JP2013155700A - オフセット量設定方法及びオフセットクランクエンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】オフセットクランクエンジンにおいて側力による影響を抑えることができるオフセット量設定方法を提供する。
【解決手段】オフセット量Lをパラメータとして、各オフセット量Lにおけるクロスヘッドから隔壁に作用する側力Fsを求める側力演算ステップS1と、同相合計側力Fsf及び逆相合計側力Fsrを求める合計側力演算ステップS2と、一サイクルにおける同相合計側力Fsf及び逆相合計側力Fsrの絶対値の最大値を求める最大値評価ステップS3と、オフセット量Lをパラメータとして、最大値評価ステップS3で求められた同相合計側力Fsf及び逆相合計側力Fsrの絶対値の最大値を比較することで、オフセット量Lを決定するオフセット量決定ステップS4とを備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、クランク軸の軸心がピストンの中心線からオフセットされたオフセットクランクエンジンにおけるオフセット量設定方法、及び該オフセット量設定方法でオフセット量を設定したオフセットクランクエンジンに関する。
例えば船舶に用いられるディーゼルエンジンとして、特許文献1に記載されたものが知られている。このディーゼルエンジンは、ガス圧荷重によって往復動するピストンに連動するクロスヘッドと、クランク軸回りに回動可能とされたクランクピンと、クロスヘッド及びクランクピンを接続するコンロッドとを有するクランク機構を備えている。そして、ピストンの往復動に基づいてクロスヘッド及びコンロッドを介してクランクピンが回動することで、動力を得ることができるようになっている。
このディーゼルエンジンでは、クランク機構が複数並設されており、隣接するクランク機構の間には隔壁が設けられている。
クランク機構の駆動時には、コンロッドが揺動してピストンの中心線から傾斜した状態にある際、ピストンの押圧力がクロスヘッドに対して機関左右方向の分力を生じさせ、該クロスヘッドが隔壁に押し付けられる。これによって隔壁には、該隔壁とクロスヘッドとの間で摺動摩擦を生じさせる側力が一対のクランク機構それぞれから作用する。
クロスヘッドから隔壁に対して一方側に向かって作用する側力を正とし、他方側に向かって作用する側力を負とした場合における一の隔壁へのその両側に存在するクロスヘッドからの側力の和(同相合計側力)は、隔壁を圧縮あるいは延伸させる圧縮力及び引張力として作用し、該側力の差(逆相合計側力)は、隔壁を曲げる曲げモーメントとして作用する。
一方、エンジンにおけるクランク機構としては、例えば特許文献2に示すように、クランク軸の軸心をピストンの中心線からオフセットさせたクランク機構が知られている。このようにクランク軸の軸心をオフセットすることにより、上記側力の低減効果を得ることができる。
特開2011−127536号公報 特開平7−150969号公報
ところで、近年、高出力化・高効率化の要請からシリンダ内圧力レベルの増大や該シリンダの大口径化が進んでいる。これに伴って、上記側力の値が大きくなると、該側力に耐えるべく隔壁の強度を増大させる必要がある。これによって、板厚増加やリブ追加等の補強対策を施す必要があり、エンジンの重量増大を招いてしまうという問題があった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、オフセットクランクエンジンにおいて側力による影響を抑えることができるオフセット量設定方法、及び、該オフセット量設定方法によりオフセット量が設定されたオフセットクランクエンジンを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を提供している。
即ち、本発明に係るオフセット量設定方法は、ガス圧荷重によって往復動するピストンに連動するクロスヘッドと、軸心が前記ピストンの中心線からオフセットされたクランク軸回りに回動可能とされたクランクピンと、前記クロスヘッド及び前記クランクピンを接続するコンロッドとを有するクランク機構が、互いに位相差をもって駆動するように少なくとも一対設けられ、これらクランク機構の間に隔壁を備えたオフセットクランクエンジンにおけるオフセット量設定方法であって、前記クロスヘッドから前記隔壁に対して一方側に作用する側力を正とするとともに他方側に作用する該側力を負とし、前記オフセット量をパラメータとして、各オフセット