JP2013152798A - 電子線装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子線の加速電圧を低加速とするとともに作動距離を短く設定して、試料の表面領域のX線分析を行う際に、試料からの特性X線の検出を高感度かつ良好に行う。
【解決手段】試料11に向けて電子線20を放出する電子線源1と、電子線源1から放出された電子線20を試料11上で集束するための対物レンズ3と、電子線20を偏向する偏向器4と、電子線20の照射に応じて試料11から発生する特性X線22の検出を行うX線検出器7とを備えた電子線装置において、対物レンズ3の電子線通過領域3b内であって試料11と対向する側の端部にX線集光素子10が配置され、対物レンズ3を間に挟んで試料11が位置する側の反対側の位置にX線検出器7が配置されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、走査電子顕微鏡の構成を備え、試料に電子線を照射したときに生じる特性X線の検出を行い、これにより試料のX線分析を行うことができる電子線装置に関する。
試料のX線分析を行う装置として、集束された電子線を試料に照射し、これにより試料から発生した特性X線の検出を行う試料分析装置が知られている。このような試料分析装置においては、走査電子顕微鏡の構成を基本構成とするものもある。
走査電子顕微鏡は、電子銃からなる電子線源と、電子線源から放出された電子線を一旦集束するための集束レンズと、集束レンズを通過した電子線を試料上で集束させるための対物レンズと、電子線を偏向・走査するための偏向器と、集束された電子線(集束電子線)の照射に応じて試料から発生する二次電子又は反射電子等の被検出電子の検出を行う電子検出器等を具備する。そして、試料の観察を行う際には、集束電子線を試料上で走査し、このときに検出される被検出電子の検出信号に基づき、試料の走査像を取得することができる。
このような走査電子顕微鏡の構成を備える電子線装置において、電子線の照射に応じて試料から発生する特性X線の検出を行うX線検出器を配置することにより、試料分析装置を構成することができる。
ここで、走査電子顕微鏡において、対物レンズの形状は、取得される走査像の分解能を決める重要な要因をしめている。従って、分解能を向上させるためには、対物レンズの収差係数を小さくする必要がある。
そこで、試料の高分解能観察を行うときには、試料と対物レンズ主面との間の距離に相当する作動距離(WD)を小さくして(例えば、2〜3mmとする)、収差係数が小さい状態で走査像の取得を行う。
一方、試料のX線分析を行う場合、EDSやWDS等のX線検出手段を用いる方法があるが、それらのX線検出手段の構成や形状による要因によって、通常、作動距離が10mm以上の長い距離となるように試料位置を設定して、X線分析が行われている。
その場合、通常、電子線源から放出される電子線の加速電圧も10kV以上に設定されて、X線分析が実行される。また、分析対象となる試料については、バルク状のものも存在する。
このように電子線の加速電圧が10kV以上の比較的高い加速電圧に設定されていると、電子線は、ある程度試料の内部に入り込むこととなる。この結果、X線分析として得られる分析結果は、試料内部の分析情報が主となる。
なお、電子線照射に基づく試料からの特性X線を検出する装置構成については、以下に示す特許文献開示の装置が知られている。
特開平6−168693号公報 特開平7−294460号公報 特開平8−83588号公報 特開2004−294168号公報
従来技術においては、試料のX線分析を行う場合、上述のごとく、試料内部に含まれている成分の分析が主となっている。
しかし、最近、試料の表面に近い領域についての高分解能X線分析を実施するために、試料内部への拡がりの少ない低加速電圧(5kV前後)での電子線の照射を行うことがある。
この場合、作動距離が上記と同様に長い設定(10mm以上)の状態では、試料上での集束電子線のビーム径が大きくなってしまい、X線分析の精度が低下することとなる。この弊害は、電子線の加速電圧をさらに下げると、より顕著なものとなる。
