JP2010230102A - 内燃機関のコネクティングロッド - Google Patents

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【課題】オフセットクランク構造の内燃機関のコネクティングロッドであっても、燃焼・膨張行程におけるコネクティングロッドの座屈強度を向上させることができる内燃機関のコネクティングロッドを提供する。
【解決手段】オフセットクランク構造のエンジン1のコネクティングロッド5であって、ピストンピン4aを回転自在に支持する小端部11とクランクピン6aを回転自在に支持する大端部12とを連結するコラム部13は、コネクティングロッド中心線Lを基準としてオフセット側の側面部13aまでの幅W1が反オフセット側の側面部13bまでの幅W2より小さい非対称に形成されるとともに、オフセット側の第1のリブ部31は、コネクティングロッド中心線Lに直交し、かつピストンピン4aおよびクランクピン6aの回転運動の中心線に垂直な幅方向の厚みT1が、反オフセット側の第2のリブ部32の幅方向の厚みT2より大きく形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関のコネクティングロッドに関し、特に、シリンダの中心線に対して回転運動の中心線をオフセットしたクランクシャフトとピストンとを連結する内燃機関のコネクティングロッドに関する。
一般に、いわゆるレシプロエンジンなどの内燃機関にあっては、ピストンとクランクシャフトとがコネクティングロッドにより連結され、燃焼行程における混合気の爆発力によって得られるシリンダ内でのピストンの往復運動をクランク機構によって回転運動に変換してクランクシャフトを回転させるようになっている。ここで、シリンダ内でのピストンの往復運動の過程においては、ピストンをシリンダ壁面に押し付ける側圧、いわゆるサイドフォースが生じる。このサイドフォースは、内燃機関の燃焼・膨張行程において増大し、特に燃焼圧力が最大となるタイミング、すなわちピストンの位置が上死点位置よりも僅かに下方に位置するとともに、ピストンの上死点位置のクランク回転角よりも僅かにクランク回転角が進んだ位置において最も大きくなる。
このため、上述のような一般的なクランク機構を採用する内燃機関にあっては、前述の燃焼・膨張行程におけるサイドフォースに起因して、最大燃焼圧力の効率的な利用が損なわれ、ひいては動力変換の効率化が損なわれるという問題が生じていた。
そこで、近年、サイドフォースの低減を図って効率的な動力変換を可能にするべく、クランクシャフトの回転運動の中心線をシリンダの中心線に対してオフセットしたいわゆるオフセットクランク構造を採用する内燃機関が広く知られている。
このようなオフセットクランク構造を採用する内燃機関にあっては、燃焼圧力が最大となるタイミングである燃焼圧ピーク時において、コネクティングロッドのピストンと連結する連結点と、クランクシャフトと連結する連結点とを結ぶ線がシリンダの中心線に対して略平行となるため、燃焼・膨張行程において、サイドフォースの低減を図ることができる。
ところで、上述のオフセットクランク構造において、効率的な動力変換を実現するため、シリンダの中心線に対するクランクシャフトの中心線のオフセット量をある程度大きく設定する必要がある。しかしながら、上述のオフセット量を大きく設定すると、コネクティングロッドの一方側の側面部がシリンダ下端部の内壁面部に接近することとなり、コネクティングロッドとシリンダとの干渉が生じ得る。したがって、コネクティングロッドとシリンダとの干渉を回避するためには、例えば、コネクティングロッドの全長を長くしたり、シリンダ下端部を上方に引き上げるなどの対策が必要となり、ひいてはシリンダブロックの体格の増加に繋がり、エンジン全高の増大を招くおそれがあった。そこで、従来、シリンダブロックの体格を維持しつつ、オフセットクランク構造におけるコネクティングロッドとシリンダとの干渉を回避するようにした内燃機関のコネクティングロッドが提案されている。
