JP2013160989A - 量子鍵配付装置および量子鍵配付方法 - Google Patents

量子鍵配付装置および量子鍵配付方法 Download PDF

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Abstract

【課題】デコイ法の安全性を向上させることが可能な量子鍵配付装置を提供する。
【解決手段】二電極型変調器102は、入力光パルス列に含まれる複数の入力光パルス201のそれぞれに対して、2系統の2値信号に応じた強度変調を行って、4つの変調状態の出力光パルスを含む出力光パルス列を生成して出力する。駆動回路101は、2系統の2値信号として、4つの変調状態の出力光パルスの中の2つの変調状態の出力光パルスの光強度を等しくする信号を出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、量子鍵配付装置に関し、特に、安全性の向上のためにデコイ法を実装した量子鍵配付装置に関する。
通信の分野では、近年、盗聴行為に対する安全性を確保した暗号化通信を実現する方法として、QKD(Quantum Key Distribution:量子鍵配付)方法が盛んに研究され、実用化に向けて開発が進んでいる。
非特許文献1には、QKD方法において、量子暗号鍵を伝送させるための光パルスを生成する光源として、単一光子を出射する単一光子光源を使用する旨の記載があるが、単一光子光源は、現段階では、開発途上であり、実用レベルには到達していない。そのため、単一光子光源の代用として、通常のレーザー光源を、その出力光の光強度を極度に弱めることで、擬似的な単一光子光源として利用する方式が主流となっている。
しかしながら、擬似的な単一光子光源では、理想的な単一光子光源とは異なり、1光パルス中に一定の確率で2つ以上の光子が発生してしまうため、PNS攻撃(Photon Number Splitting attack:光子数分割攻撃)と呼ばれる盗聴行為を確実に回避できるとは限らず、安全性が低下することが指摘されている(非特許文献2参照)。
PNS攻撃を回避する方法としては、デコイ法が提案されている(非特許文献3および特許文献1参照)。なお、デコイとは囮の意味である。デコイ法では、送信される光パルスの光強度を変化させることで、PNS攻撃の有無を検知することができる。デコイ法の実装は、近年、実用的なQKDシステムの実現のためには、必須であると考えられている。
デコイ法では、一般的に、光強度がそれぞれ異なる3種類の光パルスが用いられている。以下、各種類の1光パルスに含まれる光子の平均値である平均光子数をs、d、zとする。
平均光子数がsの光パルスは信号(signal)光として用いられ、信号光が示す情報が量子暗号鍵に利用される。50km伝送の典型的なQKDシステムでは、平均光子数s=0.5程度である。また、平均光子数がdおよびzの光パルスは、信号光に対する盗聴を検知するための囮(decoy)用の囮パルスとして利用される。50km伝送の典型的なQKDシステムでは、平均光子数d=0.2程度、z=0である。以降、平均光子数s、dおよびzのそれぞれの光パルスを、光パルスS、光パルスDおよび光パルスZと称し、これらの光パルスをデコイ状態の光パルスと総称する。
デコイ法では、送信される光パルスの大部分が光パルスSであり、送信パルスの残りが光パルスDおよびZとなる。典型的なQKDシステム法では、送信パルスのうち、90%程度が光パルスS、6%程度が光パルスD、4%程度が光パルスZとなる(非特許文献4参照)。
デコイ状態の光パルスは、電気信号である変調器駆動信号に応じて動作する変調器が光源からの光パルスを変調することで生成される。このとき、変調器駆動信号を3値信号にすれば、変調器は、直接、光源からの光パルスをデコイ状態の光パルスに変調することができるが、変調器駆動信号の生成などを行う高速電子回路では、3値信号を使用することは容易ではない。このため、デコイ状態の光パルスは、高速電子回路で容易に使用できる2値信号を用いて生成される。
2値信号を用いてデコイ状態の光パルスを生成する場合、変調器駆動信号として2系統の2値信号が用意され、光源からの光パルスが2系統の2値信号に応じて強度変調され、4つの状態の光パルスが生成される。そして、それらの光パルスのうち3つの状態の光パルスがデコイ状態の光パルスとなる。このように2系統の2値信号が使用されるため、デコイ法を用いたQKDシステムでは、2台の位相変調器または1台の二電極型変調器を用いることが一般的である。
以下、デコイ状態の光パルスを生成する具体的な変調方法について説明する。なお、2台の位相変調器を用いたQKDシステムより、1台の二電極型変調器を用いたQKDシステムの方がサイズやコストなどの面で有利であるため、以下では、二電極型変調器を用いてデコイ状態の光パルスを生成する変調方法について説明する。