また、走査像の取得による試料の極表面の観察において、電子線の加速電圧を低くする必要がある場合には、作動距離は通常2〜3mmの範囲とし、小さく設定される。しかし、試料がその位置では、従来のX線検出手段を用いた場合に、X線分析するための特性X線の検出が困難となる。
従って、作動距離を2〜3mmの範囲とした状態での走査像取得による試料表面の観察を行った後、当該走査像中で認識された観察位置を分析位置としてX線分析を実行する場合には、試料のZ位置を移動させて作動距離を長くする必要があるが、走査像中における当該観察位置を見失わないように試料移動を行うことは非常に困難である。
よって、X線分析の精度を維持した状態で、試料の表面領域についての分析を行う際には、作動距離を2〜3mmの範囲程度の小さくした状態で、低加速電圧とされた電子線(集束電子線)を試料表面に照射する必要がある。
この場合、対物レンズの上方(試料が位置する側に対して反対側の方向)にX線検出器を配置して、試料から発生し、対物レンズを通過した特性X線を検出する方法も考えられる。
しかしながら、単に対物レンズの上方にX線検出器を配置しただけの構成では、X線検出の立体角が非常に小さくなり、特性X線の検出を効率良く行うことができない。この結果、特性X線の検出時における検出感度が低くなり、試料表面の成分分析を実行できる程度の特性X線検出をすることができない。
本発明は、このような点に鑑みて成されたものであり、電子線の加速電圧を低加速とするとともに作動距離を短く設定して、試料の表面領域のX線分析を行う際において、試料からの特性X線の検出を高感度かつ良好に行うことのできる電子線装置を提供することを目的とする。
本発明における電子線装置は、試料に向けて電子線を放出する電子線源と、電子線源から放出された電子線を試料上で集束するための対物レンズと、該電子線を偏向するための偏向器と、電子線の照射に応じて試料から発生する特性X線の検出を行うX線検出器とを備えた電子線装置において、対物レンズの電子線通過領域内であって試料と対向する側の端部にX線集光素子が配置され、対物レンズを間に挟んで試料が位置する側の反対側の位置にX線検出器が配置されていることを特徴とする。
本発明においては、対物レンズの電子線通過領域内であって試料と対向する側の端部にX線集光素子が配置され、対物レンズを間に挟んで試料が位置する側の反対側の位置にX線検出器が配置されている。
これにより、試料のX線分析の際に、電子線の加速電圧が低加速とされ、かつ作動距離が短い設定とされた場合において、試料から発生した特性X線は、試料と間近に対向して位置するX線集光素子により集光され、その後対物レンズの電子線通過領域内部への導かれた後、X線検出器により検出されることとなる。
この結果、作動距離が短い設定であっても、試料からの特性X線検出の立体角を大きくすることができ、当該特性X線の検出を高感度かつ良好に行うことができる。
本発明における電子線装置の構成を示す概略構成図である。 本発明における電子線装置の要部を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明における電子線装置の構成を示す概略構成図である。
同図において、電子銃からなる電子線源1からは、試料11に向けて、一次線としての電子線(電子ビーム)20が放出される。電子線源1から放出された電子線20は、集束レンズ2を通過する。集束レンズ2は、後段側に位置する対物絞り5の手前で、電子線20を一旦集束させる。
集束レンズ2により集束された電子線20のうち対物絞り5の孔5aを通過した電子線20は、X線検出手段8に形成された孔8a、及び対物レンズ3の電子線通過孔3bを通過して、試料11上に到達する。当該電子線通過孔3bは、対物レンズ3の電子線通過領域を構成する。
ここで、X線検出手段8は、シリコンドリフト検出器からなるX線検出器7と、このX線検出器7を支持する支持部材6とを備える。X線検出器7の検出面(受光面)は、試料11が位置している側に面している。支持部材6は中空の棒状とされており、その中空の内部には、X線検出器7に接続された配線が設けられている。この配線は、X線検出器7による特性X線の検出に基づく検出信号を出力するためのものである。
また、対物レンズ3の電子線通過孔3b内には、金属からなる導電性のインナーチューブ9が配置されている。対物レンズ3の電子線通過孔3b内を通る電子線20は、インナーチューブ9内を通過することとなる。