この種の内燃機関のコネクティングロッドとしては、内燃機関のピストンに設けられたピストンピンが挿通される挿通孔が形成された小端部と、オフセットクランク構造のクランクシャフトに設けられたクランクピンが挿通される挿通孔が形成された大端部と、前述の小端部と大端部とを連結するコラム部とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような構成の内燃機関のコネクティングロッドにおいては、コラム部が、小端部および大端部のそれぞれに形成された各挿通孔の中心を結ぶ中心線(以下、コネクティングロッド中心線という)を基準として、クランクシャフトの回転運動の中心線がオフセットされた側、すなわちシリンダ下端部の内壁面部に近接する側に位置する部分(以下、オフセット側リブ部という)よりもオフセットされた側と反対側に位置する部分(以下、反オフセット側リブ部という)が厚肉に形成されている。
上述のような特許文献1に記載の従来の内燃機関のコネクティングロッドは、シリンダとの干渉を回避するとともに、反オフセット側リブ部を厚くすることによりコラム部の曲げ変形に対する剛性の向上を図ることができる。
特開2008−116006号公報
しかしながら、上述のような従来の内燃機関のコネクティングロッドにあっては、オフセットクランク構造を採用しているため、燃焼・膨張行程における燃焼圧ピーク時に、コネクティングロッド中心線を基準にオフセット側リブ部にピストンからの圧縮荷重に対する応力分布の偏りが生じることとなる。このとき、上述の従来の内燃機関のコネクティングロッドにおいては、反オフセット側リブ部の厚みのみが補強され、反オフセット側リブ部の厚みに対してオフセット側リブ部の厚みが小さくなるよう形成されているので、オフセット側リブ部に掛かる燃焼圧ピーク時のピストンからの圧縮荷重が反オフセット側リブ部に掛かる圧縮荷重に比べて大きくなる。このため、コラム部の反オフセット側リブ部を厚肉に形成した場合であっても、燃焼圧ピーク時の圧縮荷重に対する座屈強度の向上が十分でなかった。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、オフセットクランク構造を採用する内燃機関のコネクティングロッドであっても、燃焼・膨張行程におけるコネクティングロッドの座屈強度を向上させることができる内燃機関のコネクティングロッドを提供することを目的とする。
本発明に係る内燃機関のコネクティングロッドは、上記目的達成のため、(1)内燃機関のシリンダ内に往復動可能に挿入されたピストンと前記シリンダの中心線に対してオフセットされた位置に回転運動の中心線が位置するクランクシャフトとを連結する内燃機関のコネクティングロッドであって、前記ピストンのピストンピンが挿通される第1の挿通孔が形成されるとともに、前記ピストンピンを回転自在に支持する小端部と、前記クランクシャフトのクランクピンが挿通される第2の挿通孔が形成されるとともに、前記クランクピンを回転自在に支持する大端部と、前記第1の挿通孔の中心と前記第2の挿通孔の中心とを結ぶコネクティングロッド中心線を基準として、前記クランクシャフトがオフセットされたオフセット側の側面部までの幅が前記オフセット側と反対側の反オフセット側の側面部までの幅より小さい非対称に形成されるとともに、前記小端部と前記大端部とを連結するコラム部とを備え、前記コラム部は、前記オフセット側に形成された第1のリブ部と、前記反オフセット側に形成された第2のリブ部とを有し、前記第1のリブ部は、前記コネクティングロッド中心線に直交し、かつ前記ピストンピンおよび前記クランクピンの回転運動の中心線に垂直な幅方向の厚みが、前記第2のリブ部の前記幅方向の厚みより大きく形成されるよう構成される。
この構成により、コラム部が、コネクティングロッド中心線を基準として、オフセット側の側面部までの幅が反オフセット側の側面部までの幅より小さい非対称に形成されているので、クランクシャフトをオフセットしたことによるコネクティングロッドとシリンダとの干渉を回避することができる。
