JP2010028528A - 位相基底符号化装置および位相基底符号化方法 - Google Patents

位相基底符号化装置および位相基底符号化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】DCドリフトを容易に検知することができないという問題を解決する位相基底符号化装置を提供する。
【解決手段】制御部15は、位相変調の値φ1およびφ2の組み合わせのそれぞれが不均一な割合で使用され、かつ、光カップラー14で結合される2連光パルスの相対位相が4値に変調されるように、位相変調器12および13を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、位相基底を用いて符号化を行う位相基底符号化装置および位相基底符号化方法に関し、特には、量子鍵を配布するために、位相基底を用いて符号化を行う位相基底符号化装置および位相基底符号化方法に関する。
近年、盗聴行為に対する絶対安全性を有する暗号化通信を実現する方法として、量子鍵配付が盛んに研究され、実用化に向けた開発が進んでいる。このような量子鍵配布は、例えば、非特許文献1に記載されている。
量子鍵配布では、量子鍵の送受信に光パルスが用いられる。この量子鍵の送受信に用いる光パルスの符号化方式としては、互いに時間差を有する2つのパルスを含む2連光パルスの相対位相を4値に変調する位相コーディング方式が主流である。ここで、2連光パルスの相対位相とは、2連光パルスの各パルスの相対位相のことである。また、2連光パルスの各パルスは、互いにコヒーレントである。
位相コーディング方式では、通常、相対位相が0°または180°に変調された2つの状態(X基底の2状態と呼ぶ)の2連光パルスと、相対位相が90°または270°に変調された2つの状態(Y基底の2状態と呼ぶ)の2連光パルスと、が量子鍵の送受信に利用される。なお、X基底の2状態とY基底の2状態とを合わせた4つの状態は、BB84状態と呼ばれる。
また、符号化方式としては、位相‐時間コーディング方式と呼ばれる方式も提案されている。位相‐時間コーディング方式では、相対位相が2値に変調された2つの状態(例えば、Y基底の2状態)の2連光パルスと、2連光パルスの各パルスの一方を選択することで得られる2つの時間基底状態(Z基底の2状態と呼ばれる)の2連光パルスと、が量子鍵の送受信に利用される。
非特許文献2には、これらの2種類の符号化方式の両方を実現できる送信機が記載されている。
図3は、非特許文献2に記載の送信機を示した模式図である。図3において、送信機201は、レーザー光源202と、非対称マッハツェンダー干渉計203と、2電極マッハツェンダー変調器204とを含む。
非対称マッハツェンダー干渉計203は、レーザー光源202から出力された光パルス205を2連光パルス206に変換する。
2電極マッハツェンダー変調器204は、2連光パルス206を2つに分岐する。また、2電極マッハツェンダー変調器204では、2つの位相変調器が互いに並列に接続される。
各位相変調器が互いに独立して、その分岐された2連光パルスのそれぞれに位相変調を行う。具体的には、2電極マッハツェンダー変調器204の一方の位相変調器が2連光パルスの各パルスに0°または180°の2値の位相変調を行い、他方の位相変調器が2連光パルスの各パルスに90°または270°の2値の位相変調を行う。そして、2電極マッハツェンダー変調器204は、位相変調器のそれぞれで位相変調された2連光パルスを結合する。
その結合された2連光パルスの各光パルスの位相は、各位相変調器がその光パルスに行った位相変調の値の組み合わせに応じて、45°、135°、225°および315°のいずれかを示す。したがって、2電極マッハツェンダー変調器204を用いることで、位相が45°、135°、225°および315°のいずれかを示す4種類の光パルスを生成することができる。なお、この4種類の光パルスのそれぞれの強度は、互いに等しい。
2連光パルスの各パルスに行う位相変調の値の組み合わせに応じて、BB84状態に含まれる4つの状態の2連光パルスを生成することができる。
