JP2013157881A - 撮像装置、その制御方法、および制御プログラム - Google Patents

撮像装置、その制御方法、および制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】連写速度(フレームレート)を低下させることなく、効果的にノイズを低減する。
【解決手段】画素の各々は、光を電荷に変換する光電変換素子303aと、電荷をフローティングノード306aに転送するための転送ゲート302aとを有し、第1の読み出しモードでは第N行目(Nは1以上の整数)の画素について転送ゲートをオンとした状態でフローティングノードから第1の出力信号が読み出される。第2の読み出しモードでは、第N行目の画素について転送ゲートをオフとした状態でフローティングノードから第2の出力信号が読み出される。そして、第2の出力信号を補正用信号として用いて第1の出力信号を補正して画像信号を得る。
【選択図】図3

Description

本発明は、デジタルカメラなどの撮像装置、その制御方法、および制御プログラムに関する。
近年、デジタルカメラなどの撮像装置では、光学像(光)をアナログ信号(電気信号)に変換するための撮像素子(イメージセンサ)として、従来のCCD(Charge Coupled Device)センサに代わって、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサが用いられるようになってきている。
CMOSセンサでは、2次元マトリックス状に配列された複数の画素を駆動する制御回路および増幅回路が、行方向および列方向で共有化されている。一方、共有化構成のイメージセンサでは、信号読み出しの際に発生するノイズおよびセンサ毎の各回路のばらつきなどによって、所謂横スジノイズおよび縦スジノイズなどが発生する。
横スジノイズおよび縦スジノイズを補正するため、例えば、イメージセンサから撮像信号(アナログ信号)を水平信号線に読み出す第1の読み出しモードと、ノイズを抑圧するための補正データを取得する第2の読み出しモードとを備える撮像装置が知られている(特許文献1参照)。
図10は、従来の撮像装置で用いられる撮像素子における画素の構成を示す図である。
図10において、フォトダイオード(PD)1001は光を電荷に変換する。ソースフォロワ(SF)1002はPD1001から出力された電荷を電荷量に応じた電圧に変換する。転送トランジスタ1003はPD1001で変換された電荷をSF1002に転送する。リセットトランジスタ1004はPD1001およびSF1002を初期化する。
第1の読み出しモードでは、転送トランジスタ1003のオンによってPD1001からSF1002に電荷が転送される。一方、第2の読み出しモードでは、転送トランジスタ1003がオフとされて、PD1001からSF1002への電荷の転送を停止する。そして、PD1001からSF1002への電荷の転送を停止することによって、被写体に依存せず、SF1002以降の回路で発生するノイズ成分のみを検出することができる。
特開2008−148082号公報
ところが、従来の撮像装置では、上述のような補正データの取得動作を撮像信号(つまり、画像)の取得直前に行う必要がある。その結果、1枚の画像を取得するためには、2回分の撮影時間が必要となってしまう。このため、連続して撮影する場合には、つまり、動画撮影などの際には、連写速度が半分に低下してしまうことになる。
加えて、時間的に変化量の大きいノイズに対しては追従性が悪く、特に、動画撮影の際には、フレームレートと画素数とが規定されるので、従来の撮像装置ではノイズを低減することが難しい。
本発明の目的は、連写速度、つまり、フレームレートを低下させることなく、効果的にノイズを低減することのできる撮像装置、その制御方法、および制御プログラムを提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明による撮像装置は、複数の画素が2次元マトリックス状に配列された撮像素子を有する撮像装置であって、前記画素の各々は、光を電荷に変換する光電変換素子と、前記電荷をフローティングノードに転送するための転送ゲートとを有し、第N行目(Nは1以上の整数)の画素について前記転送ゲートをオンとした状態で前記フローティングノードから第1の出力信号を読み出す第1の読み出しモードと、前記第N行目の画素について前記転送ゲートをオフとした状態で前記フローティングノードから第2の出力信号を読み出す第2の読み出しモードとを行う読み出し制御手段と、前記第2の出力信号を補正用信号として用いて前記第1の出力信号を補正して画像信号を得る画像信号生成手段とを有することを特徴とする。
