JP2013157278A - 発光装置、画像形成装置及び撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 最も光干渉効果が強い有機EL素子を備える発光装置において、有機EL素子の駆動電圧を低減する。
【解決手段】 有機EL素子の発光層と第1電極110の反射面との間の第1光学距離Lが、有機EL素子の発する光のスペクトルの最大ピーク波長λ、波長λにおける第1電極110の反射面の位相シフトΦに対して
>0でかつ(λ/8)×(−1−2Φ/π)<L<(λ/8)×(1−2Φ/π)
を満たし、第1電極110は、トランジスタ12と接するAlを含む第1層101と第1層101を覆うMoとWのうち少なくとも一方を含む第2層102とを有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を用いてなる発光装置、画像形成装置及び撮像装置に関する。
近年、有機EL素子を用いて構成された表示装置の低消費電力化の要求が高まり、有機EL素子の発光効率の改善が期待されている。有機EL素子は、反射性電極と有機化合物層と透過性電極とが積層されて構成されている。そして、発光効率を改善させるために、有機化合物層の膜厚などを調整して光干渉効果を利用する方法が知られている(特許文献1)。
具体的には、有機EL素子の反射性電極と発光位置との間の光学距離Lが、強めたい波長λ、反射性電極で反射される際の位相シフトの和Φ、0以上の整数mを用いて下記の式1に設定される。また、m=0の場合には、光干渉効果が最も大きくなることが知られている。
L=(2m−(Φ/π))×(λ/4) ・・・式1
一方、反射性電極の構成として、特許文献1で示すような、膜厚100nmのAl系金属層からなる反射板と、その金属層の上に膜厚100nmのITO層からなる陽極とが積層された構成が知られている。また特許文献1では、Al系金属とITOとの接触抵抗が高いために、陽極が有機EL素子を駆動するためのTFTとコンタクトホールで直接接続されることについて開示している。
しかし、上記のようなITO層の膜厚を100nmとすると、式1でm=0を満たす光学距離Lに設定された有機EL素子では、有機化合物層が薄くなり、反射性電極の表面の凹凸、異物を十分覆えなくなり、電極間でショートやリークが生じ、有機EL素子が発光しなくなる。
これに対して、ITO層の膜厚を薄くする方法が考えられるが、ITO層のシート抵抗が大きくなり、有機EL素子の駆動電圧が大きくなってしまう。
また、ITO層を設けない方法では、Al系金属層は表面が酸化されやすく、電極パターンの形成によるエッチングプロセスや、基板および電極表面の洗浄を行う際に、Al系金属層の表面に酸化アルミニウムが形成されてしまう。この酸化アルミニウムは絶縁性を有し、有機化合物層への電荷注入性が低下し、さらに有機EL素子の駆動電圧が大きくなってしまう。
特開2005−285395号公報
本発明は、式1でm=0のときの光学距離に設定された有機EL素子を備える発光装置において、有機EL素子の駆動電圧を低減することを目的とする。
本発明は、基板上に、第1電極と発光層と第2電極とを有する有機EL素子と、前記第1電極と接続されたトランジスタと、を有する発光装置であって、前記有機EL素子の前記発光層の発光位置と前記第1電極の反射面との間の第1光学距離Lは下記式Aを満たし、前記第1電極は、前記トランジスタと接続されたAlを含む第1層と、前記第1層を覆うMoとWのうち少なくとも一方を含む第2層と、を有することを特徴とする。
>0でかつ(λ/8)×(−1−2Φ/π)<L<(λ/8)×(1−2Φ/π) ・・・式A
ここで、λは各有機EL素子の発する光のスペクトルの最大ピーク波長、Φは波長λにおける前記第1電極の反射面の位相シフトを表す。
本発明によれば、式1でm=0のときの光学距離に設定された有機EL素子を備える発光装置において、有機EL素子の駆動電圧を低減することができる。
本発明に係る発光装置の一例を示す斜視模式図 図1に示す発光装置の一例のA−B線の断面模式図 図1に示す発光装置の一例のC−D線の断面模式図 Al層とMo層との積層構成の反射率を示す図 波長450nmにおけるAl層とMo層との積層構成の反射率を示す図
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は本実施形態に限定されない。なお、本明細書で特に図示または記載されない部分に関しては、当該技術分野の周知または公知技術を適用する。