具体的には、2連光パルスの各パルスに45°の位相変調を行うことで、相対位相が0°のX基底状態の2連光パルスを生成することができる。また、2連光パルスの前光パルスを135°の位相変調を行い、後光パルスに315°の位相変調を行うことで、相対位相が180°のX基底状態の2連光パルスを生成することができる。
また、2連光パルスの前光パルスに225°の位相変調を行い、後光パルスに315°の位相変調を行うことで、相対位相が90°のY基底状態の2連光パルスを生成することができる。さらに、2連光パルスの前光パルスに315°の位相変調を行い、後光パルスに225°の位相変調を行うことで、相対位相が270°のY基底状態の2連光パルスを生成することができる。
これにより、BB84状態に含まれる4つの状態の2連光パルスを生成することができる。したがって、位相コーディング方式での量子鍵配布を実現することができる。また、BB84状態のうちX基底状態またはY基底状態を用いることで、位相‐時間コーディング方式での量子鍵配布を実現することができる。
また、光パルスの符号化方式として、2連光パルスに対して、位相変調に加えてさらに強度変調を行うデコイ方式がある。このようなデコイ方式を用いて安定した光パルスを生成する技術には、特許文献1に記載の光通信装置がある。
これらの符号化方式では、4つの状態の2連光パルスのそれぞれが、ランダムに送信されることで、量子鍵の安全性を保つことができる。
ベネット(Bennett)、ブラサール(Brassard)著 IEEEコンピュータ、システム、信号処理国際会議(IEEE Int. Conf. on Computers, Systems,and Signal Processing, Bangalore, India, p.175,1984) 吉野他、"Dual−mode Time−bin Coding for Quantum Key Distribution Using Dual−drive Mach−Zehnder Modulator"、33rd European Conference and Exhibition on Optical Communication Proceedings、Vol.4、p.71、2007 2007−286551号公報
デコイ方式の強度変調のように変調のために光パルスの強度を変えるのではなく、送信機の状態に応じて光パルスの強度が変わってしまうことがある。例えば、DCドリフトが発生した場合、2電極マッハツェンダー変調器が生成することができる4種類の光パルスのそれぞれの強度が変化する。具体的には、4種類の光パルスでは、光パルスに行われた位相変調の値に応じて、強度が増加する光パルスと、強度が減少する光パルスとが発生する。なお、DCドリフトは、周囲温度の変動などのために、2電極マッハツェンダー変調器の各位相変調器が挿入された2つの光路の光路差が変化する現象である。
このようにDCドリフトが発生して光パルスの強度が変わると、データの誤り率が高くなる。このため、DCドリフトによる光パルスの影響を補償することが望ましい。
しかしながら、非特許文献2に記載の送信機では、4種類の光パルスのそれぞれを互いに等しい割合で使用して、BB84状態に含まれる4つの状態の2連光パルスを生成している。このため、DCドリフトが発生しても、送信機から出力される2連光パルスでは、強度が増加する光パルスと、強度が減少する光パルスとが等しい割合で使用されることになり、光パルスの強度の変化が相殺される。したがって、その出力される2連光パルスの平均強度には変化が生じない。このため、DCドリフトを容易に検知することができないという問題があった。
このような状況では、送受信されたデータの誤り率からDCドリフトを推定する必要がある。しかしながら、誤り率に影響を与える現象は、DCドリフト以外にも多数存在する。このため、データの誤り率からDCドリフトを推定する方法では、正確にDCドリフトを検知することができない。
なお、非特許文献1および特許文献1には、DCドリフトによる光パルスの強度変化に関する記載はなく、上記の課題を解決することができない。
本発明の目的は、上記の課題である、DCドリフトを容易に検知することができないという問題を解決する位相基底符号化装置および位相基底符号化方法を提供することである。
