JP2013156645A - 電気光学装置、電気光学装置の制御装置および電子機器 - Google Patents

電気光学装置、電気光学装置の制御装置および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】いわゆる縦クロストークを抑えつつ、データ線に対して階調に応じた電圧を書き込む前の状態を揃える。
【解決手段】一の走査線112に選択電圧を印加する前に、すべてのデータ線114を、極性とは無関係の電圧Vb(-)でプリチャージし、この後、書込極性に応じた極性に応じた電圧Vg(+)またはVg(-)をプリチャージし、一の走査線112に選択電圧を印加したときに、一のデータ線114と選択電圧を印加した走査線112との交差に対応する画素110の階調に応じ、かつ、書込極性に応じた電圧を、一のデータ線114に供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気光学装置において、いわゆる縦クロストーク等の発生を抑える技術に関する。
近年では、液晶装置のような電気光学装置を用いて所定の画像を形成し、形成した画像を光学系によって拡大投射するプロジェクタが普及しつつある。このような電気光学装置では、複数行の走査線と複数列のデータ線との交差に対応して画素が複数設けられ、各画素は、液晶容量と、薄膜トランジスタ(thin film transistor:以下「TFT」と称する)のようなスイッチング素子とを有し、液晶容量は、画素電極と対向電極とで液晶を挟持して保持電圧に応じて透過率(反射率)が変化し、TFTは、走査線に選択電圧が印加したときにデータ線と画素電極との間でオン状態となる。
このため、複数行の走査線を順番に選択して、選択した走査線に選択電圧を印加して、TFTをオンさせるとともに、選択走査線に位置する画素電極に対し、階調(明るさ)に応じた電圧のデータ信号を、データ線およびオン状態のTFTを介して供給すると、各液晶容量に対しデータ信号に応じた電圧を保持させることができるので、所定の画像を形成することが可能となる。
ここで、プロジェクタに適用される電気光学装置では、画素間が非常に狭いので、いわゆるディスクリネーション(配向不良)が問題となるが、このディスクリネーションについては、隣接画素同士を互いに同一極性とする面反転方式を採用することで回避することができる(特許文献1参照)。
特開2005−257836号公報
しかしながら、この面反転方式では、例えば灰色を背景として黒色領域をウィンドウ表示させようとする場合、図8(a)に示されるように、黒色領域の上および下側の灰色領域が、他の灰色領域の明るさと異なってしまう現象が発生する。この現象は、明るさの異なる領域が縦方向に現れるので、縦クロスロークと呼ばれることがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、このような縦クロストークの発生を抑えた電気光学装置、駆動方法および電子機器を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明に係る電気光学装置の駆動方法にあっては、複数行の走査線と複数列のデータ線との交差に対応して設けられ、走査線に選択電圧を印加したときに、データ線に供給されるとともに所定電位を基準とした正極性電圧または負極性電圧に応じた階調となる複数の画素を備える電気光学装置の駆動方法であって、前記複数行の走査線を所定の順番で選択して、前記選択電圧を印加し、前記複数列のデータ線に対して、一の走査線に前記選択電圧を印加する前に、極性とは無関係の第1電圧を印加し、前記第1電圧の印加後に、前記正極性または前記負極性に応じた第2電圧を印加し、前記一の走査線に選択電圧を印加したときに、一のデータ線と前記一の走査線との交差に対応する画素の階調に応じ、かつ、前記第2電圧を印加したときの極性に応じた電圧を、前記一のデータ線に供給することを特徴とする。本発明によれば、複数列のデータ線に対して階調に応じた電圧を印加する前に、第1および第2電圧のプリチャージが2回実行される。このうち、第1電圧のプリチャージによってスイッチング素子のオフリークが促進し、第2電圧のプリチャージによって階調に応じた電圧を印加する前の初期状態が揃えられる。
本発明において、前記画素は、画素電極と対向電極とで液晶を挟持した液晶容量と、走査線に印加されたときに、データ線と画素電極との間で導通状態となるスイッチング素子と、を有し、前記第1電圧は、前記データ線に供給される電圧範囲のうち、前記スイッチング素子が非導通状態であるときに、前記液晶容量のリークが最大となる電圧であることが好ましい。
また、本発明において、前記複数列のデータ線に前記第2電圧を印加するときに、前記一の走査線に選択電圧を印加しても良い。
なお、本発明は、電気光学装置の駆動方法のみならず、電気光学装置、さらには、当該電気光学装置を有する電子機器としても概念することが可能である。
本発明の第実施形態に係る電気光学装置の構成を示す図である。 同電気光学装置における画素の構成を示す図である。 同電気光学装置における制御回路の構成を示す図である。 同電気光学装置の動作を示す図である。 同電気光学装置の動作を示す図である。 同電気光学装置の動作を示す図である。 同電気光学装置の動作を示す図である。 電気光学装置における縦クロストーク等を説明するための図である。 実施形態に係る電気光学装置の変形例の動作を示す図である。 実施形態に係る電気光学装置を適用したプロジェクタの構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る電気光学装置の構成を示すブロック図である。
この図に示されるように、電気光学装置10は、制御回路50と液晶表示パネル100とを含む。
