JP2013155266A - 硬化性粉体塗料組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)下記成分(A)及び成分(B)を含有することを特徴とする硬化性粉体塗料組成物。(A)エポキシ樹脂又はエポキシ・ポリエステルハイブリッド樹脂(B)(b1)カルボン酸化合物及び特定構造のテトラキスフェノール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、(b2)式(II)
で表される化合物から選ばれる少なくとも1種とを含有し、粒子径(D50)が0.01〜5μmである包接錯体
【選択図】なし
Description
そこで、低い硬化温度で良好な硬化塗膜を得ることができ、且つ貯蔵安定性に優れるエポキシ系又はエポキシ・ポリエステル系粉体塗料が要望され、硬化剤をゲスト化合物とする包接錯体を使用する方法が開発されてきた。
特許文献1には、エポキシ樹脂に、テトラキスフェノール化合物をホスト化合物とし、硬化剤及び/又は触媒をゲスト化合物とする包接錯体を添加してなるエポキシ塗料について記載されている。しかし、特許文献1には粒子径に関する記載があり、実施例7には約10μm、実施例8には約60μmの包接化合物を用いた例が記載されているが、これらは有機溶剤型塗料であり、さらに粒子径の違いによる効果が何であるかの記載もなかった。
(1)下記成分(A)及び成分(B)を含有することを特徴とする硬化性粉体塗料組成物、
(A)エポキシ樹脂又はエポキシ・ポリエステルハイブリッド樹脂、
(B)(b1)カルボン酸化合物及び下記式(I)
で表されるテトラキスフェノール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、
(b2)式(II)
(2)(b1)のカルボン酸化合物が芳香族カルボン酸化合物であることを特徴とする上記(1)に記載の硬化性粉体塗料組成物、
(3)前記芳香族カルボン酸化合物が、式(III)
(4)イソフタル酸化合物が、5−t−ブチルイソフタル酸、5−ニトロイソフタル酸又は5−ヒドロキシイソフタル酸であることを特徴とする上記(3)に記載の硬化性粉体塗料組成物、及び、
(5)式(II)で表されるイミダゾール化合物又はイミダゾリン化合物が、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン又は2−フェニルイミダゾリンであることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の硬化性粉体塗料組成物、
そして、(6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の硬化性粉体塗料組成物の硬化物に関する。
本発明の硬化性粉体塗料組成物は、以下の成分を含有する。
(A)エポキシ樹脂、又はエポキシ・ポリエステルハイブリッド樹脂
(B)カルボン酸化合物及び下記式(I)
で表されるテトラキスフェノール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、以下の式(II)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種とを含有する包接錯体
以下に、各成分などについて詳細に説明する。
本発明の包接錯体は、カルボン酸化合物又は式(I)で表されるテトラキスフェノール化合物をホスト化合物とし、式(II)で表される化合物をゲスト化合物とする包接錯体であれば特に制限されるものではなく、溶媒等の第3成分を含んでもよい。本発明において包接錯体とは、ホスト化合物が包接格子を形成し、ホスト化合物がゲスト化合物と共有結合以外の結合により結合している化合物を言い、好ましくは、結晶性化合物を言う。
カルボン酸化合物又は式(I)で表されるテトラキスフェノール化合物と、式(II)で表される化合物とを含む本発明の包接錯体は、カルボン酸化合物又は式(I)で表されるテトラキスフェノール化合物と、式(II)で表される化合物とから形成される塩とも言うことができる。
本発明の硬化性粉体塗料用組成物における包接錯体の配合割合は、エポキシ樹脂のエポキシ環1モルに対して、包接錯体中の式(II)で表されるイミダゾール化合物又はイミダゾリン化合物として、好ましくは0.01〜1.0モルである。
(包接錯体の粒子径(D50))
包接錯体を硬化触媒等に用いた場合は、包接触媒が有する潜在的効果により所定の温度に達してはじめて硬化反応が開始される。加熱しても直ぐに硬化反応が開始しない。その特徴的な挙動は有用であるが、短時間での硬化を行わせる際には、時として、十分にエポキシ基が重合しないことによる硬化塗膜の強度の低下が懸念される。それを回避するためには目標とする設定温度よりも加熱温度を高くするか、あるいは加熱時間を長くする必要が生じる。
