JP2013155334A - 水性ポリウレタン樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化物の極性溶媒に対する耐溶媒性に優れ、しかも密着性及び屈曲性にも優れた水性ポリウレタン樹脂組成物等を提供する。
【解決手段】少なくともポリオール成分(A)と、ポリイソシアネート成分(B)とから生成させたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを水に乳化させつつ該水及びポリアミン成分(C)を介して反応させてなる水性ポリウレタン樹脂組成物であって、前記ポリオール成分(A)は、アニオン形成性置換基を有しないポリオール(a)及びアニオン形成性置換基を有するポリオール(b)を含有しており、前記ポリアミン成分(C)は、脂肪族または脂環族ポリアミンであり、前記ポリオール成分(A)に含まれる水酸基1モルに対し、前記ポリアミン成分(C)に含まれるアミノ基が0.80〜3.00モルであり、且つ、水に乳化されているポリウレタン樹脂がテトラヒドロフランに対して不溶であることを水性ポリウレタン樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、水性ポリウレタン樹脂組成物及びその硬化物に関する。
従来、塗料、コーティング剤、接着剤、印刷インキ等に用いられ、基材に塗布して硬化させることにより硬化物とされるような樹脂組成物として、ポリオール等の活性水素基含有成分とポリイソシアネート成分とを有機溶剤中で反応させることにより生成させたポリウレタン樹脂が水に乳化されてなる水性ポリウレタン樹脂組成物が知られている。例えば、水性ポリウレタン樹脂組成物が塗料に用いられる場合、建築内装、皮革、金属や木材といった基材に該水性ポリウレタン樹脂を塗布して硬化させることにより基材上で硬化物とされる。
この種の水性ポリウレタン樹脂組成物では、親水性を向上させて水への分散を容易にするために、該ポリウレタン樹脂にカルボキシル基などのイオン性基を導入することが提案されている。例えば、活性水素基含有成分として、カルボキシル基を有するポリエステルポリオールを用いることが提案されている(特許文献1、2参照)。
特開2006−96893号公報 特開2000−190621号公報
しかし、特許文献1、2の水性ポリウレタン樹脂組成物では、該水性ポリウレタン樹脂組成物を基材に塗布し、水を除去して硬化させた硬化物における極性溶媒に対する耐溶媒性が低下したり、密着性や柔軟性(屈曲性)が低下したりするおそれがある。
本発明は、上記問題点等に鑑み、硬化物の極性溶媒に対する耐溶媒性に優れ、しかも密着性及び屈曲性にも優れた水性ポリウレタン樹脂組成物及びその硬化物を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明は、
少なくともポリオール成分(A)と、ポリイソシアネート成分(B)とから生成させたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを水に乳化させつつ該水及びポリアミン成分(C)を介して反応させてなる水性ポリウレタン樹脂組成物であって、
前記ポリオール成分(A)は、アニオン形成性置換基を有しないポリオール(a)及びアニオン形成性置換基を有するポリオール(b)を含有しており、
前記ポリアミン成分(C)は、脂肪族または脂環族ポリアミンであり、
前記ポリオール成分(A)に含まれる水酸基1モルに対し、前記ポリアミン成分(C)に含まれるアミノ基が0.80〜3.00モルであり、
且つ、水に乳化されているポリウレタン樹脂がテトラヒドロフランに対して不溶であることを特徴とする。
ここで、アニオン形成性置換基とは、塩基と中和することによりアニオン性置換基を形成可能な置換基である。また、ポリウレタン樹脂がテトラヒドロフランに対して不溶であるとは、水性ポリウレタン樹脂組成物を、膜厚300μmとなるように塗布・乾燥して得られるポリウレタン樹脂を、該ポリウレタン樹脂1gあたり100gとなる量のテトラヒドロフランに、25℃で24時間浸漬し、さらに60℃で1時間乾燥させたあとの重量減少率が5重量%以下であることをいう。かかるテトラヒドロフランに対する溶解量が少ない程、分子量が大きいことを意味する。
