JP2013161082A - 偏光光照射装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】偏光光照射装置は、棒状のランプ21と樋状のミラー22を有する光出射部2を備え、光出射側に複数の偏光素子1を並べて配置した偏光素子ユニット80が設けられる。冷却風は、冷却機20により冷却され、送風機30により、通風路50を経て、上記ミラー22の光出射側に送られ、ランプ21とミラー22を冷却し、冷却機20に戻される。上記ミラー22と上記偏光素子ユニット80との間の空間にガス(クリーンドライエアー)を供給するノズル3が設けられ、上記空間を陽圧にする。これによりランプハウス10内に、外気が引き込まれるのを防ぐことができる。
【選択図】 図1
Description
光配向膜は、液晶パネルの大型化と共に、例えば一辺が2000mm以上の四角形というように大面積化している。
上記のような大面積の光配向膜に対して光配向を行うために、棒状のランプとワイヤーグリッド状のグリッドを有する偏光素子(以下ワイヤーグリッド偏光素子という)を組み合わせた偏光光照射装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
光配向膜用の偏光光照射装置において棒状ランプは、発光長が比較的長いものを作ることができる。そのため、配向膜の幅に応じた発光長を備えた棒状ランプを使用し、該ランプからの光を照射しながら、配向膜をランプの長手方向に直交する方向に移動させれば、広い面積の配向膜を比較的短時間で光配向処理を行なうことができる。
同図において、光配向膜であるワーク4は、例えば視野角補償フィルムのような帯状の長尺ワークであり、送り出しロールR1から送り出され、図中矢印方向に搬送され、後述するように偏光光照射により光配向処理され、巻き取りロールR2により巻き取られる。
偏光光照射装置の光出射部2は、光配向処理に必要な波長の光(紫外線)を放射する棒状ランプ21、例えば高圧水銀ランプや水銀に他の金属を加えたメタルハライドランプと、棒状ランプ21からの紫外線をワーク4に向けて反射する樋状の反射ミラー22備える。上記のように、棒状ランプ21の長さは、発光部が、ワーク4の搬送方向に直交する方向の幅に対応する長さを備えたものを使用する。光出射部2は、ランプ21の長手方向がワーク4の幅方向(搬送方向に対して直交方向)になるように配置する。
光路中にワイヤーグリッド偏光素子を挿入すると、グリッドの長手方向に平行な偏光成分は大部分反射または吸収され、直交する偏光成分は通過する。したがって、ワイヤーグリッド偏光素子を通過した光は、偏光素子のグリッドの長手方向に直交する方向の偏光軸を有する偏光光となる。
そこで、発光長の長い棒状の光源、例えば長さ1mから3mといった棒状の高圧水銀ランプやメタルハライドランプに応じた、大きな(長い)偏光素子が必要な場合は、ガラス基板から切り出した矩形のワイヤーグリッド偏光素子を複数、グリッドの方向をそろえ、フレームの中にランプの長手方向に沿って並べ、一つの偏光素子として使用することが提案されている(例えば特許文献2参照)。
ランプハウス10には、棒状のランプ21と、断面が放物線状である樋状の反射ミラー22から構成される光出射部2を有する光源部11が設けられ、その上部に、ランプ点灯時にランプや反射ミラーを冷却する冷却風の温度を下げる水冷式の冷却機(ラジエータ)20と、冷却風を発生させる送風機(ブロア)30とが配置される。
光源部11は隔壁40により囲まれており、その外側をランプハウス10の外壁(筐体)60が覆っている。ランプハウス10の外壁60と上記の隔壁40との間には隙間が設けられている。この隙間は、冷却風が通過する通風路50となる。また、ランプハウス10の外壁60には、光源部11からワーク4に向かって照射される光が通過する光出射窓70が形成されている。この光出射窓70には、通過する光を偏光するワイヤーグリッド偏光素子1を有する偏光素子ユニット80が取り付けられる。
