JP2013158800A - 金属リングの製造方法及びその製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1のレーザ光L1と第2のレーザ光L2をそれぞれ円筒状ワーク24の法線52方向に対して傾斜するように照射する。
【効果】第1のレーザ光と第2のレーザ光をそれぞれ円筒状ワークの法線方向に対して傾斜するように照射するので、円筒状ワークから切断された金属リングの側端縁の断面視の形状は、湾曲形状に近くなり、側端縁を湾曲形状に仕上げるときの除去量が少なくなる。結果、円筒状ワークから切断された金属リングの側端縁の除去量を少なくし、仕上げ工程のサイクルタイムを短くすることができる。
【選択図】図5
Description
図12(a)に示すように、保持部材200で金属製の円筒状ワーク201を保持する。保持部材200と共に円筒状ワーク201を回転させ、レーザ光照射機構202からレーザ光を円筒状ワーク201の法線方向に照射する。レーザ光により円筒状ワーク201が切断され、輪切りにされた金属リング203が得られる。1個の金属リング203が輪切りにされたら、想像線で示すレーザ光照射機構202の位置に所定の幅だけ移動させ、次の金属リング203を輪切りにする。これらの工程を繰り返すことで、1個の円筒状ワーク201から複数の金属リングを得ることができる。
仮に、レーザ光を円筒状ワークの法線方向に照射すると、切断された金属リングの側端縁の断面視の形状は四角になり、側端縁を湾曲形状に仕上げるには除去量が多くなる。
一方、本発明によれば、第1のレーザ光と第2のレーザ光をそれぞれ円筒状ワークの法線方向に対して傾斜するように照射するので、円筒状ワークから切断された金属リングの側端縁の断面視の形状は、湾曲形状に近くなり、側端縁を湾曲形状に仕上げるときの除去量が少なくなる。結果、円筒状ワークから切断された金属リングの側端縁の除去量を少なくし、仕上げ工程のサイクルタイムを短くすることができる。
第1のレーザ光と第2のレーザ光を互い違いの方向から同時に照射することで、切断工程の工数を短くすることができる。
パルスレーザ光で側端縁を仕上げるので、側端縁に溶融層が形成されることがなく、除去部が昇華される。結果、側端縁を精度良くきれいに仕上げることができる。
加工ヘッドを2つ設けるだけであるので、レーザ光照射機構を簡易な構成にできる。
第1のレーザ光及び第2のレーザ光を同時のタイミングで照射する場合であっても、加工ヘッドを2つ設けるだけであるので、レーザ光照射機構を簡易な構成にし、レーザ光照射機構のコストを抑えることができる。
ローラ間に金属リングを掛け渡してローラ間の間隔を広げるだけで、テーパ部の作用により金属リングがフランジ部に押し付けられて、金属リングの位置決めがなされる。位置決めされた金属リングの側端縁にレーザ光を照射して仕上げるので、側端縁の仕上げ精度を向上させることができる。
ローラにテーパ部及びフランジ部を設けるだけなので、金属リング位置決め機構のコストの低減を図ることができる。
図1に示すように、金属リングの製造装置10は、第1ベース11と、この第1ベース11に設けられるモータ12と、このモータ12のモータ軸13に設けられる第1プーリ14と、第2ベース15と、この第2ベース15に軸受16を介して回転自在に設けられるスピンドル17と、このスピンドル17の一端に設けられる第2プーリ18と、この第2プーリ18及び第1プーリ14に掛け渡されモータ12の駆動力をスピンドル17に伝達するベルト21とを備える。
図2に示すように、押し圧用部材27は、略円筒形状であり、内径部の両端部はテーパ形状を呈する。テーパ形状を呈する第1径変化用部26及びテーパ形状を呈する第2径変化用部材28は、それぞれ押し圧用部材27の両端側から嵌められる。第1径変化用部26と第2径変化用部材28とは、スプリング36によって離れる方向に付勢される。
図3に示すように、保持部材25は、小径部61と、この小径部61より大径であり略円筒形状を呈する保持部62と、この保持部62よりも大径の堰き止め部63とを有する中空体である。
図4に示すように、押し圧用部材27は弾性を有し、内壁71から外壁72に向けて複数のスリット73が長手方向に沿って延ばされる。内壁71には、左端、右端のそれぞれから離間するに従って縮径するテーパ部74が設けられる。
図5は円筒状ワーク24の断面及びレーザ光照射機構40を示す図である。
(a)に示すように、円筒状ワーク24の厚みはt1である。レーザ光照射機構40の第1加工ヘッド44からレーザ光L1を、円筒状ワーク24の基端開口51側から、円筒状ワーク24の法線52方向に対して角度α1で照射し、円筒状ワーク24を切断する。α1は45°であり、レーザ光L1の外径はt2である。