図1は、本発明に係る発光装置を示す斜視模式図である。本発明の発光装置は、有機EL素子を備える画素1を複数有している。そして、複数の画素1はマトリックス状に配置され、表示領域2を形成している。なお、画素とは、1つの発光素子の発光領域に対応した領域を意味している。本発明の発光装置では、発光素子は、有機EL素子であり、画素1のそれぞれに1つの色の有機EL素子が配置された発光装置である。有機EL素子の発光色としては、赤色、緑色、青色が挙げられ、そのほかに白色、黄色、シアンなどでもよい。また、本発明の発光装置には、発光色の異なる複数の画素(例えば赤色を発する画素、緑色を発する画素、及び青色を発する画素)からなる画素ユニットが複数配列されている。ここで、画素ユニットとは、各画素の混色によって所望の色の発光を可能とする最小の単位を示す。また、本発明の発光装置は、例えばプリントヘッド用に同一色の複数の画素が一次元方向に配列された構成であってもよい。
図2は図1のA−B’線における部分断面模式図であり、図3は図1のC−D’線における部分断面模式図である。図2で示すように、1つの画素1には、基板11上に、第1電極(陽極)110と、有機化合物層103R,103G,103Bと、第2電極(陰極)104と、を備える有機EL素子を有している。本発明の有機EL素子は第1電極110に発光層から放射されて第1電極110に向かう光を反射する反射面を有し、第2電極104から光を出射する構成である。
図3で示すように、基板11と第1電極110との間には、有機EL素子に電流を供給するためのトランジスタ12が配置され、第1電極110と接続されている。より具体的には、第1電極110とトランジスタ12のソース電極あるいはドレイン電極とが接続されている。また、トランジスタ12を覆うように第1絶縁層13、第2絶縁層14が形成され、第1絶縁層13、第2絶縁層14はトランジスタ12上に開口部を有しており、この開口部で第1電極110とトランジスタ12とが接続されている。また、第3絶縁層15は開口部を覆うように形成されている。
図2で示される有機化合物層103R,103G,103Bはそれぞれ、赤色、緑色、青色を発する有機化合物層である。また、有機化合物層103R,103G,103Bはそれぞれ、赤色を発する発光層、緑色を発する発光層、青色を発する発光層を有しており、各発光層は、赤色、緑色、青色を発する画素(有機EL素子)に対応してパターン形成されている。また、有機化合物層103R,103G,103Bは、発光層以外にも、正孔輸送層や電子輸送層などを1層あるいは2層以上有していてもよい。さらに、正孔輸送層や電子輸送層は画素(有機EL素子)に対応して形成されていてもよいし、複数の画素にまたがって形成されていてもよいし、その組み合わせでもよい。
また、第1電極110は、隣の画素(有機EL素子)の第1電極110と分離され、画素(有機EL素子)ごとに形成されている。第2電極104は、隣の画素と共通で形成されていてもよいし、画素ごとにパターン形成されていてもよい。また、第1電極110と第2電極104とがショートしないように第3絶縁層15が第1電極110の端部を覆っている。
本発明の有機EL素子は、第2電極104の上に、有機材料や無機材料からなる光学調整層105を有していてもよい。光学調整層105の膜厚を調整することにより、光干渉効果を高めて、有機EL素子の発光効率を向上させることができる。また、本発明の有機EL素子は、水分や酸素の侵入を防ぐために封止ガラス(不図示)によって封止されている。
また、本発明の有機EL素子は、光干渉効果を利用するために有機化合物層103R,103G,103Bの発光位置と第1電極110の反射面との間の第1光学距離Lが下記の式2を満たすように設定されている。
=−(Φ/π)×(λ/4) ・・・式2
ここで、λは各有機EL素子の発する光のスペクトルの最大ピーク波長、Φは波長λにおける第1電極110の位相シフトを表す。
なお、反射面での位相シフト(φ)は、反射面を構成する2つの材料のうち、光の入射元の材料と光の入射先の材料のそれぞれの光学定数を(n,k)、(n,k)とすると、下記の式3で表すことができる。なお、これらの光学定数は、例えば分光エリプソメーター等を用いて測定することができる。つまり、位相シフトΦは負の値をとる。
φ=tan−1(2n/(n −n −k )) ・・・式3
式2を満たすようにするためには、正孔輸送層の膜厚を調整したり、一部の有機EL素子に正孔輸送層を形成したりする等の方法が挙げられる。
なお、有機化合物層の成膜時に生じる誤差や、発光層内の発光分布の影響によって式2を満たさない場合があるが、第1光学距離Lが式2を満たす値から±λ/8ずれた値の範囲の中であれば波長λが強められる。
つまり、本発明の有機EL素子は、下記式4を満たすように設定されればよい。ただし、L>0である。
(λ/8)×(−1−2Φ/π)<L<(λ/8)×(1−2Φ/π) ・・・式4
さらには、第1光学距離Lが式3を満たす値から±λ/16ずれた値の範囲内にあれば好ましい。つまり、本発明の有機EL素子は、下記式5を満たすことがより好ましい。ただし、L>0である。