本発明による位相基底符号化装置は、前光パルスと、前記前光パルスに後続する後光パルスと、を含む入力2連光パルスを2つに分岐する分岐手段と、前記分岐手段が分岐した入力2連光パルスの一方の前光パルスおよび後光パルスのそれぞれに、2値の位相変調を行う第1の位相変調手段と、前記分岐手段が分岐した入力2連光パルスの他方の前光パルスおよび後光パルスのそれぞれに、前記第1の位相変調手段が行う位相変調の値と異なる2値の位相変調を行う第2の位相変調手段と、前記第1の位相変調手段および前記第2の位相変調手段のそれぞれで位相変調が行われた各入力2連光パルスを結合して、各入力2連光パルスの前光パルスに行われた位相変調の値の組み合わせと、各入力2連光パルスの後光パルスに行われた位相変調の値の組み合わせと、に応じた相対位相を有する前光パルスおよび後光パルスを含む出力2連光パルスを生成する結合手段と、前記相対位相が4値に変調され、かつ、前記位相変調の値の組み合わせのそれぞれが不均一な割合で使用されるように、前記第1の位相変調手段および前記第2の位相変調手段を制御する制御手段と、を含む。
また、本発明による位相基底符号化方法は、前光パルスと前記前光パルスに後続する後光パルスとを含む入力2連光パルスを2つに分岐する分岐手段と、前記分岐手段が分岐した入力2連光パルスの一方の前光パルスおよび後光パルスのそれぞれに、2値の位相変調を行う第1の位相変調手段と、前記分岐手段が分岐した入力2連光パルスの他方の前光パルスおよび後光パルスのそれぞれに、前記第1の位相変調手段が行う位相変調の値と異なる2値の位相変調を行う第2の位相変調手段と、前記第1の位相変調手段および前記第2の位相変調手段のそれぞれで位相変調が行われた各入力2連光パルスを結合して、各入力2連光パルスの前光パルスに行われた位相変調の値の組み合わせと、各入力2連光パルスの後光パルスに行われた位相変調の値の組み合わせと、に応じた相対位相を有する前光パルスおよび後光パルスを含む出力2連光パルスを生成する結合手段と、を含む位相基底符号化装置による位相基底符号化方法であって、前記相対位相が4値に変調され、かつ、前記位相変調の値の組み合わせのそれぞれが不均一な割合で使用されるように、前記第1の位相変調手段および前記第2の位相変調手段を制御する。
本発明によれば、DCドリフトを容易に検知することが可能になる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の変調器を示したブロック図である。図1において、変調器1は、光カップラー11と、位相変調器12および13と、光カップラー14と、制御部15とを含む。なお、変調器1は、位相基底符号化装置の一例である。
光カップラー11は、分岐手段の一例である。光カップラー11には、2連光パルスが入力される。
2連光パルスは、互いに時間差を有する2つ光パルスを含む。また、2連光パルスの各光パルスのうち、先行する光パルスを前光パルスと呼び、その前光パルスに後続する光パルスを後光パルスと呼ぶ。なお、2連光パルスの前光パルスおよび後光パルスは、互いにコヒーレントである。
光カップラー11は、その入力された2連光パルスの各光パルスを2つに分岐する。なお、光カップラー11は、例えば、光パルスを、強度が互いに等しい2つの光パルスに分岐する50/50光カップラーである。
位相変調器12は、光カップラー11が分岐した2連光パルスの一方の各パルスに、2値の位相変調を行う。位相変調器13は、光カップラー11が分岐した2連光パルスの他方の各パルスに、位相変調器12が行う位相変調の値と異なる2値の位相変調を行う。なお、位相変調器12は、第1の位相変調手段の一例であり、位相変調器13は、第2の位相変調手段の一例である。
光カップラー14は、位相変調器12および13で位相変調が行われた2連光パルスを結合し、その結合した2連光パルスを出力する。
制御部15は、光カップラー14から出力される2連光パルスの各パルスの相対位相が4値に変調されるように、位相変調器12および13を制御する。以下、2連光パルスの各パルスの相対位相を、単に2連光パルスの相対位相と呼ぶ。
以下、制御部15の具体的な機能について説明する。
変調器1の入出力特性は、式(1)で表すことができる。
Figure 2010028528