同じ量の包接錯体であれば、粒子径を小さくすることにより、粒子数が多くなり、このことで包接錯体の粒子の表面積の合計はより広くなるため、粉体塗料の焼付け温度及び時間(または硬化温度及び硬化時間)が同じであれば、包接化合物の粒子径が小さいほうが硬化反応を十分に行うことができ、その結果、エポキシ樹脂の架橋密度が高くなることによって硬化塗膜の機械的強度が向上する。
一方、粒子径を大きくすると粒子数が少なくなり、エポキシ樹脂等の樹脂中に偏って存在する。この状態では局所的に硬化反応が進むため、未硬化が存在することになり、その結果、耐溶剤性が劣ることが予想される。
包接錯体の粒子径(D50)は小さい方が好ましいが、0.01〜5μmであることが好ましい。
なお、本発明において粒子径(D50)とは、粉体のある粒子径を境にして2つに分けたとき、大きい側と小さい側が等量となる径のことである。メジアン径と表す事もできる。
本発明において使用されるカルボン酸化合物は、式(II)で表されるイミダゾール化合物又はイミダゾリン化合物を包接できるものである限り、特に制限されないが、式(IV)
R(COOH)n1 (IV)
で表すことができる。
式中Rは、置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基、置換基を有していても良い脂環式炭化水素基、置換基を有していても良い芳香族炭化水素基、又は置換基を有していても良い複素環基を表し、n1は1〜4のいずれかの整数を表す。
「アルキル基」としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、ノニル基、i−ノニル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、パルミチル基、ヘプタデシル基、ステアリル基等が挙げられる。好ましくは、C1〜C6のアルキル基である。
「アルケニル基」としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、デセニル基、ペンタデセニル基、エイコセニル基、トリコセニル基等が挙げられる。好ましくは、C2〜C6のアルケニル基である。
「アルキニル基」としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−メチル−2−プロピニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、2−メチル−2−ブチニル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、3−ヘキシニル基、4−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基、1−ヘプチニル基、1−オクチニル基、1−デシニル基、1−ペンタデシニル基、1−エイコシニル基、1−トリコシニル基等が挙げられる。好ましくは、C2〜C6のアルキニル基である。
脂肪族カルボン酸としては、好ましくは脂肪族2〜4価カルボン酸、ヒドロキシ脂肪族多価カルボン酸である。代表的には、フマル酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、trans−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、マロン酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸等を挙げることができる。これら脂肪族カルボン酸は1種単独で使用しても2種以上を併用しても良い。
安息香酸、2−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、4−メチル安息香酸、2−エチル安息香酸、3−エチル安息香酸、4−エチル安息香酸、2−n−プロピル安息香酸、3−n−プロピル安息香酸、4−n−プロピル安息香酸、2−ブチル安息香酸、3−ブチル安息香酸、4−ブチル安息香酸、2−i−プロピル安息香酸、3−i−プロピル安息香酸、4−i−プロピル安息香酸、2−i−ブチル安息香酸、3−i−ブチル安息香酸、4−i−ブチル安息香酸、2−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、4−イソプロピル安息香酸、2−ニトロ安息香酸、3−ニトロ安息香酸、4−ニトロ安息香酸、2−ニトロ安息香酸メチル、3−ニトロ安息香酸メチル、4−ニトロ安息香酸メチル、2−ニトロ安息香酸エチル、3−ニトロ安息香酸エチル、4−ニトロ安息香酸エチル、2−ニトロ安息香酸プロピル、3−ニトロ安息香酸プロピル、4−ニトロ安息香酸プロピル、2−ニトロ安息香酸ブチル、3−ニトロ安息香酸ブチル、4−ニトロ安息香酸ブチル、2,3−