JP2013160200A - 内燃機関の異常燃焼検出装置及び内燃機関制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】振動センサから出力される異なる種別の異常燃焼信号の振幅の大きさが同じような場合であっても、異常燃焼の種別を判定することができる内燃機関の異常燃焼検出装置及び内燃機関制御装置を提供する。
【解決手段】プレイグ検出区間におけるプレイグ判定閾値は、TDCよりも早い区間ではノイズレベルを上回った値に設定され、TDCよりも遅い区間では通常ノックとして有り得るレベルを上回った値に設定されている。これにより、ピーク値が小さくても、ピーク角度が早い異常燃焼はプレイグと判定することができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、内燃機関の異常燃焼を検出する異常燃焼検出装置、及びこの異常燃焼検出装置を備えた内燃機関制御装置に関する。
ノックセンサを用いて内燃エンジンのプレイグニッション(以下、プレイグという)を検出する方法として特許文献1のものが提案されており、ノックセンサが測定した信号レベルを閾値レベルと比較することで、プレイグを検出する方法が示されている。プレイグ信号の振幅の大きさはノックの振幅よりも大きいのが通常であることから、プレイグ検出用の閾値レベルとしてはノック信号の振幅を少し上回る大きさに設定することが考えられる。
特表2008−524489号公報
しかしながら、プレイグ信号の振幅の大きさが必ずしもノック信号の振幅よりも大きいとは限らず、ノック信号と振幅の大きさが同じような小プレイグが発生する場合もある。このようにノック信号と振幅の大きさが同じような小プレイグでは、大プレイグ(ノック信号よりもはるかに大きい異常燃焼)のようなエンジンに即ダメージを与えるものではないが、回数が蓄積されることで、エンジンにダメージが蓄積されて最終的には破壊に至る可能性がある。
また、エンジン制御用ECUにおけるノックとプレイグ発生時の制御内容は異なっており、ノック発生時は点火時期を遅角することで抑制するが、プレイグ発生時には燃料カットや、噴射量を調整したりすることでプレイグ連続発生を抑制する制御が行われる。このため、ノックとプレイグとを区別することがエンジン制御として求められる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、振動センサから出力される異なる種別の異常燃焼信号の振幅の大きさが同じような場合であっても、異常燃焼の種別を判定することができる内燃機関の異常燃焼検出装置及び内燃機関制御装置を提供することにある。
請求項1の発明によれば、異常燃焼検出区間においては異常燃焼のピーク値(振動センサからの異常燃焼信号の振幅が最大となる値)と異常燃焼の種別が異なることから、異常燃焼のピーク値と、そのピーク値となるピーク角度(基準時期に対するクランク角度)に基づいて異常燃焼の種別を判定することができる。
請求項2の発明によれば、プレイグ検出期間において、ピーク角度が早いタイミングで発生する振動は振幅が小さくてもプレイグと判定し、逆にノック検出区間と重なるようなピーク角度が遅いタイミングで発生する振動は通常ノックとして有り得るレベルよりも大きいものだけをプレイグとすることで、ピーク値が小さくても、ピーク角度が早い異常燃焼はプレイグと判定することができる。
請求項3の発明によれば、プレイグ検出区間においてノック検出区間とオーバーラップしたオーバーラップ区間における振幅の小さな異常燃焼に関しては、その振幅がノック判定閾値を上回った場合はノック検出期間においてノックと判定するので、ノックを確実に判定することができる。
ピーク角度を求めるには、ピーク値が発生したタイミングでのクランク角度を求める必要があり、そのためにはクランクセンサからのCA信号の入力タイミングから入力する定周期クロックの入力数に基づいてクランク角度を推測することになる。この場合、CA信号の入力タイミングと定周期クロックとは同期していないことから、定周期クロックの周期がAD変換周期と同一の場合には、ピーク値が発生したタイミングでの定周期クロックのカウント値がAD変換周期の1周期分ずれてしまい、それだけ推測するピーク角度に誤差を生じる。そこで、請求項4の発明によれば、定周期クロックの周期をAD変換周期よりも小さく設定することにより、ピーク値が発生したタイミングでの定周期クロックのカウント値のずれを抑制することができ、推測するピーク角度の誤差を抑制することができる。
請求項5の発明によれば、圧縮行程上死点を基準時期としたクランク角度に対し、プレイグ判定閾値をあらかじめ設定しておくことで、プレイグを検出することができる。