また、内燃機関の燃焼・膨張行程において、特に最大の燃焼圧力に応じた圧縮荷重がピストンを介してコラム部に掛かることにより、圧縮荷重に対する応力分布が第1のリブ部に偏った場合であっても、コラム部に形成された第1のリブ部の幅方向の厚みが第2のリブ部の幅方向の厚みより大きく形成されているため、最大の燃焼圧力に応じた圧縮荷重に対するコネクティングロッドの座屈強度を向上させることができる。
本発明によれば、オフセットクランク構造を採用する内燃機関のコネクティングロッドであっても、燃焼・膨張行程におけるコネクティングロッドの座屈強度を向上させることができる内燃機関のコネクティングロッドを提供することができる。
本発明の実施の形態に係る内燃機関のコネクティングロッドが適用される内燃機関の概略構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関のコネクティングロッドの概略構成を示す内燃機関の一部拡大断面図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関のコネクティングロッドの概略構成を示す内燃機関の一部拡大断面図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関のコネクティングロッドの正面図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関のコネクティングロッドの側面図である。 本発明の実施の形態に係る内燃機関のコネクティングロッドの図4におけるB−B断面を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
まず、図1を参照して、本発明の実施の形態に係る内燃機関のコネクティングロッドが適用される内燃機関の概略構成について説明する。
図1に示すように、内燃機関としてのエンジン1は、シリンダ2が形成されたシリンダブロック3と、ピストン4と、コネクティングロッド5と、クランクシャフト6とを含んで構成されており、シリンダ2内であってピストン4の上部には、シリンダ2の内壁面と図示しないシリンダヘッドとにより、燃焼室7が画成されている。
シリンダ2は、具体的には、略筒状に形成され、シリンダブロック3の内周面部に配設されたシリンダライナの内壁面によって構成されており、シリンダ2には、ピストン4が収容されるようになっている。
ピストン4は、図示しない他の3個のピストンを含めて直列4気筒のエンジン1を構成しており、シリンダ2内に往復動可能に収容されている。また、ピストン4は、コネクティングロッド5を介してクランクシャフト6に連結されており、燃焼行程における混合気の爆発力によって下降し、それに伴ってクランクシャフト6が回転するようになっている。そしてクランクシャフト6の回転による慣性力によってピストン4がコネクティングロッド5を介して上昇するようになっている。すなわち、シリンダ2内でのピストン4の往復運動がコネクティングロッド5を介してクランクシャフト6の回転運動に変換されるようになっている。なお、エンジン1は、直列4気筒のものに限られず、単気筒や任意に気筒配列された多気筒であってもよく、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなど、空気と混合し得る炭化水素などの液体または気体を燃料とする公知のエンジンであってもよい。
コネクティングロッド5は、ピストン4とクランクシャフト6とを連結するよう設けられている。またコネクティングロッド5は、他の3個のピストンにもそれぞれ設けられており、各コネクティングロッド5の端部がそれぞれクランクシャフト6に連結されている。なお、コネクティングロッド5の詳細については、後述する。
クランクシャフト6は、コネクティングロッド5に回転自在に支持される複数のクランクピン6aと、各クランクピン6aの両端が取り付けられる複数のクランクアーム6bと、これらクランクアーム6bを互いに連結するとともに、クランクシャフト6の回転軸上に配置されたクランクジャーナル6cと、クランクアーム6bの反対側に形成されたバランスウェイト6dとを備えており、クランクピン6aおよびコネクティングロッド5を介してピストン4に連結されるようになっている。また、複数の隣接したクランクピン6aは、各コネクティングロッド5に支持されているので、クランクシャフト6の回転軸に平行な直線であって、この直線を中心に互いに180°位相がずれた2つの直線上に配置されている。
