JP2013160435A - 熱源選択支援装置及びその方法並びに熱源システム - Google Patents

熱源選択支援装置及びその方法並びに熱源システム Download PDF

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Abstract

【課題】選択可能な複数の熱源が存在する場合に、利用する熱源の選択を支援することを目的とする。
【解決手段】設定部51は、熱源システムが利用可能な複数の熱源のそれぞれおよび熱源の組み合わせからなる複数の熱源の選択肢を設定する。動力推定部52は、設定部51によって設定された選択肢のそれぞれについて、熱源システム全体で消費される消費動力を推定する。選択部53は、動力推定部52によって推定された消費動力が最も小さい選択肢を選択し、表示部54は選択部53によって選択された選択肢の熱源をお勧めの利用熱源として表示する。
【選択図】図3

Description

本発明は、利用可能な複数の熱源が存在する熱源システムに適用され、利用する熱源の選択を支援する熱源選択支援装置及びその方法並びにこれを備える熱源システムに関するものである。
工場プロセスや空調など様々な用途において、ある熱媒への排熱や、熱媒からの採熱が行われる。排熱、採熱される熱の温度や量は様々であり、最近ではある地点で排熱した熱を別の地点で採熱するなどして、熱を有効利用する「熱融通」という考え方が提案され、注目されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1には、工場や地域などの域内で発生した熱を相互に補完するようにエンドループを形成し、複数の地点における熱の有効利用を可能とする技術が開示されている。
このような熱融通は、工場程度の規模から都市のような大規模な場合もあり、規模は様々である。
また、近年、都市などでは、下水処理水や下水などの下水熱を用いた熱融通が期待されている(例えば、特許文献2参照)。
国際公開第2002/065034号 特開2008−241226号公報
このような熱融通の導入は、熱源システムに用いられる熱源として新たな選択肢を提供するものとして期待されている。例えば、水冷式冷却塔で熱源機の排熱を処理している熱源システムにおいては、水冷式冷却塔を用いて大気に排熱する他に、下水を熱源として排熱するという選択肢が加わることになる。
本発明は、上述のように、熱源システムにおいて、利用可能な複数の熱源が存在する場合に、利用する熱源の選択を支援する熱源選択支援装置及びその方法並びに熱源システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、利用可能な複数の熱源が存在する熱源システムに適用され、利用する熱源の選択を支援する熱源選択支援装置であって、利用可能な複数の前記熱源のそれぞれおよび該熱源の組み合わせからなる複数の利用態様のうち、少なくとも2つの利用態様を選択肢として設定する設定手段と、前記設定手段によって設定された前記選択肢のそれぞれについて、前記熱源システム全体で消費される消費動力を推定する動力推定手段と、前記動力推定手段によって推定された前記消費動力が最も小さい選択肢を選択する選択手段とを具備する熱源選択支援装置を提供する。
本発明によれば、設定手段により、利用可能な複数の熱源のそれぞれおよび該熱源の組み合わせからなる複数の利用態様のうち、少なくとも2つの利用態様が選択肢として設定され、設定された選択肢のそれぞれについて、熱源システム全体の消費動力が動力推定手段により推定される。動力推定手段によって推定された消費動力のうち、最も小さい消費動力の選択肢が選択手段によって選択される。消費動力が小さいことは、消費される電力量が小さいことを意味し、消費電力量が小さければコストを抑えることができる。したがって、最も消費動力の小さい選択肢を選択することにより、低コストの利用態様を選択することが可能となる。選択手段によって選択された利用態様は、例えば、お勧めの利用熱源としてユーザに提示される。
利用可能な複数の熱源としては、例えば、大気、井水、地下水、湖水、河川水、海水、下水、水道水などの熱源が挙げられる。
熱源システムとは、目標温度の水や空気等の媒体を製造するシステムであり、流入された水や空気等の媒体を冷却して送出する場合と、流入された水や空気等の媒体を加熱して送出する場合とがある。
上記熱源選択支援装置において、前記動力推定手段は、複数の前記熱源の組み合わせからなる前記選択肢については、構成要素である前記熱源のそれぞれの利用可能量の範囲内で各前記熱源の利用率を複数パターン設定し、該パターンのそれぞれについて、前記消費動力を推定することとしてもよい。
このように、複数の熱源を併用する選択肢については、各熱源の利用率を変化させた複数のパターンを設定し、これらパターンのそれぞれについて、熱源システム全体の消費動力が推定されるので、各熱源の組み合わせだけではなく、好適な利用率まで決定することができる。
上記熱源選択支援装置は、前記動力推定手段によって推定された消費動力に基づいて消費コストを算出するとともに、算出した消費コストに各前記熱源に特有の消費コストを加算することにより、各前記選択肢における総消費コストを算出する消費コスト算出手段を備え、前記選択手段は、前記総消費コストが最も小さい選択肢を選択することとしてもよい。
消費動力が小さければ消費電力量が小さくなるため、消費動力が小さければコストも低いという関係が成り立つ一方で、例えば、熱源システムを運転していく上で、消費電力量だけではない特有のコストがかかる場合もある。例えば、冷却塔を備える熱源システムにおいては、冷却塔で蒸発された冷却水を補充する必要があり、電力量とは別に水の補給に関するコストが発生する。このように、電力コスト以外のコストが発生する熱源においては、予めそのコストを登録しておき、消費動力から求めた消費コストに加算することとするので、最もコストのかからない利用熱源の選択精度を向上させることができる。
本発明は、利用可能な複数の熱源が存在する熱源システムに適用され、利用する熱源の選択を支援する熱源選択支援装置であって、一の前記熱源のみを優先的に選択する優先期間を予め設定しておき、該優先期間においては一の前記熱源を選択し、前記優先期間において、一の前記熱源を用いて冷却または昇温される冷媒の温度が予め設定されている目標温度に達しない場合に、他の熱源との併用を選択する熱源選択支援装置を提供する。
本発明によれば、一の熱源のみを利用する優先期間が予め設定されており、その優先期間においては一の熱源のみが利用する熱源として選択される。また、この優先期間において、一の熱源を用いて冷却または昇温される熱媒の温度が予め設定されている目標温度に達しない場合には、他の熱源との併用が選択されることとなる。これにより、複雑な演算処理を行うことなく、利用する熱源を容易に選択できるとともに、その熱源による熱媒の冷却または昇温能力が不足している場合には、他の熱源が利用する熱源として追加選択されるので、熱媒の冷却または昇温能力を常に一定以上に保つことが可能となる。これにより、冷却または昇温能力を一定以上に保ちながら安価な熱源の利用態様を選択することが可能となる。
上記優先期間は、熱負荷や一の熱源の温度推移などの過去のデータに基づいて決定されるとよい。
本発明は、上記のいずれかに記載の熱源選択支援装置を備える熱源システムを提供する。
本発明は、利用可能な複数の熱源が存在する熱源システムに適用され、利用する熱源の選択を支援する熱源選択支援方法であって、利用可能な複数の前記熱源のそれぞれおよび該熱源の組み合わせからなる複数の利用態様のうち、少なくとも2つの利用態様を選択肢として設定し、前記選択肢のそれぞれについて、前記熱源システム全体で消費される消費動力を推定し、推定した前記消費動力が最も小さい選択肢を選択する熱源選択支援方法を提供する。
本発明は、利用可能な複数の熱源が存在する熱源システムに適用され、利用する熱源の選択を支援する熱源選択支援方法であって、一の前記熱源のみを優先的に選択する優先期間を予め設定しておき、該優先期間においては一の前記熱源を選択し、前記優先期間において、一の前記熱源を用いて冷却または昇温される熱媒の温度が予め設定されている目標温度に達しない場合に、他の熱源との併用を選択する熱源選択支援方法を提供する。
本発明によれば、選択可能な複数の熱源が存在する場合に、利用する熱源の選択を支援することができるという効果を奏する。
本発明の第1実施形態に係る熱源システムの構成を概略的に示した図である。 本発明の第1実施形態に係る熱源選択支援装置のハードウェア構成を示した図である。 図1に示した熱源選択支援装置が備える機能を展開して示した機能ブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る動力推定部により実行される消費動力の推定方法の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る動力推定部により実行される消費動力の推定方法の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る動力推定部により実行される消費動力の推定方法の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る動力推定部により実行される消費動力の推定方法の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る動力推定部により実行される消費動力の推定方法の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る熱源システムの構成を概略的に示した図である。 本発明の第2実施形態に係る動力推定部により実行される消費動力の推定方法の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る動力推定部により実行される消費動力の推定方法の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る動力推定部により実行される消費動力の推定方法の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る熱源システムの構成を概略的に示した図である。 