請求項6の発明によれば、ノックが発生するクランク角度は、点火時期によって変化するため、点火時期から相対的な角度を元にプレイグ判定閾値をあらかじめ設定しておくことで、より正確にノックとプレイグを区別することができる。
請求項7の発明によれば、異常燃焼の種別に応じて内燃機関を適正に制御することができる。
本発明の第1実施形態におけるECUの構成を示すブロック図 ピーク値とピーク角度を求める原理を示す図 大プレイグの信号波形を示す図 小プレイグの信号波形を示す図 ノックの信号波形を示す図 点火時期よりも遅く発生する大プレイグの信号波形を示す図 振幅が同じような小プレイグとノックの信号波形を示す図 ECUによる異常燃焼判定処理を示すフローチャート TDCを基準としたクランク角度に対応したプレイグ判定閾値を示す図 点火時期を基準とした図9相当図 AD変換周期でクランク角度を推定する場合のタイミング図 AD変換周期の1/4周期でクランク角度を推定する場合の図11相当図 本発明の第2実施形態を示す図1相当図 図2相当図
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1ないし図12を参照して説明する。
図1は、エンジン制御装置であるECUの構成を示すブロック図である。このECU1(異常燃焼検出装置、内燃機関制御装置に相当)は、例えばガソリン式エンジン(内燃機関に相当)を制御するものである。
図示しないエンジンのシリンダブロックには複数のノックセンサ2(振動センサに相当)が取付けられている。このノックセンサ2はシリンダブロックの振動を検出するセンサで、異常燃焼検出時にシリンダブロックの振動に対応する信号(以下、異常燃焼信号という)を出力する。基本的には、異常燃焼信号の振幅の大きさに基づいて異常燃焼の種別であるノックかプレイグかが判定される。ノックとは、燃焼室内の混合気中に燃料と空気の混合状態が不均一となっている部分(特に、燃料が濃くなっている部分等、シリンダの端のガス(エンドガス)で自己着火し得る状態の燃料が残っている部分)が存在し、スパークプラグの点火により火炎伝播される前にその不均一部分で自己着火してしまう異常燃焼に起因してシリンダブロックが振動する現象である。プレイグとは、スパークプラグで点火する前にエンジン内部のカーボンが燃焼により赤熱状態になったものやスパークプラグそのものが過熱したヒートスポット(熱源)により自然着火してしまう異常燃焼に起因してシリンダブロックが振動する現象である。
一方、エンジンにはクランクセンサ3及びカムセンサ4が取付けられている。クランクセンサ3は、クランク軸が例えば10°CA回転する毎にCA信号を出力する。カムセンサ4はカムシャフトの基準位置を検出するもので、ピストンが例えば圧縮行程上死点(以下、TDCという)に位置したタイミングで基準信号を出力する。
ECU1はマイコン7を主体として構成されており、ノックセンサ2からの異常燃焼信号はECU1の入力回路8から切替え入力された状態でマイコン7に入力する。入力回路8は、入力信号のうち、異常燃焼信号に対応した高周波信号成分を通過させ、直流成分を含む不要な低周波信号成分(例えば5KHz以下)を除去して2.5Vを中心とする振動波形に変換する。
マイコン7は、CPU9(検出手段、異常燃焼判定手段に相当)、ROM10、RAM11、及び周辺I/O機能12から構成されており、ROM8に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、燃料噴射弁の燃料噴射量、燃料噴射時期、点火プラグの点火時期、吸気バルブ及び排気バルブの開弁タイミング等を制御する。
周辺I/O機能12は、AD起動タイマ13、AD変換回路14、デジタルフィルタ15、全波整流回路16、P/H(ピークホールド)回路17、キャプチャレジスタ19、角度算出ロジック回路20(クランク角度検出手段に相当)、コンペアレジスタ21(異常燃焼検出区間設定手段に相当)、基準タイマ22、P/H回路23から構成されている。尚、周辺I/O機能12を構成する内部バスの図示は省略した。
AD変換回路14のサンプリング周波数は100KHzである。このようにサンプリング周波数が100KHzに設定されている理由は、異常燃焼信号に含まれる最大周波数である23KHzに対して十分なオーバーサンプリングとなるように設定することで、23KHz以下の信号帯域の減衰を抑制すると共に、折り返しノイズを縮小するためである。デジタルフィルタ15は、デシメーションに対するエイリアシング除去と、オーバーサンプリングによるナイキスト周波数(サンプリング周波数の1/2)以上の雑音低下を目的として設けられており、通過帯域は23KHz以下に設定されている。
