JP2013159459A - シート搬送装置、原稿読取装置および画像形成装置 - Google Patents

シート搬送装置、原稿読取装置および画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013159459A
JP2013159459A JP2012023786A JP2012023786A JP2013159459A JP 2013159459 A JP2013159459 A JP 2013159459A JP 2012023786 A JP2012023786 A JP 2012023786A JP 2012023786 A JP2012023786 A JP 2012023786A JP 2013159459 A JP2013159459 A JP 2013159459A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
feeding
document
pickup roller
loop
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012023786A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideyuki Umeno
秀之 梅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2012023786A priority Critical patent/JP2013159459A/ja
Publication of JP2013159459A publication Critical patent/JP2013159459A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Controlling Sheets Or Webs (AREA)
  • Sheets, Magazines, And Separation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】薄紙のシートが混載していても繰り出し不良が発生するのを抑制することができるシート搬送装置、原稿読取装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】
原稿給紙トレイ22上に積載された原稿を、最上位の原稿d1から順にピックアップローラー211,212で繰り出して搬送するADFユニットであって、
各繰り出し動作の実行毎に、繰り出し対象となる最上位の原稿d1が薄紙であるか否かを判定して、その判定結果に基づいて、ピックアップローラー211,212による原稿d1の繰り出し条件を制御するように構成した。
【選択図】図2

Description

本発明は、シート搬送装置、原稿読取装置および画像形成装置に関し、特に、トレイ上に載置されたシートを1枚ずつ繰り出して搬送する技術に関する。
複写機などの画像形成装置は、複写対象の原稿を、ピックアップローラーで1枚ずつ繰り出して画像読取部に搬送する原稿搬送装置を備えている。
このような原稿搬送装置においては、一般的によく使用される普通紙の原稿を安定して繰り出して搬送するようにその仕様が決定されている。
ところが、近年、省資源化の観点より、薄紙の原稿が用いられるケースが増えてきている。薄紙は、普通紙と比べて軽い分、容易に移動させることができてしまうので、ピックアップローラーで繰り出すときの力が普通紙の場合と同じだと、当該力が大き過ぎて、重送が発生しやすいだけでなく、スキューも発生しやすくなるという問題がある。
そこで、従来、薄紙を繰り出して搬送するための薄紙モードを設けた原稿搬送装置が提案されている(例えば特許文献1)。
通常、このような薄紙モードでは、例えば、ピックアップローラーの繰り出し力などが普通紙を繰り出すときの通常モードの場合よりも小さくなるように設定されている。
そして、薄紙の場合には、トレイ上に原稿をセットして、ユーザー自身が操作パネルまたは操作ボタンを操作して、薄紙モードを選択するようになっている。
特開2002−255371号公報 特開2002−167081号公報 特開平5−8903号公報
しかしながら、上記従来の原稿搬送装置では、一連の原稿読取りジョブ毎にモード選択をすることができるに過ぎず、原稿束の中に薄紙が混在している場合には対応できない。すなわち、このような混載原稿に対し、一律に通常モードが実行されると、薄紙原稿の繰出しの際にスキューや重送などが発生し、反対に一律に薄紙モードが実行されると、特に厚紙の場合に十分な繰り出し力を与えることができず、いずれの場合にも繰り出し不良が発生する。もし、このような混載原稿において、ユーザーが1枚ずつ原稿の厚みを確認しつつ、モードを切り換えるとすると、操作が煩雑になると共に多数枚の原稿の読込みに多大な時間を要する。このような問題は、給紙カセットからシートを連続給紙する場合も同様に生じる。
本発明は、上述のような問題に鑑みてなされたものであって、トレイに載置された原稿などのシート束に厚みの異なるものが混在していても、連続して円滑にシートを繰り出すことができるシート搬送装置、原稿読取装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るシート搬送装置は、トレイ上に積載されたシートを、最上位のシートから順にピックアップローラーで繰り出す繰出し手段を有するものであって、各繰り出し動作の実行毎に、繰り出し対象となる最上位のシートの厚みを事前に判定する厚み判定手段を備え、前記繰出し手段は、前記厚み判定手段による判定結果に応じた繰り出し条件に従ってシートの繰り出し動作を実行することを特徴とする。
上記構成のシート搬送装置は、繰出し動作の実行に際し、シート毎にシートの厚さを判定して、その判定結果に応じたシートの繰り出し条件でシートを繰り出すので、厚みの異なるシートが混在する場合でも、ユーザー自身が1枚ずつシートの厚さを確認して繰り出し条件を設定する手間を要せずに、円滑にシートを繰り出すことができる。
ここで、厚み判定手段は、トレイの最上位に載置されたシートについて、その一部分の移動を規制すると共に、当該シートの他の部分に移動規制位置に向けて所定の送り出し力を加えてループを形成させるループ形成手段と、ループ形成手段により形成されたシートのループを検出するループ検出手段とを備え、ループ検出手段によるループの検出結果に基づき、最上位のシートの厚みを判定するのが望ましい。
また、ピックアップローラーよりもシート搬送方向上流側に、最上位のシートの上面に接触して当該シートを所定の送り出し力でピックアップローラー方向に送り出す送り出しローラーを備え、ループ形成手段は、ピックアップローラーの回転を停止させた状態でシートに押圧させることにより当該シートの一部分の移動を規制し、送り出しローラーによりシートの他の部分をピックアップローラーによる移動規制位置に向けて送り出すことによりシートに前記ループを形成させる構成であるのが望ましい。
さらに、ループ検出手段によりループが検出された場合においては、シートの繰り出し動作の実行に際し、送り出しローラーを逆回転させて当該シートを元の位置に戻してループを解消させるのが望ましい。
また、厚さ判定手段は、最上位のシートに対し、所定の送り出し力を加える送り出し手段と、送り出し力が加えられた方向におけるシートの移動を検出する移動検出手段とを備え、送り出し手段により最上位のシートに所定の送り出し力を加えたときにおける移動検出手段の検出結果に基づき、最上位のシートの厚みを判定するのが望ましい。
ここで、送り出し手段は、繰出し手段が兼ねているのが望ましい。
また、移動検出手段が、最上位のシートに当接され、当該シートの移動に伴って回転する測定用ロールと、測定用ロールの回転軸に取り付けられたロータリーエンコーダーとからなるのが望ましい。
ここで、繰出し手段は、ピックアップローラーを最上位のシートに圧接する圧接手段を備えると共に、繰出し条件として、ピックアップローラーを前記最上位のシートに圧接する圧接力を含み、厚さ判定手段によりシートの厚さが所定値以下でないと判定されたときには、圧接力を第1の値に設定し、シートの厚さが所定値以下であると判定されたときには、圧接力を第1の値よりも小さい第2の値に設定して、繰出し動作を実行するのが望ましい。
また、繰り出し条件として、ピックアップローラーの回転速度を目標の回転速度に立ち上げるまでの回転加速度を含み、繰出し手段は、厚さ判定手段によりシートの厚さが所定値以下でないと判定されたときには、回転加速度を第1加速度に設定し、シートの厚さが所定値以下であると判定されたときには、回転加速度を第1加速度よりも小さい第2加速度とするのが望ましい。
また、繰り出し条件として、ピックアップローラーによる搬送速度を含み、繰出し手段は、厚さ判定手段によりシートの厚さが所定値以下でないと判定されたときには、搬送速度を第1速度とし、シートの厚さが所定値以下であると判定されたときには、搬送速度を第1速度よりも小さい第2速度として、繰出し動作を実行するのが望ましい。
本発明は、上記構成のシート搬送装置を備えた原稿読取装置であってもよく、これにより上記構成のシート搬送装置と同様の効果を得ることができる。