このうち、液晶表示パネル100は、表示領域100aの周辺に走査線駆動回路130およびデータ線駆動回路140を内蔵した周辺回路内蔵型となっている。表示領域100aでは、1080行の走査線112が行(X)方向に延在するように設けられ、また、1920列のデータ線114が列(Y)方向に延在するように、かつ、各走査線112と互いに電気的に絶縁を保つように設けられ、さらに、画素110が1080行の走査線112と1920列のデータ線114との交差に対応して、それぞれ配列している。したがって、本実施形態では、画素110が縦1080行×横1920列のマトリクス状に配列することになる。
説明の便宜上、画素110の構成について図2を参照して説明する。図2は、i行及びこれと1行下で隣接する(i+1)行と、j列及びこれと1列右で隣接する(j+1)列との交差に対応する2×2の計4画素分の構成を示している。なお、i、(i+1)は、画素110が配列する行を一般的に示す場合の記号であって、この例では、1以上1080以下の整数である。また、j、(j+1)は、画素110が配列する列を一般的に示す場合の記号であって、この例では、1以上1920以下の整数である。
図2に示されるように、各画素110は、nチャネル型のTFT116と液晶容量120とを含む。
ここで、各画素110については互いに同一構成なので、i行j列に位置するもので代表させて説明すると、当該i行j列の画素110におけるTFT116のゲート電極はi行目の走査線112に接続される一方、そのソース電極はj列目のデータ線114に接続され、そのドレイン電極は液晶容量120の一端である画素電極118に接続されている。また、液晶容量120の他端は、対向電極108に接続されている。この対向電極108は、全ての画素110にわたって共通であって、本実施形態では、時間的に一定の電圧LCcomが印加されている。
この液晶表示パネル100は、特に図示しないが、素子基板と対向基板との一対の基板が一定の間隙を保って貼り合わせられるとともに、この間隙に液晶が封止された構成となっている。このうち、素子基板には、走査線112や、データ線114、TFT116および画素電極118が走査線駆動回路130やデータ線駆動回路140とともに形成される一方、対向基板に対向電極108が形成されて、これらの電極形成面が互いに対向するように一定の間隙を保って貼り合わせられている。このため、本実施形態において液晶容量120は、画素電極118と対向電極108とで液晶105を挟持することによって構成される。
なお、本実施形態では、液晶容量120において保持される電圧実効値がゼロに近ければ、液晶容量を通過する光の透過率が最大となって白色表示になる一方、電圧実効値が大きくなるにつれて透過率が減少して、ついには透過率が最小の黒色表示になるノーマリーホワイトモードに設定されている。
この構成において、走査線112に選択電圧を印加し、TFT116をオン(導通)させるとともに、画素電極118に、データ線114およびオン状態のTFT116を介して、階調(明るさ)に応じた電圧のデータ信号を供給すると、選択電圧を印加した走査線112とデータ信号を供給したデータ線114との交差に対応する液晶容量120に、階調に応じた電圧を書き込むことができる。
なお、走査線112が非選択電圧になると、TFT116がオフ(非導通)状態となるが、液晶容量120では、TFT116がオン状態となったときに書き込まれた電圧が、その容量性により保持される。
走査線駆動回路130は、それぞれ1、2、3、…、1080行目の走査線112を、それぞれこの順番で選択して、この選択に応じた走査信号G1、G2、G3、…、G1080を、供給するものである。ここで、走査線駆動回路130は、選択した走査線への走査信号をHレベルに相当する電圧Vddとし、それ以外の走査線への走査信号をLレベルに相当する非選択電圧(接地電位Gnd)とする。
走査線駆動回路130の構成については、特に詳述しないが、簡単にいえば例えば図5に示されるように、垂直走査期間(F)の最初に供給されるスタートパルスDyを、クロック信号Clyの論理レベルが遷移する(立ち下がり及び立ち上がる)毎に順番にシフト転送して、このシフト信号を走査信号として出力する構成である。
データ線駆動回路140は、サンプリング信号出力回路142と、各データ線114にそれぞれ設けられたOR回路144およびnチャネル型のTFT146の組とによって構成される。サンプリング信号出力回路142は、各行の走査線112が選択される水平走査期間にわたって、順次排他的にHレベルとなるサンプリング信号S1、S2、S3、…、S1920を出力するものである。
なお、サンプリング信号出力回路142の構成については、特に詳述しないが、簡単にいえば例えば図6に示されるように、水平走査期間(H)の最初に供給されるスタートパルスDxを、クロック信号Clxの論理レベルが遷移する毎に順番にシフト転送して、このシフト信号をサンプリング信号として出力する構成である。
OR回路144は、サンプリング信号とプリチャージ指定信号Nrgとの論理和信号を求めるものである。TFT146は、そのソース電極が画像信号線148に接続され、そのドレイン電極がデータ線114に接続されて、そのゲート電極には、サンプリング信号が供給される。例えばj列目のOR回路144は、サンプリング信号Sjとプリチャージ指定信号Nrgとの論理和信号を求めて、j列目のTFT146のゲート電極に供給する。また、j列目のTFT146のドレイン電極がj列目のデータ線114に接続されている。
したがって、j列目のTFT146は、サンプリング信号SjがHレベルになると、または、プリチャージ指定信号NrgがHレベルになると、オン状態になって、画像信号線148に供給されたデータ信号Vidを、j列目のデータ線114にサンプリングすることになる。
説明を再び図1に戻すと、制御回路50は、走査線駆動回路130およびデータ線駆動回路140を制御するとともに、これらの制御に合わせて画像信号線148にデータ信号Vidを供給するものである。
図3は、制御回路50の構成を示すブロック図である。