量における前記クロスヘッドから前記隔壁に作用する側力を求める側力演算ステップと、該側力演算ステップで求められた前記側力に基づいて、一対の前記クロスヘッドそれぞれから前記隔壁に作用する前記側力の和である同相合計側力、及び、該側力の差である逆相合計側力を求める合計側力演算ステップと、一サイクルにおける前記同相合計側力及び前記逆相合計側力の絶対値の最大値を求める最大値評価ステップと、前記オフセット量をパラメータとして、前記最大値評価ステップで求められた前記同相合計側力及び前記逆相合計側力の絶対値の最大値を比較することで、前記オフセット量を決定するオフセット量決定ステップと、を備えることを特徴とする。
このような特徴のオフセット量設定方法によれば、一対のクランク機構のクロスヘッドから隔壁に作用する側力の和である同相合計側力、及び、該側力の差である逆相合計側力のそれぞれ最大値を小さくすることができる。
さらに、本発明に係るオフセット量設定方法において、前記側力演算ステップでは、前記各オフセット量に対するクランク角の関数としての前記クロスヘッドの慣性力及び前記コンロッドの揺動角を算出し、これら慣性力・揺動角と前記ガス圧荷重に基づいて前記側力を算出することを特徴とする。
これによって、側力を適切に算出することができる。
さらに、本発明に係るオフセット量設定方法において、前記合計側力演算ステップでは、一対の前記クランク機構の位相差を勘案して各前記クロスヘッドによる前記側力を加算又は減算することで前記同相合計側力及び前記逆相合計側力を算出することが好ましい。
これによって、同相合計側力及び逆相合計側力を適切に算出することができる。
また、本発明に係るオフセット量設定方法において、前記最大値評価ステップでは、前記同相合計側力及び前記逆相合計側力のいずれかに係数を乗じた重み付けをし、該重み付け後の値を同相合計側力及び逆相合計側力として絶対値の最大値を求めてもよい。
これによって、例えば引張力及び圧縮力に対する感度の高い隔壁の場合には、同相合計側力に重み付けをしてこれら引張力及び圧縮力への耐久性の高いオフセットクランクエンジンを設計することができる一方、曲げモーメントに対する感度の高い隔壁の場合には、逆相合計側力に重み付けをして該曲げモーメントへの耐久性の高いオフセットクランクエンジンを設計することができる。
さらに、本発明に係るオフセットクランクエンジンは、上記いずれかのオフセット量設定方法により、前記オフセット量が設定されたことを特徴とする。
これによって、一対のクランク機構のクロスヘッドから隔壁に作用する側力の和である同相合計側力、及び、該側力の差である逆相合計側力のそれぞれ最大値を小さくしたオフセットクランクエンジンを得ることができる。
本発明のオフセット量設定方法及びオフセットクランクエンジンによれば、一対のクランク機構のクロスヘッドから隔壁に作用する側力の和である同相合計側力、及び、該側力の差である逆相合計側力のそれぞれ最大値を小さくすることができるため、側力による影響を最小限に抑えることが可能となる。
実施形態に係るオフセットクランクエンジンの全体概要を説明する縦断面模式図である。 図1のA−A断面図である。 図1におけるクランク機構の幾何学的配置関係を説明する模式図である。 同相合計側力について説明するための図である。 逆相合計側力について説明するための図である。 実施形態に係るオフセットクランクエンジンのオフセット量設定方法の手順を示すフローチャートである。 クランク機構における一サイクルの側力の変化である側力パターンを示すグラフである。 オフセット量を0とした場合のクランク角と同相合計側力及び逆相合計側力の関係を示すグラフである。 オフセット量をパラメータとした際のオフセット量/クランク半径と合計側力(同相合計側力及び逆相合計側力)の最大値との関係を示すグラフである。
以下、本発明に係るオフセット量の設定方法及びオフセットクランクエンジンの実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
まず、オフセットクランクエンジンの全体構成について図1に基づいて説明する。
図1に示すように、オフセットクランクエンジン100は、上方から下方に向かってジャケット10、架構20及び台板30が順次タイボルト等で一体に固定された構成をなしている。
ジャケット10の上部には、図示しない燃焼室を有するシリンダ41内にピストン42が上下方向に往復動可能に設けられ、シリンダ41から下方に突出するピストン42の下端にはクロスヘッド43が一体に連結されている。
