JP2013157506A - ボンド磁石の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】磁石粉体の粒径によらず、温調温度50℃での着磁特性は同様に高いが、温調温度が高温になるほど粒径の小さい方は熱減磁が大きくなり、特性差が生じる。つまり、磁石粉体の粒径を熱揺らぎが生じる範囲にすることで、反磁界の作用を受けやすくなり熱揺らぎによる減磁量が増大する。したがって、高着磁特性が得られ且つ特性調整幅が広い、簡便でコストを低減したボンド磁石の製造方法を得ることができる。
【選択図】 図4
Description
上述の解決策として、永久磁石に着磁を施す方法に関し、被着磁物を、そのキュリー点以上の温度からキュリー点未満の温度まで降温させつつ、その間、着磁磁界を印加し続ける永久磁石の着磁方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
表1は、サンプルA〜Eの5種類のボンド磁石に用いられる磁石粉体の保磁力iHc(kA/m)と最大エネルギー積(kJ/m3)である。
また、図中には、パルス着磁を用いた場合の着磁電流密度の最大条件X(22kA/mm2)と一般的な着磁電流密度の条件Y(16kA/mm2)とを示した。
例えば、図8において、高着磁特性で特性調整幅の狭い磁石粉体であるサンプルAと、低着磁特性で特性調整幅が広い磁石粉体であるサンプルEに二極化する傾向がある。したがって、要求特性に応じて磁石粉体を選択する、或いは磁石粉体充填率(即ち成形体密度)の調整により対応することが一般的である。
ここで、熱揺らぎとは、磁性を持つ粒子が小さくなると外部の熱エネルギーの影響を受けて磁性軸を一方向に保つことができなくなる現象のことである。磁性軸を一方向に保つエネルギーは磁性粒子の体積に比例するため、体積を小さくすると磁化の方向をバラバラにしようとする熱エネルギーを無視できなくなる。
磁石粉体の粒径を100μm以下に制御することにより、反磁界の作用をより受けやすくなり熱揺らぎによる減磁量がより増大する。したがって、高着磁特性でありながら特性調整幅がより広い、簡便でコストを低減したボンド磁石の製造方法が得られる。
ボンド磁石の圧縮成形時の成形圧を上げることによって、成形時の磁石粉体の割れを利用でき、粒径を細かくできる。したがって、高着磁特性でありながら特性調整幅が広い、簡便でコストを低減した工業的に広く利用可能なボンド磁石の製造方法が得られる。
圧縮成形前の磁石粉体の粒径の範囲が300μm以下で、成形圧が7.5ton/cm2以上とすることで、粒径をより細かくできる。したがって、高着磁特性でありながら特性調整幅がより広い、簡便でコストを低減した工業的に広く利用可能なボンド磁石の製造方法が得られる。
磁石粉体が希土類鉄系磁石であるので、より高着磁特性が得られ且つ特性調整幅が広い、簡便でコストを低減したボンド磁石の製造方法が得られる。
希土類鉄系磁石は、Nd−Fe−B磁石であるので、より高着磁特性が得られ且つ特性調整幅が広い、簡便でコストを低減したボンド磁石の製造方法が得られる。
図1に、実施形態のボンド磁石の製造方法に用いる着磁治具10および被着磁物としてのボンド磁石14を示した。(a)は平面図を表し、(b)は縦断面図を表している。ここでは、リング状のボンド磁石14を10極着磁し、多極着磁されたボンド磁石140を得る例である。
例えば、着磁用永久磁石20として、キュリー点が約850℃のSmCo系焼結磁石を用いることができる。
ボンド磁石140の製造方法は、ボンド磁石の近傍に着磁用磁界印加手段を配置し、前記ボンド磁石を、そのキュリー点以上の温度に上昇させる加熱工程と、キュリー点以上の温度に達した前記ボンド磁石を、キュリー点未満の温度まで降温させつつ、その間、前記着磁用磁界印加手段により前記ボンド磁石に着磁磁界を印加し続ける着磁工程とする。その際、前記ボンド磁石に含まれる磁石粉体の粒径を、熱揺らぎが生じる粒径に制御する。
磁石粉体の粒径が、熱揺らぎが生じる粒径に制御されたボンド磁石14として、例えば、キュリー点が300℃〜500℃のボンド磁石としての希土類鉄系ボンド磁石であるNd−Fe−B等方性磁石が挙げられる。ここで、ボンド磁石14として、磁石粉体の粒径を細かく制御したボンド磁石14を用いる。例えば、磁石粉体は、急冷薄帯を粉砕することによって得ることができる。磁石粉体の粒径の制御としては、制御された粒径を100μm以下、好ましくは75μm以下に制御する。粒径は、小さいほど作用が顕著であるが、粉砕方法等によって下限値は異なる。
着磁工程では、着磁用永久磁石20により着磁磁界を印加する。そして、ボンド磁石14を着磁治具10内に設置したままボンド磁石14のキュリー点未満の温度まで冷却し、その後、着磁治具10から取り出す。例えば、ボンド磁石14のキュリー点をTcとしたとき、(Tc+30℃)以上の温度まで加熱した後、着磁磁界中で(Tc−50℃)以下の温度まで冷却するのが特に好ましい。
