JP2013150573A - 緑化資材、緑化装置および緑化方法 - Google Patents

緑化資材、緑化装置および緑化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】植物の耐乾燥性、耐寒冷性および耐暑性を向上可能な建造物および露出された地肌の少なくとも一方の緑化に用いる植物の生育のための緑化資材を提供する。
【解決手段】緑化資材12は、ホウ素、ケイ素およびアルミニウムを含むことを特徴とし、さらに、セレンを含んでもよい。緑化資材12の原料としては、例えば、フライアッシュ等の石炭灰が使用できる。緑化資材12によれば、植物の耐乾燥性、耐寒冷性および耐暑性を向上できる。このため、緑化資材12を植物の生育に利用することで、建造物20の屋上、壁面および露出された地肌等の極めて苛酷な環境条件下でも植物を生育でき、緑化が可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、緑化資材、緑化装置および緑化方法に関する。
人間活動の活発な都市部では、緑地や水面が減り、コンクリートやアスファルトが増えることで地表面が高温になり、気温が上昇する「ヒートアイランド現象」が問題となっている。この現象の緩和のために、都市部の建築物の屋上や壁面、屋根などを緑化する取り組みが盛んになっている(非特許文献1)。屋上などの緑化は、ヒートアイランド現象の緩和だけでなく、屋内空調のためのエネルギー削減、緑の癒し空間の創出など多くの効果が期待できる。屋上や壁面の緑化は、植物を生育させる環境としては水や肥料の供給が制限されるなど環境的に厳しいことや、出来るだけ軽量化が求められるために、様々な技術、資材、緑化装置が開発されている。さらに、土地造成や道路等の建設にともなって露出される地肌での植生回復も緑化のカテゴリーのひとつであり、肥料分が乏しい乾燥地でも生育できるような樹種の工夫や様々な技術や資材が開発されている。
例えば、植物への水やり(灌水)の工夫としては、建物の屋上部における広域緑化に適したより少ない負荷重量かつ小さい占有スペースで、簡易的に構成される建物の屋上緑化灌水システムが提案されている(特許文献1)。また、軽量で根腐れを生じず、屋上緑化用にも用いることができる自動給水プランターも提案されている(特許文献2)。さらに、ビルの壁面用の緑化装置としては、2本の支柱の間に、複数の羽根板が上下に隙間をあけて取り付けられたルーバーにおいて、前記羽根板が、開口容器状に形成され、その内部に植物が植えられた植栽ルーバーが提案されている(特許文献3)。
一方、植物の生育に適した軽量な基盤材としては、木質系材料を原料とした軽量な保水資材と薄層基盤植物からなる緑化用構造体が提案されている(特許文献4)。また、屋上緑化において植物の生育に十分な通気性を確保するとともに耐久性を備えた、複数の凸条が幅方向に互いに平行に並設された薄肉金属パネルを利用した屋上緑化システムも提案されている(特許文献5)。さらに、粒状のクリンカアッシュを骨材として、水とセメントとを混合した、植物の発育がよく軽量である屋上緑化用基盤も提案されている(特許文献6)。
また、土地造成や道路等の建設にともなって露出される地肌での植生回復に利用する技術として、窒素固定菌の一種であるアゾスピリラム(Azospirillum)属菌を接種した緑化植物栽培用土または緑化基盤材に緑化植物を栽培することによって、緑化植物の成長促進を図ることができることが示されている(特許文献7)。
特開2003−199443号公報 特開2010−68735号公報 特開2002−34347号公報 特開2009−183177号公報 特開2010−259409号公報 特開2011−155862号公報 特開平10−262458号公報
船瀬俊介、「屋上緑化」、築地書館(2000年)
しかしながら、ビルの屋上、壁面または露出された地肌等は、温度や水分などの点で極めて過酷な環境にさらされるため、従来の緑化資材、緑化装置および緑化方法では、十分な植物の生育や維持を達成するのは困難であり、植物の耐乾燥性、耐寒冷性および耐暑性の更なる改善が求められていた。