ここで、Einは、変調器1に入力される光パルスの複素電場振幅を示し、Eoutは、変調器1から出力される光パルスの複素電場振幅を示す。また、φ1は、位相変調器12が行う位相変調の値を示し、φ2は、位相変調器13が行う位相変調の値を示す。
式(1)から分かるように、変調器1から出力される光パルスは、φ1およびφ2の組み合わせに応じて、位相および強度が変化する。φ1およびφ2のそれぞれは、2値をとりうるので、変調器1から出力される光パルスは、φ1およびφ2の組み合わせに応じて、4種類に分けられる。
本実施形態では、φ1は、θまたはθ+180°であり、φ2は、θ+90°またはθ+270°であるとする。なお、θは、任意の値である。このとき、φ1およびφ2の組み合わせと、変調器1から出力される光パルスの強度および位相との関係は、表1のようになる。なお、表1では、DCドリフトは発生していないものとしている。
Figure 2010028528
ここで、2連光パルスの相対位相は、その2連光パルスの各パルスの種類の組み合わせに応じて決定される。各パルスの種類は、上述のようにφ1およびφ2の組み合わせに応じて決定されるので、2連光パルスの相対位相は、φ1およびφ2の組み合わせに応じて決定されることになる。
2連光パルスの相対位相が4値に変調されれば、2連光パルスは、その4値によって、4つの状態に分けることができる。この2連光パルスの4つの状態は、量子鍵配布に必要なBB84状態となる。
次に、DCドリフトが発生した場合について考察する。
DCドリフトが発生した場合、位相変調器12および13が設けられた光路に光路差が変化するため、それらの光路を伝送する光パルスの位相の間にずれが生じる。このずれは、位相変調器12または13が行う位相変調の値がずれたとみなすことができる。以下は、DCドリフトによって、位相変調器13が行う位相変調の値φ2がφ2+δと変化したとみなす。
この場合、光パルスの種類(φ1およびφ2の組み合わせ)と、変調器1から出力される光パルスの強度との関係は、表2のようになる。
Figure 2010028528
なお、表2において、DCドリフトがない場合(δ=0の場合)には、光パルスの強度が全て1/2となり、光パルスの種類と強度との関係は、表1で示した関係と一致する。また、DCドリフトによる影響が大きくなるに従い、δが大きくなるので、光パルスの強度の変化も大きくなる。
表2から分かるように、強度がsinδ/2だけ増加する光パルスは、2種類あり、強度がsinδ/2だけ減少する光パルスは、2種類ある。したがって、背景技術のように4種類の光パルスが互いに等しい割合で使用されて、BB84状態の2連光パルスが生成されると、強度がsinδ/2だけ増加する光パルスと、強度がsinδ/2だけ減少する光パルスとが等しい割合で使用されることになる。このため、変調器1から出力される光パルスの強度の変化が相殺される。よって、変調器1から出力される光パルスの平均強度が変化しないので、DCドリフトを容易に検知することができない。
本実施形態では、制御部15は、光カップラー14で結合される2連光パルスの各光パルスの種類(つまり、φ1およびφ2の組み合わせ)のそれぞれが不均一な割合で使用され、かつ、光カップラー14で結合される2連光パルスの相対位相が4値に変調されるように、位相変調器12および13を制御する。
例えば、制御部15は、以下の第1ないし第4の位相変調がランダムに行われるように位相変調器12および13を制御する。
第1の位相変調では、2連光パルスの各光パルスにφ1=θかつφ2=θ+90°の組み合わせが使用される。この場合、互いに強度が等しく、相対位相が0°の2連光パルスが生成される。以下、この2連パルスの状態を、第1の状態と呼ぶ。
第2の位相変調では、2連光パルスの前光パルスにφ1=θかつφ2=θ+90°の組み合わせが使用され、後光パルスにφ1=θ+180°かつφ2=θ+270°の組み合わせが使用される。この場合、互いに強度が等しく、相対位相が180°の2連光パルスが生成される。以下、この2連パルスの状態を、第2の状態と呼ぶ。
第3の位相変調では、2連光パルスの前光パルスにφ1=θ+180°かつφ2=θ+270°の組み合わせが使用され、後光パルスにφ1=θかつφ2=θ+270°の位相変調が使用される。この場合、互いに強度が等しく、相対位相が90°の2連光パルスが生成される。以下、この2連パルスの状態を、第3の状態と呼ぶ。