(λ/16)×(−1−4Φ/π)≦L≦(λ/16)×(1−4Φ/π) ・・・式5
なお、金属層を有する第1電極110の位相シフトはおよそ−πであるので、式4,5から
λ/8<L<3λ/8 ・・・式4’
3λ/16≦L≦5λ/16 ・・・式5’
を満たすようにしてもよい。
さらに、有機化合物層103R,103G,103Bの発光位置と第2電極104の反射面との間の第2光学距離Lが下記の式6を満たすように設定されていることが光干渉効果を強める上で好ましい。
=−(Φ/π)×(λ/4) ・・・式6
ここで、Φは波長λにおける第2電極104の位相シフトを表す。
また、上述したように、有機化合物層の成膜時に生じる誤差や、発光層内の発光分布の影響によって式6を満たさない場合があるが、第2光学距離Lが式6を満たす値から±λ/8ずれた値の範囲の中であれば波長λが強められる。さらに、第2光学距離Lが式6を満たす値から±λ/16ずれた値の範囲内にあることがより好ましい。つまり、本発明の有機EL素子は、下記の式7または式8を満たすようにすればよい。ただし、L>0である。
(λ/8)×(−1−2Φ/π)<L<(λ/8)×(1−2Φ/π) ・・・式7
(λ/16)×(−1−4Φ/π)≦L≦(λ/16)×(1−4Φ/π) ・・・式8
なお、金属層を有する第2電極104の位相シフトはおよそ−πであるので、式7,8から
λ/8<L<3λ/8 ・・・式7’
3λ/16≦L≦5λ/16 ・・・式8’
を満たすようにしてもよい。
また、本発明の第1電極110は、Alを含む第1層101と、MoとWのうち少なくとも一方を含む第2層102と、を基板側から順に有する構成を採っている。さらには、Alを含む第1層101が、有機EL素子の発光領域からトランジスタ12まで連続的に形成され、トランジスタ12と接して形成されている。また、第2層102は、第1層101を覆うように配置されている。
この構成より、式2,4乃至8’を満たすような、最も大きい光干渉効果を利用した有機EL素子であっても、第1層101であるAl層の酸化を防げるので駆動電圧が増大せずに、発光効率を向上させることができる。
より具体的に第1電極110の構成について以下で述べる。上述したように、第1電極110は、第1層101と第2層102とが積層された構成である。第1層101はAl,AlNdなどのAl合金などを使用することができる。第1層101の膜厚は、50nm以上200nm以下であればよい。この第1層101は、トランジスタ12と接続され、有機EL素子に正孔を供給する陽極の機能と、有機EL素子の有機化合物層103R,103G,103Bで発光された光を第2電極104側に反射するための反射層の機能と、を備えている。なお、第1層101は、トランジスタ12と直接接していなくてもよい。例えば、第1層101とトランジスタ12との間に別の金属層が形成されていてもい。
Alは、その表面が容易に酸化されるため、電極パターンの形成によるエッチングプロセスや、基板および電極表面の洗浄を行う際に、その表面に酸化アルミニウム(Al)層が数nm形成されてしまう。Alは絶縁性であるため、第1電極110が第1層101のみからなる場合には、第1電極110から有機化合物層103R,103G,103Bへの正孔注入障壁が大きくなり、有機EL素子の駆動電圧が増大してしまう。
このため、本発明ではAlの酸化を防止するために、MoとWのうち少なくとも一方を含む第2層102が設けられている。Mo,Wは高仕事関数を示す材料であり、その酸化物も高仕事関数を示すため、有機化合物層103R,103G,103Bへの正孔注入障壁を小さくすることが可能となる。Mo,Wの金属層は反射率が小さいため、第2層102の膜厚は、2nm以上9nm以下が好ましい。この範囲内では、高い反射率を維持しながら、第1層101の酸化を防止することが可能である。特に、青色(波長450nm)で80%以上の高い反射率を有するためには、2nm以上6nm以下が好ましい。
また、第2層102は、第1層側から、MoとWのうち少なくとも一方を含む金属膜と、MoとWのうち少なくとも一方の酸化物を含む酸化膜と、を備える構成であることが望ましい。これは、Mo,Wの酸化物の方がMo,Wの金属よりも仕事関数が高いために、有機化合物層103R,103G,103Bへの正孔注入障壁をより小さくできるからである。さらに、Mo,Wの酸化物の方がMo,Wの金属よりも透過率が高いために、第1電極110の反射率の低下を小さくすることができるからである。なお、第1層101の上に直接、Mo,Wの酸化膜を形成すると、Al表面が酸化されるため好ましくない。Mo,Wの酸化膜は、Mo,Wの金属膜を介して形成することが望ましい。MoとWのうち少なくとも一方の酸化物を含む酸化膜の膜厚は1nm以上5nm以下であれば、第1電極110の反射率の低下を抑えながら、正孔注入性が向上するので好ましい。また、MoとWのうち少なくとも一方を含む金属膜の膜厚は、2nm以上あれば、第1層101の酸化を十分に防ぐことができるので好ましい。