本発明による制御方法は、複数の画素が2次元マトリックス状に配列された撮像素子を有し、前記画素の各々が光を電荷に変換する光電変換素子と、前記電荷をフローティングノードに転送するための転送ゲートとを有する撮像装置の制御方法であって、第N行目(Nは1以上の整数)の画素について前記転送ゲートをオンとした状態で前記フローティングノードから第1の出力信号を読み出す第1の読み出しモードと、前記第N行目の画素について前記転送ゲートをオフとした状態で前記フローティングノードから第2の出力信号を読み出す第2の読み出しモードとを行う読み出し制御ステップと、前記第2の出力信号を補正用信号として用いて前記第1の出力信号を補正して画像信号を得る画像信号生成ステップとを有することを特徴とする。
本発明による制御プログラムは、複数の画素が2次元マトリックス状に配列された撮像素子を有し、前記画素の各々が光を電荷に変換する光電変換素子と、前記電荷をフローティングノードに転送するための転送ゲートとを有する撮像装置で用いられる制御プログラムであって、前記撮像装置が備えるコンピュータに、第N行目(Nは1以上の整数)の画素について前記転送ゲートをオンとした状態で前記フローティングノードから第1の出力信号を読み出す第1の読み出しモードと、前記第N行目の画素について前記転送ゲートをオフとした状態で前記フローティングノードから第2の出力信号を読み出す第2の読み出しモードとを行う読み出し制御ステップと、前記第2の出力信号を補正用信号として用いて前記第1の出力信号を補正して画像信号を得る画像信号生成ステップとを実行させることを特徴とする。
本発明によれば、連写速度を低下させることなく、しかも効果的にノイズを低減することができる。
本発明の第1の実施形態による撮像装置の一例についてその構成を示すブロック図である。 図1に示す撮像素子の構成についてその一例を示す図である。 図2に示す撮像素子において画素の構成を詳細に示す図である。 図3に示す撮像素子における動作を説明するためのタイミングチャートであり、(a)は全画素から信号を読み出す第1の駆動モードを示す図、(b)は水平方向(行方向)において1画素おきに間引きを行う第2の駆動モードを示す図である。 図1に示す撮像装置による撮影処理の一例を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2の実施形態による撮像装置で用いられる撮像素子においてその画素構成の一例を示す図である。 図6に示す撮像素子における動作を説明するためのタイミングチャートであり、(a)は第1の駆動モードを示す図、(b)は第2の駆動モードを示す図である。 本発明の第3の実施形態による撮像装置で用いられる撮像素子においてその画素構成の一例を示す図である。 図8に示す撮像素子における動作を説明するためのタイミングチャートである。 従来の撮像装置で用いられる撮像素子における画素の構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態による撮像装置の一例について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態による撮像装置の一例についてその構成を示すブロック図である。
図1において、図示の撮像装置100は、例えば、デジタルカメラである。集光レンズ101によって被写体像(光学像)が撮像素子(例えば、CMOSセンサ)102に結像する。撮像素子102は光学像を電気信号(アナログ画像信号)に変換する。このアナログ画像信号(以下アナログ信号とも呼ぶ)はAD変換部103でデジタル信号に変換される。なお、AD変換部103には、AD変換処理を行う際、アナログ信号を予め定められた基準値に応じてデジタル信号に変換するOB(Optical Black)クランプ回路が備えられている。
信号処理部104は、AD変換部103から与えられる画像信号に対して画像信号補正処理を行う。タイミング生成部(TG)105は、全体制御・演算部106の制御下で、撮像素子102、AD変換部103、および信号処理部104における処理を同期させるためのタイミング信号を生成する。全体制御・演算部106は撮像装置100全体の制御を行う。
記憶部107には、撮影の結果得られた撮影データ、調整データ、画像データ、および信号処理用データなどが記憶される。また、記録部108には、信号処理部104で処理された画像信号に応じて全体制御・演算部106で生成された画像データが記録される。操作部109は、釦やダイヤルなどを有するヒューマンIF(インタフェース)であり、撮像装置100に対する動作命令が入力される。
表示部110には、全体制御・演算部106で生成された画像データが表示画像として表示される。さらに、表示部110には、操作部109から入力された操作に対応するアイコンなどが表示される。
図2は、図1に示す撮像素子102の構成についてその一例を示す図である。
撮像素子102は、画素部を備えており、この画素部には2次元マトリックス状に複数の画素が配列されている。画素部は、有効画素部(受光画素部ともいう)201および遮光画素(OB画素)部202を備えている。受光画素部201は、集光レンズ101からの光学像を受光する。一方、遮光画素部202は、その表面が遮光されており、画像処理において画像の黒の基準を決定するために用いられる。