制御回路50には、図示しない上位回路から画像データVdが、垂直同期信号Vs、水平同期信号Hsおよびクロック信号Clkに同期して供給される。ここで、画像データVdは、縦1080行×横1920列の画素110の階調を例えば8ビットで指定するデジタルデータであり、図4に示されるように、垂直同期信号Vsで規定される垂直走査期間(F)にわたって、1行1列〜1行1920列、2行1列〜2行1920列、3行1列〜3行1920列、…、1080行1列〜1080行1920列という画素の順番で供給される。この供給の際に、水平同期信号Hsで規定される水平走査期間(H)において1行分の画像データVdが供給され、さらに、クロック信号Clkの1周期で1画素分の画像データVdが供給される。
なお、図4において、水平帰線期間Hbとは、ある水平走査期間において、最終1920列の画素の画像データVdが供給終了してから、次の水平走査期間において1列の画素の画像データVdが供給開始されるまでの期間をいう。
また、ある垂直走査期間において最終行最終列である1080行1920列の画素の画像データVdが供給終了してから、次の垂直走査期間において1行1列の画素の画像データVdが供給開始されるまでの期間を、特に垂直帰線期間という場合もあるが、本説明では、水平帰線期間として区別していない。
本実施形態において8ビットの画像データVdは、十進表記の「0」が最低階調の黒色を指定し、数値が増加するにつれて明るくなる階調を指定し、「255」が最高階調の白色を指定するものとする。上述したように本実施形態ではノーマリーホワイトモードに設定されているので、階調値「255」で指定された白色とする場合には、液晶容量120で保持される電圧の実効値をゼロ近傍とし、階調値「0」で指定された黒色とする場合には、液晶容量120で保持される電圧の実効値を最高値とすれば良いことになる。
走査制御回路52は、垂直同期信号Vs、水平同期信号Hsおよびクロック信号Clkに同期して、スタートパルスDx、Dyおよびクロック信号Clx、Clyを出力する。
詳細には、画像データVdが図4に示されるように供給される場合に、走査制御回路52は、1行目の画像データVdが供給される水平走査期間(H)に1行目の走査線112が選択されるように、同様に、2、3、4、…、1080行の画像データVdが供給される水平走査期間(H)にそれぞれ2、3、4、…、1080行目の走査線112が選択されるように、スタートパルスDyおよびクロック信号Clyを出力して走査線駆動回路130を制御する。
さらに、走査制御回路52は、ある走査線112が選択される水平走査期間(H)において、1列目の画像データVdが供給されるときにサンプリング信号S1がHレベルとなるように、同様に、2、3、4、…、1920列目の画像データVdが供給されるときにそれぞれサンプリング信号S2、S3、S4、…、S1920がHレベルとなるように、スタートパルスDxおよびクロック信号Clxを出力してサンプリング信号出力回路142を制御する。
走査制御回路52は、また、極性指定信号Pol、プリチャージ指定信号Nrgおよび信号Praを出力する。このうち、極性指定信号Polは、液晶容量120に対する電圧の書込極性を指定する信号であり、例えばHレベルであれば正極性を、Lレベルであれば負極性を、それぞれ指定する。ここで、正極性とは、対向電極108への印加電圧LCcomよりもやや高位側に設定された基準電圧Vc(図6)に対して高位側の電圧をいい、負極性とは、基準電圧Vcに対して低位側の電圧をいう。
また、本実施形態において書込極性については、電圧Vcを基準とするが、電圧については、特に説明のない限り、論理レベルのLレベルに相当する接地電位Gndを電圧ゼロの基準としている。
プリチャージ指定信号Nrgは、データ線114へのプリチャージを指定する信号であり、図5に示されるように水平帰線期間HbにおいてHレベルとなり、それ以外の期間においてLレベルとなる。
なお、この説明では、水平帰線期間Hbの全域にわたってプリチャージ指定信号NrgがHレベルとしているが、水平帰線期間Hbの一部期間においてプリチャージ指定信号NrgがHレベルとなるようにしても良い。
本実施形態では、データ線114へのプリチャージを2回に分けて実行する。信号Praは、第1回目のプリチャージを指定する信号であり、同図に示されるように、プリチャージが実行される水平帰線期間Hbの前半期間PaでHレベルとなり、後半期間PbでLレベルとなる。なお、第2回目のプリチャージは、プリチャージ指定信号NrgがHレベルであって、信号PraがLレベルとなることによって指定される。
対向電極108への印加電圧LCcomは、基準電圧Vcよりも低位側に設定されることになるが、これは、nチャネル型のTFT116では、ゲート・ドレイン電極間の寄生容量に起因して、オンからオフに状態変化するときにドレイン(画素電極118)の電位が低下する、というプッシュダウンが発生するためである。仮に電圧LCcomを基準電圧Vcと一致させた場合、負極性書込による液晶容量120の電圧実効値が、プッシュダウンのために、正極性書込による電圧実効値よりも若干大きくなってしまう(TFT116がnチャネルの場合)。このため、プッシュダウンの影響が相殺されるような適正値に、電圧LCcomを基準電圧Vcよりも低位側にオフセットして設定しているのである。
また、マトリクス状に配列する画素に対してどの極性で書き込むかについては、本実施形態では、垂直走査期間毎の極性反転としている。このため、本実施形態において、極性指定信号Polの論理レベルは、図5に示されるように、同一の垂直走査期間(F)では一定である。
なお、液晶容量120に直流成分が印加されると、液晶が劣化するので、極性指定信号Polは、同図に示されるように、垂直走査期間(F)毎に論理レベルが反転する。
データ信号変換回路54は、デジタルの画像データVdを、アナログのデータ信号Vd aに変換するものである。詳細には、データ信号変換回路54は、画像データVdが指定する階調値に応じた電圧であって、極性指定信号Polで指定された極性の電圧のデータ信号Vdaに変換して、スイッチ84における一方の入力端に供給する。