また、第1電極110と第2絶縁層14との密着性を向上させるために、酸化インジウム錫や酸化インジウム亜鉛などの酸化物導電層や、Mo,W,Tiなどの単体あるいはそれらの合金からなる金属層を設けてもよい。
第2層102は、第1層101を覆う構成である。具体的には、第2層102は第1層が形成された領域を覆っている。つまり、第2層102は、有機EL素子の発光領域からトランジスタ12まで連続的に形成された第1層101にならって第1層101の上に形成されている。なお、少なくともトランジスタ12と第1層101とが直接あるいはトランジスタ12と第1層101との間に形成された別の金属層を介して接続されればよい。つまり、上記構成であれば、トランジスタ12と第2層102とが直接接続される部分を有していてもよいし、第2層102がトランジスタ12と第1層101との間に形成された別の金属層と接続される部分を有していてもよい。
また、第1層101の酸化を防ぐために、第1層101と第2層102とは一括でパターニングされることが望ましく、第2層102は第1層101と同じパターン形状であることが望ましい。このため、第2層102は第1層101の側面までを覆う必要はない。第1層101の側面を覆っていなくても、トランジスタ12から有機EL素子の発光領域までの電流の経路の中で高抵抗な膜が形成されないので問題ない。
なお、第1電極110の反射面は、第1電極110と有機化合物層103R,103G,103Bと接する界面である。
基板11は、例えば、ガラス基板や半導体基板、金属基板等で構成され、フレキシブルなものでもよい。
トランジスタ12は、ポリシリコンやアモルファスシリコン等で形成されていてもよい。
第1絶縁層13は、窒化シリコン、酸化シリコン、酸窒化シリコンなどの無機絶縁層を用いることができる。第1絶縁層13の膜厚は、100nm以上1μm以下であればよい。また、第1絶縁層13は第2絶縁層14と兼用でもよい。
第2絶縁層14は、ポリイミドやアクリルなどの樹脂材料、窒化シリコンなどの無機材料を用いることができる。特に、第2絶縁層14は、トランジスタ12の表面の凹凸を平坦化するように樹脂材料で構成されているのがよい。なお、第2絶縁層14として無機材料を用いる場合でも、第2絶縁層14の表面が平坦になるように研磨する構成であってもよい。第2絶縁層14の膜厚は、樹脂材料であれば300nm以上10μm以下であればよく、無機材料であれば100nm以上1μm以下であればよい。
第3絶縁層15は、第2絶縁層14と同じ材料、同じ膜厚で用いることができる。また、第3絶縁層15は第1電極110と第2電極104とがショートしない構成、例えば、第1電極110の側面まで有機化合物層103R,103G,103Bで十分に覆う構成であれば設けなくてもよい。また、第3絶縁層15はトランジスタ12の上に設けてもよいし、設けなくてもよい。
有機化合物層103R,103G,103Bは、上述したように、発光層以外に正孔輸送層、電子輸送層を有する構成でもよい。
正孔輸送層を構成する材料としては、電子よりも正孔輸送性が高い物質であり、第3級アミン誘導体、カルバゾール誘導体が好ましく、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル等を用いることができる。また、正孔輸送層は、複数の積層構成であってもよい。複数の正孔輸送層を設ける場合、第1電極110側に正孔注入性の高い正孔輸送層を設けてもよいし、発光層側に電子ブロック性あるいは励起子ブロック性の高い正孔輸送層を設けてもよい。また、正孔輸送層には、複数の材料で構成されていてもよい。
電子輸送層を構成する材料としては、正孔よりも電子輸送性が高い物質であり、複素環化合物誘導体や炭化水素系多環化合物誘導体、金属錯体が好ましく、例えば、バソキュプロイン、バソフェナントロリン等を用いることができる。また、電子輸送層は、複数の積層構成であってもよい。複数の電子輸送層を設ける場合、発光層側に正孔ブロック性あるいは励起子ブロック性の高い電子輸送層を設けてもよいし、第2電極104側に電子注入性の高い電子輸送層を設けてもよい。また、電子輸送層は複数の材料で構成されていてもよく、LiやCsなどのアルカリ金属、Mgなどのアルカリ土類金属、あるいはアルカリ金属の化合物、アルカリ土類金属の化合物を含有すると電子注入性が高くなるので好ましい。
