JP2003202847A - 液晶装置及びその駆動方法、並びにそれを用いた投写型表示装置及び電子機器 - Google Patents

液晶装置及びその駆動方法、並びにそれを用いた投写型表示装置及び電子機器

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JP2003202847A
JP2003202847A JP2002326408A JP2002326408A JP2003202847A JP 2003202847 A JP2003202847 A JP 2003202847A JP 2002326408 A JP2002326408 A JP 2002326408A JP 2002326408 A JP2002326408 A JP 2002326408A JP 2003202847 A JP2003202847 A JP 2003202847A
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liquid crystal
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precharge
voltage
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Toru Aoki
青木  透
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 投写型表示装置での光クロストークを減少さ
せる。ドットクロック信号の高速化に伴う画素データの
書き込み不足を抑え、画素データに忠実な電圧を画素に
供給し高画質化を図る。 【解決手段】 データ信号線(Sn)に供給されるデー
タ信号は、液晶層に負極性電圧を印加する際には、第1
電位(B1)と第2電位(W2)間の負極性データ電圧
振幅範囲で変化し、正極性電圧を印加する際には第3電
位(W2)と第4電位(B2)間の正極性データ電圧振
幅範囲で変化する。データ信号線(Sn)は、データ信
号を供給する前に、負極性プリチャージ電位(PV1)
または正極性プリチャージ電位(PV2)にプリチャー
ジされ、正極性及び負極性プリチャージ電位は、第1,
第4電位間のデータ電圧振幅の中心電位(VC)に対し
て非対称に設定され、負極性プリチャージ電位(PC
1)を、正極性データ電圧振幅の中心電位(VC1)よ
りも第1電位(B1)側に設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶装置及びその
駆動方法、並びにそれを用いた投写型表示装置及び電子
機器に関する。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】例えば、
アクティブマトリクス型の液晶装置では、一走査信号線
に複数接続されたTFT(薄膜トランジスタ)等のスイ
ッチング素子を介して、各画素の液晶層にデータを書き
込む動作を点順次駆動により実施している。
【0003】また、液晶にかかる電圧の偏りによる表示
むらをなくし、液晶にかかる直流電流による液晶の劣化
などを防ぐために、液晶に印加される電圧の極性を所定
のタイミングで反転させる極性反転駆動が行われてい
る。
【0004】極性反転駆動とは、液晶の一端に、液晶の
他端に印加される電位を基準として異なる極性(正また
は負の極性)の電圧を印加する駆動である。尚、本明細
書における「極性」とは、液晶の両端に印加される電圧
の極性を意味する。極性反転駆動するには、TFTを用
いたアクティブマトリクス型では、液晶を挟んで画素電
極と対向する共通電極に印加する電位を変化させるか、
あるいは、画素電極に印加される画像データ信号の電圧
振幅の中間電位を基準として画像データ信号の電位レベ
ルを変化させている。
【0005】ここで、前記極性反転においては、走査信
号線を選択するごとに極性反転を行ういわゆるライン毎
の反転、あるいはこれに、一走査信号線に接続された画
素毎に極性反転を行ういわゆるドット毎の反転を組み合
わせた極性反転駆動方式が知られている。
【0006】図11、図12に、極性反転駆動方式につ
いて説明するための模式図を示す。従来のアクティブマ
トリクス型の液晶装置では、点順次駆動でかつ画素毎
(ライン毎も含む)の極性反転駆動方式を採用し、ま
た、データ信号線のプリチャージは直前のブランキング
期間に一括して行う方式を採用している。
【0007】図11、図12において、S1〜S4はデ
ータ信号線を示し、H1〜H4は走査信号線を示してい
る。各画素の「+」,「−」は、該画素の液晶に印加さ
れる電圧およびその直前にデータ信号線に供給されるプ
リチャージ電位の極性を示している。図11はNフィー
ルドでの各画素の電圧極性を、図12はN+1フィール
ドでの各画素の電圧極性を示している。画素毎及びライ
ン毎の極性反転駆動においては、同一データ信号線と接
続された隣合う画素毎(図11,図12で縦方向にて隣
接する画素毎)に、異なる極性にて電圧が印加されるよ
うになっている。
【0008】この場合、同一データ信号線に接続され、
かつ、異なる走査信号線に接続された隣り合う2つの画
素に、表示上で例えば同じ黒データを書き込む場合で
も、極性反転駆動のために各々の黒データの信号レベル
は異なっている。このとき、データ信号線自体が寄生容
量を持つため、データ信号線の電位を、正極性側の黒レ
ベル電位から負極性側の黒レベル電位に変化させるのに
時間を要する。
【0009】図13、図14を参照して、同一のデータ
信号線に接続された隣り合う2つの画素に、それぞれ同
じ黒を書き込む動作を場合のデータ信号線の電位の変化
について説明する。
【0010】図13において、C10はデータ信号線S
1に寄生する容量(つまり、データ信号線S1の等価容
量)を示す。また、図13の左側に記載の「−」,
「+」は、画素22,24に書き込まれる電圧の極性を
示している。なお、画素22,24は共に「黒」を表示
するものとする。画素はスイッチング素子を介してデー
タ信号が供給される蓄積容量及び画素電極と、画素電極
と共通電極の間で電圧印加される液晶層とからなる。
【0011】図14に示すように、水平走査期間T1に
おいて、画素22の一端に黒レベル電位B1を印加して
黒表示し、次の水平走査期間T2において、画素24の
一端に黒レベル電位B2を印加して同様に黒表示する。
この場合、画素22,24の他端には、各黒レベル電位
B1,B2間に設定された共通電位が印加されているた
め、画素22には負極性の電圧が印加され、画素24に
は正極性の電圧が印加され、同じ黒表示でも液晶への印
加電圧の極性が反転されている。しかも、上記のような
ノーマリホワイトの表示では、それぞれの黒レベル電位
B1とB2との電位差が、他の階調表示の場合と比較し
て最も大きくなる。よって、プリチャージを行わなけれ
ば、画像データ信号自体によってデータ信号線S1の寄
生容量C10を充電(あるいは放電)して、図中「R
1」で示すようにデータ信号線の電位を黒レベル電位B
1からB2へと変化させなければならない。
【0012】これに対し、データ信号の供給に先立ち、
データ信号の極性と同じ極性のプリチャージを行ってお
けば、つまり、水平走査期間T2の前にプリチャージを
行ってデータ信号線S1を高電位の第2のプリチャージ
電位PV2に保持しておけば、図中「R2」で示すよう
に、データ信号線の電位を第2のプリチャージ電位PV
2から黒レベル電位B2へと変化させるだけで良く、デ
ータ信号線S1の寄生容量C10の充電(放電)の量が
小さくて良い。ゆえに、液晶の駆動が高速化される。
【0013】ところで、従来の液晶装置においては、黒
レベル電位B1,B2をそれぞれ1V,11Vとし、白
レベル電位W1,W2をそれぞれ5V,7Vとし、プリ
チャージ電位PV1,PV2をそれぞれ4V,8Vに設
定していた。すなわち、プリチャージ電位PV1,PV
2は、ビデオ振幅である黒レベル電位B1,B2間の中
心電位(6V)に対して対称に設定していた。
【0014】この4V,8Vは、中間調表示レベルの時
に液晶の一端にスイッチング素子を介して印加される電
圧であり、液晶印加電圧(V)と液晶装置の透過率
(T)との関係を示すT−Vカーブが最も急峻となる時
の電位レベルに相当している。換言すれば、この4V,
8Vは、液晶への印加電圧の変化に対する透過率変化が
最も大きい時の電位レベルに相当している。プリチャー
ジ電位PV1,PV2をこのように設定すると、プリチ
ャージ電位から中間調表示のための電位になるまでデー
タ信号線を短時間で充放電でき、サンプリング期間が短
くなっても正確な中間調表示が可能となる。
【0015】ところで、光源光を用いて液晶表示を行う
液晶装置例えばプロジェクタなどの投写型液晶装置で
は、光クロストークが問題となっている。光クロストー
クとは、基板上に形成されたスイッチング素子例えばT
FT(薄膜トランジスタ)に光によってキャリアが発生
して、そのTFTに接続された画素にて蓄積されていた
電荷がリークし、そのTFTに接続されたソース線(デ
ータ信号線)の電位の影響を受けて画素に蓄積された電
荷が変動する現象である。この問題自体は公知である
が、本発明者はこの光クロストークとプリチャージ電位
との関係を解明した。このことを、図15〜図17を参
照して説明する。
【0016】図15は、中央領域Aを黒表示し、その周
囲領域Bを中間調表示した画面を示している。データ信