さらに、この原稿読取装置を備えた画像形成装置でも、給紙部に上記構成のシート搬送装置を用いた画像形成装置でもよく、これらも上記構成のシート搬送装置と同様の効果を得ることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る複写機の全体の概略構成を示す図である。 上記複写機が有するADFユニットにおける、ピックアップローラーおよびその周辺部の構成を示す部分概略斜視図である。 ループ検出レバーの機能を説明するための図である。 図2の概略斜視図を矢印Q方向から見た概略側面図である。 制御部の構成と、制御部による制御対象となる主構成要素との関係を示すブロック図である。 (a)は、薄紙モードでの原稿の繰り出し条件を説明するための図であり、(b)は、通常モードでの原稿の繰り出し条件を説明するための図である。 原稿が薄紙か否かを判定する処理の概要を説明するための模式図である。 原稿が薄紙か否かを判定する処理の概要を説明するための模式図である。 (a)は、原稿が普通紙、厚紙時の、ピックアップローラー、搬送ローラーの制御の一例を示すタイムチャートであり、(b)は、原稿が薄紙時の、ピックアップローラー、搬送ローラーの制御の一例を示すタイムチャートである。 制御部で実行される薄紙か否かの判定および判定後の原稿の繰り出し処理の内容を示すフローチャートである。 (a)は、通常モードでの原稿の繰り出し処理を示すサブルーチンであり、(b)は、薄紙モードでの原稿の繰り出し処理を示すサブルーチンである。 第2の実施の形態に係るADFユニットの主要部の構成を説明するための部分概略斜視図である。 (a)は、ロータリーエンコーダーの構成を示すブロック図であり、(b)は、ロータリーエンコーダーの構成を説明するための斜視図である。 原稿が薄紙か否かを判定する処理の概要を説明するための模式図である。 (a)は、原稿が普通紙、厚紙時の、ピックアップローラー、搬送ローラーの制御の一例を示すタイムチャートであり、(b)は、原稿が薄紙時の、ピックアップローラー、搬送ローラーの制御の一例を示すタイムチャートである。 第3の実施の形態に係るADFユニットの主要部の構成を説明するための概略側面図である。
<第1の実施の形態>
以下、本発明に係る画像形成装置の第1の実施の形態について、タンデム型カラー複写機(以下、単に「複写機」という)を例にして図面に基づき説明する。
(1)複写機の構成
図1は、本実施の形態に係る複写機の全体の概略構成を示す図である。
図1に示す複写機1は、プリンター部2と、プリンター部2上に設けられたスキャナー部3とからなる。また、複写機1は、ネットワーク(例えばLAN)に接続されていて、外部の端末装置等とのデータの送受信が可能に構成されている。
(1−1)プリンター部の構成
プリンター部2は、画像プロセス部40、給紙部50、定着部30および制御部60で構成され、スキャナー部3で生成された画像データ、または外部の端末装置等から送られてくる画像データに基づき、周知の電子写真方式により記録シートS上にトナー画像をプリントする。
画像プロセス部40は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のそれぞれに対応する作像ユニット43Y、43M、43C、43Kと、中間転写ベルト42などを備える。中間転写ベルト42は、駆動ローラー421と、従動ローラー422と、テンションローラー423とに張架されており、矢印W方向に循環駆動される。作像ユニット43Y〜43Kは、中間転写ベルト42に対向してベルト走行方向上流側から下流側に沿って所定間隔でこの順番に配置されている。
例えば、作像ユニット43Kは、感光体ドラム44K、帯電器45K、露光器46K、現像器47K、一次転写ローラー48Kなどを備える。帯電器45Kは、感光体ドラム44Kの外周面を均一に帯電する。露光器46Kは、K色の画像形成のための光ビームを発して、帯電された感光体ドラム44Kの表面(外周面)を露光走査して静電潜像を形成し、現像器47Kが、感光体ドラム44K上の静電潜像を現像する。こうして感光体ドラム44K上にK色のトナー像が作像され、作像されたトナー像が一次転写ローラー48Kに印加された電圧による静電力により中間転写ベルト42上に一次転写される。
他の作像ユニット43Y〜43Cも、作像ユニット43Kと同様の構成になっており、同図では符号を省略している。作像ユニット43Y〜43Kにおける作像動作は、各色のトナー像が走行する中間転写ベルト42の同じ位置に重ね合わせて転写されるように、ベルト走行方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。一次転写の後、二次転写ローラー41に印加された電圧による静電力により、中間転写ベルト42上のトナー像が、給紙部50より搬送されてきた記録シートS上に一括して二次転写される。
給紙部50は、記録シートSを収容する複数の給紙カセット51を備える。給紙カセット51のいずれか一つから記録シートSが1枚ずつ繰り出され、中間転写ベルト42上のトナー像のタイミングに合わせて二次転写位置49に搬送される。
上記二次転写により、トナー像(未定着画像)が形成された記録シートSは、定着部30に搬送され、定着部30においてトナー像が加熱・加圧されて記録シートS上に熱定着される。熱定着された記録シートSは排紙トレイ40a上に排出される。
(1−2)スキャナー部の構成
スキャナー部3は、原稿画像を読み取る画像読取ユニット10、画像読取ユニット10の画像読取位置まで原稿を搬送するADFユニット(自動原稿搬送機構)20などで構成されている。
画像読取ユニット10は、上面に第1および第2プラテンガラス16,17が嵌め込まれた筐体19内に、光源ユニット11、ミラーユニット12、レンズ13、ラインセンサー14などを備える。
光源ユニット11は、光源となるランプ111とミラー112などを備え、ミラーユニット12は、折り返しミラー121,122などを備える。ラインセンサー14は、複数の光電変換素子を有するCCD(Charge Coupled Device)からなる。
この画像読取ユニット10は、原稿が第1プラテンガラス16上に載置されたときには、光源ユニット11とミラーユニット12を不図示の移動機構により矢印V方向に移動させて原稿を読み取るミラースキャンモードで動作するように制御部60により制御される。一方、原稿がADFユニット20の原稿給紙トレイ22に載置されたときには、後述するようにして搬送され第2プラテンガラス17上を通過する原稿を読み取るシートスルーモードで動作するように制御部60により制御される。
ADFユニット20は、不図示のヒンジ機構により正面側(紙面手前側)が開閉自在になるように画像読取ユニット10上部に支持されている。
ADFユニット20は、ADFユニット本体21、原稿給紙トレイ22、原稿排紙トレイ23などを備える。
画像読取ユニット10上において、正面左側にADFユニット本体21、右側に原稿排紙トレイ23が配され、原稿給紙トレイ22が、適当な隙間をあけて原稿排紙トレイ23の上方を覆うようにして配されている。
ADFユニット本体21は、原稿の給紙方向に並べて配された2つのピックアップローラー211,212、捌きローラー対213、中間ローラー対214、レジストローラー対215、第1〜第3読取搬送ローラー対216〜218、排出ローラー対219および裏面読取ユニット25などを有する。
原稿給紙トレイ22上に積載された原稿束(不図示)の最上位の原稿は、ピックアップローラー211,212により繰り出され、捌きローラー対213によって捌かれてADFユニット本体21内の搬送路24に送り出される。捌きローラー対213は、上側の給紙ローラー213aと下側の捌きローラー213bとで構成され、原稿が重送されている場合には、重送された原稿を分離して最上位の原稿のみを搬送路24に送り出す。
搬送路24に送り出された原稿は、中間ローラー対214を介してレジストローラー対215まで搬送され、ここでスキュー補正がなされる。
スキュー補正後の原稿は、レジストローラー対215および第1〜第3読取搬送ローラー対216〜218により搬送路24内を搬送され、第2プラテンガラス17上を通過する際に、その第1面(第2プラテンガラス17側)の画像が画像読取ユニット10によって読み取られる(シートスルーモード)。また、両面コピーや両面スキャンする場合には、裏面読取ユニット25によって原稿の第2面(第1面とは反対側)の画像が読み取られる。画像が読み取られた原稿は、排出ローラー対219から原稿排紙トレイ23上に排出される。
(1−3)ピックアップローラーの構成
以下、2つのピックアップローラー211,212の構成について、図2を参照しながら詳しく説明する。
図2は、図1のADFユニット20における、ピックアップローラー211,212およびその周辺部の構成を示す部分概略斜視図である。
2つのピックアップローラー211,212の基本的な構成は同じである。
まず、給紙方向K上流側のピックアップローラー211は、ローラー本体211aと、その回転軸211bとからなる。回転軸211bは、その両端がADFユニット本体21のフレーム21aに形成された一対の長孔251に挿通された軸受部材241,242に回転自在に支持され、歯車ギアやベルトなどの動力伝達機構29を介して駆動モーターMにより回転駆動される(片側駆動方式)。軸受部材241は有底筒状、軸受部材242は筒状であり、それぞれ長孔251内において上下方向に移動可能に保持されている。なお、各軸受部材241,242には、例えば適当な鍔部を設けて軸方向にずれないようにするのが望ましい。