図4は、QKDシステムに備わった二電極型変調器の構成の一例を示す図である。図4に示す二電極型変調器10は、変調素子として機能する電極1および2を有する。電極1および2のそれぞれには、2系統の変調器駆動信号のそれぞれが入力される。
二電極型変調器10は、入力された光パルス20を2つに分岐し、その分岐された2つの光パルスのそれぞれを、電極1および2のそれぞれを用いて、2系統の変調器駆動信号に応じた位相変調を行う。そして、二電極型変調器10は、それらの位相変調された光パルスを合成して、光強度が異なる4つの変調状態の光パルスを生成する。以下、各電極1および2による位相変調にて変化する光パルスの位相の大きさである位相変化量を、それぞれψ1、ψ2と表記する。
図5は、位相変化量ψ1およびψ2と、QKDシステムにて生成される光パルスの光強度(Power)および変調状態(State)との関係を示す図である。
図5に示すように、QKDシステムは、ψ1およびψ2の両方を0°にして、光源からの光パルスを素通りさせたものを光パルスSとして用い、ψ1を0°、ψ2を180°にして、光源からの光パルスを消光状態にしたものを光パルスZとする。また、QKDシステムは、ψ1をθ、ψ2を180°にしたときに生成される光パルスを光パルスDとして用いる。
なお、ψ1をθ°、ψ2を0°にしたときにも光パルスは生成されるが、この光パルスの光強度は、光パルスDを生成する際の位相変化量θに依存するため、任意の値に調整することができない。このため、この光パルスは通常使用されない。また、図5に示した二電極型変調器の構成から分かるように、2台の位相変調器を並列に接続した場合でも、上記の変調方法と同様な方法でデコイ状態の光パルスを生成することができる。
特開2011−061292号公報
ベネット(Bennett)、ブラッサード(Brassard)著 IEEEコンピュータ、システム、信号処理国際会議(IEEE Int. Conf. on Computers, Systems, and Signal Processing, Bangalore, India, p. 175, 1984) N. Lutkenhaus, Physical Review A, Vol. 61, 052304 (2000). W. Y. Hwang, Physical Review Letters, Vol. 91, 057901 (2003). M. Hayashi, Physical Review A, Vol. 76, 012329 (2007)
前述のように典型的なQKDシステムでは、送信される光パルスのうち光パルスSが約90%を占めるため、上記の変調方法では、位相変化量ψ1およびψ2は、約90%、両方とも0にする必要がある。このため、2値信号である変調器駆動信号のマーク率(信号の値「0」および「1」のうち「1」が占める割合)が50%から大きく外れてしまう。
通常の電子回路は、マーク率が50%であることを想定して設計されており、マーク率が50%から大きく外れると、電子回路の出力波形が歪んだり、出力波形の最大振幅が減少したりするなどの問題が生じる。
したがって、上記の変調方法では、変調器駆動信号のマーク率が50%から大きく外れてしまうため、変調器駆動信号が歪むなどの問題が生じる。このため、光パルスを正確に変調することが難しく、盗聴行為に対する安全性が確保できない場合がある。特に、出力波の周波数がGHzを超える高速な電子回路では、マーク率を約50%にすることは重要である。
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、デコイ法の安全性を向上させることが可能な量子鍵配付装置および量子鍵配付方法を提供することを目的とする。
本発明による量子鍵配付装置は、2系統の2値信号を出力する駆動回路と、入力光パルス列に含まれる複数の入力光パルスのそれぞれに対して、前記2系統の2値信号に応じた強度変調を行って、4つの変調状態の出力光パルスを含む出力光パルス列を生成して出力する変調器と、を有し、前記駆動回路は、前記2系統の2値信号として、前記4つの変調状態の出力光パルスの中の2つの変調状態の出力光パルスの光強度を等しくする信号を出力する。
本発明による量子鍵配付方法は、2系統の2値信号を出力する第1ステップと、入力光パルス列に含まれる複数の入力光パルスのそれぞれに対して、前記2系統の2値信号に応じた強度変調を行って、4つの変調状態の出力光パルスを含む出力光パルス列を生成して出力する第2ステップと、を有し、前記第1ステップでは、前記2系統の2値信号として、前記4つの変調状態の出力光パルスの中の2つの変調状態の出力光パルスの光強度を等しくする信号を出力する。
本発明によれば、デコイ法の安全性を向上させることが可能になる。
