JP2013156307A - 光ファイバケーブル及び光ファイバケーブルのシース除去方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】内部ノッチや引き裂き紐を不要とし、光ファイバを損傷することなく、シースを容易に除去する。
【解決手段】光ファイケーブル10は、光ファイバ14を収容した集合コア11の外周にシース16が形成されてなる。光ファイバケーブル10は、シース16の長手方向に沿ってV字形状のシース引裂き用のノッチ17を複数有し、隣接ノッチの各先端とケーブル中心Oを結んだ線分の開き角度をθ1、集合コア11の半径をr1、ノッチ先端までのシース厚をt1、隣接ノッチ先端間を結んだ線分の長さをD、隣接ノッチ先端間を結んだ線分の中点とケーブル中心Oとを結んだ線分の長さをLとした場合、D=2×(r1+t1)×sin(θ1/2)≦20mm、且つ、L=(r1+t1)×cos(θ1/2)≦r1の関係を満たすように形成されている。
【選択図】図2
【解決手段】光ファイケーブル10は、光ファイバ14を収容した集合コア11の外周にシース16が形成されてなる。光ファイバケーブル10は、シース16の長手方向に沿ってV字形状のシース引裂き用のノッチ17を複数有し、隣接ノッチの各先端とケーブル中心Oを結んだ線分の開き角度をθ1、集合コア11の半径をr1、ノッチ先端までのシース厚をt1、隣接ノッチ先端間を結んだ線分の長さをD、隣接ノッチ先端間を結んだ線分の中点とケーブル中心Oとを結んだ線分の長さをLとした場合、D=2×(r1+t1)×sin(θ1/2)≦20mm、且つ、L=(r1+t1)×cos(θ1/2)≦r1の関係を満たすように形成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、多数本の光ファイバ心線を集合させた集合コアを、シースで被覆した光ファイバケーブル及び光ファイバケーブルのシース除去方法に関する。
近年の映像配信、IP電話、データ通信等のブロードバンドサービスの拡大により、光ファイバによる家庭向けのデータ通信サービス(FTTH:Fiber To The Home)の加入者が増加している。このFTTHでは、幹線光ケーブルからドロップ光ケーブルを用いて加入者宅等に引き落とされている。加入者宅への光ファイバの引き落しは、例えば、市街の電柱等に布設されている幹線光ケーブルから、通常、クロージャと称されている接続函で光ファイバ心線を分岐し、分岐された光ファイバ心線にドロップ光ケーブルを融着接続又は光コネクタを用いて接続している。
上記の幹線光ケーブルの途中部分から、光ファイバを加入者宅等に引き落とすには、ケーブルに収納されている複数本の光ファイバ心線の内から、1本〜数本の光ファイバ心線を引き出す分岐作業が行われる。この分岐作業において、光ファイバケーブルから内部の光ファイバ心線を取り出す際に、主にポリエチレンで構成されたシース(外被ともいう)を剥ぐ必要がある。
シースを剥ぐ際には、刃物等でシースを輪切りにし、さらに輪切り部分から刃物等で長手方向に数cmの切れ目を入れてシースの一部を部分的に除去する。そして、シースを除去した部分から引き裂き紐を取り出し、長手方向に引き裂き紐を引っ張ることで、数cmから数十cmシースを剥ぐことができる。
しかし、この場合、刃物等でシースを切り裂く必要があるため、手間がかかる上に、引き裂き紐を必要とするためコストがかかっていた。
しかし、この場合、刃物等でシースを切り裂く必要があるため、手間がかかる上に、引き裂き紐を必要とするためコストがかかっていた。
これに対して、例えば、特許文献1には、容易にシースや押え巻きテープを除去することができるスロット型光ケーブルが記載されている。このスロット型光ケーブルのシース外側面には、低強度部として、押え巻きテープの両端部の重ね合わせ部と並行に延在する2本のノッチが形成されている。スロット型光ケーブルから光ファイバを取り出す際に、専用工具をノッチに当てて、把持して引っ張ることでシースを切り出すことができる。
また、特許文献2には、シース外面に2つの外部ノッチを設け、2つの外部ノッチ間にシース引裂手段として内部ノッチが形成された光ファイバケーブルが記載されている。
また、特許文献2には、シース外面に2つの外部ノッチを設け、2つの外部ノッチ間にシース引裂手段として内部ノッチが形成された光ファイバケーブルが記載されている。