発光層を構成する材料は、蛍光発光材料、燐光発光材料どちらでもよい。さらに発光層は、ホスト材料と、発光ドーパント材料と、を有する構成が好ましく、発光ドーパント材料はホスト材料中に0.01重量%以上10重量%以下で含まれる構成が好ましい。ホスト材料は、ピレン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、カルバゾール誘導体が適し、発光ドーパント材料には、蛍光発光材料もしくは燐光発光材料を適宜用いることができる。また、発光層は、ホスト材料、発光ドーパント材料の他に、アシストドーパント材料を用いることができる。アシストドーパント材料は、ホスト材料よりも低い濃度でかつ、発光ドーパント材料よりも高い濃度で発光層内に含まれるのがよい。
青色を発する発光ドーパント材料は、発光スペクトルの最大ピーク波長が420nm以上470nm以下の材料であればよい。緑色を発する発光ドーパント材料は、発光スペクトルの最大ピーク波長が500nm以上550nm以下の材料であればよい。赤色を発する発光ドーパント材料は、発光スペクトルの最大ピーク波長が610nm以上650nm以下の材料であればよい。
発光層の発光位置は、発光層内で最も発光強度の大きい領域のことをいう。この発光位置は、例えば、発光層がホスト材料および発光ドーパント材料を含む場合、ホスト材料および発光ドーパント材料のHOMO準位エネルギー、LUMO準位エネルギーの関係によって決まる。
発光層のホスト材料のHOMO準位エネルギー、LUMO準位エネルギーをそれぞれH、Lとし、発光ドーパント材料のHOMO準位エネルギー、LUMO準位エネルギーをそれぞれH、Lとする。式9を満たす場合には、発光層の発光位置が発光層の中心よりも正孔輸送層側にある。より具体的には、発光位置は、発光層と正孔輸送層と界面近傍(発光層と正孔輸送層との界面から10nm以内)にある。
|H|<|H|かつ|H|−|H|>|L|−|L| ・・・式9
式9を満たす発光層の場合、正孔が発光ドーパント材料にトラップされやすく、正孔の移動度が小さくなる。このため、正孔輸送層側で、電子と正孔との再結合する確率が高くなるため、正孔輸送層側で発光強度が大きくなると考える。
一方、式10を満たす場合には、発光層の発光位置は、発光層の中心よりも電子輸送層側にある。より具体的には発光位置は、発光層と電子輸送層と界面近傍(発光層と電子輸送層との界面から5nm以内)にある。
|L|>|L|かつ|L|−|L|>|H|−|H| ・・・式10
式10を満たす発光層の場合、電子が発光ドーパント材料にトラップされやすく、電子の移動度が小さくなる。このため、電子輸送層側で、電子と正孔との再結合する確率が高くなるため、電子輸送層側で発光強度が大きくなると考える。
第2電極104は、Ag,Al,Ca,Mgまたはそれらの合金を1層あるいは2層以上で形成される。また、第2電極104は上記材料からなる金属層と酸化物導電層との積層構成であってもよい。好ましくは、第2電極104は高い反射率を有し、かつ吸収率の小さいAgもしくはAg合金から構成される1層あるいは2層以上で構成されるのがよい。なお、第2電極104はAgもしくはAg合金からなる金属層と酸化物導電層とが有機化合物層103R,103G,103B側からこの順で積層された構成でもよい。
また、第2電極104の膜厚は、有機化合物層103R,103G,103B側から入射した光が400nm以上800nm以下の可視光領域で50%以上の反射率となるようにすることが好ましい。具体的には、第2電極104の膜厚は、15nm以上35nm以下が好ましい。
なお、第2電極104の反射面は、第2電極104と有機化合物層103R,103G,103Bと接する界面である。
光学調整層105は第2電極104の上に設けられている。有機化合物層内で発光した光のうち、第2電極104での反射する光と光学調整層105の第2電極104とは反対側にある界面で反射する光との干渉を用いることで、可視光領域における反射率を調整して、有機EL素子の発光効率を向上させることができる。光学調整層105によって、有機化合物層から第2電極104側に入射する光の反射率が可視光領域において50%以上80%未満となるように設計することが発光装置の消費電力を低減させる観点で好ましい。
光学調整層105としては可視光領域で90%以上の透過率を有していればよく、有機材料、無機材料を用いることができる。例えば、酸化シリコンや窒化シリコン、酸化インジウム錫や酸化インジウム亜鉛、有機EL素子に使用する有機化合物層のいずれかと同じ材料が挙げられる。
光学調整層105の膜厚として、上記目的に応じて適宜設定すればよいが、50nm以上300nm以下であればよい。なお、光学調整層105は設けなくてもよい。
また、有機EL素子は、封止ガラスによって封止されていてもよいし、光学調整層105上に無機材料からなる封止膜によって封止されていてもよい。封止膜は、窒化シリコンや酸化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機材料からなる層が単層あるいは2層以上で構成される。また、封止膜の膜厚は、100nm以上10μm以下である。