本発明の一実施形態の量子鍵配付装置の構成を示す図である。 本発明の一実施形態の量子鍵配付装置における位相変化量、光強度および変調状態の対応関係を示す図である。 パラメータθの変化に対する、光パルスSおよびDの光強度と各光強度の比D/Sの変化を示す図である。 関連技術の二電極型変調器の構成を示す図である。 関連技術における位相変化量、光強度および変調状態の対応関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、同じ機能を有するものには同じ符号を付け、その説明を省略する場合がある。
図1は、本発明の一実施形態の量子鍵配付装置の構成を示す図である。図1において、量子鍵配付装置は、駆動回路101と、二電極型変調器102と、光減衰器(ATT:Attenuator)103とを有する。
駆動回路101は、二電極型変調器102を駆動する2系統の変調器駆動信号を、二電極型変調器102に出力する。各変調器駆動信号は、2値信号である。
二電極型変調器102は、光源(不図示)から、複数の光パルス201を含む光パルス列が入力される。二電極型変調器102は、その入力された入力光パルス列に含まれる複数の入力光パルス201のそれぞれに対して、駆動回路101からの2系統の変調器駆動信号に応じた強度変調を行い、その2系統の変調器駆動信号に応じた4つの変調状態の出力光パルスを含む出力光パルス列を生成して出力する。
より具体的には、二電極型変調器102は、分岐部111と、変調部112および113と、結合部114とを有する。
分岐部111には、光源から光パルス列が入力される。分岐部111は、入力された入力光パルス列に含まれる複数の入力光パルス201のそれぞれを2つに分岐して出力する。
変調部112および113は、入力光パルス列に対して並列に配置される。変調部112および113のそれぞれには、分岐部111から出力された2つの光パルスのそれぞれが入力され、さらに、駆動回路101から出力された2系統の変調器駆動信号のそれぞれが入力される。
変調部112および113のそれぞれは、自身に入力された光パルスを、自身に入力された変調器駆動信号に応じて位相変調して出力する。
より具体的には、変調部112および113は電極で構成され、変調器駆動信号が入力されと、その変調器駆動信号に応じて、光パルスを伝送する導波路(図示せず)の屈折率を変化させて、光パルスを位相変調する。
なお、各変調器駆動信号が2値信号であるため、各変調部112および113の位相変調にて変化する光パルスの位相の大きさである位相変化量φ1およびφ2は、それぞれ2値となる。
結合部114は、変調部112および113のそれぞれから出力された2つの光パルスを結合することで、位相変化量φ1およびφ2に応じた4つの変調状態の出力光パルスを含む出力光パルス列を生成して、出力する。
光減衰器103は、結合部114から出力された出力光パルス列に含まれる各出力光パルスの光強度を調整する。より具体的には、光減衰器103は、光パルスを減衰させることで、その光パルスの光強度を調整する。なお、光減衰器103にて調整される光強度の調整量は、予め固定されていてもよいし、変更可能であってもよい。
以下、図1に示した量子鍵配付装置において、変調器駆動信号のマーク率を約50%とする仕組みを説明する。なお、以下では、位相変化量φ1(φ2)の値がXまたはYの2値となる場合、φ1(φ2)={X,Y}と表記する。また、以下では、主に本量子鍵配付装置を典型的なQKDシステムに適用することを前提として説明する。
典型的なQKDシステムにおいて、変調器駆動信号のマーク率を約50%とするためには、結合部114から出力される出力光パルス列に含まれる出力光パルスのうち、約90%を占める必要がある信号光パルスSを生成する変調器駆動信号のマーク率が約50%になる必要がある。
そこで本実施形態では、駆動回路101は、2系統の変調器駆動信号として、4つの変調状態の出力光パルスの中の2つの変調状態の出力光パルス(以下、光パルスS1およびS2と称する)の光強度を等しくする信号を出力することで、4つの変調状態を3つの変調状態に縮退させ、光パルスS1およびS2の両方を光パルスSとして使用できるようにする。
さらに、駆動回路101は、光パルスS1を生成する2系統の変調器駆動信号と、光パルスS2を生成する2系統の変調器駆動信号とで、値が両系統とも異なるように、各変調器駆動信号の値を調整する。
例えば、2系統の変調器駆動信号の値が両方とも0の場合に、光パルスS1が生成され、2系統の変調器駆動信号の値が両方とも1の場合に、光パルスS2が生成されるように、駆動回路101は、各変調器駆動信号の値を調整する。
この場合、たとえ全ての出力パルスが信号光であったとしても、駆動回路101は、各変調器駆動信号として、光パルスS1およびS2を同じ割合で生成する信号を出力することで、各変調器駆動信号のマーク率を50%とすることができる。
