JP2013152247A - 非特異的相互作用抑制剤及びその診断測定系への応用 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】抗原-抗体反応を利用した診断薬で問題となる非特異反応を効果的に抑制し、偽陽性を低減させる蛋白質・ポリマー・塩類、あるいはそれらの組み合わせからなる非特異反応抑制剤を利用することで、免疫診断薬などにおける偽陽性を低減させることができる。
【選択図】なし
Description
成される。すなわち、ビタミンK依存性血液凝固因子は、還元型ビタミンKとビタミンK依存性カルボキシラーゼの存在下、それらの生合成の最終段階において、前駆体分子のアミノ末端側にあるグルタミン酸(Glu)残基が、γ-カルボキシグルタミン酸(Gla)残基に変換
され、正常な機能をもった糖蛋白となる。ビタミンK依存性血液凝固因子は、このGla残基を有するGalドメインを利用してカルシウムイオン(Ca2+)と結合することが可能となり、
血中で凝血作用を発現する。一方、ビタミンK欠乏症、腸管閉塞、ワーファリン投与や肝
臓癌などの状態では正常なビタミンK依存性凝固因子のγ-カルボキシル化が障害され、血液凝固活性を有さない異常蛋白、PIVKA(protein induced by vitamin K absence or antagonist)が血中に放出される。PIVKAは、生体膜上において補助因子の役割を果たす他の凝固因子とCa2+を介した複合体形成ができないため、抗凝血作用や抗血栓作用を示す。
血液、血清、血漿などのヒト検体中の特異抗原やバイオマーカーを測定することは、ウイルス、感染性細菌・原虫あるいは寄生性生物などによる感染の有無や悪性腫瘍、脳血管障害、臓器不全などの各種疾患を判定する意味から非常に重要となっている。こうした抗原抗体反応を利用する測定において、陰性と判定されるべき検体が誤って陽性と判定される(以下、「偽陽性」)ことは、大きな問題となるために、様々な非特異反応抑制剤、免疫測定試薬、及び、免疫測定方法が提案されている〔特許文献1〜4〕。
ポリアニオンの非特異反応抑制効果に関する特許文献が存在する〔特許文献6〜11〕が、いずれの特許文献においても、本発明で開示する「抗原-抗体反応を利用した診断薬の添加剤」や「肝癌の診断に有用な異常蛋白質PIVKA-IIの検出の添加剤」については触れていない。
免疫学的にPIVKA-IIを測定する場合、プロトロンビンに対する抗体が標識抗体として用いられるが、この標識抗体はプロトロンビンまたはトロンビンに特異的に結合するため、血中に多量に存在するプロトロンビン・トロンビンの一部やそれらを含む複合体が磁性粒子表面や反応容器内壁に非特異的に結合すると、偽陽性シグナルを生じさせる。この問題を簡単な手法で回避することが課題となっている。
〔1〕蛋白質、ポリマー、塩類及びそれらの混合物からなる群から選択されたものを含有し、且つ、
(a)抗原-抗体反応を利用した診断薬における、問題となる非特異反応を効果的に抑制し、偽陽性を低減させるものであること、
(b)抗原-抗体反応を利用した疾患特異的異常蛋白質の検出に際し、問題となる正常蛋白質やその複合体による免疫反応を効果的に抑制し、偽陽性を低減させるものであること、
(c)肝癌の診断に有用な異常蛋白質PIVKA-IIの検出に際し、偽陽性を低減させるものであること、
あるいは、
(d)異常蛋白質PIVKA-IIの検出に際し、問題となる正常トロンビン、正常プロトロンビンやその複合体による免疫反応を効果的に抑制し、偽陽性を低減させるものであることを特徴とする非特異反応抑制剤。
〔2〕該蛋白質が、アルブミン、カゼイン、ゼラチン及びアテロコラーゲンを包含する可溶性コラーゲン、フィブリノーゲン、可溶性フィブリン、フィブロネクチン、ビトロネクチン及びラミニンを包含する細胞外マトリックス成分からなる群から選択されたもので、該ポリマーが、ポリアニオンからなる群から選択されたもので、該塩類が、食塩(NaCl)、塩化カリウム(KCl)及び塩化鉄(FeCl3)からなる群から選択されたものであることを特徴とする上記〔1〕に記載の非特異反応抑制剤。
