JP2013156187A - 材料試験装置及び材料試験方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】材料の試験片に負荷試験を施すことによって生じる該試験片の破壊の発生位置やその破壊の起点となった欠陥を精度良く特定することが可能な材料試験装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る材料試験装置100は、材料の試験片Tを把持して試験片に対して負荷試験を施す負荷試験装置1と、試験片に対向して配置された超音波探触子21を具備し、超音波探触子を二次元走査して試験片の超音波探傷を行う超音波探傷装置2と、超音波探触子から試験片に向けて接触媒質を噴射するノズル3と、試験片に向けて噴射された後の接触媒質Wを収集し、接触媒質をノズルに供給する接触媒質循環装置4とを備える。超音波探傷装置2は、超音波探触子の二次元走査の各位置において、負荷試験中及び負荷試験前の試験片の底面エコーの信号波形と、負荷試験前の試験片の内部エコーの信号波形とを少なくとも記録し、記録した信号波形を用いて探傷結果を表示する。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明に係る材料試験装置100は、材料の試験片Tを把持して試験片に対して負荷試験を施す負荷試験装置1と、試験片に対向して配置された超音波探触子21を具備し、超音波探触子を二次元走査して試験片の超音波探傷を行う超音波探傷装置2と、超音波探触子から試験片に向けて接触媒質を噴射するノズル3と、試験片に向けて噴射された後の接触媒質Wを収集し、接触媒質をノズルに供給する接触媒質循環装置4とを備える。超音波探傷装置2は、超音波探触子の二次元走査の各位置において、負荷試験中及び負荷試験前の試験片の底面エコーの信号波形と、負荷試験前の試験片の内部エコーの信号波形とを少なくとも記録し、記録した信号波形を用いて探傷結果を表示する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、材料試験装置及び材料試験方法に関する。特に、本発明は、材料(金属材料やCFRP積層板など)の試験片に引張試験や疲労試験等の負荷試験を施すことによって生じる該試験片の破壊(亀裂等)の発生位置やその破壊の起点となった欠陥を精度良く特定することが可能な材料試験装置及び材料試験方法に関する。
従来より、材料の試験片に引張試験や疲労試験等の負荷試験を施すための負荷試験装置に超音波探傷装置を組み込み、負荷試験中の試験片に超音波探傷を施して、試験片の破壊状況を検査する材料試験装置が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の材料試験装置は、試験片を水槽に水没させる構成である。このため、試験片の把持機構に耐水性が必要であり、把持機構が複雑となったり、試験片の着脱に手間が掛かる。また、試験片がCFRP積層板である場合には、試験片の端面から層間に水が侵入し、空気中での負荷試験と比べて水の影響が生じる可能性もある。
また、特許文献2に記載の材料試験装置は、超音波探触子と試験片との間に水袋を介在させて超音波を送受信する構成である。このため、水袋を試験片に密着させる必要が生じ、試験片に水袋からの負荷が掛かることで、負荷試験に影響を及ぼす可能性がある。また、水のみを介して伝搬する場合に比べて、水袋から試験片に伝搬する際の超音波の減衰が大きい。このため、高周波の超音波探触子を用い難く、微小な破壊(亀裂等)やその発生原因となる欠陥を検出することが困難である。
さらに、特許文献1や2に記載の材料試験装置において、負荷試験中に試験片に超音波探傷を施すだけでは、破壊の発生位置やその破壊の起点となった欠陥を精度良く特定することは困難である。つまり、金属材料に発生する亀裂や、その亀裂の起点となる非金属介在物等は微小であるため、負荷試験中に試験片に超音波探傷を施すだけでは、亀裂の発生位置や非金属介在物等を精度良く特定できない場合がある。また、CFRP積層板に発生するマトリックスクラックや、マトリックスクラックの起点となる欠陥(母材(樹脂)と炭素繊維との境界の剥離や、母材中のボイド等)は微小であるため、負荷試験中に試験片に超音波探傷を施すだけでは、マトリックスクラックの発生位置や、マトリックスクラックの起点となる欠陥を精度良く特定できない場合がある。特に試験片がCFRP積層板である場合には、層間で反射するエコーや炭素繊維で反射するエコー等の材料ノイズも検出されるため、破壊の発生位置やその破壊の起点となった欠陥を精度良く特定することは、金属材料よりも困難であると考えられる。
本発明は、斯かる従来技術の問題を解決するべくなされたものであり、材料の試験片に引張試験や疲労試験等の負荷試験を施すことによって生じる該試験片の破壊の発生位置やその破壊の起点となった欠陥を精度良く特定することが可能な材料試験装置及び材料試験方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するべく、本発明は、材料の試験片を把持して該試験片に対して負荷試験を施す負荷試験装置と、前記試験片に対向して配置された超音波探触子を具備し、該超音波探触子を二次元走査して前記試験片の超音波探傷を行う超音波探傷装置と、前記超音波探触子から前記試験片に向けて接触媒質を噴射するノズルと、前記試験片に向けて噴射された後の接触媒質を収集し、該接触媒質を前記ノズルに供給する接触媒質循環装置とを備え、前記超音波探傷装置は、前記超音波探触子の二次元走査の各位置において、負荷試験中及び負荷試験前の前記試験片の底面エコーの信号波形と、負荷試験前の前記試験片の内部エコーの信号波形とを少なくとも記録し、該記録した信号波形を用いて探傷結果を表示することを特徴とする材料試験装置を提供する。