しかしながら、特許文献1に開示のスロット型光ケーブルの場合、低強度部としてシースに形成された2つのノッチは幅1〜2mm程度、深さは1〜1.5mm程度と考えられる。従って、通常のペンチやニッパではノッチに先端が入らないため、太さが1mm以下のピンセット状の特殊な治具でないとノッチを掴むことができない。また、このような治具でノッチを掴めたとしても、10N以上の引き裂き力をかけようとすると、引っ掛かりがないため、滑ってしまう虞がある。
また、特許文献2に記載の光ファイバケーブルでは、シース上に形成される外部ノッチまたは外部突起に沿わせてニッパ等の刃先を合わせて挟み込み、内部ノッチに到達する切り込みを形成するようにしている。この内部ノッチが小さ過ぎると、切り込みが内部ノッチに到達せず、逆に、内部ノッチが大き過ぎると、シースの強度不足になる。このため、外部ノッチ間または外部突起間に適切な大きさの内部ノッチを形成する必要があり製造が難しい。
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたもので、内部ノッチや引き裂き紐を不要とし、光ファイバを損傷することなく、シースを容易に除去することができる光ファイバケーブル及び該光ファイバケーブルのシース除去方法を提供することを目的とする。
本発明による光ファイバケーブルは、光ファイバを収容した集合コアの外周にシースが形成されてなる光ファイバケーブルであって、シースの長手方向に沿ってU字形状またはV字形状のシース引裂き用のノッチを複数有し、隣接ノッチの各先端とケーブル中心を結んだ線分の開き角度をθ1、集合コアの半径をr1、ノッチ先端までのシース厚をt1、隣接ノッチ先端間を結んだ線分の長さをD、隣接ノッチ先端間を結んだ線分の中点とケーブル中心とを結んだ線分の長さをLとした場合、
D=2×(r1+t1)×sin(θ1/2)≦20mm、且つ、
L=(r1+t1)×cos(θ1/2)≦r1
の関係を満たすように形成されている。
D=2×(r1+t1)×sin(θ1/2)≦20mm、且つ、
L=(r1+t1)×cos(θ1/2)≦r1
の関係を満たすように形成されている。
また、ノッチの断面積をS1とした場合、0.25mm2≦S1≦2.0mm2、を満たすことが好ましい。
また、ノッチの先端角度をθ2とした場合、θ2≦θ1を満たすことが好ましい。
また、集合コアは、外周に上巻きテープが巻き付けられ、上巻きテープは、シース側の面に接着性樹脂が塗布され、シースの内面と接着性樹脂を介して接着されていることが好ましい。
また、ノッチの先端角度をθ2とした場合、θ2≦θ1を満たすことが好ましい。
また、集合コアは、外周に上巻きテープが巻き付けられ、上巻きテープは、シース側の面に接着性樹脂が塗布され、シースの内面と接着性樹脂を介して接着されていることが好ましい。
上記光ファイバケーブルのシース除去方法であって、隣接ノッチ間のシースを工具で把持し、把持したシースを光ファイバケーブルの長手方向に引き裂くことでシースを除去する。
本発明によれば、シース表面に複数のノッチを設け、一般的なニッパを用いて、隣接ノッチ間のシースを把持し、長手方向にシースを引っ張ることでシースを引き裂くことができるため、内部ノッチや引き裂き紐を不要とし、光ファイバを損傷することなく、シースを容易に除去することができる。
図1は、本発明による光ファイバケーブルの概略を示す図である。図中、10は光ファイバケーブル、11は集合コア、12はスロットロッド、12aはスロット溝、13はテンションメンバ、14は光ファイバ、15は上巻きテープ、16はシース、17はノッチを示す。光ファイバケーブル10は、複数の光ファイバが収容され束ねられた状態の集合コア11の外周を、シース16で被覆した構造の光ケーブルを対象とする。なお、この集合コア11とは、複数本の光ファイバ心線または光ファイバテープ心線を、介在やスロット等を用いて集合させ、その外側を上巻きテープ(押え巻きテープともいう)等を用いて束ねた状態のものをいうものとする。
図1に示す光ファイバケーブル10は、幹線用の光ファイバケーブルとして多用されているスロット型の光ファイバケーブルの一例である。この光ファイバケーブル10は、中心にテンションメンバ(抗張力体ともいう)13を埋設一体化し、複数のスロット溝12aを設けたプラスチック材からなるスロットロッド(スペーサロッドともいう)12により構成される。スロットロッド12のスロット溝12aは、螺旋状又はSZ状に形成され、スロット溝12a内には、複数本の光ファイバ心線またはテープ状の光ファイバ心線からなる光ファイバ14が収容される。