本発明の第3実施形態に係る動力推定部により実行される消費動力の推定方法の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る動力推定部により実行される消費動力の推定方法の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る動力推定部により実行される消費動力の推定方法の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る動力推定部により実行される消費動力の推定方法の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第4実施形態に係る熱源システムの構成を概略的に示した図である。 本発明の第4実施形態に係る動力推定部により実行される消費動力の推定方法の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第4実施形態に係る動力推定部により実行される消費動力の推定方法の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第4実施形態に係る動力推定部により実行される消費動力の推定方法の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第4実施形態に係る動力推定部により実行される消費動力の推定方法の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第4実施形態に係る動力推定部により実行される消費動力の推定方法の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第5実施形態に係る熱源システムの構成を概略的に示した図である。 本発明の第5実施形態に係る動力推定部により実行される消費動力の推定方法の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第5実施形態に係る動力推定部により実行される消費動力の推定方法の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第5実施形態に係る動力推定部により実行される消費動力の推定方法の処理手順を示したフローチャートである。 本発明の第5実施形態に係る動力推定部により実行される消費動力の推定方法の処理手順を示したフローチャートである。 夏期の一日における下水熱源装置の冷却水入口温度、水冷式冷却塔の冷却水入口温度、及び熱負荷の推移の一例を示した図である。 冬期の一日における下水熱源装置の熱源水温度、空気熱交換器の外気乾球温度、及び熱負荷の推移の一例を示した図である。 冬期の一日における下水熱源装置の熱源水温度、ヒーティングタワーのブライン入口温度、及び熱負荷の推移の一例を示した図である。 夏期の一日における下水熱源装置の冷却水入口温度、水冷式冷却塔の冷却水入口温度、及び熱負荷の推移の一例を示した図である。
〔第1実施形態〕
以下に、本発明の第1実施形態に係る熱源選択支援装置及びその方法並びに熱源システムについて、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る熱源システムの構成を概略的に示した図である。本実施形態に係る熱源システム1は、流入された冷水を冷却して2次側システムへ供給する熱源システムである。
図1に示すように、熱源システム1は、冷媒を圧縮する圧縮機11、圧縮機11によって圧縮された高温高圧のガス冷媒を凝縮する凝縮器12、および凝縮器12を経由した液冷媒を蒸発させる蒸発器13を備えている。また、熱源システム1は、凝縮器12においてガス冷媒と熱交換される冷却水を冷却する熱源装置として、大気を熱源とする水冷式冷却塔20および下水熱源装置21を備えている。
下水熱源装置21は、熱交換器22において下水と冷却水との間で熱交換を行わせ、冷却水を冷却する。下水熱源装置21は、例えば、熱交換器22、下水ポンプを構成要素として有している。水冷式冷却塔20は冷水と熱交換を行うことで、冷却水を冷却する。
また、熱源システム1は、冷水入口温度Tliを測定する温度センサ30、冷水出口温度Tloを測定する温度センサ31、冷水流量Fchを測定する流量センサ32、冷却水入口温度Thiを測定する温度センサ33、冷却水出口温度Thoを測定する温度センサ34、冷却水流量Fctを測定する流量センサ35、熱交換器22に流入する下水の温度である下水入口温度Tuiを測定する温度センサ36、熱交換器22において冷却水と熱交換された後の下水の温度である下水出口温度Tuoを測定する温度センサ37、下水流量Fuを測定する流量センサ38、および水冷式冷却塔20における外気の湿球温度Twbを測定する温度センサ39を備えている。
このような熱源システム1によれば、圧縮機11から送出された高温高圧のガス冷媒は凝縮器12において冷えた冷却水と熱交換されることにより液冷媒となり、蒸発器13に送られる。蒸発器13では、冷えた液冷媒と冷水との間で熱交換が行われることにより冷水が冷却される。冷却された冷水は2次側のシステムに供給される。また、蒸発器13において冷水と熱交換を行うことにより温められた液冷媒は圧縮機11に送られる。
また、上記熱源システム1において、各センサ30〜39によって測定された計測値は、熱源選択支援装置2へ送信される。
熱源選択支援装置2は、例えば、コンピュータシステム(計算機システム)であり、図2に示すように、CPU(中央演算処理装置)41、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置42、補助記憶装置43、キーボードやマウスなどの入力装置44、及びディスプレイやプリンタなどの出力装置45、外部の機器と通信を行うことにより情報の授受を行う通信装置46などを備えている。
補助記憶装置43は、コンピュータ読取可能な記録媒体であり、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等である。この補助記憶装置43には、各種プログラムが格納されており、CPU41が補助記憶装置43から主記憶装置42にプログラムを読み出し、実行することにより後述の各種処理が実現される。
図3は、熱源選択支援装置2が備える機能を展開して示した機能ブロック図である。図3に示されるように、熱源選択支援装置2は、設定部(設定手段)51、動力推定部(動力推定手段)52、選択部(選択手段)53、および表示部(表示手段)54を備えている。
設定部51は、熱源システム1が利用可能な複数の熱源のそれぞれおよび該熱源の組み合わせからなる複数の利用態様のうち、少なくとも2つの利用態様を選択肢として設定する。本実施形態では、選択肢として、下水を熱源とする下水熱源装置21のみを用いる利用態様、水を熱源とする水冷式冷却塔20のみを用いる利用態様、および水冷式冷却塔20と下水熱源装置21とを併用する利用態様の3つの選択肢が設定される。
ここでは、熱源システムが利用可能な熱源として2つを例示しているが、例えば、3つ以上の場合には、そのうちの2つをそれぞれ組み合わせた場合と、3つを組み合わせについて更に選択肢が設定されることとなる。また、4つ以上の場合も同様とする。また、このような複数の利用態様からなる選択肢の設定は、例えば、ユーザなどによって予め登録されており、その登録情報を読み出すことにより各選択肢を設定することとしてもよいし、熱源の情報だけが登録されており、複数の熱源の中から可能な組み合わせを自動的に設定することとしてもよい。このように、選択肢の設定手法については特に限定されない。
また、選択肢は、最低2つ設定されれば良く、考えられる全ての利用態様が選択肢として設定される必要はない。また、季節や時間帯によって、設定される選択肢の内容を変化させることとしてもよい。例えば、夏季であれば、水冷式冷却塔20よりも下水熱源装置21の方が有利であることから、水冷式冷却塔20のみを使用する利用態様を選択肢から排除することとしてもよい。
動力推定部52は、設定部51によって設定された選択肢のそれぞれについて、熱源システム全体で消費される消費動力を推定する。なお、消費動力の推定方法については後述する。
選択部53は、動力推定部52によって推定された消費動力が最も小さい選択肢をお勧めの利用熱源として選択する。
表示部54は、選択部53によって選択された選択肢を表示することにより、お勧めの利用熱源をユーザに提示する。
次に、動力推定部52により実行される消費動力の推定方法について図4から図8を参照して説明する。
まず、動力推定部52は、消費動力を算出するのに必要となる各種データを取得する(図4のステップSA1)。取得するデータの一例としては、冷水出口温度Tlo、冷水流量Fch、冷却水流量Fct、下水入口温度Tui、下水流量Fu、冷却塔20における湿球温度Twb、冷却能力Q、定格冷却能力Qrなどが挙げられる。
次に、下水熱源装置21のみを利用する選択肢、水冷式冷却塔20のみを利用する選択肢、および下水熱源装置21と水冷式冷却塔20を併用する選択肢のそれぞれについて、熱源システム全体の消費動力を推定する(ステップSA2,SA3,SA4)。続いて、推定したそれぞれの選択肢の消費動力を各選択肢と対応付けて選択部53に出力し(ステップSA5)、処理を終了する。
次に、図4のステップSA2において行われる下水熱源装置21のみを使用する場合の消費動力の算出方法について図5を参照して説明する。
まず、ステップSB1において、下水熱源装置21を利用する場合の冷凍サイクルの熱源機負荷率Lfを算出する。熱源機負荷率Lfは、例えば、以下の(1)式で求められる。
Lf=Q/Qr (1)
(1)式において、Qは冷却能力、Qrは定格冷却能力である。
次に、ステップSB2において、冷却水入口温度を推定する。冷却水入口温度の推定値Thi_1は、例えば、以下の(2)式で求められる。
Thi_1=Tui+ΔTu (2)
(2)式において、Tuiは下水入口温度、ΔTuは熱交換器22の性能により決定される定数である。なお、熱源システム1の運転中など、図1に示した温度センサ33によって冷却水入口温度が測定されている場合には、温度センサ33の計測値を上記推定値Thi_1に代えて用いることとしてもよい。
次に、ステップSB3において、冷却水出口温度を推定する。冷却水出口温度の推定値Tho_1は、例えば、以下の(3)式で求められる。
Tho_1=Thi_1+ΔTh*Lf (3)
(3)式において、Thi_1はステップSB2において求めた冷却水入口温度の推定値、ΔThは凝縮器12の性能により決定される定数、Lfは熱源機負荷率である。なお、熱源システム1の運転中など、図1に示した温度センサ34によって冷却水出口温度が測定されている場合には、温度センサ34の計測値を上記推定値Tho_1に代えて用いることとしてもよい。
次に、ステップSB4において、冷却COP_1を算出する。冷却COP_1は、例えば、以下の(4)式で求められる。
COP_1=f(Tlo,Tho_1,Lf) (4)
