のランプ電圧を有するとともに、ランプ効率の高いメタルハライドランプを得ることができる。
請求項2の発明のメタルハライドランプは、放電空間部および放電空間部の両端部に形成された一対の封止部を有する石英ガラスからなる透光性放電容器、透光性放電容器の両端の封止部に封装されて放電空間部内に臨在する一対の電極、ならびに透光性放電容器の放電空間部内に封入された少なくとも発光金属のハロゲン化物および希ガスを含むイオン化媒体を備え、ランプ電力が400Wクラス以下であり、透光性放電容器の電極側の封止部の断面積をS(mm)とし、定格ランプ電力をWL(W)としたとき、断面積Sが6.5logWL−15≦S≦7.0logWLの条件を、電極の放電空間部への突出長をL(mm)としたとき、突出長Lが1.2logWL−2.5≦L≦2.36logWL−4.0の条件を、それぞれ満足する発光管を具備していることを特徴としている。
<ランプ電力について>
本発明は、ランプ電力400Wクラス以下の中形および小形、好適には200Wクラス以下において、高いランプ効率を備えながら0−100時間の光束維持率を向上するとともに、所望により水銀灯安定器適合形のように小形の安定器に適合させることが可能なメタルハライドランプである。
<封止部の断面積について>
本発明における封止部の断面積は、封止部の断面積を変えた試験を行った結果、特開昭57−53062号公報に開示されているのとは若干異なるが、以下のとおりに構成する。すなわち、断面積をS(mm)、定格ランプ電力をWL(W)としたとき、S≦7.0logWLの条件を満足するように小さくすればよいことが分かった。しかし、断面積Sを小さくしすぎると、発光管リークが発生しやすくなるので、6.5logWL−15≦Sの条件をも満足する必要のあることも分かった。なお、上記封止部の断面積Sは、放電空間部の下端側において、放電空間部を画成する肉厚相当分を見込んだ封止部の位置において、発光管の長軸に直角な断面の面積をいう。
<電極の突出長について>
本発明においては、さらに電極の放電空間内の突出長L(mm)を以下に示す条件を満足するように構成することにより、ランプ効率を高い値に維持しながら0−100時間の光束維持率低下の問題を解決することができた。すなわち、定格ランプ電力WL(W)としたとき、突出長Lを1.2logWL−2.5≦L≦2.36logWL−4.0に規制する。この範囲であれば、最冷部温度が高く、対流が少ない条件で、しかも電極軸の基端部付近になっても、電極軸の基端部付近の温度が十分に高くなるため、封入物が溜まることが少なくなる。
これに対して、上記条件の上限値を超えると、0−100時間の光束低下が大きいので、不可である。すなわち、電極の突出長Lが大きすぎると、封止部の断面積Sを小さくしても、100時間経過中に電極後背部に封入物が溜まり、ランプ効率が低下するためである。
反対に、上記条件の下限値未満であると、最冷部温度が高くなり過ぎて寿命中に発光管のリークやクラックなどの不具合が生じやすくなるから、これまた不可である。
なお、電極の放電空間内の突出長L(mm)を1.2logWL−2.5≦L≦3.21logWL−9.9の条件を満足するように構成することにより、一層確実に0−100時間の光束低下を防止することができる。
<その他の構成について>
以上の説明の構成に対して、以下に示す各構成を単独で、または複数をまとめ
て組み合わせることができる。
1 安価な安定器に適合させる構成について
請求項1と同様な理由である。
2 専用安定器点灯形の構成について
請求項1と同様な理由である。
3 Naハロゲン化物の封入量について
請求項1と同様な理由である。
4 透光性放電容器の形状について
本発明において、透光性放電容器をその放電空間部を回転楕円体形状に構成することができ、この場合においても所期の作用効果を奏することを評価の結果確認した。しかも、石英ガラス管の両端を封止して、かつ封止部の断面積を規制した前述した透光性放電容器の場合より初期ランプ効率の高いメタルハライドランプを得ることができる。これは回転楕円体形状であると、透光性放電容器の温度分布が相対的に均一になって電極周辺の対流が少なくなる傾向があるため、電極の突出長を規制する手段がより効果的であるからと考えられる。
5 管壁負荷について
本発明は、管壁負荷が10〜25W/cmの範囲に好適である。なお、管壁負荷は、石英ガラス管の両端を封止した透光性放電容器の場合には、電極間に位置する放電空間部の内表面積とする。放電空間部が回転楕円体形状をなす場合には、放電空間部の全内表面積とする。