〔3〕ポリマーを有効成分として含有し、該ポリマーが、ポリアニオンからなる群から選択されたものであることを特徴とする上記〔1〕又は〔2〕に記載の非特異反応抑制剤。〔4〕該ポリアニオンが、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリビニルスルホン酸ナトリウム(PVSA)、デキストラン硫酸、コンドロイチン硫酸、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸(PMA)、ポリマレイン酸、ポリフマル酸、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ヘパリンからなる群から選択されたもので、そのうち少なくとも1種類を含有することを特徴とする上記〔2〕又は〔3〕に記載の非特異反応抑制剤。
〔5〕該ポリアニオンが、ポリビニルスルホン酸ナトリウム(PVSA)、ポリアクリル酸(PAA)及びPVSAとPAAとの混合物からなる群から選択されたものであることを特徴とする上記〔2〕〜〔4〕のいずれか一に記載の非特異反応抑制剤。
〔6〕上記〔1〕〜〔5〕のいずれか一に記載の非特異反応抑制剤を使用することを特徴とする免疫学的測定方法。
〔8〕測定検体試料を、抗体が固相化されている磁性微粒子と、上記〔1〕〜〔5〕のいずれか一に記載の非特異反応抑制剤の共存下、接触せしめる工程、磁石の影響下にB/F分離及び洗浄処理する工程、磁性微粒子固相に結合している抗原-抗体複合体(コンプレックス)と測定する抗原に対する標識化された抗体とを接触せしめる工程、磁石の影響下にB/F分離及び洗浄処理する工程、標識を指標に測定する抗原を定量する工程、を含んでいることを特徴とする上記〔7〕に記載の免疫測定方法。
〔9〕測定検体試料を、抗原又は抗体が固相化されている磁性微粒子と、上記〔1〕〜〔5〕のいずれか一に記載の非特異反応抑制剤の共存下、接触せしめる工程、磁石の影響下にB/F分離及び洗浄処理する工程、磁性微粒子固相に結合している測定する物質-抗原又は抗体の結合物と標識化された抗体とを接触せしめる工程、磁石の影響下にB/F分離及び洗浄処理する工程、標識を指標に測定する物質を定量する工程、を含んでいることを特徴とする上記〔7〕に記載の免疫測定方法。
〔10〕測定する物質が、PIVKA-IIであることを特徴とする上記〔7〕〜〔9〕のいずれか一に記載の免疫測定方法。
本発明のその他の目的、特徴、優秀性及びその有する観点は、以下の記載より当業者にとっては明白であろう。しかしながら、以下の記載及び具体的な実施例等の記載を含めた本件明細書の記載は本発明の好ましい態様を示すものであり、説明のためにのみ示されているものであることを理解されたい。本明細書に開示した本発明の意図及び範囲内で、種々の変化及び/又は改変(あるいは修飾)をなすことは、以下の記載及び本明細書のその他の部分からの知識により、当業者には容易に明らかであろう。本明細書で引用されている全ての特許文献及び参考文献は、説明の目的で引用されているもので、それらは本明細書の一部としてその内容はここに含めて解釈されるべきものである。
免疫診断薬では、磁性粒子に目的物質と特異的に反応する抗原または抗体を固相化させた固相化磁性粒子、それに目的物質を含む検体試料を抗原抗体反応させた後に固相化磁性粒子を洗浄し、それに発光試薬(アクリニジウムなど)を標識した抗体、「標識抗体」、を反応させ、目的物質を検出するという技術が汎用されている。
特に、PIVKA-IIを測定する免疫測定試薬においては、血清中に存在する血液凝固因子IIの活性化体であるトロンビンの磁性粒子表面や反応容器内壁への非特異結合の結果、それに対し標識抗体が反応して、血清で偽高値を示すことがあった。あるカットオフ値を設けて陰性/陽性を判定する免疫診断薬の場合、この磁性粒子表面や反応容器内壁に対する非
特異物質(例えば、トロンビン、正常プロトロンビンやその複合体など)の吸着反応が甚だしく起こった場合には、特異的に反応する目的物質の量が極めて少なく、陰性と判定されるべき検体が誤って陽性と判定される偽陽性の場合があった。この偽陽性を減少させるために、反応系にアルブミンや界面活性剤を添加する、磁性粒子に抗原または抗体を固相化に引き続きアルブミンなどをオーバーコートするなどの様々な手法が用いられてきたが、磁性粒子や反応容器内壁に対する偽陽性を減少させることには限界があった。