クロスヘッド43には直線状に延在するコンロッド44の一端が回動可能に接続されており、該コンロッド44の他端には、台板30内に配置されたクランク軸46回りに回動可能とされたクランクピン45が回動可能に接続されている。また、本実施形態では、クランク軸46の軸心がシリンダ41の中心線Oからオフセットされている。
これらシリンダ41、ピストン42、クロスヘッド43、コンロッド44及びクランク軸46を回転中心としたクランクピン45によってクランク機構40が構成されている。シリンダ41内に供給される燃料に基づくガス圧荷重Fgによってピストン42がシリンダ41の中心線Oに沿って往復動する際には、クロスヘッド43が連動して上下方向に往復動する。そして、このクロスヘッド43の上下動がコンロッド44を介してクランクピン45に伝達されることで該クランクピン45がクランク軸46回りに回動し、これが出力としてオフセットクランクエンジン100の外部へと伝達されるようになっている。
このようなクランク機構40は、クランクピン45の回動軌跡を含む平面に直交する方向(図1の奥行き方向、図2の左右方向)に互いに間隔をあけて複数が並設されており、それぞれ隣接するクランク機構40同士で位相差をもって駆動するように構成されている。
架構20は、図1及び図2に示すように、該架構20の外郭を構成する側板51,52と、複数の二重隔壁(隔壁)60と、仕切り板63とを有している。
側板51,52は、カム側と排気側とに離間するように一対が設けられている。
各二重隔壁60は、カム側の側板51に一体に設けられたカム側隔壁部61と、排気側の側板52に一体に設けられた排気側隔壁部62とを有している。これらカム側隔壁部61と排気側隔壁部62とはカム側と排気側とに互いに間隔をあけて対向している。
このような二重隔壁60は、クランク機構40の並設方向(図1の奥行き方向、図2の左右方向)に間隔をあけて複数が並設されている。
仕切り板63は、各二重隔壁60におけるカム側隔壁部61と排気側隔壁部62とを接続している。これら仕切り板63によって、隣接する一対の二重隔壁60の間にクロスヘッド43を案内する空間が形成されている。即ち、上記複数のクランク機構40は、図2に示すように、クロスヘッド43が隣接する二重隔壁60の間の空間に配設されるように設けられている。そして、一のクロスヘッド43は、該クロスヘッド43を挟む一対の二重隔壁60に取り付けられたガイドバー64よって案内されるようになっている。
コンロッド44が揺動して該コンロッド44がピストン42の中心線Oから傾斜した状態にある際、ピストン42の押圧力がクロスヘッド43に対して左右方向の分力を生じさせ、該クロスヘッド43が二重隔壁60に押し付けられる。これによって二重隔壁60には、該二重隔壁60とクロスヘッド43との間で摺動摩擦を生じさせる側力Fsが作用する。
ここで、図3の模式図を参照して、側力Fsについて説明する。図3に示すように、燃料の点火によってピストン42及びこれに連結されたクロスヘッド43に作用するガス圧荷重をFg、クロスヘッド43の慣性力をFi、コンロッド44の延在方向とピストン42の中心線Oとがなす角を揺動角φとする。
なお、クランクピン45は図3の時計回りに回動するものとし、クランクピン45が最も上方にある際を0としてクランク角θを定義する。
また、オフセット量Lを、ピストン42の中心線Oとクランク軸46との離間距離として定義し、クランク軸46がカム側(図3の左側)にある場合を正とし、排気側(図3の右側)にある場合を負とする。
上記ガス圧荷重Fg、慣性力Fi及び揺動角φの幾何学的な関係により、クロスヘッド43から二重隔壁60に作用する側力Fsは下記式にて表すことができる。
Fs=(Fg+Fi)tanφ …(1)
以下では、クロスヘッド43から二重隔壁60に対して一方側(図2の上側)に向かって作用する側力Fs、即ち、クロスヘッド43からカム側隔壁部61に作用する側力Fsを正とし、他方側(図2の下側)に作用する側力Fsを負とする。
一の二重隔壁60には、隣接する一対のクランク機構40それぞれのクロスヘッド43からの側力Fsが作用する。
即ち、図4に示すように、一の二重隔壁60に対して隣接する一対のクランク機構40それぞれのクロスヘッド43から同方向に側力Fs1,Fs2が作用すると、これら側力Fs1,Fs2の和が二重隔壁60を圧縮あるいは延伸させる圧縮力及び引張力として作用する。以下では、隣接するクロスヘッド43による側力Fs1,Fs2の和を、同相合計側力Fsf(=Fs1+Fs2)と定義する。