光ファイバ14がスロット溝12a内に収容された状態で、スロットロッド12の外周に上巻きテープ15が施される。この上巻きテープ15は、スロット溝12aに収容された光ファイバ14が外に飛び出さないように保持すると共に、シース16の成形時の熱絶縁層、あるいは、光ケーブル内への止水のため吸水剤を付与して吸水層として機能させることもできる。また、上巻きテープ15は、螺旋状に巻き付ける横巻き、または、長手方向に縦添えして巻き付けるかの何れかの形態を用いることができ、上巻きテープ15が施された状態で、上述したように集合コア11とされる。
なお、光ファイバ14がスロット溝12a内に収容された後であって、上巻きテープ15を巻き付ける前に、特にSZスロットの場合、スロット溝12aから光ファイバ14が脱落するのを防止するために、図示しない粗巻き紐がスロットロッド12の外周に、例えば、10mm〜20mm程度のピッチで巻き付けられる。粗巻き紐としては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン(NY)等の繊維やテープ形状のものが用いられる。また、上巻きテープ15には、粗巻き紐に比べて融点の低い熱可塑性樹脂の繊維を含む不織布や積層体が用いられる。
集合コア11の外側は、シース16により被覆され、光ファイバケーブル10とされる。なお、シース16は、集合コア11の外側に、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)または難燃ポリエチレン樹脂等を押出し成形して、例えば、厚さ1.5mm〜2.0mm程度のシース厚さで形成される。そして、このシース外面の長手方向に沿って、断面がU字形状またはV字形状の複数のシース引裂き用のノッチ17が連続して形成される。
図2は、本発明による光ファイバケーブルの要部構成例を示す図である。光ファイバケーブル10は、シース16の長手方向に沿ってU字形状またはV字形状のシース引裂き用の複数のノッチ17を有する。
図3は、シース16に形成されるシース引裂き用ノッチの一例を示す図である。図3(A)はV字形状のノッチ17の例を示しているが、このV字形状に限らず、図3(B)に示すように、U字形状のノッチ17′としてもよい。
図3は、シース16に形成されるシース引裂き用ノッチの一例を示す図である。図3(A)はV字形状のノッチ17の例を示しているが、このV字形状に限らず、図3(B)に示すように、U字形状のノッチ17′としてもよい。
図2の例ではノッチ17をV字形状とし、120°間隔で3個形成している。このノッチ17の数は3個に限定されるものではなく、2個以上であればよい。シース除去の際には隣接ノッチにニッパの刃を挿入するため、隣接ノッチ先端間の距離Dは、市販されている一般的なニッパの刃の先端の拡がり(最大20mm程度)以下にする。
具体的には、図2に示すように、隣接ノッチの先端とケーブル中心Oを結んだ線分の開き角度をθ1、集合コア11の半径をr1、ノッチ先端までのシース厚をt1、隣接ノッチ先端間を結んだ線分の長さをD、隣接ノッチ先端間を結んだ線分の中点とケーブル中心Oとを結んだ線分の長さをLとした場合、
D=2×(r1+t1)×sin(θ1/2)≦20mm、且つ、
L=(r1+t1)×cos(θ1/2)≦r1 …式(1)
の関係を満たすように複数のノッチ17が形成されている。
D=2×(r1+t1)×sin(θ1/2)≦20mm、且つ、
L=(r1+t1)×cos(θ1/2)≦r1 …式(1)
の関係を満たすように複数のノッチ17が形成されている。
上記において、隣接ノッチ先端間を結んだ線分の長さDが、一般的なニッパの刃の先端の最大開き幅に相当する20mmより大きいと、ニッパの刃で隣接ノッチを掴むことができない。このため長さDを20mm以下とした。これにより、ニッパの刃で隣接ノッチを容易に掴むことができる。さらに、ケーブル中心Oと、隣接ノッチ先端間を結んだ線分の中点とを結んだ線分の長さLが、集合コア11の半径r1より大きい場合、すなわち、隣接ノッチ先端間を結んだ線分が集合コア11を通らない場合には、ニッパの刃を集合コア11まで到達させることができず、シース16の切れ残りを発生させてしまう。このため長さLを半径r1以下とした。これにより、隣接ノッチ先端間を結んだ線分が集合コア11を通るようになるため、ニッパの刃を確実に集合コア11まで到達させ、切れ残りを発生させることなくシース16を剥ぎ取ることができる。