本発明に係る材料試験装置は、超音波探触子から試験片に向けて接触媒質(水など)を噴射するノズルを備えるため、試験片を水槽に水没させることなく超音波探傷を施すことが可能である。このため、負荷試験装置における試験片の把持機構に過度の耐水性が必要とされず、把持機構を比較的簡易な構成にできる他、試験片の着脱はノズルからの接触媒質の噴射を停止して行えば良いため比較的容易である。また、試験片を水槽に水没させる構成に比べて、負荷試験中に試験片が接触媒質の影響を受け難く、特に試験片がCFRP積層板である場合、試験片の端面から層間に接触媒質が侵入し難く、負荷試験結果に接触媒質の影響が生じ難い。また、超音波探触子と試験片との間に水袋を介在させる場合のように、試験片に水袋からの負荷が掛かって負荷試験に影響を及ぼすおそれもない。さらに、超音波の減衰は試験片を水槽に水没させる場合と同等であるため、高周波の超音波探触子を用いることができ、微小な破壊やその発生原因となる欠陥を検出するのに十分な分解能を得ることが可能である。
また、本発明に係る材料試験装置は、試験片に向けて噴射された後の接触媒質を収集し、該接触媒質をノズルに供給する接触媒質循環装置を備える。このため、疲労試験のような長時間に亘る負荷試験を施す場合であっても、新たな接触媒質を供給することなく、超音波探傷を行うことが可能である。
さらに、本発明に係る材料試験装置を構成する超音波探傷装置は、超音波探触子の二次元走査の各位置において、負荷試験中及び負荷試験前の試験片の底面エコーの信号波形と、負荷試験前の試験片の内部エコーの信号波形とを少なくとも記録し、該記録した信号波形を用いて探傷結果を表示する。従って、例えば、超音波探触子の二次元走査の各位置における負荷試験中の試験片の底面エコーの信号波形のCスコープ表示と、各位置における負荷試験前の試験片の底面エコーの信号波形のCスコープ表示とを比較すれば、負荷試験によって発生した試験片の破壊は、前者の負荷試験中のCスコープ表示にのみ出現することになる。このため、Cスコープ表示に材料ノイズが存在していたとしても、両方のCスコープ表示を比較することにより、或いは、負荷試験中の試験片の底面エコーの信号波形のCスコープ画像と負荷試験前の試験片の底面エコーの信号波形のCスコープ画像との差分画像を表示することにより、試験片の破壊の発生位置(超音波探触子を二次元走査する平面内の位置)を精度良く特定可能である。また、破壊の発生位置を精度良く特定できれば、この特定した破壊発生位置の近傍領域における負荷試験前の試験片の内部エコーの信号波形に基づいて、その破壊の起点となった欠陥を特定可能である。具体的には、例えば、負荷試験前の試験片の内部エコーの信号波形のCスコープ表示により、超音波探触子を二次元走査する平面内での欠陥の位置を特定可能である。また、負荷試験前の試験片の内部エコーの信号波形のBスコープ表示により、試験片の厚み方向についての欠陥の位置(超音波探触子を二次元走査する平面内に直交する平面内での欠陥の位置)を特定可能である。さらには、負荷試験前の試験片の内部エコーの信号波形の位相を評価することにより、欠陥の種類を特定することも可能である。
なお、本発明において、「負荷試験中の試験片の底面エコー」とは、負荷試験が平均荷重を跨いで変動する負荷を加える疲労試験である場合、文字通り、疲労試験を施している最中(変動する負荷を掛けている最中)に得られる試験片の底面エコー、又は、疲労試験を中断して、変動しない一定の負荷を掛けている状態で得られる試験片の底面エコーを意味する。また、負荷試験が引張試験の場合には、変動しない一定の負荷を掛けている状態で得られる試験片の底面エコーを意味する。
また、「負荷試験前の試験片の底面エコー」とは、試験片を負荷試験装置に取り付けているものの、負荷を掛けていない状態で得られる試験片の底面エコーを意味する。「負荷試験前の試験片の内部エコー」も同様に、試験片を負荷試験装置に取り付けているものの、負荷を掛けていない状態で得られる試験片の内部エコー(表面エコーと底面エコーとを除くエコー)を意味する。
また、「負荷試験前の試験片の底面エコー」とは、試験片を負荷試験装置に取り付けているものの、負荷を掛けていない状態で得られる試験片の底面エコーを意味する。「負荷試験前の試験片の内部エコー」も同様に、試験片を負荷試験装置に取り付けているものの、負荷を掛けていない状態で得られる試験片の内部エコー(表面エコーと底面エコーとを除くエコー)を意味する。
好ましくは、前記超音波探傷装置は、前記記録した負荷試験中の前記試験片の底面エコーの信号波形と、前記記録した負荷試験前の前記試験片の底面エコーの信号波形との差分波形に基づいて、前記負荷試験中に発生した前記試験片の破壊の発生位置を特定する。
斯かる好ましい構成によれば、超音波探傷装置によって、自動的に試験片の破壊の発生位置を特定可能である。具体的には、例えば、負荷試験中の試験片の底面エコーの信号波形のCスコープ画像と、負荷試験前の試験片の底面エコーの信号波形のCスコープ画像との差分画像を作成し、この差分画像の画素濃度を所定のしきい値と比較すれば、しきい値を超える画素濃度を有する画素領域が破壊の発生位置であると自動的に特定可能である。