また、図5に示すように、一の二重隔壁60に対して隣接する一対のクランク機構40それぞれのクロスヘッド43から逆方向に側力Fs1,Fs2が作用すると、これら側力Fs1,Fs2の差が二重隔壁60を曲げる曲げモーメントとして作用する。以下では、隣接するクロスヘッド43による側力Fs1,Fs2の差を、逆相合計側力Fsr(=Fs1−Fs2)と定義する。
次に、上記のような構成のオフセットクランクエンジン100におけるオフセット量設定方法について図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
本実施形態のオフセット量設定方法は、側力演算ステップS1と、合計側力演算ステップS2と、最大値評価ステップS3と、オフセット量決定ステップS4とから構成されている。
まず、側力演算ステップS1を行う。側力演算ステップS1では、オフセット量Lをパラメータとして、各オフセット量Lにおけるクロスヘッド43から二重隔壁60に作用する側力Fsを求める。
具体的には、まず各オフセット量Lにおけるクランク角の関数としてのクロスヘッド43の慣性力Fi及びコンロッド44の揺動角φを算出する。本実施形態では、クランク半径r(クランク軸46とクランクピン45との距離)におけるオフセット量Lの割合、即ち、オフセット量L/クランク半径rを例えば−0.3、−0.2、−0.1、0、0.1、0.2、0.3とした場合の慣性力Fi及び揺動角φを算出する。
そして、上記のように算出したクランク角の慣性力としての慣性力Fi及び揺動角φと、ピストン42及びクロスヘッド43に作用するガス圧荷重Fgに基づいて、上記(1)式により各オフセット量における側力Fsを一サイクルにわたって算出する。
なお、該側力演算ステップS1によって求められた側力Fsの一サイクルの変化、即ち、クランク角θが360°変化した際の側力Fsの変化である側力パターンは図7に示すグラフのようになる。図7のグラフでは、横軸が側力Fsの値を示し、縦軸がピストン42及びクロスヘッド43の上死点を基準としたこれらピストン42及びクロスヘッド43の位置を示している。
続いて、合計側力演算ステップS2を行う。合計側力演算ステップS2では、上記側力演算ステップS1で求められた各オフセット量Lの際の側力Fsに基づいて、一対のクロスヘッド43それぞれから二重隔壁60に作用する側力Fs1,Fs2の和である同相合計側力Fsf、及び、該側力Fs1,Fs2の差である逆相合計側力Fsrを各オフセット量L毎に求める。
即ち、具体的には、隣接するクランク機構40の位相差を勘案して各クロスヘッド43による側力Fs1,Fs2を加算することで同相合計側力Fsfを算出する。同じく、隣接するクランク機構40の位相差を勘案して各クロスヘッド43による側力Fsを減算することで逆相合計側力Fsrを算出する。
例えばオフセット量Lが0の場合の一サイクルにおける同相合計側力Fsf及び逆相合計側力Fsrは、図8に示すグラフのようになる。この図8のグラフでは、横軸がクランク角θを示し、縦軸が合計側力(同相合計側力Fsf、逆相合計側力Fsr)を示している。このような同相合計側力Fsf、逆相合計側力Fsrの変化を、各オフセット量L毎に算出する。
次に、最大値評価ステップS3を行う。この最大値評価ステップS3では、各オフセット量Lの一サイクルにおける同相合計側力Fsf及び逆相合計側力Fsrの絶対値の最大値を求める。即ち、一サイクルにおける同相合計側力Fsfの絶対値の最大値を求めるとともに、一サイクルにおける逆相合計側力Fsrの絶対値の最大値を求める。
なお、一サイクルにおける同相合計側力Fsfの絶対値の最大値は、二重隔壁60に対する最大の圧縮力又は引張力の値を示している。一方、一サイクルにおける逆相合計側力Fsrの絶対値の最大値は、二重隔壁60に対する最大の曲げモーメントの値を示している。
この最大値評価ステップS3では、複数の各二重隔壁60に対する同相合計側力Fsf及び逆相合計側力Fsrの絶対値の最大値を求める。
ここで、図2における複数の二重隔壁60を左側から右側に向かって順に第一隔壁60A、第二隔壁60B、第三隔壁60C、第四隔壁60Dとする。また、複数のクロスヘッド43を左側から右側に向かって順に第一クロスヘッド43A、第二クロスヘッド43B、第三クロスヘッド43Cとする。さらに、第一クロスヘッド43Aのサイクルを基準とした場合、第二クロスヘッド43Bは180°の位相差をもっているものとし、第三クロスヘッド43Cは90°の位相差をもっているものとする。なお、これら位相差はあくまで一例であり、他の値の位相差を設定してもよい。