そこで、本発明は、植物の耐乾燥性、耐寒冷性および耐暑性を向上可能な建造物および露出された地肌の少なくとも一方の緑化に用いる植物の生育のための緑化資材、緑化装置および緑化方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の緑化資材は、建造物および露出された地肌の少なくとも一方の緑化に用いる植物の生育のための緑化資材であって、ホウ素、ケイ素およびアルミニウムを含むことを特徴とする。
本発明の緑化装置は、建造物および露出された地肌の少なくとも一方の緑化に用いる緑化装置であって、
上部が開口した容器と、
前記容器内に配置された植物を生育させる培地とを含み、
前記培地が、前記本発明の緑化資材を含むことを特徴とする。
本発明の緑化方法は、建造物および露出された地肌の少なくとも一方の緑化方法であって、前記本発明の緑化装置を用いて、建造物および露出された地肌の少なくとも一方を緑化することを特徴とする。
本発明の緑化資材によれば、植物の耐乾燥性、耐寒冷性および耐暑性を向上できる。このため、本発明の緑化資材を植物の生育に利用することで、建造物の屋上、壁面または露出された地肌等の極めて苛酷な環境条件下でも植物を生育でき、建造物および露出された地肌の緑化が可能となる。
図1は、本発明の緑化装置の構成の一例を示す概略斜視図である。 図2は、図1に示す緑化装置を用いた本発明の緑化方法の一例を示す模式図である。 図3は、図1に示す緑化装置を用いた本発明の緑化方法のその他の例を示す模式図である。 図4は、図3に示す緑化方法における給排水方法の一例を示す模式図である。 図5は、実施例1における、石炭灰存在下および石炭灰非存在下で生育したバミューダグラスの潅水中止8日後の含水率を示すグラフである。 図6は、実施例1における、石炭灰存在下および石炭灰非存在下で生育したケンタッキーブルーグラスの潅水中止6日後の含水率を示すグラフである。 図7は、実施例1における、石炭灰存在下および石炭灰非存在下で生育したペレニアルライグラスの潅水中止6日後の含水率を示すグラフである。 図8は、実施例2における、石炭灰存在下および石炭灰非存在下で生育したバミューダグラスの伸長量を示すグラフである。 図9は、実施例3における、石炭灰存在下および石炭灰非存在下で生育したバミューダグラスの障害発生位置(下葉の枯死範囲)を示すグラフである。 図10は、実施例4における、石炭灰存在下および石炭灰非存在下で生育したヤマモモの含水率を示すグラフである。 図11は、実施例4における、石炭灰存在下および石炭灰非存在下で生育したアキニレの含水率を示すグラフである。 図12は、実施例4における、石炭灰存在下および石炭灰非存在下で生育したヤシャブシの含水率を示すグラフである。
本発明の緑化資材は、例えば、さらに、セレンを含むことが好ましい。
本発明の緑化資材は、例えば、ホウ素とケイ素との重量比が、1:0.1〜10であり、ホウ素とアルミニウムとの重量比が、1:0.1〜10であることが好ましい。
本発明の緑化資材は、例えば、ホウ素とセレンとの重量比が、1:0.001〜1であることが好ましい。
本発明の緑化資材は、例えば、ホウ素、ケイ素およびアルミニウムを含む原料として、フライアッシュを含むことが好ましい。
本発明の緑化資材は、例えば、前記植物が、シバおよび樹木の少なくとも一方であることが好ましい。前記シバは、例えば、バミューダグラス、ケンタッキーブルーグラスおよびペレニアルライグラスからなる群から選択された少なくとも一つであることが好ましい。前記樹木は、例えば、ヤマモモ、アキニレおよびヤシャブシからなる群から選択された少なくとも一つであることが好ましい。
本発明の緑化装置は、例えば、前記培地において、前記緑化資材由来のホウ素、ケイ素およびアルミニウムの含有量が、それぞれ、0.1×10−4〜20×10−4w/v%であることが好ましい。
本発明の緑化装置は、例えば、前記緑化資材が、さらに、セレンを含み、前記培地において、前記緑化資材由来のセレンの含有量が、0.001×10−4〜1×10−4w/v%であることが好ましい。
