JP2013151981A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】CVTを備えた車両において、シフト手段を可動ポジションからパーキングポジションに切り替えた際にパーキングロック機構での衝撃の発生を従来よりも減少できる無段変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】プライマリプーリと、セカンダリプーリと、ベルトとを有する無段変速機と、パーキングロック機構と、を備えた無段変速機の制御装置であって、シフトレバーが可動ポジションからパーキングポジションに切り替えられた際に(ステップS1;YES)、ベルト挟圧力を可動ポジションである場合のベルト挟圧力よりも低くする(ステップS2)。
【選択図】図6

Description

本発明は、無段変速機の制御装置に関するものである。
一般に、車両に搭載される自動変速機として、無段変速機(以下、CVT:Continuously Variable Transmissionともいう)が知られている。CVTは、エンジンにおいて発生した動力により駆動されるプライマリプーリと、駆動輪に接続されている出力側のセカンダリプーリと、プライマリプーリおよびセカンダリプーリに巻き掛けられたベルトやチェーン等の動力伝達要素(以下、ベルトという)と、を備えている。
この種のCVTを備えた無段変速機の制御装置は、油圧によってプライマリプーリおよびセカンダリプーリの溝幅を変えることにより、プライマリプーリおよびセカンダリプーリに対するベルトの巻き掛け径を変更し、変速比を無段階に変化させるようにしている。
プライマリプーリおよびセカンダリプーリは、いずれも固定シーブと可動シーブとを備えている。固定シーブと可動シーブとの間には、V溝が形成されている。可動シーブは、背面側にオイルが供給される油圧シリンダを有し、この油圧シリンダ内の油圧によって軸線方向に移動するようになっている。CVTは、可動シーブを軸線方向に移動させることにより固定シーブと可動シーブとの間隔を調節し、プーリの有効径を変更して、ベルトの巻き掛け径を変更し、変速を行うようになっている。
CVTのシフトレンジとしては、例えば、P(パーキング)レンジ、N(ニュートラル)レンジ、D(ドライブ)レンジ、R(リバース)レンジ、M(マニュアル)レンジ(シーケンシャルレンジ)等がある。CVTのシフトレンジは、シフトレバー等のシフト手段のシフトポジションを切り替えることにより切替可能になっている。シフト手段のシフトポジションとしては、CVTのシフトレンジに対応して、例えば、Pポジション、Nポジション、Dポジション、Rポジション、Mポジション等がある。
この種の無段変速機の制御装置は、セカンダリプーリの可動シーブの油圧シリンダ内の油圧(以下、セカンダリ圧という)をベルト挟圧として制御する。これにより、無段変速機の制御装置は、セカンダリプーリにベルト挟圧のオイルを供給することにより、プライマリプーリおよびセカンダリプーリに巻き掛けられたベルトが滑らないように、セカンダリプーリからベルトに挟圧力を与えるようにしている。また、無段変速機の制御装置は、プライマリプーリの可動シーブの油圧シリンダ内の油圧(以下、プライマリ圧という)を制御し、プライマリプーリおよびセカンダリプーリの間の変速比を調整して、変速制御を行うようになっている。
この種の無段変速機の制御装置において、シフト手段のシフトポジションをDポジションからPポジションに切り替えた場合に、セカンダリプーリからのベルト挟圧力を大きくする技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。このCVTによれば、車両がDレンジで走行中にシフトレンジがPレンジに切り替えられた場合に、ベルト挟圧力が大きくなることにより、CVTでのプーリやベルト等の回転体の慣性力によるベルトの滑りを抑えることができる。
ところで、自動変速機を備えた車両には、例えば、図8(a)に示すようなパーキングロック機構300が設けられている。パーキングロック機構300は、パーキングギヤ310と、パーキングポール320と、ロッド330と、戻りばね340とを備えている。
この種のパーキングロック機構300がCVTを備えた車両に搭載される場合は、パーキングギヤ310の回転軸311は、セカンダリプーリシャフトと同軸かつ一体回転するように設けられる。パーキングポール320は、係止突起321を備えている。係止突起321は、パーキングギヤ310に噛合することでパーキングギヤ310を固定可能にする。
ロッド330は、パーキングポール320の係止突起321をパーキングギヤ310に押圧可能であるとともに、係止突起321をパーキングギヤ310の歯312に噛合させた状態で固定可能になっている。戻りばね340は、係止突起321を歯312から解放する方向に付勢している。
シフト手段のシフトポジションが、例えばDポジションからPポジションに切り替えられると、図8(a)に示すように、ロッド330がパーキングポール320を戻りばね340に抗して方向Aに押圧する。これにより、パーキングポール320の係止突起321が、例えばパーキングギヤ310の歯312の歯先部312aに当接する。
そして、車両が僅かに移動することにより、パーキングギヤ310が例えば方向Bに回転する。さらに、パーキングポール320の係止突起321がパーキングギヤ310の歯312の間に達したときに、ロッド330がパーキングポール320を方向Aに回転させる。そして、図8(b)に示すように、係止突起321が、パーキングギヤ310の歯底部313に入り込む。これにより、係止突起321が歯312に噛み合って、パーキングポール320がパーキングギヤ310の回転を規制し、セカンダリプーリを介して駆動輪の回転をロックするようになる。
特開平4−203662号公報
しかしながら、従来の無段変速機の制御装置にあっては、シフト手段のシフトポジションがDポジションからPポジションに切り替えられた場合にベルト挟圧力が大きくなるので、セカンダリプーリとプライマリプーリとベルトとの間の滑りが抑制される。このため、ベルト挟圧力が大きいことにより、ベルト挟圧力が小さくセカンダリプーリとプライマリプーリとベルトとの間で滑りが生ずる場合に比べて、プライマリプーリからベルトを介してセカンダリプーリに伝達される慣性力が大きくなってしまう。すなわち、プライマリプーリからベルトを介してセカンダリプーリに伝達される慣性力が、ベルト挟圧力と同程度にまで大きくなってしまう。
これにより、シフトポジションがPポジションに切り替えられて、図8(b)に示すように、係止突起321と歯312とが噛合した際に、係止突起321の歯面322と歯312の歯面314とが衝突して、大きな衝撃を発生してしまうという問題があった。この問題は、シフトポジションがDポジションからPポジションに切り替えられた場合に発生し得るだけでなく、例えばRポジションやNポジション等、Pポジション以外のパーキングロック機構300が作動しないポジション(以下、可動ポジションと総称する)からPポジションに切り替えられた場合に発生し得る。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、CVTを備えた車両において、シフト手段を可動ポジションからパーキングポジションに切り替えた際にパーキングロック機構での衝撃の発生を従来よりも減少できる無段変速機の制御装置を提供することを目的とする。
本発明に係る無段変速機の制御装置は、上記目的達成のため、(1)駆動源から回転動力が伝達される駆動側プーリと、駆動輪に前記回転動力を伝達する被駆動側プーリと、前記駆動側プーリおよび前記被駆動側プーリに巻き掛けられるベルトとを有し、前記駆動側プーリおよび前記被駆動側プーリの少なくともいずれか一方に油を供給することにより前記駆動側プーリおよび前記被駆動側プーリから前記ベルトへのベルト挟圧力を変更して、前記駆動側プーリおよび前記被駆動側プーリの有効巻き掛け径を変更することにより変速比を連続的に制御する無段変速機と、シフト手段がパーキングポジションに切り替えられることにより前記駆動輪の回転を規制する規制状態と、前記シフト手段が可動ポジションに切り替えられることにより前記駆動輪の回転を可能にする可動状態との間で切替可能なパーキングロック機構と、を備えた無段変速機の制御装置であって、前記シフト手段が前記可動ポジションから前記パーキングポジションに切り替えられた際に、前記ベルト挟圧力を前記可動ポジションである場合の前記ベルト挟圧力よりも低くするよう構成する。
ここで、本明細書中でベルトとは、Vベルトや平ベルト等の所謂ベルトの他に、チェーン等を含む無端伝動部材を意味する。また、駆動側プーリおよび被駆動側プーリからベルトへのベルト挟圧力を制御する手法は特に限定されず、例えば、駆動側プーリおよび被駆動側プーリの少なくともいずれか一方に供給する油の油圧を制御する手法や、その油の流量を制御する手法等を適宜採用することができる。