本発明の発光装置はレーザービームプリンタなどの画像形成装置に適用することができる。より具体的には、画像形成装置は、発光装置によって潜像が形成される感光体と、感光体を帯電する帯電手段と、を備えている。また、本発明の発光装置は、異なる色を発する複数の有機EL素子を含んでいてもよく、この場合には、CMOSセンサなどの撮像素子を有するデジタルカメラやデジタルビデオカメラなどの撮像装置のディスプレイや電子ビューファインダに使用することができる。その他に、画像形成装置のディスプレイ、携帯電話やスマートフォンなどの携帯情報端末のディスプレイに使用することができる。また、本発明の発光装置は、単色の複数の有機EL素子と、赤色、緑色、青色のカラーフィルタと、を備える構成であってもよい。
以下、本発明の実施例について説明するが、実施例に用いた材料や素子構成は、好ましい例であるが、これに限定されるものではない。
(実施例1)
まず、洗浄したガラス基板上にスパッタリング法により、Al層を100nm成膜し、大気開放することなく連続してMo層を0.0nm(Mo層を設けない)、2.1nm、3.5nm、7.1nm、9.0nmで成膜し5種類の反射電極A乃至Eを形成した。その後、大気中にて反射電極が形成されたガラス基板を純水洗浄した。
各反射電極の大気中での300nm以上800nm以上の反射率を図4に示す。また、450nmにおける各反射電極の反射率を表1、図5に示す。図4から分かるように、Mo層の膜厚が大きくなるにつれて反射率は低下する傾向であるが、Mo層が6nm以下であれば波長450nm(青色)における反射率が80%以上となることが分かった。
(実施例2)
本実施例は、実施例1で作製した反射電極を第1電極として用いた青色の有機EL素子の作製例である。
まず、A乃至Eの反射電極が形成されたガラス基板を減圧された状態にてUV−オゾン処理を10分行い、ガラス基板表面の洗浄を行った。
次に、実施例1の反射電極Aのみ、真空蒸着装置にて正孔注入層として酸化モリブデン(MoO)層を2.0nm成膜した。
続いて、MoO層が形成された反射電極Aと、反射電極B乃至Eの上に、正孔輸送層として下記の化合物1を真空蒸着法にて25nmとなるように成膜した。なお、圧力は1.0×10−4Paであった。
次に、上記正孔輸送層を形成した基板を真空蒸着装置に搬送し、1.0×10−4Paの圧力の真空中にて発光層として下記の化合物2をホスト材料、および化合物3を発光ドーパント材料とを共蒸着した。発光層は、化合物3の重量比が化合物2に対して1.0%であり、膜厚は20nmであった。発光の発光層に含まれる、化合物2、化合物3は式10を満たすため、発光位置は電子輸送層側であった。
次に励起子ブロック層として下記の化合物4を10nm蒸着し、続いて電子輸送層として、化合物5を10nm蒸着した。次に、電子注入層として、化合物5と炭酸セシウムが20wt%になるように10nm共蒸着した。
次に、半透過電極として、Ag層を25nm蒸着し、第2電極を形成した。次に、光学調整層として、化合物5を70nm蒸着し、有機EL素子を作製した。
有機EL素子作製後、窒素雰囲気中のグローブボックスにて、乾燥剤を入れた封止ガラスとガラス基板の成膜面とをエポキシ樹脂接着剤を用いて封止した。
上記手順で作製した青色の有機EL素子からの出射される光のスペクトルの最大ピーク波長はλ=450nmであった。
また、上記手順で作製した青色の有機EL素子について第1光学距離を算出すると、正孔輸送層と発光層の屈折率を1.8として、25nm×1.8+20nm×1.8=81.0nmであった。また、第2光学距離を算出すると、40nm×1.8=72.0nmであった。
また、上述した式2から算出される第1光学距離は、第1電極110側の屈折率、吸収係数から算出される位相シフトΦ=−132°、λ=450nmから、82.5nmであり、作製した有機EL素子の第1光学距離とほぼ合っている。一方、上述した式6から算出される第2光学距離は、第2電極104側の屈折率、吸収係数から算出される位相シフトΦ=−112°、λ=450nmから、70.0nmであり、作製した有機EL素子の第2光学距離とほぼ合っている。また、実施例2の構成は、式4,5,4’,5’,7,8,7’,8’を満たしていた。なお、屈折率と吸収係数はそれぞれの材料の膜を実際に分光エリプソメトリ測定装置を用いて測定した。
表2に、電流密度が25mA/cmにおける実施例2で作製した各青色の有機EL素子のEL特性の測定した結果を示す。
(比較例1)