次に、本発明について、例をあげて詳細に説明する。但し、本発明は、以下の説明によって限定および制限されない。
<緑化資材>
本発明の緑化資材は、前述のように、ホウ素、ケイ素およびアルミニウムを含むことを特徴とする。本発明の緑化資材は、これら3つの成分を必須の成分として含むことが特徴であって、その他の構成は何ら制限されない。
本発明の緑化資材は、例えば、ホウ素、ケイ素およびアルミニウムからなる緑化資材でもよいし、ホウ素、ケイ素およびアルミニウムの他に、任意成分として、さらにセレンを含むことが好ましい。
本発明の緑化資材において、ホウ素、ケイ素およびアルミニウムの含有割合は、特に制限されない。ホウ素(B)とケイ素(Si)の割合は、重量比(B:Si)が、例えば、1:0.1〜10であり、好ましくは1:0.1〜5であり、より好ましくは1:0.5〜5であり、さらに好ましくは1:0.5〜2である。ホウ素(B)とアルミニウム(Al)の割合は、重量比(B:Al)が、例えば、1:0.1〜10であり、好ましくは1:0.1〜5であり、より好ましくは1:0.5〜5であり、さらに好ましくは1:0.5〜2である。
本発明の緑化資材が、さらにセレンを含む場合、セレンの含有割合は、特に制限されない。ホウ素(B)とセレン(Se)の割合は、重量比(B:Se)が、例えば、1:0.001〜1であり、好ましくは1:0.005〜0.1であり、より好ましくは1:0.01〜0.05であり、さらに好ましくは1:0.03〜0.05である。
本発明の緑化資材において、ホウ素、ケイ素、アルミニウムおよび任意のセレンは、それぞれ、各原子でもよいし、これらを含む化合物でもよい。本発明の緑化資材が前記化合物を含む場合、例えば、前記化合物の状態で存在してもよいし、水等の水性液の共存によって、ホウ素、ケイ素、アルミニウムおよび任意のセレンが、イオン化した状態で存在してもよい。前記ホウ素含有化合物は、例えば、ホウ素、ホウ砂、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸鉄、ホウ酸銅、ホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、有機ホウ素化合物等があげられる。前記ケイ素含有化合物は、例えば、二酸化ケイ素、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウムマグネシウム、ケイ酸鉄、ケイ酸銅、ケイ酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ジルコニウム、有機ケイ素化合物等があげられる。前記アルミニウム含有化合物は、例えば、酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、セレン酸アルミニウム、亜セレン酸アルミニウム等があげられる。前記セレン含有化合物は、例えば、金属セレン、セレン酸、セレン酸ナトリウム、セレン酸カリウム、セレン酸カルシウム、セレン酸マグネシウム、セレン酸鉄、セレン酸銅、セレン酸バリウム、セレン酸アルミニウム、亜セレン酸、亜セレン酸ナトリウム、亜セレン酸カリウム、亜セレン酸カルシウム、亜セレン酸水素ナトリウム、亜セレン酸鉄、亜セレン酸銅、亜セレン酸バリウム、亜セレン酸アルミニウム、有機セレン化合物等があげられる。
本発明の緑化資材は、例えば、さらに、その他の成分を含んでもよい。前記その他の成分は、例えば、硝酸性窒素、アンモニア性窒素、リン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム、硫黄、鉄、マンガン、亜鉛、銅、モリブテン、塩素、ナトリウム、糖類、オーキシン、ジベレリン、サイトカイニン類、チアミン、ピリドキシン、ニコチン酸、ビオチン等があげられる。
本発明の緑化資材は、例えば、ホウ素またはホウ素含有化合物、ケイ素またはケイ素含有化合物、およびアルミニウムまたはアルミニウム含有化合物、さらに、任意でセレンまたはセレン含有化合物を、混合して調製してもよいし、これらの成分を含む原料を使用してもよい。