全波整流回路16は、デジタルフィルタ15から入力するデジタルデータのうち振幅が2.5V未満の負のデジタルデータを正のデジタルデータに変換する。
P/H回路17は、コンペアレジスタ21からのGT_PRE信号の入力期間において全波整流されたデジタルデータのピーク値(最大値)が更新されるのを監視しており、ピーク値が更新された場合は、P/H結果レジスタ18へP/H結果を格納すると共に、ピーク値をホールドしたことを示すPH_O信号をキャプチャレジスタ19に出力する。
角度算出ロジック回路20は、クランクセンサ3からのCA信号、及びカムセンサ4からの基準信号を入力回路5,6を介してそれぞれ入力することで、TDCを基準としたクランク角度を10°CA単位で検出する。
コンペアレジスタ21は、角度算出ロジック回路20が検出したクランク角度と予め設定されたプレイグ検出区間及びノック検出区間(異常燃焼検出区間に相当)とを比較することにより、プレイグ検出区間であることを示すGT_PRE信号と、ノック検出区間であることを示すGT_KNK信号を各P/H回路17,23にそれぞれ出力する。
基準タイマ22は、定周期クロックでカウントアップしているタイマカウンタである。この定周期クロックを分周(例えば1/4に分周)してAD起動タイマ13のトリガタイミングを生成している。
キャプチャレジスタ19は、PH_O信号の入力タイミングにおける基準タイマ22のタイマ値をキャプチャして格納しておくものである。PH_O信号が入力される度に、新たな基準タイマ22のタイマ値でキャプチャ値を上書きすることになる。
CPU9は、プレイグ検出区間が終了したタイミングで、P/H結果レジスタ18に格納されたP/H値と、キャプチャレジスタに格納されたキャプチャ時刻を用いてピーク角度を特定し、その結果に基づいて異常燃焼がノックかプレイグかを判定する。
図2は、ピーク値とピーク角度を特定する原理を示す図である。尚、フィルタ後のノック信号の波形は全波整流後としてあるが、理解し易いように負側も併せて示した。また、実際には起こり得ないが、説明のためにプレイグの振幅はプレイグ検出期間全体に亘って徐々に大きくなるように示した。
プレイグ検出区間となると、コンペアレジスタ21からGT_PRE信号が出力されるので、P/H回路17は、GT_PRE信号の入力期間におけるデータ更新タイミング(ADC14→デジタルフィルタ15→全波整流後のデータがP/H回路17に入力されるタイミング)で入力データにより異常燃焼信号の波形の大きさが現在のP/H値よりも大きいかを判断し、大きい場合は、P/H結果レジスタ18のP/H値を更新すると共にPH_O信号をキャプチャレジスタ19に出力する。従って、プレイグ検出期間においてP/H回路17から最後にPH_O信号が出力されたタイミングでP/H結果レジスタ18に格納されているP/H値をGT_PRE区間ピーク値とすることができ、キャプチャレジスタ19に格納されているキャプチャ時刻から、時間−角度変換によってピーク角度を算出できる。尚、角度算出ロジック回路20が生成するクランク角度をキャプチャレジスタ19がキャプチャできる構成でも良い。
そして、CPU9は、ROM8に記憶されたプログラムに基づいて燃焼異常の種別を判断し、判断した燃焼の種別に応じてエンジンを制御する。
ところで、プレイグは、点火時期よりも早いタイミングで発生するのが通常であり、図3に示すような大きな振幅の大プレイグが発生したり、図4に示すような小さな振幅の小プレイグが発生したりする。この場合、プレイグ検出期間において振幅が最大となるピーク角度は点火時期より早いタイミングとなる。一方、ノックは、図5に示すように点火時期よりも遅く発生するのが通常であり、振幅が最大となるピーク角度は点火時期より遅いタイミングとなる。従って、プレイグとノックのピーク値は点火時期を境界として発生タイミングが異なることから、プレイグ検出区間とノック検出区間をそれぞれ設定すればよいといえる。
しかしながら、プレイグとして、図6に示すように点火時期よりも遅いタイミングで大きな振幅となる大プレイグが発生することがある。このような現象は、プレイグ自体は点火時期よりも早く生じているものの、プレイグに伴う異常振動が点火時期よりも遅れて発生する場合であり、この大プレイグの振幅の大きさはノックより大きい。