また、ピックアップローラー211は、所定の高さに配された状態で原稿を繰り出すように構成されており、駆動モーターMおよび動力伝達機構29は、当該所定の高さに配されたピックアップローラー211を回転駆動可能に構成されている。さらに、ピックアップローラー211の高さが多少変動したとしても対応できるように、例えば、動力伝達機構29の伝達経路途中に、当該高さの変動を吸収する弾性ベルトが設けられた構成となっている。ピックアップローラー212に対しても同様である。
軸受部材241,242の下側には、それぞれ引張コイルばね261およびソレノイド271がこの順で連結されている。各ソレノイド271本体は、フレーム21a側面に固定されている。
この引張コイルばね261およびソレノイド271は、ピックアップローラー211を下方に向けて付勢し、原稿に圧接する。
各ソレノイド271はプル型であり、図示していないが、リード線を介して電源に直列接続され、当該リード線には、制御部60の制御を受けて電力供給をオン・オフする公知のリレースイッチ275(図5参照)が挿設されている。
制御部60は、リレースイッチ275をオン・オフ制御して、一対のソレノイド271の駆動を制御することにより、ピックアップローラー211の原稿に対する圧接力の強弱を切り替えることができる。
同様に、下流側のピックアップローラー212も、ローラー本体212aと、その回転軸212bとからなり、回転軸212bを回転自在に支持する軸受部材243,244の下端部には、引張コイルばね262およびプル型のソレノイド272が連結されている。
各ソレノイド272は、公知のリレースイッチ276(図5参照)が挿設されたリード線(不図示)を介して電源に直列接続されている。制御部60は、リレースイッチ276をオン・オフ制御して、一対のソレノイド272の駆動を制御することにより、ピックアップローラー212の原稿に対する圧接力の強弱を切り替えることができる。
本実施の形態では、2つのピックアップローラー211,212のローラー本体211a,212aの径の大きさは互いに等しく、かつその表面の摩擦係数も等しくなっている。
ピックアップローラー211の回転軸211bには、ループ検出レバー70が揺動自在に取り付けられている。
ループ検出レバー70は、後述する薄紙であるか否かを判定する処理において、ピックアップローラー211,212間で、原稿が撓みループが形成された場合に、当該ループを検出するためのものである。
このループ検出レバー70の上方には、ループ検出センサー71が設置されている。ループ検出センサー71は、発光部と受光部とを有するフォトインタラプタ式のセンサーであり、不図示の保持部材により保持され、所定の高さ位置に配されている。
図3に示すように、ループ検出レバー70は、原稿d1により形成されたループRによって押し上げられるように構成されており、押し上げられたときに、ループ検出センサー71が遮光される。
ループ検出センサー71は、遮光されていない間は、例えばLowレベルの信号を制御部60に出力し、遮光されている間は、Hiレベルの信号を制御部60に出力する。制御部60は、ループ検出センサー71の出力の立ち上がりエッジ(LowレベルからHiレベルの変化点)を検出することにより、ループRが形成されていると判定し、逆に立ち下がりエッジ(HiレベルからLowレベルの変化点)を検出したときには、ループRが解消したと判定することができる。
また、ループ検出レバー70の下側には、下方への移動を規制する規制部材73が設けられている。規制部材73は、回転軸211bに沿って伸びる棒状であり、不図示の保持部材に保持され、原稿を繰り出すときなどループRが形成されていないときに、ループ検出レバー70が原稿に接触するのを防止する。
図2に戻って、ピックアップローラー211を支持する軸受部材242の上方には、位置検出センサー72が設けられている。
位置検出センサー72は、例えばリミットスイッチからなり、不図示の保持部材により保持され、所定の高さ位置に配されている。軸受部材242の、位置検出センサー72に対向する位置には、位置検出センサー72のスイッチをオンにするピン242aが設けられている。
(1−4)原稿給紙トレイの構成
次に、原稿給紙トレイ22の構成について、図4を参照しながら詳しく説明する。
図4は、図2の概略斜視図を矢印Q方向から見た概略側面図である。
同図に示すように、原稿給紙トレイ22は、ピックアップローラー211,212の下方の位置に凹部220aが形成されたベースプレート220と、凹部220aに配された昇降板223と、原稿をセット(載置)する第1および第2原稿載置板221,222などからなる。
昇降板223は、平板状であり、複数のワイヤ226および各ワイヤ226を巻き上げる巻上げモーター(不図示)からなるリフト機構により昇降可能に構成されている。また、昇降板223は、当該リフト機構により、ピックアップローラー211,212の外周の最下端に接する仮想面Vsと平行に保持されている。
第1原稿載置板221も平板状であり、昇降板223の上側に配され、上流側端部に設けられた軸部221bが、ADFユニット本体21のフレーム21aに形成された一対の長孔253に挿通されて支持されている。第1原稿載置板221は、昇降板223が最下点に降下されているときには(図4(a)に示す状態)、下流側端部221aが昇降板223に当接され下流側に傾斜した状態となっている。これにより、原稿をセットするときには、その先端をベースプレート220の前壁220bで揃えやすくなるので、原稿が傾いたまま繰り出されるのを抑制することができる。
一方、昇降板223を上昇させると、図4(b)に示すように、第1原稿載置板221が追随して上昇しながらその傾斜姿勢が変化し、載置面221cを仮想面Vsに平行させることができる。これにより、第1原稿載置板221を、ピックアップローラー211,212による原稿の繰り出しが可能な高さまで上昇させることができるとともに、ピックアップローラー211,212の原稿に対する圧接力を互いに等しくすることができる。よって、原稿を繰り出すときの繰り出し力を等しくすることができる。
本実施の形態では、第2原稿載置板222は、その下流側端部222aが第1原稿載置板221上に配され、上流側端部がベースプレート220の取付部220cに回動可能に支持され、第1原稿載置板221を上昇に追随して姿勢変更されるように構成されている。これにより、第1原稿載置板221と第2原稿載置板222との間の継ぎ目部分で、原稿が屈曲せずにスムーズに繰り出されるようにしている。
また、第2原稿載置板222には、給紙方向Kと直交する方向にスライド自在に設けられた一対のサイドガイド224、および原稿検出センサー225が設けられている。この原稿検出センサー225は、原稿を載置するとアクチュエーター225aが押下されてスイッチがONとなる。複数の原稿検出センサー225が所定間隔おいて配されており、各センサーの検出に基づき搬送方向における原稿サイズを検出できる。
(2)制御部の構成
図5は、制御部60の構成と、制御部60による制御対象となる主構成要素との関係を示すブロック図である。
同図に示されるように、制御部60は、CPU(Central Processing Unit)601、ROM(Read Only Memory)602、RAM(Random Access Memory)603、通信インターフェース(I/F)部604および画像データ記憶部605、タイマー606などを備えている。
CPU601は、画像読取ユニット10、ADFユニット20、定着部30、画像プロセス部40、給紙部50および操作パネル6等を制御するためのプログラムを実行する。ROM602は、CPU601により実行される各種プログラムを格納するストレージである。RAM603は、CPU601がプログラムを実行するときのワークエリアとなる。通信I/F部604は、LANカード、LANボードといったLANに接続するためのインターフェースである。
画像データ記憶部605は、通信I/F部604や画像読取ユニット10を介して入力された、印刷用の画像データを記憶する。
操作パネル6は、複写機1の上部の操作しやすい位置に配設され、印刷設定画面等の操作画面や印刷結果等の各種情報を表示する液晶ディスプレイ、液晶ディスプレイに積層されたタッチパネルや各種指示を入力するための操作ボタン等から構成され、タッチパネルや操作ボタン等の操作を介してユーザーからの各種指示入力を受付ける。
また、CPU601は、ADFユニット20の原稿給紙トレイ22に載置された原稿を一枚ずつ繰り出す際に、原稿の厚さが所定値以下の「薄紙」であるか否かを判定して、薄紙の場合には「薄紙モード」で、それ以外の場合には「通常モード」で原稿の繰り出し処理を実行する。ここでは、原稿の厚さが所定値を超えるものは、「普通紙」または「厚紙」であり、以下、これらをまとめていう場合には「普通紙、厚紙」という。
(3)薄紙モードおよび通常モード
薄紙モードは、ピックアップローラーの圧接力、回転加速度などの原稿の繰り出し条件を薄紙専用に設定したモードである。薄紙が、普通紙や厚紙と比べて軽い分、スキューや重送などの繰り出し不良が発生しやすいことから、当該繰り出し不良を抑制するために設けられている。