(4)式において、Tloは冷水出口温度、Tho_1はステップSB3で求められた冷却水出口温度の推定値、Lfは熱源機負荷率である。COP_1は、これらをパラメータとして含む所定の関数により求めることができる。
次に、ステップSB5において、熱源機動力Pr_1を算出する。熱源機動力Pr_1は、例えば、以下の(5)式で求められる。
Pr_1=Q/COP_1 (5)
(5)式において、Qは冷却能力、COP_1はステップSB4で求めた冷却COP_1である。
次に、ステップSB6において、下水ポンプ動力Puを、ステップSB7において冷水ポンプ動力Pchを、ステップSB8において冷却水ポンプ動力Pctを、予め保有しているそれぞれの関数に基づいて算出する。
例えば、下水ポンプ動力Puは、(6)式に示すように、下水流量Fuの関数とされており、冷水ポンプ動力Pchは(7)式に示すように冷水流量Fchの関数とされており、冷却水ポンプ動力Pctは(8)式に示すように冷却水流量Fctの関数とされている。
Pu=f(Fu) (6)
Pch=f(Fch) (7)
Pct=f(Fct) (8)
次に、ステップSB9において、熱源システム全体の消費動力を算出し、処理を終了する。下水熱源装置21のみを利用した場合のシステム全体の消費動力P_1は、例えば、以下の(9)式で求められる。
P_1=Pr_1+Pch+Pct+Pu (9)
次に、図4のステップSA3において行われる水冷式冷却塔20のみを使用する場合の消費動力の算出方法について図6を参照して説明する。
まず、ステップSC1において、上記(1)式を用いて熱源機負荷率Lfを算出する。
次に、ステップSC2において冷却水入口温度を推定する。冷却水入口温度の推定値Thi_2は、例えば、以下の(11)式で求められる。
Thi_2=Twb+ΔTwb (11)
(11)式において、Twbは水冷式冷却塔20における湿球温度、ΔTwbは水冷式冷却塔20の性能により決定される定数である。なお、熱源システム1の運転中など、図1に示した温度センサ33によって冷却水入口温度が測定されている場合には、温度センサ33の計測値を上記推定値Thi_2に代えて用いることとしてもよい。
次に、ステップSC3において、冷却水出口温度を推定する。冷却水出口温度の推定値Tho_2は、例えば、以下の(12)式で求められる。
Tho_2=Thi_2+ΔTh*Lf (12)
(12)式において、Thi_2はステップSC2において求めた冷却水入口温度の推定値、ΔThは凝縮器12の性能により決定される定数、LfはステップSC1で算出した熱源機負荷率である。なお、熱源システム1の運転中など、図1に示した温度センサ34によって冷却水出口温度が測定されている場合には、温度センサ34の計測値を上記推定値Tho_2に代えて用いることとしてもよい。
次に、ステップSC4において、冷却COP_2を算出する。冷却機COP_2は、例えば、以下の(13)式で求められる。
COP_2=f(Tlo,Tho_2,Lf) (13)
(13)式において、Tloは冷水出口温度、Tho_2はステップSC3で算出した冷却水出口温度の推定値、LfはステップSC1で算出した熱源機負荷率である。COP_2はこれらをパラメータとした関数により求められる。
次に、ステップSC5において、熱源機動力Pr_2を算出する。熱源機動力Pr_2は、例えば、以下の(14)式で求められる。
Pr_2=Q/COP_2 (14)
(14)式において、Qは冷却能力、COP_2はステップSC4で求めた冷却COPである。
次に、ステップSC6において、熱源機排熱量を算出する。熱源機排熱量Qexは、例えば、以下の(15)式で求められる。
Qex=Q+Pr_2 (15)
(14)式において、Qは冷却能力、Pr_2はステップSC5で求めた熱源機動力である。
次に、ステップSC7において冷却塔ファン動力Pfanを、ステップSC8において冷水ポンプ動力Pchを、ステップSC9において冷却水ポンプ動力Pctを予め保有しているそれぞれの関数を用いて算出する。例えば、冷却塔ファン動力Pfanは、(16)式に示すように、冷却水出口温度Tho_2、湿球温度Twb、及び熱源機排熱量Qexの関数とされている。
Pfan=f(Tho_2,Twb,Qex) (16)
また、冷水ポンプ動力Pch、冷却水ポンプ動力Pctは、上述した(7)式および(8)式と同様の関数を用いてそれぞれ算出される。
次に、ステップSC10において熱源システム全体の消費動力を算出し、処理を終了する。水冷式冷却塔20のみを利用した場合のシステム全体の消費動力P_2は、例えば、以下の(17)式で求められる。
P_2=Pr_2+Pch+Pct+Pfan (17)
次に、図4のステップSA4において行われる下水熱源装置21と水冷式冷却塔20とを併用する場合の消費動力の算出方法について図7及び図8を参照して説明する。
まず、図7のステップSD1において、利用率Ruを設定する。利用率Ruは、冷却水の排熱処理を下水熱源装置21と冷却塔20とにどのような割合で配分するかを示すものである。ここでは、利用率Ruが下水熱源装置21の配分量を示すものとし、利用率Ruが50%よりも大きければ、冷却水の排熱処理に関する下水熱源装置21の配分が大きく、逆に、利用率Ruが50%未満であれば、水冷式冷却塔20の配分が大きいことを示す。なお、利用率Ruは、下水熱源21の利用可能範囲内に設定される。下水熱源21の利用可能範囲とは、例えば、下水熱源21が当該熱源システム1に提供可能な下水熱の熱量や温度に依存し、下水熱源21を管理する管理システムから送信される情報である。
また、本実施形態では、利用率Ruは初期値として50%に設定されるものとする。
次に、ステップSD2において、熱源機負荷率Lfを算出する。熱源機負荷率Lfは以下の(18)式により算出される。
Lf=Q/Qr (18)
次に、ステップSD4において冷却水入口温度を推定し、ステップSD5において冷却水出口温度を推定する。例えば、冷却水入口温度は上記(11)式を用いて、冷却水出口温度は上記(12)式を用いてそれぞれ算出される。なお、上述のように、温度センサ33、34による測定値を用いてもよい。
次に、ステップSD6において、熱交換器22の冷却水出口温度、すなわち、熱交換器22から凝縮器12側へ流出される冷却水温度を推定する。熱交換器22の冷却水出口温度の推定値Thmは、例えば、以下の(18−1)式で算出される。
Thm=Tui+ΔTu (18−1)
ΔTu=f(ΔTu´,Ru) (18−2)
(18−1)式において、Tuiは下水入口温度、ΔTuは(18−2)式により与えられるパラメータであり、熱交換器22の性能により決定される定数ΔTu´と、ステップSD1において設定した利用率Ruにより決定される。下水熱源装置21の配分が増加するほど、下水流量Fuが増加し、下水熱による冷却量が増え、熱交換器22の冷却水出口温度Thmが低くなる。つまり、利用率Ruが大きくなるほど下水流量Fuが増加し、逆に、利用率Ruが小さくなれば下水流量Fuは減少する。
次に、ステップSD7において水冷式冷却塔20における冷却COP_2を算出し、ステップSD8において水冷式冷却塔20における熱源機動力Pr_2を算出し、ステップSD9において水冷式冷却塔20における熱源機排熱量Qexを算出する。
冷却COP_2、熱源機動力Pr_2、熱源機排熱量Qexは、上記(13)式、(14)式、(15)式をそれぞれ用いて算出される。
次に、図8のステップSD10において下水ポンプ動力Puを、ステップSD11において冷却塔ファン動力Pfanを、ステップSD12において冷水ポンプ動力Pchを、ステップSD13において冷却水ポンプ動力Pctを予め保有しているそれぞれの関数に基づいて算出する。下水ポンプ動力、冷水ポンプ動力、冷却水ポンプ動力は、上記(6)式から(8)式をそれぞれ用いて算出される。また、冷却塔ファン動力Pfanは、以下の(19)式を用いて算出される。
なお、下水ポンプ動力Puについては、上述したように、ステップSD1において設定された利用率Ruに応じて下水流量が変化するので、利用率Ruが大きいほど下水ポンプ動力Puも大きな値をとることになる。
Pfan=f(Thm,Qex−Qu) (19)
(19)式において、ThmはステップSD4で求められた熱交換器22の冷却水出口温度、QexはステップSD7で求められた冷凍機排熱量、Quは以下の(19−1)式により算出される下水熱源装置の熱源機排熱量である。
Qu=(Tho_2−Thm)×Fu×γ×C (19−1)
(19−1)式において、Tho_2は凝縮器12の冷却水出口温度の推定値、Thmは熱交換器22の冷却水出口温度の推定値、Fuは下水流量、γは比重量、Cは比熱である。すなわち、下水熱源装置の熱源機排熱量は、下水の出入口温度差と流量とによって算出される。
次に、ステップSD14において、熱源システム全体の消費動力を算出し、処理を終了する。下水熱源装置21と水冷式冷却塔20とを併用した場合のシステム全体の消費動力P_3は、例えば、以下の(20)式で求められる。
P_3=Pr_2+Pch+Pct+Pfan+Pu (20)
(20)式において、Pr_2はステップSD8で求めた熱源機動力、Pch、Pct、Pfan、PuはそれぞれステップSD10からSD13において求めた冷水ポンプ動力、冷却水ポンプ動力、冷却塔ファン動力、下水ポンプ動力である。
このようにして、下水熱源21の熱源利用率50%のときの熱源システム全体の消費動力が算出されると、ステップSD15において、予め設定されている熱源利用率の全てのパターンが終了したか否かを判定する。ここで熱源利用率のパターンは、1つ以上設定されていればよく、例えば、50%、40%、60%の3パターンが挙げられる。この3パターンが登録されている場合、ステップSD15では、これらの3パターンについてそれぞれシステム全体の消費動力が算出されたか否かを判定する。
この結果、全てのパターンについて終了していなければ(図8のステップSD15において「NO」)、図7のステップSD1に戻り、下水熱源21の熱源利用率の設定が再度行われる。これにより、例えば、熱源利用率Ruは40%に設定され、この場合についてのシステム全体の消費動力が算出される。そして、熱源利用率Ruが50%、40%、60%の場合についてのシステム全体の消費動力が算出されると(図8のステップSD15において「YES」)、処理を終了する。
次に、上記構成を備える熱源選択支援装置2の作用について説明する。
まず、設定部51により、下水熱源装置21のみを用いた場合、水冷式冷却塔20のみを用いた場合、下水熱源装置21と水冷式冷却塔20とを併用した場合の3つの選択肢が設定され、動力推定部52に出力される。