号線Snは、中間調表示される画素のみと接続され、デ
ータ信号線Sn+iには中間調表示及び黒表示される画
素に接続されている。また、中間調表示領域Bの画素の
うち、データ信号線Snに接続された画素をA(m,
n)とし、データ信号線Sn+iに接続された画素をA
(m,n+i)とする。
【0017】図16は、画素A(m,n)及び画素A
(m,n+i)を共に正極性の電圧にて駆動するときの
電荷のリークを説明するための概略説明図である。図1
6において、画素A(m,n)及び画素A(m,n+
i)の一端に8Vの電圧を、データ信号線Sn,Sn+
iを介して供給しようとすると、各画素の液晶層には実
際には8VよりもΔV1だけ低い電圧が充電される。そ
の理由は、スイッチング素子をNチャンネル型トランジ
スタとすると、このトランジスタのゲートに高電圧を印
加してオンさせ、画素に充電する際に、そのトランジス
タのゲート−ドレイン(画素電極側電極)間の寄生容量
に充電された電荷がトランジスタがオフになった際に蓄
積容量及び画素電極側に流れ込んで電圧降下△V1が生
ずるからである。
【0018】他の理由は、各データ信号線Sn,Sn+
iに接続されたサンプリングスイッチをNチャンネル型
トランジスタとすると、上記と同様の作用により、その
トランジスタのゲート−ドレイン(データ線側電極)間
の寄生容量に起因した電圧降下△V2が生ずるからであ
る。
【0019】スイッチング素子及びサンプリングスイッ
チの双方をNチャンネル型トランジスタとすると、上記
の2種の電圧降下により、液晶層に充電される電圧はサ
ンプリングされる前のデータ電圧より低下している。電
圧降下△Vは△V=△V1+△V2により近似される。
ただし、以下の説明では、スイッチング素子での電圧降
下のみを考慮して説明する。
【0020】ここで、スイッチング素子を介して8Vよ
り低いチャージ電圧が印加された画素A(m,n)は、
チャージ電圧よりも低いまたは高いプリチャージ電位及
びデータ信号電位である4Vまたは8Vが印加されるデ
ータ信号線Snの電位の影響を受けて、スイッチング素
子においてリークが生ずる。また、スイッチング素子を
介して8Vより低いチャージ電圧が印加された画素A
(m,n+i)では、チャージ電圧より低いまたは高い
黒レベルデータ信号電位である1Vまたは11Vが印加
されるデータ信号線Sn+iの電位の影響を受けて、ス
イッチング素子においてリークが生ずる。すなわち、両
画素A(m,n)、A(m,n+i)は、正極性の中間
調表示の電圧がチャージされている場合には、このチャ
ージ電圧より電位の高い及び低いプリチャージ電位、ま
たはこれより高い及び低いデータ信号電位が印加される
データ信号線との間でリークが生じ、画素に充電された
電荷がスイッチング素子を介して交互に充電・放電され
るので、結果としてデータ信号線の電位の影響を受けに
くい。
【0021】図17は、画素A(m,n)及び画素A
(m,n+i)に負極性の電圧を充電したときの電荷の
リークを説明するための概略説明図である。図17にお
いて、画素A(m,n)及び画素A(m,n+i)に4
Vの電圧をデータ信号線Sn,Sn+iを介して供給し
ようとすると、各画素の液晶層には実際には4Vよりも
低いΔV1だけ低い電圧が印加される。その理由は上記
と同じである。
【0022】ここで、4Vより低いチャージ電圧に充電
された画素A(m,n)は、チャージ電圧より高いプリ
チャージ電位及びデータ信号電位である4Vまたは8V
が印加されるデータ信号線Snの電位の影響を受け、ス
イッチング素子においてリークが生ずる。従って、負極
性電圧駆動の場合の画素A(m,n)は、常にチャージ
電圧よりも高い電位となっているデータ信号線との間で
リークが生じ、データ信号線から電荷がチャージされて
常に正方向にチャージ電圧が変動してしまう。
【0023】一方、4Vより低いチャージ電圧に充電さ
れた画素A(m,n+i)は、それよりも低いまたは高
い黒レベルデータ信号電位である1Vまたは11Vが印
加されるデータ信号線Sn+iの電位の影響を受けて、
スイッチング素子にてリークが生ずる。従って、画素A
(m,n+i)では、負極性の電圧がチャージされてい
る場合には、充電されていたチャージ電圧が正負の双方
に交互に変動することになり、結果としてデータ信号線
の電位の影響を受けにくい。
【0024】本発明者は、以上のことから、光クロスト
ークによる画質の劣化が、特に図17で説明した負極性
電圧印加時に顕著であると解明した。その理由は、負極
性画電圧印加時には画素A(m,n)に充電された電圧
が常に正極性方向つまり表示上で白側に一方的に変動す
るため、本来、同一の階調表示がなされるべき画素A
(m,n)と画素A(m,n+i)との間で表示階調差
が生じ、両者の階調差が大きくなるからである。
【0025】なお、スイッチング素子をPチャンネル型
トランジスタにて形成した場合には、トランジスタの寄
生容量に起因するシフト△V1は、画素に充電されたチ
ャージ電圧を△V1分電圧上昇させることになる。つま
り、図16、図17において電圧Vcを基準とした電位
関係を逆転させ、電圧Vcの上側を負極性、下側を正極
性とした電位関係になるので、図16が負極性電圧駆動
時、図17が正極性電圧駆動時となる。このような場合
は、図17の画素A(m,n)において、チャージ電圧
が正極性の場合(図17での下側に相当)上記したのと
同様の現象を受けてデータ信号線に電荷が流れだし画素
A(m,n)のチャージ電圧が一方的に負方向(図の上
側に相当)へ変動することになって、正極性電圧駆動時
に光クロストークの起因した画質の劣化が目立つことが
判明した。
【0026】さらに他の課題について説明すると、近年
では高精細な液晶表示が求められ、一走査線上の画素数
が増加するにつれ、データ信号のサンプリング信号が高
周波数化される。このとき、高周波数のサンプリング信
号にて駆動されるサンプリングスイッチによりスイッチ
ングノイズが生じ、これがデータ信号線に重畳される。
サンプリング期間が短いと、スイッチングノイズの影響
がなくなる前にサンプリングが終了するため、本来のデ
ータを液晶層に印加することができなくなる。
【0027】本発明の目的は、光クロストークに起因し
た画質の劣化を低減することができる液晶装置及び液晶
表示方法並びにそれを用いた投写型表示装置及び電子機
器を提供することにある。
【0028】本発明の他の目的は、データサンプリング
信号の高周波数化に伴う、データ信号の書き込み不良を
抑えることにより、本来のデータ信号に忠実な電圧を液
晶層に供給して画質を向上することができる液晶装置及
び液晶表示方法並びにそれを用いた投写型表示装置及び
電子機器を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明の一態様によれ
ば、複数のデータ信号線と複数の走査信号線の交差によ
り形成される複数の画素の各々に、液晶層に電気的に接
続されたスイッチング素子を配置して成り、前記液晶層
に印加される電圧の極性を所定期間毎に反転させて駆動
する液晶装置において、前記複数の走査信号線の少なく
とも1本を選択する走査信号を、前記複数の走査信号線
に供給する走査側駆動手段と、前記複数のデータ信号線
の各々に前記データ信号を供給するためのデータ側駆動
手段と、前記複数のデータ信号線の各々に前記データ信
号を供給するのに先立って、当該データ信号に基づいて
前記画素の液晶層に印加される電圧の極性と同一極性の
正極性又は負極性プリチャージ電位にて、前記複数のデ
ータ信号線の各々をプリチャージする複数のプリチャー
ジ用スイッチング手段と、を有し、前記データ信号は、
前記液晶層に負極性の電圧を印加する際には第1電位と
それよりも高い第2電位との間の負極性データ電圧振幅
の範囲で変化し、前記液晶層に正極性の電圧を印加する
際には前記第2電位よりも高い第3電位とそれよりも高
い第4電位との間の正極性データ電圧振幅の範囲で変化
し、前記正極性及び負極性プリチャージ電位は、前記第
1,第4電位間のデータ電圧振幅の中心電位に対して非
対称に設定され、かつ、前記負極性プリチャージ電位
を、前記負極性データ電圧振幅の中心電位よりも、前記
第1電位に近づけて設定したことを特徴とする。
【0030】本発明によれば、中間調表示のための電位
よりも第1電位に近づけて設定された負極性のプリチャ
ージ電位により、データ信号線がプリチャージされる。
すなわち、本発明では、データ信号線に接続された画素
の階調レベルとは関係なく、周期的に第1電位に近いプ
リチャージ電位をデータ信号線に印加する。従って、画
素に中間階調表示の負極性のチャージ電圧が充電された
場合に、画素のスイッチング素子に光クロストークが生
じたとしても、その画素が接続されるデータ信号線に
は、充電されたチャージ電圧よりも低い負極性プリチャ
ージ電位が周期的に印加され、さらにチャージ電圧より
も高い正極性プリチャージ電位及びデータ信号電位が周
期的に印加されるので、図17にて説明したように正極
性側に一方的に電位変動してしまうことがなく、スイッ
チング素子のリークによる画質の劣化が低減される。
【0031】より具体的には、本発明は複数のスイッチ
ング素子の各々が、Nチャンネル型トランジスタにより
形成された場合に適用できる。例えば図17のプリチャ
ージ電位PV1を、図2の通り第1電位(B1)に近い
値に変更すれば、画素A(m,n)及び画素A(m,n
+i)のスイッチング素子が光によりリークしたとして
も、その画素が接続されたデータ信号線Sn,Sn+i