なお、加熱には、例えば、抵抗加熱、高周波加熱、レーザ加熱、高温ガスフロー加熱、高温液中加熱など任意の手段を用いてよいが、特に、短時間で加熱可能な高周波加熱法などが好ましい。冷却は、自然放冷の他、水冷、空冷、ガス吹き付けなどの強制放冷、加熱温度調整など任意の方法で行ってよい。不活性雰囲気中での作業が必要な場合には、不活性ガスフローを行う。ボンド磁石14および多極着磁されたボンド磁石140は、移動機構(図示せず)によって、着磁治具10の被着磁物収容穴16に容易に且つ迅速に挿入でき、且つ被着磁物収容穴16から容易に且つ迅速に取り出せるようにするのがよい。
図3は、多極着磁したボンド磁石140の外周面を、任意の点を基準として中心角[度]に対する表面磁束密度(オープン)Bo[mT]を測定した図である。
測定は、図3に示すように、多極着磁したボンド磁石140の外周面を、任意の点を基準として中心角[度]に対する表面磁束密度(オープン)Bo[mT]の変化を連続的に求めることで行う。以降の実施例は、全極のBoピーク値(絶対値)の平均値を着磁特性として示した。
実施例に用いたボンド磁石14は、外径φ2.6mm、内径φ1.0mm,厚さ3mmのNd系ボンド磁石であり、ここでは磁石粉体として表に示したサンプルD(キュリー点350℃)を用い、外周からの10極着磁(極ピッチ0.8mm)とした。磁石粉体は急冷薄帯を粉砕し、バインダ樹脂としてエポキシ樹脂を磁石粉体に対して2.5wt%混合して成形した。
着磁治具10を用いて、加熱温度を380℃で3secとし、温調温度まで冷却して6sec後に取り出して多極着磁されたボンド磁石140を得た。
図4は、制御された粒径の範囲が300μm以下の磁石粉体を用いたボンド磁石14と75μm以下の磁石粉体を用いたボンド磁石14とで着磁特性を比較した図である。また、図5は、冷却時の取り出し温度である温調温度50℃での着磁特性を基準として、より高温での着磁特性減少率の粒度依存を示した図である。なお、これらのサンプルは、寸法・重量を統一(成形体密度:5.9Mg/m3)とした。横軸は温調温度(℃)、縦軸は着磁特性(mT)を示している。
磁石粉体は急冷薄帯を粉砕した特異な形態である。つまり、粒径が小さくなることは磁石粉体の形状(アスペクト比)が変化することを示し、反磁界の作用を受けやすくなり熱揺らぎによる減磁量が増大するためと判断できる。
つまり、高着磁特性を実現でき、しかも低い着磁特性に制御可能となる。なおこれは不可逆減磁量の制御であり、永久減磁は伴わない。
図6は、1.5ton/cm2および7.5ton/cm2の成形圧の違いによる着磁特性の差を示した図である。
図6において、7.5ton/cm2の成形圧で成形したボンド磁石は、特性調整幅が広がる。密度が異なるため着磁特性の絶対値は異なるが、特性調整の観点では有効利用できる挙動である。本効果を応用することで、工業的に広く利用可能となる。
また、本発明では、着磁用磁界印加手段を軸方向で1 段のみ設置する構成の他、上下2段に配設する構成も可能である。
また、スキュー着磁に関しては、例えば着磁用の永久磁石を傾けて配列することによって実現可能である。
また、その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
Claims (6)
- ボンド磁石の近傍に着磁用磁界印加手段を配置し、
前記ボンド磁石を、そのキュリー点以上の温度に上昇させる加熱工程と、
キュリー点以上の温度に達した前記ボンド磁石を、キュリー点未満の温度まで降温させつつ、その間、前記着磁用磁界印加手段により前記ボンド磁石に着磁磁界を印加し続ける着磁工程とし、
前記ボンド磁石に含まれる磁石粉体の粒径を、熱揺らぎが生じる粒径に制御する
ことを特徴とするボンド磁石の製造方法。 - 前記磁石粉体の粒径を100μm以下に制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のボンド磁石の製造方法。 - 前記磁石粉体の粒径の制御を、前記ボンド磁石の圧縮成形時の成形圧によって行う
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のボンド磁石の製造方法。 - 前記ボンド磁石の圧縮成形前の前記磁石粉体の粒径が300μm以下で、前記成形圧が7.5ton/cm2以上である
ことを特徴とする請求項3に記載のボンド磁石の製造方法。 - 前記磁石粉体が希土類鉄系磁石である
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のボンド磁石の製造方法。 - 前記希土類鉄系磁石は、Nd−Fe−B磁石である
ことを特徴とする請求項5に記載のボンド磁石の製造方法。
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