果的に抑制し、偽陽性を低減させる蛋白質・ポリマー・塩類、あるいはそれらの組み合わせからなる非特異反応抑制剤を発見し、特異的に反応する目的物質を測定する免疫診断薬の開発に成功した。
当該非特異反応を効果的に抑制し、偽陽性を低減させる蛋白質としては、例えば、アルブミン、カゼイン、ゼラチン及びアテロコラーゲンを包含する可溶性コラーゲン、フィブリノーゲン、可溶性フィブリン、フィブロネクチン、ビトロネクチン及びラミニンを包含する細胞外マトリックス成分などが挙げられる。該当該非特異反応を効果的に抑制し、偽陽性を低減させるポリマーとしては、ポリアニオンなどが挙げられる。該ポリアニオンとしては、スルホン酸、硫酸、カルボン酸などの負荷電を帯びた官能基を有するポリマーが挙げられ、当該分野で知られたものの中から所望のものを適宜選択して使用でき、例えば、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリビニルスルホン酸ナトリウム(PVSA)、デキストラン硫酸、コンドロイチン硫酸、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸(PMA)、ポリマレイン酸、ポリフマル酸、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ヘパリンなどが挙げられる。該当該非特異反応を効果的に抑制し、偽陽性を低減させる塩類としては、食塩(NaCl)、塩化カリウム(KCl)及び塩化鉄(FeCl3)などが挙げられる。該蛋白質・ポリマー・塩類は、それぞれ単独でも、任意に配合されて混合物としても使用でき、特には、所望の非特異反応を効果的に抑制し、偽陽性を低減させるという作用を発揮するものを選択して使用されてよい。一つの具体的な態様では、ポリビニルスルホン酸ナトリウム(PVSA)、ポリアクリル酸(PAA)及びPVSAとPAAとの混合物などを使用する。これら性質の異なる添加剤をそれぞれ一つ、乃至、複数を非特異反応抑制剤として使用してよい。
以下、「一次反応」工程の検体希釈液として偽陽性を低減させる蛋白質・ポリマー・塩類、あるいはそれらを組み合わせたものを添加した非特異反応抑制剤を用いる。
(1)検体(血清または血漿)を採取し、これを反応ウェルに入れる。
(2)このウェルに固相化磁性粒子を含む液および検体希釈液を入れ、定めた温度、時間反応させる(「一次反応」)。この間に、検体中の目的物質の固相化磁性粒子に対する特異的な抗原抗体反応が起こる。
(3)一次反応後に、磁性粒子を磁石で引きつけ、検体、検体希釈液、その他の反応液を吸引して除く。さらに、洗浄液を入れて洗浄後、磁性粒子を磁石で引きつけ、洗浄液を吸引して除き、磁性粒子に付着していた反応液を除く。
(4)洗浄後の磁性粒子に標識抗体を加え、定めた温度、時間反応させる(「二次反応」)。
(5)二次反応後に、磁性粒子を磁石で引きつけ、反応液を除く。さらに、洗浄液を入れて洗浄後、磁性粒子を磁石で引きつけ、洗浄液を吸引して除き、磁性微粒子に付着していた反応液を除く。
(6)発光試薬を発光させ、そのシグナルの強さにより、検体中に存在する目的物質を測定する。
本発明では、「一次反応」工程に含まれる非特異反応抑制剤により、非特異物質の磁性粒子表面や反応容器内壁に対する吸着が阻害され、続く洗浄工程で系外に除かれる仕組みで偽陽性を低減させた。
当該方法において使用する免疫測定方法は、競合法、サンドイッチ法等、公知のいずれの方法であってもよいが、特にサンドイッチ法が好ましい。化学発光免疫測定法(chemiluminescent immunoassay: CLIA)が好適に使用できる。
れた抗体または抗体フラグメントであってもよい。
本免疫測定法において使用する固相、特にはサンドイッチ法で用いる固相としては、磁性粒子が挙げられ、特に好ましくは磁性マイクロ粒子(マイクロパーティクル)が挙げられる。本免疫測定法において使用する磁性粒子、または非磁性粒子としては、ポリマー微粒子が最も好適ではある。特には、全自動測定に適した微粒子として知られたものであれば、適宜選択してそれを使用できる。全自動免疫測定に有効な微粒子サイズとしては、特に制限はないが、10 nm から 100μm の範囲の微粒子が好適である。