第4の位相変調は、2連光パルスの前光パルスにφ1=θ+180°かつφ2=θ+270°の組み合わせが使用され、後光パルスにφ1=θ+180°かつφ2=θ+90°の組み合わせが使用される。この場合、互いに強度が等しく、相対位相が270°の2連光パルスが生成される。以下、この2連パルスの状態を、第4の状態と呼ぶ。
このような第1ないし第4の位相変調が行われることで、光カップラー14で結合される2連光パルスの相対位相が4値に変調されることになる。また、第1の状態および第2の状態は、X基底に属する2つの状態を構成し、第3の状態および第4の状態は、Y基底に属する2つの状態を構成する。また、X基底に属する2つの状態と、Y基底に属する2つの状態とは、位相基底を用いた量子鍵配付に必要な4つの状態(BB84状態)を生成することができる。
次に効果を説明する。
本実施形態では、制御部15は、位相変調の値φ1およびφ2の組み合わせのそれぞれが不均一な割合で使用され、かつ、光カップラー14で結合される2連光パルスの相対位相が4値に変調されるように、位相変調器12および13を制御する。
これにより、強度が増加する光パルスと、強度が減少する光パルスとが不均一な割合で使用されるので、2連光パルスの各パルスの平均強度は、DCドリフトに応じて変化することになる。したがって、平均強度の変化に基づいて、DCドリフトを検知することが可能になるので、DCドリフトを容易に検知することが可能になる。
また、本実施形態では、制御部15は、以下の第1ないし第4の位相変調がランダムに行われるように位相変調器12および13を制御する。第1の位相変調では、2連光パルスの各光パルスにφ1=θかつφ2=θ+90°の組み合わせが使用される。第2の位相変調では、2連光パルスの前光パルスにφ1=θかつφ2=θ+90°の組み合わせが使用され、後光パルスにφ1=θ+180°かつφ2=θ+270°の組み合わせが使用される。第3の位相変調では、2連光パルスの前光パルスにφ1=θ+180°かつφ2=θ+270°の組み合わせが使用され、後光パルスにφ1=θかつφ2=θ+270°の位相変調が使用される。第4の位相変調は、2連光パルスの前光パルスにφ1=θ+180°かつφ2=θ+270°の組み合わせが使用され、後光パルスにφ1=θ+180°かつφ2=θ+90°の組み合わせが使用される。
この場合、位相変調器12および13のそれぞれが位相変調を行った光パルスのマーク率が50%になる。つまり、φ1では、θおよびθ+180°が互いに等しい割合で使用され、φ2では、θ+90°およびθ+270°が互いに等しい割合で使用される。高周波向けの変調器のドライバICの多くは、マーク率が50%の状態で最も良い性能となるように設計されているため、ドライバICの設計を変更しなくても、性能の良い変調器を作ることが可能になる。
次に第2の実施形態について説明する。
図2は、本発明の第2の本実施形態の送信機を示した模式図である。図2において、送信機101は、レーザー光源(LD)102と、光回路103と、変調器104と、光カップラー105と、パワーメーター106と、制御用アンプ107とを含む。なお、本実施形態では、送信機101が位相基底符号化装置の一例である。
レーザー光源102は、光パルス109を出力する。
光回路103は、例えば、非対称マッハツェンダー干渉計である。光回路103は、レーザー光源102から出力された光パルスから、2連光パルス110を生成する。
変調器104は、図1で示した変調器1と同じ構成および機能を有する。したがって、変調器104の構成および機能の詳細な説明は、省略する。
光カップラー105は、分離手段の一例である。光カップラー105は、変調器104で相対位相が4値に変調された2連光パルスを2つに分岐する。
パワーメーター106は、測定手段の一例である。パワーメーター106は、変調器104の光カップラー14にて結合された2連光パルスの強度に応じた対象値を測定する。具体的には、パワーメーター106は、光カップラー105が分岐した2連光パルスの一方の強度を、対象値として測定する。
