JP2013155860A - ドラムブレーキ - Google Patents
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Abstract
【課題】従来に比較してブレーキレバーの部品点数を少なくすると共に、バッキングプレートの貫通穴に挿入されたブレーキケーブルの大径頭部がブレーキレバーの先端部に確実に掛止されるドラムブレーキを提供する。
【解決手段】バッキングプレート16の貫通穴16bに大径頭部52aが挿入されると、大径頭部52aが、ケーブル案内部材56によってコイルスプリング58の内部に案内され、コイルスプリング58によってブレーキレバー48の先端部48bのばね受用切欠64b、66bの間に挿入される。そして、大径頭部52aが案内経路68によって一対のケーブル掛止用切欠64c、66cに案内されて一対のケーブル掛止用切欠64c、66cに確実に掛止される。ブレーキレバー48は、相対向する一対の板状部材64、66から構成されているので、従来に比較してブレーキレバー48の部品点数が少なくなる。
【選択図】図5
【解決手段】バッキングプレート16の貫通穴16bに大径頭部52aが挿入されると、大径頭部52aが、ケーブル案内部材56によってコイルスプリング58の内部に案内され、コイルスプリング58によってブレーキレバー48の先端部48bのばね受用切欠64b、66bの間に挿入される。そして、大径頭部52aが案内経路68によって一対のケーブル掛止用切欠64c、66cに案内されて一対のケーブル掛止用切欠64c、66cに確実に掛止される。ブレーキレバー48は、相対向する一対の板状部材64、66から構成されているので、従来に比較してブレーキレバー48の部品点数が少なくなる。
【選択図】図5
Description
本発明は、ブレーキレバーを備えるドラムブレーキに関し、特にそのブレーキレバーの先端部におけるブレーキケーブルの大径頭部の取着構造を簡素化させる技術に関するものである。
ドラムブレーキには、例えば特許文献1に示すように、(a) バッキングプレートに拡開可能に配設された一対のブレーキシューと、(b) その一対のブレーキシューの一方の一端部に基端部が回動可能に連結されたブレーキレバーと、(c) そのブレーキレバーの先端部に大径頭部が掛止されるブレーキケーブルと、(d) そのブレーキケーブルの大径頭部を通すためにそのバッキングプレートに貫通された貫通穴と、(e) そのブレーキケーブルの周囲に配設されたコイルスプリングとを備え、(f) そのブレーキケーブルの先端部に固定された大径頭部をそのバッキングプレートの裏側からその貫通穴に挿入してそのブレーキレバーの先端部に掛止するものがある。上記のようなドラムブレーキにおいては、そのドラムブレーキの内部で前記ブレーキレバーの先端部を目視して手作業によりそのブレーキレバーの先端部に前記ブレーキケーブルの大径頭部を掛止するようになっている。
しかしながら、上記のようなドラムブレーキおいては、前記ブレーキレバーの先端部を目視しなければ前記ブレーキケーブルの大径頭部を掛止できないことから、前記ドラムブレーキが例えばアクスル、キャリア等の車両足廻り部品に取り付けられた状態すなわちブレーキドラムが前記ドラムブレーキに取り付けられた状態で、前記ブレーキケーブルの大径頭部の前記ブレーキレバーの先端部への取付けができないという問題がある。また、前記ブレーキケーブルの大径頭部を前記ブレーキレバーの先端部へ取付ける際に、前記コイルスプリングの前記ブレーキレバー側の端部を引いて前記ブレーキケーブルの先端部が露出された状態でしか前記大径頭部が前記ブレーキレバーの先端部に組み付けられないので、前記ブレーキケーブルの大径頭部を前記ブレーキレバーの先端部へ取り付ける作業が煩雑であるという問題がある。