ジメチル安息香酸、2,4−ジメチル安息香酸、2,5−ジメチル安息香酸、2,6−ジメチル安息香酸、3,4−ジメチル安息香酸、3,5−ジメチル安息香酸、2,3,4−トリメチル安息香酸、2,3,5−トリメチル安息香酸、2,4,5−トリメチル安息香酸、2,4,6−トリメチル安息香酸、3,4,5−トリメチル安息香酸、3,6−ジメチル安息香酸、4,5−ジメチル安息香酸、4,6−ジメチル安息香酸、2,3−ジエチル安息香酸、2,4−ジエチル安息香酸、2,5−ジエチル安息香酸、2,6−ジエチル安息香酸、3,4−ジエチル安息香酸、3,5−ジエチル安息香酸、3,6−ジエチル安息香酸、4,5−ジエチル安息香酸、4,6−ジエチル安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、3,6−ジヒドロキシ安息香酸、4,5−ジヒドロキシ安息香酸、4,6−ジヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−3−メチル安息香酸、2−ヒドロキシ−4−メチル安息香酸、2−ヒドロキシ−5−メチル安息香酸、4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸、3−ヒドロキシ−4−メトキシ安息香酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、2,4−ジメトキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ−6−メチル安息香酸、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシ安息香酸、2,4,5−トリメトキシ安息香酸、2−(カルボキシメチル)安息香酸、3−(カルボキシメチル)安息香酸、4−(カルボキシメチル)安息香酸、2−(カルボキシカルボニル)安息香酸、3−(カルボキシカルボニル)安息香酸、4−(カルボキシカルボニル)安息香酸等の安息香酸化合物;
テレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、2−エチルテレフタル酸、2−n−プロピルテレフタル酸、2−イソプロピルテレフタル酸、2−ブチルテレフタル酸、2−イソブチルテレフタル酸、2−ヒドロキシテレフタル酸、2,6−ジヒドロキシテレフタル酸、2,6−ジメチルテレフタル酸、2−ニトロテレフタル酸等のテレフタル酸化合物;
1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,3,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸(トリメシン酸)、4−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、5−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、3−ヒドロキシ−1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、5−ヒドロキシ−1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、6−ヒドロキシ−1,2,4−ベンゼントリカルボン酸等のベンゼントリカルボン酸化合物;
1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸、1,2,3,5−ベンゼンテトラカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリット酸)等のテトラカルボン酸化合物;
ベンゼンヘキサカルボン酸;
シクロヘキサンカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸等のシクロヘキサンカルボン酸化合物;
1,2−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,3−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,4−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,5−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,6−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,7−デカヒドロナフタレンジカルボン酸、1,8−デカヒドロナフタレンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸化合物等。