第1プリチャージ信号生成回路61は、図5に示されるような電圧Vb(-)の信号P1を出力する。
第2プリチャージ信号生成回路62は、同図に示されるように、電圧Vg(+)またはVg(-)で交互に切り替わる信号P2を出力するものである。なお、信号P2の電圧切替タイミングは、垂直走査期間(F)の開始時よりも水平帰線期間だけ先んじたタイミングである。
図5において、電圧Vw(+)、Vb(+)は、当該電圧が画素電極118に印加されたときに、当該画素電極118で構成される液晶容量120を最高階調の白色、最低階調の黒色とさせる正極性電圧である。このため、正極性書込が指定されていれば、データ信号Vidは、電圧Vw(+)以上、電圧Vw(+)以下の電圧範囲をとる。また、電圧Vb(-)、Vw(-)は、当該電圧が画素電極118に印加されたときに、当該画素電極118で構成される液晶容量120を最低階調の黒色、最高階調の白色とさせる負極性電圧である。このため、負極性書込が指定されていれば、データ信号Vidは、電圧Vb(-)以上、電圧Vw(-)以下の電圧範囲をとる。
換言すれば、第1プリチャージ信号生成回路61が出力する信号P1の電圧Vb(-)は、データ線114がとり得る電圧のうち、最も低い電圧である。これは、nチャネル型のTFT116がオフしている場合に、オフリークが最も大きくなる電圧である。
また、第2プリチャージ信号生成回路62が出力する信号P2の電圧Vg(+)、Vg(-)は、当該電圧が画素電極118に印加されたときに、当該画素電極118で構成される液晶容量120を最低階調の黒色と最高階調の白色とのほぼ中間階調とさせる正極性、負極性電圧である。
なお、電圧Vb(+)およびVb(-)同士、電圧Vg(+)およびVg(-)同士、並びに、電圧Vw(+)およびVw(-)同士は、いずれも電圧Vcを基準に対称の関係にある。
信号P1は、スイッチ82における一方の入力端に供給され、信号P2は、スイッチ82における他方の入力端に供給される。
双投型のスイッチ82は、信号PraがLレベルであれば、図において実線の位置となって、他方の入力端に供給された信号P2を選択し、信号PraがHレベルであれば、図において破線の位置となって、一方の入力端に供給された信号P1を選択して、スイッチ84の他方の入力端に供給する。
同じく、双投型のスイッチ84は、信号NrgがLレベルであれば、図において実線の位置となって、一方の入力端に供給されたデータ信号Vdaを選択し、信号NrgがHレベルであれば、図において破線の位置となって、他方の入力端に供給された信号、すなわち、スイッチ82により選択された信号P1またはP2を選択して、いずれかで選択した信号をデータ信号Vidとして、液晶表示パネル100(の画像信号線148)に供給する。
したがって、データ信号Vidは、1回目のプリチャージが指定されると信号P1となり、2回目のプリチャージが指定されると信号P2となり、プリチャージの指定が解除されていれば、データ信号Vdaとなる。
次に、本実施形態に係る電気光学装置10の動作について説明する。
まず、図4に示されるように、1行目の画素の階調を指定する画像データVdが、1列〜1080列という順番で供給されるが、その直前の水平走査期間Hbにおいてプリチャージ信号Nrgおよび信号PraがHレベルになって、1回目のプリチャージが指定されたときに、画像信号線148に供給されるデータ信号Vidは、信号P1の電圧Vb(-)となる。
一方、信号NrgがHレベルになると、各列のOR回路144による論理和信号は、サンプリング信号とは無関係にHレベルとなる。このため、1〜1920列のTFT146がオンするので、すべてのデータ線114は、画像信号線148に接続された状態となり、電圧Vb(-)にプリチャージされる。
続いて、プリチャージ指定信号NrgがHレベルを保ったまま、信号PraがLレベルとなって、2回目のプリチャージが指定される。このため、データ信号Vidは、信号P2となる。ここで、この水平帰線期間Hbの直後において正極性書込が指定されていれば、信号P2は、電圧Vg(+)となる。信号Nrgが依然としてHレベルであるから、すべてのデータ線114は、電圧Vb(-)から電圧Vg(+)にプリチャージされる。
すべてのデータ線114に対して2回目のプリチャージがなされると、信号NrgがLレベルとなるので、データ信号Vidは、データ信号Vdaとなる。
また、1行目の画素の階調を指定する画像データVdが、1列〜1080列という順番で供給されるので、当該データ信号Vdaは、1行目の画素の階調に応じた正極性電圧となる。
このとき、走査制御回路52は、1行目の画像データVdが供給される水平走査期間(H)にわたって、走査信号G1がHレベルとなるように走査線駆動回路130を制御するとともに、画像データVdの供給に同期して、サンプリング信号S1、S2、S3、S4、…、S1920が順番にHレベルとなるように、サンプリング信号出力回路142を制御する。
なお、信号NrgがLレベルであるので、サンプリング信号がそのまま各列のOR回路144における論理和信号として出力される。
1行目のうち、1列目の画素に対応する画像データVdを変換したデータ信号Vda(Vid)が画像信号線148に出力されたときにサンプリング信号S1がHレベルになる。これにより1列目のTFT146がオンするので、当該データ信号Vidが1列目のデータ線114にサンプリングされる。同様に、1行目のうち、2列、3列、4列、…、1920列の画素に対応するデータ信号Vda(Vid)が画像信号線148に出力されたときに、それぞれサンプリング信号S2、S3、S4、…、S1920がHレベルになると、2、3、4、…、1920列目のデータ線114には、それぞれ1行2列、1行3列、1行4列、…、1行1920列の画素に対応するデータ信号Vidがサンプリングされる。