燃焼室7には、図示しない吸気管から空気と燃料とからなる混合気が供給されるようになっており、供給された混合気が点火されて燃焼することにより燃焼圧力が生じ、ピストン4がシリンダ2内において下方に押し下げられるようになっている。このピストン4の下方への押圧力によってクランクシャフト6が回転し、クランクシャフト6からトルク(N・m)が出力されるようになっている。
次に、図2および図3を参照して、コネクティングロッド5が適用されるエンジン1で採用されるオフセットクランク構造について説明する。
図2および図3において、二点鎖線LBはシリンダ2の中心線を示しており、クランクシャフト6の回転運動の中心線、すなわち回転軸中心線LCがシリンダ2の中心線LBに対して図2および図3中、左側(便宜上、以下これをオフセット側という)に間隔sだけオフセットされている。したがって、クランクピン6aは、回転軸中心線LPが図2および図3中、一点鎖線CCで示す線上に沿って回転軸中心線LCがオフセットされた方向と反対方向に回転するようになっている。
また、図2に示すコネクティングロッド5の位置は、エンジン1の燃焼・膨張行程において、ピストン4に掛かる燃焼室7(図1参照)内の燃焼圧力が最大となるときの位置である。
また、図3において実線で示すコネクティングロッド5の位置は、クランクシャフト6の回転運動においてコネクティングロッド5とシリンダ2とが最も接近するときの位置である。
図2に示すように、本実施の形態においては、オフセットクランク構造を採用することにより、燃焼圧力が最大となるタイミング(以下、燃焼圧ピーク時という)、すなわちピストン4が上死点TDCよりも僅かに下方の仮想線NPで示す位置まで下降するとともに、ピストン4が上死点TDCに位置するときのクランク回転角よりも僅かにクランク回転角が進んだ角度θの位置で、コネクティングロッド5がシリンダ2の中心線LBに対して略平行となる。そのため、燃焼圧ピーク時において、オフセットクランク構造を採用しない通常のクランク機構に比べて、シリンダ2の中心線LBに対するコネクティングロッド5のピストン4との連結点とクランクシャフト6との連結点を結ぶ直線がなす傾斜角を略0にすることができる。したがって、従来生じていた燃焼圧ピーク時のコネクティングロッドの傾斜角が著しく小さくなるので、シリンダ2の内壁面に対してピストン4を押し付ける側圧、いわゆるサイドフォースの低減を図ることができる。
また、エンジン1の燃焼・膨張行程においても、オフセットクランク構造を採用しない通常のクランク機構に比べて、前述の傾斜角を小さくすることができるため、サイドフォースの低減を図ることができる。
次に、図4〜図6を参照して、コネクティングロッド5の構成について説明する。なお、図5は、図4において矢印Aで示す方向から見た側面図である。
図4〜図6に示すように、コネクティングロッド5は、例えば剛性の高い炭素鋼の鍛造加工により形成され、ピストン4側の端部に設けられた小端部11と、クランクシャフト6側の端部に設けられた大端部12と、小端部11と大端部12とを連結するコラム部13とを含んで構成されている。
小端部11には、ピストン4に設けられたピストンピン4a(図2参照)が挿通される挿通孔11aが形成されており、小端部11は、この挿通孔11aを介してピストンピン4aを回転自在に支持するようになっている。
大端部12は、コラム側連結部21とキャップ部22とから構成されており、キャップ部22はボルト15によりコラム側連結部21に締結されるようになっている。また、コラム側連結部21およびキャップ部22には、それぞれ半円弧状の対向面21aおよび22aが形成されており、コラム側連結部21にキャップ部22が締結されることにより、クランクシャフト6のクランクピン6aが挿通される挿通孔12aが形成されるようになっている。また、対向面21aおよび対向面22aには、半円弧状の軸受メタル23、24がそれぞれ装着されている。したがって、大端部12は、軸受メタル23、24によってクランクピン6aが滑らかに回転するよう軸受機能を有している。