この構成により、無段変速機の制御装置は、シフトポジションが可動ポジションからパーキングポジションに切り替えられた際に、駆動側プーリおよび被駆動側プーリからベルトに与えられるベルト挟圧力が可動ポジションである場合のベルト挟圧力よりも小さくなる。これにより、無段変速機の制御装置は、シフトポジションが可動ポジションからパーキングポジションに切り替えられた際に、駆動側プーリからベルトを介して被駆動側プーリに伝達される慣性力を従来よりも小さくすることができる。このため、シフトポジションがパーキングポジションに切り替えられた後に、パーキングロック機構で発生する衝撃を小さくすることができる。
上記(1)に記載の無段変速機の制御装置においては、(2)前記パーキングロック機構が前記可動状態から前記規制状態に切り替わるときに、前記ベルト挟圧力を、前記シフト手段が前記パーキングポジションに切り替えられてから前記パーキングロック機構が前記規制状態に切り替わるまでの前記ベルト挟圧力よりも高くするよう構成する。
ここで、無段変速機の制御装置は、シフトポジションが可動ポジションからパーキングポジションに切り替えられた後、次にパーキングポジションから可動ポジションに切り替えられた場合は、再度ベルト挟圧力を高くする必要がある。本発明の構成により、無段変速機の制御装置は、シフトポジションがパーキングポジションから可動ポジションに切り替えられたときに、パーキングポジションに切り替えられてベルト挟圧力が低くされたままである場合に比べて、ベルト挟圧力を上昇させる量を小さくすることができる。これにより、無段変速機の制御装置は、ベルト挟圧力を所望の高さまで迅速に上昇させることができるので、発進時の加速応答性を高めることができ、ドライバビリティを向上することができる。
上記(1)または(2)に記載の無段変速機の制御装置においては、(3)前記シフト手段が前記パーキングポジションに切り替えられてから前記パーキングロック機構が前記規制状態に切り替わるまでの前記ベルト挟圧力は最低圧であるとともに、前記パーキングロック機構が前記規制状態に切り替わってからの前記ベルト挟圧力は前記無段変速機への入力トルクに応じて設定するよう構成する。ここで、ベルト挟圧力が最低圧であるとは、ベルト挟圧力が0である場合の他、ベルトが駆動側プーリおよび被駆動側プーリに対して軽く接触しながらも動力は伝動しない程度のベルト挟圧力をも含む意味としている。
この構成により、無段変速機の制御装置は、シフトポジションが可動ポジションよりパーキングポジションに切り替えられてからパーキングロック機構が作動するまでベルト挟圧力を最低圧にしているので、駆動側プーリからベルトを介して被駆動側プーリに伝達される慣性力をほぼ0にすることができる。このため、無段変速機の制御装置は、シフトポジションがパーキングポジションに切り替えられた後に、パーキングロック機構で発生する衝撃を極めて小さくすることができる。
また、無段変速機の制御装置は、パーキングロック機構が作動してからのベルト挟圧力を無段変速機への入力トルクに応じて設定している。例えば、無段変速機への入力トルクが高いほど、ベルト挟圧力を高く設定するようにする。これにより、シフトポジションが次にパーキングポジションから可動ポジションに切り替えられた場合に、無段変速機の制御装置は、ベルト挟圧力を所望の高さまで迅速に上昇させることができるので、発進時の加速応答性を高めることができ、ドライバビリティを向上することができる。
上記(1)から(3)に記載の無段変速機の制御装置においては、(4)前記駆動側プーリおよび前記被駆動側プーリはいずれも溝幅が可変であるとともに、油圧制御手段からの油圧により前記駆動側プーリおよび前記被駆動側プーリの前記溝幅が変更されて前記有効巻き掛け径が変化させられるものであり、前記駆動側プーリおよび前記被駆動側プーリの少なくともいずれか一方に供給する前記油圧をベルト挟圧として制御するよう構成する。
本明細書でベルト挟圧とは、駆動側プーリおよび被駆動側プーリからベルトにベルト挟圧力を与えるために、油圧制御手段によって駆動側プーリおよび被駆動側プーリの少なくともいずれか一方に供給する油圧を意味する。この構成により、無段変速機の制御装置は、駆動側プーリおよび被駆動側プーリに供給する油の油圧を制御することにより、駆動側プーリおよび被駆動側プーリからベルトへのベルト挟圧力を制御できるようになる。
上記(1)から(4)に記載の無段変速機の制御装置においては、(5)前記パーキングロック機構は、前記駆動輪に伴って回転可能であるとともに歯を有するパーキングギヤと、前記歯に噛合して前記パーキングギヤを固定可能な係止突起を有するパーキングポールと、前記パーキングポールを前記パーキングギヤに押圧可能であるとともに前記係止突起を前記歯に噛合させた状態で固定可能なロッドと、前記係止突起を前記歯から解放する方向に付勢する戻りばねと、を備え、前記シフト手段が前記パーキングポジションにある場合は、前記ロッドが前記パーキングポールを前記パーキングギヤに押圧し、前記係止突起が前記歯に噛み合って、前記パーキングポールが前記パーキングギヤの回転を規制することにより、前記規制状態に切り替わり前記駆動輪の回転を規制するとともに、前記シフト手段が前記可動ポジションにある場合は、前記ロッドが前記パーキングポールへの押圧を解除し、前記パーキングロッドが前記戻りばねにより前記パーキングポールから離隔する方向に押圧され、前記係止突起が前記歯から外れ、前記パーキングポールが前記パーキングギヤの回転を許容することにより、前記可動状態に切り替わり前記駆動輪の回転を可能にするよう構成する。
この構成により、無段変速機の制御装置は、駆動側プーリからベルトを介して被駆動側プーリに伝達される慣性力を従来よりも小さくすることで、パーキングポールの係止突起とパーキングギヤの歯とが衝突したときの衝撃を小さくすることができる。これにより、無段変速機の制御装置は、シフトポジションが可動ポジションからパーキングポジションに切り替えられた際に、パーキングロック機構で発生する衝撃を小さくすることができる。
本発明によれば、CVTを備えた車両において、シフト手段を可動ポジションからパーキングポジションに切り替えた際にパーキングロック機構での衝撃の発生を従来よりも減少できる無段変速機の制御装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る無段変速機の制御装置を搭載した車両を示す概略図である。 本発明の実施の形態に係る無段変速機の制御装置を搭載した変速機を示す概略のスケルトン図である。 本発明の実施の形態に係る油圧制御装置の概略構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態に係るパーキングロック機構を示す正面図である。 図4のV−V線で切断した状態を示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る無段変速機の制御装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る無段変速機の制御装置の動作を示すタイムチャートである。 従来のパーキングロック機構の概略を示す正面図であり、(a)はパーキングポールがパーキングギヤに噛み合っていない状態、(b)はパーキングポールがパーキングギヤに噛み合っている状態を示す。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
まず、構成について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る車両10は、駆動源としてのエンジン11と、変速装置20と、油圧制御手段としての油圧制御装置30と、デファレンシャル機構40と、ドライブシャフト43と、駆動輪45と、ECU(Electronic Control Unit)100と、を備えている。本実施の形態では、無段変速機の制御装置は、ECU100を含んで構成されるとともに、後述する無段変速機70およびパーキングロック機構210を含んで構成される変速装置20を制御するようになっている。
エンジン11は、ガソリンあるいは軽油等の炭化水素系の燃料と空気との混合気を、図示しないシリンダの燃焼室内で燃焼させることによって動力を出力する公知の内燃機関である動力装置により構成されている。エンジン11は、燃焼室内で混合気の吸気、燃焼および排気を断続的に繰り返すことによりシリンダ内のピストンを往復移動させ、ピストンに連結されたクランクシャフト15を回転させるようになっている。エンジン11に用いられる燃料は、ガソリンや軽油等に限られず、エタノール等のアルコールを含むアルコール燃料であってもよい。クランクシャフト15は、変速装置20に連結されるとともに、エンジン11で発生された動力を変速装置20に伝達するようになっている。