一方、走査信号G1がHレベルであると、1行目に位置する画素110におけるTFT116がすべてオンするので、データ線114にサンプリングされたデータ信号Vidの電圧が画素電極118に印加される。このため、1行目であって1、2、3、4、…、1920列の画素における液晶容量120には、画像データVdで指定された階調に相当する正極性電圧が書き込まれて、保持されることになる。
最終列の1920列の画素における液晶容量120に対して階調に応じた正極性電圧が書き込まれると、水平帰線期間Hbとなる。
この水平帰線期間Hbでも、先と同様にすべてのデータ線114は、1回目で電圧Vb(-)にプリチャージされ、この後、2回目で電圧Vg(+)にプリチャージされる。
この後、2行目の画素の階調を指定する画像データVdが、1列〜1080列という順番で供給されて、1行目と同様な動作が実行される。これにより、2行目であって1、2、3、4、…、1920列の画素における液晶容量120には、画像データVdで指定された階調に相当する正極性電圧が書き込まれて、保持されることになる。
以降同様な動作が1080行目の画像データVdが供給されるまで繰り返される。
すなわち、すべてのデータ線114が1回目で電圧Vb(-)にプリチャージされ、2回目で電圧Vg(+)にプリチャージされた後に、電圧Vg(+)と同じ極性であって階調に応じた電圧のデータ信号が供給される、という動作が、1行目から1080行目まで繰り返される。これにより、すべての画素における液晶容量120には、画像データVdで指定された階調に相当する正極性電圧が書き込まれて、保持されることになる。
なお、次の垂直走査期間でも同様な電圧の書き込み動作が実行されるが、本実施形態では上述したように垂直走査期間毎の極性反転としているので、書込極性が反転して負極性となる。また、信号P2は、当該垂直走査期間よりも水平帰線期間だけ先んじたタイミングで電圧Vg(+)からVg(-)に切り替わる。
このため、液晶容量120に対する書き込みの前に、すべてのデータ線114が1回目で電圧Vb(-)にプリチャージされ、2回目で負極性電圧Vg(-)にプリチャージされる。
そして、2回のプリチャージを経た後に、電圧Vg(-)と同じ負極性であって階調に応じた電圧のデータ信号が供給される、という動作が、1行目から1080行目まで繰り返される。これにより、すべての画素における液晶容量120には、画像データVdで指定された階調に相当する負極性電圧が書き込まれて、保持されることになる。
図6は、正極性書込が指定される垂直走査期間において、i行目の走査線112が選択される水平走査期間(H)でのデータ信号Vidの電圧波形の一例を示すとともに、j列目のデータ線114の電圧がどのように変化するのかを示す図である。
この図に示されるように、j列目のデータ線は、信号NrgがHレベルであって信号PraがHレベルであるときに、1回目のプリチャージによって電圧Vb(-)になり、信号NrgがHレベルの状態で信号PraがLレベルになったときに、2回目のプリチャージによって電圧Vg(+)になる。さらに、j列目のデータ線は、信号NrgがLレベルになっても電圧Vg(+)を保持し、サンプリング信号SjがHレベルになったときに、データ信号Vidがサンプリングされ、これによって当該データ信号Vidの電圧となり、この後、サンプリング信号SjがLレベルになっても保持される、という状態が示されている。
また、図7は、負極性書込が指定される垂直走査期間において、i行目が選択される水平走査期間(H)でのデータ信号Vidの電圧波形の一例を示すとともに、j列目のデータ線114の電圧がどのように変化するのかを示す図である。この図では、データ信号Vidの極性が反転し、これに伴って、2回目のプリチャージ電圧はVg(-)になる。ただし、1回目のプリチャージ電圧は、極性にかかわらず電圧Vb(-)である。
このように本実施形態では、階調に応じたデータ信号Vidをサンプリングする前に、すべてのデータ線114を、1回目で電圧Vb(-)にプリチャージした後、2回目で電圧Vg(+)またはVg(-)にプリチャージし、この後、階調に応じたデータ信号Vidをサンプリングする構成となっている。
ここで、1回目で電圧Vb(-)にプリチャージしている理由は、液晶容量120におけるTFT116を介したオフリークを促進させて、縦クロストークを目立たなくするためである。この点について詳述する。
まず、データ線114に対し、階調に応じた電圧をサンプリングする前にプリチャージを想定しない場合について検討する。
正極性電圧を書き込む垂直走査期間において、灰色を背景として黒色の矩形領域をウィンドウ表示させる場合に、当該黒色領域よりも下側に位置し、かつ、当該黒色領域と同列に位置する画素の非選択期間は、背景となる自己の行が選択されてから、次の負極性電圧を書き込む垂直走査期間に移行して黒色を含む領域の複数行の選択を経て、背景となる自己の行が再び選択されるまでの期間である。
nチャネル型のTFT116がオフしている状態のオフ抵抗は、ソース電極に接続されたデータ線114の電圧が低いほど、小さくなる。換言すれば、TFT116のオフリークは、正極性と負極性とでは負極性の方が大きくなり、また、負極性であれば、黒色を指定する電圧の方が大きくなる(ノーマリーホワイトモードである場合)。オフ抵抗が小さくなるにつれ、画素電極118は、ソース電極に接続されたデータ線の電圧に近づく。
灰色領域と黒色領域との双方を含む列のうち、黒色領域よりも下側に位置する画素からみると、当該列のデータ線では、オフリークの影響が最も大きくなる電圧側に振られる期間の占める割合が大きくなる。
これに対して、灰色領域のみを含む列のデータ線では、常に灰色に相当する電圧に保たれるので、オフリークの影響はさほど大きくはならない。
このため、黒色領域よりも下側に位置し、黒色領域と同列に位置する灰色領域の画素は、灰色に相当する正極性電圧が書き込まれた後、次の負極性書込が指定される垂直走査期間に移行して負極性の電圧が書き込まれるまでの間にオフリークが進行するので、黒色領域と異なる列に位置する灰色領域の画素よりも明るくなってしまうのである。