これに対して、上記のような問題を解決するために特許文献2乃至5に示すようなドラムブレーキが提案されている。このようなドラムブレーキには、前記バッキングプレートの貫通穴に挿入された前記ブレーキケーブルの大径頭部を前記ブレーキレバーの先端部付近まで案内する第1ケーブル案内部材と、その第1ケーブル案内部材によって前記ブレーキレバーの先端部付近まで案内された前記ブレーキケーブルの大径頭部を前記ブレーキレバーの先端部に案内するそのブレーキレバーの先端部に取り付けられた第2ケーブル案内部材とが設けられている。このため、前記バッキングプレートの貫通穴に挿入された前記ブレーキケーブルの大径頭部が前記第1ケーブル案内部材および前記第2ケーブル案内部材によって前記ブレーキレバーの先端部まで案内されて前記ブレーキレバーの先端部に取付けられる。
ところで、特許文献2乃至5のようなドラムブレーキは、前記第1ケーブル案内部材および前記第2ケーブル案内部材を含む前記ブレーキケーブルの大径頭部が前記ブレーキレバーの先端部に取り付くまでの経路において、前記第1ケーブル案内部材と前記第2ケーブル案内部材との間に本来の組み付け経路とは異なる前記大径頭部が通過できる隙間がある為に、その大径頭部が本来の組み付け経路を外れ適切な取付け位置へ案内されない恐れがあるという問題がある。
これに対して、上記のような問題を解決するために特許文献6に示すようなドラムブレーキが提案されている。このドラムブレーキは、一端が前記ブレーキレバーの先端部に掛け止められたコイルスプリングと、そのコイルスプリングの他端部の内部に嵌め入れられる共に前記貫通穴に挿入された前記ブレーキケーブルの大径頭部を該コイルスプリングの内部に案内するケーブル案内部材とを備えるものである。このため、前記バッキングプレートの貫通穴に挿入された前記ブレーキケーブルの大径頭部が前記ケーブル案内部材によって前記コイルスプリングの内部に案内され、前記コイルスプリングによって前記ブレーキレバーの先端部に案内されるので、前記ブレーキケーブルの大径頭部が前記ブレーキレバーの先端部に取り付くまでの経路において、前記大径頭部が通過できる隙間がなく確実にその大径頭部が前記ブレーキレバーの先端部へ案内され取り付けられる。
特許文献6のドラムブレーキにおいては、前記ブレーキレバーの先端部には、断面U字形状に先端が曲成されたフック部と、そのフック部に設けられた円柱形状のピンと、そのピン回りに回動可能に設けられ、前記コイルスプリングの一端が掛け止められたラッチ部材とが備えられ、前記コイルスプリングの一端から突き出すように設けられたワイヤスプリングによってそのラッチ部材が付勢されている。前記大径頭部が前記ブレーキレバーの先端部に案内されると、前記ラッチ部材がその大径頭部に押圧されてそのラッチ部材がピン回りに回動して前記大径頭部が前記ラッチ部材を通過する。そして、前記大径頭部が前記ラッチ部材を通過すると、そのラッチ部材に一端が掛け止められていたコイルスプリングの弾性復帰力によってそのラッチ部材が前記大径頭部によって回動された方向とは反対方向に回動することにより、前記大径頭部が前記ラッチ部材および前記フック部によって前記ブレーキレバーの先端部に掛け止められる。
しかし、特許文献6のドラムブレーキのブレーキレバーの先端部には、前記ピンと前記ラッチ部材とが備えられており、比較的多くの部品により前記ブレーキレバーの先端部が構成されているので、前記ブレーキレバーの部品点数が多くなると共に、可動部分の存在によって耐久性が低下する恐れがあるという問題があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的とするところは、従来に比較してブレーキレバーの部品点数を少なくすると共に、バッキングプレートの貫通穴に挿入されたブレーキケーブルの大径頭部がブレーキレバーの先端部に確実に掛止されるドラムブレーキを提供することにある。
