JP2013155446A - 冷却用カラー - Google Patents
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Abstract
【課題】ネクタイを着用しないビジネスシーンでの着用に適した、ワイシャツの内側を冷却する冷却用カラーを提供すること。
【解決手段】冷却用カラー1は身生地2を筒状、帯状に縫製した本体の内側に高吸水性繊維3及び樹脂或いは金属の芯4を挿入している。高吸水性繊維3は、冷却用カラー1の全範囲に装填されており、身生地2は、ポリエステル等の保水層よりも保水率が低い素材を用いて、内側の高吸水性繊維3に含まれた水分を蒸散させやすくさせている。本体の長さ方向には、上下を仕切る縫製部6が設けられており、この縫製部6の上側に芯4を収容する収容部8が設けられる。芯4は冷却用カラー1の上側の範囲のみで、冷却用カラー1の首周り形状を記憶し保持する。
【選択図】図1
【解決手段】冷却用カラー1は身生地2を筒状、帯状に縫製した本体の内側に高吸水性繊維3及び樹脂或いは金属の芯4を挿入している。高吸水性繊維3は、冷却用カラー1の全範囲に装填されており、身生地2は、ポリエステル等の保水層よりも保水率が低い素材を用いて、内側の高吸水性繊維3に含まれた水分を蒸散させやすくさせている。本体の長さ方向には、上下を仕切る縫製部6が設けられており、この縫製部6の上側に芯4を収容する収容部8が設けられる。芯4は冷却用カラー1の上側の範囲のみで、冷却用カラー1の首周り形状を記憶し保持する。
【選択図】図1
Description
本発明は、オフィス内でのビジネスシーンでも使用可能な冷却保冷効果と清涼感に優れた冷却用カラーに関するものである。
節電によりオフィス内の室温が高めに設定されていることから、ネクタイを着用しない服装がビジネスマンの間では取り入れられている。しかし、ネクタイをせずにシャツの第1ボタンを留めてないと襟元がだらしなく広がってしまう。これに対して、襟元に清涼感を出させる一つの手法として、襟が立った形状となるボタンダウンやスナップダウンのシャツが着用されている。
一方、首周りに存在する頚動脈の血流を冷やし冷却体感が可能な各種のネックバンドが知られている。特許文献1には、内部に高吸水性ポリマーを収容し、肌接触面側は透水性生地を、反対面側は不透水性生地で囲った冷却用カラーが開示されている。
また、特許文献2、3及び4にも吸水材を使用したネックバンドが開示されている。これらのネックバンドは、吸水した水の気化熱を利用して冷却をするものである。さらに、特許文献5及び6には、保冷材を首周りに巻きつけるものが開示されている。尚、特許文献7は、襟部に保冷材を装着できるようにポケットを設けた衣料を開示している。
特許文献1乃至4のネックバンドによれば、全体を水に浸し、内部の高吸水性ポリマーに十分に水を含ませた状態で、首部へ巻いて首の前で、ネックバンドの両端を結ぶなどして固定する。首に直接巻きつけるものであるため肌への密着性は高いが、首の前でネックバンドの両端が交差し、又は結び目ができる。ビジネスシーンで着用すると、ワイシャツの第1ボタンを外した内側にネックバンドの結び目により盛り上がって見えてしまう。
また、保冷材を使用する特許文献5乃至7は、保冷材を冷却する手間を要し、保冷材が大気中の湿気を結露させるため、衣装に濡れ染みが出来てしまう。
本発明の課題は、ネクタイを着用しないビジネスシーンでの着用に適した、ワイシャツの内側を冷却する冷却用カラーを提供することにある。
また、保冷材を使用する特許文献5乃至7は、保冷材を冷却する手間を要し、保冷材が大気中の湿気を結露させるため、衣装に濡れ染みが出来てしまう。
本発明の課題は、ネクタイを着用しないビジネスシーンでの着用に適した、ワイシャツの内側を冷却する冷却用カラーを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明では、シャツの襟の内側であって、着用者の首回りに装着され着用者の首回りを冷却する帯状の冷却用カラーにおいて、吸水性の低い繊維により形成された着用者の首側の側面とシャツの襟側に対向する側面とを有した帯状の本体と、当該首側の側面と襟側に対向する側面との間に包まれた、より吸水性の高い繊維及び又はより吸水性の高い高吸水性ポリマーと、前記帯状本体の側面を帯状本体の長さ方向に上下に仕切る縫製部と、当該縫製部の上側に収容された着用者の首を中心として半周を超える角度の半円弧形状を記憶した芯とを有することを特徴とする。