ピックアップローラーの繰り出し力が大きいほど重送が発生しやすくなる。すなわち、ピックアップローラーの駆動源の回転トルクが十分ある場合、ピックアップローラーにより原稿に与えられる繰出し力の大きさは、ピックアップローラーの周面と原稿間の摩擦力によって規定されると解されるので、ピックアップローラーの原稿への圧接力が大きいほど重送が生じやすい。
また、通常ピックアップローラーはその回転軸の一方の端部において駆動源に連結されて駆動されるようになっており、このような場合には、ピックアップローラーを所期の回転速度まで立ち上げる際の回転加速度(以下、「立ち上げ加速度」という。)が大きくなればなるほど、起動直後に生じる回転軸に捻じれが大きくなる。この回転軸の捻れは、目的の回転速度になるまでに直ぐに解消され、普通紙の搬送の場合には問題が起こらないが、薄紙の場合には質量が小さいため、捻れが解消されるまでの、まだ搬送力がそれほど大きくない時点で搬送が開始されてしまい、スキューが発生しやすい。
さらに、搬送時の速度が速いほど、紙に与えられる運動エネルギーが高いので、薄紙の場合にはスキューが発生しやすいことが知られている。
そこで、本実施の形態では、薄紙モードにおいて、(a)ピックアップローラーによる圧接力、(b)立ち上げ加速度、(c)立ち上げ後の搬送速度のいずれも、通常モードよりも小さくなるように設定している(以下、(a)(b)(c)の3つの条件を「繰出し条件」と総称する。)。
(a)における圧接力の変更は、制御部60によりリレースイッチ275,276をオン・オフ制御することにより、一対のソレノイド271,272の駆動を制御して、ピックアップローラー211,212の原稿に対する圧接力をP1(第2の値)と、P1より大きいP2(第1の値)とに切り替えることにより実行される。これによりピックアップローラー211,212の繰り出し力をF1(=P1×μ)と、F2(=P2×μ)とに選択的に切り替えることができるようになっている。なお、原稿は、回転するピックアップローラーに追随して移動するので、ピックアップローラーの周面に対しては相対的に静止しており、ここでの摩擦係数「μ」は、ピックアップローラーと原稿との間の静止摩擦係数が適用される。
(b)における立ち上げ加速度の変更は、例えば、各ピックアップローラーの駆動源がDCモーターである場合には、それぞれ0[V]から目標となる印加電圧Va[V]まで立ち上げる際の電圧の変化速度をCPUにより制御することにより容易に変更することができる。また、駆動源がステッピングモーターの場合には駆動パルスの変化速度を変更すればよい。
(c)における立ち上げ後の搬送速度の変更は、上記と同じくピックアップローラーの駆動源が、DCモーターである場合には、それぞれ搬送時に印加する電圧値を制御することにより変更することができる。また、駆動源がステッピングモーターの場合には、搬送時における駆動パルスの値を変更すればよい。
図6(a)は、薄紙モードにおけるピックアップローラー211,212の繰り出し条件を説明するための図であり、図6(b)は、通常モードでの繰り出し条件を説明するための図である。
まず、図6(a)に示すように、ピックアップローラー211,212により原稿を繰り出すときには、原稿給紙トレイ22の昇降板223および第1原稿載置板221を上昇させて、第1原稿載置板221上に積載された原稿の最上位の原稿d1を予め設定された高さに配置している。このとき、ピックアップローラー211,212は、原稿を介して、一対の引張コイルばね261,262の付勢力に抗して所定の高さまで押し上げられ、当該引張コイルばね261,262の復元力により原稿に圧接されている。
制御部60は、原稿d1が「予め設定された高さ」に到達したことを、ピックアップローラー211に連動して上昇する軸受部材242のピン242aが位置検出センサー72に当接してスイッチが入ることにより検出している。
以上の構成は、図6(b)の通常モードの場合も同様である。
図6(a)の薄紙モードでは、一対のソレノイド271,272をオフにし、ピックアップローラー211,212の原稿d1に対する圧接力をP1にしている。ここでの圧接力P1は、圧接したときに得られる繰り出し力F1が、後述する薄紙の腰の強さ(剛性)に抗して、薄紙を繰り出せる大きさ以上、普通紙の腰の強さ(剛性)に抗して普通紙を繰り出せる大きさ未満になるように、予め実験により求められ設定されている。もっとも、重送を抑制できる大きさであるのは言うまでもない。
また、薄紙モードでは、ピックアップローラー211,212の立ち上げ加速度をa1(第2加速度)、立ち上げ後の搬送速度をV1(第2速度)としている。
これに対して、図6(b)に示す通常モードでは、一対のソレノイド271,272をオンにして各プランジャー271a,272aを引き込ませて、ピックアップローラー211,212の原稿d1に対する圧接力をP2と強くしている。ここでの圧接力P2は、圧接したときに得られる繰り出し力F2が普通紙および厚紙を繰り出せる大きさ以上であって、重送を抑制できる大きさになるように、予め実験により求められ設定されている。また、ピックアップローラー211,212の立ち上げ加速度をa2(第1加速度)、立ち上げ後の搬送をV2(第1速度)としている。
(4)薄紙判定処理の内容
本実施の形態では、原稿の繰出し処理を実行する前に、当該繰出し対象となる原稿が薄紙か否かの判定(薄紙判定処理)を、繰出し動作毎に実行するようにしている。
図7(a)(b)および図8(a)(b)は、上記薄紙判定処理の概要を説明するための模式図である。
まず、図7(a)に示すように、一対のソレノイド271をオフにし、ピックアップローラー211の圧接力をP1にする一方、一対のソレノイド272はオンにしてピックアップローラー212の圧接力をP2と強くする。
そして、ピックアップローラー212および給紙ローラー213aの回転を停止させた状態で、ピックアップローラー211のみを給紙方向Kに正回転させる。
ここで、仮にピックアップローラー211の回転により、最上位の原稿d1の当接された部分が繰り出されて移動し始めるとしても、当該原稿d1の、ピックアップローラー212に圧接された部分では、圧接力がP2と大きく、その分原稿d2との間の摩擦力が大きくなるために移動が規制された状態となっている。
このため、原稿d1の厚みがあり腰が強い(剛性が高い)と、その腰の強さに抗して当該当接された部分を移動させることができない場合もあるが、原稿d1が薄紙であり腰が弱い(剛性が低い)と、当該原稿の腰に打ち勝ってピックアップローラー211に当接された部分を移動させて、ピックアップローラー211,212間において、原稿d1が撓むようにしてループが形成されるようになる(図8(a)参照)。
また、最上位の原稿d1が普通紙、厚紙の場合には、図7(b)に示すように、ピックアップローラー211の繰り出し力F1が、普通紙の腰の強さ(剛性)に抗して、普通紙を繰り出せる大きさではないため、原稿d1を移動させることができず、ピックアップローラー211が空回転するようになる。
したがって、このときのループ発生の有無をループ検出センサー71で検出すれば、最上位の原稿が薄紙であるかそうでないか(普通紙・厚紙)を検出することができる。
図9(a)は、薄紙判定処理において、原稿d1が普通紙、厚紙時の、ピックアップローラー211,212、給紙ローラー213aの制御の一例を示すタイムチャートである。
同図に示すように、ピックアップローラー211を薄紙モードにおける繰出し条件(圧接力P1、立ち上げ加速度a1、立ち上げ後の搬送速度V1)で正回転させても、上記したように原稿d1のピックアップローラー211に当接する部分が移動せず、原稿にループが形成されないので、ループ検出センサー71の出力がLowのままである。そこで、制御部60は、所定の時間Taが経過してもループ検出センサー71の出力がLowの状態が継続している場合に、原稿d1が薄紙でないと判定し、ピックアップローラー211の回転を一旦停止する。この時間Taは、原稿が薄紙であれば、ループが形成されて確実にループ検出センサー71により検出される時間が設定される。
そして、ピックアップローラー211,212をともに通常モード(圧接力P2、立ち上げ加速度a2、立ち上げ後の搬送速度V2)で駆動して、原稿の繰り出し処理を行う。なお、原稿の繰り出し処理では、給紙ローラー213aもピックアップローラー211,212に同期させて回転させる。
原稿d1が繰り出され、給紙ローラー213aに挟持され搬送されている間の所定のタイミングで(ここでは、各ローラーの回転開始から時間Tb経過した時点t10としている)、ピックアップローラー211,212の回転を停止し、以降は、原稿d1を給紙ローラー213aによって搬送する。同時に、制御部60は、ピックアップローラー211,212の回転停止と同時または直前に、原稿給紙トレイ22の昇降板223を降下させ、原稿d1をピックアップローラー211,212から離間させて圧接力を「0」にする。停止状態のピックアップローラー211,212が原稿に接触して搬送抵抗にならないようにするためである。
時間Tbとして、ピックアップローラー211,212を駆動した後、原稿d1が給紙ローラー213aに挟持されて搬送されるまでの時間が設定される。なお、いずれもあまり長過ぎない時間を設定するのが望ましい。
これに対し、原稿d1が薄紙の場合には、その腰が弱いため、図8(a)に示すように、ピックアップローラー211の繰り出し力F1で、原稿d1に当接する部分を移動させることができ、ピックアップローラー211,212間において原稿d1が撓んでループが形成される。