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、(a) バッキングプレートに拡開可能に配設された一対のブレーキシューと、その一対のブレーキシューの一方の一端部に基端部が回動可能に連結されたブレーキレバーと、そのブレーキレバーの先端部に大径頭部が掛止されるブレーキケーブルと、そのブレーキケーブルの大径頭部を通すためにそのバッキングプレートに貫通された貫通穴と、一端が前記ブレーキレバーの先端部に受け止められたコイルスプリングと、そのコイルスプリングの他端部を受け止めると共に前記貫通穴に挿入された前記ブレーキケーブルの大径頭部をそのコイルスプリングの内部に案内するケーブル案内部材とを備え、そのブレーキケーブルの先端部に固定された大径頭部をそのバッキングプレートの裏側からその貫通穴に挿入してそのブレーキレバーの先端部に掛止するドラムブレーキであって、(b) 前記ブレーキレバーの先端部は、相対向する一対の板状部材から構成され、(c) その一対の板状部材には、前記大径頭部の径よりも大きな間隔を有し、前記コイルスプリングの一端を受け止める一対のばね受用切欠と、その一対のばね受用切欠側とは反対側に形成され、前記大径頭部の径よりも小さな間隔を有し、その大径頭部を受け止める一対のケーブル掛止用切欠と、前記ばね受用切欠の間に挿入された前記大径頭部を前記ケーブル掛止用切欠に案内する案内経路とが形成されている。
本発明のドラムブレーキによれば、(b) 前記ブレーキレバーの先端部は、相対向する一対の板状部材から構成され、(c) その一対の板状部材には、前記大径頭部の径よりも大きな間隔を有し、前記コイルスプリングの一端を受け止める一対のばね受用切欠と、その一対のばね受用切欠側とは反対側に形成され、前記大径頭部の径よりも小さな間隔を有し、その大径頭部を受け止める一対のケーブル掛止用切欠と、前記ばね受用切欠の間に挿入された前記大径頭部を前記ケーブル掛止用切欠に案内する案内経路とが形成されている。このため、前記バッキングプレートの貫通穴に前記ブレーキケーブルの大径頭部が挿入されると、その大径頭部が、前記ケーブル案内部材によって前記コイルスプリングの内部に案内され、前記コイルスプリングによって前記ブレーキレバーの先端部の前記ばね受用切欠の間に挿入される。そして、前記ばね受用切欠の間に挿入された前記大径頭部が前記案内経路によって前記一対のケーブル掛止用切欠に案内されてその一対のケーブル掛止用切欠に確実に掛止される。また、前記ブレーキレバーの先端部すなわち前記ブレーキレバーは、相対向する一対の板状部材から構成されているので、従来に比較して前記ブレーキレバーを構成する部品点数を減少させることができると共に、可動部分がないことによる耐久性が高められる。
ここで、好適には、(d) 前記一対の板状部材の前記ケーブル掛止用切欠の前記ばね受用切欠側および前記ブレーキレバーの基端部側には、その一対の板状部材の先端部の間の距離がそのブレーキケーブルの大径頭部の径より小さい間隔となるように互いに接近して曲成された一対の絞り部が備えられ、(e) 前記案内経路は、その一対の絞り部によって形成されたものである。このため、前記ばね受用切欠の間に挿入された前記大径頭部が、前記一対の板状部材に形成された前記一対の絞り部に当接して前記一対のケーブル掛止用切欠に案内される。
また、好適には、(f) 前記ブレーキケーブルの大径頭部の先端面は、部分球面形状になっている。このため、前記バッキングプレートの貫通穴に挿入された前記ブレーキケーブルの大径頭部が比較的滑らかに前記一対のケーブル掛止用切欠に案内される。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は理解を容易とするために適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明の一実施例のパーキングロック機能を備えたシュー間隙自動調節機構付ドラムブレーキであるリーディング・トレーリング型の車両用ドラムブレーキ(以下、ドラムブレーキという)10であって、ブレーキドラム12を取り外して示す正面図である。ブレーキドラム12は、図1の1点鎖線で示す2つの同心円で表されており、その2つの円のうちの中心側の円はブレーキドラム12の内周面14を示している。
ドラムブレーキ10には、図1に示すように、略円板形状を成し、たとえば図示しないアクスル等の車両足廻り部品すなわち非回転部品に一体的に固設されたバッキングプレート16が備えられている。