は共に、その後、第1電位(図2の黒レベル電位B1)
に近い電位の負極性プリチャージ電位と正極性プリチャ
ージ電位とが周期的に印加される。従って、負極性の中
間階調表示の電圧を画素に印加する場合であっても、両
画素A(m,n)、A(m,n+i)は、図17とは異
なり、その電圧に対して正及び負の電圧が交互に印加さ
れるデータ信号線との間でリークが生じる。このため、
光クロストークに起因した画質の劣化を低減できる。
【0032】上述した通りに負極性プリチャージ電位を
設定すると、複数のサンプリング用スイッチング手段の
各々をNチャンネル型トランジスタにより形成した場合
にも効果がある。この場合、サンプリング用スイッチン
グ手段をオンすると、スイッチングノイズが生じて、こ
れがデータ信号線に重畳する。ここで、このスイッチン
グノイズは、データ信号線の電位を負方向に放電させる
時間を長くするように悪影響を与え、特にデータ信号線
の電位が、サンプリング期間内に最も低いデータ信号電
位である第1電位となるまで放電されるのを妨げる。そ
こで、負極性プリチャージ電位を第1電位に近づけ、こ
の負極性プリチャージ電位から第1電位までの電位差を
少なくすることで、サンプリング期間内にてデータ信号
線が第1電位となることを補償している。
【0033】ここで、負極性プリチャージ電位は第1電
位よりも高いことが好ましい。負極性プリチャージ電位
が第1電位より低くなると、Nチャンネル型トランジス
タのゲート−ソース間の電圧差がなくなりリークが生ず
るからである。
【0034】また、正極性プリチャージ電位は第3電位
より低いことが好ましい。上述したスイッチングノイズ
は、データ信号線の電位を正方向に充電させる時間を短
くするように作用する。このため、第3電位より低い正
極性プリチャージ電位にてプリチャージ後に、データ信
号線の電位を第3電位及び第4電位間のいずれのデータ
信号電位に設定する場合も、常にデータ信号線を充電さ
せれば良く、スイッチングノイズを利用してこの充電を
早められるからである。
【0035】本発明の他の態様によれば、正極性プリチ
ャージ電位を、正極性データ電圧振幅の中心電位より
も、第4電位に近づけて設定することができる。
【0036】この場合、中間調表示のための電位よりも
第4電位に近づけて設定された正極性のプリチャージ電
位により、データ信号線がプリチャージされる。従っ
て、画素のスイッチング素子に光クロストークが生じた
としても、その画素は第4電位に近い正極性プリチャー
ジ電位と負極性プリチャージ電位とに交互に設定される
データ信号線の電位の影響を交互に受けるので、先に説
明したように負極性側に一方的に電位変動してしまうこ
とがなく、スイッチング素子のリークによる画質の劣化
が低減される。
【0037】より具体的には、本発明は複数のスイッチ
ング素子の各々が、Pチャンネル型トランジスタにより
形成された場合に適用できる。例えば正極性プリチャー
ジ電位PV1を、後述する図7の通り第4電位に近い値
に変更すれば、画素A(m,n)及び画素A(m,n+
i)にチャージされた電圧が、スイッチング素子の光リ
ークによりデータ信号線の電位の影響を受けたとして
も、そのデータ信号線Sn,Sn+iには、第4電位
(図7の黒レベル電位B2)に近い正極性プリチャージ
電位と、負極性プリチャージ電位とが周期的に印加され
る。従って、正極性の電圧を画素に充電する場合であっ
ても、両画素A(m,n)、A(m,n+i)は、その
電圧に対して正及び負極性の電圧に交互に設定されるデ
ータ信号線との間でリークが生じるので、データ信号線
の影響を受けにくくなる。このため、光クロストークに
起因した画質の劣化を低減できる。
【0038】上述した通りに正極性プリチャージ電位を
設定すると、複数のサンプリング用スイッチング手段の
各々をPチャンネル型トランジスタにより形成した場合
にも効果がある。この場合、サンプリング用スイッチン
グ手段をオンすると、スイッチングノイズが生じて、こ
れがデータ信号線に重畳する。ここで、このスイッチン
グノイズは、データ信号線の電位を正方向に充電させる
時間を長くするように悪影響を与え、特にデータ信号線
の電位が、サンプリング期間内に最も高いデータ信号電
位である第4電位となるまで充電されるのを妨げる。そ
こで、正極性プリチャージ電位を第4電位に近づけ、こ
の正極性プリチャージ電位から第4位までの電位差を少
なくすることで、サンプリング期間内にてデータ信号線
が第4電位となることを補償している。
【0039】ここで、正極性プリチャージ電位は第4電
位よりも低いことが好ましい。正極性プリチャージ電位
が第4の電位より高くなると、Pチャンネル型トランジ
スタのゲート−ソース間の電圧差がなくなりリークが生
ずるからである。
【0040】また、負極性プリチャージ電位は第2位よ
り高いことが好ましい。上述したスイッチングノイズ
は、データ信号線の電位を負方向に放電させる時間を短
くするように作用する。このため、第2電位より高い負
極性プリチャージ電位にてプリチャージ後に、データ信
号線の電位を第2電位及び第1電位間のいずれのデータ
信号電位に設定する場合も、常にデータ信号線を放電さ
せれば良く、スイッチングノイズを利用してこの放電を
早められるからである。
【0041】なお、本発明にて用いられるスイッチング
素子は、実施の形態にて示される薄膜トランジスタだけ
でなく、液晶パネル基板の素子形成基板を単結晶シリコ
ン基板で形成した場合はMOSトランジスタで構成する
ことができる。また、MIMなどの2端子型非線形素子
により形成することもできる。
【0042】本発明は、特に光クロストークに起因した
画質の劣化を低減する観点から言えば、上記発明の液晶
装置を光源光を変調するライトバルブとして用いる投写
型表示装置に適用するものが好ましい。この他、光源光
を用いた透過型または反射型の液晶装置を備えた種々の
電子機器にも本発明は有効である。
【0043】
【発明の実施の形態】<実施の形態1> (装置の概略構成)図1に、実施の形態1に係る液晶装
置の全体概要が示されている。図1に示すように、この
液晶装置は、電子機器例えば液晶プロジェクタのライト
バルブとして用いる小型液晶装置であり、液晶パネルブ
ロック10と、タイミング回路ブロック20と、データ
処理ブロック30とに大別される。
【0044】タイミング回路ブロック20は、クロック
信号CLKと同期信号SYNCとが入力され、シフトス
タート信号、シフトクロック信号、プリチャージ信号
等、所定のタイミング信号を出力するものである。
【0045】データ処理回路ブロック30は、液晶表示
に適するようにデータの増幅,反転等によりデータを処
理する回路ブロックである。なお、このデータ処理ブロ
ック30において、各画素に対応するデータ信号を、極
性反転基準電位を基準として一画素ごとに極性反転して
いる。また、この極性反転は、垂直走査期間毎(フィー
ルド毎あるいはフレーム毎)反転される。
【0046】液晶パネルブロック10は、一対の基板間
に液晶が封入され、一方の基板上に画素領域100と、
走査側駆動回路102と、データ側駆動回路104とを
備え、これと対向する他方の基板上に共通電極を備えて
構成される。一対の液晶パネル基板の外側には偏光板が
配置される。なお、これらの駆動回路は、液晶パネル基
板とは分離して、外付けICとして構成しても良い。
【0047】画素領域100上には、例えば、図1の行
方向に沿って延びる複数の走査信号線110と、例え
ば、列方向に沿って延びる複数のデータ信号線112と
が形成されている。なお、本実施の形態では、走査信号
線110の総数を492本とし、データ信号線112の
総数を652本として説明するが、前記走査信号線およ
びデータ信号線の本数は特に限定されない。
【0048】この各走査信号線110,データ信号線1
12が交差する各位置には、スイッチング素子114と
画素120とが直列に接続されて表示要素が構成されて
いる。各画素120は、一方の基板上に共に形成され
る、スイッチング素子114と接続される画素電極、及
び各画素電極と隣接する走査信号線や容量線との間に形
成される蓄積容量117と、対向する他方の基板状に形
成される共通電極と、両電極の間に挟持される液晶層1
16とから構成される。
【0049】各画素120のスイッチング素子114が
オンする期間を選択期間と称し、オフする期間を非選択
期間と称する。選択期間にスイッチング素子114を介
して画素120に供給された電圧を、非選択期間にて蓄
積する蓄積容量117が画素120に接続されている。
【0050】本実施の形態では、スイッチング素子11
4を、例えば、3端子型スイッチング素子としており、
例えばTFT(薄膜トランジスタ)にて構成している。
これに限らず、他の3端子型スイッチング素子であるM
OSトランジスタ、あるいは2端子型スイッチング素子
例えば、MIM(金属−絶縁−金属)素子、MIS(金
属−絶縁−半導体)素子などを用いることができる。な
お、本実施の形態の画素領域100は、2端子型または
3端子型のスイッチングを用いたアクティブマトリクス
型の液晶表示パネルに限らず、単純マトリクス型の液晶
表示パネルなど、他の種々の液晶パネルであってもよ
い。
【0051】走査側駆動回路102は、複数の走査信号
線110の中から少なくとも1本の走査信号線110を
順次選択するための選択期間が設定された走査信号を出
力するものである。
【0052】データ側駆動回路104は、データ処理回