垂直走査回路203は、シフトレジスタ(図示せず)を備えており、行毎に信号線の電圧を切り替えて、撮像素子102における画素部からの読み出し行を選択する。垂直出力線204は、画素部からの信号(画素信号)を後段に出力するためのものである。列アンプ部205は、垂直走査回路203で選択された読み出し行の画素から垂直出力線204に出力された画素信号を増幅する。水平走査回路206は、シフトレジスタおよび電圧信号を一時的に保存する保存回路を有しており、列アンプ部205の出力を一時的に保存して、所定の順序で列アンプ出力を選択して、外部に出力する。
なお、図示の例では、A/D変換部103は水平走査回路206の後段に配置されているが、水平走査回路206の前段にA/D変換部103を配置するようにしてもよい。
図3は、図2に示す撮像素子において画素の構成を詳細に示す図である。なお、図3に示す例では、説明の便宜上、一行に4画素が配列された撮像素子が示されており、列方向の他の画素は省略されている。
画素308は、リセットトランジスタ(リセットTr)301a、転送トランジスタ(転送Tr:転送ゲート)302a、フォトダイオード(PD:光電変換素子)303a、フローティングディフュージョン(FD:フローティングノード)304a、選択トランジスタ(選択Tr)305a、およびソースフォロワ(SF)306aを有している。
同様に、他の画素もそれぞれリセットTr301b〜301d、転送Tr302b〜302d、PD303b〜303d、FD304b〜304d、選択Tr305b〜305d、およびSF306b〜306dを有している。
図示のように、SF306a〜306dには、それぞれ垂直出力線204a〜204dが接続されている。そして、垂直出力線204a〜204dは、それぞれ列アンプ205a〜205dに接続されている。さらに、列アンプ205a〜205bには、基準電圧Vref(307)が印加される。これら列アンプ205a〜205dの出力は、水平走査回路206に接続される。
図示のように、選択Tr305a〜305dには、行選択線(PSEL)311が接続され、リセットTr301a〜301dには、リセット信号線(PRES)312が接続される。転送Tr302bおよび302dには、第1の信号転送線(PTX1)313aが接続され、転送Tr302aおよび302cには、第2の信号転送線(PTX2)313bが接続される。
行選択線311、リセット信号線312、第1の信号転送線313a、および第2の信号転送線313bは、それぞれ垂直走査回路203(図2)に接続される。以下の説明では、行選択線311、リセット信号線312、第1の信号転送線313a、および第2の信号転送線313bに出力される行選択信号、リセット信号、第1の転送信号、および第2の転送信号もそれぞれPSEL、PRES、PTX1、PTX2で示す。
なお、図3に示す例では、画素(単位画素)の各々が4つのトランジスタを有する例について説明したが、2種類以上のリセット電圧を用いて、SFを不活性化・活性化させる手法を用いれば、選択Tr305a〜305dを削除することができる。
図4は、図3に示す撮像素子における動作を説明するためのタイミングチャートである。そして、図4(a)は、全画素から信号を読み出す第1の駆動モードを示す図であり、図4(b)は、水平方向(行方向)において1画素おきに間引きを行う第2の駆動モードを示す図である。
図4(a)において、第1の駆動モードは、高精細が求められる静止画の撮影の際に用いられる。ユーザの操作により撮影動作が開始されて、PD303a〜303dに光が入射すると、PD303a〜303dにおいて入射光に応じた電荷が発生し、電荷の蓄積が開始される。そして、PSELがハイ(H)レベルとなって、選択Tr305a〜305dがオンされる。また、PRESがHレベルとなって、リセットTr301a〜301dがオンされ、FD304a〜304dの不要な蓄積電荷がリセットされる。
次に、PRESがロー(L)レベルとなり、その後の期間T1において、リセットノイズを含むリセットレベル電圧がSF306a〜306dを介して垂直出力線204a〜204dに読み出される。そして、垂直出力線204a〜204dに読み出されたリセットレベル電圧と基準電圧Vrefとの差分がそれぞれ列アンプ205a〜205dで増幅されて、画素基準信号として出力される。
その後、PTX1およびPTX2がHレベルとなって、転送Tr302a〜302dがオンされ、PD303a〜303dで発生した電荷がFD304a〜304dに読み出される。そして、期間T2において、SF306a〜306dによりFD304a〜304dに読み出された電荷の電荷量に応じた電圧に変換され、垂直出力線204a〜204d、および列アンプ205a〜205dを介してそれぞれ電荷信号として出力される。