これらの芳香族カルボン酸化合物は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
式中、R7は、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、ニトロ基又はヒドロキシ基を表す。
C1〜C6のアルキル基及びC1〜C6のアルコキシ基としては、式(IV−1)及び(IV−2)におけるR5、R6において例示されたものと同じものが挙げられる。
具体的に、(III)で表されるイソフタル酸化合物としては、5−ヒドロキシイソフタル酸又は5−ニトロイソフタル酸が好ましい。
本発明において使用されるテトラキスフェノール化合物は一般式(I)で表される化合物である。
本発明において使用される式(II)で表される化合物は、以下の式で表されるイミダゾール化合物又はイミダゾリン化合物である。
式中、R1は、水素原子、C1〜C10のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基又はシアノエチル基を表し、水素原子であることが好ましい。
アリール基は、単環又は多環のアリール基を意味する。ここで、多環アリール基の場合は、完全不飽和に加え、部分飽和の基も包含する。例えばフェニル基、ナフチル基、アズレニル基、インデニル基、インダニル基、テトラリニル基等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、C6〜C10のアリール基である。また、アリール基は置換基を有していてもよい。
アリールアルキル基は、上記アリール基とアルキル基が結合した基であり、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニル−n−プロピル基、1−フェニル−n−へキシル基、ナフタレン−1−イルメチル基、ナフタレン−2−イルエチル基、1−ナフタレン−2−イル−n−プロピル基、インデン−1−イルメチル基等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、C6〜C10アリールC1〜C6アルキル基である。また、アリールアルキル基は置換基を有していてもよい。
C1〜C20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、ノニル基、i−ノニル基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、パルミチル基、ヘプタデシル基、ステアリル基等が挙げられる。好ましくは、C1〜10のアルキル基である。
アリール基及びアリールアルキル基は、R1における基と同様の基が挙げられる。
C1〜C20のアシル基としては、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、又はへテロアリール基等がカルボニル基と結合した基を意味する。アシル基は、例えば、ホルミル基;アセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、へプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、3−メチルノナノイル基、8−メチルノナノイル基、3−エチルオクタノイル基、3,7−ジメチルオクタノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ペンタデカノイル基、ヘキサデカノイル基、1−メチルペンタデカノイル基、14−メチルペンタデカノイル基、13,13−ジメチルテトラデカノイル基、ヘプタデカノイル基、15−メチルヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、1−メチルヘプタデカノイル基、ノナデカノイル基、アイコサノイル基及びヘナイコサノイル基等のアルキルカルボニル基;アクリロイル基、メタクリロイル基、アリルカルボニル基、シンナモイル基等のアルケニルカルボニル基;エチニルカルボニル基、プロピニルカルボニル基等のアルキニルカルボニル基;ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、ビフェニルカルボニル基、アントラニルカルボニル基等のアリールカルボニル基;2−ピリジルカルボニル基、チエニルカルボニル基等のヘテロアリールカルボニル基等が挙げられる。これらのうち、C1〜C20(カルボニル基を含む)のアシル基が好ましく、C1〜C6のアシル基が特に好ましい。
式(II)で表されるイミダゾリン化合物としては2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−ヘプタデシルイミダゾリン、2−エチルイミダゾリン、2−i−プロピルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリン等が挙げられ、2−メチルイミダゾリン又は2−フェニルイミダゾリンが好ましい。