上記構成の水性ポリウレタン樹脂組成物によれば、ポリオール成分(A)がアニオン形成性置換基を有するポリオール(a)を含有しており、ポリアミン成分(C)が脂肪族または脂環族ポリアミンであり、ポリオール成分(A)に含まれる水酸基1モルに対し、前記ポリアミン成分(C)に含まれるアミノ基が0.80〜3.00モルであり、且つ、テトラヒドロフランに対して不溶となる位に分子量が十分に大きいため、上記水性ポリウレタン樹脂組成物が硬化した硬化物における極性溶媒に対する耐溶媒性を向上させることができる。また、密着性及び屈曲性を向上させることができる。
また、上記水性ポリウレタン樹脂組成物においては、前記アニオン形成性置換基を有しないポリオールが、さらに芳香環含有ポリエステルポリオールを含有することが好ましい。
かかる構成によれば、ポリウレタン樹脂の極性溶媒に対する耐溶媒性をより向上させることができる。
また、上記水性ポリウレタン樹脂組成物においては、前記アニオン形成性置換基を有しないポリオールが、さらに平均水酸基価250〜800mgKOH/gである芳香環含有ポリエーテルポリオールを含有することが好ましい。
かかる構成によれば、ポリウレタン樹脂の極性溶媒に対する耐溶媒性をより向上させることができる。
また本発明は、上記水性ポリウレタン樹脂組成物を塗布し、硬化させてなることを特徴とする硬化物である。
以上のように、本発明によれば、硬化物の極性溶媒に対する耐溶媒性に優れ、しかも密着性及び屈曲性にも優れた水性ポリウレタン樹脂組成物及びその硬化物が提供される。
以下、本発明の水性ポリウレタン樹脂組成物の実施形態について説明する。
本実施形態の水性ポリウレタン樹脂組成物は、少なくともポリオール成分(A)と、ポリイソシアネート成分(B)とから生成させたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを水に乳化させつつ該水及びポリアミン成分(C)を介して反応させてなる水性ポリウレタン樹脂組成物であって、前記ポリオール成分(A)は、アニオン形成性置換基を有しないポリオール(a)及びアニオン形成性置換基を有するポリオール(b)を含有しており、前記ポリアミン成分(C)は、脂肪族または脂環族ポリアミンであり、前記ポリオール成分(A)に含まれる水酸基1モルに対し、前記ポリアミン成分(C)に含まれるアミノ基が0.80〜3.00モルであり、且つ、水に乳化されているポリウレタン樹脂がテトラヒドロフランに対して不溶である。
上記実施形態の水性ポリウレタン樹脂組成物は、少なくともポリオール成分(A)と、ポリイソシアネート成分(B)とから生成させたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを水に乳化させつつポリアミン成分(C)を介して反応させてなる水性ポリウレタン樹脂組成物である。
ポリオール成分(A)と、ポリイソシアネート成分(B)とを反応させることにより、ポリオール成分(A)の水酸基と、ポリイソシアネート成分(B)のイソシアネート基とでウレタン結合が形成されて、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーが得られる。
このイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを水に乳化させつつ該水及びポリアミン成分(C)を介して反応させることによって水性ポリウレタン樹脂組成物が得られる。
前記ポリオール成分(A)は、アニオン形成性置換基を有するポリオール(b)を含有している。アニオン形成性置換基とは、塩基と中和することによりアニオン性置換基を形成可能な置換基であり、かかるアニオン形成性置換基としては、カルボキシル基やスルホ基などが挙げられる。かかるポリオール成分(A)は、イソシアネート基と反応し得る水酸基を有しており、該水酸基がイソシアネート基と反応することによって、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーに親水性基であるアニオン形成性置換基が導入される。
例えばカルボキシル基を有するポリオール成分(A−1)としては、ジメチロールプロピオン酸およびジメチロールブタン酸等が挙げられる。
また、例えばスルホ基を有するポリオール成分(A−2)としては、5−スルホイソフタル酸などのスルホ基含有化合物を用いて得られるポリエステルポリオールなどが挙げられる。