路ブロック30の出力線である例えば1本の信号ライン
と、画素領域100のデータ信号線112a,112
b,・・・との間にそれぞれ配置されたサンプリングス
イッチ106に対して、画素領域100を点順次駆動す
るためのサンプリング信号を出力するものである。な
お、データ処理回路ブロック30が、公知の相展開回路
を有する場合には、データ出力回路ブロック30の出力
線は、その相展開数と同じ本数の出力線となる。ここ
で、相展開回路とは、シリアルデータとしての画像デー
タ信号を、基準クロックに基づいて設定されたサンプリ
ング期間に従ってサンプルホールドし、かつ、一定の画
素毎に前記シリアルデータを展開して、データ処理回路
ブロック30からの1データ出力期間が基準クロックの
整数倍に変換された複数のデータ信号をパラレル出力す
るものである。
【0053】プリチャージ用スイッチ172a,172
b,・・・は、プリチャージ信号により所定のタイミン
グにてオンし、第1(負極性)のプリチャージ電源供給
用ライン174aまたは第2(正極性)のプリチャージ
電源供給用ライン174bを、各データ信号線112
a,112b・・・に接続して、データ信号線112を
プリチャージするためのものである。プリチャージ電源
電圧の極性は、共通電極に印加される共通電極電位を基
準としての極性である。
【0054】この第1,第2プリチャージ電源供給ライ
ン174a,174bには、プリチャージ電源供給用ス
イッチ190を介して第1のプリチャージ電位PV1,
第2のプリチャージ電位PV2が、走査信号線110を
選択するごと(一水平走査ごと)に切り換えられて供給
される。なお、電源供給用スイッチ190の切り換えタ
イミングは、少なくともプリチャージ用スイッチ172
のオンする前に設定される。
【0055】本実施の形態では、極性反転駆動を実施す
ることから、例えば奇数番目の水平走査期間では、奇数
番目のデータ信号線172a,172c,・・・は第1
のプリチャージ電源供給ライン174aに接続され、偶
数番目のデータ信号線172b,172d,・・・は第
2のプリチャージ電源供給ライン174bに接続され
る。また、偶数番目の水平走査期間では、奇数番目のデ
ータ信号線172a,172c,・・・は第2のプリチ
ャージ電源供給用ライン174bに接続され、偶数番目
のデータ信号線172b,172d,・・・は第1のプ
リチャージ電源供給用ライン174bに接続される。な
お、このプリチャージ動作の詳細については後述する。
【0056】すなわち、本実施の形態では、走査信号線
の延びる方向での1画素ごとに極性反転駆動し、かつ、
データ信号線の延びる方向で1ラインごと(一走査信号
線毎)に極性反転駆動しており、これに合うように極性
反転タイミングが定められている。すなわち、各データ
信号線と各画素へ印加するプリチャージ電位とデータ信
号の極性は、走査信号線毎あるいは画素毎、だけでなく
垂直走査期間毎でも反転されている。なお、プリチャー
ジが必要な場合とは、少なくとも1ラインごとに極性反
転駆動している場合であり、1画素毎の極性反転に限定
されるものではない。
【0057】そして、クロックCLK,同期信号SYN
Cに基づいて形成されたシフトスタート信号がデータ側
駆動回路104のシフトレジスタに入力され、データ側
駆動回路104はサンプリング信号を生成する。このサ
ンプリング信号に基づいて、順にサンプリングスイッチ
106a〜106gがオンされることにより、データ信
号のサンプリングが行われている。
【0058】(光クロストークの悪影響を低減したプリ
チャージ動作について)実施の形態1では、各データ信
号線についての上述した各サンプリング期間の前のブラ
ンキング期間(帰線期間)に、そのサンプリング期間に
てサンプリングされるデータ信号に基づき画素に印加さ
れる電圧の極性と同一極性で、各々のデータ信号線を同
時にプリチャージしている。なお、データ信号に基づき
画素に印加される電圧の極性とは、共通電極電位と基準
とした極性である。
【0059】このプリチャージ電位とデータ信号電位の
関係について図2を参照して説明する。図2は、スイッ
チング素子114としてNチャンネル型TFTを用い、
かつ、ノーマリホワイトの表示を行う場合のデータ信号
電位とプリチャージ電位とを示している。図2におい
て、液晶を負極性の電圧で駆動する場合には、データ信
号電位は、その階調値に応じて第1電位B1(1V)と
第2電位W1(5V)の間で変化する。ノーマリホワイ
トの表示では、第1の電位B1が黒表示に対応し、第2
の電位W1が白表示に対応する。なお、ノーマリブラッ
クの表示では、上記とは逆の関係となる。
【0060】図2において、液晶を正極性の電圧で駆動
する場合には、データ信号電位は、その階調値に応じて
第3電位W2(7V)と第4電位B2(11V)との間
で変化する。ノーマリホワイトの表示では、第2の電位
W2が白表示に対応し、第4の電位B2が黒表示に対応
する。なお、ノーマリブラックの表示では、上記とは逆
の関係となる。
【0061】従って、このデータ信号電位の振幅中心V
cは6Vである。また、負極性電圧駆動の場合の振幅
(B1〜W1)の中心電位VC1は3Vであり、正極性電
圧駆動の場合の振幅(W2〜B2)の中心電位VC2は9
Vとなる。
【0062】上記の関係は、図16及び図17の場合と
同じであるが、本実施の形態では第1のプリチャージ電
位PV1と第2のプリチャージ電位PV2とを従来とは
異ならせている。
【0063】本実施の形態では、第1のプリチャヘジ電
位PV1は1.5Vに設定され、第2のプリチャージ電
位PV2は6.5Vに設定されている。このように、第
1,第2のプリチャージ電位PV1,PV2は、データ
信号電位の振幅中心Vcに対して非対称に設定されてい
る。
【0064】さらに、本実施の形態では、第1のプリチ
ャージ電位PV1(1.5V)は、負極性電圧駆動にお
けるデータ信号電位の振幅中心VC1(3V)よりも第1
電位(1V)に近づけて設定されている。第2のプリチ
ャージ電位PV2(6.5V)は、正極性電圧駆動の第
3電位W2(7V)よりも小さい値に設定されている。
【0065】ここで、図15に示す画素A(m,n)と
画素A(m,n+i)の液晶を負極性の電圧にて駆動す
る場合であって、画素の一端に中間調表示のための電圧
(4V)を印加する場合について説明する。この場合、
図2に示す通り、4VよりもΔV1だけ降下した電圧が
画素にチャージされる。この理由を、図4を参照して説
明する。
【0066】図4において、スイッチング素子(TF
T)114のゲート−ドレイン間の容量をCGD1とし、
液晶層116の容量をCLCとし、蓄積容量117をCST
Gとし、TFT114のゲートに印加される走査信号の
選択期間と非選択期間の電位差をVgとすると、選択期
間において画素にチャージ電圧を印加した直後には、T
FT114の寄生容量により電圧降下△V1が発生す
る。その△V1は次の式により近似される。
【0067】 ΔV1=[CGD1/(CGD+CCL+CSTG)]×Vg すなわち、選択期間にCGDに蓄積された電荷が、走査信
号が非選択期間の非選択電位になると、CLCとCSTGに
流れ込み、CLCとCSTGの蓄積電圧を降下させるのであ
る。
【0068】また、サンプリングスイッチ(TFT)1
06のゲート−ドレイン間寄生容量による電圧降下△V
2も存在する。TFT106のゲート−ドレイン間寄生
容量をCGD2とし、データ信号線の寄生容量をCD2と
し、TFT106のゲートに印加されるサンプリング信
号のサンプリング期間と非サンプリング期間の電位差を
Vg2すると、その電圧降下△V2は次の式により近似
される。△V2=[CGD2/(CGD2+CD2)]×Vg2
従って、サンプリングされる前のデータ信号電位と画素
の液晶層に実際に印加される電位との間には、△V1と
△V2の加算により近似される△Vの電圧降下が発生す
る。
【0069】ところで、図15に示す画素A(m,n)
では、データ信号線Snに接続された全ての画素にて中
間調表示がなされるため、負極性電圧駆動の前のプリチ
ャージ期間では、データ線Snが第1のプリチャージ電
位PV1(1.5V)にプリチャージされる。図2が従
来の図17と相違する点はこの点である。従来の図17
の方式では、画素A(m,n)のチャージ電圧は、TF
Tにてリークが生ずることで、正方向にのみ変動する
が、図2の場合には、データ信号線にチャージ電圧より
高い電位、低い電位に交互に印加されるので、チャージ
電圧が正負の双方向に交互にシフトするように変動す
る。チャージ電圧が正負の双方に交互にシフトするよう
に変動する点で、画素A(m,n)と画素A(m,n+
i)は同じとなる。このため、画素A(m,n+i)が
表示上で黒くなる方向にシフトすると、画素A(m,
n)においても同様に表示上で黒くなる方向にシフト
し、光クロストークの影響が表示上で相殺される。同様
に、画素A(m,n+i)が表示上白くなる方向にシフ
トすると、画素A(m,n)においても同様に表示上で
白くなる方向にシフトし、光クロストークの影響が表示
上で相殺される。このようにして、本実施の形態では光
クロストークを表示上目立たなくさせることができ、画
質が向上する。なお、液晶層を正極性の電圧にて駆動す
る場合には、図3の通りであり、従来と同様に問題は生
じない。また、第2のプリチャージ電位PV2の作用に
ついては後述する。
【0070】(プリチャージの全体動作について)次
に、サンプリングスイッチでのスイッチングノイズによ