さらに、対物レンズ3の電子線通過孔3b内において、インナーチューブ9の試料11側の端部には、X線集光素子10が設置されている。このX線集光素子10は、試料11と対向するように配置されており、ポリキャピラリレンズからなる。当該X線集光素子10にも電子線が通過可能とされた孔10aが設けられている。
X線集光素子10は、受光した特性X線を集光してインナーチューブ9内に導き、当該特性X線を平行ビーム又は集束ビームとしてX線検出器7の検出面にフォーカスさせる役割を果たす。
対物レンズ3を通過した電子線20は、対物レンズ3のレンズ作用により、試料11上で集束される。この結果、集束された電子線(集束電子線)20が、試料11上に照射されることとなる。
このとき、所定の走査信号に基づく偏向器4による偏向作用によって、当該電子線20は試料11上の所定領域を走査する。なお、本実施の形態において、偏向器4は、偏向コイルからなり、対物レンズ3の電子線通過孔3b内であって、インナーチューブ9の外側面における試料11側に位置する部分に対応して配置されている。この偏向器4は、X線集光素子10よりも電子線源1側に位置している。
電子線20が走査(照射)された試料11からは、図示しない二次電子及び反射電子が発生する。これら二次電子及び反射電子は、対物レンズ3の電子線通過孔3b内において、X線集光素子10の孔10a内部及びインナーチューブ9の内部を上昇して通過する。このうちの二次電子は、受光面にコレクタ電極を備える二次電子検出器12によって検出される。なお、反射電子を検出するための反射電子検出器の図示は省略している。
ここで、電子源1、集束レンズ2、対物レンズ3及び偏向器4は、それぞれ対応する駆動部1a〜4aにより駆動される。また、インナーチューブ9には、電圧印加部15より所定の設定電圧(設定電位)が印加される。これら各駆動部1a〜4a及び電圧印加部15は、バスライン20に接続されており、バスライン20を介してCPU16により制御される。なお、集束レンズ2、対物絞り5、X線検出手段8、対物レンズ3及び偏向器4は、グランド電位となっている。
X線検出手段8からの検出信号は、分析データ形成部13に送られる。分析データ形成部13は、当該検出信号に基づき、試料11に関する定性分析データ及び/又は定量分析データの形成を行う。この場合、試料11の面分析データの形成を行う際には、上記走査信号に基づく試料11上での集束電子線20の位置情報も加味されて面分析データが作成される。
このような分析データは、CPU16による制御により、バスライン20を介してメモリ17に送られて格納される。さらに、メモリ17に格納された分析データは、CPU16による制御によって読み出され、LCD等を備える表示部18に送られる。表示部18は、当該分析データに基づく分析データ画像の表示を行う。
また、二次電子の検出に基づく二次電子検出器12からの検出信号は、画像データ形成部14に送られる。画像データ形成部14は、当該検出信号及び上記走査信号に基づき、走査像データを形成する。当該走査像データは、CPU16による制御により、バスライン20を介して、表示部18に送られる。表示部18は、当該走査像データに基づく走査像の表示を行う。
なお、このように画像データ形成部14で形成された走査像データは、適宜、CPU16による制御により、メモリ17に読み出し可能な状態で格納される。
さらに、図中の入力部19は、キーボード等のキーデバイス及びマウス等のポインティングデバイスからなり、本装置のオペレータにより操作される。
ここで、図中の試料11は、図示しない試料ステージ上に配置されている。そして、対物レンズ3と試料11との間、若しくはX線検出器7と対物レンズ3との間には、後述する遮蔽板(遮蔽部材)が挿脱可能に配置されている。この遮蔽板は、X線分析の際において、試料11への電子線20の照射時に試料11から発生する二次電子や反射電子等の電子を遮蔽するためのものである。
すなわち、X線分析の際に、試料11から放出される電子は、X線検出器7の検出面に到達することによりノイズとして検出される場合がある。このため、X線分析の際には、試料11から発生する電子がX線検出器7に到達することを防ぐため、当該遮蔽板を電子線20の光軸上に配置できるようにする。ここで、この遮蔽板は、X線が通過可能であるが電子が通過できない材質及び厚さとされており、その中央部には電子線20が通過可能とされた孔が形成されている。