ドラムブレーキ10には、図1に示すように、バッキングプレート16の外周部に凸側が外側になる姿勢で互いに接近離間可能に略対称的に配設された円弧形状の一対のブレーキシュー18、20と、その一対のブレーキシュー18、20の一端部すなわち図1の上端部の間においてバッキングプレート16に位置固定に設けられたホイールシリンダ22と、一対のブレーキシュー18、20の一端部を互いに接近する方向に常時付勢するために、その一端部間に張設されたコイル状のリターンスプリング24と、そのコイル状のリターンスプリング24の内部を挿通するように一対のブレーキシュー18、20の一端部間に掛け渡され、非制動時における一対のブレーキシュー18、20とブレーキドラム12との間すなわちシュー間隙を自動的に調節するシュー間隙自動調節機構26と、一対のブレーキシュー18、20の他端部すなわち図1の下端部の間に位置固定に設けられたアンカ28と、一対のブレーキシュー18、20の下端部間に張設されてそれら下端部をアンカ28に常時当接させるスプリング30とが備えられている。
一対のブレーキシュー18、20は、何れも、バッキングプレート16の平板部16aと略平行な平板状を成し且つ図1に示す正面図において全体が円弧形状に湾曲した形状に打ち抜かれたシューウェブ32、34と、それらの円弧形状を成す外周側端縁に沿って断面が略T字状を成すように一体的に固設された帯板状のシューリム36、38と、それらシューリム36、38の外周面に接着剤などで一体的に固着された摩擦材から成るライニング40、42とによってそれぞれ構成されている。また、一対のブレーキシュー18、20は、シューウェブ32、シューウェブ34にそれぞれ配設されたシューホールドダウン装置44、46によってバッキングプレート16側へ押圧されることによりそのバッキングプレート16に対して面方向の相対移動可能に保持されている。
図1に示すように、ブレーキシュー18の一端部には、長手状のパーキングブレーキレバー(以下、ブレーキレバーという)48の基端部48aがピン50により相対回動可能に連結されている。ブレーキレバー48の先端部48bには、その先端部48bから一体にシューリム36の内周面に接近する方向に突き出されシューリム36の内周面に当接する突部48cが形成されている。また、ブレーキレバー48の先端部48bには、パーキングブレーキペダル、パーキングブレーキレバー等の図示されていないブレーキ操作装置が操作されることによって発生する操作力をブレーキレバー48の先端部48bに伝達する断面円形状のブレーキケーブル52が連結されている。このため、前記ブレーキ操作装置が操作されてブレーキレバー48が回動すると、ブレーキシュー20の一端部がシュー間隙自動調節機構26のストラット部材によって押圧されると共にブレーキシュー18の一端部がピン50によって押圧されて、一対のブレーキシュー18、20が拡開する。なお、ブレーキケーブル52の先端部すなわちブレーキケーブル52のブレーキレバー48側の端部(ケーブルエンド)には、ブレーキケーブル52の径より大径に形成された大径頭部52aが固定されており、その大径頭部52aの先端面52bは部分球面形状になっている。
図2に示すように、バッキングプレート16には、ブレーキケーブル52の大径頭部52aを通すためにバッキングプレート16のブレーキシュー20の他端部側に貫通された貫通穴16bと、その貫通穴16bにバッキングプレート16の裏側から嵌め着けられたケーブル取付部材54と、そのケーブル取付部材54上に配設されたケーブル案内部材56と、そのケーブル案内部材56とブレーキレバー48の先端部48bとの間に配設されたコイル状のコイルスプリング58と、ケーブル取付部材54とケーブル案内部材56とをバッキングプレート16に固定する固定装置60とが備えられている。
図2に示すように、ケーブル取付部材54は、弾性変形可能な材質たとえばプラスチック或いは合成ゴムによって構成されており、ケーブル取付部材54には、そのケーブル取付部材54の一部分から貫通穴16bを通りブレーキシュー20側に突き出した貫通穴16bより僅かに大きい嵌着突起部54aと、ブレーキケーブル52が挿通可能な大きさでケーブル取付部材54に貫通された貫通穴54bとが備えられている。