なお、アニオン形成性置換基は、カルボン酸塩やスルホン酸塩を形成しているものであってもよい。
上記ポリオール成分(A)がアニオン形成性置換基を有するポリオール(b)を含有していることによって、ポリウレタン樹脂の親水性を向上させることができるため、該ポリウレタン樹脂を水に乳化させ易くなる。
また、上記ポリオール成分(A)は、アニオン形成性置換基を有しないポリオール(a)を含有している。
かかるポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールおよび分子量300以下のポリオールなどが挙げられる。
上記ポリエステルポリオールとしては、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸ならびにフタル酸、イソフタル酸およびテレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオールおよびネオペンチルグリコールなどのジオールとを反応させた芳香環含有ポリエステルポリオールが挙げられる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなどのビスフェノール化合物などにアルキレンオキシドを付加してなる芳香環含有ポリエーテルポリオールが挙げられる。
分子量300以下のポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールFなどのビスフェノール化合物、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
これらのうち、耐溶媒性に優れることから、アニオン形成性置換基を有しないポリオールが芳香環含有ポリエステルポリオールを含有することが好ましい。
また、耐溶媒性に優れることから、アニオン形成性置換基を有しないポリオールが、さらに平均水酸基価250〜800mgKOH/gである芳香環含有ポリエーテルポリオールを含有することがより好ましい。
前記ポリイソシアネート成分(B)は、上記水酸基と反応してウレタン結合を形成し得るイソシアネート基を有している。かかるポリイソシアネート成分(B)としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートを挙げることができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
また、これらの有機ポリイソシアネートの2量体、3量体やビューレット化イソシアネート等の変性体を挙げることができる。尚、これらは、単独で又は2種以上を併用して用いることもできる。
前記ポリアミン成分(C)は、脂肪族または脂環族ポリアミンである。また、かかるポリアミンは、1級または2級のポリアミンである。かかるポリアミン成分(C)は、上記ポリオール成分(A)と上記ポリイソシアネート成分(B)との反応生成物たるポリウレタンプレポリマー同士を、これを介して反応させるものであり、ポリウレタンプレポリマー同士がポリアミン成分(C)を介して反応することにより、ウレア結合が形成されつつ上記ポリウレタンプレポリマー同士が重合され、これにより、ポリウレタン樹脂が生成される。すなわち、ポリアミン成分(C)は、イソシアネート基と反応し得る第1級アミンまたは第2級アミンの少なくともいずれか1つである。
かかるポリアミン成分(C)のうち、脂肪族ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、ジエチレントリアミンやジプロピレントリアミン等のトリアミン、トリエチレンテトラミン等のテトラミン等が挙げられる。また、脂環族ポリアミンとしては、例えば、ピペラジンやイソホロンジアミン等のジアミン等が挙げられる。また、ポリアミン成分(C)は、これらを組み合わせて用いることもできる。
前記ポリウレタン樹脂は、水酸基1モルに対してアミノ基を0.8〜3.0モル含有しており、0.9〜2.0モル含有していることが好ましい。該アミノ基の含有量が0.8モル以上であることによって、ウレア結合が増加するため、極性溶媒に対する耐溶媒性を向上させることができる。また、上記アミノ基の含有量が3.0モル以下であることによって、硬化物の屈曲性の低下を抑制できるとともに、密着性を向上させることができる。