なお、CPU16は、本装置の各構成要素の制御を行うことができる。
以上が、本装置の構成である。次に、本装置の動作について、図1及び図2を参照して説明する。
まず、試料11の走査像を取得し、試料観察を行う。すなわち、CPU16により駆動部1aを介して電子源1を駆動制御し、電子源1から電子線20を放出させる。この場合、本実施例においては、電子線20の加速電圧は、3kV〜5kV程度の低加速電圧に設定される。
電子線源1から放出された電子線20は、集束レンズ2により一旦集束される。その後、対物絞り5の孔5aを通過した電子線20は、X線検出手段8の孔8aを通り、対物レンズ3の電子線通過孔3b内において、インナーチューブ9及びX線集光素子10の孔10aを通過する。
これにより、対物レンズ3を通過した電子線20は、対物レンズ3のレンズ作用により試料11上で集束される。このとき、偏向器4による偏向作用によって、この集束電子線20は、試料11上での所定の走査領域を走査する。この電子線20の走査時においては、CPU16からの走査信号に応じて、駆動部4aが走査用駆動信号を偏向器4に供給する。
なお、本実施例においては、作動距離が2〜3mmとなるように、試料ステージの駆動により試料11の位置が設定されている。
上記により、集束電子線20が走査された試料11からは、二次電子及び反射電子等の被検出電子が発生する。当該被検出電子は、対物レンズ3の電子線通過孔3b内において、X線集光素子10の孔10a内部及びインナーチューブ9の内部を上昇する。
これによりインナーチューブ9の上端を通過した被検出電子のうち、二次電子については、二次電子検出器12により捕捉されて検出される。二次電子検出器12は、当該二次電子の検出に基づく検出信号を画像データ形成部14に出力する。
画像データ形成部14は、当該検出信号及び上記走査信号に基づき、走査像データを形成する。当該走査像データは、バスライン20を介して表示部18に送られる。表示部20は、当該走査像データに基づく走査像を表示する。当該走査像は、試料11上での走査領域の設定に応じて、数万倍以上の倍率とすることができる。
本装置のオペレータは、表示部20により表示された走査像を目視により確認し、試料11上での当該走査領域内における分析領域の指定を行う。この分析領域の指定は、入力部19を構成するマウス等のポインティングデバイスの操作により、当該走査像内での位置指定がされることにより行うことができる。
そして、CPU16は、上記分析領域の指定に基づき、試料11のX線分析を行うための制御を実行する。
すなわち、偏向器4の駆動を制御して、試料11上において指定された分析領域に集束電子線20が照射されるようにする。ここで、位置指定された分析領域が試料11上の一つのポイント(ワンポイント)である場合には、集束電子線20により当該ポイントがスポット照射される。また、指定された分析領域が、所定の面領域である場合には、当該面領域内を集束電子線20が走査するように、CPU16が偏向器4の駆動制御を行う。なお、このX線分析において、電子線20の加速電圧は、上記と同様に低加速電圧の状態とし、また作動距離の変更は原則として行わない。
このようにして集束電子線20が照射された試料11の領域からは、図2に示すごとく、特性X線22が発生する。この特性X線22は、試料11と対向して配置されたX線集光素子10により集光されて、インナーチューブ9内に導かれる。そして、インナーチューブ9の上端を通過した特性X線22は、平行ビーム又は集束ビームとしてX線検出器7の検出面に到達する。
ここで、対物レンズ3と試料11の間、若しくはX線検出器7と対物レンズ3との間には、遮蔽板21が配置されている。この遮蔽板21は、上述したように、X線分析の際において、試料11から発生する電子を遮蔽するためのものである。この遮蔽板21は、電子線20の光軸に対して、挿脱可能に設けられている。
当該X線分析時において、遮蔽板21が電子線20の光軸上に配置される。これにより、試料11から発生した二次電子又は反射電子等の電子がX線検出器7の検出面に到達するのを防ぐことができ、特性X線検出におけるSN比を向上させることができる。