また、パワーメーター106は、光カップラー14から放射される放射モード光の強度を、対象値として測定してもよい。この場合、光カップラー105は不必要となる。
制御用アンプ107は、調整手段の一例である。制御用アンプ107は、パワーメーター106が測定した対象値に応じて、変調器104の位相変調器12および13のそれぞれが行う位相変調の値のうち、少なくとも一方の値を調整する。
次に動作を説明する。
レーザー光源102は、光パルス109を光回路103に入力する。
光回路103は、その入力された光パルス109から、2連光パルス110を生成する。具体的には、光回路103では、光パルス109が互いに光路長の異なる2つの光路に分岐され、それらの光路を通過した各光パルスが結合される。これにより、2連光パルスが生成される。
光回路103は、その生成した2連光パルス110を、変調器104の光カップラー11に入力する。光カップラー11は、その2連光パルスを2つに分岐し、その分岐した2連光パルスの一方を位相変調器12に入力し、その分岐した2連光パルスの他方を位相変調器13に入力する。
また、制御部15は、第1ないし第4の位相変調のいずれかを定期的にランダムに選択し、その選択した位相変調を示す制御信号を、位相変調器12および13のそれぞれに出力する。
位相変調器12および13は、光カップラー11から2連光パルスが入力されると、その2連光パルスに、そのときに入力されている制御信号が示す位相変調を行う。位相変調器12および13は、その位相変調を行った2連光パルスを光カップラー14に出力する。
光カップラー14は、位相変調器12および13のそれぞれが出力した2連光パルスを結合する。
この結合された2連光パルスは、位相変調器12および13が行う位相変調の値に応じて、互いに相対位相が異なる4つの状態111({|0>+|1>}、|0>−|1>}、{|0>+i|1>}および{|0>−i|1>})のうちのいずれかの状態を示す。
ここで、4つの状態のうち、状態{|0>+|1>}は相対位相が0°の2連光パルス(第1の状態)に対応し、状態{|0>−|1>}は相対位相が180°の2連光パルス(第2の状態)に対応し、状態{|0>+i|1>}は相対位相が90°の2連光パルス(第3の状態)に対応し、状態{|0>−i|1>}は相対位相が270°の2連光パルス(第4の状態)に対応する。
光カップラー14は、その結合した2連光パルスを変調器104から出力する。
光カップラー105には、変調器104から出力された2連光パルスが入力される。光カップラー105は、その入力された2連光パルスを2つに分岐し、その分岐した2連光パルスの一方を、光ファイバー108を介して受信器(不図示)に出力する。また、光カップラー105は、その分岐した2連光パルスの他方をパワーメーター106に入力する。
パワーメーター106は、光カップラー105から入力された2連光パルスの平均強度を測定し、その測定結果に比例した電流信号を制御用アンプ107に入力する。なお、2連光パルスの平均強度がDCドリフトに依存するので、この電流信号は、DCドリフトによる位相変調器12および13が行う位相変調の値のずれを反映する。
制御用アンプ107は、パワーメーター106から入力された電流信号の値が位相変調の値のずれを表すように、適当な信号処理(例えば、所定量の増幅)を行い。制御用アンプ107は、その信号処理を行った電流信号を位相変調器12および13の少なくともどちらか一方に出力する。本実施形態では、制御用アンプ107は、位相変調器13に電流信号を出力するものとする。
位相変調器13は、制御用アンプ107から入力された電流信号の値に応じて、位相変調値の値を変える。例えば、位相変調器13は、位相変調の値θ+90°およびθ+180°をθ+90°−δおよびθ+180°―δに変える。なお、δの値は、電流信号の値に応じて変化する。これにより、DCドリフトによる位相変調の値のずれを補正することができる。
次に効果を説明する。
本実施形態では、パワーメーター106は、光カップラー14にて結合された2連光パルスの強度に応じた対象値を測定する。制御用アンプ107は、パワーメーター106が測定した対象値に応じて、位相変調器12および13のそれぞれが行う位相変調の値のうち、少なくとも一方の値を調整する。