また、上記の方法を典型的なQKDシステムに適用するためには、光パルスS1およびS2以外の2つの変調状態の光パルスから、光強度が任意の変調状態の光パルスDと、光強度が0の変調状態の光パルスZを生成することが必要となる。
図2は、上記の方法を典型的なQKDシステムに適用する際の、位相変化量φ1およびφ2と、出力光パルスの光強度(Power)および変調状態(State)との関係を示す図である。
図2に示すように駆動回路101は、各変調器駆動信号として、各位相変化量がφ1=[0°,180°−θ]、φ2=[θ,180°]となる信号を出力する。
この場合、[φ1,φ2]=[0°,θ]の時の出力パルスを光パルスS1とし、[φ1,φ2]=[180°−θ,180°]の時の出力パルスを光パルスS2とし、[φ1,φ2]=[180°−θ,θ]の時の出力パルスを光パルスDとし、[φ1,φ2]=[0°,180°]の時の出力パルスを光パルスZとすることができる。以下、その理由を説明する。
各位相変調量φ1およびφ2と、出力パルスの出力光強度Ioutとの関係は、数1で表される。なお、Iinは、入力光パルス201の入力光強度である。
Figure 2013160989
数1を用いて、光パルスS1、S2、DおよびZの光強度を計算すると、図2に示したように、光パルスS1およびS2の光強度は、θに依らず等しくなり、光パルスZの光強度が常に0になる。また、光パルスS1、S2およびDの光強度は、パラメータθに応じて変化する。
図3は、パラメータθの変化に対する、光パルスSおよびDの光強度と、それらの光強度の比D/Sの変化を示す図である。図3に示されたように、パラメータθの変化に応じて、光強度の比D/Sは連続的に変化するので、パラメータθの値を適宜調整することで、光強度の比D/Sを任意に設定することができる。
また、光パルスSおよびDのそれぞれの光強度の絶対値は、光減衰器103によって調整されるため、二電極型変調器102は、光パルスSおよびDの光強度の比のみを調整できれば、量子鍵配付装置は、光パルスDの光強度を任意にすることができる。
なお、パラメータθは、QKDシステムに応じて最適値が変動する。例えば、典型的なQKDシステムでは、光パルスSおよびDのそれぞれの平均光子数sおよびdは、s=0.5,d=0.2程度であるため、光パルスSおよびDの光強度の比は、0.4程度になる。この場合、図3にて示されたように、パラメータθを約37°にすればよい。
また、数1で示されているように、各位相変化量φ1およびφ2は、互いに相対的な値でよいため、上述した値に全て同じパラメータ(定数)を加えたものでもよい。つまり、θおよびAをパラメータとした場合、駆動回路101は、2系統の変調器駆動信号として、各位相変化量がφ1=[A,180°−θ+A]、φ2=[θ+A,180°+A]となる信号を出力すればよい。
次に動作を説明する。
光源から出射された光パルス列に含まれる複数の光パルスは、二電極型変調器102の分岐部111に順次入力される。
分岐部111に入力された入力光パルスは、分岐部111にて2つに分岐され、一方が変調部112に出力され、他方が変調部113に出力される。そして、各光パルスは、変調部112および113にて変調器駆動信号に応じて位相変調され、その後、結合部114で結合される。結合された光パルスは、出力光パルスとして光減衰器103に出力される。出力光パルスは、光減衰器103にて光強度の絶対値が調整されて送信される。
このとき、駆動回路101は、各位相変化量がφ1=[0°,180°−θ]、φ2=[θ,180°]となる2系統の変調器駆動信号を、[φ1,φ2]=[0°,θ]と[φ1,φ2]=[180°−θ,180°]とが同じ割合になるように変調部112および113に出力する。
典型的なQKDシステムでは、出力光パルスのうち、光パルスSが90%程度、光パルスDが6%程度、光パルスZが4%程度であるため、本量子鍵配付装置を典型的なQKDシステムに適用すると、2系統の変調器駆動信号のそれぞれのマーク率は、51%(=90/2+6)程度および49%(90/2+4)程度となり、50%に近くなる。
以上説明したように本実施形態によれば、4つの変調状態の出力光パルスの中の2つの変調状態の出力光パルス(光パルスS1およびS2)の光強度が等しくなるので、2つの変調状態の出力光パルスの両方を信号光として生成することが可能になる。したがって、信号光を生成する2系統の変調器駆動信号の値を2通り設けることが可能になるので、その2通りの値を織り交ぜることで、2系統の変調器駆動信号のマーク率を50%に近づけることが可能になる。よって、2系統の変調器駆動信号の波形の歪みや最大振幅の減少などを軽減することが可能になり、デコイ法の安全性を向上させることが可能になる。