油圧制御装置30は、変速装置20に油としてのオイルを供給するとともに、供給するオイルの油圧を調整することにより、変速装置20を制御するようになっている。油圧制御装置30は、オイルポンプ29(図3参照)によってオイルパン28(図3参照)から汲み上げられたオイルに対し、ECU100によって制御される複数のソレノイド弁等により、油圧回路の切り替えおよび油圧の制御をするようになっている。
ドライブシャフト43は、左ドライブシャフト43Lおよび右ドライブシャフト43Rを有している。駆動輪45は、左駆動輪45Lおよび右駆動輪45Rを有している。デファレンシャル機構40は、変速装置20から伝達された動力を、左ドライブシャフト43Lを回転させることによって左駆動輪45Lに伝達するとともに、右ドライブシャフト43Rを回転させることによって右駆動輪45Rに伝達するようになっている。これにより、デファレンシャル機構40は、カーブ等を走行する場合に、左駆動輪45Lと右駆動輪45Rとの回転数の差を吸収するようになっている。
駆動輪45は、ドライブシャフト43に取り付けられた金属製のホイールと、ホイールの外周に取り付けられた樹脂製のタイヤとを備えている。駆動輪45は、ドライブシャフト43によって伝達された動力により回転し、タイヤと路面との摩擦作用によって、車両10を走行させるようになっている。
ECU100は、中央演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)と、固定されたデータの記憶を行うROM(Read Only Memory)と、一時的にデータを記憶するRAM(Random Access Memory)と、入力インターフェースと、出力インターフェース(いずれも図示しない)と、書き換え可能な不揮発性のメモリからなるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)と、通信手段と、を備えている。このECU100は、車両10の全体の制御を統括するための車両用電子制御装置となっている。
例えば、ROMには、後述する本実施の形態に係る制御用プログラムやマップ等が記憶され、記憶装置として機能するようになっている。CPUは、このROMに記憶された制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行するようになっている。ROMに記憶されたマップとしては、例えば、後述する駆動側プーリとしてのプライマリプーリ72の入力側油圧シリンダ73のプライマリ圧と、被駆動側プーリとしてのセカンダリプーリ77の出力側油圧シリンダ78のベルト挟圧Pdと、無段変速機70の変速比と、アクセルペダル12の開度と、の関係を示すマップがある。
また、RAMは、CPUによる演算結果や、後述する各種センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するようになっている。また、不揮発性のメモリにより構成されたEEPROMやバックアップメモリ等によって、例えば、エンジン11の停止時に保存すべきデータ等を記憶するようになっている。
CPU、RAM、ROM、入力インターフェース、出力インターフェースは、バスを介して互いに接続されている。入力インターフェースには、各種センサが接続されていて、これらセンサが検出した信号が入力されるようになっている。出力インターフェースには、例えば、油圧制御回路150(図3参照)を構成するソレノイド弁等が接続されている。ECU100は、各種センサからの信号を入力インターフェースから入力し、必要に応じてRAMやROMを参照してCPUにより演算を行い、出力インターフェースから出力することにより、本実施の形態に係る各種制御を実行するようになっている。
さらに、ECU100は、後述するシフト手段としてのシフトレバー21のシフトポジションが可動ポジションからPポジションに切り替えられてからの経過時間を測定できるようになっている。
車両10は、クランクセンサ81と、シフトセンサ82と、駆動軸回転数センサ83と、アクセル開度センサ84と、ブレーキセンサ88と、を備えている。
クランクセンサ81は、クランクシャフト15のクランク位置やクランク角度を検知して、エンジン回転速度の信号を検出できるクランクポジションセンサにより構成されている。クランクセンサ81は、クランクシャフト15の回転数を検出して信号に変換し、その信号をECU100に入力するようになっている。ECU100は、クランクセンサ81によって入力された検出信号が表すクランクシャフト15の回転数を、エンジン回転数Neとして取得する。
シフトセンサ82は、シフトレバー21が、パーキング(P)、リバース(R)、ニュートラル(N)、ドライブ(D)、ロー(L)等の各種シフトポジションのうちのどのシフトポジションにあるのかを検出するシフトポジションセンサにより構成されている。ここで、Pポジションは、変速装置20のシフトレンジを、後述するパーキングロック機構210を規制状態に切り替えて駆動輪45の回転を規制するパーキングレンジに設定するシフトポジションとなっている。DポジションやNポジションやRポジション等のPポジション以外のシフトポジションは、変速装置20のシフトレンジを、パーキングロック機構210を可動状態に切り替えて駆動輪45の回転を可能にする可動レンジに設定するシフトポジションとなっている。そして、シフトセンサ82は、シフトレバー21のシフトポジションを検出して信号に変換し、その信号をECU100に入力するようになっている。
駆動軸回転数センサ83は、左ドライブシャフト43Lの回転数を検出して信号に変換し、その信号をECU100に入力するようになっている。ECU100は、駆動軸回転数センサ83によって入力された左ドライブシャフト43Lの回転数を表す検出信号に基づいて、車両10の走行速度を算出するようになっている。本実施の形態では、駆動軸回転数センサ83は、左ドライブシャフト43Lの回転数を検出するようにしているが、これには限られず、右ドライブシャフト43Rの回転数を検出するようにしてもよい。
アクセル開度センサ84は、運転者の踏み込みにより操作されるアクセルペダル12の近傍に配置され、アクセルペダル12の開度(以下、アクセル開度Accともいう)を検出するようになっている。アクセル開度センサ84は、アクセルペダル12の踏込み量に対してリニアな関係の出力電圧を得られるリニアタイプのアクセルポジションセンサにより構成されている。アクセル開度センサ84は、アクセル開度Accを検出して信号に変換し、その信号をECU100に入力するようになっている。ECU100は、アクセル開度センサ84によって入力された検出信号が表すアクセル開度Accを、エンジン11の出力として取得する。
ブレーキセンサ88は、運転者の踏み込みにより操作されるブレーキペダル41の近傍に配置され、ブレーキペダル41の踏込み量を検出するようになっている。ブレーキセンサ88は、ブレーキペダル41の踏込み量に対してリニアな関係の出力電圧を得られるリニアタイプのブレーキポジションセンサにより構成されている。ブレーキセンサ88は、ブレーキペダル41の踏込み量を検出して信号に変換し、その信号をECU100に入力するようになっている。
次に、変速装置20の構成について、図2に基づいて説明する。
変速装置20は、トルクコンバータ50と、前後進切り替え機60と、無段変速機(以下、単にCVT:Continuously Variable Transmissionという)70と、減速歯車機構80と、パーキングロック機構210とを備えている。エンジン11から出力された動力は、トルクコンバータ50→前後進切り替え機60→CVT70→減速歯車機構80という動力伝達経路を介してデファレンシャル機構40に伝達され、左駆動輪45Lおよび右駆動輪45Rに分配されるようになっている。
トルクコンバータ50は、ポンプインペラ51pと、タービンランナ51tと、ステータ51sとを備えている。ポンプインペラ51pは、クランクシャフト15に連結されている。タービンランナ51tは、タービンシャフト55を介して前後進切り替え機60に連結されている。ステータ51sは、一方向クラッチを介して非回転部材に回転可能に支持されている。
ポンプインペラ51pとタービンランナ51tとは、対向して設けられている。ポンプインペラ51pとタービンランナ51tとの対向部には、それぞれ多数のブレードが備えられるとともに、オイルが充填されている。これにより、ポンプインペラ51pとタービンランナ51tとの間では、オイルを介して動力伝達が行われるようになっている。