<本発明の作用について>
本発明によれば、ランプ効率が高くて、0−100時間の光束維持率が良好な400Wクラス以下の中形および小形のメタルハライドランプを得ることができる。
また、所望によりランプ電圧を高くして水銀灯安定器のように安価な安定器に適合するトータルコストを低くすることが可能なメタルハライドランプを得ることができる。
請求項3の発明のメタルハライドランプは、請求項1または2記載のメタルハライドランプにおいて、イオン化媒体は、発光金属として少なくともNaおよびScのハロゲン化物を含んでいることを特徴としている。
イオン化媒体は、その発光金属がNa−Scのハロゲン化物を主成分としていればよく、所要により副成分としてその他の発光金属を含むことが許容される。
そうして、本発明においては、ランプ電圧を高くできて水銀灯安定器のように安価な安定器に適合するように構成しやすいとともに、優れたランプ効率および演色性のメタルハライドランプを得ることができる。
請求項4の発明のメタルハライドランプは、請求項1ないし3のいずれか一記載のメタルハライドランプにおいて、発光管は、ランプ電力が100Wクラスのときに定格ランプ電圧が115V、同じく200Wクラスのときに定格ランプ電圧が120V、その他のランプ電力のクラスときに定格ランプ電圧が130Vであり;発光管を内部に収納する外管を具備しており;始動時に発光管に高電圧パルスを印加するパルス発生装置を具備している;ことを特徴としている。
本発明は、日本における水銀灯安定器のように安価な安定器に適合するメタルハライドランプの構成を規定している。
パルス発生装置は、それ自体が高電圧パルスを発生するのではなく、主としてスイッチング手段を含み、そのスイッチングによって安定器に流れる電流の急激な遮断を行い、安定器のインダクタンスから高電圧パルスを発生させて、発光管の電極に印加して、発光管内を絶縁破壊してメタルハライドランプを始動させるように作用するものである。
上記に規定するメタルハライドランプのランプ電圧は、水銀灯用安定器のように安価な安定器で安定に点灯するために必要な値である。
請求項5の発明の放電ランプ点灯装置は、請求項4記載のメタルハライドランプと;二次電圧が200Vないし210Vで、定格電圧が100Vまたは200Vであり、交流電源およびメタルハライドランプの間に直列に介在して、メタルハライドランプに定格ランプ電圧を形成する安定器と;を具備していることを特徴としている。
本発明は、水銀灯安定器のように安価な安定器に適合するメタルハライドランプと、これを点灯する水銀灯安定器のように安価な安定器とによって構成される放電ランプ点灯装置を規定している。
本発明において、「二次電圧」とは、出力端間にメタルハライドランプを接続しないで安定器の入力端間に定格電圧を印加したときに、出力端間に現れる出力電圧をいい、2次無負荷電圧と同義である。また、「定格電圧」とは、安定器の入力端間に印加すべき入力電圧の定格値をいう。一方、周知のようにメタルハライドランプ用の安定器には、チョークコイル形と漏れ変圧器形とがある。そして、前者はチョークコイルを主体とする構成なので、2次電圧は定格電圧と同じになる。このため、主として定格電圧が200Vの場合に採用される。これに対して、後者は漏れ変圧器を主体とする構成なので、昇圧作用により定格電圧より高い2次電圧を得ることが可能である。このため、主として定格電圧が100Vの場合に採用される。
そうして、本発明においては、水銀灯安定器のように安価な安定器を用いてメタルハライドランプを安定に点灯することができるので、高ランプ効率の放電ランプ点灯装置を低いトータルコストで得ることができる。
請求項6の発明の照明装置は、照明装置本体と;照明装置本体にメタルハライドランプが支持された請求項5記載の放電ランプ点灯装置と;を具備していることを特徴としている。
本発明において、「照明装置」とは、メタルハライドランプの発光を何らかの目的で利用するあらゆる装置を含む概念であり、たとえば照明器具、移動体用ヘッドライト、光ファイバー用光源装置、画像投射装置、光化学装置などに用いることができる。なお、「照明装置本体」とは、上記照明装置からメタルハライドランプを備えた放電ランプ点灯装置を除いた残余の部分をいう。