動力推定部52は、設定部51によって設定された各選択肢における熱源システム全体としての消費動力を算出する。このとき、下水熱源装置21と水冷式冷却塔20とを併用した場合においては、下水熱源装置21の利用率Ruを変化させたときのそれぞれの利用率Ruに対する熱源システム全体の消費動力を算出する。動力推定部52による算出結果は、選択肢の情報と関連付けられて選択部53に出力される。
選択部53は、動力推定部52によって算出された消費動力のうち、最も消費動力の少ない選択肢を選択して、表示部54に出力する。なお、下水熱源装置21と水冷式冷却塔20とを併用する場合の選択肢を選択した場合には、下水熱源装置21の利用率についても対応付けて表示部54に出力する。また、このとき選択肢の情報だけでなく、動力推定部54によって推定された消費動力の情報も表示部54に出力することとしてもよい。
表示部54は、選択部53によって選択された選択肢および熱源併用の場合の選択肢についてはその利用率Ruを表示する。これにより、熱源システム1を運転させる際の最も効率的な熱源の利用態様が表示部54に表示されることとなる。
以上、説明してきたように、本実施形態に係る熱源システム1、熱源選択支援装置2、及びその方法によれば、設定部51により、熱源システム1において利用可能な複数の熱源の利用態様の選択肢が複数設定され、設定された選択肢のそれぞれについて熱源システム全体の消費動力が動力推定部52により推定される。動力推定部52によって推定された消費動力のうち、最も小さい消費動力の選択肢が選択部53によって選択され、選択された選択肢がお勧めの利用熱源として表示部54に表示される。ここで、消費動力が小さいほど、消費される電力量が小さくなるため、最も消費動力の小さい選択肢を選択することで、コストを最も抑えることのできる熱源の利用態様をユーザに提示することができる。
なお、本実施形態では、下水熱源装置21と水冷式冷却塔20とを併用する場合において(図4のステップSA4参照)、利用率Ruが40%、50%、60%の場合についてのみ、熱源システム全体の消費動力を得ることとしたが、これに代えて、以下のような態様とすることも可能である。
すなわち、利用率Ruをある範囲で変動させ、各利用率Ruにおける熱源システム全体の消費動力を上述のように算出する。続いて、算出された熱源システム全体の消費動力の変化の傾向を判断し、この変化の傾向に応じて利用割合Ruを熱源システム全体の動力が低下する方向に変化させて、熱源システム全体としての動力が最小となる利用割合を求める。例えば、利用率Ruを40%、50%、60%と変化させたときの熱源システム全体の消費動力をそれぞれ比較すると、40%のときがもっとも小さく、60%が最も大きかった場合、利用率Ruを更に小さくすれば、熱源システム全体の消費動力を更に低減させる可能性が推定できる。したがって、このような場合には、更に利用率Ruを35%に設定し、熱源システム全体の消費動力を算出する。このようにして、利用率Ruの変化と利用率Ruを熱源システム全体の消費動力の変化とに基づいて利用率Ruを更に変動させて熱源システム全体の消費動力が最小値に収束する利用率Ruを求め、そのときの利用率Ruを選択部53に出力することとしてもよい。
また、本実施形態では、消費動力の最も小さい選択肢を選択部53が選択することとしたが、これに代えて、以下のような態様を取ることとしてもよい。
例えば、動力推定部52によって推定された消費動力に基づいて消費コストを算出するとともに、算出した消費コストに各熱源に特有の消費コストを加算することにより、各選択肢における総消費コストを算出する消費コスト算出部(図示略)を更に設け、選択部53は、消費コスト算出部によって算出された総消費コストが最も小さい選択肢を選択する。
消費動力が小さければ消費電力量が小さくなるため、消費動力が小さければコストも低いという関係が成り立つ一方で、例えば、熱源システム1を運転していく上で、消費電力量だけではない特有のコストがかかる場合もある。例えば、水冷式冷却塔20を備える熱源システム1では、水冷式冷却塔20で蒸発された冷却水を補充する必要があり、電力量とは別に水の補給に関するコストが発生する。このように、電力コスト以外のコストが発生する熱源においては、予めそのコストを登録しておき、消費動力から求めた消費コストに加算し、このコストに基づいて利用熱源を決定することとしてもよい。
特に、上述した水冷式冷却塔20と下水熱源装置21とを熱源とした場合、水冷式冷却塔20にはポンプが存在しないため、消費動力のみで考えると下水ポンプや熱交換器22を必要とする下水熱源装置21の方が消費動力が大きくなる傾向にある。この点、消費動力をコストに換算し、更に、各熱源に必要とされる特有のコストを加算して、コストに基づいて利用熱源の選択肢を選択することにより、コストが最も安い利用熱源の選択肢を選択することが可能となる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態に係る熱源選択支援装置及びその方法並びに熱源システムについて、図面を参照して説明する。
図1に示した第1実施形態に係る熱源システム1では、1つの冷凍サイクルにおいて、冷却水を2つの熱源を用いて冷却していた。この構成に対し、本実施形態に係る熱源システムでは、図9に示すように、下水を熱源とする下水熱源装置21によって冷却水を冷却する冷凍サイクル60aと、大気を熱源とする水冷式冷却塔20によって冷却水を冷却する冷凍サイクル60bとを有し、それぞれの熱源を用いて冷却水を冷却し、それぞれの冷凍サイクル60a、60bに設けられている凝縮器12a,12bにおいて冷却水とガス冷媒との熱交換を行い、ガス冷媒を冷却する点で上述した第1実施形態と異なる。
すなわち、本実施形態に係る熱源システム1aでは、冷凍サイクル60aにおいて、下水熱源装置21により冷却された冷却水は凝縮器12aへ送られる。凝縮器12aでは、圧縮機11aによって圧縮された高温高圧のガス冷媒が冷却水と熱交換されることにより冷やされ、液冷媒となって蒸発器13aへ送られる。蒸発器13aでは、冷やされた液冷媒と冷水との間で熱交換がされることにより、冷水が冷やされ(例えば、12℃から7℃に冷やされ)、冷却された冷水が2次側システムへ供給される。また、蒸発器13aで温められたガス冷媒は、圧縮機11aを経由して高温高圧のガス冷媒とされ、再び凝縮器12aへ送られる。
また、同様に、冷凍サイクル60bにおいても、圧縮機11bによって圧縮された高温高圧のガス冷媒は、凝縮器12bにおいて、冷水式冷却塔20により冷やされた冷却水と熱交換されることにより冷やされて蒸発器13bへ送られる。蒸発器13bでは、冷やされた液冷媒と冷水との間で熱交換がされることにより、冷水が冷やされ(例えば、12℃から7℃に冷やされ)、冷却された冷水が2次側システムへ供給される。また、蒸発器13bで温められたガス冷媒は、圧縮機11bを経由して高温高圧のガス冷媒とされ、再び凝縮器12bへ送られる。
なお、図9において、かっこ書きで示された温度は、参考のための一例としての温度である。
そして、このような熱源システム1aにおいて、熱源選択支援装置2aにより、消費動力の推定が行われ、お勧めの利用熱源が提供される。
以下、本実施形態に係る熱源選択支援装置及2a及びその方法について図面を参照して説明する。なお、本実施形態に係る熱源選択支援装置2aにおいて、上述した第1実施形態と異なる点は、動力推定部による消費動力の算出手法である。従って、以下、この点について主に説明する。
まず、熱源選択支援装置2aに係る動力推定部(図示略)は、消費動力を算出するのに必要となる各種データを取得する(図10のステップSE1)。取得するデータの一例としては、冷水出口温度Tlo、冷水流量Fch、下水入口温度Tui、下水流量Fu、冷凍サイクル60aにおける冷却水流量Fct_1、冷凍サイクル60bにおける冷却水流量Fct_2、水冷式冷却塔20における湿球温度Twb、冷却能力Q、冷凍サイクル60aの定格冷却能力Qru、冷凍サイクル60bの定格冷却能力Qrctなどが挙げられる。
上記冷水出口温度Tlo、冷水流量Fch、下水入口温度Tui、下水流量Fu、冷凍サイクル60aにおける冷却水流量Fct_1、冷凍サイクル60bにおける冷却水流量Fct_2については、例えば、図示しないセンサにより測定されて熱源選択支援装置2aに入力されるものとする。
次に、下水熱源装置21を用いる冷凍サイクル60aのみを利用する選択肢、水冷式冷却塔20を用いる冷凍サイクル60bのみを利用する選択肢、および冷凍サイクル60a及び冷凍サイクル60bを併用する選択肢のそれぞれについて、熱源システム全体の消費動力を推定する(ステップSE2,SE3,SE4)。続いて、推定したそれぞれの選択肢の消費動力を各選択肢と対応付けて選択部に出力し、処理を終了する(ステップSE5)。
ここで、図10のステップSE2、SE3において実行される処理は、上述した第1実施形態において図4に示したステップSA2、SA3において実行される処理に準じるため、説明を省略する。したがって、ここでは、ステップSE4において実行される処理について、図11及び図12を参照して説明する。
まず、ステップSF1において、図7のステップSD1と同様の方法により、下水熱源装置21の利用率Ru、すなわち、冷凍サイクル60aの利用率Ruを設定する。次に、ステップSF2において、冷凍サイクル60aの熱源機負荷率Lfuを算出する。冷凍サイクル60aの熱源機負荷率Lfuの算出には、上記(18−1)式が用いられる。
続いて、ステップSF3において、上記(2)式を用いて冷凍サイクル60aの冷却水入口温度Thi_1を推定し、ステップSF4において、上記(3)式を用いて、冷凍サイクル60aの冷却水出口温度Tho_1を推定する。なお、これらの温度がセンサによって計測されている場合には、それらの計測値を用いることとしてもよい。
次に、ステップSF5において、上記(4)式を用いて冷凍サイクル60aの冷却COP_1を算出し、ステップSF6において、熱源機動力Pr_1を算出する。熱源機動力Pr_1は、以下の(23)式により算出される。
Pr_1=Q×Ru/COP_1 (23)
次に、冷凍サイクル60bについても、同様に熱源機負荷率を算出するとともに、冷却水入口温度、冷却水出口温度を推定する(図11のステップSF7,SF8,SF9)。冷凍サイクル60bの熱源機負荷率LFaは以下の(24)式により算出される。また、冷凍サイクル60bの冷却水入口温度及び冷却水出口温度の算出は、上記(11)式、(12)式を用いてそれぞれ算出される。
Lfct=Q×(1−Ru)/Qrct (24)
続いて、冷凍サイクル60bにおける冷却COP_2、熱源機動力、熱源機排熱量がそれぞれ算出される(図12のステップSF10、SF11、SF12)。