本比較例は、反射電極Aの上にMoO層を設けないこと以外は、実施例2と同じ方法で有機EL素子を作製した。実施例2と同様に、比較例1の有機EL素子の特性を測定しようとしたが、この有機EL素子は10V以下の電圧では発光しなかったため測定できなかった。
表2と比較例1の結果から、Al層の上にMoを含む層を設けることにより駆動電圧が低下することが分かった。これは、Moを含む層を設けることにより、正孔注入性が向上するためであると考える。また、Mo層が0nmより大きく3.5nm以下であれば、発光効率が高くなり好ましい。
一方、MoO層を直接Al層の上に設けるよりも、Al層の上にMo層を設ける方が駆動電圧が低下することが分かった。これは、基板の洗浄の際に、UV−オゾン処理を行ったことによって、Al層の表面が一部酸化したためだと考える。
なお、UV−オゾン処理によって、反射電極B乃至Eでは、Mo層の表面は、MoO膜が形成されていると考える。つまり、Mo層はMoの金属膜とMoの酸化物からなる酸化膜とが積層された構成であったと考える。これは以下の実験によって確かめられた。
反射電極C(Al層と3.5nmのMo層の積層構成)の表面に洗浄にUV−オゾン処理した場合における、処理時間と表面の酸化膜厚の依存性について、分光エリプソメトリにて解析した。その結果を表3に示す。なお、解析に関しては反射電極の断面の走査反射電子像により実測した膜厚、および文献値等に記載のMoおよびMoOの屈折率を参考にし、分光エリプソメトリのフィッティングにより算出した。
表3に示すように、UV−オゾン処理時間を行うとMoO層がMo金属層の表面に形成されていることが分かる。なお、UV−オゾン処理時間が0分でも、MoO層が形成され、Mo層の総膜厚3.7nmに増えている理由は、測定するために試料を大気中に出したためにMo層の表面が酸化されたためであると考える。
また、UV−オゾン処理時間が長くなると、Mo金属層が減少し、MoO層が増大することが分かる。これはUV−オゾン処理時間に伴いMo金属層の表面の酸化が進行したことによってMoO層の膜密度および結晶構造が変化したためと考える。Mo層の総膜厚自体も増大し、Al層を保護するバリア層としての機能を十分にあると考える。なお、UV−オゾン処理を行った場合、Mo金属層は、2nm以上3nm以下の範囲に維持されている。また、MoO層は比較的透明であることからMoO層の膜厚が増大しても反射率の低下が抑制され、むしろ向上していることが確認できた。
(実施例3)
次に、UV−オゾン処理時間による駆動電圧の違いを確認した。反射電極Cの構成で、UV−オゾン処理時間0分,2分とした以外は実施例2と同様に青色の有機EL素子を作製した。下記表4に、電流密度が25mA/cmにおける駆動電圧を示す。
表4から、UV−オゾン処理時間を行わない素子において、高電圧化することが確認された。つまり、Mo層は有機化合物層との界面側にMoO層を有する方が駆動電圧の低減効果が大きいことが分かった。これはMoOの方がMoよりも正孔注入性が大きいことが要因であると考える。また、UV−オゾン処理時間が2分,10分ではほとんど駆動電圧に影響しないことも分かった。つまり、MoO層は1nm以上あれば十分であることが分かった。
(実施例4)
本実施例では、赤色の有機EL素子、緑色の有機EL素子、青色の有機EL素子を備えた発光装置の作製例を示す。
ガラス基板上に、低温ポリシリコンからなる薄膜トランジスタ(TFT)を形成し、その上に、窒化シリコンからなる膜厚300nmの第1絶縁層、アクリル樹脂からなる膜厚1.5μmの第2絶縁層を形成した。そして、第1絶縁層と第2絶縁層に、TFTのドレイン電極が露出するように開口を設けた。
次に、第1電極の第1層としてAl層を、スパッタリング法にて100nmの膜厚に成膜し、その上に第2層としてMo層をスパッタリング法で膜厚2.1nmで形成した。つまり、第1電極は、基板側から第1層、第2層が積層された構成であった。
続いて、各有機EL素子の発光領域となる部分からTFTのドレイン電極上に設けられた開口までを覆って、TFTと第1層とが接するように、第1層と第2層とを一括でパターニングした。
次に、第1電極の端部を覆うようにポリイミド樹脂からなる膜厚1.5μmの第3絶縁層をパターニングして形成した。そして、この基板を減圧された状態にてUV−オゾン処理を10分行い、ガラス基板表面の洗浄を行った。
次に、各有機EL素子となる領域全域に上記の化合物1を真空蒸着法にて25nmとなるように成膜し、第1正孔輸送層を形成した。なお、圧力は1.0×10−4Paであった。
次に、赤色の画素に対応する領域にのみ、画素形状の金属マスクを用いて真空蒸着法で、上記の化合物1を膜厚45nmとなるように成膜し、第2正孔輸送層とした。