この場合、ピックアップローラー211,212間で形成されたループRにより、ループ検出レバー70が押し上げられて、ループ検出センサー71が遮光されることから、制御部60は、ループ検出センサー71の出力の立ち上がりエッジよりループRが形成されていることを検出することができ、原稿d1が薄紙であると判定する。
ループRを検出した後は、図8(b)に示すように、ピックアップローラー211を逆回転させてループRを解消させる。もし、ループRが形成されたままの状態で原稿d1を繰り出すと、ループRが捌きニップに引き込まれて、原稿に皺が生じたり傷ついたりするおそれがあるからである。
図9(b)は、原稿d1が薄紙時の、ピックアップローラー211,212、給紙ローラー213aの制御の一例を示すタイムチャートである。
同図に示すように、薄紙モードの圧接力P1、立ち上げ加速度a1でピックアップローラー211を正回転させると、上記したように原稿d1のピックアップローラー211に当接する部分が移動して、ピックアップローラー211,212間においてループRが形成されるので、所定の時間Taが経過する前の時点(t11)で、制御部60が、ループ検出センサー71出力の立ち上がりエッジを検出する。そして、制御部60は、ループを検出した時点t11で、ピックアップローラー211を逆回転させ、形成されたループRを解消させる。ループの解消はループ検出センサー71出力の立ち下がりエッジを検出することにより判断できる。
こうしてループ解消した後(時点t12後)で、ピックアップローラー211,212をともに薄紙モードで駆動して、原稿の繰り出し処理を行う。このとき、給紙ローラー213aもピックアップローラー211,212に同期させて回転させる。
原稿d1が繰り出され、給紙ローラー213aに挟持され搬送されるタイミングで(ここでは、各ローラーの回転開始から時間Tc経過した時点t13としている)、ピックアップローラー211,212の回転を停止し、原稿d1を給紙ローラー213aにより搬送する。後は、通常モードと同じように、原稿給紙トレイ22の昇降板223を降下させ、原稿d1をピックアップローラー211,212から離間させる。
本実施の形態では、原稿を繰り出すピックアップローラー211が、薄紙判定において、原稿を送り出す送り出しローラーとして機能し、ピックアップローラー211による繰り出し力F1が、すなわち送り出し力である。
(5)原稿繰出し処理のフローチャート
図10は、制御部60で実行される原稿繰出し処理の内容を示すフローチャートである。
同図に示すように、制御部60は、コピーまたはスキャンジョブを受け付けると(ステップS101)、原稿給紙トレイ22上に原稿がセットされているかを確認する(ステップS102)。
原稿がセットされていれば(ステップS102:Yes)、上述のようにして昇降板223を上昇させ、最上位の原稿d1の高さ位置を調整して(ステップS103)、予め設定された高さに配置する。このとき、一対のソレノイド271,272はオフであり、ピックアップローラー211,212がともに原稿d1に対し圧接力P1で圧接する状態となる。
次に、原稿d1が薄紙か否かを判定する処理を行う。
まず、制御部60は、一対のソレノイド272をOnにし(ステップS104)、一方のピックアップローラー212を原稿d1に対し圧接力P2で圧接させた後、他方のピックアップローラー211を、薄紙モードの立ち上げ加速度a1で回転させる(ステップS105)。なお、搬送速度がV1に達すればその速度V1を維持する。
この後、ループを検出することなく(ステップS106:No)、ピックアップローラー211の回転開始から時間Taが経過すれば(ステップS107:Yes)、制御部60は、原稿d1が薄紙でないと判断する。そして、ピックアップローラー211の回転を一旦停止させ(ステップS108)、通常モードでの「原稿の繰り出し処理」を実行する(ステップS109)。
図11(a)は、通常モードでの原稿の繰り出し処理を示すサブルーチンである。
同図に示すように、制御部60は、まず、一対のソレノイド271をOnにし(ステップS201)、ピックアップローラー211を原稿d1に対して圧接力P2で圧接させる。その後、ピックアップローラー211,212を、立ち上げ加速度a2で回転させる(ステップS202)。このとき、制御部60は、給紙ローラー213aもピックアップローラー211,212に同期させ加速回転させる。なお、制御部60は、各ローラー211,212,213aの搬送速度がV2に達すればその速度V2を維持する。
ピックアップローラー211,212の回転開始から時間Tbが経過すれば(ステップS203:Yes)、その回転を停止させるとともに(ステップS204)、一対のソレノイド272をOffにする(ステップS205)。また、このとき、制御部60は、原稿給紙トレイ22の昇降板223を降下させて、原稿d1からピックアップローラー211,212を離間させ、圧接力を解除する。
以上で、通常モードでの原稿の繰り出し処理を終了し、図10のフローチャートにリターンする。
図10のステップS106において、原稿d1によるループを検出した場合には(ステップS106:Yes)、制御部60は、原稿d1が薄紙であると判断する。
そして、原稿d1のループを解消するため、ピックアップローラー211を逆回転させる(ステップS110)。ループが解消すれば(ステップS111:Yes)、ピックアップローラー211の逆回転を停止し(ステップS112)、薄紙モードでの「原稿の繰り出し処理」を実行する(ステップS113)。
図11(b)は、薄紙モードでの原稿の繰り出し処理を示すサブルーチンである。
同図に示すように、制御部60は、まず、一対のソレノイド272をOffにし(ステップS301)、原稿d1に対するピックアップローラー212の圧接力をP1に下げる。そして、ピックアップローラー211,212を、立ち上げ加速度a1で回転させる(ステップS302)。このとき、制御部60は、給紙ローラー213aもピックアップローラー211,212に同期させ加速回転させる。なお、制御部60は、各ローラー211,212,213aの搬送速度がV1に達すればその速度V1を維持する。
ピックアップローラー211,212の回転開始から時間Tcが経過すれば(ステップS303:Yes)、制御部60は、その回転を停止させる(ステップS304)。また、このとき、原稿給紙トレイ22の昇降板223を降下させて、原稿d1からピックアップローラー211,212を離間させ、圧接力を解除する。
以上で、薄紙モードでの原稿の繰り出し処理を終了し、図10のフローチャートにリターンする。
そして、図10のステップS114において、繰り出された原稿d1の後端が捌きローラー対213を通過した後に、次の原稿があれば(ステップS114:YES)、ステップS103に戻り、ステップS103〜S113の処理を繰り返す。
ここでは、繰り出した原稿のサイズを原稿給紙トレイ22に設けられた複数の原稿検出センサー225からの出力結果より検出でき、また、原稿の繰り出し処理の開始後、原稿の後端が捌きローラー対213を通過する時間を、予め実験によって原稿サイズ毎に求めておくことにより、制御部60が、原稿d1の後端が捌きローラー対213を通過したかの判断ができるようにしている。なお、捌きローラー対213の下流側に、原稿を検出するための用紙センサーを設けて、原稿の後端が通過したのを検出させるように構成しても構わない。
一方、次の原稿がなければ(ステップS114:No)、薄紙か否かの判定および判定後の原稿の繰り出し処理を終了する。
上記構成の複写機1のADFユニット20によれば、原稿毎に、薄紙であるか否かを判定して、その判定結果に基づいて原稿を繰り出すモード(薄紙モード、厚紙モード)を決定しているので、従来のように、複数枚の原稿の中に薄紙が混在していても、原稿のスキューや重送が発生するのを防止することができる。
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、薄紙モードでピックアップローラーを回転させて、当該ピックアップローラーの当接している部分の原稿の移動を、ループ形成の有無を検出することにより薄紙判定処理を行った。本第2の実施の形態でも、当該ピックアップローラーによる原稿の移動の有無によって薄紙判定処理を行う点は、共通しているが、その原稿移動の有無の検出方法が、より直接的である点で異なっている。
すなわち、第2の実施の形態のADFユニットは、原稿の移動そのものを、ロータリーエンコーダーを用いて検出するようにしている。
ロータリーエンコーダーに関係する部分以外の構成については、基本的に第1の実施の形態のADFユニット20と同様であるので、同じ構成については、同じ符号で示し、その説明を省略する。
図12は、第2の実施の形態に係るADFユニット300の主要部の構成を説明するための概略斜視図である。
同図に示すように、ADFユニット300のピックアップローラーは1つであり、当該ピックアップローラー211の下流側に、回転軸302を介してロータリーエンコーダー310が連結された測定ローラー301が設けられている。