ここで、電荷信号は、画素基準信号に入射光に応じてPD303a〜303dで発生した電荷が加わったものである。よって、電荷信号と画素基準信号との差分を求めれば、各画素のリセットノイズおよび固定パターンの低減された高品質な画像信号を得ることが可能となる。
図4(b)において、第2の駆動モードは、フレームレートと画素数とが定められた動画などの撮影の際に用いられる。ユーザの操作により撮影動作が開始されて、PD303a〜303dに光が入射すると、PD303a〜303dにおいて入射光に応じた電荷が発生し、電荷の蓄積が開始される。そして、PSELがHレベルとなって、選択Tr305a〜305dがオンされる。また、PRESがHレベルとなって、リセットTr301a〜301dがオンされ、FD304a〜304dの不要な蓄積電荷がリセットされる。
次に、PRESがロー(L)レベルとなり、その後の期間T3において、リセットノイズを含むリセットレベル電圧がSF306a〜306dを介して垂直出力線204a〜204dに読み出される。そして、垂直出力線204a〜204dに読み出されたリセットレベル電圧と基準電圧Vrefとの差分がそれぞれ列アンプ205a〜205dで増幅されて、画素基準信号として出力される。
その後、PTX1のみがHレベルとなって、転送Tr302bおよび302dがオンされる。これによって、PD303bおよび303dで発生し電荷がFD304bおよび304dに読み出される。そして、期間T4において、SF306bおよび306dによりFD304bおよび304dに読み出された電荷の電荷量に応じた電圧に変換され、垂直出力線204bおよび204d、および列アンプ205bおよび205dを介してそれぞれ電荷信号(第1の出力信号ともいう)として出力される(第1の読み出しモード)。
図4(b)に示す例では、PD303bおよび303dを含む画素が第1の読み出しモードにおける所定の画素である。
ここで、電荷信号は、画素基準信号に入射光に応じてPD303bおよび303dで発生した電荷が加わったものである。よって、電荷信号と画素基準信号との差分を求めれば、画像信号が得られる。
一方、間引きされるPD303a及びPD303cを含む画素からは、リセットレベル電圧の読み出しが行われる(この際、転送Tr302aおよび302cはオフ状態である)。そして、直前に読み出された画素基準信号とリセットレベル電圧との差分を求めれば、遮光された場合と同等の信号値(第2の出力信号ともいう)を得ることができる(第2の読み出しモード)。
図4(b)に示す例では、PD303aおよび303cを含む画素が第2の読み出しモードにおける所定の画素以外の画素である。
当該信号値には、信号読み出し中に発生するノイズ、各回路のばらつきなどに起因するノイズなどが含まれているので、この信号値を補正用信号として用いることができる。この結果、画像信号(第1の出力信号)と補正用信号(第2の出力信号)との差分を求めれば、ノイズを低減した高品位の画像信号を得ることができる。
このように、図4(b)に示す例では、第1の読み出しモードと第2の読み出しモードとが並行して行われることになる。
図4(b)に示す例では、行方向において1画素おきに信号電荷の転送を停止する場合について説明したが、転送を行う画素と転送を停止する画素については任意に選択することができる。例えば、行方向において2画素以上おきに信号電荷の転送を停止するようにしてもよい。さらには、数画素連続で信号電荷の転送を停止するようにしてもよい。
また、垂直走査回路203がPTX1およびPTX2を出力する例で説明したが、PTX1およびPTX2の少なくとも一方を水平走査回路206から出力するようにしてもよい。
図5は、図1に示す撮像装置による撮影処理の一例を説明するためのフローチャートである。ここでは、前述したように、画像信号におけるノイズ成分を検出して、撮影画像に対する影響を軽減する例について説明する。なお、図5においては、画像の横方向に発生するノイズ成分に関して説明する。
いま、撮像装置100において撮影が開始されると、露光調整が行われた後、図4(b)で説明したようにして、撮像素子102において行毎に画像信号および補正用信号が出力される(ステップS102)。ここでは、まずN(Nは1以上の整数)行目(第N行目)の画像信号および補正用信号を取得するものとする。画像信号および補正用信号は、A/D変換部103によってデジタル信号に変換された後、信号処理部104に与えられる。信号処理部104は、N行目の補正用信号の平均化を行って平均値(平均レベル)HOB(N)を求める(ステップS103)。
続いて、信号処理部104は、(N−1)行目までの少なくとも1つの行の平均値HOB(N−1)を積算して、積算値(積算レベル)ΣOB(N−1)を求める。全体制御演算部106は、HOB(N)およびΣOB(N−1)の差分の絶対値と所定の補正用閾値Thとを比較する。そして、全体制御演算部106は、当該絶対値が補正用閾値Th以下であるか否かを判定する(ステップS104)。なお、HOB(N)とΣOB(N−1)との差分は注目行における信号値の変動量を示しており、当該変動量を補正用閾値と比較すれば、画像信号の変動を検出することができる。