また、前記課題を解決するため、本発明は、前述した材料試験装置を用いた材料試験方法であって、前記超音波探傷装置が記録した前記超音波探触子の二次元走査の各位置における、負荷試験中の前記試験片の底面エコーの信号波形と、前記記録した負荷試験前の前記試験片の底面エコーの信号波形との差分波形に基づいて、前記負荷試験中に発生した前記試験片の破壊の発生位置を特定するステップと、少なくとも前記特定した破壊の発生位置を含む領域における負荷試験前の前記試験片の内部エコーの信号波形に基づいて、前記試験片の破壊の起点となった欠陥を特定するステップとを含むことを特徴とする材料試験方法としても提供される。
本発明に係る材料試験装置及び材料試験方法によれば、材料(金属材料やCFRP積層板など)の試験片に引張試験や疲労試験等の負荷試験を施すことによって生じる該試験片の破壊(亀裂等)の発生位置やその破壊の起点となった欠陥を精度良く特定することが可能である。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の一実施形態に係る材料試験装置及びこれを用いた材料試験方法について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る材料試験装置の概略構成を一部断面で示す図である。図1(a)は材料試験装置の全体構成図を、図1(b)は図1(a)のY軸方向から超音波探触子近傍を見た図を示す。図1に示すように、本実施形態に係る材料試験装置100は、負荷試験装置1と、超音波探傷装置2と、ノズル3と、接触媒質循環装置4とを備えている。
図1は、本発明の一実施形態に係る材料試験装置の概略構成を一部断面で示す図である。図1(a)は材料試験装置の全体構成図を、図1(b)は図1(a)のY軸方向から超音波探触子近傍を見た図を示す。図1に示すように、本実施形態に係る材料試験装置100は、負荷試験装置1と、超音波探傷装置2と、ノズル3と、接触媒質循環装置4とを備えている。
負荷試験装置1は、材料の試験片Tを把持して試験片Tに対して負荷試験(引張り試験や疲労試験など)を施す。具体的には、本実施形態の負荷試験装置1としては、把持機構11で試験片Tの上端部及び下端部を把持して上下方向に負荷を与える縦置き型の負荷試験装置が用いられている。
超音波探傷装置2は、超音波探触子21を二次元走査して試験片Tの超音波探傷を行う。具体的には、本実施形態の超音波探傷装置2は、超音波探触子21と、超音波探触子21を二次元走査(図1に示すX軸方向の走査及びZ軸方向の走査)する二次元走査機構22と、探傷器23と、制御装置(制御用のパーソナルコンピュータ)24とを備えている。
超音波探触子21は、試験片Tに対向して配置されている。具体的には、本実施形態の超音波探触子21は、試験片Tに対してY軸方向に対向するように、二次元走査機構22に取り付けられている。超音波探触子21としては、周波数が高周波(5〜125MHz)のものを用いることが可能である。
二次元走査機構22は、超音波探触子21をZ軸方向に走査するための駆動源としてのZ軸モータ221と、超音波探触子21をX軸方向に走査するための駆動源としてのX軸モータ222と、基台223と、Z軸ステージ224と、X軸ステージ225とを備えている。
Z軸モータ221を駆動することにより、Z軸ステージ224がZ軸方向に移動する。これにより、Z軸ステージ224が取り付けられている基台223と、基台223に取り付けられているX軸モータ222及びX軸ステージ225とがZ軸方向に移動する。また、X軸ステージ225がZ軸方向に移動することにより、X軸ステージ225に取り付けられている超音波探触子21及びノズル3もZ軸方向に移動する。
一方、X軸モータ222を駆動することにより、X軸ステージ225が基台223上をX軸方向に移動する。これにより、X軸ステージ225に取り付けられている超音波探触子21及びノズル3もX軸方向に移動する。
以上のようにして、二次元走査機構22により、超音波探触子21はX軸方向及びZ軸方向に二次元走査される。
Z軸モータ221を駆動することにより、Z軸ステージ224がZ軸方向に移動する。これにより、Z軸ステージ224が取り付けられている基台223と、基台223に取り付けられているX軸モータ222及びX軸ステージ225とがZ軸方向に移動する。また、X軸ステージ225がZ軸方向に移動することにより、X軸ステージ225に取り付けられている超音波探触子21及びノズル3もZ軸方向に移動する。
一方、X軸モータ222を駆動することにより、X軸ステージ225が基台223上をX軸方向に移動する。これにより、X軸ステージ225に取り付けられている超音波探触子21及びノズル3もX軸方向に移動する。
以上のようにして、二次元走査機構22により、超音波探触子21はX軸方向及びZ軸方向に二次元走査される。
探傷器23は、超音波探触子21に接続され、超音波探触子21から超音波を送信させるためのパルス信号を供給するパルサーや、超音波探触子21で受信したエコーの信号波形を増幅するためのレシーバ等を備える。