なお、上述した試料11の走査像の取得を行う際には、遮蔽板21を電子線20の光軸上から外しておく。また、上記の走査像取得の例においては、二次電子検出に基づく走査像を取得する例となっていたが、図示しない反射電子検出器を用いた反射電子検出に基づく走査像を取得するようにしてもよい。
このように試料11からの特性X線22がX線検出器7の検出面に到達すると、当該X線検出器7によって特性X線22が検出されることとなる。X線検出器7は、特性X線22の検出に基づく検出信号を分析データ形成部13に出力する。
分析データ形成部13は、当該検出信号に基づき、定性分析データ及び/又は定量分析データの形成を行う。これにより形成された分析データは、バスライン20を介してメモリ17に格納される。さらに、メモリ17に格納された分析データは、適宜読みだされて表示部18に送られる。表示部18は、当該分析データに基づく分析データ画像の表示を行う。オペレータは、表示された分析データ画像を目視により確認することができる。
ここで、本実施例では、試料11からの特性X線の検出立体角大きくするために、試料11と間近に対向するようにX線集光素子10を配置している。
さらに、図2で示したX線集光素子10において、図中の点線で示した表面部分には、導電性の膜あるいは筒を配置する。また、太い実線で示した内壁部分には、同様に導電膜を配置するが、その材質及び厚さを選択して、X線が透過できるものとする。なお、X線集光素子10の孔10aの内径は、1mm以上は必要である。これは、作動距離を2mmに設定した際に、低倍率観察時での倍率制限を大きくしないようにするためである。
さらに、偏向器4は、対物レンズ3の電子線通過孔3b内において、X線集光素子10の真上に位置している。これは、電子線20の走査を、1段走査とする場合である。
本発明においては、X線検出器7を対物レンズ3の上方に配置するとともに、X線集光素子10をインナーチューブ9の試料側先端部に設置している。これにより、X線取出立体角(X線検出立体角)の減少を防いだ状態で、試料11からの特性X線22の検出が可能となる。この結果、作動距離を2mm程度と短くした状態で数万倍以上の試料観察をし、走査像(視野)内における分析対象となる領域を指定しても、その後作動距離をそのまま維持してX線分析ができるので、視野内の分析対象領域を見失うことがない。そして、電子線20の加速電圧を3kV程度の低加速電圧の状態に維持して、試料表面に近い部分についてのX線分析が可能となる。
なお、インナーチューブの9の内壁には、インナーチューブ9内に導かれた特性X線22の取りこぼしを抑えるために、SiC膜等からなるX線反射ミラーを形成しておくこともできる。
また、低加速電圧での集束電子線20のビーム径を小さくするために、インナーチューブ9に電圧を印加して、対物レンズ3による磁場と重畳する電界を形成させることも可能である。この場合、インナーチューブ9及びそれに接続されたX線集光素子10における導電膜(図2中のX線集光素子10における太い実線部を参照)を一体として全体に高電圧を印加可能となる。
さらに、上記の遮蔽板21をX線検出器7と対物レンズ3との間のほうに配置し、必要に応じて試料11に対して図示しない電圧印加手段により負のバイアス電圧を印加することにより、試料11からの特性X線22をX線検出器7により検出して試料11のX線分析を行うと同時に、対物レンズ3内部のインナーパイプ9内を上昇してきた二次電子を、対物レンズ3の上方に位置する二次電子検出器12により検出することも可能である。この場合、試料11からの二次電子に基づく走査像(二次電子像)の観察をしながら、試料11のX線分析を行うことができる。
このように、本発明における電子線装置は、試料11に向けて電子線20を放出する電子線源1と、電子線源1から放出された電子線20を試料11上で集束するための対物レンズ3と、電子線20を偏向するための偏向器4と、電子線20の照射に応じて試料11から発生する特性X線22の検出を行うX線検出器7とを備え、対物レンズ3の電子線通過領域3b内であって試料11と対向する側の端部にX線集光素子10が配置され、対物レンズ3を間に挟んで試料11が位置する側の反対側の位置にX線検出器7が配置されている。
ここで、対物レンズ3の電子線通過領域3b内には、電子線20が通過するインナーチューブ9が配置されており、インナーチューブ9の試料11側の端部にX線集光素子10が設置されている。