このように点火時期よりも遅れて発生するプレイグも検出可能とするには、プレイグ検出区間を点火時期よりも遅いタイミングまで延長する必要がある。このような事情から、プレイグ検出区間を示すGT_PRE信号は各気筒TDCに対して−20〜40°CA期間に設定され、ノック検出区間を示すGT_KNK信号は0〜90°CAに設定されている。従って、プレイグ検出区間は、ノック検出区間と0〜40°CAでオーバーラップしており、この期間がオーバーラップ期間となる。この場合、点火時期よりも遅れて発生するプレイグは大プレイグであることから、プレイグ検出区間においてピーク値が大きい異常燃焼はプレイグと判定することができる。
しかしながら、プレイグ検出期間において図7に示すように振幅が同じような小プレイグとノックとが発生するような場合は、それらの区別が困難となる。
そこで、本実施形態では、プレイグ検出区間においてはピーク値と、このピーク値が発生したタイミングのクランク角度であるピーク角度を求め、それらの関係によりノックかプレイグかを判断するようにした。
図8は、ECU1による異常燃焼判定処理を示すフローチャートである。ECU1は、基準時期に対するピーク角度からプレイグ判定閾値を計算する(S1)。基準時期とはピーク角度を求めるための基準となるTDCのことである。本実施形態では、プレイグ判定期間においては、ピーク角度が早いものはピーク値が小さくてもプレイグと判定し、逆にピーク角度が遅いものはプレイグではなくノックと判定する。そのため、プレイグ判定閾値をピーク角度によって変更するように設定した。
図9はプレイグ判定閾値を示している。プレイグ判定閾値は、ピーク角度が早いタイミング(TDCよりも前)では、ノイズレベルよりも少し上の値に設定されている。また、ピーク角度が遅いタイミング(TDCよりも後)では、通常ノックとして有り得るレベル(ノック最大レベル)よりも少し上の値に設定されている。そのため、プレイグ検出区間でのピーク角度が点火よりも後に発生している場合であっても、ピーク値が通常ノックとしてあり得るレベルより大きい場合にはプレイグとして検出することができる。
尚、図9では、TDCを基準としたクランク角度に対応したプレイグ判定閾値を設定したが、図10に示すように点火時期を基準としたクランク角度に対応したプレイグ判定閾値を設定してもよい。
次にECU1は、GT_PRE区間ピーク値がプレイグ判定閾値よりも大きいかを判定し(S2)、大きい場合は(S2:YES)、プレイグであると判定してプレイグ対応の異常時処理を実行する(S3)。つまり、燃料カットや噴射量を調整したりすることでプレイグの連続発生を抑制する。
次にECU1は、GT_KNK区間ピーク値がノック最大レベルよりも小さいかを判定し(S4)、小さい場合は(S4:YES)、GT_KNK区間ピーク値がノック判定閾値よりも大きいかを判定する(S5)。つまり、GT_PRE区間においては、ピーク角度はノックの判定要素として設定していない。このノック判定閾値は図示していないが、図9及び図10に示したノイズレベルよりも大きく、通常ノックとして有り得るレベルよりも小さなレベルである。そして、GT_KNK区間ピーク値がノック判定閾値よりも大きい場合は(S5:YES)、ノックであると判定してノック対応の異常時処理を実行する(S6)。つまり、点火時期を遅角することでノックを抑制する。
以上の動作により、プレイグ検出区間においてプレイグ判定閾値よりも小さいことによりプレイグではないと判定した異常燃焼であっても、ノック判定区間でノック判定閾値を上回るような場合はノックと判定することができる。
ところで、ピーク角度を求めるには、ピーク値が発生したタイミングでのクランク角度を求める必要がある。この場合、ピーク値の発生タイミングとクランクセンサ3からのCA信号の入力タイミングとが同時であればクランク角度を直ちに求めることができるものの、実際にはピーク値の発生タイミングとCA信号の入力タイミングとはずれているのが通常である。このようにCA信号の入力タイミングとずれたタイミングで入力するピーク値に対応したクランク角度を求めるには、外部から入力する定周期クロックをCA信号の入力タイミングからカウントし、ピーク値が発生したタイミングでカウント値をラッチすることによりクランク角度を推測することができる。つまり、CA信号間に入力する定周期クロック数が10°CAに相当することから、CA信号が入力してからピーク値が発生するまでに入力したクロック数に基づいてピーク値に対応するクランク角度を推測することができる。
ここで、定周期クロックとしてAD起動タイマ13のクロックである100KHzを採用した場合において、図11に示すようにCA信号の入力タイミングからA/D周期の3.5倍のタイミング(35ms(図中の「本来図りたい時間」))でピーク値が発生したと仮定すると、CA信号と定周期クロックの入力タイミングとは同期していないことから、両者の入力タイミングのずれによりラッチしたカウント値(ピーク値)が3〜5とばらつき、推定したピーク角度の信頼性が低いという問題がある。