請求項1の発明によれば、ランプ電力400Wクラス以下において、透光性放電容器の放電空間部が中央部の径が最大で両端に向かって順次径が小さくなっている形状であり、管壁負荷が10〜20W/cm、透光性放電容器内の電位傾度Xが定格ランプ電力WL(W)に対して77/WL0.55≦X≦210/WL0.69、放電空間部の重量A(g)、下側封止部の重量B(g)としたときA+Bが0.019×WL+0.48≦A+B≦0.029×WL+2.15を満足する発光管を具備していることにより、発光管内の対流が良好になってランプ効率を高くしたメタルハライドランプを提供することができる。
請求項2の発明によれば、ランプ電力400W以下において、透光性放電容器における下側の封止部の断面積S(mm)を定格ランプ電力WL(W)に対して6.5logWL−15≦S≦7.0logWL、電極の放電空間内への突出長L(mm)を1.2logWL−2.5≦L≦2.36logWL−4.0を満足する発光管を具備していることにより、ランプ効率が高くて、しかも0−100時間の光束維持率特性が良好なメタルハライドランプを提供することができる。
請求項3の発明によれば、請求項1または2の効果に加えて発光金属としてScおよびNaのハロゲン化物を含んでいることにより、ランプ電圧を高くしてトータルコストの低い水銀灯安定器のように安価な安定器に適合するメタルハライドランプを提供することができる。
請求項4の発明によれば、加えて発光管が100Wクラスのときに定格ランプ電圧が115V、200Wクラスのときに120V、その他のクラスのときに130Vであり、外管およびパルス発生装置を具備していることにより、日本における水銀灯安定器のように安価な安定器に適合するメタルハライドランプを提供することができる。
請求項5の発明によれば、二次電圧が200Vないし210Vで、定格電圧が100Vまたは200Vであり、水銀灯安定器のように安価な安定器に適合するメタルハライドランプに定格ランプ電圧を形成する安定器を具備していることにより、コストの低い放電ランプ点灯装置を提供することができる。
請求項6の発明によれば、請求項1ないし4の効果を有する照明装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図2は、本発明のメタルハライドランプの第1の実施形態を示す正面図である。
図3は、同じく発光管を示す拡大正面図である。
図において、1は発光管、2は外管、3は口金、4は下部支持構体、5は上部支持構体、6は接続導体、7はパルス発生装置である。
発光管1は、透光性放電容器1a、一対の電極1b、図示しないイオン化媒体、モリブデン箔1cおよび導入線1dを備えている。
透光性放電容器1aは、石英ガラス管の両端を封止して構成され、放電空間部1a1および一対の封止部1a2、1a3を備えている。なお、1a11は、排気チップオフ部である。封止部1a2は、点灯中上側となり、放電空間部1a1の上端部が半球状をなすようにピンチシールにより形成されている。すなわち、放電空間部1a1の内径を2rとし、半球状部分の深さをlとしたとき、r=lになっている。封止部1a3は、点灯中下側となり、放電空間部1a1の下端部が切頭円錐形状をなすようにピンチシールにより形成されている。そして、切頭円錐形状の開角が70゜に設定されている。
一対の電極1bは、タングステンからなり、軸1b1とその先端部に巻装されたコイル1b2とを備えている。そして、軸1b1の基端がそれぞれ封止部1a2、1a3内に埋設され、モリブデン箔1cに溶接されている。モリブデン箔1cは、封止部1a2、1a3内に気密に埋設されている。
導入線1dは、モリブデン箔1cに先端が溶接され、封止部1a2、1a3から外部に導出されている。
イオン化媒体は、発光金属のハロゲン化物、希ガスおよび水銀からなる。
外管2は、硬質ガラスからなり、ネック部にフレアステム2aを封着して備えている。フレアステム2aは、一対の導入線2a1、2a2を気密に導入している。
口金3は、E26形口金であり、外管2のネック部2aに固着され、一対の導入線2a1、2a2の一方がシェル部に、他方がセンターコンタクトに、それぞれ接続している。
下部支持構体4は、発光管1の下部を支持するとともに、下側の電極1bに電気的に接続するもので、枠形導体4aおよび金属バンド4bを備えている。枠形導体4aは、導入線2a1に溶接されている。発光管1の下部の導入線1dは、枠形導体4aに溶接されている。金属バンド4bは、封止部1a3を抱持することにより、発光管1の下側を支持するとともに、枠形導体4aに溶接されている。
上部支持構体5は、枠形導体5a、金属バンド5bおよびスプリング片5cを備えている。金属バンド5bは、封止部1a2を抱持することにより、発光管1の上側を支持するとともに、枠形導体5aに溶接されている。スプリング片5cは、基端が枠形導体5aに溶接され、先端が外管2の頂部内面に対して弾力的に当接して上部支持構体5を外管2内の所定の位置に保持する。発光管1の上部の導入線1dは、枠形導体5aに溶接されている。