タービンランナ51tには、ロックアップクラッチ52が設けられている。ロックアップクラッチ52は、タービンシャフト55と一体回転するように取り付けられるとともに、タービンシャフト55の軸方向に移動可能なように構成され、軸方向への移動によりポンプインペラ51pに対して係合状態および解放状態に切り替わるようになっている。ロックアップクラッチ52は、ポンプインペラ51pおよびタービンランナ51tを一体的に連結して相互に一体回転させることにより、燃費向上を図るようになっている。
前後進切り替え機60は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置によって構成されている。前後進切り替え機60は、サンギヤ61と、キャリヤ62と、リングギヤ63と、前進クラッチ64と、後進ブレーキ66とを備えている。
サンギヤ61は、トルクコンバータ50のタービンシャフト55に連結されている。キャリヤ62は、サンギヤ61とリングギヤ63との間に設けられる第1のピニオンギヤ67および第2のピニオンギヤ68の各回転軸に回転可能に連結されるとともに、CVT70の入力軸であるプライマリシャフト71に連結されている。前進クラッチ64は、キャリヤ62とサンギヤ61との間に設けられるとともに、油圧により係合状態と解放状態とに切り替わるようになっている。後進ブレーキ66は、リングギヤ63rとハウジング65との間に設けられるとともに、油圧により係合状態と解放状態とに切り替わるようになっている。
前後進切り替え機60は、前進クラッチ64が係合状態であるとともに後進ブレーキ66が解放状態であると、サンギヤ61と、キャリヤ62と、リングギヤ63とが一体回転させられてタービンシャフト55がプライマリシャフト71に直結されるようになっている。これにより、前進方向の駆動力が、タービンシャフト55からプライマリシャフト71に伝達され、最終的には駆動輪45にまで伝達されるようになっている。
また、前後進切り替え機60は、前進クラッチ64が解放状態であるとともに後進ブレーキ66が係合状態であると、リングギヤ63は固定される。このため、タービンシャフト55と一体回転するサンギヤ61の回転方向に対して、第1のピニオンギヤ67および第2のピニオンギヤ68を介してキャリヤ62は反対方向に回転するようになっている。よって、キャリヤ62cと連結したプライマリシャフト71はタービンシャフト55に対して逆回転させられるため、後進方向の駆動力が駆動輪45に伝達される。
CVT70は、プライマリプーリ72と、セカンダリプーリ77と、ベルト75とを有している。ベルト75は、プライマリプーリ72およびセカンダリプーリ77のそれぞれに形成されたV溝に巻き掛けられている。CVT70は、プライマリプーリ72およびセカンダリプーリ77のV溝の内壁部とベルト75との間の摩擦力を利用して動力を伝達するようになっている。
本実施の形態では、プライマリプーリ72およびセカンダリプーリ77からのベルト75への挟圧力を制御する手段として、各プーリ72,77に供給される油の油圧を制御する構成としている。しかしながら、本発明に係る無段変速機の制御装置では、これに限られず、プライマリプーリ72およびセカンダリプーリ77からのベルト75への挟圧力を制御する手段として、各プーリ72,77に供給される油の流量を制御する構成にすることもできる。
プライマリプーリ72は、可動シーブ72aと、固定シーブ72bと、入力側油圧シリンダ73とを備えている。可動シーブ72aは、プライマリシャフト71に対して一体回転可能、かつ軸方向に移動可能に設けられている。固定シーブ72bは、プライマリシャフト71に対して一体回転可能、かつ軸方向に移動できないように設けられている。入力側油圧シリンダ73は、油圧により可動シーブ72aを軸方向に移動するようになっている。
プライマリプーリ72は、入力側油圧シリンダ73により可動シーブ72aを軸方向に移動することにより、固定シーブ72bとの間のV溝幅を変更可能になっている。プライマリプーリ72は、V溝幅を変更することにより、有効径、すなわちベルト75の巻き掛かり径を変更するようになっている。
セカンダリプーリ77は、可動シーブ77aと、固定シーブ77bと、出力側油圧シリンダ78とを備えている。可動シーブ77aは、セカンダリシャフト79に対して一体回転可能、かつ軸方向に移動可能に設けられている。固定シーブ77bは、セカンダリシャフト79に対して一体回転可能、かつ軸方向に移動できないように設けられている。出力側油圧シリンダ78は、油圧により可動シーブ77aを軸方向に移動するようになっている。
セカンダリプーリ77は、出力側油圧シリンダ78により可動シーブ77aを軸方向に移動することにより、固定シーブ77bとの間のV溝幅を変更可能になっている。セカンダリプーリ77は、V溝幅を変更することにより、有効径、すなわちベルト75の巻き掛かり径を変更するようになっている。
そして、油圧制御装置30から入力側油圧シリンダ73および出力側油圧シリンダ78に供給されるオイルの油圧により、プライマリプーリ72およびセカンダリプーリ77のV溝幅が変化して、伝動ベルト75の巻き掛かり径が変更されるようになっている。CVT70は、プライマリプーリ72およびセカンダリプーリ77の軸方向に与えられる推力の制御により、実変速比を無段階に変化させることができる。
本実施の形態のCVT70では、入力側油圧シリンダ73の油圧が油圧制御回路150によって制御されることにより、プライマリプーリ72のV溝幅が変化してベルト75の巻き掛かり径が変更される。これにより、ECU100は、CVT70の変速比γ(=プライマリシャフト71の回転数Nin/セカンダリシャフト79の回転数Nout)を連続的に変化させることができる。
また、本実施の形態のCVT70では、出力側油圧シリンダ78の油圧であるベルト挟圧Pdが油圧制御回路150によって制御されることにより、ベルト75が滑りを生じないようにセカンダリプーリ77からのベルト挟圧力が制御される。
本実施の形態のCVT70は、エンジン11から回転動力が伝達されるとともに溝幅が可変なプライマリプーリ72と、駆動輪45に回転動力を伝達するとともに溝幅が可変なセカンダリプーリ77と、プライマリプーリ72およびセカンダリプーリ77に巻き掛けられるベルト75とを有している。そして、CVT70は、油圧制御装置30からの油圧によりプライマリプーリ72およびセカンダリプーリ77の溝幅が変更されて有効径が変化させられることにより変速比が連続的に変更されるようになっている。また、CVT70は、プライマリプーリ72およびセカンダリプーリ77のいずれか一方に供給する油圧をベルト挟圧として制御することによりベルト75にベルト挟圧力を与えるようになっている。
本実施の形態の無段変速機の制御装置は、油圧制御装置30によってプライマリプーリ72およびセカンダリプーリ77のいずれか一方に供給する油圧をベルト挟圧Pdとして制御することにより、プライマリプーリ72およびセカンダリプーリ77の油圧を供給した方からベルト75にベルト挟圧力を与えるようになっている。また、本実施の形態の無段変速機の制御装置は、油圧制御装置30によってプライマリプーリ72およびセカンダリプーリ77のいずれか他方に供給する油圧を制御することにより、プライマリプーリ72およびセカンダリプーリ77の間の変速比γを調整するようになっている。
CVT70は、運転者の要求に応じてシフトレンジを切替可能になっている。シフトレンジは、シフトレバー21のシフトポジションの操作により切り替わるようになっている。
CVT70は、シフトレンジとして、P(パーキング)レンジ、N(ニュートラル)レンジ、D(ドライブ)レンジ、R(リバース)レンジ、M(マニュアル)レンジ(シーケンシャルレンジ)等を備えている。すなわち、本実施の形態の無段変速機の制御装置は、パーキングロック機構210が規制状態になり駆動輪45の回転を規制するPレンジと、パーキングロック機構210が可動状態になり駆動輪45の回転を可能にする例えばDレンジ等の可動レンジとの少なくとも2つのシフトレンジを有するようになっている。
変速装置20は、入力軸回転数センサ85と、出力軸回転数センサ86と、タービントルクセンサ87とを備えている。入力軸回転数センサ85は、プライマリシャフト71の回転数Ninを検出して信号に変換し、その信号をECU100に入力するようになっている。出力軸回転数センサ86は、セカンダリシャフト79の回転数Noutを検出して信号に変換し、その信号をECU100に入力するようになっている。タービントルクセンサ87は、タービンシャフト55のトルクを検出して信号に変換し、その信号をECU100に入力するようになっている。
次に、油圧制御装置30が有する油圧制御回路150の構成について、図3に基づいて説明する。