上記の絶対値が補正用閾値Thよりも大きいと(ステップS104において、YES)、全体制御演算部106は、画像において横方向のノイズが発生した判定する。そして、全体制御演算部106は、信号処理部104に対して画像信号の補正を指示する(ステップS105)。
ステップS105では、HOB(N)とΣOB(N−1)の差を用いて、次の式(1)(α、β:定数)で示される補正値を、注目行の画像信号に加算する処理が行われる。この加算処理によって画像信号の変動が軽減される。
補正値=α×{HOB(N)−ΣOB(N−1)}+β (1)
一方、上記の絶対値が補正用閾値Th以下であると(ステップS104において、NO)、全体制御演算部106は、ノイズが発生していないと判定する。そして、信号処理部104は、全体制御演算部106の制御下で、HOB(N)およびΣOB(N−1)から、次の行の画像信号の変動検出に用いるΣOB(N)を算出する(ステップS106)。
ステップS105又はS106の処理に続いて、ステップS107の処理が行われる。ステップS106においては、信号処理部104は、上述のようにして得られた画像信号(ここでは、デジタル信号)を画像データとして出力する。
続いて、全体制御演算部106は、撮像素子102の全ての行について処理が終了したか否かを判定する。つまり、全体制御演算部106は、最終行の処理が終了したか否かを判定する(ステップS108)。最終行の処理が終了すると(ステップS108において、YES)、全体制御演算部106は、撮影を終了する。
最終行でないと(ステップS108において、NO)、全体制御演算部106は、行番号をインクリメントして、つまり、N=N+1として(ステップS109)、ステップS102の処理に戻る。
上記の例では、各行における補正用信号の平均値と積算値とに応じて得られる補正値を用いて、画像信号を補正するようにしたが、例えば、補正用画素の信号値から水平方向の傾きを考慮した補正値を得て、画像信号の補正を行うようにしてもよい。
以上のように、本発明の第1の実施形態では、第2の駆動モードにおいて、間引かれた画素の信号値を補正用信号として読み出して、画像信号を補正するようにしたので、フレームレートの低下を防止して、しかも高画質の画像を得ることができる。
[第2の実施形態]
続いて、本発明の第2の実施形態による撮像装置の一例について説明する。なお、第2の実施形態による撮像装置の構成は図1に示す撮像装置と同様であるが、撮像素子102の構成が図3に示す撮像素子と異なる。
図6は、本発明の第2の実施形態による撮像装置で用いられる撮像素子においてその画素構成の一例を示す図である。なお、図6において、図3に示す画素構成と同一の構成要素については同一の参照番号を付し、説明を省略する。
前述のように、第1の実施形態においては、撮像素子102は、第1の信号転送線(PTX1)313aおよび第2の信号転送線(PTX2)313bを有している。一方、撮像素子としてCMOSセンサを用いた場合には、その構造を簡略化するため信号線を増やすことができない場合がある。このため、図6に示す例では、撮像素子102は、信号転送線(PTX)313のみを有している。そして、信号転送線313には転送Tr302a〜302dが接続され、行選択信号PSEL、リセット信号PRES、および転送信号PTXは、垂直走査回路202から出力される。
図7は、図6に示す撮像素子における動作を説明するためのタイミングチャートである。そして、図7(a)は、第1の駆動モードを示す図であり、図7(b)は、第2の駆動モードを示す図である。
図7(a)において、第1の駆動モードでは全画素から信号が読み出される。ユーザの操作により撮影動作が開始されて、PD303a〜303dに光が入射すると、PD303a〜303dにおいて入射光に応じた電荷が発生し、電荷の蓄積が開始される。そして、PSELがHレベルとなって、選択Tr305a〜305dがオンされる。また、PRESがHレベルとなって、リセットTr301a〜301dがオンされ、FD304a〜304dの不要な蓄積電荷がリセットされる。
次に、PRESがロー(L)レベルとなり、その後の期間T5において、リセットノイズを含むリセットレベル電圧がSF306a〜306dを介して垂直出力線204a〜204dに読み出される。そして、垂直出力線204a〜204dに読み出されたリセットレベル電圧と基準電圧Vrefとの差分がそれぞれ列アンプ205a〜205dで増幅されて、画素基準信号として出力される。
その後、PTXがHレベルとなって、転送Tr302a〜302dがオンされ、PD303a〜303dで発生した電荷がFD304a〜304dに読み出される。そして、期間T6において、SF306a〜306dによりFD304a〜304dに読み出された電荷の電荷量に応じた電圧に変換され、垂直出力線204a〜204d、および列アンプ205a〜205dを介してそれぞれ電荷信号として出力される。