冷却COP_2は上記(13)式を用いて算出され、熱源機動力Pr_2b、熱源機排熱量Qexはそれぞれ以下の(26)、(27)式により算出される。
Pr_2=Q×(1−Ru)/COP_2 (26)
Qex=Q×(1−Ru)+Pr_2 (27)
そして、ステップSF13において冷却塔ファン動力Pfanを、ステップSF14において冷水ポンプ動力Pchを、ステップSF15において冷却水ポンプ動力Pctを、ステップSF16において下水ポンプ動力Puを予め保有しているそれぞれの関数に基づいて算出する。
冷却塔ファン動力Pfanは上記(16)式、冷水ポンプ動力Pchは上記(7)式、下水ポンプ動力Puは上記(6)式をそれぞれ用いて算出される。また、冷却水ポンプ動力については、下水熱源装置21に用いられる冷却水ポンプ14aと水冷式冷却塔20に用いられる冷却水ポンプ14bがあるため、それぞれの動力の和として算出される。すなわち、この場合の冷却水ポンプ動力Pctは以下の(28)式で算出される。
Pct=Pct_1+Pct_2=F(Fct_1)+F(Fct_2) (28)
次に、ステップSF17において、熱源システム全体の消費動力を算出する。下水熱源装置21を用いる冷凍サイクル60aと水冷式冷却塔20を用いる冷凍サイクル60bとを併用した場合のシステム全体の消費動力Pは、例えば、以下の(29)式で求められる。
P=Pr_1+Pr_2+Pfan+Pch+Pct+Pu (29)
このようにして、下水熱源装置21の熱源利用率50%のときの熱源システム全体の消費動力が算出されると、ステップSF18では、図8におけるステップSD15と同様に、予め設定されている熱源利用率の全てのパターンが終了したか否かが判定され、全てのパターンについて終了していなければ、図11のステップSF1に戻り、下水熱源装置21の熱源利用率の設定が再度行われる。これにより、例えば、熱源利用率Ruは40%に設定され、この場合についてのシステム全体の消費動力が算出される。そして、熱源利用率Ruが50%、40%、60%の場合についてのシステム全体の消費動力が算出されると、処理を終了する。
そして、上述のような処理が終了すると、動力推定部による算出結果は、各選択肢の情報と関連付けられて選択部に出力され、最も消費動力の少ない選択肢が選択部によって選択されて表示部に表示されることとなる。
〔第3実施形態〕
図9に示した熱源システムでは、下水熱源装置21と水冷式冷却塔20とを備えていたが、本実施形態に係る熱源システム1bは、図13に示すように、図9に示した水冷式冷却塔20に代えて空気と熱交換を行う空冷式冷却塔20cを用いる冷凍サイクル60cを備えている点で上述の第2実施形態と異なる。
冷凍サイクル60cにおいて、圧縮機11cによって圧縮された高温高圧のガス冷媒は空冷式冷却塔20cにおいて外気と熱交換されることにより冷やされて蒸発器13cへ送られる。蒸発器13cでは、冷やされた液冷媒と冷水との間で熱交換がされることにより、冷水が冷やされ(例えば、12℃から7℃に冷やされ)、冷却された冷水が2次側システムへ供給される。また、蒸発器13cで温められたガス冷媒は、圧縮機11cを経由して高温高圧のガス冷媒とされ、再び空冷式冷却塔20cへ送られる。なお、図13においてかっこ書きで示された温度は、参考のための一例としての温度である。
そして、このような熱源システム1bにおいて、熱源選択支援装置2bにより、消費動力の推定が行われ、お勧めの利用熱源が提供される。
以下、本実施形態に係る熱源選択支援装置2b及びその方法について図面を参照して説明する。なお、本実施形態に係る熱源選択支援装置2bにおいて、上述した第2実施形態と異なる点は、動力推定部による消費動力の算出手法である。従って、以下、この点について主に説明する。
まず、熱源選択支援装置2bに係る動力推定部(図示略)は、消費動力を算出するのに必要となる各種データを取得する(図14のステップSG1)。取得するデータの一例としては、冷水出口温度Tlo、冷水流量Fch、下水入口温度Tui、下水流量Fu、冷凍サイクル60aにおける冷却水流量Fct_1、空冷式冷却塔20cにおける乾球温度Tdb、冷却能力Q、下水熱源装置21の定格冷却能力Qru、空冷式冷却塔20cの定格冷却能力Qraなどが挙げられる。
上記冷水出口温度Tlo、冷水流量Fch、下水入口温度Tui、下水流量Fu、冷凍サイクル60aにおける冷却水流量Fct_1、空冷式冷却塔20cにおける乾球温度Tdbについては、例えば、図示しないセンサにより測定されて熱源選択支援装置2bに入力されるものとする。
次に、下水熱源装置21を用いる冷凍サイクル60aのみを利用する選択肢、空冷式冷却塔20cを用いる冷凍サイクル60cのみを利用する選択肢、および冷凍サイクル60a及び冷凍サイクル60cを併用する選択肢のそれぞれについて、熱源システム全体の消費動力を推定する(ステップSG2,SG3,SG4)。続いて、推定したそれぞれの選択肢の消費動力を各選択肢と対応付けて選択部に出力し(ステップSG5)、処理を終了する.
ここで、図14のステップSG2において実行される処理は、上述した第1実施形態において図4に示したステップSA2において実行される処理に準じるため、説明を省略する。したがって、ここでは、ステップSG3、SG4において実行される処理について、図15から図17を参照して説明する。
まず、ステップSG3において実行される空冷式冷却塔20cを用いる冷凍サイクル60cのみを使用する場合の消費動力の算出方法について、図15を参照して説明する。
まず、ステップSH1において、冷凍サイクル60cにおける熱源機負荷率Lfaを算出する。熱源機負荷率Lfaは、例えば、以下の(30)式で求められる。
Lfa=Q/Qra (30)
(30)式において、Qは冷却能力、Qraは冷凍サイクル60cの定格冷却能力である。
続いて、ステップSH2において、冷却COP_3を算出する。冷却COP_3は、例えば、以下の(31)式で求められる。
COP_3=f(Tlo,Ct,Lfa) (31−1)
Ct=Tdb+ΔTa (31−2)
(31−1)式において、Tloは冷水出口温度、Ctは(31−2)式で得られる凝縮温度、LfaはステップSH1で算出した熱源機負荷率である。COP_3はこれらをパラメータとした関数により求められる。また、(31−2)式において、Tdbは乾球温度、ΔTaは空冷式冷却塔20cの性能によって決定される定数である。
次に、ステップSH3において熱源機動力Pr_3を算出し、ステップSH4において熱源機排熱量Qexを算出する。これらの算出方法は、上記(14)式、(15)式に準ずる。
次に、ステップSH5において空冷ファン動力Pfanを、ステップSH6において冷水ポンプ動力Pchを予め保有しているそれぞれの関数を用いて算出する。例えば、空冷ファン動力Pfanは以下の(32)式を用いて算出され、冷水ポンプ動力Pchは、上述した(7)式を用いて算出される。
Pfan=f(Ct,Tdb,Qex) (32)
次に、ステップSH7において熱源システム全体の消費動力を算出し、処理を終了する。空冷式冷却塔20cを用いる冷凍サイクル60cのみを使用する場合のシステム全体の消費動力P_3は、以下の(33)式により算出される。
P_3=Pr_3+Pfan+Pch (33)
次に、図14のステップSG4において行われる冷凍サイクル60a及び冷凍サイクル60cを併用する場合の消費動力の算出方法について図16及び図17を参照して説明する。
まず、ステップSJ1において、下水熱源装置21を有する冷凍サイクル60aの熱源利用率Ruを設定し、これに基づきステップSJ2からSJ6において、冷凍サイクル60aにおける熱源機負荷率、冷却水入口温度の推定、冷却水出口温度の推定、冷却COP_1の算出、熱源機動力Pr_1の算出を行う。なお、これらの処理は、上述した図11のステップSF1からSF6と同様であるため説明は省略する。
続いて、ステップSJ7において、空冷式冷却塔20cを用いる冷凍サイクル60cについて、熱源機負荷率を以下の(34)式により算出する。
Lfa=Q×(1−Ru)/Qra (34)
次に、冷凍サイクル60cにおける冷却COP_3、熱源機動力Pr_3、熱源機排熱量Qexをそれぞれ算出する(ステップSJ8、SJ9、SJ10)。冷却COP_3は、上記(31)式を用いて、熱源機動力Pr_3は以下の(35)式、熱源機排熱量Qexは以下の(36)式を用いてそれぞれ算出される。
Pr_3=Q×(1−Ru)/COP_3 (35)
Qex=Q×(1−Ru)+Pr_3 (36)
続いて、ステップSJ11において冷却塔ファンの動力Pfanを、ステップSJ12において冷水ポンプ動力Pchを、ステップSJ13において冷却水ポンプ14aの動力Pctを、ステップSJ14において下水ポンプの動力Puを予め保有しているそれぞれの関数に基づいて算出する。
冷却塔ファンの動力Pfanは、(32)式を用いて算出される。また、冷水ポンプ動力Pchは上記(7)式により、冷却水ポンプ動力Pctは上記(8)式により、下水ポンプ動力Puは上記(6)式によりそれぞれ算出される。
次に、ステップSJ15において、熱源システム全体の消費動力を算出する。下水熱源装置21を用いる冷凍サイクル60aと空冷式冷却塔20cを用いる冷凍サイクル60cとを併用した場合のシステム全体の消費動力Pは、例えば、以下の(37)式で求められる。
P=Pr_1+Pr_3+Pfan+Pch+Pct+Pu (37)
このようにして、冷凍サイクル60aの熱源利用率が50%のときの熱源システム全体の消費動力が算出されると、ステップSJ16では、図8におけるステップSD15と同様に、予め設定されている熱源利用率の全てのパターンが終了したか否かが判定され、全てのパターンについて終了していなければ、図16のステップSJ1に戻り、下水熱源装置21の熱源利用率の設定が再度行われる。これにより、例えば、熱源利用率Ruは40%に設定され、この場合についてのシステム全体の消費動力が算出される。そして、熱源利用率Ruが50%、40%、60%の場合についてのシステム全体の消費動力が算出されると、処理を終了する。
そして、上述のような処理が終了すると、動力推定部による算出結果は、各選択肢の情報と関連付けられて選択部に出力され、最も消費動力の少ない選択肢が選択部によって選択されて表示部に表示されることとなる。
〔第4実施形態〕
上述した第1から第3実施形態に係る熱源システムは、流入された冷水を冷却して二次側システムへ供給する熱源システムであったが、本実施形態に係る熱源システムは流入された温水を加熱して二次側システムへ供給する熱源システムである点で異なる。
以下、本実施形態に係る熱源システム及びこれに適用される熱源選択支援装置及びその方法について説明する。