前記ポリウレタン樹脂は、テトラヒドロフランに対して不溶である。かかるテトラヒドロフランに対して不溶である、とは、水性ポリウレタン樹脂組成物を、膜厚300μmとなるように塗布・乾燥して得られるポリウレタン樹脂を、該ポリウレタン樹脂1gあたり100gとなる量のテトラヒドロフランに、25℃で24時間浸漬し、さらに60℃で1時間乾燥させたあとの重量減少率が5重量%以下であることをいう。また、上記溶解量が少ない程、分子量が大きいことを意味する。
このように、ポリウレタン樹脂がテトラヒドロフランに対して不溶である、すなわち、水に乳化しているポリウレタン樹脂の分子量が大きいため、該ポリウレタン樹脂の自己結合性が高まり、上記硬化物のタック性を抑制することができる。
上記水性ポリウレタン樹脂組成物は、少なくともポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とを用い、これらからポリウレタン樹脂が生成されればよく、ポリオール成分(A)及びポリイソシアネート成分(B)の他に、その他の成分を用いてポリウレタン樹脂を生成させることもできる。例えば、シランカップリング剤をさらに用いることができる。かかるシランカップリング剤としては、例えば、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。前記シランカップリング剤を更に用いることにより、耐溶媒性をさらに向上させることができる。
続いて本実施形態の水性ポリウレタン樹脂組成物の製造方法について説明する。
前記ポリオール成分(A)、ポリイソシアネート成分(B)及びポリアミン成分(C)は、それぞれ従来公知の一般的な方法によって、例えば有機溶剤の存在下で合成することができる。また、これらポリオール成分(A)、ポリイソシアネート成分(B)及びポリアミン成分(C)としては、それぞれ市販されているものを用いることができる。
例えば、まず、有機溶剤の存在下でポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とを反応させることにより、ポリウレタンプレポリマーを生成させることができる。なお、反応後、有機溶剤を除去することができるが、得られたポリウレタン樹脂の水への乳化を妨げない限り、有機溶剤が残存していてもよい。また、かかる反応工程後、有機溶剤を除去することもできる。
次に、従来公知の方法で、例えばホモジナイザー等を用いてポリウレタンプレポリマーを水に乳化させつつ、該ポリアミンプレポリマー同士を水及びポリアミン成分(C)を介して重合反応させることにより、ポリウレタン樹脂が水に乳化してなる水性ポリウレタン樹脂組成物を作製することができる。なお、かかる乳化工程は、上記したシランカップリング剤をさらに添加して行うこともできる。また、上記反応工程後、中和剤を用いて反応溶液を中和する中和工程を行った後、上記乳化工程を行うこともできる。かかる中和剤としては、トリエチルアミン、水酸化ナトリウム(NaOH)等が挙げられる。
また、本実施形態の水性ポリウレタン樹脂組成物が塗布され、硬化されてなる硬化物は、極性溶媒に対する耐溶媒性と、基材に対する密着性とに優れる。かかる硬化物は、水性ポリウレタン樹脂組成物を基材に塗布し、乾燥等の硬化処理を行う等、従来公知の方法を用いて製造することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてさらに具体的に説明する。
合成例1
(ポリエステルポリオールA(水酸基及び芳香環を有するポリオールA−3)の合成)
脱水装置を備えた4つ口フラスコ中に酸成分としてイソフタル酸(158重量部)及びアジピン酸(139重量部)と、ジオール成分としてエチレングリコール(62重量部)及びネオペンチルグリコール(104重量部)とを仕込み、反応触媒としてテトライソプロピルチタネート(0.1重量部)を添加した後、酸価1.0以下、水分0.05%以下となるまで220℃で縮合反応を行うことにより、芳香環含有ポリエステルポリオールAを得た。(数平均分子量:2000、水酸基価:56mgKOH/g)。使用原料及びその配合量、得られたポリエステルポリオールAの性状を表1に示す。
なお、酸価、水分、数平均分子量及び水酸基値は、以下のようにして測定した。