図3に示すように、油圧制御回路150は、オイルパン28と、オイルポンプ29と、制御弁103と、減圧弁105と、ライン圧モジュレータ弁106と、プライマリプーリ圧調圧弁113と、変速ソレノイド弁119と、セカンダリプーリ圧調圧弁120と、ベルト挟圧ソレノイド弁126と、切り替え弁130と、オンオフソレノイド弁140と、を備えている。これらはいずれもECU100により制御されるようになっている。
オイルポンプ29は、エンジン11によって駆動されるようになっている。オイルポンプ29によりオイルパン28から汲み上げられたオイルの油圧は、油路Lにおいてライン圧を構成する。油路Lを流れるオイルの一部は、制御弁103によって油路102を介してオイルパン28に戻されるようになっている。これにより、ECU100は、油路Lを流れるオイルの流量を制御するようになっている。制御弁103を通過したオイルは、油路Lを介して減圧弁105およびライン圧モジュレータ弁106に供給されるようになっている。
減圧弁105に供給されたオイルは、油圧が一定圧に減圧されるようになっている。減圧弁105により減圧されたオイルは、油路Lを介して油路L2a、油路L2b、油路L2cに分岐され、後述する各部に供給されるようになっている。
ライン圧モジュレータ弁106は、入力ポート107と、出力ポート108とを有している。入力ポート107は油路Lと連通するとともに、出力ポート108は油路Lと連通している。ライン圧モジュレータ弁106は、油路Lを介して供給されたオイルの油圧をECU100からの指示に従って調整するようになっている。
ライン圧モジュレータ弁106から送出されたオイルは、油路Lから油路Lを介してプライマリプーリ圧調圧弁113に供給されるとともに、油路Lから油路Lを介してセカンダリプーリ圧調圧弁120に供給されるようになっている。
プライマリプーリ圧調圧弁113は、ノーマリオープン型のパイロット作動弁からなり、入力ポート114と、出力ポート115と、信号圧ポート118とを有している。入力ポート114は油路Lと連通するとともに、出力ポート115は油路Lと連通している。プライマリプーリ圧調圧弁113は、ライン圧モジュレータ弁106から油路Lを介して入力ポート114に流入されたオイルを調圧して出力ポート115から流出し、油路Lを介して流通させるようになっている。
ECU100は、プライマリプーリ72の入力側油圧シリンダ73のプライマリ圧を、ベルト挟圧Pdと、変速比γと、アクセル開度Accと、プライマリ圧との関係を示すマップに基づいて算出するようになっている。
信号圧ポート118は、油路Pと連通している。信号圧ポート118には、油路Pを介して、変速ソレノイド弁119から供給される信号圧を有するオイルが流入されるようになっている。
変速ソレノイド弁119から流出されるオイルが油路Pを介して信号圧ポート118に供給されないオフ状態では、入力ポート114が全開になるとともに、出力ポート115から流出されるオイルの油圧は入力ポート114から流入されるオイルの油圧に従って一定になる。一方、変速ソレノイド弁119から流出されるオイルが油路Pを介して信号圧ポート118に供給されるオン状態では、図示しないスプール弁子の移動によって、入力ポート114が適宜塞がれる。これに応じて、プライマリプーリ圧調圧弁113は、出力ポート115から流出するオイルの油圧を変化させるようになっている。
変速ソレノイド弁119には、油路L2aを介してオイルが供給されるようになっている。変速ソレノイド弁119は、供給されたオイルをプライマリプーリ圧調圧弁113の入力ポート114の開口状態を決定する信号圧に制御し、プライマリプーリ圧調圧弁113に供給するようになっている。変速ソレノイド弁119は、例えば、デューティソレノイド弁からなり、ECU100によって電流が印加されることで、信号圧ポート118に流出されるオイルの信号圧が制御されるようになっている。
ECU100は、変速ソレノイド弁119からプライマリプーリ圧調圧弁113に供給する信号圧を制御することにより、プライマリプーリ圧調圧弁113から出力されるプライマリ圧を調整するようになっている。
セカンダリプーリ圧調圧弁120は、ノーマリオープン型のパイロット作動弁からなり、入力ポート121と、出力ポート122と、信号圧ポート125とを有している。入力ポート121は油路Lと連通するとともに、出力ポート122は油路Lおよび油路Lと連通している。セカンダリプーリ圧調圧弁120は、ライン圧モジュレータ弁106から油路Lを介して入力ポート121に流入されたオイルを調圧して出力ポート122から流出し、油路Lおよび油路Lを介して流通させるようになっている。
信号圧ポート125は、油路Pと連通している。信号圧ポート125には、油路Pを介して、ベルト挟圧ソレノイド弁126から供給される信号圧を有するオイルが流入されるようになっている。
ベルト挟圧ソレノイド弁126から流出されるオイルが油路Pを介して信号圧ポート125に供給されないオフ状態では、入力ポート121が全開になるとともに、出力ポート122から流出されるオイルの油圧は入力ポート121から流入されるオイルの油圧に従って一定になる。一方、ベルト挟圧ソレノイド弁126から流出されるオイルが油路Pを介して信号圧ポート125に供給されるオン状態では、図示しないスプール弁子の移動によって、入力ポート121が適宜塞がれる。これに応じて、セカンダリプーリ圧調圧弁120は、出力ポート122から流出するオイルの油圧を変化させるようになっている。
ベルト挟圧ソレノイド弁126には、油路L2bを介してオイルが供給されるようになっている。ベルト挟圧ソレノイド弁126は、供給されたオイルをセカンダリプーリ圧調圧弁120の入力ポート121の開口状態を決定する信号圧に制御し、セカンダリプーリ圧調圧弁120に供給するようになっている。ベルト挟圧ソレノイド弁126は、例えば、リニアソレノイド弁からなり、ECU100によって電流が印加されることで、信号圧ポート125に流出されるオイルの信号圧が制御されるようになっている。
ECU100は、ベルト挟圧ソレノイド弁126からセカンダリプーリ圧調圧弁120に供給する信号圧を制御することにより、セカンダリプーリ圧調圧弁120から出力されるベルト挟圧Pdを調整するようになっている。
切り替え弁130は、プライマリプーリ圧調圧弁113から流出されたオイルと、セカンダリプーリ圧調圧弁120から流出されたオイルとを、プライマリプーリ72に流入させる中継装置として機能する。切り替え弁130は、プライマリプーリ圧調圧弁113から供給されたオイルと、セカンダリプーリ圧調圧弁120から供給されたオイルとのいずれかを切り替えて、プライマリプーリ72に供給するようになっている。
切り替え弁130は、プライマリプーリ圧調圧弁113用の入力ポート131と、セカンダリプーリ圧調圧弁120用の入力ポート135と、出力ポート132と、信号圧ポート139とを有している。
入力ポート131は油路Lと連通するとともに、入力ポート135は油路Lと連通している。出力ポート132は油路Lと連通するとともに、信号圧ポート139は油路Pと連通している。入力ポート131および入力ポート135は、いずれか一方が出力ポート132と切り替え可能に連通するようになっている。入力ポート131および入力ポート135の開口状態は、図示しないスプール弁子の軸方向移動によって変化するようになっている。
信号圧ポート139は、油路Pと連通している。信号圧ポート139には、油路Pを介して、オンオフソレノイド弁140から供給される信号圧を有するオイルが流入されるようになっている。
CVT70の通常時、すなわちフェール時以外では、オンオフソレノイド弁140から流出されるオイルが油路Pを介して信号圧ポート139に供給されず、入力ポート131は出力ポート132に連通するようになっている。一方、CVT70のフェール時には、オンオフソレノイド弁140から流出されるオイルが油路Pを介して信号圧ポート139に供給され、入力ポート135は出力ポート132に連通するようになっている。
オンオフソレノイド弁140には、油路L2cを介してオイルが供給されるようになっている。オンオフソレノイド弁140は、供給されたオイルを切り替え弁130の入力ポート131および入力ポート135の出力ポート132への連通状態を決定する信号圧に制御し、切り替え弁130に供給するようになっている。
よって、プライマリプーリ圧調圧弁113は、CVT70の通常時に、ライン圧モジュレータ弁106から供給されたオイルを、油路L→切り替え弁130→油路Lという経路を経て、プライマリプーリ72の入力側油圧シリンダ73に供給するようになっている。すなわち、プライマリプーリ圧調圧弁113は、CVT70の通常時には、プライマリプーリ72の可動シーブ72aの入力側油圧シリンダ73の油圧室に供給されるプライマリ圧を制御するようになっている。