回転軸302は、フレーム321aに設けられた軸受部材353,354に回転自在に支持されている。測定ローラー301は、原稿給紙トレイ22上に積載された原稿(不図示)の最上位の原稿に当接して、当該原稿の給紙方向Kの移動により従動回転するように構成されている。測定ローラー301の外周面は、原稿との間に滑りが生じないように弾性部材により構成されている。
図13(a)は、ロータリーエンコーダー310の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、ロータリーエンコーダー310は、スリット円板311と、発光部312と、受光部313と、増幅器314とを有する。スリット円板311の回転軸311bが、測定ローラー301の回転軸302に連結されている。また、スリット円板311には、図13(b)に示すように、周方向に沿って複数のスリット311aが形成されている。発光部312が発した光のうち、スリット311aを通過する光を受光部313が受光し、電気信号に変えて増幅器314に出力する。増幅器314は、受光部313からの正弦波状の出力信号を矩形波信号に変えて制御部60に出力する。制御部60は、増幅器314から矩形波信号を受信することにより、測定ローラー301が回転していることを検出、つまり、原稿の移動を検出することができる。
なお、この場合には、ロータリーエンコーダー310および測定ローラー301を回転させるのに必要な回転トルク(以下、「回転トルクTr」という。)を考慮し、ピックアップローラー211の圧接力(繰り出し力)が設定されている。
図14は、本実施の形態における、原稿が薄紙か否かを判定する処理の概要を説明するための模式図であり、図15は、当該処理時の、ピックアップローラー211、給紙ローラー213aの制御の一例を示すタイムチャートである。
まず、図14(a)に示すように、原稿給紙トレイ22上に積載された原稿の最上位の原稿d1を予め設定された高さに配して、ピックアップローラー211の圧接力をP1´にし(一対のソレノイド271はオフ)、測定ローラー301を原稿d1に当接させる。ここでの圧接力P1´は、圧接したときに得られる繰り出し力F1´が、回転トルクTrに抗して薄紙を繰り出せる大きさ以上、回転トルクTrに抗して普通紙を繰り出せる大きさ未満であって、重送を抑制できる大きさになるように、予め実験により求められ設定されている。
そして、ピックアップローラー211を正回転させる。
なお、本実施の形態では、このタイミングで、給紙ローラー213aもピックアップローラー211に同期させて回転させる。その理由は後述する。
原稿d1が普通紙、厚紙の場合には、図14(b)に示すように、ピックアップローラー211の繰り出し力F1´が、回転トルクTrに抗して普通紙や厚紙を繰り出せる大きさではないため、原稿d1を移動させることができず、ピックアップローラー211が空回転するようになる。
よって、図15(a)のタイムチャートに示すように、薄紙モード(圧接力P1´、立ち上げ加速度a1、立ち上げ後の搬送速度V1)でピックアップローラー211を正回転させても、原稿d1が移動しないので、ロータリーエンコーダー310の出力信号に変化が見られない(矩形波信号でない)。このため、制御部60は、所定の時間Tdが経過した時点で原稿d1が薄紙でないと判定して、通常モード(圧接力P2´、立ち上げ加速度a2、立ち上げ後の搬送速度V2)の原稿の繰り出し処理に移行する。ここでの圧接力P2´は、圧接したときに得られる繰り出し力F2´が、回転トルクTrに抗して普通紙および厚紙を繰り出せる大きさ以上であって、重送を抑制できる大きさになるように、予め実験により求められ設定されている。
上記時間Tdとして、薄紙原稿であれば移動して、測定ローラー301の回転によりロータリーエンコーダー310から矩形波信号が出力されて、薄紙であると判定できるに足る時間が設定される。
図15(a)に示す時点t20は、原稿d1が給紙ローラー213aに挟持されて搬送されているタイミングを示している。この時点t20で、ピックアップローラー211の回転を停止するとともに、原稿給紙トレイ22の昇降板223を降下させて、原稿d1をピックアップローラー211および測定ローラー301から離間させる。
これに対し、原稿d1が薄紙の場合には、図14(c)に示すように、ピックアップローラー211の繰り出し力F1´で、原稿d1を移動させることができるので、測定ローラー301が回転して、ロータリーエンコーダー310から矩形波信号が出力されるようになる(図15(b)参照)。制御部60は、この矩形波信号を受信することにより、原稿d1の移動を検出することができ、薄紙と判定する。なお、ここでは、誤判定を防止するため、矩形波信号を受信後直ちに薄紙と判定せず、時間Tdが経過した時点で薄紙と判定するようにしている。
薄紙と判定した後、薄紙モードの原稿の繰り出し処理に移行する。ここでは、ピックアップローラー211の回転駆動を継続させるだけでよい。本実施の形態では、第1の実施の形態のようなピックアップローラー212がないので、回転同期のためピックアップローラー211を一旦停止させる必要がないからである。なお、原稿の繰り出し処理においては、ピックアップローラー211と給紙ローラー213aとの回転を同期させるのが好ましいことから、ここでは、上記したように薄紙か否かの判定のときに、給紙ローラー213aを回転させている。
図15(b)に示す時点t21は、原稿d1が給紙ローラー213aに挟持されて搬送されるタイミングを示し、この時点t21でピックアップローラー211の回転を停止するとともに、原稿給紙トレイ22の昇降板223を降下して、原稿d1をピックアップローラー211および測定ローラー301から離間する。
このように本実施の形態では、薄紙であるか否かを判定した後、ピックアップローラー211の回転を一旦停止させなくてもよいので、第1の実施の形態よりも、原稿の繰り出し処理の高速化が図れるという利点がある。
本実施の形態でも、ピックアップローラー211が、薄紙判定において原稿を送り出す送り出し手段として機能している。
また、本実施の形態においても、原稿毎に、薄紙であるか否かを判定して、その判定結果に基づいて原稿を繰り出すモード(薄紙モード、厚紙モード)を決定しているので、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができ、原稿の繰り出し不良を抑制することができる。
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態のADFユニットは、薄紙モードでピックアップローラーを回転させて、原稿の移動により形成されるループを検出したときに薄紙であると判定するように構成されている点で、第1の実施の形態のADFユニット20と共通している。
一方、第1の実施の形態のADFユニット20は、給紙方向Kに所定間隔をおいて配された2つのピックアップローラー211,212を有し、原稿が薄紙の場合には、ピックアップローラー211,212間でループが形成されるように構成されている。これに対して、第2の実施の形態のADFユニットが有するピックアップローラーは1つであり、原稿が薄紙の場合には、当該ピックアップローラーと捌きローラー対との間でループが形成されるように構成されている点で相違する。
その他の構成については、基本的に第1の実施の形態のADFユニット20と同様であるので、同じ構成については、同じ符号で示し、その説明を省略する。
図16(a)は、第3の実施の形態に係るADFユニット400の主要部の構成を説明するための概略側面図である。
同図に示すように、ADFユニット400のピックアップローラーは1つであり、当該ピックアップローラー211と捌きローラー対213との間の、原稿を、捌きローラー対213のニップ部Nに導くガイド板401が上方に湾曲して形成され、原稿によるループを形成するための空間402が設けられている。
また、第1原稿載置板403は、回転軸403aを有し、回転軸403aが不図示のステッピングモーターにより回転駆動されて、載置された原稿を予め設定された高さに配することができるように構成されている。
薄紙か否かを判定する場合には、図16(b)に示すように、給紙ローラー213aの回転を停止させた状態で、ピックアップローラー211を給紙方向Kに正回転させる。
薄紙の場合には、原稿d1が移動して、捌きローラー対213のニップ部Nに突き当たり、当該ニップ部Nにより移動が規制されると、図示するようにループRが形成されるようになる。以降は、第1の実施の形態と同様であり、ループRによりループ検出レバー70が押し上げられることによりループ検出センサー71が遮光されるので、制御部60は、ループ検出センサー71の出力結果よりループRが形成されていることを検出し、薄紙であると判定する。
この場合にも、薄紙であると判定したときには、ピックアップローラー211を逆回転させてループRを解消した後、原稿の繰り出し処理を行うようにする。原稿に皺が生じたり傷ついたりするのを抑制するためである。
本実施の形態では、薄紙か否かを判定するには、原稿を、捌きローラー対213まで移動させる時間が必要になるので、その分、第1の実施の形態よりも原稿読み込みの生産性が低下することになるが、ピックアップローラーを捌きローラー対213に出来る限り近づけて原稿の移動距離を短くすることにより、生産性の低下を抑制することが可能である。
一方、本実施の形態では、給紙方向Kに配するピックアップローラーを1つにすることができるので、2つのピックアップローラーを用いる第1の実施の形態よりも部品数を削減でき、それにより、コスト削減および装置が大型化するのを抑制できる利点を有する。