本発明の冷却用カラーは、形状を記憶した芯により首を挟みこんで冷却用カラーを首に固定させており、且つ円を記憶しているのではないので首の前方側は開いた形状に保持される。このため、ネクタイをせずに開いたワイシャツの襟元に沿って、冷却用カラーの先端を開くことができる。また、芯は冷却用カラーの上側に位置し、下側には位置していない。芯の入っていない冷却用カラーの下側の部分は、首から肩に流れるライン上に乗る。したがって、首から肩に流れるライン上に繊維或いは高吸水性ポリマーが下支えとして働き、芯がその上に乗っている状態となっている。このため、芯が首を挟む位置を首の高いところに安定させて位置付けることができ、位置保持のために首を挟む強い圧迫力は必要ない。また、首の付け根のところで圧迫しないため、装着による苦しさが無い。また、肩に流れるライン上は、首の中心からの半径が広がる位置であるが、この位置に芯が存在しないため、芯の締め付け力はこの位置では働かない。
図1に示すように本実施例の冷却用カラー1は、芯入りの襟の構造である。図1Aは冷却用カラー1の一部断面図であり、図1Bは冷却用カラー1をワイシャツ10の襟11の内側に装着した状態を示している。図1Aにおいて、冷却用カラー1は身生地2を筒状、帯状に縫製した本体の内側に保水層及び樹脂或いは金属の芯を挿入している。保水層は身生地2よりも吸水性の高い繊維及び又は身生地2よりも吸水性の高い高吸水性ポリマーを用いることができる。本実施例では高吸水性繊維3、例えば、高吸水性繊維「ベルオアシス」(「ベルオアシス」は、帝人ファイバー株式会社の登録商標である。)を用いている。高吸水性繊維3は、冷却用カラー1の全範囲に装填されており、身生地2は、ポリエステル等の保水層よりも保水率が低い繊維を用いて、内側の高吸水性繊維3に含まれた水分を蒸散させやすくさせている。
冷却用カラー1にはさらに、本体の長さ方向に上下を仕切る縫製部6が設けられており、この縫製部6の上側に芯4を収容する収容部8が設けられる。芯4は上側の範囲のみで、冷却用カラー1の首周り形状を記憶し保持する
冷却用カラー1の外周の下側の範囲には、モノフィラメントで編成された編成生地5が配置されている。編成生地5の配置範囲は、冷却用カラー1をワイシャツ10の襟11の内側に装着した際に、ワイシャツ10の襟11に冷却用カラー1が当接する範囲である。モノフィラメントは、フィラメント自体が浸透圧で吸水する能力がなく、身生地2とワイシャツ10の襟11との間のスペーサの役割を果たす。身生地2からワイシャツ10の襟11の間を浸透圧で水が移動することができず、水分がワイシャツ10の襟11に滲み出ない。また、身生地2から蒸散した水分が編成生地5の編み目を通して出てゆくため、気化の妨げをしない。
一方、編成生地5の配置されていない冷却用カラー1の上側は、ワイシャツ10の襟11から外に露出して水分を蒸散させる。また、首Tに接触する内側が、保水率が低い素材であるために、肌に接触した際に清涼感をもたらす。また、芯4の挟みつけにより、肌に密着した状態であるので、気化熱による冷却効果が直接的に肌で感じられるようになっている。
モノフィラメントの編成生地5は、生地としての見栄えが悪いため、両端部のところでは、身生地と同じ飾り布7で覆っている。このため、冷却用カラー1をワイシャツ10の襟11の内側に装着した際、襟元からはモノフィラメントの編成生地5が見えないようになっている(図1B参照)。