セカンダリプーリ圧調圧弁120は、CVT70のフェール時に、ライン圧モジュレータ弁106から供給されたオイルを、油路L→切り替え弁130→油路Lという経路を経て、プライマリプーリ72の入力側油圧シリンダ73に供給するようになっている。すなわち、セカンダリプーリ圧調圧弁120は、CVT70のフェール時には、プライマリプーリ72の可動シーブ72aの入力側油圧シリンダ73の油圧室に供給されるプライマリ圧を制御するようになっている。
また、セカンダリプーリ圧調圧弁120は、CVT70の通常時およびフェール時に、ライン圧モジュレータ弁106から供給されたオイルを、油路Lを経て、セカンダリプーリ77の出力側油圧シリンダ78に供給するようになっている。すなわち、セカンダリプーリ圧調圧弁120は、セカンダリプーリ77の可動シーブ77aの入力側油圧シリンダ78の油圧室に供給されるセカンダリ圧、すなわちベルト挟圧Pdを制御するようになっている。
次に、パーキングロック機構210の構成について、図4および図5に基づいて説明する。
パーキングロック機構210は、セカンダリプーリ77のセカンダリシャフト79と同軸上の固定シーブ77b側に設けられている。このため、パーキングロック機構210は、セカンダリシャフト79の回転を規制することにより、駆動輪の回転をロック可能になっている。パーキングロック機構210は、パーキングロック部202と、アクチュエータ203と、ロック機構部204とを備えている。
パーキングロック部202は、パーキングギヤ221と、パーキングポール222と、戻りばね224とを備えている。パーキングロック部202は、パーキングギヤ221と、パーキングポール222との噛合により、セカンダリシャフト79の回転を規制可能になっている。
パーキングギヤ221は、セカンダリシャフト79に取り付けられ、セカンダリシャフト79と一体回転するようになっている。このパーキングギヤ221の外縁部分には、歯221aが等間隔に形成され、隣接する歯221aの間がパーキングギヤ221の中心に向けて窪む歯底部221bとなっている。
パーキングポール222の基端部は、ピン225によって揺動可能に支持されている。パーキングポール222の長手方向中央部のパーキングギヤ221側には、パーキングギヤ221の歯底部221bに入り込んで係合可能な係止突起222aが形成されている。
戻りばね224は、捩じりコイルばねからなり、パーキングポール222をパーキングギヤ221から離隔させる方向に付勢するようになっている。
アクチュエータ203としては、永久磁石や電磁石からなるステータ231と、コイルを有するロータ232と、ロータ232と一体回転するロータ軸233とを備えるDCモータやSR(Switched Reluctance)モータが用いられている。
ロック機構部204は、コントロールロッド241と、ディテントプレート242と、ディテントばね243と、パーキングロッド244と、付勢ばね245と、パーキングカム246と、カムガイド248とを含んで構成されている。
コントロールロッド241は、アクチュエータ203のロータ軸233にスプライン結合されるとともに、ロータ軸233と一体回転するようになっている。
ディテントプレート242は、コントロールロッド241に取り付けられている。このため、アクチュエータ203によってコントロールロッド241を回転させると、コントロールロッド241の動きに応じてディテントプレート242が揺動するようになっている。ディテントプレート242は、レバー242bと、第1の凹部242dと、第2の凹部242eとを備えている。
ディテントばね243は、板ばねからなり、一端部に回転可能に支持されたローラ243bを備えている。ディテントプレート242が揺動することにより、ディテントプレート242の位置が、ローラ243bが第1の凹部242dに係合したロック解除状態、あるいはローラ243bが第2の凹部242eに係合したロック状態に切り替えられるようになっている。
パーキングロッド244は、棒状の部材からなり、ディテントプレート242のレバー42bからカムガイド248に向けて設けられている。パーキングカム246は、大外径部246aと、小外径部246bとを備えている。パーキングカム246の外周面は、パーキングポール222の先端部に当接されている。パーキングカム246は、パーキングロッド244に摺動可能に設けられている。
付勢ばね245は、圧縮コイルばねからなり、パーキングロッド244を軸にして設けられるとともに、パーキングカム246をパーキングロッド244の先端側に付勢している。カムガイド248は、パーキングポール222の先端部側に向けて形成された内周面により、パーキングカム246を軸線方向に摺動可能に支持している。
パーキングロック機構210は、シフトレバー21がPポジションに切り替えられることにより駆動輪45の回転を規制する規制状態と、シフトレバー21が可動ポジションに切り替えられることにより駆動輪45の回転を可能にする可動状態との間で切替可能になっている。
ECU100は、シフトレバー21のシフトポジションがPポジションに切り替わったことを検出すると、アクチュエータ203を作動させて、ローラ243bを第2の凹部242eに係合させ、ディテントプレート242をロック位置に設定するようになっている。ディテントプレート242がロック位置に設定された場合には、パーキングカム246の大外径部246aがカムガイド248に進入するようになっている。そして、パーキングカム246の大外径部246aがパーキングポール222の先端部を押圧し、戻りばね224の復元力に抗してパーキングポール222がパーキングギヤ221に近接する。これにより、係止突起222aが歯底部221bに係合し、パーキングギヤ221がロックされ、パーキングロック機構210が規制状態に切り替わるようになっている。
また、ECU100は、シフトレバー21のシフトポジションがPポジション以外に切り替わったことを検出すると、アクチュエータ203を作動させて、ローラ243bを第1の凹部242dに係合させ、ディテントプレート242をロック解除位置に設定するようになっている。ディテントプレート242がロック解除位置に設定された場合には、パーキングカム246の大外径部246aが、カムガイド248から後退するようになっている。そして、パーキングカム246の大外径部246aがパーキングポール222の先端部から離れ、戻りばね224の復元力によってパーキングポール222がパーキングギヤ221から離反する。これにより、歯底部221bと係止突起222aとの係合が解消され、パーキングギヤ221のロックが解除され、パーキングロック機構210が可動状態に切り替わるようになっている。
本実施の形態の無段変速機の制御装置は、CVT70と、パーキングロック機構210と、を備えるとともに、シフトレバー21が可動ポジションからPポジションに切り替えられた際に、ベルト挟圧力を可動ポジションである場合のベルト挟圧力よりも低くするようになっている。特に、本実施の形態の無段変速機の制御装置は、プライマリプーリ72およびセカンダリプーリ77の少なくともいずれか一方に供給する油圧をベルト挟圧Pdとして制御することで、ベルト挟圧力を制御するようになっている。
また、本実施の形態の無段変速機の制御装置は、図7に示すように、パーキングロック機構210が可動状態から規制状態に切り替わるときに、ベルト挟圧力を、シフトレバー21がPポジションに切り替えられてからパーキングロック機構210が規制状態に切り替わるまでのベルト挟圧力よりも高くするようになっている。
本実施の形態の無段変速機の制御装置では、図7に示すように、シフトレバー21がPポジションに切り替えられてからパーキングロック機構210が規制状態に切り替わるまでのベルト挟圧力は、最低圧であるようになっている。また、本実施の形態の無段変速機の制御装置では、パーキングロック機構210が規制状態に切り替わってからのベルト挟圧力はCVT70への入力トルク、すなわちタービントルクTtに応じて設定するようになっている。
次に、動作について説明する。
車両10は、シフトレバー21のシフトポジションをDポジションにして、変速装置20のシフトレンジをDレンジにして走行している。図6に示すように、ECU100は、シフトレバー21のシフトポジションがDポジションからPポジションに切り替わったか否かを判断する(ステップS1)。シフトレバー21のシフトポジションがDポジションからPポジションに切り替わったか否かは、シフトセンサ82により検出された信号に基づいて、ECU100により判断される。ECU100が、シフトレバー21のシフトポジションがDポジションからPポジションに切り替わっていないと判断した場合は(ステップS1;NO)、ECU100はメインルーチンに処理を戻す。