そして、図2において、後述の図5で説明するように、ノッチ17の断面積をS1とした場合、0.25mm2≦S1≦2.0mm2、を満たすことが望ましい。また、ノッチ先端角度をθ2とした場合、θ2≦θ1を満たすことが望ましい。
上記のようにシース表面に複数のノッチを設けることにより、一般的なニッパを用いて、隣接ノッチ間のシースを把持し、長手方向にシースを引っ張ることでシースを引き裂くことができる。このため、内部ノッチや引き裂き紐を不要とし、光ファイバを損傷することなく、シースを容易に除去することができる。
図4は、本発明による光ファイバケーブル10のシース16を、斜め刃ニッパ等の一般的な工具を用いて剥ぎ取る方法の一例を説明するための図である。まず、図4(A)に示すように、剥ぎ取る範囲のシース16の一端を設定し、カッタ等で輪切り状の切り込み18を入れる。次いで、切り込み18に隣接して、隣り合う2つのノッチ17に、ニッパ19の斜め刃19aを入れて切り込む。この切り込みにより、シース引裂きの開始点となる掴み部分17aを形成する。
次いで、図4(B)に示すように、シース引裂きの開始点となる掴み部分17aをそのまま、ニッパ19の斜め刃19aで挟んで矢印方向(光ファイバケーブル10の長手方向)に引っ張り、シース16の外面に切り起こす(折り返す)ようにして引裂く。また、ある程度の引裂きが行われた後は、図4(C)に示すように、ニッパ19の斜め刃19aで折り返された掴み部分17aの両面を挟んで斜め刃19aの外周に巻き付けるようにして引裂くか、もしくは、手で隣り合うノッチ間のシース部分を長手方向に沿って引っ張って引裂くようにしてもよい。これにより隣接ノッチ間のシース16を除去し、内部の光ファイバ14を簡単に取り出すことができる。
図5は、本発明による光ファイバケーブルの比較評価例を説明するための図である。この比較評価に使用した試料a〜fは、図2に示した100心SZ撚りテープスロット型の光ファイバケーブル10とする。すなわち、スロットロッド12の5つのスロット溝12aそれぞれに、光ファイバ14として、4心テープ心線を5枚ずつ積層し、このスロットロッド12の外周にナイロン製の粗巻き紐、上巻きテープ15として不織布テープを順に巻き付けた構造とし、シース16は低密度ポリエチレンとした。なお、試料a〜fは全てシース16の表面に120°間隔で3ヶ所にノッチ17を有する。
上記の試料a〜fに対して、クロージャに対する防水性と、ニッパ19による掴み易さとを評価した。具体的には、ノッチ17が適切に形成されていないと、クロージャのケーブルの導入、導出部分での密閉性が低下し、ノッチ17による防水性が損なわれる場合がある。クロージャに対する防水性はクロージャのグロメット部での水走りの有無を目視で評価した。また、図4で説明した方法によりシース16の解体を行った場合のニッパ19によるノッチ17の掴み易さを評価した。
ここで、θ1、θ2、r1、t1、D(=2×(r1+t1)×sin(θ1/2))、L(=(r1+t1)×cos(θ1/2))は、前述の図2に示した通りである。各試料a〜fにおいて、θ1は120°、r1は6.6mmで共通とする。また、シース除去に用いるニッパ19は、一般的な斜め刃ニッパを使用し、この斜め刃ニッパは刃先を拡げた状態で刃先間の最大距離が20mm程度である。また、S1はノッチ17の断面積である。
図5の評価結果から、試料b,c,eは、クロージャ防水性、ニッパ掴み易さ共に良好な結果が得られていることが分かる。試料a(θ2=45°、S1=0.2mm2)の場合、ノッチ17の断面積S1が小さいために、ニッパ19の刃がノッチ17に入り難く、ニッパの掴み易さにやや難があった。また、試料d(θ2=90°、S1=2.2mm2)の場合、ノッチ17の断面積S1が大きいために、クロージャのグロメット部で水走りが発生する場合があり、クロージャの防水性にやや難があった。また、試料f(θ2=135°、S1=1.0mm2)の場合、ノッチ先端角度θ2(=135°)が大きいために、ニッパ19の刃がノッチ17で滑り易く、ニッパの掴み易さにやや難があった。
試料b,c,eは、クロージャ防水性、ニッパ掴み易さ共に良好な結果が得られていることから、ノッチ17の断面積S1は0.25mm2≦S1≦2.0mm2であることが望ましい。なお、試料fは、ノッチ17の断面積S1が1.0mm2であり、上記の0.25mm2≦S1≦2.0mm2の範囲に入っているが、ニッパ掴み易さにおいて“△”となっている。これは、ノッチ先端角度θ2(=135°)が大きく、ニッパ19の刃がノッチ17で滑り易いことに起因する。