この場合、第二隔壁60Bには第一クロスヘッド43A及び第二クロスヘッド43Bから側力Fsが作用し、第三隔壁60Cには第二クロスヘッド43B及び第二クロスヘッド43Bから側力Fsが作用することになる。
図9に、第二隔壁60B及び第三隔壁60Cに作用する同相合計側力Fsf及び逆相合計側力Fsrについての最大値評価ステップS3の結果を示す。即ち、図9のグラフは、第二隔壁60B及び第三隔壁60Cに対して、上記側力演算ステップS1、合計側力演算ステップS2、最大値評価ステップS3を適用した結果を示している。なお、図9の横軸は、パラメータとしてのオフセット量L、即ち、オフセット量L/クランク半径rを示しており、縦軸は合計側力(同相合計側力Fsf、逆相合計側力Fsr)を示している。
図9のグラフにおける同相合計側力Fsfの最大値とは、各二重隔壁60におけるカム側隔壁部61に対しての同相合計側力Fsfの最大値を示している。同相合計側力Fsfの最小値とは、同相合計側力Fsfが負の値となってその絶対値が最大となる場合を示しており、つまり、各二重隔壁60における排気側隔壁部62に対して最も大きな同相合計側力Fsfが作用する場合を示している。
即ち、図9のグラフにおける同相合計側力Fsfの最大値、同相合計側力Fsfの最小値は、いずれも同相合計側力Fsfの絶対値の最大値をオフセット量L毎に評価した値である。
一方、図9のグラフにおける逆相合計側力Fsrの最大値とは、図5における時計回りの曲げモーメントを生じさせる逆相合計側力Fsrの最大値を示している。逆相合計側力Fsrの最小値とは、図5における半時計回りの最も大きな曲げモーメントを生じさせる場合を示している。
即ち、図9のグラフにおける逆相合計側力Fsrの最大値、逆相合計側力Fsrの最小値は、いずれも逆相合計側力Fsrの絶対値の最大値をオフセット量L毎に評価した値である。
そして、最後にオフセット量決定ステップS4を行う。このオフセット量決定ステップS4では、オフセット量Lをパラメータとして最大値評価ステップS3で求められた同相合計側力Fsf及び逆相合計側力Fsrの絶対値の最大値を比較することで、オフセット量Lを決定する。
即ち、最大値評価ステップS3での結果である図9のグラフを見ると、オフセット量L毎に同相合計側力Fsf及び逆相合計側力Fsrの絶対値の最大値が異なることがわかる。したがって、当該図9のグラフに基づいて、各オフセット毎の同相合計側力Fsf及び逆相合計側力Fsrの最大値の絶対値を比較して、これら絶対値が最も小さくなるようにオフセット量を決定すればよい。
本実施形態の場合、図9のグラフから、オフセット量L/クランク半径rを例えば0.1にすることで、第二隔壁60B、第三隔壁60Cそれぞれに作用する同相合計側力Fsf及び逆相合計側力Fsrの絶対値の最大値を小さくすることができる。これは、オフセット量L/クランク半径rを0.1に設定することで、二重隔壁60に作用する圧縮力又は引張力、及び、曲げモーメントを最小にできることを意味している。
このようにオフセット量が決定されることで、本実施形態のオフセット量設定方法が終了する。
以上のように、本実施形態のオフセット量設定方法によれば、各クロスヘッド43から二重隔壁60に作用する側力Fsの和である同相合計側力Fsf、及び、該側力Fsの差である逆相合計側力Fsrのそれぞれ最大値を小さくすることができるため、側力Fsによる影響を最小限に抑えることが可能となる。
したがって二重隔壁60の強度を増大すべく板厚増加やリブ追加等の補強対策を過度に施す必要がなくなるため、オフセットクランクエンジン100の不用意な大型化、重量化を回避することができる。
また、本実施形態のオフセットクランクエンジン100によれば、上記オフセット量設定方法によって各クランク機構40のオフセット量Lが設定されているため、耐久性を確保しながらエンジンの重量増大を回避することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、最大値評価ステップS3では、同相合計側力Fsf及び逆相合計側力Fsrのいずれかに係数を乗じた重み付けをし、該重み付け後の値を同相合計側力Fsf及び逆相合計側力Fsrとして絶対値の最大値を求めてもよい。この場合、このように求められたオフセット量L毎の同相合計側力Fsf及び逆相合計側力Fsrの絶対値の最大値に基づいて、オフセット量決定ステップによりオフセット量Lが決定される。