この場合、対象値は、DCドリフトによる位相変調の値のずれを反映するので、そのDCドリフトによる位相変調の値のずれを補償することが可能になる。
また、本実施形態では、パワーメーター106は、光カップラー105にて分岐された2連光パルスの一方の強度を対象値として測定してもよいし、光カップラー14から放射された放射モード光の強度を対象値として測定してもよい。
これらの場合では、対象値を容易に測定することが可能になる。
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。つまり、本明細書および本請求の範囲による開示内において、その基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更および調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素の組み合わせおよび選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む明細書の全開示および技術的思想にしたがって当業者であればなし得る各種変形および修正を含む。なお、非特許文献1および2と、特許文献1における各開示を、引用を持って本書に繰り込むものとする。
本発明の第一の実施形態の変調器を示したブロック図である。 本発明の第二の実施形態の送信機を示した模式図である。 関連技術の送信機を示した模式図である。
符号の説明
1、104 変調器
11、14、105 光カップラー
12、13 位相変調器
15 制御部
101 送信機
102 レーザー光源
103 光回路
106 パワーメーター
107 制御用アンプ
108 光ファイバー
109 光パルス
110 2連光パルス
111 2連光パルスの状態

Claims (10)

  1. 前光パルスと、前記前光パルスに後続する後光パルスと、を含む入力2連光パルスを2つに分岐する分岐手段と、
    前記分岐手段が分岐した入力2連光パルスの一方の前光パルスおよび後光パルスのそれぞれに、2値の位相変調を行う第1の位相変調手段と、
    前記分岐手段が分岐した入力2連光パルスの他方の前光パルスおよび後光パルスのそれぞれに、前記第1の位相変調手段が行う位相変調の値と異なる2値の位相変調を行う第2の位相変調手段と、
    前記第1の位相変調手段および前記第2の位相変調手段のそれぞれで位相変調が行われた各入力2連光パルスを結合して、各入力2連光パルスの前光パルスに行われた位相変調の値の組み合わせと、各入力2連光パルスの後光パルスに行われた位相変調の値の組み合わせと、に応じた相対位相を有する前光パルスおよび後光パルスを含む出力2連光パルスを生成する結合手段と、
    前記相対位相が4値に変調され、かつ、前記位相変調の値の組み合わせのそれぞれが不均一な割合で使用されるように、前記第1の位相変調手段および前記第2の位相変調手段を制御する制御手段と、を含む位相基底符号化装置。
  2. 請求項1に記載の位相基底符号化装置において、
    前記第1の位相変調手段が行う位相変調の値φ1は、θを任意の値とした場合、θまたはθ+180°であり、
    前記第2の位相変調手段が行う位相変調の値φ2は、θ+90°またはθ+270°であり、
    前記制御手段は、各入力2連光パルスの前光パルスおよび後光パルスの両方にφ1=θかつφ2=θ+90°の組み合わせを使用する位相変調と、各入力2連光パルスの前光パルスにφ1=θかつφ2=θ+90°の組み合わせを使用し、かつ、各入力2連光パルスの後光パルスにφ1=θ+180°かつφ2=θ+270°の組み合わせを使用する位相変調と、各入力2連光パルスの前光パルスにφ1=θ+180°かつφ2=θ+270°の組み合わせを使用し、かつ、各入力2連光パルスの後光パルスにφ1=θかつφ2=θ+270°の組み合わせを使用する位相変調と、各入力2連光パルスの前光パルスにφ1=θ+180°かつφ2=θ+270°の組み合わせを使用し、かつ、各入力2連光パルスの後光パルスにφ1=θ+180°かつφ2=θ+90°の組み合わせを使用する位相変調と、がランダムに行われるように、前記第1の位相変調手段および第2の位相変調手段を制御する、位相基底符号化装置。