(酸価)JIS K 0070に準じて測定した。
(水分)JIS K 0068に準じて測定した。
(数平均分子量)JIS K 0124に準じて測定した。
(水酸基価)JIS K 0070に準じて測定した。
合成例2
(ポリエステルポリオールB(水酸基及び芳香環を有するポリオールA−3)の合成)
イソフタル酸の代わりにテレフタル酸(158重量部)を用いること以外は合成例1と同様にして、ポリエステルポリオールBを得た(数平均分子量:2000、水酸基価:56mgKOH/g)。使用原料及びその配合量、得られたポリエステルポリオールBの性状を表1に示す。
合成例3
(ポリエステルポリオールC(水酸基及び芳香環を有するポリオールA−3)の合成)
テレフタル酸を加え、配合量を表1に示すように変えたこと以外は合成例1と同様にして、ポリエステルポリオールCを得た(数平均分子量:2000、水酸基価:56mgKOH/g)。使用原料及びその量、得られたポリエステルポリオールCの性状を表1に示す。
Figure 2013155334
(実施例1)
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコにポリエステルポリオールA31.7重量部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物(商品名:ニューポールBPE−20NK、三洋化成工業社製)2.3重量部、トリメチロールプロパン0.9重量部、ジメチロールプロピオン酸8.6重量部、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート49.1重量部、イソシアヌレート変性ヘキサメチレンジイソシアネート(商品名:TLA100、日本ポリウレタン工業社製)7.4重量部、メチルエチルケトン70重量部と加え、75℃で4時間反応させて、ポリウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。この溶液の不揮発分に対する遊離のイソシアネート基含有量は9.3%であった。次に、この溶液を45℃まで冷却してトリエチルアミン6.5重量部を添加することにより中和させた後、水300重量部を徐々に加えながらホモジナイザーを使用して乳化反応をさせた。得られた乳化分散体に、ジエチレントリアミン6.1重量部が水55重量部に溶解した水溶液を添加して1時間反応させた後、反応溶媒であるメチルエチルケトンを減圧留去することにより、不揮発分(固形分)濃度が30重量%である水性ポリウレタン樹脂組成物を得た。
なお、遊離のイソシアネート基(NCO基)含有量は下記に示すようにして測定した。また、下記に示すように、得られた水性ポリウレタン組成物を用いて試験板及び試験皮膜を作製し、これら試験板及び試験皮膜の評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例2〜9及び比較例1〜2、5)
表2及び表3に示す使用原料及び配合量を用いること以外は実施例1と同様にして、不揮発分濃度が30重量%である水性ポリウレタン樹脂組成物を得た。また、実施例1と同様に測定を行った。結果を表2、表3に示す。
(比較例3、4)
表3に示す使用原料及び配合量を用いること以外は実施例1と同様にして、乳化分散体を得た。得られた乳化分酸体を、さらに1時間反応させた後、反応溶媒であるメチルエチルケトンを減圧留去することにより、不揮発分濃度が30重量%である水性ポリウレタン樹脂組成物を得た。そして、実施例1と同様に測定及び評価を行った。結果を表2、表3に示す。
(遊離のイソシアネート基(NCO基)含有量)
JIS K 7301に準じて測定した。
(テトラフドロフランに対する不溶性)
得られた水性ポリウレタン樹脂組成物を、膜厚300μmとなるようにテフロンコーティングシャーレに投入し、80℃で6時間、さらに120℃で1時間乾燥し、得られたポリウレタン樹脂の重量(g)を測定した。このポリウレタン樹脂1gあたり100gとなる量のテトラヒドロフランを上記シャーレに添加し、上記シャーレ中において、上記ポリウレタン樹脂を上記テトロヒドロフランに25℃で24時間浸漬し、さらに60℃で1時間乾燥させた後、残渣の重量(g)を測定した。テトラフドロフランに浸漬前のポリウレタン樹脂の重量W1に対する、上記浸漬及び乾燥後の残渣の重量W2の重量減少率(%)を、重量減少率(%)=(W1−W2)/W1×100によって算出し、以下のように評価した。