制御装置24は、二次元走査機構22及び探傷器23に接続されている。制御装置24は、二次元走査機構22の駆動制御(Z軸モータ221及びX軸モータ222の駆動制御)及び探傷器23の駆動制御(パルサーやレシーバの駆動制御)を行うと共に、探傷器23から出力されるエコーの信号波形を記録し、この記録された信号波形を用いて、探傷結果を表示(Cスコープ表示等)する機能を有する。具体的には、制御装置24は、モニタを具備し、超音波探触子21の二次元走査の各位置において、負荷試験中及び負荷試験前の試験片Tの底面エコーの信号波形と、負荷試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形とを少なくとも記録する。そして、制御装置24は、この記録した信号波形を用いて探傷結果を前記モニタに表示する。
本実施形態に係る超音波探傷装置2(制御装置24)は、上記のように、超音波探触子21の二次元走査の各位置において、負荷試験中及び負荷試験前の試験片Tの底面エコーの信号波形と、負荷試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形とを少なくとも記録し、該記録した信号波形を用いて探傷結果を表示する。従って、例えば、超音波探触子21の二次元走査の各位置における負荷試験中の試験片Tの底面エコーの信号波形のCスコープ表示と、各位置における負荷試験前の試験片Tの底面エコーの信号波形のCスコープ表示とを比較すれば、負荷試験によって発生した試験片Tの破壊は、前者の負荷試験中のCスコープ表示にのみ出現することになる。このため、Cスコープ表示に材料ノイズが存在していたとしても、両方のCスコープ表示を比較することにより、試験片Tの破壊の発生位置(超音波探触子21を二次元走査するXZ平面内の位置)を精度良く特定可能である。
また、破壊の発生位置を精度良く特定できれば、この特定した破壊発生位置の近傍領域における負荷試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形に基づいて、その破壊の起点となった欠陥を特定可能である。具体的には、例えば、負荷試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形のCスコープ表示により、超音波探触子21を二次元走査する平面(XZ平面)内での欠陥の位置を特定可能である。また、負荷試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形のBスコープ表示により、試験片Tの厚み方向(Y軸方向)についての欠陥の位置(超音波探触子を二次元走査するXZ平面内に直交するYZ平面内での欠陥の位置)を特定可能である。さらには、負荷試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形の位相を評価することにより、欠陥の種類を特定することも可能である。試験片Tの内部エコーの信号波形の位相を評価することにより欠陥の種類を特定する方法としては、例えば、本発明者らの特許第4672441号記載の方法を適用することが可能である。
また、破壊の発生位置を精度良く特定できれば、この特定した破壊発生位置の近傍領域における負荷試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形に基づいて、その破壊の起点となった欠陥を特定可能である。具体的には、例えば、負荷試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形のCスコープ表示により、超音波探触子21を二次元走査する平面(XZ平面)内での欠陥の位置を特定可能である。また、負荷試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形のBスコープ表示により、試験片Tの厚み方向(Y軸方向)についての欠陥の位置(超音波探触子を二次元走査するXZ平面内に直交するYZ平面内での欠陥の位置)を特定可能である。さらには、負荷試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形の位相を評価することにより、欠陥の種類を特定することも可能である。試験片Tの内部エコーの信号波形の位相を評価することにより欠陥の種類を特定する方法としては、例えば、本発明者らの特許第4672441号記載の方法を適用することが可能である。
なお、好ましくは、本実施形態に係る超音波探傷装置2(制御装置24)は、記録した負荷試験中の試験片Tの底面エコーの信号波形と、記録した負荷試験前の試験片Tの底面エコーの信号波形との差分波形に基づいて、負荷試験中に発生した試験片Tの破壊の発生位置を特定するように構成される。
斯かる好ましい構成によれば、超音波探傷装置2(制御装置24)によって、自動的に試験片Tの破壊の発生位置を特定可能である。具体的には、例えば、負荷試験中の試験片Tの底面エコーの信号波形のCスコープ画像と、負荷試験前の試験片Tの底面エコーの信号波形のCスコープ画像との差分画像を作成し、この差分画像の画素濃度を所定のしきい値と比較すれば、しきい値を超える画素濃度を有する画素領域が破壊の発生位置であると自動的に特定可能である。
ノズル3は、超音波探触子21から試験片Tに向けて接触媒質(例えば、水)Wを噴射する。具体的には、本実施形態のノズル3の内部には、超音波探触子21が収容されると共に、接触媒質循環装置4から接触媒質Wが供給され、これにより、超音波探触子21から試験片Tに向けて接触媒質Wが噴射することになる。前述のように、ノズル3は、超音波探触子21と同様にX軸ステージ225に取り付けられているため、超音波探触子21と一体的に二次元走査される。