コラム部13は、小端部11から大端部12に向けて延在するよう設けられ、図4中、オフセット側の側面部13aと、右側(便宜上、以下これを反オフセット側という)の側面部13bとを含んで構成されており、両側面部間の厚みが小端部11側から大端部12側に向けて徐々に大きく形成されている。
また、コラム部13は、挿通孔11aの中心Pと挿通孔12aの中心LPとを結ぶコネクティングロッド中心線Lを基準に、オフセット側の側面部13aまでの幅W1が反オフセット側の側面部13bまでの幅W2よりも小さく設定されている。このように、コラム部13は、コネクティングロッド中心線Lを基準に非対称な形状に構成されている。このため、コネクティングロッド5は、オフセットクランク構造を採用したことによりコラム部13の側面部13aがシリンダ2の下端部の内壁面部に最も接近する場合にあっても、シリンダ2の下端部の内壁面部とコラム部13の側面部13aとの間隔d(図3参照)を確保することができ、シリンダ2と接触することを回避することができる。なお、上述の挿通孔11aの中心Pおよび挿通孔12aの中心LPは、それぞれ後述するピストンピン4aの回転中心線P、クランクピン6aの回転中心線LPと一致している。
また、上述のように形成された幅W1は、本発明に係る第1の挿通孔の中心と第2の挿通孔の中心とを結ぶコネクティングロッド中心線を基準として、クランクシャフトがオフセットされたオフセット側の側面部までの幅を構成している。また、上述の幅W2は、本発明に係るオフセット側と反対側の反オフセット側の側面部までの幅を構成している。
また、コラム部13は、側面部13aが形成されたオフセット側に小端部11から大端部12に向けて延在するように設けられた第1のリブ部31と、側面部13bが形成された反オフセット側に小端部11から大端部12に向けて延在するように設けられた第2のリブ部32と、第1のリブ部31と第2のリブ部32とを接続するように小端部11から大端部12に向けて延在するウェブ部33とを有している。
ここで、図4および図6に示すように、コラム部13は、コネクティングロッド中心線Lと直交し、かつクランクピン6aの回転中心線LPまたはピストンピン4aの回転中心線P(図2参照)に垂直な方向であって図6において矢印Cで示す方向(便宜上、以下これを幅方向という)の全長が、オフセット側の幅W1に反オフセット側の幅W2を加えた長さ(W1+W2)に設定され、クランクピン6aの回転中心線LPまたはピストンピン4aの回転中心線P(図2参照)が延在する方向であって図6において矢印Dで示す方向の幅が、長さW3に設定されている。
また、第1のリブ部31は、幅方向の厚みT1が第2のリブ部32の幅方向の厚みT2よりも大きく設定されている。また、ウェブ部33の幅方向の長さT3は、コラム部13の幅方向の全長(W1+W2)から、第1のリブ部31の幅方向の厚みT1に第2のリブ部32の幅方向の厚みT2を加えた長さ(T1+T2)を差し引いた長さに設定されている。
このように形成されているので、上述の厚みT1は、本発明に係るコネクティングロッド中心線に直交し、かつピストンピンおよびクランクピンの回転運動の中心線に垂直な幅方向の厚みを構成している。また、上述の厚みT2は、本発明に係る第2のリブ部の幅方向の厚みを構成している。
また、第1のリブ部31および第2のリブ部32の矢印Dで示す方向の幅は、互いにコラム部13の幅と同等の長さW3に設定されている。なお、本実施の形態においては、第1のリブ部31および第2のリブ部32の矢印Dで示す方向の幅を互いに同等の幅としたが、これに限らず、互いに異なる幅に設定することも可能である。
また、ウェブ部33の矢印Dで示す方向の幅は、第1のリブ部31および第2のリブ部32の矢印Dで示す方向の幅の長さW3よりも短い長さW4に設定されており、コネクティングロッド5の軽量化が図られている。