正極性の電圧を書き込む垂直走査期間において、当該黒色領域よりも上側に位置し、かつ、当該黒色領域と同列に位置する画素の非選択期間では、黒色領域が正極性電圧で書き込まれるので、オフリークの影響が比較的小さい。灰色領域のみを含む列のデータ線では、常に灰色に相当する電圧に保たれるので、オフリークの影響はさほど大きくはならない。このため、黒色領域よりも上側に位置し、正極性電圧が書き込まれる灰色領域の画素は、黒色領域と同列であるか、異なる列であるかにかかわらず、明るさの変化が小さい。
ただし、黒色領域よりも上側に位置する灰色領域の画素では、次の負極性の電圧を書き込む垂直走査期間において、同様な明るさの相違が発生する。
すなわち、負極性電圧を書き込む垂直走査期間において、同様に灰色を背景として黒色の矩形領域をウィンドウ表示させる場合に、灰色領域と黒色領域との双方を含む列のうち、黒色領域よりも上側に位置する画素からみると、当該列のデータ線では、オフリークの影響が最も大きくなる電圧側に振られる期間の占める割合が大きくなる。これに対して、灰色領域のみを含む列のデータ線では、常に灰色に相当する電圧に保たれるので、オフリークの影響はさほど大きくはならない。このため、黒色領域よりも上側に位置し、黒色領域と同列に位置する灰色領域の画素は、灰色に相当する負極性電圧が書き込まれた後、次の負極性書込が指定される垂直走査期間に移行して正極性の電圧が書き込まれるまでの間にオフリークが進行するので、黒色領域と異なる列に位置する灰色領域の画素よりも明るくなってしまうのである。
なお、負極性電圧を書き込む垂直走査期間において、当該黒色領域よりも下側に位置し、かつ、当該黒色領域と同列に位置する画素の非選択期間では、黒色領域が次の垂直走査期間において正極性電圧で書き込まれるので、オフリークの影響が比較的小さい。また、灰色領域のみを含む列のデータ線では、常に灰色に相当する電圧に保たれるので、オフリークの影響はさほど大きくはならない。
このため、黒色領域よりも下側に位置し、負極性電圧が書き込まれる灰色領域の画素は、黒色領域と同列であるか、異なる列であるかにかかわらず、明るさの変化が小さい。
正極性書込が指定される垂直走査期間と負極性書込が指定される垂直走査期間とでは時間的に交互に現れるので、両フレームとの影響が平均化された状態を考えると、図8(a)に示されるように、黒色領域の上側および下側に位置し、かつ、黒色領域と同列に位置する灰色領域は、他の灰色領域と比較して平均値でみて明るくなってしまい、上述した縦クロスロークが発生するのである。
このように、縦クロストークの原因はTFT116のオフリークであり、その影響は、TFT116がオンしてオフしてから次回再びオンするまでの非選択期間においてデータ線114が低い電圧(負極性であって暗い色に相当する電圧)となる期間が長くなるほど、大きくなる。
本実施形態では、1回目において、すべてのデータ線114を電圧Vb(-)にプリチャージしている。このため、電圧Vb(-)でプリチャージされる期間では、すべての画素においてTFT116を介したオフリークが促進されるので、図8(b)に示されるように、黒色領域と異なる列に位置する灰色領域も明るくなり、上述した縦クロストークが目立たなくなるのである。
続いて、2回目のプリチャージは、階調に応じた電圧をサンプリングする前の初期状態をデータ線114同士で揃えて、当該電圧のサンプリングに要する期間を短縮化するためである。この点について詳述する。
上述したように、データ線114は素子基板に形成され、また、配列ピッチも狭く、さらに、走査線112などと交差するために、様々な容量が寄生する。このため、TFT146のオンによってデータ線114にデータ信号Vidがサンプリングされると、TFT146がオフしても、データ線114では、サンプリングされた電圧が保持される。ここで、プリチャージを実行しない構成とした場合、例えばi行目の走査線を選択して階調に応じた電圧のデータ信号Vidをデータ線にサンプリングする前の電圧状態は、1行前の(i−1)行目の走査線を選択したときにサンプリングしたときの電圧に保持される。したがって、i行目の走査線を選択して、データ線にデータ信号Vidをサンプリングする前の状態は、1行前の表示内容に応じて異なることになる。このため、隣接するデータ線同士で同じ電圧をサンプリングしようとしても、サンプリング前の状態が異なっていると、隣接するデータ線のサンプリング電圧は、TFT146がオフした直後では異なってしまい、同じ階調とすることができない等の不都合がある。
これに対して、本実施形態では、データ線に階調に応じたデータ信号Vidをサンプリングする前の状態は、2回目のプリチャージによる電圧Vg(+)またはVg(-)に揃っているので、上記不都合が発生しない。
さらに、データ線に階調に応じたデータ信号Vidをサンプリングする前に揃えられる電圧Vg(+)またはVg(-)は、当該階調に応じたデータ信号Vidの極性と同一極性であるので、当該階調に応じたデータ信号Vidをデータ線にサンプリングするための充放電量が少なくて済む。このため、階調に応じたデータ信号Vidをサンプリングするのに要する期間を短くすることが可能となる。
このように本実施形態では、1回目のプリチャージによって縦クロストークを目立たなくすることができ、さらに、2回目目のプリチャージによって、階調に応じた電圧を電プリングする前の状態をデータ線114同士で揃えるとともに、サンプリングに要する期間を短縮化することが可能となる。
上述した実施形態では、2回目のプリチャージを実行する期間Pbでは、すべての走査信号をLレベルとしたが、直後にi行目の書き込みを行う場合には、走査信号GiがHレベルとなる期間を時間的前方に延ばして、期間PbにおいてHレベルとなるようにしても良い。このように2回目のプリチャージの際に、走査信号GiをHレベルにすると、i行目のTFT116がオンするので、データ線114のみならず、画素電極118も電圧Vg(+)またはVg(-)に揃う。このため、液晶容量120に対し階調に応じた電圧の書き込みに要する期間の短縮化を図ることが可能となる。