接続導体6は、下端が導入線2a2に溶接され、中間が外管2の内面側に沿って湾曲して延在するとともに、上端が上部支持構体5の枠形導体5aに溶接されている。
パルス発生装置7は、バイメタル接点7aおよび点灯管7bを直列に備え、始動時にのみ作動して図示しない安定器と協働して高電圧パルスを発生して、発光管1に印加する。
定格ランプ電力:250W
金属ハロゲン化物:ScI+NaI=20mg
電極間距離:28mm
発光管内径:16mm
管壁負荷:17.8W/cm(=250/(π×1.6×2.8))
100時間でのランプ効率:97lm/W
光束維持率:図4の曲線C
定格ランプ電力:400W
金属ハロゲン化物:ScI+NaI=30mg
電極間距離:36mm
発光管内径:20mm
管壁負荷:17.7W/cm(=400/(π×2×3.6))
100時間でのランプ効率:112lm/W
光束維持率:図4の曲線Cとほぼ同様
図4は、本発明のメタルハライドランプの各実施例における光束維持率特性を比較例のそれと対比して示すグラフである。
図において、横軸は点灯時間(h)を、縦軸は光束維持率(%)を、それぞれ示す。曲線Cは実施例1、曲線Dは実施例3(後述する。)、曲線Eは比較例1、曲線Fは比較例2を、それぞれ示す。
なお、比較例1は、現在市販されている250Wクラスのメタルハライドランプ(HL−ネオハライドランプ)である。また、比較例2は、上側の封止部が放電空間部の上側の端部が開角70゜の切頭円錐形状になる構造である以外は、実施例1と同一仕様の試作品である。
図5は、本発明のメタルハライドランプの第2の実施形態における発光管を示す拡大正面図である。
図において、図3と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。
本実施形態は、上側の封止部1a2’を放電空間部1a1の上側の端部が開角90゜の切頭円錐形状になるように構成している点で異なる。
封止部以外は実施例1と同一
100時間でのランプ効率:97lm/W
光束維持率:図4の曲線D
封止部以外は実施例2と同一
100時間でのランプ効率:112lm/W
光束維持率:図4の曲線Dとほぼ同様
図6は、本発明のメタルハライドランプの実施例1、3および比較例2における発光管の各部の温度を示すグラフである。
図において、横軸は発光管の各部分を、縦軸は温度(℃)を、それぞれ示す。また、曲線Gは実施例1、曲線Hは実施例3、曲線Iは比較例2を、それぞれ示す。
図7は、本発明のメタルハライドランプの第3の実施形態における発光管を示す拡大正面図である。
図3と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。
本実施形態は、発光管1の放電空間部1aが回転楕円体形状をなしている点で異なる。
また、本実施形態においては、定格ランプ電力をWL(W)としたとき、透光性放電容器1aの内部の電位傾度X(V/mm)を77/WL0.55≦X≦210/WL0.69とし、放電空間部1a1の重量をA(g)、下側封止部1a3の重量をB(g)としたとき、A+Bを0.019×WL+0.48≦A+B≦0.029×WL+2.15を満足するように設定される。なお、軸方向における放電空間部1a1の長さはLdd下側封止部1a3の長さはLsである。
図8は、請求項2の発明のメタルハライドランプにおける電位傾度の要件を説明するグラフである。
図9は、同じく発光管の放電空間部の重量Aおよび下側封止部の重量Bの要件を説明するグラフである。
両図は、横軸がランプ電力WL(W)を示し、縦軸が図8は電位傾度X(V/mm)を、また図9はA+B値(g)を、それぞれ示す。
図8は、ランプ電力100W、200W、250W、300Wおよび400Wのそれぞれにおいて、電極間距離を変えて電位傾度の異なる複数の試作品を製作し、点灯した結果を記号で示している。図中、記号○は色分離および光束維持率ともに問題ないので可である、記号△は色分離が大きいので問題がある、記号×は点灯6000時間における光束維持率が40%を下回る結果なので不可である、をそれぞれ示している。
したがって、ランプ電力400W以下において、曲線aおよび曲線bの間の斜線を施した領域が発明の成立範囲であることが分かる。