標識物質としては、蛍光物質、発光物質、酵素、放射性同位元素等が挙げられ、特に好ましくは、アクリジニウム誘導体、例えば、10-(3-スルホプロピル)-N-(p-トルエンスルホニル)-N-(カルボキシエチル)-9-アクリジニウムカルボキサミドなどが挙げられる。アクリジニウム誘導体は、米国特許明細書第5,468,646号、同第5,543,524号などに記載のものなどが挙げられる。固相又は標識物への抗体や抗原を結合させる方法としては、周知の物理的吸着方法、化学的な反応による結合方法などが挙げられる。代表的なサンドイッチ法として、例えば、2ステップサンドイッチ法が挙げられる。
(1)抗原-抗体反応を利用した診断薬の開発に際し問題となる非特異反応を効果的に抑制し、偽陽性を低減させる蛋白質・ポリマー・塩類、あるいはそれらの組み合わせからなる非特異反応抑制剤;
(2)肝癌の診断に有用な異常蛋白質PIVKA-IIの検出に際し、偽陽性を低減させる蛋白質・ポリマー・塩類、あるいはそれらの組み合わせからなる非特異反応抑制剤;
(3)抗原-抗体反応を利用した疾患特異的異常蛋白質の検出に際し、問題となる正常蛋白質やその複合体による免疫反応を効果的に抑制し、偽陽性を低減させる蛋白質・ポリマー・塩類、あるいはそれらの組み合わせからなる非特異反応抑制剤;
(4)異常蛋白質PIVKA-IIの検出に際し問題となるトロンビン、正常プロトロンビンやその複合体による免疫反応を効果的に抑制し、偽陽性を低減させる蛋白質・ポリマー・塩類、あるいはそれらの組み合わせからなる非特異反応抑制剤;そして
(5)非特異反応抑制剤に含まれる蛋白質成分として、アルブミン、カゼイン、ゼラチンなどの可溶性コラーゲン、フィブリノーゲンや可溶性フィブリン、フィブロネクチン、ビトロネクチンやラミニンなどの細胞外マトリックス成分などが挙げられる。非特異反応抑制剤に含まれる塩類として、食塩(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化鉄(FeCl3)などが挙げられる。非特異反応抑制剤に含まれるポリマーとして、特にポリアニオンが挙げられる。ここで言うポリアニオンとは、スルホン酸、硫酸、カルボン酸などの負荷電を帯びた官能基を有するポリマーであり、たとえば、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリビニルスルホン酸ナトリウム(PVSA)、デキストラン硫酸、コンドロイチン硫酸、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸(PMA)、ポリマレイン酸、ポリフマル酸、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸などを指す。
本システムでは、高発光量の得られるアクリジニウム誘導体を標識に使用しているので、試薬の高い安定性(検量線の安定化、日差再現性の向上)、高い発光収率(感度の向上、測定範囲の拡張)が達成できる。また、磁性マイクロパーティクルを利用しているので、固相を磁石で押さえた状態で短時間のB/F分離、洗浄が可能となっており、内部攪拌装置で簡単に磁性マイクロパーティクルを分散させるので、均一な免疫反応が得られ、さらにプラスチック性消耗品の損耗が大幅に低減し、大量のテストを連続的に行うことができ、短時間で大量の検体の測定が可能である。
全ての実施例は、他に詳細に記載するもの以外は、標準的な技術を用いて実施したもの、又は実施することのできるものである。
肝癌の診断に有用なPIVKA-IIの検出に際し、蛋白質・ポリマー・塩類、あるいはそれらの組み合わせからなる非特異反応抑制剤の偽陽性を低減させる効果を米国Abbott LaboratoriesのARCHITECTTMシステムを用いて実施し、評価した。得られた結果も示す。また、ARCHITECT PIVKA-II試薬は、化学発光免疫測定法(CLIA法)によるPIVKA-II測定試薬であり、B/F分離には磁性粒子(以下、マイクロパーティクル)を用いている。