これによって、例えば同相合計側力Fsfに対する感度、即ち、圧縮力及び引張力に対する感度の高い二重隔壁60の場合には、同相合計側力Fsfに重み付けをしてこれら引張力及び圧縮力への耐久性の高いエンジンを設計することができる。一方、逆相合計側力Fsrに対する感度、即ち、曲げモーメントに対する感度の高い二重隔壁60の場合には、逆相合計側力Fsrに重み付けをして該曲げモーメントへの耐久性の高いエンジンを設計することができる。
なお、実施形態では、オフセットクランクエンジン100が、二重隔壁60を4つ、クロスヘッド43を3つ、即ち、クランク機構40を3つ備えたものとして説明したが、二重隔壁60及びクランク機構40の数はこれらに限定されることなく、他の数を備えた構成であってもよい。
10 ジャケット
20 架構
30 台板
40 クランク機構
41 シリンダ
42 ピストン
43 クロスヘッド
43A 第一クロスヘッド
43B 第二クロスヘッド
43C 第三クロスヘッド
44 コンロッド
45 クランクピン
46 クランク軸
51 側板
52 側板
60 二重隔壁(隔壁)
60A 第一隔壁
60B 第二隔壁
60C 第三隔壁
60D 第四隔壁
61 カム側隔壁部
62 排気側隔壁部
63 仕切り板
100 オフセットクランクエンジン
S1 側力演算ステップ
S2 合計側力演算ステップ
S3 最大値評価ステップ
S4 オフセット量決定ステップ
Fg ガス圧荷重
Fi 慣性力
Fs 側力
Fsf 同相合計側力
Fsr 逆相合計側力
φ 揺動角
θ クランク角
L オフセット量
r クランク半径
O 中心線

Claims (5)

  1. ガス圧荷重によって往復動するピストンに連動するクロスヘッドと、軸心が前記ピストンの中心線からオフセットされたクランク軸回りに回動可能とされたクランクピンと、前記クロスヘッド及び前記クランクピンを接続するコンロッドとを有するクランク機構が、互いに位相差をもって駆動するように少なくとも一対設けられ、
    これらクランク機構の間に隔壁を備えたオフセットクランクエンジンにおけるオフセット量設定方法であって、
    前記クロスヘッドから前記隔壁に対して一方側に作用する側力を正とするとともに他方側に作用する該側力を負とし、
    前記オフセット量をパラメータとして、各オフセット量における前記クロスヘッドから前記隔壁に作用する側力を求める側力演算ステップと、
    該側力演算ステップで求められた前記側力に基づいて、一対の前記クロスヘッドそれぞれから前記隔壁に作用する前記側力の和である同相合計側力、及び、該側力の差である逆相合計側力を求める合計側力演算ステップと、
    一サイクルにおける前記同相合計側力及び前記逆相合計側力の絶対値の最大値を求める最大値評価ステップと、
    前記オフセット量をパラメータとして、前記最大値評価ステップで求められた前記同相合計側力及び前記逆相合計側力の絶対値の最大値を比較することで、前記オフセット量を決定するオフセット量決定ステップと、
    を備えることを特徴とするオフセット量設定方法。
  2. 前記側力演算ステップでは、
    前記側力演算ステップでは、前記各オフセット量に対するクランク角の関数としての前記クロスヘッドの慣性力及び前記コンロッドの揺動角を算出し、これら慣性力・揺動角と前記ガス圧荷重に基づいて前記側力を算出することを特徴とする請求項1に記載のオフセット量設定方法。
  3. 前記合計側力演算ステップでは、
    一対の前記クランク機構の位相差を勘案して各前記クロスヘッドによる前記側力を加算又は減算することで前記同相合計側力及び前記逆相合計側力を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載のオフセット量設定方法。
  4. 前記最大値評価ステップでは、
    前記同相合計側力及び前記逆相合計側力のいずれかに係数を乗じた重み付けをし、該重み付け後の値を同相合計側力及び逆相合計側力として絶対値の最大値を求めることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のオフセット量設定方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のオフセット量設定方法により、前記オフセット量が設定されたことを特徴とするオフセットクランクエンジン。
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