前者の場合、前記成分に、さらに、前述したその他の成分を混合してもよい。前記混合物は、例えば、各成分を混合したドライ系の混合物(乾燥混合物)でもよいし、各成分を分散媒中で混合したウエット系の混合物(液体混合物)でもよい。前記分散媒は、特に制限されず、例えば、水系媒が使用でき、具体例としては、水、生理食塩水、緩衝液、生理緩衝液、肥料養液等があげられる。前記緩衝液は、例えば、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、トリス緩衝液等があげられ、前記肥料養液は、例えば、園芸試験場処方、山崎処方、大塚化学処方等の肥料養液があげられる。
後者の場合、前記原料として、例えば、ホウ素、ケイ素、アルミニウムおよびセレンを含むことから、石炭灰が使用できる。石炭火力発電所では、通常、粉砕した石炭を燃焼させ、その熱で水蒸気を発生させ、前記水蒸気により発電機に連結したタービンを回転させることで、電気を発生させている。この際に生じる前記石炭の廃棄物が、前記石炭灰である。前記石炭灰は、例えば、二酸化ケイ素(SiO)を主成分とし、クリンカアッシュとフライアッシュがあげられる。一般に、前記フライアッシュは、例えば、平均粒径100μm以下の粒子からなり、前記クリンカアッシュは、それより大きな平均粒径の粒子からなる。前記石炭灰は、例えば、JISにより規格が設定されている。前記フライアッシュは、例えば、微粉炭燃焼ボイラの燃焼ガスから集塵機で採取されたものであり、主成分は二酸化ケイ素であり、粒径は、例えば、0.001〜0.1mmである。前記フライアッシュは、JIS A6201改正(1999年)により、I種、II種、III種、IV種に分類されており、これらの種別は、前記集塵機で採取された原灰を篩い分けすることで選別される。前記フライアッシュは、前記原灰、I種、II種、III種、IV種のいずれを使用することもできるが、IV種が好ましい(石炭灰ハンドブック、第4版、平成17年5月、環境技術協会・日本フライアッシュ協会発行)。前記クリンカアッシュは、例えば、微粉炭燃焼ボイラの炉底に落下採取されたものであり、粒径は、例えば、0.001〜10mmであり、3mmの篩いを全通できるものが望ましい。本発明の緑化資材において、前記原料は、例えば、前記フライアッシュが好ましい。
前記石炭灰は、例えば、ホウ素、ケイ素、アルミニウムおよびセレンの他に、さらに、リン、窒素、カリウム、マグネシウム、銅、硫黄、硫酸イオン、鉄、亜鉛、銀、カドミウム、鉛、ヒ素、クロム、フッ素、ナトリウム、カルシウム、および/またはこれらの原子またはイオンを含む化合物等を含む。本発明の緑化資材は、前記原料として前記石炭灰を含む場合、例えば、これらの成分をさらに含んでもよい。
前記石炭灰は、例えば、さらに、前述したその他の成分を混合してもよい。前記原料は、例えば、前記石炭灰をそのままドライ系の混合物(乾燥混合物)として使用してもよいし、前記石炭灰を前記分散媒に混合して、ウエット系の混合物(液体混合物)として使用してもよい。また、前記原料は、例えば、前記石炭灰を前記分散媒に分散し、前記石炭灰に含まれる成分を溶出させた溶出液であってもよい。前記分散媒は、特に制限されず、前述と同様のものが使用できる。
本発明の緑化資材は、例えば、ドライ系(乾燥物)でもよいし、ウエット系(液体物)でもよい。前者の場合、前述のような、乾燥混合物があげられ、後者の場合、前述のような、液体混合物があげられる。前記液体混合物は、例えば、植物の生育に使用する際、前記各種成分の飛散を防止でき、取扱上好ましい。