ECU100が、シフトレバー21のシフトポジションがDポジションからPポジションに切り替わったと判断した場合は(ステップS1;YES)、ECU100は、ベルト挟圧Pdを最低圧に設定する(ステップS2)。ここでは、ECU100は、ベルト挟圧Pdを、ベルト75がプライマリプーリ72およびセカンダリプーリ77に対して軽く接触しながらも動力は伝動しない程度の油圧、例えば約0.1MPaに設定している。
これにより、無段変速機の制御装置は、シフトポジションがDポジションからPポジションに切り替えられた際に、ベルト挟圧力を最低圧にするので、プライマリプーリ72からベルト75を介してセカンダリプーリ77に伝達される慣性力を従来よりも小さく、ほぼ0にすることができる。このため、シフトポジションがPポジションに切り替えられた後に、パーキングロック機構210で発生する衝撃を小さくすることができる。
そして、ECU100は、パーキングロック機構210が規制状態になって、パーキングポール222とパーキングギヤ221とが噛み合って駆動輪45の回転が規制されているか否かを判断する(ステップS3〜ステップS5)。ここでは、まず、ECU100は、ブレーキペダル41が解放されているか否かを判断する(ステップS3)。ブレーキペダル41が解放されているか否かは、ブレーキセンサ88により検出された信号に基づいて、ECU100により判断される。
ECU100が、ブレーキペダル41が解放されていると判断した場合は(ステップS3;YES)、ECU100は、駆動輪45が停止しているか否かを判断する。ECU100は、駆動輪45が停止しているか否かを判断するため、ここではセカンダリシャフト79の回転数Noutが0rpmであるか否かを判断する(ステップS4)。
ECU100が、セカンダリシャフト79の回転数Noutが0rpmであると判断した場合は(ステップS4;YES)、ECU100は、シフトポジションがPポジションに切り替えられてから所定時間、例えば500msec継続したか否かを判断する(ステップS5)。なお、ここでの所定時間は500msecに限られないのは勿論である。
ECU100が、シフトポジションがPポジションに切り替えられてから500msec継続したと判断した場合は(ステップS5;YES)、ECU100は、パーキングロック機構210が規制状態になったとみなす。すなわち、シフトポジションがPポジションであり、ブレーキペダル41が解放され、駆動輪45は停止した状態で、所定時間が経過しているため、ECU100は、パーキングポール222とパーキングギヤ221とが噛み合って駆動輪45の回転が規制されているものとみなす。
これにより、ECU100は、ベルト挟圧PdをタービントルクTtに基づいて算出し(ステップS6)、設定する(ステップS7)。例えば、タービントルクTtが高いほど、ベルト挟圧Pdを高く設定するようにする。これにより、無段変速機の制御装置は、次にシフトポジションがPポジションからDポジションに切り替えられた場合に、ベルト挟圧Pdを所望の高さまで迅速に上昇させることができる。よって、無段変速機の制御装置は、ベルト挟圧力を所定の高さまで迅速に上昇でき、発進時の加速応答性を高めることができ、ドライバビリティを向上することができる。
また、ステップS3においてECU100がブレーキは解放されていないと判断するか(ステップS3;NO)、あるいはステップS4においてECU100がセカンダリシャフト79の回転数Noutは0rpmでないと判断するか(ステップS4;NO)、あるいはステップS5においてECU100がシフトポジションがPポジションに切り替えられてから500msec継続していないと判断した場合は(ステップS5;NO)、ECU100は、再度、シフトポジションがDポジションからPポジションに切り替わったか否かを判断する(ステップS1)。
次に、シフトレバー21のシフトポジションをDポジションにした車両10において、シフトポジションをDポジションからPポジションに切り替えた際の動作を、図7に示すタイムチャートに沿って説明する。
車両10が走行中あるいは停車中に、Tにおいて、運転者がシフトポジションをDポジションからPポジションに切り替える。ECU100は、シフトレバー21のシフトポジションがDポジションからPポジションに切り替わったことをシフトセンサ82により検出された信号に基づいて検出し、ベルト挟圧Pdを最低圧、例えば約0.1MPaに設定する。すなわち、ECU100は、ベルト挟圧ソレノイド弁126からセカンダリプーリ圧調圧弁120に供給する信号圧を適宜制御して、セカンダリプーリ圧調圧弁120から出力されるベルト挟圧Pdを最低圧に調整する。
これにより、無段変速機の制御装置は、ベルト挟圧力を最低圧にして、プライマリプーリ72からベルト75を介してセカンダリプーリ77に伝達される慣性力を従来よりも小さく、ほぼ0にすることができる。このため、シフトポジションがPポジションに切り替えられた後に、パーキングロック機構210で発生する衝撃を小さくすることができる。
また、Tにおいて、シフトポジションがPポジションに切り替わったことにより、ECU100は、パーキングロック機構210のアクチュエータ203を作動させて、ローラ243bを第2の凹部242eに係合させ、ディテントプレート242をロック位置に設定する。これにより、パーキングポール222がパーキングギヤ221に近接し、例えば、係止突起222aが歯221aの歯先部に当接したまま歯底部221bに噛合することなく停止する。
ECU100は、パーキングロック機構210が規制状態になってパーキングポール222とパーキングギヤ221とが噛み合っているかを判断するために、ブレーキペダル41が解放されているか、およびセカンダリシャフト79が停止しているか、および500msec継続しているかを判断する。
において、ECU100が、ブレーキペダル41が解放されていること、およびセカンダリシャフト79が停止していること、および500msec継続していることの全ての条件を満たしていると判断すると、係止突起222aが歯底部221bに係合し、パーキングギヤ221がロックされ、パーキングロック機構210が規制状態にあるとみなす。
これにより、ECU100は、ベルト挟圧PdをタービントルクTtに基づいて算出して設定する。ここでは、タービントルクTtが高いほど、ベルト挟圧Pdを高く設定するようにし、例えば、Dポジションでのベルト挟圧Pdの約1/2程度に設定する(図7中、実線で示す)。あるいは、ECU100は、タービントルクTtの大きさによっては、Dポジションでのベルト挟圧Pdと同等に設定するようにしてもよい(図7中、一点鎖線で示す)。これにより、ECU100は、次にシフトレンジがPレンジからDレンジ等に切り替えられた場合に、ベルト挟圧Pdを所望の高さまで迅速に上昇させることができ、ベルト挟圧力を所望の高さまで迅速に上昇できるので、発進時の加速応答性を高めることができ、ドライバビリティを向上することができる。
また、Pポジションに切り替えられる前がNポジションである場合は、Nポジションでのベルト挟圧PdはDポジションでのベルト挟圧Pdよりも低いため、パーキングロック機構210が規制状態にあるとみなした後には元のNポジションと同等のベルト挟圧Pdにまで設定するようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態に係る無段変速機の制御装置によれば、ECU100は、シフトポジションがDポジションからPポジションに切り替えられた際に、ベルト挟圧PdをDポジションである場合のベルト挟圧Pdよりも低く、最低圧であるようにしている。このため、プライマリプーリ72およびセカンダリプーリ77から与えられるベルト75への挟圧力は最低圧となって、Dポジションである場合のベルト75への挟圧力よりも小さくなる。これにより、ECU100は、シフトポジションがDポジションからPポジションに切り替えられた際に、プライマリプーリ72からベルトを介してセカンダリプーリ77に伝達される慣性力をほぼ0にまで小さくすることができる。よって、無段変速機の制御装置は、シフトポジションがPポジションに切り替えられた後に、パーキングロック機構210で発生する衝撃を小さくすることができる。
また、本実施の形態に係る無段変速機の制御装置によれば、ECU100は、パーキングロック機構210が作動する際に、ベルト挟圧Pdを、シフトポジションがPポジションに切り替えられてからパーキングロック機構210が規制状態になるまでのベルト挟圧Pdよりも高くしている。このため、ECU100は、シフトポジションがPポジションからDポジションに切り替えられたときに、ベルト挟圧Pdを上昇させる量を小さくすることができる。よって、無段変速機の制御装置は、ベルト挟圧Pdを所望の高さまで迅速に上昇させることができるので、発進時の加速応答性を高めることができ、ドライバビリティを向上することができる。