なお、上述したW1〜W4、T1〜T3で示す厚みや長さは、適用されるエンジンの仕様などに応じて任意の適正な厚みや長さに設定される。
次に、図2および図3を参照して、コネクティングロッド5の動作について説明する。
図2に示すように、エンジン1の燃焼・膨張行程において、図示しない点火プラグから所定の点火時期に火花が発火され、圧縮された混合気が点火される。これにより、燃焼室7内で混合気の爆発が生じる。そして、前述の爆発力による最大燃焼圧力が、ピストン4の上死点TDCよりも僅かにクランク回転角が進んだときに、ピストン4に掛かることになる。このとき、コネクティングロッド5は、コネクティングロッド中心線Lとシリンダ2の中心線LBとが略一致して、シリンダ2の中心線LBに対して略平行な状態となっている。
このため、オフセットクランク構造を採用する本実施の形態のコネクティングロッド5にあっては、ピストン4から伝達される最大の燃焼圧力がコネクティングロッド5に対して略真っ直ぐに掛かることとなり、シリンダ2の壁面に対してピストン4を押し付けるサイドフォースの低減が図られる。
また、このとき、コネクティングロッド5は、ピストン4を介して最大の燃焼圧力に応じた圧縮荷重を受けることとなる。ここで、コネクティングロッド5は、オフセットクランク構造を採用したことにより、コネクティングロッド中心線Lよりに近設されたコラム部13の第1のリブ部31に、前述の圧縮荷重に対する応力分布の偏りが生ずることとなる。しかしながら、上述の通り、コネクティングロッド5のコラム部13は、第1のリブ部31の幅方向の厚みT1(図6参照)が第2のリブ部32の幅方向の厚みT2よりも大きく設定された構成となっている。したがって、コネクティングロッド5は、前述の圧縮荷重に対する応力分布の偏りが生じた場合であっても、コラム部13の第1のリブ部31が補強されているため、ピストン4からの圧縮荷重に対してコネクティングロッド5の座屈強度が十分に高められている。
次いで、前述の最大燃焼圧力によってピストン4が下方に押し下げられ、図示しない下死点BDCに達すると、排気行程に移行して上死点TDCに向けて上昇する。このとき、図3に示すように、コネクティングロッド5は、コラム部13の側面部13aがシリンダ2の下端部の内壁面部に最も接近する。しかしながら、上述の通り、コネクティングロッド5は、コラム部13がコネクティングロッド中心線Lを基準に、オフセット側の側面部13aまでの幅W1が反オフセット側の側面部13bまでの幅W2よりも小さい非対称な形状であるため、シリンダ2とコラム部13との間隔dを確保してシリンダ2との接触を回避している。
本実施の形態に係る内燃機関のコネクティングロッド5は、前述のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
すなわち、コネクティングロッド5は、エンジン1のシリンダ2内に往復動可能に挿入されたピストン4とシリンダ2の中心線LBに対してオフセットされた位置に回転運動の中心線LCが位置するクランクシャフト6とを連結するエンジン1のコネクティングロッドであって、ピストン4のピストンピン4aが挿通される挿通孔11aが形成されるとともに、ピストンピン4aを回転自在に支持する小端部11と、クランクシャフト6のクランクピン6aが挿通される挿通孔12aが形成されるとともに、クランクピン6aを回転自在に支持する大端部12と、挿通孔11aの中心Pと挿通孔12aの中心LPとを結ぶコネクティングロッド中心線Lを基準として、クランクシャフト6がオフセットされたオフセット側の側面部13aまでの幅W1がオフセット側と反対側の反オフセット側の側面部13bまでの幅W2より小さい非対称に形成されるとともに、小端部11と大端部12とを連結するコラム部13とを備え、コラム部13は、オフセット側に形成された第1のリブ部31と、反オフセット側に形成された第2のリブ部32とを有し、第1のリブ部31は、コネクティングロッド中心線Lに直交し、かつピストンピン4aおよびクランクピン6aの回転運動の中心線LCに垂直な幅方向の厚みT1が、第2のリブ部32の幅方向の厚みT2より大きく形成されるよう構成されている。