る悪影響をも低減したプリチャージの全体動作について
説明する。
【0071】図1におけるすべてのサンプリングスイッ
チ106及びスイッチング素子114がNチャンネル型
トランジスタにて形成されていた場合の、本発明の液晶
装置のタイミングチャートを図5に示す。ここで図5
は、図4に示される画素A(m,n)の画素120と、
図4に示される画素A(m,n)の画素120にて、共
に黒表示し、そのときのデータ信号線における電位の変
化を説明するものである。
【0072】また、図5では、m−1番目の水平走査期
間におけるプリチャージ信号PCがハイである期間にお
いては、データ信号線Snを正極性電位でプリチャージ
し、m番目の水平走査期間におけるプリチャージ信号P
Cがハイである期間においては、データ信号線Snを負
極性電位でプリチャージするものとして説明する。
【0073】本実施の形態においては、上述した通り、
第1のプリチャージ電位PV1をたとえば1.5V、第
2のプリチャージ電位PV2をたとえば6.5Vに設定
している。
【0074】m−1番目の水平同期信号SYNCが入力
されることによって、水平走査信号(m−1)がハイに
なる。このため、走査信号線Hm-1に接続された全ての
スイッチング素子114がオンする。この後、プリチャ
ージ信号PCがハイとなり、全てのプリチャージスイッ
チ172がオンされる。これにより、奇数番目のデータ
信号線S1、S3、…Sn−1,Sn+1、Sn+3…
には、第1のプリチャージ電源174aからの第1のプ
リチャージ電位PV1(1.5V)が供給される。一
方、偶数番目のデータ信号線S2、S4、…Sn、Sn
+2、Sn+6…には、第2のプリチャージ電源174
bからの第2のプリチャージ電位PV2(6.5V)が
供給される。
【0075】ここで図5に示すデータ信号線Snの電位
は、このプリチャージ動作以前に、画素A(m−2,
n)にて黒表示を行っていたとすると、黒レベル電位B
1(1V)の付近となっている。その後、上述したプリ
チャージ動作が開始されるため、データ信号線Snは第
2のプリチャージ電位PV2(6.5V)にプリチャー
ジされる。なお、データ信号線Snは寄生容量CD2を有
するため、プリチャージ期間が終了した後もデータ信号
線Snは第2のプリチャージ電位PV2を維持する。
【0076】さらにその後、図4の走査信号線Hm-1と
接続された全ての画素に対し、データ信号のサンプリン
グが開始される。データ信号のサンプリングは、たとえ
ばデータ信号線112の総数が652本であれば、例え
ば左端のデータ信号線から順に、サンプリング信号に応
じてデータ信号線毎にデータ信号を順次サンプリングす
る点順次方式によって行われる。そして、画素A(m−
1,n)には黒を表示するため、サンプリング期間に亘
ってサンプリングスイッチ106を介してデータ信号線
Snに正極性側の黒レベル電位B2(11V)が供給さ
れる。そして、画素A(m−1,n)における蓄積容量
117及び液晶層116に電荷を充電させ、黒表示が行
われる。
【0077】このとき、図5のタイミングチャートに示
されるように、サンプリング信号の立ち上がりにてサン
プリングスイッチ106をオンする時に、スイッチング
ノイズが発生し、それがデータ信号線Snに重畳され
る。このサンプリングスイッチ106のオン時に発生す
るスイッチングノイズは、データ信号線Snの電位を一
時的に増加させる方向に作用する。
【0078】このように、サンプリングスイッチ106
にNチャンネル型トランジスタを用いると、第2のプリ
チャージ電位PV2からデータ信号電位にデータ信号線
Snを充電させるときに、スイッチングノイズはその充
電を早める方向に作用する。このため、第2のプリチャ
ージ電位PV2を従来の8Vよりも低い6.5Vに設定
しても、サンプリング期間が終了する前に本来のデータ
信号電位まで充電されないという事態は低減する。
【0079】このサンプリング信号が立ち下がると、サ
ンプリングスイッチ106がオフされるが、このとき先
に説明した電圧降下△V2がサンプリングスイッチ10
6の寄生容量により生じ、図5に示すようにデータ信号
線Snの電位が降下する。このため、画素A(m−1,
n)に充電される電圧は、本来のデータ信号電位に対し
て、上述した降下電圧ΔV1に基づく低い電圧となる。
さらに画素においても上述した降下電圧△V2が発生す
る。ただし、これらの降下電圧を見込んで対向基板に形
成した共通電極に印加する共通電極電位を低くしておけ
ば、画素の液晶層には該画素の黒表示に必要な電圧を印
加できる。
【0080】なお、サンプリングスイッチ106をCM
OSトランジスタ構造で構成しておけば、このような電
圧降下を防止することができる。
【0081】その後、水平走査信号(m−1)がロウと
なり、水平走査信号(m)がハイとなる。これにより、
図4に示す走査信号線Hmが選択されて、この水平走査
線Hmに接続された全てのスイッチング素子114がオ
ンする。
【0082】そして、以下、走査信号線Hm-1と同様に
してプリチャージ動作及びデータ書き込み動作が実施さ
れる。ただし、m番目の水平走査期間でのプリチャージ
動作及びデータ書き込み動作はいずれも負極性の電圧に
て実施される。このため、プリチャージ動作前に図1の
スイッチ190が切り換えられる。この結果、奇数番目
のデータ信号線S1、S3、…Sn−1,Sn+1、S
n+3…には、第2のプリチャージ電源174bからの
第2のプリチャージ電位PV2(6.5V)が供給され
る。一方、偶数番目のデータ信号線S2、S4、…S
n、Sn+2、Sn+4…には、第2のプリチャージ電
源174aからの第1のプリチャージ電位PV1(1.
5V)が供給される。
【0083】このm番目の水平走査期間でのデータ信号
線Snの電位について検討する。このデータ信号線Sn
の電位は、画素A(m−1,n)にて黒表示を行なうた
めの電位から、まず第1のプリチャージ電位PV1
(1.5V)にプリチャージされる。この後、図5のタ
イミングチャートに示されるように、サンプリング信号
の立ち上がりにてサンプリングスイッチ106をオンす
る時に、スイッチングノイズが発生し、それがデータ信
号線Snに重畳される。このサンプリングスイッチ10
6のオン時に発生するスイッチングノイズは、データ信
号線Snの電位を一時的に増加させる方向に作用し、プ
リチャージによってデータ信号線Snの電位を黒レベル
電位B1(1V)まで放電させる方向とは逆方向に作用
する。
【0084】従ってm番目の水平走査期間では、上述の
スイッチングノイズが、データ信号線Snが黒レベル電
位B1の電位となるように放電する動作を遅らせるよう
に作用する。しかしながら、本実施の形態では第1のプ
リチャージ電位PV1を1.5Vに設定し、黒レベル電
位B1(1.5V)との差が0.5Vであるので、サン
プリング期間中にデータ信号線Snを黒レベル電位B1
に到達させることができる。
【0085】このように、サンプリングスイッチ106
がNチャンネル型トランジスタの場合には、そのスイッ
チングノイズはデータ信号線Snを放電させる場合に悪
影響を及ぼす。データ信号線Snを放電させる場合の最
も過酷な条件は、データ信号線Snを黒レベル電位B1
(1V)に設定するときである。従って、本実施の形態
では、第1のプリチャージ電位PV1を、黒レベル電位
B1(1V)に近い1.5Vに設定している。なお、第
1のプリチャージ電位PV1が黒レベル電位B1を下回
ると、サンプリングスイッチ106のゲート電位とソー
ス電位とが等しくなり、リークが生ずる恐れがある。こ
のため、第1のプリチャージ電位PV1は、回路定数の
ばらつき等も考慮して常に黒レベル電位B1より高く、
しかも黒レベル電位B1になるべく近い値となるように
設定することが好ましい。
【0086】また、第2のプリチャージ電位PV2は、
本実施の形態では正極性の電圧駆動時での白レベル電位
W2(7V)よりも低い6.5Vに設定している。その
理由の一つは、図5のm番目の水平走査期間では、この
6.5Vの第2のプリチャージ電位PV2より、常にデ
ータ信号線Snを充電することで、白レベル電位W2
(7V)及び黒レベル電位B2(11V)間のいずれか
データ信号電位に設定できるからである。このとき、サ
ンプリング期間開始時のスイッチングノイズは、その充
電を早める方向に作用する。従って、従来のように第2
のプリチャージ電位PV2を8Vに設定しなくても、本
実施の形態でもサンプリング期間内に本来のデータ信号
電位までデータ信号線Snを充電させることができる。
【0087】なお、第2のプリチャージ電位PV2の設
定に関しては、本実施の形態の第1,第2のプリチャー
ジ電位PV1,PV2間の電位差が、従来の第1,第2
のプリチャージ電位PV1,PV2間の電位差である4
V以上確保できる条件であれば、種々の値に設定し得
る。こうすれば、第2のプリチャージ電位から正極性デ
ータ電圧振幅(W2〜B2)の範囲のデータ信号電位ま
での電位差を、サンプリング期間内に充放電できる電位
差に止めることができるからである。特に、画像データ
を上述したように相展開した場合には、その各画像デー
タをサンプリングするためのサンプリング期間に多少の
バラツキがあったとしても、それぞれのデータ信号線を
データ信号電位になるまで充放電することができる。こ
の結果、サンプリング期間のバラツキに起因した縦縞が
画面に生ずることを低減できる。
【0088】なお、m番目の水平走査期間においても、