次に画素形状の金属マスクを用い、第2正孔輸送層上の赤色の画素となる部分に対して赤色発光層を膜厚25nmで形成した。赤色発光層は、ホスト材料として下記の化合物6、発光ドーパントとして下記の化合物7(重量比4%)、アシストドーパントとして上記の化合物8(重量比15%)を共蒸着して形成された。赤色発光の発光層に含まれる、化合物6、化合物7は式9を満たすため、発光位置は電子輸送層側であった。
次に画素形状の金属マスクを用い、第1正孔輸送層上の緑色の画素となる部分に対して緑色発光層を膜厚35nmで形成した。緑色発光層は、ホスト材料として下記の化合物9、発光ドーパントとして下記の化合物10(重量比2.5%)を共蒸着して形成された。緑色発光の発光層に含まれる、化合物9、化合物10は式9を満たすため、発光位置は電子輸送層側であった。
次に画素形状の金属マスクを用い、第1正孔輸送層上の青色の画素となる部分に対して青色発光層を膜厚20nmで形成した。緑色発光層は、ホスト材料として上記の化合物2、発光ドーパントとして上記の化合物3(重量比1.0%)を共蒸着して形成された。青色発光の発光層に含まれる、化合物2、化合物3は式10を満たすため、発光位置は電子輸送層側であった。
次に励起子ブロック層として上記の化合物4を10nm蒸着し、続いて電子輸送層として、上記の化合物5を20nm蒸着した。次に、電子注入層として、化合物5と炭酸セシウムが20wt%になるように10nm共蒸着した。
次に、Ag層を蒸着して膜厚25nmの第2電極を形成した。次に、光学調整層として、化合物5を70nm蒸着し、有機EL素子を作製した。
有機EL素子作製後、窒素雰囲気中のグローブボックスにて、乾燥剤を入れた封止ガラスとガラス基板の成膜面とをエポキシ樹脂接着剤を用いて封止した。
上記手順で得られた発光装置を評価したところ、得られた発光から赤色、緑色、青色の有機EL素子からの出射される光のスペクトルの最大ピーク波長はそれぞれ、λ=623nm、λ=517nm、λ=450nmであった。
表5に本実施例で作製した有機EL素子の各色の第1光学距離と第2光学距離、及び式2から算出される光学距離をまとめた。赤色、緑色、青色の有機EL素子で実施例4の構成と式2,6から算出された値とがほぼ一致していた。また、実施例1の構成は、式4,5,7,8を満たしていた。
表6に、電流密度が25mA/cmにおける実施例2で作製した各青色の有機EL素子のEL特性の測定した結果を示す。
以上のようにして、低駆動電圧で高い発光効率を有する赤色、緑色、青色の有機EL素子を備える発光装置を得ることができる。
11 基板
12 トランジスタ
101 第1層
102 第2層
104 第2電極
110 第1電極

Claims (6)

  1. 基板上に、第1電極と発光層と第2電極とを有する有機EL素子と、前記第1電極と接続されたトランジスタと、を有する発光装置であって、
    前記有機EL素子の前記発光層の発光位置と前記第1電極の反射面との間の第1光学距離Lは下記式Aを満たし、
    前記第1電極は、前記トランジスタと接続されたAlを含む第1層と、前記第1層を覆うMoとWのうち少なくとも一方を含む第2層と、を有することを特徴とする発光装置。
    >0でかつ(λ/8)×(−1−2Φ/π)<L<(λ/8)×(1−2Φ/π) ・・・式A
    ここで、λは各有機EL素子の発する光のスペクトルの最大ピーク波長、Φは波長λにおける前記第1電極の反射面の位相シフトを表す。
  2. 前記第2層は、MoとWのうち少なくとも一方を含む金属膜と、MoとWのうち少なくとも一方の酸化物を含む酸化膜と、を前記第1層側から順に有することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記有機EL素子の前記発光層の発光位置と前記第2電極の反射面との間の第2光学距離Lは下記式Bを満たしていることを特徴とする請求項1又は2に記載の発光装置。
    >0でかつ(λ/8)×(−1−2Φ/π)<L<(λ/8)×(1−2Φ/π) ・・・式B
    ここで、Φは波長λにおける前記第2電極の反射面の位相シフトを表す。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発光装置と、前記発光装置によって潜像が形成される感光体と、前記感光体を帯電する帯電手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記複数の有機EL素子が、異なる色を発する複数の有機EL素子を含んでいることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 請求項5に記載の発光装置と、撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置。
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