図2は冷却用カラー1を上から見た図である。芯4は首を中心としてその周りを半周以上(θ)囲った半円弧状に形状が記憶されている。半周以上としているのは、着用者の首に装着した時に芯4が開かれた状態から、元の半円弧形状に戻ろうとする力を利用して、首の後ろ側から首の脇を挟みこんで冷却用カラー1を首に固定させるためである。また、芯4は円を記憶しているのではないため、首の前方側は、開いた形状に保持される。また、芯4は、冷却用カラー1の端部までは到達していないため、先端は柔らかく、ネクタイをせずに開いたワイシャツの襟元に沿って、冷却用カラー1の先端が開く。
図3は、冷却用カラー1を装着したときの芯4とその下側の役割を示している。図3Aにおいて、芯4は首Tの両脇から首Tの高い位置を挟んでいる。図3Aの左側はワイシャツを着用している状態、右側はワイシャツを脱いだ状態である。左側に見られるように、芯4の入っていない冷却用カラー1の下側の部分は、首Tから肩Sに流れるライン上に乗っている。この状態を説明するため図3Bに模式図を示すと、首Tから肩Sに流れるライン上に柔らかい身生地2及び高吸水性繊維3を下支えとして芯4がその上に乗って自立している状態となっている。このため、芯4が首Tを挟む位置を首Tの高いところに安定させて位置付けることができ、位置保持のために首Tを強い圧迫力で挟む必要ない。また、肩Sに流れるライン上は、首Tの中心からの半径が広がる位置であるが、この位置に芯4が存在しないため、芯4の締め付け力はこの位置では働かない。
図4は、冷却用カラー1の作製過程の一例を示している。
図4Aにおいて、冷却用カラー1の外側(ワイシャツの襟側)の側面となる長い台形状帯の身生地2にモノフィラメントの編成生地5を縫製する。縫製位置は下側である。次に、首側となる身生地2の側面と合わせ袋縫いをして身生地2で帯状の本体を作る(図4B)。
図4Aにおいて、冷却用カラー1の外側(ワイシャツの襟側)の側面となる長い台形状帯の身生地2にモノフィラメントの編成生地5を縫製する。縫製位置は下側である。次に、首側となる身生地2の側面と合わせ袋縫いをして身生地2で帯状の本体を作る(図4B)。
帯状本体の中に高吸水性繊維3を挿入する(図4C)。次に、襟元に位置するモノフィラメントの編成生地5を隠すため、ワイシャツの襟側の側面と同種の生地でできた身生地の飾り布7が、さらに両端の冷却用カラー1の外側(ワイシャツの襟側)に縫い付けられる(図4D)。飾り布7により、高吸水性繊維3からの水が若干回りこむが、襟元はワイシャツとの密着度が低く、また開放された位置であるため、滲みの問題は顕在的では無い。尚、飾り布7は、ワイシャツの襟側の側面を予め長めに作製しておいて、折り返して構成すると縫い目が綺麗に仕上がる。
中央の位置に冷却用カラー1の筒を上下に仕切る縫製部6を作製する(図4E)。この縫製部6により芯を装着する収容部8が設けられる。収容部8は、芯4が首の後ろ側に収容されるように前後の端61、62が縫いつけられる。尚、縫製部6により身生地2の表面上に別途用意した生地を縫い付けて収容部8を形成しても良い。
収容部8の一端を開封して、芯4を挿入する(図4F)。冷却用カラー1からの芯の取り外しを容易にしておくと、冷却用カラー1に吸水させた際に絞ることができるので便利である。
図1に戻り、冷却用カラー1を着用した状態においては、冷却用カラー1は着用者の襟元において、ワイシャツの第1ボタンが外れた状態で、幅Hだけ両端部が離れた状態で着用される。これは、冷却用カラーの帯状本体の長さが、首周囲の長さにほぼ等しい一方で、半円弧形状の芯4が首Tにより若干押し広げられた状態にあるからである。ネクタイをしないことによる冷却効果は、シャツ内の上昇気流が襟元を出口とする煙突効果が発揮されることに起因している。冷却用カラー1は、幅Hだけ両端部が離れた状態を維持するので煙突効果の妨げにならない。煙突効果を促進させるためには、芯によりシャツの襟を自然の状態よりも離すことであるが、見栄えとのトレードオフである。
以上説明したが、上記実施例において、芯4は半円弧形状を保持できるものであれば良い。従って、商品として店頭に陳列された状態では芯は直線的であっても、ユーザーが購入後に芯の形状を作って、その形状を維持記憶できるものであれば利用できる。例えば、薄い金属板であれば、そのような使用が可能である。しかし、予め形状が保持された芯4の方が、取り扱いは容易である。