また、本実施の形態においても、原稿毎に、薄紙であるか否かを判定して、その判定結果に基づいて原稿を繰り出すモード(薄紙モード、厚紙モード)を決定しているので、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができ、原稿の繰り出し不良を抑制することができる。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1)上記実施の形態では、引張コイルばねおよびソレノイドを用いてピックアップローラーを原稿に向けて付勢して圧接する構成を示したが、これに限定するものではない。
例えば、ソレノイドに代えてカム機構、ねじ送り機構または直動モーターなどを用いて引張コイルばねを引っ張るように構成しても構わないし、また、引張コイルばねを圧縮コイルばねなどに代えて上方から押し付けるようにしても構わない。
ピックアップローラーを原稿に圧接する力を切り替えるための機構は、ADFユニットの仕様等などに合わせて適宜選択することができる。
(2)上記実施の形態では、通常モードでのピックアップローラーの圧接力をP2、薄紙モードでの圧接力をP1として、圧接力を2段階に切り替える構成を示したが、これに限定するものではない。
特に、上記(1)のように圧接のためのアクチュエーターとしてカム機構やねじ送り機構などを用いた場合には、圧接力を多段階あるいは連続的に変更可能なので、例えば、通常モード内においても原稿の厚さによって、より細かく分類し(例えば普通紙と厚紙を分けるなど)、当該分類毎に、ピックアップローラーの圧接力を切り替えることができるようにしてもよい。当該圧接力に併せ、ピックアップローラーの立ち上げ加速度や、搬送速度を複数段階に切り換えるようにしてももちろん構わない。
また、第1の実施の形態における薄紙判定処理において、ピックアップローラー212の圧接力をP2よりもっと強くしたり、ピックアップローラー211の圧接力P1を微調整して、普通紙と厚紙の判別も可能なようにすることも可能である。
(3)第1の実施の形態では、原稿が薄紙か否かを判定する際、2つのピックアップローラー211,212のうち下流側のピックアップローラー212を、原稿の移動を規制する移動規制手段として用いた構成を示したが、これに限定するものではない。
例えば、ピックアップローラー212に代えて、ソレノイドなどの適当なアクチュエーター機構によりローラー以外の押圧部材を原稿に押し付けてその部分の原稿の移動を規制するものであっても構わない。もっとも、この場合には、原稿の繰り出し処理を行う際、当該押圧部材を原稿から離間させる必要がある。
また、その移動規制位置もピックアップローラー211より下流側でなく、上流側に配置し、これに向けてピックアップローラー211を逆転させて原稿を送り出す力を加えるようにしても構わない。要するに、最上位の原稿にループを形成させる構成であれば、薄紙判定処理に利用することが可能である。
また、当該判定において、上流側のピックアップローラー211を、原稿を移動させるための繰り出し力を付与する判定用原稿移動手段として用いた構成を示したが、これに限定するものではなく、別途、判定のための専用のローラーで移動させる構成、または押圧部材を原稿面に押し当てた状態で、この押圧部材を移動させて原稿を移動規制位置に向けて送るようにしても構わない。例えば、判定のための専用のローラーを別途設けた場合には、薄紙モードで繰り出すときのピックアップローラー211の圧接力P1の大きさは、圧接したときの繰り出し力F1で薄紙を繰り出せる大きさ以上であって、重送やスキューなどの繰り出し不良を抑制できる大きさであればよい。紙の腰の強さを考慮しなくてもよく、また、薄紙だけでなくも、普通紙を繰り出せる大きさであっても構わない。このような圧接力P1の大きさは、実験により求めることができる。
(4)第1の実施の形態では、原稿給紙トレイ22において、昇降板223を、複数のワイヤ226とそれを巻き上げる巻上げモーターのリフト機構により昇降させる構成を示したが、これに限定するものではない。例えば、カム機構を用いて昇降板223を昇降させる構成とすることもできる。
ここでは、積載された原稿の最上位の原稿を予め設定された高さに配し、ピックアップローラー211,212の、原稿に対する圧接力が互いに等しくなればよく、その機構は、ADFユニットの仕様等などに合わせて適宜選択することができる。
(5)また、最上位の原稿d1が予め設定された高さに到達したか否かを、リミットスイッチからなる位置検出センサー72を用いて検出する構成を示したが、これに限定するものではない。例えば、リミットスイッチに代えてフォトインタラプタ式のセンサーを用いることもできる。
(6)第1および第3の実施の形態では、原稿のループを検出するため、ループ検出レバー70と、フォトインタラプタ式のループ検出センサー71を用いた構成を示したが、これに限定するものではない。例えば、測距センサーを用いて、最上位の原稿面までの距離を監視することにより、原稿がループして浮き上がったときの距離変位から検出する構成とすることもできる。
(7)第2の実施の形態では、原稿の移動そのものを、ロータリーエンコーダー310を用いて検出する構成を示したが、これに限定するものではない。例えば、非接触のレーザードップラー方式の速度センサーを用いて、原稿の移動速度を測定することにより検出する構成とすることもできる。
(8)上記実施の形態では、ピックアップローラーによる原稿の繰り出し条件としてローラーの圧接力、立ち上げ加速度、立ち上げ後の搬送速度の三者を挙げて、モードに応じていずれも変更するようにしたが、ADFユニットの仕様などによっては、一部の条件でも変更すれば足りる場合がある。例えば、ピックアップローラーの回転軸の径を太くして剛性を大きくすれば、捻れによるスキュー発生を軽減できるので、立ち上げ加速度の変更は、必ずしも必要ではなくなる場合がある。また、もともと原稿の搬送速度が低い低価格機種にあっては、搬送速度を必ずしも変更する必要がない場合もあり得る。
(9)上記実施の形態では、薄紙判定処理を、薄紙モードでピックアップローラーを回転させたときに、その部分での原稿が移動するか否かにより行う構成を示したが、これに限定するものではない。
例えば、最上位の原稿の一端を、吸盤などで吸着して浮かせて、浮かせた状態で、例えば測距センサーからなる厚さ測定装置などを用いることにより、原稿の厚さを測定することができ、その測定結果より原稿が薄紙であるか否かの判定を行うように構成することもできる。
(10)上記実施の形態では、複写機である画像形成装置におけるADFユニットを用いて説明したが、本発明の適用範囲は、これに限らず、例えば、プリンターの給紙カセットにも適用することができる。
給紙カセットに収容された記録シートを繰り出す処理においても、記録シート毎に、記録シートの厚さに判定して繰り出す条件を制御するようにすれば、従来よりも、記録シートの繰り出し不良を抑制することができる。
(11)上記実施の形態では、画像形成装置として、タンデム型カラー複写機を用いて説明したが、本発明の適用範囲は、これに限らず、他の複写機や、プリンター、ファクシミリ装置などに適用することができる。
また、上記実施の形態及び変形例の内容は、可能な限り組み合わせても構わない。
本発明は、トレイ上に載置されたシートを繰り出す技術として有用である。
a1 立ち上げ加速度(第2加速度)
a2 立ち上げ加速度(第1加速度)
P1 圧接力(第2の値)
P2 圧接力(第1の値)
V1 搬送速度(第2速度)
V2 搬送速度(第1速度)
F1,F2 繰り出し力(送り出し力)
1 複写機
2 プリンター部
3 スキャナー部
6 操作パネル
10 画像読取ユニット
20 ADFユニット
22 原稿給紙トレイ
29 動力伝達機構
30 定着部
40 画像プロセス部
50 給紙部
60 制御部
70 ループ検出レバー
71 ループ検出センサー
72 位置検出センサー
211,212 ピックアップローラー
221,222 原稿載置板
223 昇降板
225 原稿検出センサー
271,272 ソレノイド
301 測定ローラー
310 ロータリーエンコーダー

Claims (13)

  1. トレイ上に積載されたシートを、最上位のシートから順にピックアップローラーで繰り出す繰出し手段を有するシート搬送装置であって、
    各繰り出し動作の実行毎に、繰り出し対象となる最上位のシートの厚みを事前に判定する厚み判定手段を備え、
    前記繰出し手段は、前記厚み判定手段による判定結果に応じた繰り出し条件に従ってシートの繰り出し動作を実行する
    ことを特徴とするシート搬送装置。
  2. 前記厚み判定手段は、
    トレイの最上位に載置されたシートについて、その一部分の移動を規制すると共に、当該シートの他の部分に前記移動規制位置に向けて所定の送り出し力を加えてループを形成させるループ形成手段と、
    前記ループ形成手段により形成されたシートのループを検出するループ検出手段と
    を備え、
    前記ループ検出手段によるループの検出結果に基づき、最上位のシートの厚みを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