サンプリングスイッチ172のオフ時に上述した降下電
圧ΔV1が生じ、図5に示す通りデータ信号線Snの電
位が黒レベル電位B1よりも低い電圧となることは、上
述した通りである。
【0089】(比較例1の説明)図6は、図5に示す第
1,第2のプリチャージ電位PV1,PV2をそれぞ
れ、従来の4V,8Vに設定した場合の比較例1のタイ
ミングチャートを示している。図6のm番目の水平走査
期間では、スイッチングノイズの悪影響により、データ
信号線Snの電位が第1のプリチャージ電位PV1(4
V)から黒レベル電位B1に放電される前にサンリング
期間が終了している。このため、データ信号線Snの電
位は、本来の黒に対応するデータ信号電位でない電位V
aとなり、画素A(m,n)には本来のデータを反映し
ない電荷がチャージされ、画質が劣化することが分か
る。
【0090】<実施の形態2>次に、図1及び図4に示
すスイッチング素子114またはサンプリングスイッチ
106をPチャンネル型トランジスタにて形成した実施
の形態2について説明する。
【0091】(光クロストークの悪影響を低減したプリ
チャージ動作について)まず、スイッチング素子114
をPチャンネル型トランジスタとした場合の、光クロス
トークによる画質の劣化を低減する手法について説明す
る。
【0092】この場合には、図7に示すように、第1の
プリチャージ電位PV1は5.5Vに設定され、第2の
プリチャージ電位PV2は10.5Vに設定されてい
る。このように、第1,第2のプリチャージ電位PV
1,PV2は、データ信号電位の振幅中心Vcに対して
非対称に設定されている。
【0093】さらに、本実施の形態では、第2のプリチ
ャージ電位PV2は、正極性の電圧駆動におけるデータ
信号電位の振幅中心VC2(9V)よりも第2電位(11
V)に近づけて設定されている。第1のプリチャージ電
位PV1は、負極性の電圧駆動の第2電位W1(5V)
よりも大きい値に設定されている。
【0094】ここで、図14に示す画素A(m,n)と
画素A(m,n+i)を正極性の電圧にて駆動する場合
であって、その画素の一端に中間調表示のための電圧
(8V)を印加する場合について説明する。この場合、
Nチャンネル型トランジスタを用いた場合とは異なり、
Pチャンネル型トランジスタにてスイッチング素子を形
成すると、図7に示す通り、8VよりもΔV3だけ上昇
した電圧が液晶層にチャージされる。この上昇電圧ΔV
3は、図4のスイッチング素子114aをPチャンネル
型トランジスタとして、上述したNチャンネル型トラン
ジスタでの降下電圧ΔV1を求めた式と同様にして求め
られる。
【0095】ところで、図15に示す画素A(m,n)
では、データ信号線Snに接続された全ての画素にて中
間調表示がなされるため、正極性電圧駆動の前のプリチ
ャージ時には、データ線Snが第2のプリチャージ電位
PV1(10.5V)にプリチャージされる。図7が従
来の図8と相違する点はこの点である。従来の図8の方
式では、正極性の電圧が書き込まれた画素A(m,n)
のチャージ電圧は、光によってTFTにてリークが生す
ることで、データ信号線Snに印加されるチャージ電圧
より低い第1,第2プリチャージ電位の影響を受けて、
負極性電圧方向のみに一方的に変動する。しかし、図7
の場合には、プリチャージ電位PV2がチャージ電圧よ
り高いため、画素A(m,n)はデータ信号線に印加さ
れるチャージ電圧より高い及び低い電位の影響を受け
て、正負の双方向にするように変動し、この点で画素A
(m,n+i)と同様の変動条件となる。このため、画
素A(m,n+i)が表示上で黒くなる方向にシフトす
ると、画素A(m,n)においても同様に表示上で黒く
なる方向にシフトし、光クロストークの影響が表示上で
相殺される。同様に、画素A(m,n+i)が表示上白
くなる方向にシフトすると、画素A(m,n)において
も同様に表示上で白くなる方向にシフトし、光クロスト
ークの影響が表示上で相殺される。このようにして、本
実施の形態では光クロストークを表示上目立たなくさせ
ることができ、画質が向上する。なお、液晶層を負極性
の電圧にて駆動する場合には、図7の通りであり、従来
と同様に問題は生じない。
【0096】(プリチャージの全体動作について)図1
におけるすべてのサンプリングスイッチ106及びスイ
ッチング素子114が全てPチャンネル型トランジスタ
にて形成されていた場合の、本発明の液晶装置のタイミ
ングチャートを図9に示す。ここで図9は、図5と同様
に、図4に示される画素A(m−1,n)の画素120
と、図4に示される画素A(m,n)の画素120に
て、共に黒表示し、そのときのデータ信号線における電
位の変化を説明するものである。
【0097】なお、図9では、図5と異なり、Pチャン
ネル型トランジスタであるサンプリングスイッチ106
はサンプリング信号がロウのときにオンされ、Pチャン
ネル型トランジスタであるスイッチング素子116は走
査信号がロウのときにオンされる。
【0098】本実施の形態においては、上述した通り、
第1のプリチャージ電位PV1をたとえば5.5V、第
2のプリチャージ電位PV2をたとえば10.5Vに設
定している。
【0099】m−1番目の水平同期信号SYNCが入力
されることによって、水平走査信号(m−1)がロウに
なるため、走査信号線Hmに接続された全てのスイッチ
ング素子114がオンする。この後、プリチャージ信号
PCがハイとなり、全てのプリチャージスイッチ172
がオンされる。これにより、奇数番目のデータ信号線S
1、S3、…Sn−1,Sn+1、Sn+3…には、第
1のプリチャージ電源174aからの第1のプリチャー
ジ電位PV1(5.5V)が供給される。一方、偶数番
目のデータ信号線S2、S4、…Sn、Sn+2、Sn
+4…には、第2のプリチャージ電源174bからの第
2のプリチャージ電位PV2(10.5V)が供給され
る。
【0100】ここで図9に示すデータ信号線Snの電位
は、このプリチャージ動作以前に、画素A(m−2,
n)にて黒表示を行っていたとすると、黒レベル電位B
1(1V)の付近となっている。その後、上述したプリ
チャージ動作が開始されるため、データ信号線Snは第
2のプリチャージ電位PV2(10.5V)にプリチャ
ージされる。
【0101】さらにその後、図4の走査信号線Hm-1と
接続された全ての画素に対し、データ信号のサンプリン
グが開始される。画素A(m−1,n)には黒を表示す
るため、サンプリング期間に亘ってサンプリングスイッ
チ106を介してデータ信号線Snに正極性側の黒レベ
ル電位B2(11V)が供給される。そして、画素A
(m−1,n)に電圧を充電し、黒表示が行われる。
【0102】このとき、図9のタイミングチャートに示
されるように、サンプリング信号の立ち下がりにてサン
プリングスイッチ106をオンする時に、スイッチング
ノイズが発生し、それがデータ信号線Snに重畳され
る。このサンプリングスイッチ106のオン時に発生す
るスイッチングノイズは、データ信号線Snの電位を一
時的に減少させる方向に作用する。
【0103】このように、サンプリングスイッチ106
がPチャンネル型トランジスタの場合には、そのスイッ
チングノイズはデータ信号線Snを充電させる場合に悪
影響を及ぼす。データ信号線Snを放電させる場合の最
も過酷な条件は、データ信号線Snを黒レベル電位B2
(11V)に設定するときである。従って、本実施の形
態では、第2のプリチャージ電位PV2を、黒レベル電
位B2(11V)に近い10.5Vに設定している。な
お、第2のプリチャージ電位PV2が黒レベル電位B2
を上回ると、サンプリングスイッチ106のゲート電位
とソース電位とが等しくなり、リークが生ずる恐れがあ
る。このため、第2のプリチャージ電位PV2は、回路
定数のばらつき等も考慮して常に黒レベル電位B2より
低く、しかも黒レベル電位B2になるべく近い値となる
ように設定することが好ましい。
【0104】このサンプリング信号が立ち上がると、サ
ンプリングスイッチ106がオフされるが、このときス
イッチング素子114にて説明した電圧降下とは逆に電
圧上昇が生じ、図9に示すようにデータ信号線Snの電
位が上昇する。この上昇電圧ΔV4は、実施の形態1に
て説明した降下電圧ΔV2と同様な式にて求められる。
【0105】このため、画素A(m−1,n)の液晶層
に充電される電圧は、本来のデータ信号電位よりも、上
述した上昇電圧ΔV3及びΔV4分高い電圧となる。た
だし、この上昇電圧を見込んで対向基板に形成した共通
電極に印加される共通電極電位も高くしておけば、液晶
層には該画素の黒表示に必要な電圧を印加できる。な
お、サンプリングスイッチ106をCMOSトランジス
タ構造としておけば、このような電圧上昇を防止するこ
とができる。
【0106】その後、水平走査信号(m−1)がハイと
なり、水平走査信号(m)がロウとなる。これにより、
図4に示す走査信号線Hmが選択されて、この水平走査
線Hmに接続された全てのスイッチング素子114がオ
ンする。
【0107】そして、以下、走査信号線Hm−1と同様
にしてプリチャージ動作及びデータ書き込み動作が実施
される。ただし、今回のプリチャージ動作及びデータ書
き込み動作はいずれも正極性の電圧にて実施される。こ
のため、図1のスイッチ190が切り換えられる。この
結果、奇数番目のデータ信号線S1、S3、…Sn−
1,Sn+1、Sn+3…には、第2のプリチャージ電
源174bからの第2のプリチャージ電位PV2(5.