また、ノッチ先端角度θ2と、隣接ノッチ先端とケーブル中心を結んだ線分の開き角度θ1(=120°)との観点から言うと、試料b,c,eは、クロージャ防水性、ニッパ掴み易さ共に良好な結果が得られていることから、θ1≧θ2の条件を満たすことが望ましいと言える。なお、試料aは、θ1≧θ2の条件を満たしているが、ニッパ掴み易さにおいて“△”となっている。これは、ノッチ17の断面積S1が小さく、ニッパ19の刃が入り難いことに起因する。また、試料dについてもθ1≧θ2の条件を満たしているが、クロージャ防水性において“△”となっている。これは、ノッチ17の断面積S1が大きく、クロージャのグロメット部で水走りが発生する場合があることに起因する。
以上より、クロージャ防水性、ニッパ掴み易さを共に満足させるために、0.25mm2≦S1≦2.0mm2、且つ、θ1≧θ2の条件を満たしていることがより望ましいと言える。
なお、上記例では、シース16を除去した後に、上巻きテープ15を除去し、内部の光ファイバ14を取り出すようにしていたが、シース16と上巻きテープ15を予め接着しておき、シース16を除去する際に上巻きテープ15も同時に除去できるように構成してもよい。図2に示したように、上巻きテープ15は集合コア11の外周に巻き付けられている。
この上巻きテープ15は、シース16側の面に接着性樹脂が塗布され、シース16の内面と接着性樹脂を介して接着されている。接着性樹脂としては、シース16との接着性を考慮すると、例えば、融点が150℃以下の低密度ポリエチレン(LDPE)等の熱可塑性樹脂を用いることが望ましい。シース16の成形時の熱によりこの熱可塑性樹脂を溶融させ、上巻きテープ15とシース16とを熱溶着により接着させることができる。具体的には、例えば、特開2009−116018号公報に記載された方法により、シース16と上巻きテープ15とが接着された光ファイバケーブル10を製造することができる。
図4で説明した方法により、上記の光ファイバケーブルのシースを除去する場合、シース内面には、上巻きテープが接着されており、また、スロットロッドには上巻きテープが接着されていないので、シースを剥ぎ取ると同時に、その内面に接着されている上巻きテープも同時に引き裂かれて除去することができ、上巻きテープ除去の作業を省略することができる。
10…光ファイバケーブル、11…集合コア、12…スロットロッド、12a…スロット溝、13…テンションメンバ、14…光ファイバ、15…上巻きテープ、16…シース、17…ノッチ、17a…掴み部分、18…切り込み、19…ニッパ、19a…斜め刃。
Claims (5)
- 多数の光ファイバを収容した集合コアの外周にシースが形成されてなる光ファイバケーブルであって、
前記シースの長手方向に沿ってU字形状またはV字形状のシース引裂き用のノッチを複数有し、隣接ノッチの各先端とケーブル中心を結んだ線分の開き角度をθ1、前記集合コアの半径をr1、ノッチ先端までのシース厚をt1、隣接ノッチ先端間を結んだ線分の長さをD、隣接ノッチ先端間を結んだ線分の中点とケーブル中心とを結んだ線分の長さをLとした場合、
D=2×(r1+t1)×sin(θ1/2)≦20mm、且つ、
L=(r1+t1)×cos(θ1/2)≦r1
の関係を満たすことを特徴とする光ファイバケーブル。 - 前記ノッチの断面積をS1とした場合、0.25mm2≦S1≦2.0mm2、を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
- 前記ノッチの先端角度をθ2とした場合、θ2≦θ1を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバケーブル。
- 前記集合コアは、外周に上巻きテープが巻き付けられ、該上巻きテープは、前記シース側の面に接着性樹脂が塗布され、前記シースの内面と前記接着性樹脂を介して接着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ファイバケーブルのシース除去方法であって、
隣接ノッチ間のシースを工具で把持し、該把持したシースを前記光ファイバケーブルの長手方向に引き裂くことで前記シースを除去することを特徴とする光ファイバケーブルのシース除去方法。
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