さらに、インナーチューブ9は導電性を有しており、インナーチューブ9に電圧を印加するための電圧印加手段15が備えられている。
また、偏向器4は、対物レンズ3の電子線通過領域3b内であって、X線集光素子10を間に挟んで試料11が位置する側の反対側の位置に配置されている。
そして、対物レンズ3と試料11との間において、電子線照射時に試料11から発生する電子を遮蔽するための遮蔽部材21が挿脱可能に設けられている。あるいは、X線検出器7と対物レンズ3との間において、電子線照射時に試料11から発生する電子を遮蔽するための遮蔽部材21が挿脱可能に設けられている。
本発明においては、このような構成により、対物レンズ3の上方にX線検出器7を配置するとともに、試料11と間近に対向する位置にX線集光素子10を設置したので、低加速電圧での電子線20を用いた作動距離が短い状態での高分解能観察時に、視野内から目標物(分析対象)を見失うことなく、当該目標物のX線分析を行うことができる。この場合、X線の取出立体角を大きくすることができ、X線集光素子10が無いときと比べて、X線検出の感度を数十倍に向上させることができる。
また、偏向器4をX線集光素子10の直上に配置し、試料11からの距離を短くしたので、低倍率観察時での視野カットを小さくすることができる。
さらに、インナーチューブ9への電圧印加により、磁界型の対物レンズ3が形成する磁場に加えて電界重畳も可能としたので、数十万倍の超高分解能X線分析も可能となる。
そして、遮蔽板21の導入により、試料11のX線分析時におけるノイズの軽減を行うことができる。
1…電子ビーム、2…集束レンズ、3…対物レンズ、4…偏向器、5…対物絞り、6…支持部材、7…X線検出器、8…X線検出手段、9…インナーチューブ、10…X線集光素子、11…試料、12…二次電子検出器、13…分析データ形成部、14…画像データ形成部、15…電圧印加部、16…CPU、17…メモリ、18…表示部、19…入力部、1a〜4a…各駆動部、5a…孔、8a…孔、10a…孔、3b…電子線通過孔

Claims (6)

  1. 試料に向けて電子線を放出する電子線源と、電子線源から放出された電子線を試料上で集束するための対物レンズと、該電子線を偏向するための偏向器と、電子線の照射に応じて試料から発生する特性X線の検出を行うX線検出器とを備えた電子線装置において、対物レンズの電子線通過領域内であって試料と対向する側の端部にX線集光素子が配置され、対物レンズを間に挟んで試料が位置する側の反対側の位置にX線検出器が配置されていることを特徴とする電子線装置。
  2. 対物レンズの電子線通過領域内には、電子線が通過するインナーチューブが配置されており、該インナーチューブの試料側の端部にX線集光素子が設置されていることを特徴とする請求項1記載の電子線装置。
  3. インナーチューブは導電性を有し、該インナーチューブに電圧を印加するための電圧印加手段を備えることを特徴とする請求項2記載の電子線装置。
  4. 偏向器は、対物レンズの電子線通過領域内であって、X線集光素子を間に挟んで試料が位置する側の反対側の位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3何れか記載の電子線装置。
  5. 対物レンズと試料との間において、電子線照射時に試料から発生する電子を遮蔽するための遮蔽部材が挿脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4何れか記載の電子線装置。
  6. X線検出器と対物レンズとの間において、電子線照射時に試料から発生する電子を遮蔽するための遮蔽部材が挿脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4何れか記載の電子線装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5240190A (en) * 1975-09-25 1977-03-28 Hitachi Ltd X-ray analysis device
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