5V)が供給される。一方、偶数番目のデータ信号線S
2、S4、…Sn、Sn+1、Sn+3…には、第1の
プリチャージ電源174aからの第1のプリチャージ電
位PV1(10.5V)が供給される。
【0108】このm番目の水平走査期間でのデータ信号
線Snの電位について検討する。このデータ信号線Sn
の電位は、画素A(m−1,n)にて黒表示を行なうた
めの電位から、第1のプリチャージ電位PV1(5.5
V)にプリチャージされる。この後、図9のタイミング
チャートに示されるように、サンプリング信号の立ち下
がりにてサンプリングスイッチ106をオンする時に、
スイッチングノイズが発生し、それがデータ信号線Sn
に重畳される。このサンプリングスイッチ106のオン
時に発生するスイッチングノイズは、データ信号線Sn
の電位を一時的に減少させる方向に作用し、プリチャー
ジによってデータ信号線Snの電位を黒レベル電位B1
(1V)まで放電させる方向と同方向に作用する。
【0109】従ってm番目の水平走査期間では、上述の
スイッチングノイズが、データ信号線Snが黒レベル電
位B1の電位となる放電を早めるように作用する。この
ため、第1のプリチャージ電位PV1を従来の4Vより
も高くしても、サンプリング期間内にデータ信号線Sn
の電位を、第1のプリチャージ電位からデータ信号電位
に設定することができる。
【0110】特に、第1のプリチャージ電位PV1は、
負極性の電圧駆動時での白レベル電位W1(5V)より
も高い5.5Vに設定している。その理由は、図9のm
番目の水平走査期間では、この5.5Vの第1のプリチ
ャージ電位PV1より、常にデータ信号線Snを放電さ
せることで、白レベル電位W1(5V)及び黒レベル電
位B1(1V)間のいずれかデータ信号電位に設定でき
るからである。このとき、サンプリング期間開始時のス
イッチングノイズは、その放電を早める方向に作用す
る。
【0111】なお、m番目の水平走査期間においても、
サンプリングスイッチ172のオフ時に上述した上昇電
圧ΔV4が生じ、図9に示す通りデータ信号線Snの電
位が黒レベル電位B1よりも高い電圧となることは、上
述した通りである。
【0112】(比較例2の説明)図10は、図9に示す
第1,第2のプリチャージ電位PV1,PV2をそれぞ
れ、従来の4V,8Vに設定した場合の比較例1のタイ
ミングチャートを示している。図10のm−1番目の水
平走査期間では、スイッチングノイズの悪影響により、
データ信号線Snの電位が第1のプリチャージ電位PV
1(4V)から黒レベル電位B1に充電される前にサン
リング期間が終了している。このため、データ信号線S
nの電位は、本来の黒に対応するデータ信号電位でない
電位Vbとなり、画素A(m−1,n)には本来のデー
タを反映しない電荷がチャージされ、画質が劣化するこ
とが分かる。<実施の形態3>上述の各実施の形態の液
晶装置を用いて構成される電子機器は、図18に示す表
示情報出力源1000、表示情報処理回路1002、表
示駆動回路1004、液晶パネルなどの表示パネル10
06、クロック発生回路1008および電源回路101
0を含んで構成される。表示情報出力源1000は、R
OM、RAM、などのメモリ、テレビ信号を同調して出
力する同調回路などを含んで構成され、上述のタイミン
グ回路ブロック20に相当するクロック発生回路100
8からのクロックに基づいて、ビデオ信号などの表示情
報を出力する。
【0113】表示情報処理回路1002は、上述の各実
施の形態のデータ処理回路ブロック30に相当し、クロ
ック発生回路1008からのクロックに基づいて表示情
報を処理して出力する。この表示情報処理回路1002
は、上述の増幅・極性反転回路、相展開回路、ローテー
ション回路等の他、ガンマ補正回路およびクランプ回路
等を含むことができる。
【0114】駆動回路1004は、上述の走査側駆動回
路102、データ側駆動回路104およびプリチャージ
駆動回路160、あるいはデータ側駆動回路104を含
んで構成され、画素領域1006を表示駆動する。電源
回路1010は、上述の各回路に電力を供給する。
【0115】このような構成の電子機器として、図19
に示す液晶プロジェクタ、図20に示すマルチメディア
対応のパーソナルコンピュータ(PC)およびエンジニ
アリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、
あるいは携帯電話、ワードプロセッサ、テレビ、ビュー
ファインダー型またはモニタ直視型のビデオテープレコ
ーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション
装置、POS端末、タッチパネルを備えた装置などを挙
げることができる。
【0116】図19に示す液晶プロジェクタは、透過型
液晶パネルをライトバルブとして用いた投写型プロジェ
クタであり、例えば、プリズム合成方式の光学系を用い
ている。図19において、プロジェクタ1100では、
白色光源のランプユニット1102から射出された投写
光がライトガイド1104の内部で、複数のミラー11
06および2枚のダイクロイックミラー1108によっ
てR、G、Bの3原色に分けられ、それぞれの色の画像
を表示する3枚のアクティブマトリクス型液晶パネル1
110R、1110Gおよび1110Bによって変調さ
れた光は、ダイクロイックプリズム1112に3方向か
ら入射される。
【0117】ダイクロイックプリズム1112では、レ
ッドRおよびブルーBの光が90°曲げられ、グリーン
Gの光が直進するので各色の画像が合成され、投写レン
ズ1114を通してスクリーンなどにカラー画像が投写
される。本実施の形態の投写型プロジェクタにおいて
は、実施の形態1および2に示される液晶装置を適用し
ているために、前記第1のプリチャージ電位PV1と、
前記第2のプリチャージ電位PV2が、画素に印加する
電圧振幅の中間電位に対して非対称とされているため
に、投写型表示装置における光クロストークを防止する
ことができる。
【0118】図20に示すパーソナルコンピュータ12
00は、キーボード1202を備えた本体部1204
と、液晶表示画面1206とを有する。
【0119】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実
施が可能である。例えば、本発明は上述の各種の液晶パ
ネルの駆動に適用されるものに限らず、エレクトロルミ
ネッセンス、プラズマディスプレー装置、CRT等を用
いた画像表示装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のアクティブマトリクス型液晶装置の
概略説明図である。
【図2】 本発明の実施の形態1にて負極性電圧にて液
晶を駆動したときの画素の電位とそのリーク先のデータ
信号線の電位とを示す概略説明図である。
【図3】 本発明の実施の形態1にて正極性電圧にて液
晶を駆動したときの画素の電位とそのリーク先のデータ
信号線の電位とを示す概略説明図である。
【図4】 画素A(m−1,n)と画素A(m,n)を
模式的に示す概略説明図である。
【図5】 図4に示す画素A(m−1,n),画素A
(m,n)に接続されたデータ信号線Snの電位変化を
示すタイミングチャートである。
【図6】 図5のプリチャージ電位を変更した比較例1
のタイミングチャートである。
【図7】 本発明の実施の形態2にて負極性及び正極性
電圧にてそれぞれ液晶を駆動したときの画素の電位とそ
のリーク先のデータ信号線の電位とを示す概略説明図で
ある。
【図8】 図7のプリチャージ電位を変更したときのリ
ークを説明するための概略説明図である。
【図9】 本発明の実施の形態2の動作を説明するタイ
ミングチャートである。
【図10】 図9のプリチャージ電位を変更した比較例
2のタイミングチャートである。
【図11】 Nフィールドでの各画素の液晶に印加され
る電圧の極性を示す概略説明図である。
【図12】 N+1フィールドでの各画素の液晶に印加
される電圧の極性を示す概略説明図である。
【図13】 同一のデータ信号線に接続された2つの画
素を示す概略説明図である。
【図14】 図13に示す2つの画素に、それぞれ同じ
黒データを書き込む場合のデータ信号線の電位変化を示
す特性図である。
【図15】 光クロストークを説明するための液晶画面
の模式図である。
【図16】 負極性電圧にて液晶を駆動したときの画素
の電位とそのリーク先のデータ信号線の電位とを示す従
来例の概略説明図である。
【図17】 正極性電圧にて液晶を駆動したときの画素
の電位とそのリーク先のデータ信号線の電位とを示す従
来例の概略説明図である。
【図18】 本発明による画像表示装置を用いて構成さ
れる電子機器の概略図である。
【図19】 本発明が適用される液晶プロジェクタの概
略図である。
【図20】 本発明が適用されるパーソナルコンピュー
タ(PC)の概略図である。
【符号の説明】
100 画素領域 102 走査側駆動回路 104 データ側駆動回路 106 サンプリングスイッチ 110 走査信号線 112 データ信号線 114 スイッチング素子 116 液晶層 120 画素 172a,b プリチャージ用スイッチ 174a,b 第1,第2のプリチャージ電源供給ライ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09G 3/20 621 G09G 3/20 621B 621F 621M 623 623C 623L 623R 623W 623Y 680 680C Fターム(参考) 2H093 NA16 NA32 NA42 NB03 NB10 NC22 NC33 NC34 NC38 ND04 ND06 ND15 NG02 5C006 AA01 AA16 AC11 AC27 AF25 AF42 AF44 AF46 AF50 AF51 AF71 AF73 BB12 BB16 BB17 BC03 BC13 BF11 BF24 BF27 BF32 BF43 EC11 FA12 FA16 FA22 FA24 FA25 FA31 FA36 FA37 FA38 FA56 5C080 AA10 BB05 DD05 DD07 DD10 DD12 EE29 FF03 FF11 FF12 GG08 JJ01 JJ02 JJ03 JJ04 JJ05 KK43 KK52

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のデータ信号線と複数の走査信号線