以上のような本発明の包接錯体は、たとえば、特開2007−39449号公報に記載の方法により製造することができるが、以下に、その概要を記載する。
カルボン酸化合物又は式(I)で表されるテトラキスフェノール化合物及び式(II)で表されるイミダゾール化合物又はイミダゾリン化合物を溶媒に添加後、必要に応じて攪拌しながら、加熱処理又は加熱還流処理を行い、析出させることにより得ることができる。
溶媒としては、本発明の化合物を得ることを妨げない限り特に制限はなく、水、メタノール、エタノール、酢酸エチル、酢酸メチル、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル等を用いることができる。本発明の包接錯体の製造時におけるカルボン酸化合物又は式(I)で表されるテトラキスフェノール化合物及び式(II)で表されるイミダゾール化合物又はイミダゾリン化合物の添加割合としては、カルボン酸化合物又は式(I)で表されるテトラキスフェノール化合物(ホスト)1モルに対して、式(II)で表されるイミダゾール化合物又はイミダゾリン化合物(ゲスト)が、0.1〜5.0モルであることが好ましく、0.5〜3.0モルであることがより好ましい。
反応終了後は、通常の分離手段により目的とする包接錯体を単離することができる。
得られる包接錯体の構造は、NMR、固体NMRスペクトル、赤外吸収スペクトル(IR)、マススペクトル、X線回折(XRD)パターン等公知の分析手段により確認することができる。また、包接錯体の組成は、熱分析、1H−NMRスペクトル、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、TG−DTA、元素分析等により確認することができる。
エポキシ樹脂としては、従来公知の各種ポリエポキシ化合物が使用でき、粉体塗料として用いることができれば、特に限定するものではないが、例えば、以下のものが挙げられる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型又はクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型もしくはAD型エポキシ樹脂、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルなどの脂肪族系エポキシ樹脂、脂肪族若しくは芳香族カルボン酸とエピクロルヒドリンとから得られるエポキシ樹脂、脂肪族若しくは芳香族アミンとエピクロルヒドリンとから得られるエポキシ樹脂、複素環エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、エポキシ変性樹脂等が挙げられる。
また、エポキシ樹脂の軟化点は特に限定されるものではないが、軟化点が50〜160℃が好ましく、60〜150℃がさらに好ましい。
エポキシ・ポリエステルハイブリッド樹脂としては、エポキシ樹脂にポリエステル樹脂を配合したハイブリッドが使用でき、配合するポリエステル樹脂は構造の一部がエポキシ基や芳香族カルボン酸で置換したエポキシ変性ポリエステル樹脂、カルボン酸置換ポリエステル樹脂であってもよい。
また、エポキシ・ポリエステルハイブリッド樹脂の軟化点は特に限定されるものではないが、軟化点が50〜160℃が好ましく、60〜150℃がさらに好ましい。
本発明の硬化性粉体塗料組成物は、エポキシ樹脂、包接錯体、及び所望によりその他の添加剤の所定量からなる混合物を、例えば、ニーダーや押出し機等を使用して、増粘、ゲル化の起こらない温度、時間条件で溶融、混練し、冷却後、粉砕し、分級機にかけることにより製造することができる。
(粉砕、篩い分け)
特に、目的とする粒子径を得るためには、粉砕又は/及び分級、篩い分けをすることができる。
粉砕方法は特に限定されるものではないが、ロッドミル、ローラーミル、ボールミル、ジェットミル、剪断型微粉砕機、振動ボールミル、遊星ミル、媒体撹拌型超微粉砕等を使用することができる。生成粒度分布がシャープで、粉砕時の温度上昇がないことから、ジェットミルが好ましい。
本発明の硬化性粉体塗料組成物においては、硬化剤又は硬化促進剤、例えば、アミン系化合物、イミダゾール系化合物、イミダゾリン系化合物、アミド系化合物、エステル系化合物、フェノール系化合物、アルコール系化合物、チオール系化合物、エーテル系化合物、チオエーテル系化合物、尿素系化合物、チオ尿素系化合物、ルイス酸系化合物、リン系化合物、酸無水物系化合物、オニウム塩系化合物、活性珪素化合物−アルミニウム錯体等をさらに添加してもよい。