また、本実施形態では、光パルスS1を生成する2系統の変調器駆動信号と、光パルスS2を生成する2系統の変調器駆動信号とでは、値が両系統とも異なるので、信号光を生成する2系統の変調器駆動信号のマーク率を50%にすることが可能になる。したがって、出力光パルスのうち信号光が占める割合は、通常高いので、2系統の変調器駆動信号の全体のマーク率をより50%に近づけることが可能になる。よって、デコイ法の安全性をより向上させることが可能になる。
また、本実施形態では、光パルスS1およびS2が同じ割合で生成されるので、信号光を生成する2系統の変調器駆動信号のマーク率を50%にすることが可能になり、2系統の変調器駆動信号の全体のマーク率をより50%に近づけることが可能になる。よって、デコイ法の安全性をより向上させることが可能になる。
また、本実施形態では、信号光とは異なる状態の出力光パルスのうち、一方の出力光パルスの光強度が0になり、他方の出力光パルスの光強度と信号光の光強度との比が任意になるため、典型的なQKDシステムで使用される光パルスDおよび光パルスZを生成することが可能になり、本量子鍵配付装置を典型的なQKDシステムに適用することが可能になる。したがって、出力光パルス列を受信する受信装置の構成などを変更する必要がないため、汎用性を高くしつつ、デコイ法の安全性を向上させることが可能になる。
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
例えば、二電極型変調器102の代わりに、2台の位相変調器を並列に接続させた構成を有するものが用いられてもよい。この場合、2台の位相変調器の前段に分岐部111が設けられ、2台の位相変調器の後段に結合部114が設けられる。
101 駆動回路
102 二電極型変調器
103 光減衰器
111 分岐部
112、113 変調部
114 結合部

Claims (7)

  1. 2系統の2値信号を出力する駆動回路と、
    入力光パルス列に含まれる複数の入力光パルスのそれぞれに対して、前記2系統の2値信号に応じた強度変調を行って、4つの変調状態の出力光パルスを含む出力光パルス列を生成して出力する変調器と、を有し、
    前記駆動回路は、前記2系統の2値信号として、前記4つの変調状態の出力光パルスの中の2つの変調状態の出力光パルスの光強度を等しくする信号を出力する、量子鍵配付装置。
  2. 前記2つの変調状態の一方の出力光パルスを生成する前記2系統の2値信号と、前記2つの変調状態の他方の出力光パルスを生成する前記2系統の2値信号とでは、値が両系統とも異なる、請求項1に記載の量子鍵配付装置。
  3. 前記駆動回路は、前記2系統の2値信号として、前記2つの変調状態の出力光パルスを同じ割合で生成する信号を出力する、請求項1または2に記載の量子鍵配付装置。
  4. 前記駆動回路は、前記2系統の2値信号として、前記2つの変調状態の出力光パルスである等強度光パルスとは異なる出力光パルスのうち、一方の出力光パルスの光強度が0になり、他方の出力光パルスの光強度と前記等強度光パルスの光強度との比が各2値信号の値に応じて変化する2系統の信号を出力する、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の量子鍵配付装置。
  5. 前記変調器は、
    前記複数の入力光パルスのそれぞれを2つに分岐する分岐部と、
    前記複数の入力光パルスのそれぞれについて、前記分岐部にて分岐された各光パルスを、各2値信号で位相変調して出力する2つの変調部と、
    前記複数の光パルスのそれぞれについて、各変調部から出力された各光パルスを結合することで、前記出力光パルス列を生成して出力する結合部と、を有する、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の量子鍵配付装置。
  6. 前記駆動回路は、Aおよびθをパラメータとし、各変調部の位相変調にて変化する光パルスの位相の大きさのそれぞれをφ1およびφ2とした場合、前記2系統の2値信号として、φ1をAまたは180°−θ+Aとし、φ2をθ+Aまたは180°+Aとする信号を出力する、請求項5に記載の量子鍵配付装置。
  7. 2系統の2値信号を出力する第1ステップと、
    入力光パルス列に含まれる複数の入力光パルスのそれぞれに対して、前記2系統の2値信号に応じた強度変調を行って、4つの変調状態の出力光パルスを含む出力光パルス列を生成して出力する第2ステップと、を有し、
    前記第1ステップでは、前記2系統の2値信号として、前記4つの変調状態の出力光パルスの中の2つの変調状態の出力光パルスの光強度を等しくする信号を出力する、量子鍵配付方法。
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