    の交差により形成される複数の画素の各々に、液晶層に
    電気的に接続されたスイッチング素子を配置して成り、
    前記液晶層に印加される電圧の極性を所定期間毎に反転
    させて駆動する液晶装置において、 前記複数の走査信号線の少なくとも1本を選択する走査
    信号を、前記複数の走査信号線に供給する走査側駆動手
    段と、 前記複数のデータ信号線の各々に前記データ信号を供給
    するためのデータ側駆動手段と、 前記複数のデータ信号線の各々に前記データ信号を供給
    するのに先立って、当該データ信号に基づいて前記画素
    の液晶層に印加される電圧の極性と同一極性の正極性又
    は負極性プリチャージ電位にて、前記複数のデータ信号
    線の各々をプリチャージする複数のプリチャージ用スイ
    ッチング手段と、を有し、 前記データ信号は、前記液晶層に負極性の電圧を印加す
    る際には第1電位とそれよりも高い第2電位との間の負
    極性データ電圧振幅の範囲で変化し、前記液晶層に正極
    性の電圧を印加する際には前記第2電位よりも高い第3
    電位とそれよりも高い第4電位との間の正極性データ電
    圧振幅の範囲で変化し、 前記正極性及び負極性プリチャージ電位は、前記第1,
    第4電位間のデータ電圧振幅の中心電位に対して非対称
    に設定され、かつ、前記負極性プリチャージ電位を、前
    記負極性データ電圧振幅の中心電位よりも、前記第1電
    位に近づけて設定したことを特徴とする液晶装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記複数のスイッチング素子の各々を、Nチャンネル型
    トランジスタにより形成したことを特徴とする液晶装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記各データ信号線に供給する前記データ信号を、前記
    データ側駆動手段から出力されるサンプリング信号に基
    づきサンプリングする複数のサンプリング用スイッチン
    グ手段を有し、該サンプリング用スイッチング手段の各
    々を、Nチャンネル型トランジスタにより形成したこと
    を特徴とする液晶装置。
  4. 【請求項4】 請求項2または3において、 前記Nチャンネル型トランジスタは、MOSトランジス
    タまたは薄膜トランジスタであることを特徴とする液晶
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかにおいて、 前記負極性プリチャージ電位は、前記第1電位よりも高
    いことを特徴とする液晶装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかにおいて、 前記正極性プリチャージ電位は、前記第3電位より低い
    ことを特徴とする液晶装置。
  7. 【請求項7】 複数のデータ信号線と複数の走査信号線
    の交差により形成される複数の画素の各々に、液晶層に
    電気的に接続されたスイッチング素子を配置して成り、
    前記液晶層に印加される電圧の極性を所定期間毎に反転
    させて駆動する液晶装置において、 前記複数の走査信号線の少なくとも1本を選択する走査
    信号を、前記複数の走査信号線に供給する走査側駆動手
    段と、 前記複数のデータ信号線の各々に前記データ信号を供給
    するためのデータ側駆動手段と、 前記複数のデータ信号線の各々に前記データ信号を供給
    するのに先立って、当該データ信号に基づいて前記画素
    の液晶層に印加される電圧の極性と同一極性の正極性又
    は負極性プリチャージ電位にて、前記複数のデータ信号
    線の各々をプリチャージする複数のプリチャージ用スイ
    ッチング手段と、を有し、 前記データ信号は、前記液晶層に負極性の電圧を印加す
    る際には第1電位とそれよりも高い第2電位との間の負
    極性データ電圧振幅の範囲で変化し、前記液晶層に正極
    性の電圧を印加する際には前記第2電位よりも高い第3
    電位とそれよりも高い第4電位との間の正極性データ電
    圧振幅の範囲で変化し、 前記正極性及び負極性プリチャージ電位は、前記第1,
    第4電位間のデータ電圧振幅の中心電位に対して非対称
    に設定され、かつ、前記正極性プリチャージ電位を、前
    記正極性データ電圧振幅の中心電位よりも、前記第4電
    位に近づけて設定したことを特徴とする液晶装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 前記複数のスイッチング素子の各々を、Pチャンネル型
    トランジスタにより形成したことを特徴とする液晶装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項7または8において、 前記各データ信号線に供給する前記データ信号を、前記
    データ側駆動手段から出力されるサンプリング信号に基
    づきサンプリングする複数のサンプリング用スイッチン
    グ手段を有し、該サンプリング用スイッチング手段の各
    々を、Pチャンネル型トランジスタにより形成したこと
    を特徴とする液晶装置。
  10. 【請求項10】 請求項8または9において、 前記Pチャンネル型トランジスタは、MOSトランジス
    タまたは薄膜トランジスタであることを特徴とする液晶
    装置。
  11. 【請求項11】 請求項7乃至10のいずれかにおい
    て、 前記負極性プリチャージ電位は、前記第4電位よりも低
    いことを特徴とする液晶装置。
  12. 【請求項12】 請求項7乃至11のいずれかにおい
    て、 前記負極性プリチャージ電位は、前記第2電位よりも高
    いことを特徴とする液晶装置。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至12のいずれかにおい
    て、 奇数本目の前記データ信号線に前記正極性または負極性
    プリチャージ電位を供給する前記プリチャージ用スイッ
    チング手段に接続された第1のプリチャージラインと、 偶数本目の前記データ信号線に前記正極性または負極性
    プリチャージ電位を供給する前記プリチャージ用スイッ
    チング手段に接続された第2プリチャージラインとを有
    し、 前記複数の走査信号線の少なくとも一本を選択する毎
    に、前記第1及び第2プリチャージラインと、前記正極
    性及び負極性プリチャージ電位との接続の組合せが切り
    換えられることを特徴とする液晶装置。
  14. 【請求項14】 光源と、該光源から射出された光を変
    調する請求項1乃至13のいずれかに記載の液晶装置
    と、該液晶装置より変調された光を投写する投写光学手
    段と、を有することを特徴とする投写型表示装置。
  15. 【請求項15】 請求項1乃至13のいずれかに記載の
    液晶装置を有することを特徴とする電子機器。
  16. 【請求項16】 複数のデータ信号線と複数の走査信号
    線の交差により形成される複数の画素の各々に、液晶層
    に電気的に接続されたスイッチング素子を有する液晶装
    置を、前記液晶層に印加される電圧の極性を所定期間毎
    に反転させて駆動する液晶装置の駆動方法において、 前記複数の走査信号線の少なくとも1本を選択する走査
    信号を、前記複数の走査信号線に供給し、 前記複数のデータ信号線の各々に前記データ信号を供給
    し、 前記複数のデータ信号線の各々に前記データ信号を供給
    するのに先立って、当該データ信号に基づいて前記画素
    の液晶層に印加される電圧の極性と同一極性の正極性又
    は負極性プリチャージ電位にて、前記複数のデータ信号
    線の各々をプリチャージし、 前記データ信号は、前記液晶層に負極性の電圧を印加す
    る際には第1電位とそれよりも高い第2電位との間の負
    極性データ電圧振幅の範囲で変化し、前記液晶層に正極
    性の電圧を印加する際には前記第2電位よりも高い第3
    電位とそれよりも高い第4電位との間の正極性データ電
    圧振幅の範囲で変化し、 前記正極性及び負極性プリチャージ電位は、前記第1,
    第4電位間のデータ電圧振幅の中心電位に対して非対称
    に設定され、かつ、前記負極性プリチャージ電位を、前
    記負極性データ電圧振幅の中心電位よりも、前記第1電
    位に近づけて設定されることを特徴とする液晶装置の駆
    動方法。
  17. 【請求項17】 複数のデータ信号線と複数の走査信号
    線の交差により形成される複数の画素の各々に、液晶層
    に電気的に接続されたスイッチング素子を有する液晶装
    置を、前記液晶層に印加される電圧の極性を所定期間毎
    に反転させて駆動する液晶装置の駆動方法において、 前記複数の走査信号線の少なくとも1本を選択する走査
    信号を、前記複数の走査信号線に供給し、 前記複数のデータ信号線の各々に前記データ信号を供給
    し、 前記複数のデータ信号線の各々に前記データ信号を供給
    するのに先立って、当該データ信号に基づいて前記画素
    の液晶層に印加される電圧の極性と同一極性の正極性又
    は負極性プリチャージ電位にて、前記複数のデータ信号
    線の各々をプリチャージし、 前記データ信号は、前記液晶層に負極性の電圧を印加す
    る際には第1電位とそれよりも高い第2電位との間の負
    極性データ電圧振幅の範囲で変化し、前記液晶層に正極
    性の電圧を印加する際には前記第2電位よりも高い第3
    電位とそれよりも高い第4電位との間の正極性データ電
    圧振幅の範囲で変化し、 前記正極性及び負極性プリチャージ電位は、前記第1,
    第4電位間のデータ電圧振幅の中心電位に対して非対称
    に設定され、かつ、前記正極性プリチャージ電位を、前
    記正極性データ電圧振幅の中心電位よりも、前記第4電
    位に近づけて設定されることを特徴とする液晶装置の駆
    動方法。
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