脂肪族アミン類としては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレンジアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ペンタンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ペンタメチルジエチレントリアミン、アルキル−t−モノアミン、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン(トリエチレンジアミン)、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール、ジメチルアミノヘキサノール等が挙げられる。
変性アミン類としては、エポキシ化合物付加ポリアミン、マイケル付加ポリアミン、マンニッヒ付加ポリアミン、チオ尿素付加ポリアミン、ケトン封鎖ポリアミン、ジシアンジアミド、グアニジン、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル、アミンイミド、三フッ化ホウ素−ピペリジン錯体、三フッ化ホウ素−モノエチルアミン錯体等が挙げられる。
アミド系化合物としては、例えばダイマー酸とポリアミンとの縮合により得られるポリアミド等が挙げられる。
エステル系化合物としては、例えばカルボン酸のアリール及びチオアリールエステルのような活性カルボニル化合物が挙げられる。
尿素系化合物、チオ尿素系化合物、ルイス酸系化合物としては、ブチル化尿素、ブチル化メラミン、ブチル化チオ尿素、三フッ化ホウ素等が挙げられる。
さらに、本発明の硬化性粉体塗料組成物においては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂以外の樹脂を含有していてもよい。他の樹脂としては、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が挙げられる。
また、本発明の粉体塗料組成物には、所望によりその他の添加剤を添加することができる。その他の添加剤としては、以下に示すものが挙げられる。これらの添加剤の配合量は、特に限定されず、本発明の効果が得られる限度において、配合量を適宜決定することができる。
その他の添加剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤;重炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、天然シリカ、合成シリカ、溶融シリカ、カオリン、クレー、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク、マイカ、ウォラスナイト、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、セピオライト、ゾノトライト等の充填剤;NBR、ポリブタジエン、クロロプレンゴム、シリコーン、架橋NBR、架橋BR、アクリル系、コアシェルアクリル、ウレタンゴム、ポリエステルエラストマー、官能基含有液状NBR、液状ポリブタジエン、液状ポリエステル、液状ポリサルファイド、変性シリコーン、ウレタンプレポリマー等のエラストマー変性剤;
本発明の硬化性粉体塗料組成物の硬化物は、たとえば当該組成物を基材に塗装やコーティングすることにより得られる硬化膜等がある。
塗装は、公知の塗装方法により行うことができる。
本発明の硬化性粉体塗料組成物は、長期にわたって保存する場合であっても殆ど硬化反応が進行しないものであり、貯蔵安定性に優れている。
得られる塗膜の厚みは特に限定されないが、通常、約20〜200μm、好ましくは40〜100μmの範囲である。
塗膜を加熱することで、包接錯体中に包接されている式(II)で表されるイミダゾール化合物又はイミダゾリン化合物が放出され、硬化反応が進行することで硬化膜を形成することができる。
本発明の粉体塗料組成物は、木、合板、プラスチック、金属、及びこれらの組み合わせ等の基材の表面塗装や、家電製品、建材、水道管、パイプライン、自動車部品等の分野における塗料として好適に使用することができる。
具体的には、携帯電話、電池、電気用部品、電化製品の装飾又は防蝕;スチール又は木製家具の装飾又は防蝕;水道又は下水等の配管又は接続部の塗装;ガードレール、信号機等の道路標識、建屋等の屋根又は外壁の装飾又は防蝕;玩具類の装飾又は防蝕;トロフィー又は表示板の装飾又は防蝕;椅子、架台、台車、自動車、バイク、自転車等の部品又はかご等の装飾又は防蝕等ための塗料として好適に使用することができる。
なお、略語の定義は次の通りである。
(ホスト分子)
NIPA:5−ニトロイソフタル酸
HIPA:5−ヒドロキシイソフタル酸
(ゲスト分子)
2E4MZ:2−エチル−4−メチルイミダゾール
2MZ:2−メチルイミダゾール