また、上記実施例においては、芯4を高吸水性繊維3の内側(首側)に配置した。水を含んで膨潤した高吸水性繊維3が水を失うことによって、芯4による首の圧迫力が変化しないようにするためである。しかしながら、逆の位置関係或いは、芯4を保水層で挟んでも良い。
芯4の材質として伝熱性の良いもの或いは蓄熱性の良いものの何れも使用可能である。これらは、重さ、硬さ、装着感のトレードオフで決められる。また、モノフィラメントの編成生地5は、撥水処理を施すことにより、保水層からの水移行をさらに抑制することができる。
1…… 冷却用カラー
2…… 身生地
3…… 高吸水性繊維
4…… 芯
5…… モノフィラメントの編成生地
6…… 縫製部
7…… 飾り布
8…… 収容部
2…… 身生地
3…… 高吸水性繊維
4…… 芯
5…… モノフィラメントの編成生地
6…… 縫製部
7…… 飾り布
8…… 収容部
上記課題を解決するため、本発明では、シャツの襟の内側であって、着用者の首回りに装着され着用者の首回りを冷却する帯状の冷却用カラーにおいて、吸水性の低い繊維により形成された着用者の首側の側面とシャツの襟側に対向する側面とを有した帯状の本体と、当該首側の側面と襟側に対向する側面との間に包まれた、より吸水性の高い繊維及び又はより吸水性の高い高吸水性ポリマーと、前記帯状本体の側面を帯状本体の長さ方向に上下に仕切る縫製部と、当該縫製部の上側に収容された着用者の首を中心として半周を超える角度の半円弧形状を記憶した芯と、前記襟側の側面の下側の範囲に配置されたモノフィラメントで編成された生地とを有することを特徴とする。
本発明の冷却用カラーは、形状を記憶した芯により首を挟みこんで冷却用カラーを首に固定させており、且つ円を記憶しているのではないので首の前方側は開いた形状に保持される。このため、ネクタイをせずに開いたワイシャツの襟元に沿って、冷却用カラーの先端を開くことができる。また、芯は冷却用カラーの上側に位置し、下側には位置していない。芯の入っていない冷却用カラーの下側の部分は、首から肩に流れるライン上に乗る。したがって、首から肩に流れるライン上に繊維或いは高吸水性ポリマーが下支えとして働き、芯がその上に乗っている状態となっている。このため、芯が首を挟む位置を首の高いところに安定させて位置付けることができ、位置保持のために首を挟む強い圧迫力は必要ない。また、首の付け根のところで圧迫しないため、装着による苦しさが無い。また、肩に流れるライン上は、首の中心からの半径が広がる位置であるが、この位置に芯が存在しないため、芯の締め付け力はこの位置では働かない。さらに、外側を取り囲んで着られるワイシャツの襟に対して、モノフィラメントで編成された生地が間に入り、身生地からワイシャツの襟の間を浸透圧で水が移動することができず、水分がワイシャツの襟に滲み出ない。また、身生地から蒸散した水分がモノフィラメントで編成された生地の編み目を通して出てゆくため、気化の妨げをしない。
Claims (4)
- シャツの襟の内側であって、着用者の首回りに装着され着用者の首回りを冷却する帯状の冷却用カラーにおいて、吸水性の低い繊維により形成された着用者の首側の側面とシャツの襟側に対向する側面とを有した帯状の本体と、当該首側の側面と襟側に対向する側面との間に包まれた、より吸水性の高い繊維及び又はより吸水性の高い高吸水性ポリマーと、前記帯状本体の側面を帯状本体の長さ方向に上下に仕切る縫製部と、当該縫製部の上側に収容された着用者の首を中心として半周を超える角度の半円弧形状を記憶した芯とを有することを特徴とした冷却用カラー。
- 請求項1の冷却用カラーにおいて、前記芯は取り外し自在であることを特徴とした冷却用カラー。
- 請求項1の冷却用カラーにおいて、前記襟側の側面の下側の範囲にモノフィラメントで編成された生地を配置したことを特徴とした冷却用カラー。
- 請求項3の冷却用カラーにおいて、前記帯状の本体の両端に位置する前記モノフィラメントで編成された生地を、前記襟側の側面に用いる同種の生地で覆い隠したことを特徴とした冷却用カラー。
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