図18は、本実施形態に係る熱源システム1cの構成を概略的に示した図である。図18に示すように、熱源システム1cは、下水を熱源として用いる下水熱源装置21を有する冷凍サイクル70aと、大気を熱源として用いるヒーティングタワー20dを有する冷凍サイクル70dとを備えている。
下水熱源装置21では、熱交換器22において、下水と熱源水(例えば、水)との間で熱交換され、加熱された熱源水が蒸発器13aに送られる。蒸発器13aでは、凝縮器12aから送出された冷えた液冷媒と熱源水との間で熱交換が行われ、液冷媒が加熱される。過熱された液冷媒は、圧縮機11aを経由することで高温高圧のガス冷媒とされ、凝縮器12aに送られる。凝縮器12aでは、高温高圧のガス冷媒と温水との間で熱交換が行われることにより、温水が加熱され、2次側システム(図示略)に供給される。また、凝縮器12aにおいて熱交換を行うことにより冷やされた液冷媒は再び蒸発器13aに送出される。
また、ヒーティングタワー20dを用いる冷凍サイクル70dにおいては、ヒーティングタワー20dにおいて温められたブラインが蒸発器13dに送られる。蒸発器13dでは、凝縮器12dから送出された冷えた液冷媒とブラインとの間で熱交換が行われ、液冷媒が加熱される。加熱された液冷媒は、圧縮機11dを経由することで高温高圧のガス冷媒とされ、凝縮器12dに送られる。凝縮器12dでは、高温高圧のガス冷媒と温水との間で熱交換が行われることにより、温水が加熱され、2次側システム(図示略)に供給される。また、凝縮器12dにおいて熱交換を行うことにより冷やされた液冷媒は再び蒸発器13aに送出される。
なお、図18においてかっこ書きで示された温度は、参考のための一例としての温度である。
そして、このような熱源システム1cにおいて、熱源選択支援装置2cにより、消費動力の推定が行われ、お勧めの利用熱源が提供される。
以下、このような熱源システムに適用される本実施形態に係る熱源選択支援装置2c及びその方法について図面を参照して説明する。なお、本実施形態に係る熱源選択支援装置2cにおいて、上述した第2実施形態と異なる点は、動力推定部による消費動力の算出手法である。従って、以下、この点について主に説明する。
まず、熱源選択支援装置2cに係る動力推定部(図示略)は、消費動力を算出するのに必要となる各種データを取得する(図19のステップSK1)。取得するデータの一例としては、温水出口温度Tho、温水流量Fh、下水入口温度Tui、下水流量Fu、冷凍サイクル70aにおける熱源水流量Fl_1、冷凍サイクル70dにおけるブライン流量Fl_2、ヒーティングタワー20dにおける湿球温度Twb、加熱能力Q、下水熱源装置21を用いる冷凍サイクル70aの定格加熱能力Qru、ヒーティングタワー20dを用いる冷凍サイクル70dの定格加熱能力Qrhtなどが挙げられる。
上記温水出口温度Tho、温水流量Fh、下水入口温度Tui、下水流量Fu、冷凍サイクル70aにおける熱源水流量Fl_1、冷凍サイクル70dにおけるブライン流量Fl_2、ヒーティングタワー20dにおける湿球温度Twbについては、例えば、図示しないセンサにより測定されて熱源選択支援装置2cに入力されるものとする。
次に、下水熱源装置21を用いる冷凍サイクル70aのみを利用する選択肢、ヒーティングタワー20dを用いる冷凍サイクル70dのみを利用する選択肢、および冷凍サイクル70a及び冷凍サイクル70dを併用する選択肢のそれぞれについて、熱源システム全体の消費動力を推定する(ステップSK2,SK3,SK4)。続いて、推定したそれぞれの選択肢の消費動力を各選択肢と対応付けて選択部に出力し(ステップSK5)、処理を終了する。
次に、上記ステップSK2において行われる下水熱源装置21のみを用いる場合の熱源システムの消費動力の算出方法について図20を参照して説明する。
まず、ステップSL1において、上記(1)式を用いて熱源機負荷率Lfuを算出し、ステップSL2において熱源水入口温度を推定する。熱源水入口温度は、例えば、以下の(38)式を用いて算出される。
Tli_1=Tui−ΔTu (38)
(38)式において、Tuiは下水入口温度、ΔTuは熱交換器22の性能により決定される定数である。
次に、ステップSL3において、熱源水出口温度を推定する。熱源水出口温度の推定値Tlo_1は、以下の(39)式で算出される。
Tlo_1=Tli_1−ΔTrl×Lfu (39)
(39)式において、Tli_1は、ステップSL2において算出した熱源水入口温度、ΔTrlは蒸発器13aの性能により決定される定数、Lfuは熱源機負荷率である。
なお、熱源水入口温度及び熱源水出口温度については、これらの温度がセンサによって計測されている場合には、それらの計測値を用いることとしてもよい。
次に、ステップSL4において、加熱COP_4を算出する。加熱COP_4は、例えば、以下の(40)式で求められる。
COP_4=f(Tho,Tlo_1,Lfu) (40)
(40)式において、Thoは温水出口温度、Tlo_1はステップSL3で算出された熱源水出口温度の推定値、Lfuは熱源機負荷率である。COP_4は、これらをパラメータとして含む所定の関数により求めることができる。
次に、ステップSL5において、熱源機動力Pr_4を算出する。熱源機動力Pr_4は、例えば、以下の(41)式で求められる。
Pr_4=Q/COP_4 (41)
(41)式において、Qは冷却能力、COP_4はステップSL4で求めた加熱COPである。
次に、ステップSL6において、下水ポンプ動力Puを、ステップSL7において温水ポンプ動力Phを、ステップSL8において熱源水ポンプ動力Plを、予め保有しているそれぞれの関数に基づいて算出する。例えば、下水ポンプ動力Puは、上記(6)式を用いて算出される。また、温水ポンプ動力Phは(42)式に示すように温水流量Fhの関数とされており、冷却水ポンプ動力は(43)式に示すように熱源水流量Fl_1の関数とされている。
Ph=f(Fh) (42)
Pl_1=f(Fl_1) (43)
次に、ステップSL9において、熱源システム全体の消費動力を算出し、処理を終了する。下水熱源装置21のみを利用した場合のシステム全体の消費動力P_4は、例えば、以下の(44)式で求められる。
P_4=Pr_4+Pu+Ph+Pl_1 (44)
次に、図19のステップSK3において行われるヒーティングタワー20dのみを使用する場合の消費動力の算出方法について図21を参照して説明する。
まず、ステップSN1において、熱源機負荷率Lfhtを算出する。熱源機負荷率Lfhtは、例えば、以下の(45)式で求められる。
Lfht=Q/Qrht (45)
(45)式において、Qは冷却能力、Qrhtはヒーティングタワー20dの定格加熱能力である。
次に、ステップSN2においてブライン入口温度を推定する。ブライン入口温度の推定値Tli_2は、例えば、以下の(46)式で求められる。
Tli_2=Twb−ΔTwb (46)
(46)式において、Twbはヒーティングタワー20dにおける湿球温度、ΔTwbはヒーティングタワー20dの性能により決定される定数である。
次に、ステップSN3において、ブライン出口温度を推定する。ブライン出口温度の推定値Tlo_2は、例えば、以下の(47)式で求められる。
Tlo_2=Tli_2−ΔThl*Lfht (47)
(47)式において、Tli_2はステップSN2において算出したブライン入口温度の推定値、ΔThlは蒸発器13dの性能により決定される定数、LfhtはステップSN1で算出した熱源機負荷率である。
なお、熱源システム1の運転中など、温度センサ(図示略)によってブライン入口温度、ブライン出口温度が測定されている場合には、温度センサの計測値を用いることとしてもよい。
次に、ステップSN4において、加熱COP_5を算出する。過熱COP_5は、例えば、以下の(48)式で求められる。
COP_5=f(Tho,Tlo_2,Lfht) (48)
次に、ステップSN5において、熱源機動力Pr_5を算出する。熱源機動力Pr_5は、例えば、以下の(49)式で求められる。
Pr_5=Q/COP_5 (49)
次に、ステップSN6において、熱源機排熱量Qexを算出する。熱源機排熱量Qexは、例えば、以下の(50)式で求められる。
Qex=Pr_5−Q (50)
なお、一般的に、加熱能力=熱源から採れる熱量+熱源機動力と定義され、排熱量は負(マイナス)で表現されるが、ここでは、排熱量を正(プラス)として表現し、採熱を負(マイナス)として表現している。
次に、ステップSN7においてヒーティングタワーのファン動力Pfanを、ステップSN8において温水ポンプ動力Phを、ステップSN9においてブラインポンプ動力Pl_2を予め保有しているそれぞれの関数を用いて算出する。例えば、ヒーティングタワー動力Pfanは、(51)式に示すように、ブライン出口温度Tlo_2、湿球温度Twb、及び熱源機排熱量Qexの関数とされている。
Pfan=f(Tlo_2,Twb,Qex) (51)
また、温水ポンプ動力Ph、ブラインポンプ動力Pl_2は、(42)式および(43)式に準じてそれぞれ算出される。
次に、ステップSN10において熱源システム全体の消費動力を算出し、処理を終了する。ヒーティングタワー20dのみを利用した場合のシステム全体の消費動力P_5は、例えば、以下の(52)式で求められる。
P_5=Pr_5+Pfan+Ph+Pl_2 (52)
次に、図19のステップSK4において行われる下水熱源装置21とヒーティングタワー20dとを併用する場合の消費動力の算出方法について図22及び図23を参照して説明する。
ステップSP1において、下水熱源装置21およびヒーティングタワー20dのうち、下水熱源装置21の利用率Ruを設定し、ステップSP2からSP6において、冷凍サイクル70aにおける熱源機負荷率、熱源水入口温度の推定、熱源水出口温度の推定、加熱COP_4の算出を行う。なお、これらの処理は、上述した図20のステップSL1からSL4と同様であるため説明は省略する。続いて、ステップSP6において、下水熱源装置における熱源機動力を算出する。熱源機動力は、以下の(53)式を用いて算出される。
Pr_4=Q×Ru/COP_4 (53)
続いて、ステップSP7において、ヒーティングタワー20dを用いる冷凍サイクル70dについて、熱源機負荷率を以下の(54)式により算出する。
Lfht=Q×(1−Ru)/Qrht (54)
次に、冷凍サイクル70dにおけるブライン入口温度、ブライン出口温度、加熱COP_5をそれぞれ算出する(ステップSP8、SP9、SP10)。これらの処理は、図21におけるステップSN2、SN3、SN4とそれぞれ同様である。
続いて、ステップSP11において、冷凍サイクル70dの熱源機動力を算出する。熱源機動力Pr_5は、以下の(55)式で算出される。