また、包接錯体の表記は、ホスト化合物−ゲスト化合物の順に記し、続く括弧内にホスト化合物とゲスト化合物の包接比(モル比)を記す。例えば、「HIPA-2E4MZ(1:1)」は、ホスト化合物がHIPA、ゲスト化合物が2E4MZであり、包接比が1:1である包接錯体を意味する。
(硬化触媒(包接錯体)の調製)
[製造例1]
公知の方法で製造したHIPA−2MZの粉末を目開き1mmの篩いにて1mm以上の粒子を除去した。篩いを通った粉末について、ウルマックス(登録商標、日曹エンジニアリング社製)を用いたジェットミル粉砕(気流粉砕)を行い、得られた微粉末をHIPA−2MZ(S)とした。
また得られた粉末の平均粒子径と粒度分布をレーザー回折式粒度分布測定装置マスターマイザー2000(スペクトリス社製)にて測定した。その結果を第1表に示す。
[製造例2]
製造例1のHIPA−2MZの代わりに、公知の方法で製造したNIPA−2E4MZを用いた以外は製造例1に記載した方法で得た。得られた微粉末をNIPA−2E4MZ (S)とした。
また製造例1と同様の方法で平均粒子径と粒度分布で測定した。その結果を第1表に示す。
[比較製造例1〜2]
公知の方法製造で製造したHIPA−2MZの粉末を目開き1mmの篩いを通し、次に目開き106μmの篩がけを行った。目開き106μmの篩いを通った粉末をHIPA−2MZ(M)、通らなかった粉末をHIPA−2MZ(L)とした。
また製造例1と同様の方法で平均粒子径と粒度分布で測定した。その結果を第1表に示す。
[比較製造例3]
公知の方法で製造したNIPA−2E4MZについても上記比較製造例2と同じ方法にてNIPA−2E4MZ(M)を得た。
また製造例1と同様の方法で平均粒子径と粒度分布で測定した。その結果を第1表に示す。
第2表に示す量のエポキシ樹脂100重量部に対し、包接錯体(イミダゾールとして1.5重量部)、酸化チタン、表面調整剤をミルTML17(テスコム社製)でよく混合させた後に、ロール表面温度を100℃に加熱したミキシングロールミルMR−3 1/2×8(井上製作所社製)で溶融混練を5分間行った。その後、混練混合物を室温にまで冷却させた後に、高速スタンプミルANS−143PL(日陶科学社製)による粗粉砕を行い目開き1mmの篩をかけた。最後に、ウルマックス(登録商標、日曹エンジニアリング社製)を用いた気流粉砕を行い、目開き106μmの篩がけをして粉体塗料とした。
実施例1、2および比較例1〜3で得られた硬化性粉体塗料組成物を寸法0.8×70×150mmφ5-1 (吊り下げ用 穴付き)のリン酸亜鉛処理鋼板品名SPCC−SB(PB−L3020)(パルテック社製)に、硬化膜厚が40〜60μmになるようにコロナ式手吹き塗装機(ワーグナー社製)にて静電噴霧塗装を行った。その後、130℃に設定された乾燥炉に15分間投入して加熱し塗膜を得た。このようにして得られた塗膜について、下記の性能を評価し、その結果を第3表に示す。
また、塗装した後に150℃に設定された乾燥炉に20分間投入し得られた塗膜についても、同様に試験を行った結果を第4表に示す。
光沢度計(GMX−202 村上色彩技術研究所社製)を用いて、JIS K 5600−4−7に準拠し、20度及び60度鏡面光沢度を測定した。
JIS K 5600−1−1の4.4に準じて目視により観察し、ピンホール、膨れ、はがれ、割れ、しわ、色むらなどが見られなく正常であるものを◎、極めて小さい異常が見られるものを○、異常があるものを×とした。
JIS K 5600−5−6に記載された方法(クロスカット法)に準拠して行った。試験結果の分類はJIS記載の碁盤目試験評価点に従い表記した。
JIS K 5600−5−4に記載された方法(引っかき硬度(鉛筆法))に準拠して測定した。表示は鉛筆硬度記号で示した。
キムワイプS200(日本製紙クレシア(株)社製)にメチルエチルケトン(MEK)又は酢酸エチル(AcOEt)をしみ込ませて、粉体塗料を焼き付けたガラス面を10往復こすり外観観察した。変化がないものを5、キムワイプへ若干塗料の移りが見られるものを4、キムワイプへの塗料の移りが多く見られるものを3、表面が変形するものを2、溶剤に溶解するものを1とした。
日本電色工業製、型式SD5000で測定した白色度(WB値, JIS P8123)及び色彩値(L*、a*、b*)を示した。白色度(WB値)は、数値が大きいほど白色度が高いことを表している。
JIS K 5600−5−3 の6.デュポン式衝撃試験に準じて、おもり500g、撃芯1/2インチの条件で塗膜表面の上に落下させ、塗膜に割れ、剥がれのない重りの高さ(cm)を示した。
(平滑性)
硬化物の表面を指で触った感触、並びに目視にて評価した。×:塗膜にムラがあり著しく凹凸があることが認められる表面、○:ほとんど凹凸を感じない表面、◎:全く凹凸を感じない表面