また、上述した実施形態では、プリチャージ電圧を画像信号線148に供給するとともに、すべての列のTFT146をオンさせて、画像信号線148に供給された電圧をサンプリングすることで、データ線114をプリチャージしたが、次のように構成でプリチャージを実行しても良い。すなわち、図示については省略するが、プリチャージ電圧を別途設けたプリチャージ信号線に供給するとともに、すべての列に別途設けたTFTをプリチャージ指定信号Nrgでオンさせる構成でプリチャージを実行しても良い。
また、実施形態では、TFT116をnチャネル型としたので、1回目のプリチャージ電圧をVb(-)としたが、TFT116をpチャネル型とする場合には、電圧Vb(+)とすれば良い。
さらに、上述した実施形態では、ある1行の走査線112に対応する画素に、階調に応じた電圧を、1列〜1920列のデータ信号Vidを順番にサンプリングすることによって、当該行の画素を1列から1920列まで順に書き込むという、いわゆる点順次の構成としたが、データ信号を時間軸にn(nは2以上の整数)倍に伸長するとともに、n本の画像信号線に供給する、いわゆる相展開(シリアル−パラレル変換ともいう)駆動を併用した構成としても良いし(特開平2000−112437号公報参照)、すべてのデータ線114に対しデータ信号を一括して供給する、いわゆる線順次の構成としても良い。
さらに、実施形態では、電圧無印加状態において白色を表示するノーマリーホワイトモードとしたが、電圧無印加状態において黒色を表示するノーマリーブラックモードとしても良い。
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置を用いた電子機器の例について説明する。図10は、上述した電気光学装置10をライトバルブとして用いた3板式プロジェクタの構成を示す平面図である。
このプロジェクタ2100において、ライトバルブに入射させるための光は、内部に配置された3枚のミラー2106および2枚のダイクロイックミラー2108によってR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色に分離されて、各原色に対応するライトバルブ100R、100Gおよび100Bにそれぞれ導かれる。
なお、Bの光路長は、他のRおよびGの光路長と比較して長くなっているので、Bの光路の途中には光路長を補正するために、入射レンズ2122、リレーレンズ2123および出射レンズ2124からなるリレーレンズ系2121を介して導かれる。
ここで、ライトバルブ100R、100Gおよび100Bの構成は、上述した実施形態における電気光学装置10の液晶表示パネル100と同様であり、外部上位装置(図示省略)から供給されるR、G、Bの各色に対応する表示データでそれぞれ駆動されるものである。
ライトバルブ100R、100G、100Bによってそれぞれ変調された光は、ダイクロイックプリズム2112に3方向から入射する。そして、このダイクロイックプリズム2112において、R色およびB色の光は90度に屈折する一方、G色の光は直進する。したがって、各色の画像が合成された後、レンズユニット2114によって拡大投影されるので、スクリーン2120には、カラー画像が表示されることとなる。
なお、ライトバルブ100R、100Bの透過像は、ダイクロイックプリズム2112により反射した後に投射されるのに対し、ライトバルブ100Gの透過像はそのまま投射されるので、ライトバルブ100R、100Bによる水平走査方向は、ライトバルブ100Gによる水平走査方向と逆向きにして、左右反転像を表示させる構成となっている。
また、電子機器としては、図10を参照して説明した他にも、直視型、例えば携帯電話や、パーソナルコンピュータ、テレビジョン、ビデオカメラのモニタ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、ディジタルスチルカメラ、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種の電子機器に対して、本発明に係る電気光学装置が適用可能なのは言うまでもない。
10…電気光学装置、50…制御回路、52…走査制御回路、54…データ信号変換回路、61…第1プリチャージ信号生成回路、62…第2プリチャージ信号生成回路、100…液晶表示パネル、108…対向電極、110…画素、112…走査線、114…データ線、116…TFT、118…画素電極、120…液晶容量、144…TFT、2100…プロジェクタ。
上記目的を達成するために本発明に係る電気光学装置は、第1の走査線と、第2の走査線と、前記第1の走査線と前記第2の走査線とに交差するデータ線と、前記第1の走査線と前記データ線との交差に対応する第1の画素電極と、前記第2の走査線と前記データ線との交差に対応する第2の画素電極と、前記データ線に、階調に応じた電圧であって、所定電圧よりも高位の正極性電圧または前記所定電圧よりも低位の負極性電圧を供給する階調電圧供給部と、前記データ線に前記負極性電圧以下の第1の電圧を供給する第1の電圧供給部と、前記データ線に前記第1電圧よりも高位の第2の電圧を供給する第2の電圧供給部と、前記第1の走査線に第1の走査信号を供給し、前記第2の走査線に第2の走査信号を供給する走査信号供給部と、前記第1の走査信号の供給により、前記第1の画素電極と前記データ線とを電気的に接続するnチャネル型の第1のトランジスタと、前記第2の走査信号の供給により、前記第2の画素電極と前記データ線とを電気的に接続するnチャネル型の第2のトランジスタとを具備し、一の垂直走査期間に、時系列順に第1の水平走査期間と第2の水平走査期間とを含み、前記第1の水平走査期間と前記第2の水平走査期間とに、時系列順に第1の期間と第2の期間と第3の期間とを含む場合、前記第1の水平走査期間の第1の期間において、前記第1の電圧供給部は、前記第1の電圧を前記データ線に供給し、前記第1の水平走査期間の第2の