図6に示すように、金属リング54の切断後、第1加工ヘッド44から第3のレーザ光L3を照射し、第1加工ヘッド44を円弧状レール(図2、符号43)に沿って矢印(3)のように移動させ、側端縁55が湾曲面58となるように仕上げ加工を行う。第1加工ヘッド44からのレーザ光L3は、パルスレーザ光である。このパルスレーザ光L3を発振するレーザ発振器のピーク出力は、300kW〜1MWである。なお、第1加工ヘッド44は、レーザ光L1用の図示省略したレーザ発振器と、レーザ光L3用の図示省略したレーザ発振器と、それぞれのレーザ光L1、L3を光学的に切り替える図示省略した切り替え手段とを備える。
ここで図12(b)に戻って、従来技術の除去部206の面積は、S1である。従来技術の金属リング203の厚みは実施例と同じt1であるが、除去部の面積を比較すると、S2<S1である。すなわち、金属リングの側端縁において、従来技術の除去量より、実施例の除去量が少ない。結果、仕上げ工程のサイクルタイムを短くすることができる。
先ず、仕上げ加工手段90について説明する。
図7に示す、金属リングの製造装置80は、切断工程で切断された金属リング54に仕上げ加工を施すものである。金属リングの製造装置80は、基盤81と、この基盤81の下面82に設けられた2本のレール83と、これらのレール83に摺動自在に設けられるローラ用スライダ84及び加工ヘッド用スライダ85と、ローラ用スライダ84に設けられ第2駆動モータ86を支持するローラ用移動テーブル87と、第2駆動モータ86に回転自在に設けられる移動ローラ88と、加工ヘッド用スライダ85に設けられ加工ヘッド昇降機構91を支持する加工ヘッド用移動テーブル92と、加工ヘッド昇降機構91に昇降自在に設けられるレーザ光照射機構93と、下面82に設けられ2個の第1駆動モータ94を支持する固定テーブル95と、2個の第1駆動モータ94にそれぞれ回転自在に設けられる固定ローラ96とからなる。
図8に示すように、基盤81の上面101には、長穴102を設けてあり、この長穴102に沿って移動ローラ88が移動される。移動ローラ88を固定ローラ96に近づける。この状態で略円形状の想像線で示す金属リング54を、移動ローラ88及び2個の固定ローラ96に掛け渡す。移動ローラ88を固定ローラ96から離れる方向に移動させることで、実線で示す金属リング54のように緊張した状態となる。
図9に示すように、距離調整機構111は、基盤81の下面82に設けられるステー112と、このステー112に設けられるネジ用モータ113と、ネジ用モータ113の軸に設けられるシャフト114と、このシャフト114に設けられるネジ部115と、加工ヘッド用移動テーブル92に固定されネジ部115と噛み合うナット部116と、加工ヘッド用移動テーブル92とローラ用移動テーブル87とを連結する連結シャフト117と、からなる。ネジ用モータ113を駆動させシャフト114を回転させることで、加工ヘッド用移動テープル92及びローラ用移動テーブル87が移動する。これにより、図8に示す移動ローラ88を移動させることができる。
図10に示すように、固定ローラ96には、基盤側(下側)の端部に金属リング54の側端縁55が着座するフランジ部98が設けられ、フランジ部98の上部にフランジ部98に向かうにつれて縮径されるテーパ部99が設けられる。移動ローラ88も同様に、フランジ部103と、テーパ部104が設けられる。
図11に示すように、金属リング54の側端縁55に向けて、上方に位置するレーザ光照射機構93の加工ヘッド105からレーザ光を照射する。加工ヘッド昇降機構(図7、符号91)によりレーザ光照射機構93を矢印(4)のように下降させると共に、加工ヘッド105を側端縁55に向くように調整して仕上げ加工を施し、湾曲面58を得る。
図2に示すように、保持部材25により保持された金属製の円筒状ワーク24を回転させるワーク回転工程と、円筒状ワーク24にレーザ光照射機構40からレーザ光を照射し、円筒状ワーク24を切断して図5に示す金属リング54を得る切断工程と、を有する金属リングの製造方法において、切断工程は、レーザ光照射機構40から照射する第1のレーザ光L1を、円筒状ワーク24の先端開口51側、又は、円筒状ワーク24の基端開口53側のどちらか一方から、円筒状ワークの法線52方向に対して傾斜するように照射し、第1のレーザ光L1の照射後に、第1のレーザ光L1の軌跡と金属リング54の厚みt1の範囲内で交わる第2のレーザ光L2を、第1のレーザ光L1とは他方から円筒状ワークの法線52方向に対して傾斜するように照射する。
また、実施例で示したレーザ光照射機構40では、円筒状ワーク24を第1のレーザ光L1を照射した後、第2のレーザ光L2を照射して、金属リング54を切断したが、第1のレーザ光L1と第2のレーザ光L2は、同時に照射しても差し支えない。
Claims (7)
- 保持部材により保持された金属製の円筒状ワークを回転させるワーク回転工程と、
前記円筒状ワークにレーザ光照射機構からレーザ光を照射し、前記円筒状ワークを切断して金属リングを得る切断工程と、を有する金属リングの製造方法において、
前記切断工程は、前記レーザ光照射機構から照射する第1のレーザ光を、前記円筒状ワークの先端開口側、又は、前記円筒状ワークの基端開口側のどちらか一方から、前記円筒状ワークの法線方向に対して傾斜するように照射し、