  3. 前記ピックアップローラーよりもシート搬送方向上流側に、最上位のシートの上面に接触して当該シートを所定の送り出し力で前記ピックアップローラー方向に送り出す送り出しローラーを備え、
    前記ループ形成手段は、前記ピックアップローラーの回転を停止させた状態でシートに押圧させることにより当該シートの一部分の移動を規制し、前記送り出しローラーによりシートの他の部分を前記ピックアップローラーによる移動規制位置に向けて送り出すことによりシートに前記ループを形成させる構成である
    ことを特徴とする請求項2に記載のシート搬送装置。
  4. 前記ループ検出手段によりループが検出された場合において、前記シートの繰り出し動作の実行に際し、前記送り出しローラーを逆回転させて当該シートを元の位置に戻してループを解消させる
    ことを特徴とする請求項3に記載のシート搬送装置。
  5. 前記厚さ判定手段は、
    前記最上位のシートに対し、所定の送り出し力を加える送り出し手段と、
    前記送り出し力が加えられた方向におけるシートの移動を検出する移動検出手段と
    を備え、
    前記送り出し手段により最上位のシートに前記所定の送り出し力を加えたときにおける前記移動検出手段の検出結果に基づき、最上位のシートの厚みを判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
  6. 前記送り出し手段は、前記繰出し手段が兼ねている
    ことを特徴とする請求項5に記載のシート搬送装置。
  7. 前記移動検出手段が、最上位のシートに当接され、当該シートの移動に伴って回転する測定用ロールと、測定用ロールの回転軸に取り付けられたロータリーエンコーダーとからなる
    ことを特徴とする請求項5または6に記載のシート搬送装置。
  8. 前記繰出し手段は、
    ピックアップローラーを前記最上位のシートに圧接する圧接手段を備えると共に、
    前記繰出し条件として、前記ピックアップローラーを前記最上位のシートに圧接する圧接力を含み、
    前記厚さ判定手段によりシートの厚さが所定値以下でないと判定されたときには、前記圧接力を第1の値に設定し、
    シートの厚さが所定値以下であると判定されたときには、前記圧接力を第1の値よりも小さい第2の値に設定して、繰出し動作を実行する
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のシート搬送装置。
  9. 前記繰り出し条件として、ピックアップローラーの回転速度を目標の回転速度に立ち上げるまでの回転加速度を含み、
    前記繰出し手段は、
    前記厚さ判定手段によりシートの厚さが所定値以下でないと判定されたときには、前記回転加速度を第1加速度に設定し、
    シートの厚さが所定値以下であると判定されたときには、前記回転加速度を第1加速度よりも小さい第2加速度とする
    ことを特徴とする請求項1または8のいずれかに記載のシート搬送装置。
  10. 前記繰り出し条件として、前記ピックアップローラーによる搬送速度を含み、
    前記繰出し手段は、
    前記厚さ判定手段によりシートの厚さが所定値以下でないと判定されたときには、前記搬送速度を第1速度とし、
    シートの厚さが所定値以下であると判定されたときには、前記搬送速度を第1速度よりも小さい第2速度として、繰出し動作を実行する
    ことを特徴とする請求項1から9までのいずれかに記載のシート搬送装置。
  11. 請求項1から10までのいずれかに記載のシート搬送装置を備えることを特徴とする原稿読取装置。
  12. 請求項11に記載の原稿読取装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
  13. 給紙部に、請求項1から10までのいずれかに記載のシート搬送装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
JP2012023786A 2012-02-07 2012-02-07 シート搬送装置、原稿読取装置および画像形成装置 Pending JP2013159459A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012023786A JP2013159459A (ja) 2012-02-07 2012-02-07 シート搬送装置、原稿読取装置および画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012023786A JP2013159459A (ja) 2012-02-07 2012-02-07 シート搬送装置、原稿読取装置および画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013159459A true JP2013159459A (ja) 2013-08-19

Family

ID=49172035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012023786A Pending JP2013159459A (ja) 2012-02-07 2012-02-07 シート搬送装置、原稿読取装置および画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013159459A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016164768A (ja) * 2015-03-06 2016-09-08 聖杰國際股▲ふん▼有限公司Sanjet International Co.,Ltd. 工作機械のスマート制御システムおよびその制御方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016164768A (ja) * 2015-03-06 2016-09-08 聖杰國際股▲ふん▼有限公司Sanjet International Co.,Ltd. 工作機械のスマート制御システムおよびその制御方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2537785B1 (en) Sheet feeding device and image forming apparatus
US7900917B2 (en) Recording medium conveyer capable of effectively conveying recording medium of various types
JP6991828B2 (ja) シート給送装置
US11477338B2 (en) Original feeding device
US20150151935A1 (en) Sheet feeding device and image forming apparatus
US10766721B2 (en) Sheet feeding device capable of using long sheets, method of controlling sheet feeding device, and image forming system
JP7271322B2 (ja) シート給送装置
JP5605387B2 (ja) 原稿搬送装置、原稿読取装置および画像形成装置
JP2019182556A (ja) 給紙装置、およびそれを備えた画像形成装置
JP7321805B2 (ja) シート給送装置、画像読取装置及び画像形成装置
EP3293579B1 (en) Sheet feeding apparatus and image forming apparatus
JP5884561B2 (ja) 原稿搬送装置、原稿読取装置および画像形成装置
JP2017001878A (ja) シート給送装置及びこれを用いた読取装置並びに画像形成装置
JP2013159459A (ja) シート搬送装置、原稿読取装置および画像形成装置
US10202249B2 (en) Sheet feeding device, image reading device, and image forming apparatus
JP5772383B2 (ja) 給紙装置、画像読取り装置及び画像形成装置
JP6717114B2 (ja) 画像形成装置
JP2014009082A (ja) シート給送装置及び画像形成装置
US11981531B2 (en) Sheet feeding device and image forming apparatus
US20240051775A1 (en) Sheet feeding device and image forming apparatus incorporating the sheet feeding device
JP4227546B2 (ja) シート給送装置
JP7237505B2 (ja) シート給送装置、画像読取装置及び画像形成装置
JP5962034B2 (ja) 原稿搬送装置および画像形成装置
JP6146186B2 (ja) シート搬送装置、画像読取装置および画像形成装置
JP6645122B2 (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20140613