Pr_5=Q×(1−Ru)/COP_5 (55)
次に、ステップSP12において、熱源機排熱量を算出する。この処理は、図21におけるステップSN6と同様である。続いて、ステップSP13において、上記(51)式を用いてヒーティングタワーのファン動力Pfanを算出する。続いて、ステップSP14において温水ポンプ動力Phを、ステップSP15において熱源水ポンプ動力Pl_1を、ステップSP16においてブラインポンプ動力Pl_2を、ステップSP17において下水ポンプ動力Puをそれぞれ算出する。温水ポンプ動力Phは、上記(42)式を、熱源水ポンプ動力Pl_1は、上記(43)式を用いて算出される。また、ブラインポンプ動力Pl_2は(43)式に準じて算出され、下水ポンプ動力Puは(6)式を用いて算出される。
次に、ステップSP18において、熱源システム全体の消費動力を算出する。下水熱源装置21を用いる冷凍サイクル70aとヒーティングタワー20dを用いる冷凍サイクル70dとを併用した場合のシステム全体の消費動力Pは、例えば、以下の(56)式で求められる。
P=Pr_4+Pr_5+Pfan+Ph+Pl_1+Pl_2+Pu (56)
このようにして、下水熱源装置21の熱源利用率、すなわち、冷凍サイクル70aの利用率が50%のときの熱源システム全体の消費動力が算出されると、ステップSP19では、図8におけるステップSD13と同様に、予め設定されている熱源利用率の全てのパターンが終了したか否かが判定され、全てのパターンについて終了していなければ、図22のステップSP1に戻り、下水熱源装置21の熱源利用率の設定が再度行われる。これにより、例えば、熱源利用率Ruは40%に設定され、この場合についてのシステム全体の消費動力が算出される。そして、熱源利用率Ruが50%、40%、60%の場合についてのシステム全体の消費動力が算出されると、処理を終了する。
そして、上述のような処理が終了すると、動力推定部による算出結果は、各選択肢の情報と関連付けられて選択部に出力され、最も消費動力の少ない選択肢が選択部によって選択されて表示部に表示されることとなる。
〔第5実施形態〕
図18に示した熱源システムでは、下水熱源装置21を有する冷凍サイクル70aとヒーティングタワー20dを有する冷凍サイクル70dとを備えていたが、本実施形態に係る熱源システム1dは、図24に示すように、図18に示したヒーティングタワー20dに代えて外気を熱源とし、外気と熱交換を行う空気熱交換器20eを用いる冷凍サイクル70eを備えている点で上述の第2実施形態と異なる。
空気熱交換器20eを備える冷凍サイクル70eにおいては、空気熱交換器20eにおいて外気との熱交換により温められた液冷媒が圧縮機11dを経由することで高温高圧のガス冷媒とされ、凝縮器12dに送られる。凝縮器12dでは、高温高圧のガス冷媒と温水との間で熱交換が行われることにより、温水が温められる。また、凝縮器12dにおいて熱交換を行うことにより冷やされた液冷媒は再び熱交換器20eに送出されることとなる。
そして、このような熱源システム1dにおいて、熱源選択支援装置2dにより、消費動力の推定が行われ、お勧めの利用熱源が提供される。
以下、熱源システム1dに適用される本実施形態に係る熱源選択支援装置2d及びその方法について図面を参照して説明する。なお、本実施形態に係る熱源選択支援装置2dにおいて、上述した第4実施形態と異なる点は、動力推定部による消費動力の算出手法である。従って、以下、この点について主に説明する。
まず、熱源選択支援装置2dに係る動力推定部(図示略)は、消費動力を算出するのに必要となる各種データを取得する(図25のステップSQ1)。取得するデータの一例としては、温水出口温度Tho、温水流量Fh、下水入口温度Tui、下水流量Fu、空気熱交換器20eにおける乾球温度Tdb、冷却能力Q、下水熱源装置21の定格加熱能力Qru、空気熱交換器20eの定格加熱能力Qraなどが挙げられる。
上記温水出口温度Tho、温水流量Fh、下水入口温度Tui、下水流量Fu、空気熱交換器20eにおける乾球温度Tdbについては、例えば、図示しないセンサにより測定されて熱源選択支援装置2dに入力されるものとする。
次に、下水熱源装置21を用いる冷凍サイクル70aのみを利用する選択肢、空気熱交換器を用いる冷凍サイクル70eのみを利用する選択肢、および冷凍サイクル70a及び冷凍サイクル70cを併用する選択肢のそれぞれについて、熱源システム全体の消費動力を推定する(ステップSQ2,SQ3,SQ4)。続いて、推定したそれぞれの選択肢の消費動力を各選択肢と対応付けて選択部に出力し(ステップSQ5)、処理を終了する。
ここで、図25のステップSQ2において実行される処理は、上述した第4実施形態における図19のステップSK2に準じるため、説明を省略する。したがって、ここでは、ステップSQ3、SQ4において実行される処理について、図26から図28を参照して説明する。
まず、ステップSQ3において実行される空気熱交換器20eを熱源として用いた冷凍サイクル70eのみを使用する場合の消費動力の算出方法について、図26を参照して説明する。
まず、ステップSR1において、冷凍サイクル70eにおける熱源機負荷率Lfaを算出する。熱源機負荷率Lfaは、上記(30)式で算出される。
続いて、ステップSR2において、加熱COP_6を算出する。加熱COP_6は、例えば、以下の(57−1)式で求められる。
COP_6=f(Tho,Et,Lfa) (57−1)
Et=Tdb−ΔTa (57−2)
(57−1)式において、Thoは温水出口温度、Etは(57−2)式で与えられる蒸発温度、LfaはステップSR1で算出した熱源機負荷率である。COP_6はこれらをパラメータとした関数により求められる。また、(57−2)式において、Tdbは乾球温度、ΔTaは空気熱交換器20eの性能によって決定される定数である。
次に、ステップSR3において熱源機動力Pr_6を算出し、ステップSR4において熱源機排熱量Qexを算出する。熱源機動力Pr_6は以下の(58)式、熱源機排熱量Qexは以下の(59)式により算出される。
Pr_6=Q/COP_6 (58)
Qex=Pr_6−Q (59)
次に、ステップSR5において空気熱交換器20eのファン動力Pfanを、ステップSR6において温水ポンプ動力Phを予め保有しているそれぞれの関数を用いて算出する。例えば、空気熱交換器20eのファン動力Pfanは以下の(59−1)式を用いて算出され、温水ポンプ動力Phは、上述した(42)式を用いて算出される。
Pfan=f(Et,Tdb,Qex) (59−1)
次に、ステップSR7において熱源システム全体の消費動力を算出し、処理を終了する。空気熱交換器20eを用いる冷凍サイクル70eのみを使用する場合のシステム全体の消費動力P_6は、以下の(60)式により算出される。
P_6=Pr_6+Pfan+Ph (60)
次に、図25のステップSQ4において行われる冷凍サイクル70a及び冷凍サイクル70eを併用する場合の消費動力の算出方法について図27及び図28を参照して説明する。
まず、ステップST1において、下水熱源装置21の利用率、すなわち、冷凍サイクル70aの利用率Ruを設定し、これに基づきステップST2からST6において、冷凍サイクル70aにおける熱源機負荷率、熱源水入口温度の推定、熱源水出口温度の推定、加熱COP_4の算出、熱源機動力Pr_4の算出を行う。なお、これらの処理は、上述した図22のステップSP1からSP6と同様であるため説明は省略する。
続いて、ステップST7において、空気熱交換器20eを用いる冷凍サイクル70eについて、熱源機負荷率を上記(34)式により算出する。
次に、冷凍サイクル70eにおける加熱COP_6、熱源機動力Pr_6、熱源機排熱量Qexをそれぞれ算出する(ステップST8、ST9、ST10)。過熱COP_6は、上記(57)式を用いて、熱源機動力Pr_6は以下の(61)式、熱源機排熱量Qexは以下の(62)式を用いてそれぞれ算出される。
Pr_6=Q×(1−Ru)/COP_6 (61)
Qex=Pr_6−Q×(1−Ru) (62)
続いて、ステップST11において温水ポンプの動力Phを、ステップST12において熱源水ポンプの動力Pl_1を、ステップST13において下水ポンプの動力Puを、ステップST14において空気熱交換器20eのファンの動力Pfanを予め保有しているそれぞれの関数に基づいて算出する。
温水ポンプの動力Phは上記(42)式を、熱源水ポンプの動力Pl_1は上記(43)式を、下水ポンプの動力Puは上記(6)式を用いて算出される。空気熱交換器20eのファン動力Pfanは、(59−1)式を用いて算出される。
次に、ステップST15において、熱源システム全体の消費動力を算出する。下水熱源装置21による冷凍サイクル70aと空気熱交換器20eによる冷凍サイクル70eとを併用した場合のシステム全体の消費動力Pは、例えば、以下の(63)式で求められる。
P=Pr_4+Pr_6+Pfan+Ph+Pl_1+Pu (63)
このようにして、下水熱源装置21の熱源利用率50%のときの熱源システム全体の消費動力が算出されると、ステップST16では、図8におけるステップSD15と同様に、予め設定されている熱源利用率の全てのパターンが終了したか否かが判定され、全てのパターンについて終了していなければ、図27のステップST1に戻り、下水熱源装置21の熱源利用率の設定が再度行われる。これにより、例えば、熱源利用率Ruは40%に設定され、この場合についてのシステム全体の消費動力が算出される。そして、熱源利用率Ruが50%、40%、60%の場合についてのシステム全体の消費動力が算出されると、処理を終了する。
そして、上述のような処理が終了すると、動力推定部による算出結果は、各選択肢の情報と関連付けられて選択部に出力され、最も消費動力の少ない選択肢が選択部によって選択されて表示部に表示されることとなる。
〔第6実施形態〕
次に、本発明の第6実施形態に係る熱源選択支援装置及びその方法並びに熱源システムについて説明する。
本実施形態に係る熱源選択支援装置は、特定の熱源を優先的に選択する優先期間を予め設定しておき、この優先期間においては、特定の熱源を優先的に選択する点で上述した第1から第5実施形態に係る熱源選択支援装置と異なる。
例えば、図13に示されるように、空冷式冷却塔20cを有する冷凍サイクル60cと、下水熱源装置21を有する冷凍サイクル60aとが存在する熱源システム1bの場合、夏期(例えば、6月から9月)においては、外気を用いて熱交換を行う空冷式冷却塔20cよりも、下水を用いて熱交換を行う下水熱源装置21を用いる方が冷却効率が高い。例えば、図29に、下水熱源装置21の冷却水入口温度、空冷式冷却塔20cの外気乾球温度、及び熱負荷(冷房)の夏期における一日の推移の一例を示す。