偏光素子ユニット80は、複数のワイヤーグリッド偏光素子(以下偏光板ともいう)1を、棒状ランプ21の長手方向に沿ってフレーム(保持枠)81内に並べて保持したものである。偏光板と偏光板の間には、1mmから2mm程度の隙間を持たせる必要がある。それは、偏光板どうしのグリッドの方向が平行になるように、各偏光板をその平面内で回転させて位置調整を行わなければならないからである。偏光板と偏光板の間の隙間は、偏光板が回転移動するための調整しろとなる。そして、この隙間は、ここから非偏光光が漏れないように、隙間の幅と偏光板の辺の長さに合わせた遮光板82により覆われている。
ブロア30から送り出された冷却風は、隔壁40と外壁60との間の通風路50を通り、偏光素子ユニット80と反射ミラー22との間から取り込まれてランプ21と反射ミラー22を冷却する。
ランプ21および反射ミラー22を冷却し温度が高くなった冷却風は、反射ミラー22の上部に形成された冷却風通風孔41を介してラジエータ20に流れ込んで冷却され、ブロア30により再びランプ21と反射ミラー22を冷却するように送り出される。即ち冷却風はランプハウス内を循環している。
偏光光照射装置は、棒状ランプ21や樋状の反射ミラー22から構成される光源部11と、送風機30や冷却機20を内蔵する補機90から構成され、光源部11と補機90は、ダクト91,92で接続されている。また、補機90の送風機(ブロア)30と冷却機(ラジエータ)20はダクト93により接続されている。
光源部11の光出射部には、光出射窓70が形成され、この光出射窓70には、ワイヤーグリッド偏光素子1を有する偏光素子ユニット80が取り付けられる。
上記ランプハウス内で冷却風を循環させる光照射器については、例えば特許文献3に記載されている。
一方、冷却風が引き込まれる付近、例えばランプ21と偏光素子ユニット80との間は圧力が低く、ランプハウス外の周辺雰囲気に対して負圧になる。そのため、図6、図8に示したランプハウスにおいては、上記した偏光素子ユニット80に並べた偏光素子1どうしの隙間から、外気がランプハウス内に引き込まれることとなる。
シロキサン化合物は例えばレジストの現像液などに多く含まれている。シロキサン化合物は、紫外線が照射されると光化学反応により白い粉を生じ、紫外線照射装置内部の光学素子の表面を白濁させる。
そのため、図6、図8に示す偏光光照射装置のランプハウスにおいて、シロキサン化合物が外気とともに偏光板どうしの隙間から引き込まれ、ランプから放射された紫外線と反応して、ワイヤーグリッド偏光素子のランプ側の表面を白濁させるという問題が生じた。偏光板の表面が白濁すると、紫外線の透過率が低下し、ワークに照射する偏光光の照度が低下する。
ワイヤーグリッド偏光素子は、ガラス基板等の表面に微細なグリッドを形成したものであり、この面にシロキサン化合物が付着すると簡単にクリーニングすることができない。
本発明は、上記問題を解決するものであって、本発明の目的は、複数の偏光板を並べて配置した偏光素子ユニットを用いた偏光光照射装置において、複数の偏光板の境界に隙間を持たせた状態であっても、この隙間から外気がランプハウス内に引き込まれないようにすることである。
したがって、ランプハウス内の全体圧力が、外気の圧力に対して陽圧になれば、外気を引き込むことがない。上記したように、ランプハウスは、冷却風を引き込むランプとランプハウスの光出射窓(偏光素子ユニット)との間が負圧になりやすく、かつ偏光板どうしの間に隙間があるため外気を引き込みやすい。
そこで、本発明においては、棒状のランプと該ランプからの光を反射する樋状のミラーを有する紫外線を含む光を放射する光源を備え、光出射部に、複数の偏光板を並べて配置した上記光源からの光を偏光する偏光素子が設けられた偏光光照射装置において、上記樋状ミラーと上記偏光素子ユニットとの間の空間にガス(クリーンドライエアー)を供給するガス供給手段を設け、この部分を陽圧にする。これによりランプハウスの内部を陽圧にすることができ、外気が引き込まれるのを防ぐことができる。