本実施形態に係る材料試験装置100は、上記のように、超音波探触子21から試験片Tに向けて接触媒質Wを噴射するノズル3を備えるため、試験片Tを水槽に水没させることなく超音波探傷を施すことが可能である。このため、負荷試験装置1における試験片Tの把持機構11に過度の耐水性が必要とされず、把持機構11を比較的簡易な構成にできる他、試験片Tの着脱はノズル3からの接触媒質Wの噴射を停止して行えば良いため比較的容易である。また、試験片Tを水槽に水没させる構成に比べて、負荷試験中に試験片Tが接触媒質Wの影響を受け難く、特に試験片TがCFRP積層板である場合、試験片Tの端面から層間に接触媒質Wが侵入し難く、負荷試験結果に接触媒質Wの影響が生じ難い。また、超音波探触子21と試験片Tとの間に水袋を介在させる場合のように、試験片Tに水袋からの負荷が掛かって負荷試験に影響を及ぼすおそれもない。さらに、超音波の減衰は試験片Tを水槽に水没させる場合と同等であるため、前述のように高周波の超音波探触子21を用いることができ、微小な破壊やその発生原因となる欠陥を検出するのに十分な分解能を得ることが可能である。
接触媒質循環装置4は、試験片Tに向けて噴射された後の接触媒質Wを収集し、該接触媒質Wをノズル3に供給する。具体的には、本実施形態に係る接触媒質循環装置4は、接触媒質収集槽41と、接触媒質供給槽42とを備えている。接触媒質収集槽41は、試験片Tの取り付け位置の下方に配置され、試験片Tに向けて噴射された後の接触媒質Wを収集する。接触媒質収集槽41に収集・蓄積された接触媒質Wは、接触媒質供給槽42に設けられたポンプ機構(図示せず)によって吸い上げられ、接触媒質供給槽42に収集・蓄積される。接触媒質供給槽42はノズル3に連通しており、接触媒質供給槽42からノズル3に供給された接触媒質Wが試験片Tに向けて噴射される。
本実施形態に係る材料試験装置100は、上記のように、試験片Tに向けて噴射された後の接触媒質Wを収集し、該接触媒質Wをノズル3に供給する接触媒質循環装置4を備える。このため、疲労試験のような長時間に亘る負荷試験を施す場合であっても、新たな接触媒質Wを供給することなく、超音波探傷を行うことが可能である。
以上に説明した本実施形態に係る材料試験装置100及びこれを用いた材料試験方法によれば、材料(金属材料やCFRP積層板など)の試験片Tに引張試験や疲労試験等の負荷試験を施すことによって生じる試験片Tの破壊(亀裂等)の発生位置やその破壊の起点となった欠陥を精度良く特定することが可能である。
以下、本実施形態に係る材料試験装置100を用いて、人工欠陥を設けた所定の試験片Tの疲労試験及び超音波探傷試験を行った結果の一例について説明する。
<試験片>
図2は、本試験に用いた試験片の概略構成を模式的に示す図である。図2に示すように、試験片Tとしては、標点間距離60mm、幅10mm、厚み3mmのアクリル樹脂製の試験片を用いた。この試験片Tの3箇所に直径2mmのキリ穴を開け、この穴内に樹脂パテ又は半田を充填し、アクリル系接着剤で固めたものを、人工欠陥D1〜D3とした。
図2は、本試験に用いた試験片の概略構成を模式的に示す図である。図2に示すように、試験片Tとしては、標点間距離60mm、幅10mm、厚み3mmのアクリル樹脂製の試験片を用いた。この試験片Tの3箇所に直径2mmのキリ穴を開け、この穴内に樹脂パテ又は半田を充填し、アクリル系接着剤で固めたものを、人工欠陥D1〜D3とした。
<疲労試験条件>
最小100N、最大600Nの引張負荷を周波数10Hzで試験片Tに繰り返し加えた。
最小100N、最大600Nの引張負荷を周波数10Hzで試験片Tに繰り返し加えた。
<超音波探傷試験条件>
周波数が25MHz、振動子径が5mm、焦点距離が25mmの超音波探触子21を用い、X軸方向及びZ軸方向に0.1mmピッチでエコーの信号波形を取得した。
周波数が25MHz、振動子径が5mm、焦点距離が25mmの超音波探触子21を用い、X軸方向及びZ軸方向に0.1mmピッチでエコーの信号波形を取得した。
<試験結果>
図3は、本疲労試験における負荷の繰り返し数と試験片の変位との関係を示すグラフである。図4は、試験片の破断写真を示す。図4(a)は試験片の破断箇所近傍を、図4(b)は図4(a)のAA矢視拡大図である。
図3に示すように、試験片Tは、2.3mm近傍の最小変位(引張負荷100Nのとき)と、2.9mm近傍の最大変位(引張負荷600Nのとき)との間で変位した。そして、繰り返し数が約130000回(具体的には、後述の図5(c)に示す繰り返し数129600回の直後)で、初期の変位から約0.05mm伸びたときに破断に至った。図4に示すように、破断箇所は人工欠陥D2を設けた部位であった。
図3は、本疲労試験における負荷の繰り返し数と試験片の変位との関係を示すグラフである。図4は、試験片の破断写真を示す。図4(a)は試験片の破断箇所近傍を、図4(b)は図4(a)のAA矢視拡大図である。
図3に示すように、試験片Tは、2.3mm近傍の最小変位(引張負荷100Nのとき)と、2.9mm近傍の最大変位(引張負荷600Nのとき)との間で変位した。そして、繰り返し数が約130000回(具体的には、後述の図5(c)に示す繰り返し数129600回の直後)で、初期の変位から約0.05mm伸びたときに破断に至った。図4に示すように、破断箇所は人工欠陥D2を設けた部位であった。