ケーブル案内部材56は、一枚の板状部材をプレス加工によって曲成されたものであり、ケーブル案内部材56には、図1に示す固定装置60のセレーションボルト62によってバッキングプレート16に固定された平板状の固定部56aと、その固定部56aの一部からバッキングプレート16の貫通穴16b上を覆うように略半円筒形状に曲成された半円筒部56bと、その半円筒部56bのブレーキレバー48側の端部が半円筒部56bの径より大径に曲成された大径部56cとが一体に備えられている。なお、ケーブル案内部材56の固定部56aは、セレーションボルト62の軸部62aの基端部に形成されたセレーション部がバッキングプレート16に穿設された嵌合穴に圧入されることによって、バッキングプレート16に固定されている。また、ケーブル取付部材54には、バッキングプレート16に取り付けられたセレーションボルト62の軸部62aを挿通させる挿通穴が形成されており、その挿通穴に挿通するセレーションボルト62の軸部62aにナットが締め付けられることによって、ケーブル取付部材54がバッキングプレート16に固定されている。固定装置60は、前記ナットとセレーションボルト62とにより構成されている。
図2に示すように、コイルスプリング58は、断面円形の線材が一軸線に沿ってコイル状に巻回されることによって形成されたものであり、コイルスプリング58の一端すなわちコイルスプリング58のブレーキレバー48側の端がブレーキレバー48の先端部48bに受け止められており、コイルスプリング58の他端部すなわちコイルスプリング58のケーブル案内部材56側の端部がケーブル案内部材56の大径部56cに受け止められている。なお、コイルスプリング58の他端部は、ケーブル案内部材56の大径部56cに嵌め入れられ、その大径部56cがかしめられることによってケーブル案内部材56に固定されている。また、ケーブル取付部材54の貫通穴54bの軸心を示す軸線L1がコイルスプリング58の他端部の内部に位置するようにケーブル取付部材54がバッキングプレート16に取り付けられている。また、コイルスプリング58は圧縮された状態でケーブル案内部材56とブレーキレバー48の先端部48bとの間に配設されている。
図2および図3に示すように、ブレーキレバー48は、一対の板状部材64、66をプレス加工により2枚合わせされ、必要に応じてスポット溶接されたものである。ブレーキレバー48の先端部48bすなわち一対の板状部材64、66の先端部64a、66aには、ブレーキケーブル52の大径頭部52aの径Dよりも大きな間隔Aを有し、コイルスプリング58の一端を受け止める一対のばね受用切欠64b、66bと、その一対のばね受用切欠64b、66bとは反対側に形成され、大径頭部52aの径Dよりも小さな間隔Bを有し、大径頭部52aを受け止める一対の掛止用切欠64c、66cと、コイルスプリング58の内部を通りばね受用切欠64b、66bの間に挿入された大径頭部52aをケーブル掛止用切欠64c、66cに案内する案内経路68とが形成されている。なお、一対の板状部材64、66の先端部64a、66aにおいて、ばね受用切欠64b、66bはコイルスプリング58の一端側の一部が凹状に切り欠かれた部分であり、ケーブル掛止用切欠64c、66cはブレーキケーブル52の軸心方向におけるばね受用切欠64b、66bとは反対側の一部が凹状に切り欠かれることによって形成されている。
一対の板状部材64、66の先端部64a、66aにばね受用切欠64b、66bが形成されることによって、その先端部64a、66aには、コイルスプリング58の一端を受け止める受止面64d、66dと、その受止面64d、66dに受け止められたコイルスプリング58の一端がばね受用切欠64b、66b内から外れるのを防止する一対の当接面64e、66eとが備えられている。
一対の板状部材64、66の先端部64a、66aにケーブル掛止用切欠64c、66cが形成されることによって、その先端部64a、66aには、ブレーキケーブル52の大径頭部52aを受け止める受止面64f、66fと、その受止面64f、66fに受け止められた大径頭部52aがケーブル掛止用切欠64c、66c内から外れるのを防止する一対の当接面64g、66gとが備えられている。