また、ランプと偏光素子ユニットとの間に、光配向処理に必要な波長の紫外線を透過するフィルタや、フィルタ特性を持たない石英板等の光透過部材を、ランプの長手方向に沿って配置し、偏光素子ユニットと光透過部材の間にエアーを供給するようにすると、偏光素子ユニットのランプ側の空間が確実に陽圧になるので、さらに効果的である。
すなわち、本発明においては、以下のようにして前記課題を解決する。
光出射部を設けた灯具内に、紫外線を含む光を放射する光源を有し、該光源は、棒状のランプと、該ランプからの光を反射する樋状のミラーを備え、該樋状のミラーには、該ミラーの光出射側から導入されて上記ランプと樋状のミラーを冷却する冷却風が通過する開口が設けられ、上記ミラーの開口を通過した冷却風を冷却する冷却機と、該冷却機により冷却した冷却風を上記ミラーの光出射側に送る送風機とを備えた偏光光照射装置において、上記光出射部に、複数の偏光板を並べて配置した上記光源からの光を偏光する偏光素子を設け、上記樋状ミラーと上記偏光素子の間の空間にガスを供給するガス供給手段を設け、上記偏光素子として、偏光板を並べて配置したワイヤーグリッド偏光素子を用いる。
樋状ミラーと、ワイヤーグリッド偏光素子からな偏光素子の間の空間にガス(エアー)を供給するガス供給手段を設けたので、ランプハウスの内部、特に偏光素子ユニットのランプ側の空間が陽圧となるため、偏光素子ユニットに並べた複数の偏光素子の間に隙間を設けていても、そこから外気がランプハウス内に引き込まれない。したがって、シロキサン化合物が原因となる偏光素子表面の白濁がなくなり、偏光光の照度の低下を防ぐことができる
また、樋状ミラーと偏光素子との間に光透過部材を配置し、ガス供給手段からこの光透過部材と偏光素子の間の空間にガスを供給すれば、ガスの流量を少なくしても、光透過部材と偏光素子の間の圧力を均一に高くすることができ、これにより用力の負担を軽減することができる。
図1において、図6の従来の装置と異なる部分は、反射ミラー22と上記偏光素子ユニット80との間の空間にガス(クリーンドライエアー)を供給するノズル3(ガス供給手段)を設けた点である。それ以外の構成は図6に記載の装置と基本的に同じである。
すなわち、ランプハウス10には、ランプ21と、樋状の反射ミラー22から構成される光出射部2を有する光源部11が設けられ、その上部に、ランプ点灯時にランプ21や反射ミラー22を冷却する冷却風の温度を下げる水冷式の冷却機(ラジエータ)20と、冷却風を発生させる送風機(ブロア)30とが配置される。
樋状の反射ミラー22には、該ミラー22の光出射側から導入されて上記ランプと樋状のミラーを冷却する冷却風が通過する開口(冷却風通風孔41)が設けられ、冷却風通風孔41を通過した冷却風は、冷却機20により冷却され、送風機30により、上記通風路50を経て、上記反射ミラー22の光出射側に送られる。
また、ランプハウスの外壁60には、光源部11からワーク4に向かって照射される光が通過する光出射窓(光出射部)70が形成されている。この光出射窓70には、光出射窓70から出射する光を偏光するワイヤーグリッド偏光素子1を有する偏光素子ユニット80が取り付けられる。
偏光素子ユニット80は、前記図7に示したように、複数のワイヤーグリッド偏光素子1を、ランプ21の長手方向に沿ってフレーム(保持枠81)内に並べて保持したものであり、偏光板は、1mmから2mm程度の隙間を持たせて配置され、この隙間は遮光板により覆われている。
ノズル3は、ランプ21の長手方向に沿ったランプハウス10の側面の外壁60からランプハウス10の内部に差し込まれており、エアーの吹き出し口31は1ヶ所である。ノズル3に供給されたエアーは、ランプ21(反射ミラー22の光出射側)と偏光素子ユニット80の偏光板1との間を、ランプの長手方向に対して直交するように流れる。この供給されたエアーにより、ランプと偏光素子との間の圧力が高くなる。