冷水需要が多くなる夏期では、図29に示すように、ほぼ1日を通して下水熱源装置21の冷却水入口温度が外気乾球温度を下回り、下水熱源装置優先での運転が効果的であることが予想できる。
このように、外気温や下水の温度推移、空冷式冷却塔20cを用いる冷凍サイクル60cの冷却能力などの過去のデータを検討して、空冷式冷却塔20cよりも下水熱源装置21を利用した方が確実に効率が高い期間を下水熱源装置21の優先期間として設定し、この期間においては、下水熱源装置21を優先的に選択する。
また、この優先期間中、すなわち、下水熱源装置21を有する冷凍サイクル60aのみを用いて冷水の冷却を行っている際に、冷水を所定の目標温度まで冷却できない場合には、空冷式冷却塔20cを有する冷凍サイクル60cを併用することをユーザに勧める。これにより、冷水を目標温度まで冷却させることが可能となる。
また、同様に、例えば、図24に示されるように、熱源として空気熱交換器20eと下水熱源装置21とが存在する熱源システム1dの場合、温水需要が多くなる冬期では、ほぼ一日を通して下水熱源装置21の熱源水入口温度が空気熱交換器20eにおける外気乾球温度を上回ることが多く、下水熱源装置21を用いる方が運転効率が高いことが予想できる。
例えば、図30に、下水熱源装置の熱源水入口温度、空気交換器20eの外気乾球温度、及び熱負荷(給湯)の冬期における一日の推移の一例を示す。このように、熱源システム1dにおいては、冬期において、下水熱源装置21を優先的に使用するように設定しておくことで、運転効率を高めることが期待できる。
また、優先期間中、すなわち、下水熱源装置21を有する冷凍サイクル70aのみを用いている際に、温水を所定の目標温度まで加熱できない場合には、空気熱交換器20eを用いる冷凍サイクル70eを併用することをユーザに勧める。これにより、温水を目標温度まで加熱させることが可能となる。
また、同様に、図18に示されるように、ヒーティングタワー20dと下水熱源装置21とが存在する熱源システム1c(図18参照)の場合も、温水需要が多くなる冬期では、ほぼ一日を通して下水熱源装置21の熱源水入口温度がヒーティングタワー20dのブライン入口温度を上回ることが多く、下水熱源装置21を用いる方が運転効率が高いことが予想できる。
図31に、下水熱源装置の熱源水入口温度、ヒーティングタワー20dのブライン入口温度、及び熱負荷(給湯)の冬期における一日の推移の一例を示す。このように、熱源システム1cにおいても、冬期において、下水熱源装置21を優先的に使用するように設定しておくことで、運転効率を高めることが期待できる。
なお、このような優先期間中、すなわち、下水熱源装置21を有する冷凍サイクル70aを用いている際に、温水を所定の目標温度まで加熱できない場合には、空気熱交換器20eを用いる冷凍サイクル70eを併用することをユーザに勧める。これにより、温水を目標温度まで加熱させることが可能となる。
また、優先期間は、上記のように月単位で設定される他、例えば、時間単位で設定されることとしてもよい。
例えば、図9に示されるように、下水熱源装置21と水冷式冷却塔20とを備える熱源システム1aにおいては、夏期において、時間に応じて優先させる熱源を変更することとしてもよい。図32に、下水熱源装置21の冷却水入口温度、水冷式冷却塔20の冷却水入口温度、及び熱負荷(冷房)の夏期における一日の推移の一例を示す。
図32に示すように、9時ごろから19時ごろまでは下水熱源装置21における冷却水入口温度の方が水冷式冷却塔20を熱源とする冷却水入口温度よりも低くなっている。したがって、この期間においては下水熱源装置21を優先的に利用する優先期間として設定する。そして、この優先期間中、下水熱源装置21を有する冷凍サイクル60aのみを用いて冷水の冷却を行っている際に、冷水を所定の目標温度まで冷却できない場合には、水冷式冷却塔20を有する冷凍サイクル60bを併用することをユーザに勧める。また、9時から19時以外の時間帯においては、水冷式冷却塔20を優先的に利用する優先期間として設定することとしてもよいし、上述した第2実施形態のように、消費動力を監視しながら、利用熱源を選択することとしてもよい。
以上説明してきたように、本実施形態に係る熱源選択支援装置及びその方法並びに熱源システムによれば、下水熱源装置21のみを利用する優先期間が予め設定されており、その優先期間においては下水熱源装置21を用いる冷凍サイクルのみを選択するので、上述した第1実施形態のような演算処理を不要とすることができる。また、この優先期間において、下水熱源装置21を用いた冷凍サイクルによって冷却される冷却水の温度が予め設定されている目標温度に達しない場合には、他の熱源、例えば、水冷式冷却塔20を有する冷凍サイクルとの併用をユーザに提案するので、冷却能力を一定以上に保持することが可能となる。これにより、冷却能力を一定以上に保ちながら最も安価な利用態様を容易に選択することが可能となる。
そして、優先期間が設定されていない期間、例えば、図32の9時から19時を除く期間においては、例えば、上述した第1から第5実施形態において説明したように、消費動力が最も低い選択肢を用いて運転を行えばよい。
なお、上記第1から第6実施形態では、熱源選択支援装置が独立した計算機システムとして存在している場合について説明したが、この例に限られず、例えば、熱源選択支援装置2は、熱源システム1に備えられてもよいし、システムの運転状態などをユーザが監視するための監視システム(図示略)にその機能が搭載されることとしてもよいし、更に、熱源システム1を構成するターボ冷凍機の運転を制御する制御基盤(図示略)にその機能が搭載されていてもよい。
また、上記第2から第5実施形態では、熱源を2つ備える場合について述べたが、3つ以上の熱源を用いることも可能である。この場合、それぞれの熱源は異なっていても良いし同一であってもよい。例えば、下水を熱源とする複数の冷凍サイクルを有する熱源システムとしてもよい。
また、熱源選択支援装置2は、下水熱源装置21の供給を一元管理する管理システムにその機能が搭載されていてもよい。また、下水熱源装置21の供給を一次管理する管理システムに搭載されている場合には、管理システムと熱源システム1の監視システムとを通信媒体を介して接続させ、管理システムから監視システムへ選択部53によって選択された選択肢の情報などを送信し、監視システムの表示部にその情報を表示させるような構成としてもよい。この場合、管理システムには、必ずしも表示部が設けられている必要はない。
1,1a,1b,1c,1d 熱源システム
2,2a,2b,2c,2d 熱源選択支援装置
11,11a 圧縮機
12,12a,12b 凝縮器
13,13a,13b 蒸発器
20 水冷式冷却塔
20c 空冷式冷却塔
20d ヒーティングタワー
20e 空気熱交換器
21 下水熱源装置
22 熱交換器
30,31,33,34,36,37,39 温度センサ
32,35,38 流量センサ
41 CPU
42 主記憶装置
43 補助記憶装置
44 入力装置
45 出力装置
46 通信装置
51 設定部
52 動力推定部
53 選択部
54 表示部

Claims (8)

  1. 利用可能な複数の熱源が存在する熱源システムに適用され、利用する熱源の選択を支援する熱源選択支援装置であって、
    利用可能な複数の前記熱源のそれぞれおよび該熱源の組み合わせからなる複数の利用態様のうち、少なくとも2つの利用態様を選択肢として設定する設定手段と、
    前記設定手段によって設定された前記選択肢のそれぞれについて、前記熱源システム全体で消費される消費動力を推定する動力推定手段と、
    前記動力推定手段によって推定された前記消費動力が最も小さい選択肢を選択する選択手段と
    を具備する熱源選択支援装置。
  2. 前記動力推定手段は、複数の前記熱源の組み合わせからなる前記選択肢については、構成要素である前記熱源のそれぞれの利用可能量の範囲内で各前記熱源の利用率を複数パターン設定し、該パターンのそれぞれについて、前記消費動力を推定する請求項1に記載の熱源選択支援装置。
  3. 前記動力推定手段によって推定された消費動力に基づいて消費コストを算出するとともに、算出した消費コストに各前記熱源に特有の消費コストを加算することにより、各前記選択肢における総消費コストを算出する消費コスト算出手段を備え、
    前記選択手段は、前記総消費コストが最も小さい選択肢を選択する請求項1または請求項2に記載の熱源選択支援装置。
  4. 一の前記熱源のみを優先的に選択する優先期間を予め設定しておき、該優先期間においては一の前記熱源を選択し、
    前記優先期間において、一の前記熱源を用いて冷却または昇温される熱媒の温度が予め設定されている目標温度に達しない場合に、他の熱源との併用を選択する請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱源選択支援装置。
  5. 利用可能な複数の熱源が存在する熱源システムに適用され、利用する熱源の選択を支援する熱源選択支援装置であって、
    一の前記熱源のみを優先的に選択する優先期間を予め設定しておき、該優先期間においては一の前記熱源を選択し、
    前記優先期間において、一の前記熱源を用いて冷却または昇温される熱媒の温度が予め設定されている目標温度に達しない場合に、他の熱源との併用を選択する熱源選択支援装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の熱源選択支援装置を備える熱源システム。
  7. 利用可能な複数の熱源が存在する熱源システムに適用され、利用する熱源の選択を支援する熱源選択支援方法であって、
    利用可能な複数の前記熱源のそれぞれおよび該熱源の組み合わせからなる複数の利用態様のうち、少なくとも2つの利用態様を選択肢として設定し、
    前記選択肢のそれぞれについて、前記熱源システム全体で消費される消費動力を推定し、
    推定した前記消費動力が最も小さい選択肢を選択する熱源選択支援方法。
  8. 利用可能な複数の熱源が存在する熱源システムに適用され、利用する熱源の選択を支援する熱源選択支援方法であって、
    一の前記熱源のみを優先的に選択する優先期間を予め設定しておき、該優先期間においては一の前記熱源を選択し、
    前記優先期間において、一の前記熱源を用いて冷却または昇温される熱媒の温度が予め設定されている目標温度に達しない場合に、他の熱源との併用を選択する熱源選択支援方法。
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