図3および図7に示すように、一対の板状部材64、66の先端部64a、66aにおいて、ケーブル掛止用切欠64c、66cのばね受用切欠64b、66b側およびブレーキレバー48の基端部48a側には、一対の板状部材64、66の先端部64a、66aの間の距離がブレーキケーブル52の大径頭部52aの径Dより小さい間隔となるように互いに接近して曲成された一対の絞り部64h、66hおよび66iが備えられている。一対の板状部材64、66の先端部64a、66a内において、一対の絞り部64h、66hおよび66iによって案内経路68が形成されている。
ここで、組立ラインなどにおいてブレーキレバー48にブレーキケーブル52を取り付ける場合は、先ず図4に示すように、ブレーキケーブル52の先端部に固定された大径頭部52aをバッキングプレート16の裏側から貫通穴16bに挿入させ、貫通穴16bにケーブル取付部材54の嵌着突起部54aを嵌め入れて図示しないナットでケーブル取付部材54をバッキングプレート16に固定する。この場合、バッキングプレート16はブレーキドラム12によって覆われていても良い。
次に、図5に示すように、ブレーキケーブル52の車両側の端部を例えば矢印F方向に押すことで、ブレーキケーブル52の大径頭部52aがコイルスプリング58の内部に案内され、更に、ブレーキケーブル52の車両側の端部が矢印F方向に押されると、大径頭部52aがコイルスプリング58に沿って一対の板状部材64、66の先端部64a、66aに形成されたばね受用切欠64b、66bの間に挿入される。
次に、大径頭部52aがばね受用切欠64b、66bの間に挿入されて、更にブレーキケーブル52の車両側の端部が矢印F方向に押されると、大径頭部52aは、図6に示すように絞り部64h、66hに当接してブレーキケーブル52を曲げてブレーキレバー48の基端部48a側に移動し、絞り部66iに当接して一対の板状部材64、66の先端部64a、66aに形成された案内経路68内を通る。
図7に示すように、ブレーキケーブル52の大径頭部52aが案内経路68を通過すると、大径頭部52aは、絞り部64h、66hにより曲げられていたブレーキケーブル52が直線状に戻ることによって、ケーブル掛止用切欠64c、66cに接近する方向に移動する。そして、ブレーキケーブル52の車両側の端部が矢印F方向とは逆方向に引かれると、大径頭部52aがケーブル掛止用切欠64c、66c内に嵌め入れられて、ブレーキレーキ48の先端部48bにブレーキケーブル52の先端部が取り付けられる。なお、図5および図7に示す一点鎖線で示された大径頭部Cは、大径頭部52aが案内経路68を通過した状態を示すものである。
本実施例のドラムブレーキ10によれば、ブレーキレバー48の先端部48bは、相対向する一対の板状部材64、66から構成され、一対の板状部材64、66の先端部64a、66aには、大径頭部52aの径Dよりも大きな間隔を有し、コイルスプリング58の一端を受け止める一対のばね受用切欠64b、66bと、その一対のばね受用切欠64b、66b側とは反対側に形成され、大径頭部52aの径Dよりも小さな間隔を有し、その大径頭部52aを受け止める一対のケーブル掛止用切欠64c、66cと、ばね受用切欠64b、66bの間に挿入された大径頭部52aをケーブル掛止用切欠64c、66cに案内する案内経路68とが形成されている。このため、バッキングプレート16の貫通穴16bにブレーキケーブル52の大径頭部52aが挿入されると、大径頭部52aが、ケーブル案内部材56によってコイルスプリング58の内部に案内され、コイルスプリング58によってブレーキレバー48の先端部48bのばね受用切欠64b、66bの間に挿入される。そして、ばね受用切欠64b、66bの間に挿入された大径頭部52aが案内経路68によって一対のケーブル掛止用切欠64c、66cに案内されてその一対のケーブル掛止用切欠64c、66cに確実に掛止される。また、ブレーキレバー48の先端部48bすなわちブレーキレバー48は、相対向する一対の板状部材64、66から構成されているので、従来に比較してブレーキレバー48を構成する部品点数を減少させることができると共に、従来のような可動部分がブレーキレバー48の先端部48bにないことによる先端部48bの耐久性が高められる。