しかしながら、本実施形態では、ピーク角度を検出するための基準タイマ22からの定周期クロックの周期を、A/D変換周期よりも小さな周期である1/4周期とし、CA信号間にキャプチャレジスタ19に入力する定周期クロック数を4倍とした。このように定周期クロックの周期をA/D変換周期よりも小さく設定することで、図12に示すようにピーク値がCA信号の入力タイミングからA/D周期の3.5倍で発生したと仮定した場合のクロック数は12〜17となる。この場合の定周期クロックの周期はA/D変換周期の1/4であることから、クロック数12〜17は、図11では3〜4.3に相当する。つまり、2であったばらつきを1.3に抑制することができるので、それだけピーク角度に変換した場合の精度を向上することができる。尚、基準タイマ22からの定周期クロックの周期をA/D変換周期の1/4未満に設定することによりさらにばらつきを抑制することができる。
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
プレイグ検出区間のプレイグ判定閾値は、基準時期であるTDCよりも早い区間ではノイズレベルを上回った値に設定され、TDCよりも遅い区間では通常ノックとして有り得るレベルを上回った値に設定されているので、ピーク値が小さく、かつピーク角度が早い異常燃焼はプレイグと判定することができる。
プレイグ検出区間においてノック検出区間とオーバーラップしたオーバーラップ区間における振幅の小さな異常燃焼に関しては、その振幅がノック判定閾値を上回った場合はノックと判定するので、ノックを確実に判定することができる。
基準タイマ22からの定周期クロックの周期をAD変換周期よりも小さく設定するようにしたので、ピーク値が発生したタイミングでの定周期クロックのカウント値のずれを抑制することでき、推測するピーク角度の誤差を抑制することができる。
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について図13及び図14を参照して説明するに、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。この第2実施形態は、ECU1がマイコンに加えて専用ICを備えて主体して構成されていることを特徴とする。
図13において、IC31は、第1実施形態で説明した周辺I/O機能12のうち、AD起動タイマ13、AD変換回路14、デジタルフィルタ15、全波整流回路16、P/H回路17、P/H結果レジスタ18に加えて通信制御回路32を備えて構成されている。マイコン33は、周辺I/O機能12のうち、角度算出ロジック回路20、コンペアレジスタ21、基準タイマ22、キャプチャレジスタ19に加えて通信制御回路34を備えて構成されている。第1実施形態で説明したPH_O信号、GT_PRE信号、GT_KNK信号は、IC31とマイコン33との間を接続する信号線を介して行われ、AD変換回路14により変換されたデジタルデータは通信制御回路32,34を介した通信制御により行われる。
図14は、マイコン33とIC31との間の通信制御を示している。CPU9は、角度算出ロジック回路20により、各気筒毎にAD入力するノックセンサ信号を切替えながら処理を行っている。AD入力の切替えは、通信により行い、/CS(チップセレクト)をH→Lレベルへ変化させたタイミングから通信が開始される。通信の先頭部分でAD入力の切替え要求(通信RX)を行い、その後、IC31に対して通信制御回路33,34を通じてAD変換とデジタルフィルタ処理を間欠的に要求する(通信RX)。プレイグ検出区間より前にAD変換とデジタルフィルタ処理を動作させるのは、デジタルフィルタの安定化時間を確保するためである。その後、プレイグ検出区間でGT_PRE信号=Hとすることで、全波整流とP/H回路が動作し、P/H値が更新されるたびにPH_O信号が出力される。プレイグ検出区間が終了(GT_PRE信号=L)のタイミング以降は、P/H値は更新されなくなるため、最終的にP/H結果レジスタ18に格納されたP/H値を通信TXにてCPU9側で取得することができる。図14では、P/H値を次の/CS=Lの先頭データで取得する図となっているが、プレイグ検出区間が終了した直後でも構わない。また、CPU9側のキャプチャレジスタ19には、プレイグ検出区間が終了したところで最終的なP/H値を取得した時刻でキャプチャを特定することができる。
ここで、周辺I/O機能の全てをIC31で構成し、ピーク角度についてもIC31からマイコン33へ通信で送ることも考えられるが、マイコン33自身もプレイグ検出区間を判定するためにクランク角度を判定する必要から、IC31とマイコン33がそれぞれ角度を算出するための回路を搭載し、かつ、それぞれが認識している角度と一致していなければならないため、同期処理やチェック機構など複雑となる。