図9は、同様にランプ電力100W、200W、250W、300Wおよび400Wのそれぞれにおいて、A+B値の異なる複数の試作品を製作し、点灯した結果を記号で示している。図中、記号○は色分離および発光管リークともに問題ないので可である、記号△は色分離が大きいので問題がある、記号×は6000時間以内の点灯で発光管リークが発生したので不可である、をそれぞれ示している。したがって、ランプ電力400W以下において、直線cおよび直線dの間の斜線を施した領域が発明成立範囲であることが分かる。
図10は、本発明のメタルハライドランプの第4に実施形態における発光管を示す拡大正面図である。
図において、図3と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。
本実施形態は、下側封止部1a3の断面積S(mm)が定格ランプ電力WL(W)に対して6.5logWL−15≦S≦7.0logWLを満足するように設定されている。すなわち、断面積Sを所定範囲に小さく整形しており、図においては線y−yにおける断面が円形をなしている。
また、下側封止部における電極1bの放電空間部1a内への突出長L(mm)を定格ランプ電力WL(W)に対して1.2logWL−2.5≦L≦2.36logWL−4.0を満足するように設定されている。
図11は、請求項3の発明のメタルハライドランプにおける下側封止部の断面積Sの要件を従来技術のそれと対比して説明するグラフである。
図12は、同じく電極の放電空間部への突出長Lの要件を説明するグラフである。
両図は、横軸がランプ電力WL(W)を示し、縦軸が図10は封止部断面積S(mm)を、また図1電極突出長L(mm)をそれぞれ示す。
図11において、曲線eおよび曲線fの間の斜線を施した領域は、請求項3の発明の成立範囲を示している。なお、曲線gは、従来技術における断面積と定格ランプ電力との関係を示す。また、図中において、記号○は初期光束および発光管リークともに問題ない、記号△は0時間の光束が目標値以下である、記号×は6000時間以内の点灯で発光管リークが発生した、をそれぞれ示している。
図12において、ランプ電力400W以下であって、かつ曲線hおよび曲線iの間の斜線を施している領域は、請求項3の発明成立範囲を示している。なお、ランプ電力400W超の範囲は未検討である。そして、曲線jおよび曲線iの間のクロス斜線を施している領域は、請求項3の発明の発明における、より好ましい範囲を示している。また、図中において、記号□は0−100時間の全光束低下が5%未満である、記号○は0−100時間の全光束低下が5%以上10%未満である、記号△は0−100時間の全光束低下が10%以上である、記号×は6000時間以内の点灯で発光管リークが発生した、をそれぞれ示している。
定格ランプ電力:100W
金属ハロゲン化物:ScI=1.7mg、NaI=8.3mg
水銀:17.5mg
希ガス:Ar6666Pa
電極間距離:16.5mm
発光管内径:10.5mm
封止部断面積S:20mm
電極長L(mm) 0時間光束(lm) 100時間光束(lm)
5 9500 9200
6 9500 8500
7 9500 7500
図13は、本発明の放電ランプ点灯装置の一実施形態を示す回路図である。
図において、11は交流電源、12は水銀灯安定器、13はメタルハライドランプである。
交流電源11は、商用200V電源である。
水銀灯安定器12は、チョークコイル12a、力率改善用コンデンサ12bおよび放電用抵抗器12cから構成されている。チョークコイル12aは、交流電源11に対して、限流インピーダンスとしてメタルハライドランプ13と直列に接続される。力率改善用コンデンサ12bは、交流電源11に対して、チョークコイル12aおよびメタルハライドランプ13の直列回路と並列に接続されて、そこを流れる進相電流によって遅相の始動電流を相殺して低始動電流化を図る。放電用抵抗器12cは、力率改善用コンデンサ12bに並列接続されて、力率改善用コンデンサ12bの残留電荷を放電させて電撃を防止する。
メタルハライドランプ13は、本発明の各実施形態のものを用いる。
図14は、本発明の照明装置の一実施形態としてのダウンライトを示す断面図である。
図において、21はダウンライト本体、22はランプソケット、23はメタルハライドランプである。
ダウンライト本体21は、枠体21aおよび反射板21bを備えている。
枠体21aは、天井に装着される。
反射板21bは、枠体21a内に着脱可能に装着される。
ランプソケット22は、枠体21aに装着される。
メタルハライドランプ23は、本発明の各実施形態のものを用いる。