上述した本実施の形態の無段変速機の制御装置においては、シフトポジションがDポジションからPポジションに切り替えられた場合について説明した。しかしながら、本発明に係る無段変速機の制御装置においては、これに限られず、例えば、Dポジション以外の可動ポジション、例えばNポジションやRポジションからPポジションに切り替えられる場合に適用してもよい。
また、本実施の形態の無段変速機の制御装置においては、パーキングロック機構210が規制状態にあるか否かの判定を、ブレーキペダル41が解放されていること、およびセカンダリシャフト79が停止していること、および500msec継続していることの3つの条件に基づいて行った。しかしながら、本発明に係る無段変速機の制御装置においては、これに限られず、例えば、パーキングポール222の位置を検出可能なセンサを用いることにより、パーキングポール222がパーキングギヤ221に噛合していることを検出するようにしてもよい。この場合、ECU100は、パーキングポール222がパーキングギヤ221に噛合していることを検出することにより、パーキングロック機構210が規制状態にあるか否かを、より高精度に判定することができる。
また、本実施の形態の無段変速機の制御装置においては、パーキングロック機構210が作動している判定条件の1つとして、セカンダリシャフト79が停止していることを含めている。しかしながら、本発明に係る無段変速機の制御装置においては、これに限られず、セカンダリシャフト79の停止を含めずに、例えば、駆動軸回転数センサ83により検出された左ドライブシャフト43Lの回転数が0rpmであることを含めてもよい。この場合も、駆動輪45は停止しているので、セカンダリシャフト79の停止を条件とする場合と同様にパーキングロック機構210が規制状態にある判定の条件として扱うことができる。
また、本実施の形態の無段変速機の制御装置においては、シフトポジションがPポジションに切り替えられた際にベルト挟圧Pdをベルト75により動力を伝達できない程度の最低圧に下げている。しかしながら、本発明に係る無段変速機の制御装置においては、これに限られず、例えば、0MPa程度にまで下げるようにしてもよい。
また、本実施の形態の無段変速機の制御装置においては、ECU100は、パーキングロック機構210が作動した際に、パーキングロック機構210が作動する前よりもベルト挟圧Pdを高めている。しかしながら、本発明に係る無段変速機の制御装置においては、これに限られず、ECU100は、例えば、パーキングロック機構210が作動する前後で同等のベルト挟圧Pdを供給するようにしてもよい。
また、本実施の形態の無段変速機の制御装置においては、CVT70は、プライマリプーリ72により変速比を制御するとともに、セカンダリプーリ77によりベルト挟圧力を制御するものとしている。しかしながら、本発明に係る無段変速機の制御装置においては、これに限られず、例えば、プライマリプーリ72およびセカンダリプーリ77のそれぞれが条件に応じて変速比およびベルト挟圧力を制御するようにしてもよい。
また、本実施の形態の無段変速機の制御装置においては、油圧制御回路150は、プライマリプーリ72をプライマリプーリ圧調圧弁113からの油圧により制御するものとしている。しかしながら、本発明に係る無段変速機の制御装置においては、これに限られず、油圧制御回路150はプライマリプーリ72を、例えばオイルの流量により制御するものとしてもよい。
また、本実施の形態の無段変速機の制御装置においては、シフト手段をシフトレバー21としている。しかしながら、本発明に係る無段変速機の制御装置においては、これに限られず、シフト手段をシフトボタンとしてもよい。この場合、ECU100は、シフトボタンにより選択されたシフトポジションを検出するようにする。
以上のように、本発明に係る無段変速機の制御装置は、CVTを備えた車両において、シフト手段を可動ポジションからパーキングポジションに切り替えた際にパーキングロック機構での衝撃の発生を従来よりも減少できるという効果を奏するものであり、無段変速機の制御装置に有用である。
11 エンジン(駆動源)
20 変速装置
21 シフトレバー(シフト手段)
30 油圧制御装置(油圧制御手段)
45 駆動輪
70 CVT(無段変速機)
72 プライマリプーリ(駆動側プーリ)
75 ベルト
77 セカンダリプーリ(被駆動側プーリ)
100 ECU(無段変速機の制御装置)
210 パーキングロック機構
221 パーキングギヤ
221a 歯
222 パーキングポール
222a 係止突起
224 戻りばね
246 ロッド

Claims (5)

  1. 駆動源から回転動力が伝達される駆動側プーリと、駆動輪に前記回転動力を伝達する被駆動側プーリと、前記駆動側プーリおよび前記被駆動側プーリに巻き掛けられるベルトとを有し、前記駆動側プーリおよび前記被駆動側プーリの少なくともいずれか一方に油を供給することにより前記駆動側プーリおよび前記被駆動側プーリから前記ベルトへのベルト挟圧力を変更して、前記駆動側プーリおよび前記被駆動側プーリの有効巻き掛け径を変更することにより変速比を連続的に制御する無段変速機と、
    シフト手段がパーキングポジションに切り替えられることにより前記駆動輪の回転を規制する規制状態と、前記シフト手段が可動ポジションに切り替えられることにより前記駆動輪の回転を可能にする可動状態との間で切替可能なパーキングロック機構と、を備えた無段変速機の制御装置であって、
    前記シフト手段が前記可動ポジションから前記パーキングポジションに切り替えられた際に、前記ベルト挟圧力を前記可動ポジションである場合の前記ベルト挟圧力よりも低くすることを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 前記パーキングロック機構が前記可動状態から前記規制状態に切り替わるときに、前記ベルト挟圧力を、前記シフト手段が前記パーキングポジションに切り替えられてから前記パーキングロック機構が前記規制状態に切り替わるまでの前記ベルト挟圧力よりも高くすることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の制御装置。
  3. 前記シフト手段が前記パーキングポジションに切り替えられてから前記パーキングロック機構が前記規制状態に切り替わるまでの前記ベルト挟圧力は最低圧であるとともに、
    前記パーキングロック機構が前記規制状態に切り替わってからの前記ベルト挟圧力は前記無段変速機への入力トルクに応じて設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無段変速機の制御装置。
  4. 前記駆動側プーリおよび前記被駆動側プーリはいずれも溝幅が可変であるとともに、油圧制御手段からの油圧により前記駆動側プーリおよび前記被駆動側プーリの前記溝幅が変更されて前記有効巻き掛け径が変化させられるものであり、前記駆動側プーリおよび前記被駆動側プーリの少なくともいずれか一方に供給する前記油圧をベルト挟圧として制御することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の無段変速機の制御装置。
  5. 前記パーキングロック機構は、
    前記駆動輪に伴って回転可能であるとともに歯を有するパーキングギヤと、
    前記歯に噛合して前記パーキングギヤを固定可能な係止突起を有するパーキングポールと、
    前記パーキングポールを前記パーキングギヤに押圧可能であるとともに前記係止突起を前記歯に噛合させた状態で固定可能なロッドと、
    前記係止突起を前記歯から解放する方向に付勢する戻りばねと、を備え、
    前記シフト手段が前記パーキングポジションにある場合は、前記ロッドが前記パーキングポールを前記パーキングギヤに押圧し、前記係止突起が前記歯に噛み合って、前記パーキングポールが前記パーキングギヤの回転を規制することにより、前記規制状態に切り替わり前記駆動輪の回転を規制するとともに、
    前記シフト手段が前記可動ポジションにある場合は、前記ロッドが前記パーキングポールへの押圧を解除し、前記パーキングロッドが前記戻りばねにより前記パーキングポールから離隔する方向に押圧され、前記係止突起が前記歯から外れ、前記パーキングポールが前記パーキングギヤの回転を許容することにより、前記可動状態に切り替わり前記駆動輪の回転を可能にすることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の無段変速機の制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018162019A (ja) * 2017-03-27 2018-10-18 株式会社Subaru パーキングロック機構

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