不溶:重量減少率が5重量%以下
可溶:重量減少率が5重量%を超える
(保存安定性)
得られたポリウレタン樹脂水性分散体を40℃の恒温槽に保管し、1ヶ月後の変化を目視にて確認し、以下のように評価した。
○: ゲル化・沈降などが生じない。
×: ゲル化あるいは沈殿が生じる。
(試験板の評価)
<試験板の作製>
厚さ0.8mmの電気亜鉛めっき鋼板(ノンクロメート処理、太祐機材社製;ユニジンク)をイソプロピルアルコールを用いて脱脂した。次に、上記実施例及び比較例で得られた水性ポリウレタン樹脂組成物をバーコーターで、乾燥皮膜量1.0g/m2になるように塗布し、雰囲気温度250℃の熱風乾燥炉を用いて到達板温100℃まで焼き付けて試験板を作製した。得られた試験板を用いて下記の評価を行った。
(1)極性溶媒に対する耐溶媒性1(耐エタノール性)
試験板を25℃でラビングテスターに設置後、エタノールを含浸させたフェルトを0.05MPaの荷重で10回(往復)擦った後の皮膜状態を、下記の評価基準で評価した。
◎:擦り面に跡がまったく付かない
○:擦り面に跡がわずかに付く
×:擦り面の皮膜がなくなる
(2)密着性
JIS K5600−5−6に準じて碁盤目粘着テープ剥離試験を行い、格子の残存個数を評価した。ただし、カット数は格子パターンの各方向で11個(格子数は100個)とし、カットの間隔は1mmとした。なお、評価結果が100の場合が、全く剥離がなかったことを示す。
(3)屈曲性
JIS Z2248に準拠し、試験板を室温で180°に折り曲げる2T曲げを行い、このときの曲げ加工部頂部を目視で観察し、下記の評価基準で評価した。
評価は以下の基準に従って行った。
○:有機皮膜の割れが確認されない
×:有機皮膜の割れが確認される
(試験皮膜の評価1)
<試験皮膜の作製>
上記のように得られた水性ポリウレタン樹脂組成物を、膜厚200μmとなるようにテフロンコーティングシャーレに投入し、80℃で6時間、さらに120℃で1時間乾燥し、これを所定の大きさ(2cm×4cm)に切断することにより評価サンプルを作製した。
(1)極性溶媒に対する耐溶媒性2(耐水性)
試験液として、蒸留水を使用した。試験片を40℃の試験液に24時間浸漬し、初期の面積(2×4cm2)に対する面積増加率を下記式により求めた。得られた面積増加率が低いほど耐水性が良好であると評価した。
面積増加率(%)=(浸漬後の面積―初期の面積)/初期の面積×100
Figure 2013155334
Figure 2013155334

Claims (4)

  1. 少なくともポリオール成分(A)と、ポリイソシアネート成分(B)とから生成させたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを水に乳化させつつ該水及びポリアミン成分(C)を介して反応させてなる水性ポリウレタン樹脂組成物であって、
    前記ポリオール成分(A)は、アニオン形成性置換基を有しないポリオール(a)及びアニオン形成性置換基を有するポリオール(b)を含有しており、
    前記ポリアミン成分(C)は、脂肪族または脂環族ポリアミンであり、
    前記ポリオール成分(A)に含まれる水酸基1モルに対し、前記ポリアミン成分(C)に含まれるアミノ基が0.80〜3.00モルであり、
    且つ、水に乳化されているポリウレタン樹脂がテトラヒドロフランに対して不溶であることを特徴とする水性ポリウレタン樹脂組成物。
  2. 前記アニオン形成性置換基を有しないポリオールが、芳香環含有ポリエステルポリオールを含有する請求項1に記載の水性ポリウレタン樹脂組成物。
  3. 前記アニオン形成性置換基を有しないポリオールが、平均水酸基価250〜800mgKOH/gである芳香環含有ポリエーテルポリオールを含有する請求項1または2に記載の水性ポリウレタン樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の水性ポリウレタン樹脂組成物を塗布し、硬化させてなる硬化物。
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