また、本実施例のドラムブレーキ10によれば、一対の板状部材64、66のケーブル掛止用切欠64c、66cのばね受用切欠64b、66b側およびブレーキレバー48の基端部48a側には、その一対の板状部材64、66の先端部64a、66aの間の距離がそのブレーキケーブル52の大径頭部52aの径Dより小さい間隔となるように互いに接近して曲成された一対の絞り部64h、66hおよび66iが備えられ、案内経路68は、その一対の絞り部64h、66hおよび66iによって形成されたものである。このため、ばね受用切欠64b、66bの間に挿入された大径頭部52aが、一対の板状部材64、66に形成された一対の絞り部64h、66hおよび66iに当接して一対のケーブル掛止用切欠64c、66cに案内される。
また、本実施例のドラムブレーキ10によれば、ブレーキケーブル52の大径頭部52aの先端面52bは、部分球面形状になっている。このため、バッキングプレート16の貫通穴16bに挿入されたブレーキケーブル52の大径頭部52aが比較的滑らかに一対のケーブル掛止用切欠64c、66cに案内される。
また、本実施例のドラムブレーキ10によれば、ブレーキレバー48は、一対の板状部材64、66による2枚合わせ構造により成形されているので、従来のようなブレーキレバー48の先端部48bにブレーキケーブル52の大径頭部52aを案内する別部材を設ける必要がない。
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、本実施例のドラムブレーキ10において、ブレーキレバー48は、略同形状の一対の板状部材64、66をプレス加工によって2枚合わせにして構成されていたが、例えば、ブレーキレバー48の先端部48bだけを2枚合わせにしても良い。すなわち、板状部材64に板状部材66の先端部66aだけを例えば溶接によって固定しても良い。
また、本実施例のドラムブレーキ10において、絞り部66iは、板状部材66の先端部66aだけが曲成されることによって形成されていたが、絞り部64h、66hのように板状部材66の先端部66aおよび板状部材64の先端部64aの両方が曲げられて絞り部が形成されても良い。また、絞り部64h、66hは、板状部材66の先端部66aおよび板状部材64の先端部64aの両方が曲げられることにより絞り部を形成したが、絞り部66iのように一対の板状部材64、66の先端部64a、66aの一方だけが曲げられることにより絞り部が形成されても良い。
その他一々例示はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:ドラムブレーキ
16:バッキングプレート
16b:貫通穴
18、20:一対のブレーキシュー
48:ブレーキレバー
48a:基端部
48b:先端部
52:ブレーキケーブル
52a:大径頭部
52b:先端面
56:ケーブル案内部材
58:コイルスプリング
64、66:一対の板状部材
64b、66b:一対のばね受用切欠
64c、66c:一対のケーブル掛止用切欠
64h、66h、66i:一対の絞り部
68:案内経路
D:大径頭部の径
16:バッキングプレート
16b:貫通穴
18、20:一対のブレーキシュー
48:ブレーキレバー
48a:基端部
48b:先端部
52:ブレーキケーブル
52a:大径頭部
52b:先端面
56:ケーブル案内部材
58:コイルスプリング
64、66:一対の板状部材
64b、66b:一対のばね受用切欠
64c、66c:一対のケーブル掛止用切欠
64h、66h、66i:一対の絞り部
68:案内経路
D:大径頭部の径
Claims (3)
- バッキングプレートに拡開可能に配設された一対のブレーキシューと、該一対のブレーキシューの一方の一端部に基端部が回動可能に連結されたブレーキレバーと、該ブレーキレバーの先端部に大径頭部が掛止されるブレーキケーブルと、該ブレーキケーブルの大径頭部を通すために該バッキングプレートに貫通された貫通穴と、一端が前記ブレーキレバーの先端部に受け止められたコイルスプリングと、該コイルスプリングの他端部を受け止めると共に前記貫通穴に挿入された前記ブレーキケーブルの大径頭部を該コイルスプリングの内部に案内するケーブル案内部材とを備え、該ブレーキケーブルの先端部に固定された大径頭部を該バッキングプレートの裏側から該貫通穴に挿入して該ブレーキレバーの先端部に掛止するドラムブレーキであって、