上記の疲労試験中、超音波探傷装置2(制御装置24)によって、所定の繰り返し数に到達する毎に試験片Tのエコーの信号波形を記録した。また、試験片Tを負荷試験装置1に取り付けた状態で疲労試験前の試験片Tのエコーの信号波形も予め記録した。なお、疲労試験中及び疲労試験前のエコーの信号波形は、X軸方向及びZ軸方向の双方について0.1mmピッチで取得し、記録した。
図5は、本超音波探傷試験による探傷結果(底面エコー)の一例を示す図である。図5(a)は疲労試験前の探傷結果を、図5(b)は負荷の繰り返し数が115400回のときに得られた疲労試験中の探傷結果を、図5(c)は負荷の繰り返し数が129600回のときに得られた疲労試験中の探傷結果を示す。図5(a)〜(c)の左上図は、試験片Tの底面エコーの信号波形のCスコープ画像である。図5(a)〜(c)の左下図は、同左上図の直線Cに沿った底面エコーの信号波形の正の最大振幅値と負の最大振幅値とを示す。図5(a)〜(c)の右図は、同左上図の領域Bの拡大図である。
図5(b)の左下図に示すように、領域Eの底面エコーの信号波形の振幅値は疲労試験前(図5(a))の同領域の振幅値と比べて低下しており、破壊の初期段階が観察されることが分かる。さらに疲労試験を継続すると、図5(c)の左下図に示すように、領域Eの底面エコーの信号波形の振幅値は更に低下しており、同右図から分かるように亀裂の進展が観察されている。
図5(b)の左下図に示すように、領域Eの底面エコーの信号波形の振幅値は疲労試験前(図5(a))の同領域の振幅値と比べて低下しており、破壊の初期段階が観察されることが分かる。さらに疲労試験を継続すると、図5(c)の左下図に示すように、領域Eの底面エコーの信号波形の振幅値は更に低下しており、同右図から分かるように亀裂の進展が観察されている。
試験片Tが破断したこと自体は、負荷試験装置1によって自動的に検出可能である。試験片Tの破断により試験片Tに与えていた負荷が急激に減少するからである。破断を検出できれば、超音波探傷装置2(制御装置24)に記録した試験片Tのエコーの信号波形から、疲労試験中であって破断直前の試験片Tの底面エコーの信号波形を取り出すことが可能である。そして、疲労試験中であって破断直前の試験片Tの底面エコーの信号波形のCスコープ表示(図5(c))と、疲労試験前の試験片Tの底面エコーの信号波形のCスコープ表示(図5(a))とを比較すれば、疲労試験によって発生した試験片Tの破壊(亀裂)は、前者の疲労試験中のCスコープ表示にのみ出現することになる。このため、両方のCスコープ表示を比較することにより、或いは、疲労試験中の試験片Tの底面エコーの信号波形のCスコープ画像と疲労試験前の試験片Tの底面エコーの信号波形のCスコープ画像との差分画像を表示することにより、試験片Tの破壊の発生位置(超音波探触子を二次元走査するXZ平面内の位置)を精度良く特定可能である。
図6は、本疲労試験前における本超音波探傷試験による探傷結果(内部エコー)の一例を示す図である。図6の上図は、試験片Tの内部エコーの信号波形のCスコープ画像である。図6の中図は、同上図の直線C1と直線C2との間の領域における内部エコーの信号波形の正の最大振幅値と負の最大振幅値とを示す。図6の下図は、同上図の直線C1と直線C2との間の領域における内部エコーの信号波形のBスコープを重ね書きした画像である。
前述のように、試験片Tの破壊の発生位置を精度良く特定できれば、この特定した破壊発生位置の近傍領域における疲労試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形に基づいて、その破壊の起点となった欠陥を特定可能であると考えられる。本試験では、図6の上図に示すように、疲労試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形のCスコープ表示により、破壊起点(人工欠陥D2)の位置(超音波探触子を二次元走査するXZ平面内の位置)を特定可能であることが分かった。また、図6の下図に示すように、疲労試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形のBスコープ表示により、試験片の厚み方向(Y軸方向)についての破壊起点(人工欠陥D2)の位置を特定可能であることが分かった。さらには、疲労試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形の位相を評価することにより、破壊起点(人工欠陥D2)の種類を特定することも可能であると考えられる。
なお、図6の下図では、疲労試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形をそのままBスコープ表示しているが、試験片Tに破壊起点が生じ得ないことが明らかな部位(基準部位)が存在するのであれば、各信号波形取得位置(X軸方向及びZ軸方向に0.1mmピッチ)における疲労試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形と、前記基準部位における疲労試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形との差分波形をBスコープ表示することが好ましい。これにより、材料ノイズの影響を低減可能である。図6の上図に示すCスコープ表示についても同様に、各信号波形取得位置における疲労試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形と、前記基準部位における疲労試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形との差分波形をCスコープ表示することが好ましい。