各実施例の硬化性粉体塗料組成物の適量を金属製ヘラで130℃の熱板に置き、金属製ヘラを使ってかき混ぜ、試料に粘着性がなくなった時間を計測した。同様に150℃の熱板を用いて測定したときと併せ、結果を第5表に示す。
第3表及び第4表の比較結果から、硬化温度を上げ、硬化時間を長くすることで耐溶剤性及び鉛筆硬度試験が向上している。また、第5表の結果から、130℃と比べて150℃でのゲルタイムは短くなることからも、十分な硬化条件であれば、良好な硬化塗膜を形成することのできる組成物で試験を行っていることを確認した。
第3表の結果から、実施例1と比較例1又は比較例2とを比較すると耐溶剤性及び鉛筆硬度試験、さらには耐衝撃性が向上していることが判明した。第5表の結果から、実施例1と比較例1又は比較例2とを比較すると、粒子径が小さいほどゲルタイムは短い。このことは、一定時間の加熱条件であれば、粒子径が小さいほど十分に硬化が進んだ硬化物が得られることを示し、上記塗膜特性を向上させることが示唆される。これにより粒子径を小さくすることは、硬化温度を上げ、硬化時間を長くすることと同様の効果をもたらすことが判明した。
第4表の結果から、実施例2と比較例3を比較すると、硬化温度を上げ、硬化時間を長くしても十分なMEKの耐溶剤性は得られなかったが、粒子径を小さくすることでさらに値が向上することが判明した。
第3表と第4表の結果から、実施例1と比較例1又は比較例2との比較、並びに実施例2と比較例5の比較からも、粒子径が小さいほど高光沢度であることが判明した。粒子径が大きいほど粒子数が少なくなり、エポキシ樹脂等の塗料樹脂中に偏って存在する。この状態では局所的に硬化反応が進むため、塗膜表面平滑性が劣り、その結果、光沢度は低くなる。
以上の結果から、包接錯体の粒子径を小さくすることで効率的な硬化反応を行うことが可能となり、硬化被膜の機械的強度や光沢度等の塗膜性能を最大限に発揮することができることがわかった。
Claims (6)
- 下記成分(A)及び成分(B)を含有することを特徴とする硬化性粉体塗料組成物。
(A)エポキシ樹脂又はエポキシ・ポリエステルハイブリッド樹脂、
(B)(b1)カルボン酸化合物及び下記式(I)
(式中、Xは、(CH2)nを表し、nは、0、1、2又は3であり、R’は、それぞれ独立して、水素原子、C1〜C6のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ハロゲン原子、又はC1〜C6のアルコキシ基を表す。)
で表されるテトラキスフェノール化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種と、
(b2)式(II)
(式中、R1は、水素原子、C1〜C10のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基又はシアノエチル基を表し、R2〜R4は、水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子、C1〜C20のアルキル基、ヒドロキシ基で置換されたC1〜C20のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基又はC1〜C20のアシル基を表す。破線を付した部分は単結合又は二重結合であることを表す。)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種
とを含有し、粒子径(D50)が0.01〜5μmである包接錯体。 - (b1)のカルボン酸化合物が芳香族カルボン酸化合物であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性粉体塗料組成物。
- 前記芳香族カルボン酸化合物が、式(III)
(式中、R7は、C1〜C6のアルキル基、C1〜C6のアルコキシ基、ニトロ基又はヒドロキシ基を表す。)で表されるイソフタル酸化合物であることを特徴とする請求項2に記載の硬化性粉体塗料組成物。 - イソフタル酸化合物が、5−t−ブチルイソフタル酸、5−ニトロイソフタル酸又は5−ヒドロキシイソフタル酸であることを特徴とする請求項3に記載の硬化性粉体塗料組成物。
- 式(II)で表されるイミダゾ−ル化合物又はイミダゾリン化合物が、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾリン又は2−フェニルイミダゾリンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性粉体塗料組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性粉体塗料組成物の硬化物。
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