図7(b)において、第2の駆動モードでは補正用信号が読み出される。ユーザの操作により撮影動作が開始されて、PD303a〜303dに光が入射すると、PD303a〜303dにおいて入射光に応じた電荷が発生し、電荷の蓄積が開始される。そして、PSELがHレベルとなって、選択Tr305a〜305dがオンされる。また、PRESがHレベルとなって、リセットTr301a〜301dがオンされ、FD304a〜304dの不要な蓄積電荷がリセットされる。
次に、PRESがロー(L)レベルとなり、その後の期間T7において、リセットノイズを含むリセットレベル電圧がSF306a〜306dを介して垂直出力線204a〜204dに読み出される。そして、垂直出力線204a〜204dに読み出されたリセットレベル電圧と基準電圧Vrefとの差分がそれぞれ列アンプ205a〜205dで増幅されて、画素基準信号として出力される。
その後、PTXがロー(L)レベルの状態で、期間T8において再度読み出し処理が行われる。これによって、PD303a〜303dが遮光された状態とほぼ同じ状態での信号値を得ることができる。当該信号値には、信号読み出し中に発生するノイズ、各回路のばらつきなどに起因するノイズなどが含まれているので、この信号値を補正用信号として用いることができる。そして、この補正用信号は一旦水平走査回路206の保存領域に保存される。
続いて、PTXがHレベルとなって、転送Tr302a〜302dがオンされ、PD303a〜303dで発生した電荷がFD304a〜304dに読み出される。そして、期間T9において、SF306a〜306dによりFD304a〜304dに読み出された電荷の電荷量に応じた電圧に変換され、垂直出力線204a〜204d、および列アンプ205a〜205dを介してそれぞれ電荷信号として出力される。この電荷信号と画素基準信号との差分を求めると、画像信号が得られる。水平走査回路206では、画像信号と補正用信号とを、所定の順番に並び替えた後、1水平期間内で外部に出力する。この結果、画像信号と補正用信号との差分を求めれば、ノイズを低減した高品位の画像信号を得ることができる。
上述の例では、画像信号を得る際に用いる画素基準信号として、補正用信号を得る際に読み出される画素基準信号を用いたが、電荷信号を読み出す前に再度画素基準信号を読み出すようにしてもよい。
さらに、上述の例では、補正用信号の読み出しを画像信号の読み出しの直前に行うようにしたが、画像信号の読み出しを行った後、補正用信号の読み出しを行うようにしてもよい。そして、期間T9よりも前に読み出した補正用信号を水平走査回路の保存領域に保存することなく、期間T9より前に外部に出力するようにしてもよい。
なお、補正用信号の読み出しに用いる画素は、画像として記録される領域の外周部又は領域外の画素を用いることが望ましい。
このように、本発明の第2の実施形態では、第2の駆動モードにおいて、画素基準信号を読み出した後、PTXがLレベルの状態で再度読み出し処理を行って、当該再読み出しで得られた信号値を補正用信号として用いて、画像信号を補正するようにしたので、撮像素子の構造を簡略化して、フレームレートの低下を防止して、しかも高画質の画像を得ることができる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態による撮像装置の一例について説明する。なお、第3の実施形態による撮像装置の構成は図1に示す撮像装置と同様であるが、撮像素子102の構成が図6に示す撮像素子と異なる。
図8は、本発明の第3の実施形態による撮像装置で用いられる撮像素子においてその画素構成の一例を示す図である。なお、図8において、図6に示す画素構成と同一の構成要素については同一の参照番号を付し、説明を省略する。また、図8においては、行方向に配列された画素のうち1つの画素308のみを示し、さらに、列方向において画素308に隣接する画素808が示されている。また、ここでは、画素308および画素808は同一の行に属するものとして説明する。
CMOSセンサなどの撮像素子では、その素子数を減らすため、複数の画素でリセットTr、FD、選択Tr、およびSFを共有することがある。図8に示す例では、リセットTr301a、FD304a、選択Tr305a、およびSF306aが画素308および808で共有されている。そして、画素808は、PD803aおよび転送Tr802aのみを有している。
なお、図示のように、転送Tr802aには、信号転送線(PTX)313とは別の信号転送線(PTX3)813が接続され、この信号転送線813は、垂直走査回路(図8には示さず)に接続されている。
図9は、図8に示す撮像素子における動作を説明するためのタイミングチャートである。ここでは、補正用信号を読み出す第2の駆動モードについて説明する。