供給されたエアーは、ランプ冷却風とともに冷却風通風孔41とラジエータ20を介して、ブロア30に引き込まれる。
図1に示した実施例においては、ランプ21の長手方向に沿ったランプハウス10の側面から挿入したが、この実施例では、ランプの長手方向に直交するランプハウス10の側面から挿入しており、その他の構成は図1と同様である。
ノズル3に供給したエアーは、ランプ21(反射ミラー22の光出射側)と偏光素子ユニット80の偏光素子1との間を、ランプ21の長手方向に沿って流れる。この供給されたエアーにより、ランプ21と偏光素子1との間の圧力が高くなる。供給されたエアーは、ランプ冷却風とともに冷却風通風孔41とラジエータ20を介して、ブロア30に引き込まれる。
このように構成しても良いが、ランプ21が長くなると、供給するエアーが流れる距離が長くなる。そのため、ランプ21に対してノズル3を設けた反対側の圧力が上がりにくくなり、エアーの供給流量がやや多めに必要になると考えられる。
図4においては、ランプ21と偏光素子ユニット80との間に、光透過部材保持ユニット5を設け、この光透過部材保持ユニット5と偏光素子ユニット80との間に、エアーを供給するようにしている。
光透過部材保持ユニット5は、例えば、前記偏光素子ユニット80と同様に、複数の光透過部材51をランプの長手方向に並べて配置したものである。この光透過部材51としては、例えば、フィルタ特性を持たない(特定波長の光を遮断する特性を持たない)石英板や、光配向処理に不要な波長の光(例えば可視光や赤外光)を遮断する蒸着膜をガラス板に形成した干渉膜フィルタなどのフィルタ等を用いることができる。
ノズル3に供給されたエアーは、光透過部材保持ユニット5と偏光素子ユニット80との間を、ランプ21の長手方向に対して直交するように流れ、光透過部材保持ユニット5と偏光素子ユニット80との間の圧力を陽圧にする。その後、ノズル3がある側とは反対側からランプ冷却風とともに冷却風通風孔41とラジエータ20を介して、ブロア30に引き込まれる。
しかし、図4のように構成することで、光透過部材保持ユニット5と偏光素子ユニット80により通風路が形成される。そのため、ランプハウス10に供給したエアーは、途中でブロア30に吸引されることなく、ノズル3がある側とは反対側のランプハウス10の側面に達する。
このことにより、エアーの流量を少なくしても、エアーはノズル3が設けられている側とは反対側にまで届き、光透過部材51と偏光素子1の間の圧力を、エアーが流れる方向に対して、均一に高くすることができる。これにより用力の負担を軽減できる。
2 光出射部
3 ノズル
4 ワーク
5 光透過部材保持ユニット
10 ランプハウス
11 光源部
20 冷却機(ラジエータ)
21 棒状ランプ
22 反射ミラー
30 送風機(ブロア)
31 エアー吹き出し口
40 隔壁
41 冷却風通風孔
50 通風路
51 光透過部材
60 外壁(筐体)
70 光出射窓
80 偏光素子ユニット
81 フレーム(保持枠)
82 遮光板
Claims (1)
- 光出射部を設けた灯具内に、紫外線を含む光を放射する光源を有し、該光源は、棒状のランプと、該ランプからの光を反射する樋状のミラーを備え、該樋状のミラーには、該ミラーの光出射側から導入されて上記ランプと樋状のミラーを冷却する冷却風が通過する開口が設けられ、上記ミラーの開口を通過した冷却風を冷却する冷却機と、該冷却機により冷却した冷却風を上記ミラーの光出射側に送る送風機とを備えた偏光光照射装置において、
上記光出射部に、複数の偏光板を並べて配置した上記光源からの光を偏光する偏光素子が設けられ、上記樋状ミラーと上記偏光素子の間の空間にガスを供給するガス供給手段が設けられ、上記偏光素子は、偏光板を並べて配置したワイヤーグリッド偏光素子である
ことを特徴とする偏光光照射装置。
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