そこで、IC31からPH_O信号を出力するように構成し、その有効エッジタイミングでマイコン33内部の基準タイマからのカウント値をキャプチャすることでピーク角度を求める構成としている。
このような実施形態によれば、ECU1に周辺I/O機能を持った専用IC31を備えるようにしたので、マイコン33の構成としては、汎用的な機能で実現することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
周辺I/O機能12の一部の機能をCPU9で実行するようにしてもよい。
ECU1は異常燃焼の種別のみの判定を行い、その結果をエンジン制御用ECUに与えるようにしてもよい。
図面中、1はECU(異常燃焼検出装置、内燃機関制御装置)、2はノックセンサ(振動センサ)、9はCPU(検出手段、異常燃焼判定手段)、14はAD変換回路、20は角度算出ロジック回路(クランク角度検出手段)、21はコンペアレジスタ(異常燃焼検出区間設定手段)である。

Claims (7)

  1. 内燃機関に取付けた振動センサから出力される振動波形により異常燃焼を検出する異常燃焼検出装置において、
    前記内燃機関のクランク角度を求めるクランク角度検出手段と、
    前記クランク角度検出手段が求めたクランク角度に基づいて異常燃焼検出区間を設定する異常燃焼検出区間設定手段と、
    前記振動センサからの振動波形をデジタルデータに変換するAD変換回路と、
    前記デジタルデータがクランク角度に対応して設定された閾値を上回ることに基づいて異常燃焼を検出する検出手段と、
    前記異常燃焼検出区間に前記AD変換回路が変換したデジタルデータが最大値となるピーク値と、基準時期に対して当該ピーク値が発生するタイミングのクランク角度であるピーク角度に基づいて異常燃焼の種別を判定する異常燃焼判定手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の異常燃焼検出装置。
  2. 前記異常燃焼検出区間として、プレイグニッションを検出するプレイグニッション検出区間が設定され、
    前記異常燃焼判定手段は、前記プレイグニッション検出区間において前記ピーク値が前記ピーク角度に応じて設定されたプレイグニッション判定閾値を上回った場合に異常燃焼はプレイグニッションであると判定し、
    前記プレイグニッション判定閾値は、前記プレイグニッション検出区間において前記基準時期よりも早い区間ではノイズレベルを上回ったレベルに設定され、前記基準時期よりも遅い区間では通常ノックとして有り得るレベルを上回ったレベルに設定されていることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の異常燃焼検出装置。
  3. 前記異常燃焼検出区間として、前記プレイグニッション検出区間に加えて、当該プレイグニッション検出区間と一部がオーバーラップするオーバーラップ区間を有したノック検出区間が設定され、
    前記異常燃焼判定手段は、前記オーバーラップ区間において異常燃焼はプレイグニッションでないと判定した場合であっても前記ノック検出区間に対応したノック判定閾値を上回っている場合はノックと判定することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の異常燃焼検出装置。
  4. 前記定周期クロックの周期は前記AD変換回路の変換周期よりも小さい周期に設定されていることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の内燃機関の異常燃焼検出装置。
  5. 前記基準時期は圧縮行程上死点であることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の内燃機関の異常燃焼検出装置。
  6. 前記基準時期は点火時期であることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の内燃機関の異常燃焼検出装置。
  7. 請求項1ないし6の何れかに記載の内燃機関の異常燃焼検出装置を備え、
    前記異常燃焼検出装置が検出した異常燃焼に応じて前記内燃機関の燃料噴射量、燃料噴射タイミング、点火時期などを制御することを特徴とする内燃機関制御装置。
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