図9において、ユーザの操作により撮影動作が開始されて、PD303aおよび803aに光が入射すると、PD303aおよび803aにおいて入射光に応じた電荷が発生し、電荷の蓄積が開始される。そして、PSELがHレベルとなって、選択Tr305aがオンされる。また、PRESがHレベルとなって、リセットTr301aがオンされ、FD304aの不要な蓄積電荷がリセットされる。
次に、PRESがロー(L)レベルとなり、その後の期間T10において、リセットノイズを含むリセットレベル電圧がSF306aを介して垂直出力線204aに読み出される。そして、垂直出力線204aに読み出されたリセットレベル電圧と基準電圧Vrefとの差分が列アンプで増幅されて、画素基準信号として出力される。
その後、PTXがロー(L)レベルの状態で、期間T11において再度読み出し処理が行われる。そして、期間T10で読み出した信号値と期間T11で読み出した信号値との差分を求めれば、PD303aが遮光された状態とほぼ同じ状態での信号値を得ることができる。当該信号値には、信号読み出し中に発生するノイズ、各回路のばらつきなどに起因するノイズなどが含まれているので、この信号値を補正用信号として用いることができる。
上述のようにして、補正用信号を得た後、画素808の読み出しが行われる。ここでは、PSELがHレベルとなって、選択Tr305aがオンされる。また、PRESがHレベルとなって、リセットTr301aがオンされ、FD304aがリセットされる。そして、PRESがLレベルとなり、その後の期間T12において、リセットノイズを含むリセットレベル電圧がSF306aを介して垂直出力線204aに読み出される。この際、垂直出力線204aに読み出されたリセットレベル電圧と基準電圧Vrefとの差分が列アンプで増幅されて、画素基準信号として出力される。
続いて、PTX3がHレベルとなって、転送Tr802aがオンされ、PD803aで発生した電荷がFD304aに読み出される。そして、期間T13において、SF306aによりFD304aに読み出された電荷の電荷量に応じた電圧に変換され、垂直出力線204aおよび列アンプを介してそれぞれ電荷信号として出力される。この電荷信号と画素基準信号との差分を求めると、画像信号が得られる。そして、例えば、信号処理部104で画像信号と補正用信号との差分を求めれば、ノイズを低減した高品位の画像信号を得ることができる。
上述の例では、信号処理部104で画像信号と補正用信号との差分を求めるようにしたが、当該処理を水平走査回路で行うようにしてもよい。また、リセットTr、FD、選択Tr、およびSFを列方向の画素で共有し、当該画素において補正を行う例について説明したが、複数の補正用信号の平均値を用いて画像信号の補正を行うようにしてもよい。
さらに、ここでは、列方向の画素においてリセットTr、FD、選択Tr、およびSFを共有する例について説明したが、行方向の画素においてリセットTr、FD、選択Tr、およびSF共有する場合においても、これら画素から補正用信号を得れば、ばらつきに起因する影響を低減することができる。
加えて、3つ以上の画素において、リセットTr、FD、選択Tr、およびSFを共有化する場合においても、同様にして第3の実施形態を適用することができる。
このように、本発明の第3の実施形態では、複数の画素において回路素子を共有している際においても、フレームレートの低下を防止して、しかも高画質の画像を得ることができる。
上述の説明から明らかなように、図1〜図3に示す例では、垂直走査回路203、列アンプ部205、水平走査回路206、信号処理部104、および全体制御演算部106などが読み出し制御手段と機能する。また、信号処理部104および全体制御演算部106は画像信号生成手段として機能する。そして、信号処理部104および全体制御演算部106は平均化手段、積算手段、および補正手段として機能する。
以上、本発明について実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
例えば、上記の実施の形態の機能を制御方法として、この制御方法を撮像装置に実行させるようにすればよい。また、上述の実施の形態の機能を有するプログラムを制御プログラムとして、この制御プログラムを撮像装置が備えるコンピュータに実行させるようにしてもよい。なお、制御プログラムは、例えば、コンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録される。
この際、制御方法および制御プログラムの各々は、少なくとも読み出し制御ステップおよび画像信号生成ステップを有することになる。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記録媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
204a〜204d 垂直出力線
205a〜205d 列アンプ
206 水平走査回路