前記ブレーキレバーの先端部は、相対向する一対の板状部材から構成され、
該一対の板状部材には、前記大径頭部の径よりも大きな間隔を有し、前記コイルスプリングの一端を受け止める一対のばね受用切欠と、該一対のばね受用切欠側とは反対側に形成され、前記大径頭部の径よりも小さな間隔を有し、該大径頭部を受け止める一対のケーブル掛止用切欠と、前記ばね受用切欠の間に挿入された前記大径頭部を前記ケーブル掛止用切欠に案内する案内経路とが形成されていることを特徴とするドラムブレーキ。 - 前記一対の板状部材の前記ケーブル掛止用切欠の前記ばね受用切欠側および前記ブレーキレバーの基端部側には、該一対の板状部材の先端部の間の距離が該ブレーキケーブルの大径頭部の径より小さい間隔となるように互いに接近して曲成された一対の絞り部が備えられ、
前記案内経路は、該一対の絞り部によって形成されたものである請求項1のドラムブレーキ。 - 前記ブレーキケーブルの大径頭部の先端面は、部分球面形状になっている請求項1または2のドラムブレーキ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012019342A JP2013155860A (ja) | 2012-01-31 | 2012-01-31 | ドラムブレーキ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2012019342A JP2013155860A (ja) | 2012-01-31 | 2012-01-31 | ドラムブレーキ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013155860A true JP2013155860A (ja) | 2013-08-15 |
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ID=49051248
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2012019342A Pending JP2013155860A (ja) | 2012-01-31 | 2012-01-31 | ドラムブレーキ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2013155860A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018062567A1 (ja) * | 2016-09-30 | 2018-04-05 | 株式会社アドヴィックス | ケーブルガイドおよび車両用ブレーキ |
-
2012
- 2012-01-31 JP JP2012019342A patent/JP2013155860A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018062567A1 (ja) * | 2016-09-30 | 2018-04-05 | 株式会社アドヴィックス | ケーブルガイドおよび車両用ブレーキ |
JP2018058390A (ja) * | 2016-09-30 | 2018-04-12 | 株式会社アドヴィックス | ケーブルガイドおよび車両用ブレーキ |
CN109789864A (zh) * | 2016-09-30 | 2019-05-21 | 株式会社爱德克斯 | 缆索引导件以及车辆用制动器 |
CN109789864B (zh) * | 2016-09-30 | 2021-04-06 | 株式会社爱德克斯 | 缆索引导件以及车辆用制动器 |
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