前述のように、試験片Tの破壊の発生位置を精度良く特定できれば、この特定した破壊発生位置の近傍領域における疲労試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形に基づいて、その破壊の起点となった欠陥を特定可能であると考えられる。本試験では、図6の上図に示すように、疲労試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形のCスコープ表示により、破壊起点(人工欠陥D2)の位置(超音波探触子を二次元走査するXZ平面内の位置)を特定可能であることが分かった。また、図6の下図に示すように、疲労試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形のBスコープ表示により、試験片の厚み方向(Y軸方向)についての破壊起点(人工欠陥D2)の位置を特定可能であることが分かった。さらには、疲労試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形の位相を評価することにより、破壊起点(人工欠陥D2)の種類を特定することも可能であると考えられる。
なお、図6の下図では、疲労試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形をそのままBスコープ表示しているが、試験片Tに破壊起点が生じ得ないことが明らかな部位(基準部位)が存在するのであれば、各信号波形取得位置(X軸方向及びZ軸方向に0.1mmピッチ)における疲労試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形と、前記基準部位における疲労試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形との差分波形をBスコープ表示することが好ましい。これにより、材料ノイズの影響を低減可能である。図6の上図に示すCスコープ表示についても同様に、各信号波形取得位置における疲労試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形と、前記基準部位における疲労試験前の試験片Tの内部エコーの信号波形との差分波形をCスコープ表示することが好ましい。
前述のように、試験片Tの破壊(亀裂)の発生位置は、疲労試験中の試験片Tの底面エコーの信号波形のCスコープ表示(図5(c))と、疲労試験前の試験片Tの底面エコーの信号波形のCスコープ表示(図5(a))とを目視で比較することによって、或いは、両者の差分画像の表示を目視することによって特定可能であるものの、特定の精度や再現性を高める上では、超音波探傷装置2(制御装置24)によって自動的に特定することが好ましい。超音波探傷装置2によって自動的に破壊の発生位置を特定する方法としては、例えば、以下の方法が考えられる。
<破壊発生位置の自動特定方法1>
図7は、破壊発生位置の自動特定方法の一例を説明する説明図である。図7(a)は、疲労試験中であって破断直前の試験片Tの底面エコーの信号波形のCスコープ画像を模式的に示す図である。図7(b)は、疲労試験前の試験片Tの底面エコーの信号波形のCスコープ画像を模式的に示す図である。図7(c)は、図7(a)に示すCスコープ画像と図7(c)に示すCスコープ画像との差分画像である。
図7に示すように、疲労試験中であって破断直前の試験片Tの底面エコーの信号波形のCスコープ画像(図7(a))と、疲労試験前の試験片Tの底面エコーの信号波形のCスコープ画像(図7(b))との差分画像(図7(c))を作成し、この差分画像の画素濃度を所定のしきい値と比較すれば、しきい値を超える(しきい値を下回る)画素濃度を有する画素領域が破壊の発生位置であると自動的に特定可能である。
図7は、破壊発生位置の自動特定方法の一例を説明する説明図である。図7(a)は、疲労試験中であって破断直前の試験片Tの底面エコーの信号波形のCスコープ画像を模式的に示す図である。図7(b)は、疲労試験前の試験片Tの底面エコーの信号波形のCスコープ画像を模式的に示す図である。図7(c)は、図7(a)に示すCスコープ画像と図7(c)に示すCスコープ画像との差分画像である。
図7に示すように、疲労試験中であって破断直前の試験片Tの底面エコーの信号波形のCスコープ画像(図7(a))と、疲労試験前の試験片Tの底面エコーの信号波形のCスコープ画像(図7(b))との差分画像(図7(c))を作成し、この差分画像の画素濃度を所定のしきい値と比較すれば、しきい値を超える(しきい値を下回る)画素濃度を有する画素領域が破壊の発生位置であると自動的に特定可能である。
<破壊発生位置の自動特定方法2>
図8は、破壊発生位置の自動特定方法の他の例を説明する説明図である。図8(a)は、疲労試験中であって破断直前の試験片Tの底面エコーの信号波形のCスコープ画像を模式的に示す図である。図8(b)は、図8(a)の信号波形取得位置(図中「+」で示す位置)における、破断直前の試験片Tのエコーの信号波形(Aスコープ)を模式的に示す図である。図8(c)は、図8(a)の信号波形取得位置における、疲労試験前の試験片Tのエコーの信号波形(Aスコープ)を模式的に示す図である。図8(d)は、図8(b)に示す信号波形と図8(c)に示す信号波形との差分波形である。