301a〜301d リセットトランジスタ
302a〜302d 転送トランジスタ
303a〜303d フォトダイオード
304a〜304d フローティングディフュージョン
305a〜305d 選択トランジスタ
306a〜306d ソースフォロワ

Claims (7)

  1. 複数の画素が2次元マトリックス状に配列された撮像素子を有する撮像装置であって、
    前記画素の各々は、光を電荷に変換する光電変換素子と、前記電荷をフローティングノードに転送するための転送ゲートとを有し、
    第N行目(Nは1以上の整数)の画素について前記転送ゲートをオンとした状態で前記フローティングノードから第1の出力信号を読み出す第1の読み出しモードと、前記第N行目の画素について前記転送ゲートをオフとした状態で前記フローティングノードから第2の出力信号を読み出す第2の読み出しモードとを行う読み出し制御手段と、
    前記第2の出力信号を補正用信号として用いて前記第1の出力信号を補正して画像信号を得る画像信号生成手段とを有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記読み出し制御手段は、前記第1の読み出しモードと前記第2の読み出しモードとを並行して行い、前記第1の読み出しモードでは前記第N行目の少なくとも1つの所定の画素について前記第1の出力信号を読み出し、前記第2の読み出しモードでは前記第N行目の画素において前記所定の画素以外の少なくとも1つの残りの画素について前記第2の出力信号を読み出すことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記読み出し制御手段は、前記第2の読み出しモードを行った後、前記第1の読み出しモードを行い、前記第2の読み出しモードでは前記第N行目の全ての画素について前記第2の出力信号を読み出し、前記第1の読み出しモードでは前記第N行目の全ての画素について前記第1の出力信号を読み出すことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  4. 複数の画素で前記フローティングノードが共有され、前記複数の画素のうち1つが前記フローティングノードを有しており、
    前記読み出し制御手段は、前記フローティングノードを有する画素について前記第2の読み出しモードを行って前記第2の出力信号を読み出した後、他の画素について前記第1の読み出しモードを行って前記第1の出力信号を読み出すことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  5. 前記画像信号生成手段は、前記第N行目において前記補正用信号のレベルを平均化して平均レベルを求める平均化手段と、
    前記平均レベルを複数の行に亘って積算して積算レベルを得る積算手段と、
    前記平均レベルと前記積算レベルとの差分の絶対値が所定の閾値を超えると、前記平均レベルと前記積算レベルに応じて得られた補正値に基づいて前記第1の出力信号を補正する補正手段とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 複数の画素が2次元マトリックス状に配列された撮像素子を有し、前記画素の各々が光を電荷に変換する光電変換素子と、前記電荷をフローティングノードに転送するための転送ゲートとを有する撮像装置の制御方法であって、
    第N行目(Nは1以上の整数)の画素について前記転送ゲートをオンとした状態で前記フローティングノードから第1の出力信号を読み出す第1の読み出しモードと、前記第N行目の画素について前記転送ゲートをオフとした状態で前記フローティングノードから第2の出力信号を読み出す第2の読み出しモードとを行う読み出し制御ステップと、
    前記第2の出力信号を補正用信号として用いて前記第1の出力信号を補正して画像信号を得る画像信号生成ステップとを有することを特徴とする制御方法。
  7. 複数の画素が2次元マトリックス状に配列された撮像素子を有し、前記画素の各々が光を電荷に変換する光電変換素子と、前記電荷をフローティングノードに転送するための転送ゲートとを有する撮像装置で用いられる制御プログラムであって、
    前記撮像装置が備えるコンピュータに、
    第N行目(Nは1以上の整数)の画素について前記転送ゲートをオンとした状態で前記フローティングノードから第1の出力信号を読み出す第1の読み出しモードと、前記第N行目の画素について前記転送ゲートをオフとした状態で前記フローティングノードから第2の出力信号を読み出す第2の読み出しモードとを行う読み出し制御ステップと、
    前記第2の出力信号を補正用信号として用いて前記第1の出力信号を補正して画像信号を得る画像信号生成ステップとを実行させることを特徴とする制御プログラム。
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