期間において、前記第2の電圧供給部は、前記第2の電圧を前記データ線に供給し、前記走査信号供給部は、前記第1の走査信号を前記第1の走査線に供給し、前記第2の走査信号を前記第2の走査線に供給し、前記第1の水平走査期間の第3の期間において、前記階調電圧供給部は、前記正極性電圧または負極性電圧を前記データ線に供給し、前記走査信号供給部は、前記第1の走査信号を前記第1の走査線に供給し、前記第2の水平走査期間の第1の期間において、前記第1の電圧供給部は、前記第1の電圧を前記データ線に供給し、前記第2の水平走査期間の第2の期間において、前記第2の電圧供給部は、前記第2の電圧を前記データ線に供給し、前記走査信号供給部は、前記第1の走査信号を前記第1の走査線に供給し、前記第2の走査信号を前記第2の走査線に供給し、前記第2の水平走査期間の第3の期間において、前記階調電圧供給部は、前記正極性電圧または負極性電圧を前記データ線に供給し、前記走査信号供給部は、前記第2の走査信号を前記第2の走査線に供給することを特徴とする。
本発明によれば、データ線に対して階調に応じた電圧を印加する前に、第1の電圧および第2の電圧によるプリチャージが2回実行される。このうち、第1の電圧のプリチャージによってトランジスタのオフリークが促進し、第2の電圧のプリチャージによって階調に応じた電圧を印加する前の初期状態が揃えられる。
本発明において、前記階調電圧供給部は、前記正極性電圧と前記負極性電圧とを前記一の垂直走査期間毎に交互に供給しても良い。
また、本発明は、電気光学装置のみならず、当該電気光学装置を有する電子機器、当該電気光学装置の制御装置としても概念することが可能である。
図5において、電圧Vw(+)、Vb(+)は、当該電圧が画素電極118に印加されたときに、当該画素電極118で構成される液晶容量120を最高階調の白色、最低階調の黒色とさせる正極性電圧である。このため、正極性書込が指定されていれば、データ信号Vidは、電圧Vw(+)以上、電圧Vb(+)以下の電圧範囲をとる。また、電圧Vb(-)、Vw(-)は、当該電圧が画素電極118に印加されたときに、当該画素電極118で構成される液晶容量120を最低階調の黒色、最高階調の白色とさせる負極性電圧である。このため、負極性書込が指定されていれば、データ信号Vidは、電圧Vb(-)以上、電圧Vw(-)以下の電圧範囲をとる。
換言すれば、第1プリチャージ信号生成回路61が出力する信号P1の電圧Vb(-)は、データ線114がとり得る電圧のうち、最も低い電圧である。これは、nチャネル型のTFT116がオフしている場合に、オフリークが最も大きくなる電圧である。
また、第2プリチャージ信号生成回路62が出力する信号P2の電圧Vg(+)、Vg(-)は、当該電圧が画素電極118に印加されたときに、当該画素電極118で構成される液晶容量120を最低階調の黒色と最高階調の白色とのほぼ中間階調とさせる正極性、負極性電圧である。
なお、電圧Vb(+)およびVb(-)同士、電圧Vg(+)およびVg(-)同士、並びに、電圧Vw(+)およびVw(-)同士は、いずれも電圧Vcを基準に対称の関係にある。

Claims (5)

  1. 複数行の走査線と複数列のデータ線との交差に対応して設けられ、走査線に選択電圧を印加したときに、データ線に供給されるとともに所定電位を基準とした正極性電圧または負極性電圧に応じた階調となる複数の画素を備える電気光学装置の駆動方法であって、
    前記複数行の走査線を所定の順番で選択して、前記選択電圧を印加し、
    前記複数列のデータ線に対して、一の走査線に前記選択電圧を印加する前に、極性とは無関係の第1電圧を印加し、
    前記第1電圧の印加後に、前記正極性または前記負極性に応じた第2電圧を印加し、
    前記一の走査線に選択電圧を印加したときに、一のデータ線と前記一の走査線との交差に対応する画素の階調に応じ、かつ、前記第2電圧を印加したときの極性に応じた電圧を、前記一のデータ線に供給する
    ことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
  2. 前記画素は、
    画素電極と対向電極とで液晶を挟持した液晶容量と、
    走査線に印加されたときに、データ線と画素電極との間で導通状態となるスイッチング素子と、
    を有し、
    前記第1電圧は、前記データ線に供給される電圧範囲のうち、前記スイッチング素子が非導通状態であるときに、前記液晶容量のリークが最大となる電圧である
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動方法。
  3. 前記複数列のデータ線に前記第2電圧を印加するときに、前記一の走査線に選択電圧を印加する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動方法。
  4. 複数行の走査線と複数列のデータ線との交差に対応して設けられ、走査線に選択電圧が印加されたときに、データ線に供給されるとともに所定電位を基準とした正極性電圧または負極性電圧に応じた階調となる複数の画素と、
    前記複数行の走査線を所定の順番で選択して、選択した走査線に前記選択電圧を印加する走査線駆動回路と、
    前記複数列のデータ線に対して、一の走査線に前記選択電圧が印加される前に、極性とは無関係の第1電圧を印加し、
    前記第1電圧の印加後に、前記正極性または前記負極性に応じた第2電圧を印加し、
    前記一の走査線に選択電圧が印加されたときに、一のデータ線と前記一の走査線との交差に対応する画素の階調に応じ、かつ、前記第2電圧を印加したときの極性に応じた電圧を、前記一のデータ線に供給するデータ線駆動回路と、
    を具備することを特徴とする電気光学装置。
  5. 請求項4に記載の電気光学装置を有することを特徴とする電子機器。
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