その結果、本実施の形態に係るコネクティングロッド5においては、コラム部13が、コネクティングロッド中心線Lを基準として、オフセット側の側面部13aまでの幅W1が反オフセット側の側面部13bまでの幅W2より小さい非対称に形成されているので、クランクシャフト6をオフセットしたことによるコネクティングロッド5とシリンダ2との干渉を回避することができるという効果が得られる。
また、本実施の形態に係るコネクティングロッド5においては、上述のようにコラム部13がコネクティングロッド中心線Lを基準に非対称に形成されたことにより、コネクティングロッド5とシリンダ2との干渉を回避することができるので、前述の干渉を回避するために、例えば、コネクティングロッド5の全長を長くしたり、シリンダ2の下端部を上方に引き上げるなどの対策が不要となり、シリンダブロック3の体格の増加を抑えることができ、その結果エンジン全高の増大を抑制することができるという効果が得られる。
さらに、本実施の形態に係るコネクティングロッド5においては、エンジン1の燃焼・膨張行程において、特に最大の燃焼圧力に応じた圧縮荷重がピストン4を介してコラム部13に掛かることにより、圧縮荷重に対する応力分布が第1のリブ部31に偏った場合であっても、コラム部13に形成された第1のリブ部31の幅方向の厚みT1が第2のリブ部32の幅方向の厚みT2より大きく形成されているため、最大の燃焼圧力に応じた圧縮荷重に対するコネクティングロッド5の座屈強度を向上させることができるという効果が得られる。
以上説明したように、本発明に係る内燃機関のコネクティングロッドは、オフセットクランク構造を採用する内燃機関のコネクティングロッドであっても、燃焼・膨張行程におけるコネクティングロッドの座屈強度を向上させることができ、シリンダの中心線に対して回転運動の中心線をオフセットしたクランクシャフトとピストンとを連結する内燃機関のコネクティングロッド全般に有用である。
1 エンジン(内燃機関)
2 シリンダ
4 ピストン
4a ピストンピン
5 コネクティングロッド
6 クランクシャフト
6a クランクピン
11 小端部
11a 挿通孔(第1の挿通孔)
12 大端部
12a 挿通孔(第2の挿通孔)
13 コラム部
13a、13b 側面部
31 第1のリブ部
32 第2のリブ部

Claims (1)

  1. 内燃機関のシリンダ内に往復動可能に挿入されたピストンと前記シリンダの中心線に対してオフセットされた位置に回転運動の中心線が位置するクランクシャフトとを連結する内燃機関のコネクティングロッドであって、
    前記ピストンのピストンピンが挿通される第1の挿通孔が形成されるとともに、前記ピストンピンを回転自在に支持する小端部と、
    前記クランクシャフトのクランクピンが挿通される第2の挿通孔が形成されるとともに、前記クランクピンを回転自在に支持する大端部と、
    前記第1の挿通孔の中心と前記第2の挿通孔の中心とを結ぶコネクティングロッド中心線を基準として、前記クランクシャフトがオフセットされたオフセット側の側面部までの幅が前記オフセット側と反対側の反オフセット側の側面部までの幅より小さい非対称に形成されるとともに、前記小端部と前記大端部とを連結するコラム部とを備え、
    前記コラム部は、前記オフセット側に形成された第1のリブ部と、前記反オフセット側に形成された第2のリブ部とを有し、
    前記第1のリブ部は、前記コネクティングロッド中心線に直交し、かつ前記ピストンピンおよび前記クランクピンの回転運動の中心線に垂直な幅方向の厚みが、前記第2のリブ部の前記幅方向の厚みより大きく形成されたことを特徴とする内燃機関のコネクティングロッド。
JP2009079213A 2009-03-27 2009-03-27 内燃機関のコネクティングロッド Pending JP2010230102A (ja)

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