前記第1のレーザ光の照射後に、前記第1のレーザ光の軌跡と前記金属リングの厚みの範囲内で交わる第2のレーザ光を、前記第1のレーザ光とは他方から前記円筒状ワークの法線方向に対して傾斜するように照射することを特徴とする金属リングの製造方法。 - 保持部材により保持された金属製の円筒状ワークを回転させるワーク回転工程と、
前記円筒状ワークにレーザ光照射機構からレーザ光を照射し、前記円筒状ワークを切断して金属リングを得る切断工程と、を有する金属リングの製造方法において、
前記切断工程は、前記レーザ光照射機構から照射する第1のレーザ光を、前記円筒状ワークの先端開口側、又は、前記円筒状ワークの基端開口側のどちらか一方から、前記円筒状ワークの法線方向に対して傾斜するように照射すると同時に、第2のレーザ光を、前記第1のレーザ光とは他方から前記円筒状ワークの法線方向に対して傾斜するように照射し、
前記第1のレーザ光の軌跡と前記第2のレーザ光の軌跡が、前記金属リングの厚みの範囲内で交わるように、前記第1のレーザ光と前記第2のレーザ光は同時に照射されていることを特徴とする金属リングの製造方法。 - 前記切断工程後の前記金属リングに仕上げ加工を施す仕上げ工程は、
前記金属リングの側端縁をパルスレーザ光で昇華させて、断面視で湾曲形状に加工されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の金属リングの製造方法。 - 金属製の円筒状ワークにレーザ光を照射することによって前記円筒状ワークを切断して金属リングを得る金属リングの製造装置において、
前記円筒状ワークを保持する保持部材と、
この保持部材に接続され前記保持部材に保持された前記円筒状ワークを回転させるワーク回転機構と、
前記保持部材に面するように設けられ前記円筒状ワークにレーザ光を照射するレーザ光照射機構とを備え、
前記レーザ光照射機構は、前記円筒状ワークの先端開口側、又は、前記円筒状ワークの基端開口側のどちらか一方から、前記円筒状ワークの法線方向に対して傾斜するように第1のレーザ光を照射する第1加工ヘッドと、
前記第1のレーザ光の照射後に、前記第1のレーザ光の軌跡と前記金属リングの厚みの範囲内で交わる第2のレーザ光を、前記第1のレーザ光とは他方から前記円筒状ワークの法線方向に対して傾斜するように照射する第2加工ヘッドとからなることを特徴とする金属リングの製造装置。 - 金属製の円筒状ワークにレーザ光を照射することによって前記円筒状ワークを切断して金属リングを得る金属リングの製造装置において、
前記円筒状ワークを保持する保持部材と、
この保持部材に接続され前記保持部材に保持された前記円筒状ワークを回転させるワーク回転機構と、
前記保持部材に面するように設けられ前記円筒状ワークにレーザ光を照射するレーザ光照射機構とを備え、
前記レーザ光照射機構は、前記円筒状ワークの先端開口側、又は、前記円筒状ワークの基端開口側のどちらか一方から、前記円筒状ワークの法線方向に対して傾斜するように第1のレーザ光を照射する第1加工ヘッドと、
第2のレーザ光を、前記第1のレーザ光とは他方から前記円筒状ワークの法線方向に対して傾斜するように照射すると共に、前記第1のレーザ光の軌跡と前記第2のレーザ光の軌跡が、前記金属リングの厚みの範囲内で交わるように、前記第1のレーザ光の照射と同時のタイミングで前記第2のレーザ光を照射する第2加工ヘッドとからなることを特徴とする金属リングの製造装置。 - 請求項3記載の金属リングの製造方法に使用される金属リングの製造装置において、
基盤と、
この基盤に回転自在に設けられ前記金属リングが掛け渡される複数個のローラと、
前記基盤に設けられ前記複数個のローラのうちの少なくとも2個の間の距離を調整可能な距離調整機構と、
前記基盤に設けられ前記金属リングを周回動作させるために前記複数個のローラのうち少なくとも1個を回転させるローラ回転機構と、
前記金属リング近傍に設けられ周回動作する前記金属リングの一方の側端縁を仕上げ加工する仕上げ加工手段と、を備え、
前記複数個のローラの基盤側の端部に、前記金属リングの他方の側端縁が着座するフランジ部が設けられると共に、
前記複数個のローラに、前記フランジ部に向かうにつれて縮径されるテーパ部が設けられ、
前記仕上げ加工手段は、前記フランジ部に前記金属リングの他方の側端縁が着座し且つ前記複数個のローラによって緊張した状態で周回動作する前記金属リングの一方の側端縁に沿ってレーザ光を照射するレーザ光照射機構を有すると共に、前記金属リングの一方の側端縁が断面視で湾曲形状に加工されることを特徴とする金属リングの製造装置。 - 前記複数個のローラに掛け渡された前記金属リングは、前記複数個のローラが回転することに伴って周回動作されると共に、前記金属リングの他方の側端縁を前記テーパ部によって前記フランジ部に向かって変位させて前記フランジ部に着座される金属リング位置決め機構を備えることを特徴とする請求項6記載の金属リングの製造装置。
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