メタルハライドランプにおける管壁負荷とランプ効率の関係を示すグラフ 本発明のメタルハライドランプの第1の実施形態を示す正面図 同じく発光管を示す拡大正面図 本発明のメタルハライドランプの各実施例における光束維持率特性を比較例のそれと対比して示すグラフ 本発明のメタルハライドランプの第2の実施形態における発光管を示す拡大正面図 本発明のメタルハライドランプの実施例1、3および比較例2における発光管の各部の温度を示すグラフ 本発明のメタルハライドランプの第3の実施形態における発光管を示す拡大正面図 請求項2の発明のメタルハライドランプにおける電位傾度の要件を説明するグラフ 同じく発光管の放電空間部の重量Aおよび下側封止部の重量Bの要件を説明するグラフ 本発明のメタルハライドランプの第4の実施形態における発光管を示す拡大正面図 請求項3の発明のメタルハライドランプにおける下側封止部の断面積Sの要件を従来技術のそれと対比して説明するグラフ 同じく電極の放電空間部への突出長Lの要件を説明するグラフ 本発明の放電ランプ点灯装置の一実施形態を示す回路図 本発明の照明装置の一実施形態としてのダウンライトを示す断面図
符号の説明
1…発光管
1a…透光性放電容器
1a1…放電空間部
1a2…封止部
1a3…封止部
1a11…排気チップオフ部
1b…電極
1b1…軸
1b2…コイル
1c…モリブデン箔
1d…導入線

Claims (6)

  1. 長手方向の中央部の径が最大で両端に向かって順次径が小さくなっている放電空間部および放電空間部の長軸方向の両端に形成された一対の封止部を有する石英ガラスからなる透光性放電容器、透光性放電容器の両端の封止部に封装されて透光性放電容器の放電空間部内に臨在する一対の電極、ならびに透光性放電容器の放電空間部内に封入された少なくとも発光金属のハロゲン化物および希ガスを含むイオン化媒体を備え、管壁負荷が10〜20W/cm、ランプ電力が400Wクラス以下であり、透光性放電容器内の電位傾度をX(V/mm)とし、定格ランプ電力をWL(W)としたとき、電位傾度Xが77/WL0.55≦X≦210/WL0.69の条件を、透光性放電容器の放電空間部の石英ガラスの重量をA(g)、下側封止部の石英ガラスの重量をB(g)としたとき、重量A+Bが0.019×WL+0.48≦A+B≦0.029×WL+2.15の条件を、それぞれ満足する発光管を具備していることを特徴とするメタルハライドランプ。
  2. 放電空間部および放電空間部の両端部に形成された一対の封止部を有する石英ガラスからなる透光性放電容器、透光性放電容器の両端の封止部に封装されて放電空間部内に臨在する一対の電極、ならびに透光性放電容器の放電空間部内に封入された少なくとも発光金属のハロゲン化物および希ガスを含むイオン化媒体を備え、ランプ電力が400Wクラス以下であり、透光性放電容器の電極側の封止部の断面積をS(mm)とし、定格ランプ電力をWL(W)としたとき、断面積Sが6.5logWL−15≦S≦7.0logWLの条件を、電極の放電空間部への突出長をL(mm)としたとき、突出長Lが1.2logWL−2.5≦L≦2.36logWL−4.0の条件を、それぞれ満足する発光管を具備していることを特徴とするメタルハライドランプ。
  3. イオン化媒体は、発光金属として少なくともNaおよびScのハロゲン化物を含んでいることを特徴とする請求項1または2記載のメタルハライドランプ。
  4. 発光管は、ランプ電力が100Wクラスのときに定格ランプ電圧が115V、同じく200Wクラスのときに定格ランプ電圧が120V、その他のランプ電力クラスのときに定格ランプ電圧が130Vであり;
    発光管を内部に収納する外管を具備しており;
    始動時に発光管に高電圧パルスを印加するパルス発生装置を具備している;
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載のメタルハライドランプ。
  5. 請求項4記載のメタルハライドランプと;
    二次電圧が200Vないし210Vで、定格電圧が100Vまたは200Vであり、交流電源およびメタルハライドランプの間に直列に介在して、メタルハライドランプに定格ランプ電圧を形成する安定器と;
    を具備していることを特徴とする放電ランプ点灯装置。
  6. 照明装置本体と;
    照明装置本体にメタルハライドランプが支持された請求項5記載の放電ランプ点灯装置と;
    を具備していることを特徴とする照明装置。
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