1) 検体中のPIVKA-II抗原は、マイクロパーティクルに固相化された抗ヒトPIVKA-IIマウスモノクローナル抗体にキャプチャーされる。そこにアクリジニウム標識抗プロトロンビン抗体をプローブとして結合させ、マイクロパーティクル固相化抗ヒトPIVKA-IIマウスモノクローナル抗体−PIVKA-II抗原−アクリジニウム標識抗プロトロンビン抗体の複合体を形成する。
2) インキュベーション後、マイクロパーティクルは磁石によって反応セルの管壁に引きつけられる。この状態での洗浄操作により、未結合物質が除去される。
3) プレトリガー(過酸化水素水)及びトリガー(水酸化ナトリウム溶液)の添加により、アクリジニウムが酸化され、化学発光反応が起こる。このときの発光量は、RLU(相対的化学発光ユニット)という単位で表すことができる。
4) PIVKA-II抗原測定系に必要な陽性コントロール、およびキャリブレーターを並行して測定することにより、測定系が成立していることを確認し、個々の検体中のPIVKA-II抗原量をmAU/mLの単位で測定することが可能となる。
反応セルで、以下に示す容量の検体、非特異反応抑制剤を含むアッセイ緩衝液、及びマウスモノクローナル抗体を固相化した磁性粒子懸濁液を混合する。アッセイ緩衝液および磁性粒子縣濁液、更にアクリジニウム標識コンジュゲート液中には界面活性剤が添加されている。また、この検討には非特異シグナルが観察される複数の血清検体(Serum)と血漿検体(Plasma)をサンプルとして用いた。
血清検体、または、血漿検体 50μL
非特異反応抑制剤を含むアッセイ緩衝液 50μL
マウスモノクローナル抗体固相化磁性粒子縣濁液 50μL
2)第一回インキュベーション
攪拌装置で攪拌した後、37℃、18分間インキュベーションし、検体中の抗体を特異的にマイクロパーティクル上の抗原に反応させる。
3)B/F分離/洗浄
反応セルを次のステップに移送する間に磁石により磁性マイクロパーティクルを反応セルの内壁に押し付けておいて未反応物及び非磁性マイクロパーティクルを除去(B/F分離)し、洗浄液で、反応セル内を洗浄する。
4)二次反応
アクリジニウム標識コンジュゲート(アクリジニウム化抗ヒトプロトロンビン)溶液50μLを反応セルに分注する。
5)インキュベーション
攪拌装置で攪拌した後、37℃、4分間インキュベーションし、反応生成物とアクリジニウム標識コンジュゲートの反応を進行させる。
6)B/F分離/洗浄
反応セルを次のステップに移送する間に磁石により磁性マイクロパーティクルを反応セルの内壁に押し付けておいて未反応標識コンジュゲートを除去(B/F分離)し、洗浄液で、更に未反応のコンジュゲートを洗い流し、複合体を浄化する。
7)アクリジニウムの活性化
プレトリガー液を100μL、次いでトリガー液300μLを加え、複合体上のアクリジニウムを活性化する。
8)検出 アクリジニウムの活性化により引き起こされた化学発光を光電子増倍管で検出する(化学発光度は、RLU(相対的化学発光単位)値として数値化される)。陽性コントロール、およびキャリブレーターを並行して測定することにより、測定系が成立していることを確認し、個々の検体中のPIVKA-II抗原量をmAU/mLの単位で非特異反応の軽減効果を判定した。
PIVKA-II測定系における非特異反応抑制剤として、蛋白質・ポリマー・塩類、あるいはそれらの組み合わせが有効であった。有効な蛋白質としては、アルブミン、カゼイン(Casein)、ゼラチンなどの可溶性コラーゲン、フィブリノーゲンや可溶性フィブリン、フィブロネクチン、ビトロネクチンやラミニンなどの細胞外マトリックス成分を含むものが挙げられる。有効なポリマーとしては、スルホン酸、硫酸、カルボン酸などの負荷電を帯びた官能基を有するポリマー、たとえば、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリビニルスルホン酸ナトリウム(PVSA)、デキストラン硫酸、コンドロイチン硫酸、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸(PMA)、ポリマレイン酸、ポリフマル酸、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸などのポリアニオンを含むものが挙げられる。更に、有効な塩類としては、食塩(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化鉄(FeCl3)などが挙げられる。これら性質の異なる添加剤をそれぞれ一つ、乃至、複数を非特異反応抑制剤として、検体希釈液(アッセイ緩衝液に添加し、その効果が認められた。