  3. 請求項1または2に記載の位相基底符号化装置において、
    前記結合手段にて結合された出力2連光パルスの強度に応じた対象値を測定する測定手段と、
    前記測定手段が測定した対象値に応じて、前記第1の位相変調器および前記第2の位相変調器のそれぞれが行う位相変調の値のうち、少なくとも一方の値を調整する調整手段と、を含む位相基底符号化装置。
  4. 請求項3に記載の位相基底符号化装置において、
    前記結合手段にて結合された出力2連光パルスを2つに分岐する分離手段を含み、
    前記測定手段は、前記分離手段が分岐した出力2連光パルスの一方の強度を、前記対象値として測定する、位相基底符号化装置。
  5. 請求項3に記載の位相基底符号化装置において、
    前記測定手段は、前記結合手段から放射された放射モード光の強度を、前記対象値として測定する、位相基底符号化装置。
  6. 前光パルスと前記前光パルスに後続する後光パルスとを含む入力2連光パルスを2つに分岐する分岐手段と、前記分岐手段が分岐した入力2連光パルスの一方の前光パルスおよび後光パルスのそれぞれに、2値の位相変調を行う第1の位相変調手段と、前記分岐手段が分岐した入力2連光パルスの他方の前光パルスおよび後光パルスのそれぞれに、前記第1の位相変調手段が行う位相変調の値と異なる2値の位相変調を行う第2の位相変調手段と、前記第1の位相変調手段および前記第2の位相変調手段のそれぞれで位相変調が行われた各入力2連光パルスを結合して、各入力2連光パルスの前光パルスに行われた位相変調の値の組み合わせと、各入力2連光パルスの後光パルスに行われた位相変調の値の組み合わせと、に応じた相対位相を有する前光パルスおよび後光パルスを含む出力2連光パルスを生成する結合手段と、を含む位相基底符号化装置による位相基底符号化方法であって、
    前記相対位相が4値に変調され、かつ、前記位相変調の値の組み合わせのそれぞれが不均一な割合で使用されるように、前記第1の位相変調手段および前記第2の位相変調手段を制御する、位相基底符号化方法。
  7. 請求項6に記載の位相基底符号化方法において、
    前記第1の位相変調手段が行う位相変調の値φ1は、θを任意の値とした場合、θまたはθ+180°であり、
    前記第2の位相変調手段が行う位相変調の値φ2は、θ+90°またはθ+270°であり、
    各入力2連光パルスの前光パルスおよび後光パルスの両方にφ1=θかつφ2=θ+90°の組み合わせを使用する位相変調と、各入力2連光パルスの前光パルスにφ1=θかつφ2=θ+90°の組み合わせを使用し、かつ、各入力2連光パルスの後光パルスにφ1=θ+180°かつφ2=θ+270°の組み合わせを使用する位相変調と、各入力2連光パルスの前光パルスにφ1=θ+180°かつφ2=θ+270°の組み合わせを使用し、かつ、各入力2連光パルスの後光パルスにφ1=θかつφ2=θ+270°の組み合わせを使用する位相変調と、各入力2連光パルスの前光パルスにφ1=θ+180°かつφ2=θ+270°の組み合わせを使用し、かつ、各入力2連光パルスの後光パルスにφ1=θ+180°かつφ2=θ+90°の組み合わせを使用する位相変調と、がランダムに行われるように、前記第1の位相変調手段および第2の位相変調手段を制御する、位相基底符号化方法。
  8. 請求項6または7に記載の位相基底符号化方法において、
    前記結合手段にて結合された出力2連光パルスの強度に応じた対象値を測定し、
    前記測定された対象値に応じて、前記第1の位相変調器および前記第2の位相変調器のそれぞれが行う位相変調の値のうち、少なくとも一方の値を調整する、位相基底符号化方法。
  9. 請求項8に記載の位相基底符号化方法において、
    前記結合手段が結合した出力2連光パルスを2つに分岐し、
    前記分岐された出力2連光パルスの一方の強度を、前記対象値として測定する、位相基底符号化方法。
  10. 請求項8に記載の位相基底符号化方法において、
    前記結合手段から放射された放射モード光の強度を、前記対象値として測定する、位相基底符号化方法。
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