図8に示すように、各信号波形取得位置(X軸方向及びZ軸方向に0.1mmピッチ)において、疲労試験中であって破断直前の試験片Tのエコーの信号波形(図8(b))と、疲労試験前の試験片Tのエコーの信号波形(図8(c))との差分波形(図8(d))を作成し、この差分波形に対して底面エコーに相当する時間領域のゲートを設定する。そして、前記ゲート内の差分波形の振幅値を所定のしきい値と比較し、しきい値を超える(しきい値を下回る)場合には、その信号波形取得位置を破壊の発生位置であると自動的に特定可能である。
図7を参照して前述した特定方法1と本特定方法2との違いは、Cスコープ画像の差分画像を用いる(特定方法1)か、Aスコープの差分波形を用いる(特定方法2)かである。差分画像を作成するのに用いるCスコープ画像の画素数が信号波形取得位置の個数よりも少ない場合には、分解能の点で、本特定方法2の方が精度良く破壊の発生位置を特定可能であると期待できる。
図8は、破壊発生位置の自動特定方法の他の例を説明する説明図である。図8(a)は、疲労試験中であって破断直前の試験片Tの底面エコーの信号波形のCスコープ画像を模式的に示す図である。図8(b)は、図8(a)の信号波形取得位置(図中「+」で示す位置)における、破断直前の試験片Tのエコーの信号波形(Aスコープ)を模式的に示す図である。図8(c)は、図8(a)の信号波形取得位置における、疲労試験前の試験片Tのエコーの信号波形(Aスコープ)を模式的に示す図である。図8(d)は、図8(b)に示す信号波形と図8(c)に示す信号波形との差分波形である。
図8に示すように、各信号波形取得位置(X軸方向及びZ軸方向に0.1mmピッチ)において、疲労試験中であって破断直前の試験片Tのエコーの信号波形(図8(b))と、疲労試験前の試験片Tのエコーの信号波形(図8(c))との差分波形(図8(d))を作成し、この差分波形に対して底面エコーに相当する時間領域のゲートを設定する。そして、前記ゲート内の差分波形の振幅値を所定のしきい値と比較し、しきい値を超える(しきい値を下回る)場合には、その信号波形取得位置を破壊の発生位置であると自動的に特定可能である。
図7を参照して前述した特定方法1と本特定方法2との違いは、Cスコープ画像の差分画像を用いる(特定方法1)か、Aスコープの差分波形を用いる(特定方法2)かである。差分画像を作成するのに用いるCスコープ画像の画素数が信号波形取得位置の個数よりも少ない場合には、分解能の点で、本特定方法2の方が精度良く破壊の発生位置を特定可能であると期待できる。
1・・・負荷試験装置
2・・・超音波探傷装置
3・・・ノズル
4・・・接触媒質循環装置
21・・・超音波探触子
22・・・二次元走査機構
23・・・探傷器
24・・・制御装置
41・・・接触媒質収集槽
42・・・接触媒質供給槽
100・・・材料試験装置
T・・・試験片
W・・・接触媒質
2・・・超音波探傷装置
3・・・ノズル
4・・・接触媒質循環装置
21・・・超音波探触子
22・・・二次元走査機構
23・・・探傷器
24・・・制御装置
41・・・接触媒質収集槽
42・・・接触媒質供給槽
100・・・材料試験装置
T・・・試験片
W・・・接触媒質
Claims (3)
- 材料の試験片を把持して該試験片に対して負荷試験を施す負荷試験装置と、
前記試験片に対向して配置された超音波探触子を具備し、該超音波探触子を二次元走査して前記試験片の超音波探傷を行う超音波探傷装置と、
前記超音波探触子から前記試験片に向けて接触媒質を噴射するノズルと、
前記試験片に向けて噴射された後の接触媒質を収集し、該接触媒質を前記ノズルに供給する接触媒質循環装置とを備え、
前記超音波探傷装置は、前記超音波探触子の二次元走査の各位置において、負荷試験中及び負荷試験前の前記試験片の底面エコーの信号波形と、負荷試験前の前記試験片の内部エコーの信号波形とを少なくとも記録し、該記録した信号波形を用いて探傷結果を表示することを特徴とする材料試験装置。 - 前記超音波探傷装置は、前記記録した負荷試験中の前記試験片の底面エコーの信号波形と、前記記録した負荷試験前の前記試験片の底面エコーの信号波形との差分波形に基づいて、前記負荷試験中に発生した前記試験片の破壊の発生位置を特定することを特徴とする請求項1に記載の材料試験装置。
- 請求項1に記載の材料試験装置を用いた材料試験方法であって、
前記超音波探傷装置が記録した前記超音波探触子の二次元走査の各位置における、負荷試験中の前記試験片の底面エコーの信号波形と、前記記録した負荷試験前の前記試験片の底面エコーの信号波形との差分波形に基づいて、前記負荷試験中に発生した前記試験片の破壊の発生位置を特定するステップと、
少なくとも前記特定した破壊の発生位置を含む領域における負荷試験前の前記試験片の内部エコーの信号波形に基づいて、前記試験片の破壊の起点となった欠陥を特定するステップとを含むことを特徴とする材料試験方法。
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- 2012-01-31 JP JP2012017758A patent/JP2013156187A/ja active Pending
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