その条件は、高NaCl濃度、Tris Base (pH 8.5)、CaseinとPAA(平均分子量1200)、またはPVSAの併用であった。表1中、Tris Baseは、tris(hydroxymethyl)aminomethaneを含有する緩衝剤を指し、Bis-Trisは、2-(bis(2-hydroxyethyl)amino)-2-(hydroxymethyl)propane-1,3-diolを含有する緩衝剤を指し、MESは、2-morpholinoethanesulfonic acid, monohydrateを含有する緩衝剤を指している。
表2には、蛋白質・ポリマー・塩類、あるいはそれらの組み合わせからなる非特異反応抑制剤の効果をARCHITECTTMシステムにて実施し、評価した結果を示す。添加物としては、PAAとGlycerolの併用も非特異反応の軽減効果を認めた。
また、本技術は、全自動測定システムの利用による低コストで多数検体の検査にも応用可能である。
本発明は、前述の説明及び実施例に特に記載した以外も、実行できることは明らかである。上述の教示に鑑みて、本発明の多くの改変及び変形が可能であり、従ってそれらも本件添付の請求の範囲の範囲内のものである。
Claims (6)
- 蛋白質、ポリマー、塩類及びそれらの混合物からなる群から選択されたものを含有し、且つ、
(a)抗原-抗体反応を利用した診断薬における、問題となる非特異反応を効果的に抑制し、偽陽性を低減させるものであること、
(b)抗原-抗体反応を利用した疾患特異的異常蛋白質の検出に際し、問題となる正常蛋白質やその複合体による免疫反応を効果的に抑制し、偽陽性を低減させるものであること、
(c)肝癌の診断に有用な異常蛋白質PIVKA-IIの検出に際し、偽陽性を低減させるものであること、
あるいは、
(d)異常蛋白質PIVKA-IIの検出に際し、問題となる正常トロンビン、正常プロトロンビンやその複合体による免疫反応を効果的に抑制し、偽陽性を低減させるものであることを特徴とする非特異反応抑制剤。 - 該蛋白質が、アルブミン、カゼイン、ゼラチン及びアテロコラーゲンを包含する可溶性コラーゲン、フィブリノーゲン、可溶性フィブリン、フィブロネクチン、ビトロネクチン及びラミニンを包含する細胞外マトリックス成分からなる群から選択されたもので、該ポリマーが、ポリアニオンからなる群から選択されたもので、該塩類が、食塩(NaCl)、塩化カリウム(KCl)及び塩化鉄(FeCl3)からなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項1に記載の非特異反応抑制剤。
- ポリマーを有効成分として含有し、該ポリマーが、ポリアニオンからなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の非特異反応抑制剤。
- 該ポリアニオンが、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、ポリビニルスルホン酸ナトリウム(PVSA)、デキストラン硫酸、コンドロイチン硫酸、ポリアクリル酸(PAA)、ポリメタクリル酸(PMA)、ポリマレイン酸、ポリフマル酸、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ヘパリンからなる群から選択されたもので、そのうち少なくとも1種類を含有することを特徴とする請求項2又は3に記載の非特異反応抑制剤。
- 該ポリアニオンが、ポリビニルスルホン酸ナトリウム(PVSA)、ポリアクリル酸(PAA)及びPVSAとPAAとの混合物からなる群から選択されたものであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一に記載の非特異反応抑制剤。
- 請求項1〜5のいずれか一に記載の非特異反応抑制剤を使用することを特徴とする免疫学的測定方法。
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