本発明の緑化資材は、前記必須成分を含んでいればよく、その形状は、特に制限されない。本発明の緑化資材の形状は、例えば、粒状体、焼成体、発泡体、シート等があげられる。これらの形状は、例えば、植物の生育に使用する際、前記各種成分の飛散を防止できることが、取扱上好ましい。前記粒状体、前記発泡体および前記焼成体は、例えば、それぞれ、前記混合物を、公知の方法で加工することによって製造できる。前記本発明の緑化資材の形状は、例えば、前記必須成分を含む栽培シートおよび栽培ポット等でもよい。前記栽培シートは、例えば、シート状基材に、前記各種成分を保持させることで形成できる。前記栽培シートは、例えば、前記各種成分を含む前記分散媒に、前記シート状基材に含浸させて製造でき、また、前記シート状基材用の原料に前記各種成分を含有させて、シートを成型することで製造することもできる。前記栽培ポットは、例えば、樹脂に前記各種成分を含有させて、ポットを成型することで製造できる。前記樹脂の種類は、特に制限されず、従来公知の樹脂が使用でき、好ましくは、植物の栽培時において、前記ポット内の前記各種成分を放出するものが好ましい。
<緑化装置および緑化方法>
本発明の緑化装置は、前述のように、建造物および露出された地肌の少なくとも一方の緑化に用いる緑化装置であって、上部が開口した容器と、前記容器内に配置された植物を生育させる培地とを含み、前記培地が、前記本発明の緑化資材を含むことを特徴とする。
本発明の緑化方法は、前述のように、前記本発明の緑化装置を用いて、建造物および露出された地肌の少なくとも一方を緑化することを特徴とする。本発明の緑化方法は、前記本発明の緑化装置を用いることが特徴であって、その他の工程および条件は、何ら制限されない。
本発明において、生育対象の植物は、特に制限されない。前記植物は、例えば、シバ、樹木、低木類、羊歯類、笹類、草本類、蔓植物、花物、コケ類およびセダム類等があげられる。前記シバとしては、例えば、ノシバ、コウライシバ、ヒメコウライシバ、ビロードシバ、バミューダグラス、ベントグラス、クリーピングベントグラス、セントピーチグラス、ペレニアルライグラス、ケンタッキーブルーグラス、トールフェスク、ファインフェスク等がある。前記樹木としては、例えば、ヤマモモ、アキニレ、ヤシャブシ、アカガシ、アラカシ、イスノキ、イヌツゲ、ウバメガシ、オガタマノキ、カクレミノ、カナメモチ、カナリーヤシ、キョウチクトウ、キンモクセイ、クスノキ、クロガネモチ、ゲッケイジュ、サカキ、サザンカ、サンゴジュ、シュロ、シラカシ、シロダモ、スダジイ、ソヨゴ、タイサンボク、タブノキ、タラヨウ、ツゲ、トウネズミモチ、ネズミモチ、バショウ、ハマヒサカキ、ヒイラギ、ヒイラギモクセイ、ヒサカキ、ビワ、フサアカシア、マサキ、マテバシイ、モクマオウ、モチノキ、モッコク、ヤブツバキ、ユーカリノキ、ユズリハ、ワシントンヤシ、アカマツ、アスナロ、イチイ、イヌマキ、カイズカイブキ、カマクラヒバ、カヤ、クロマツ、コウヤマキ、コノテガシワ、サワラ、スギ、ソテツ、ダイオウショウ、タギョウショウ、ドイツトウヒ、ナギ、ヒノキ、ヒマラヤスギ、ヒムロ、ビャクシン、アオギリ、アカシデ、アメリカヤマナラシ、イイギリ、イタヤカエデ、イタリヤヤマナラシ、イチョウ、イヌシデ、イボタノキ、イロハカエデ、ウメ、エゴノキ、エノキ、エンジュ、オオシマザクラ、カキ、カシワ、カラタチ、カロリナポプラ、キササゲ、ギョリュウ、クサギ、クヌギ、クマノミズキ、クリ、ケヤキ、コナラ、コブシ、サトザクラ、サルスベリ、サンシュユ、シンジュ、センダン、ソメイヨシノ、トウカエデ、ナンキンハゼ、ニセアカシア、ニワトコ、ハクモクレン、ハナカイドウ、プラタナス、マユミ、マルバアオダモ、マンサク、ムクノキ、モミジバフウ、モモ、ヤマザクラ、ヤマハゼ、ヤマハンノキ、ヤマボウシ、ユリノキ、メタセコイヤ、ラクショウ等がある。前記低木類としては、例えば、アオキ、アセビ、アベリア、オオムラサキ、オリーブ、カラタネオガタマ、クチナシ、コクチナシ、サツキツツジ、シキミ、シャリンバイ、ジンチョウゲ、セイヨウツゲ、セイヨウシャクナゲ、センリョウ、タチバナモドキ、チャノキ、トベラ、ナワシログミ、ナンテン、ハクチョウゲ、ヒイラギナンテン、ビョウヤナギ、ヒラドツツジ、マメツゲ、マンリョウ、ヤツデ、ヤブコウジ、ヤマツツジ、リュウキュウツツジ、キャラボク、ハイネズ、ハイビャクシン、アキグミ、アジサイ、ウグイスカズラ、ムラサキシキブ、ウツギ、ウメモドキ、エニシダ、オウバイ、ガクアジサイ、ガマズミ、キブシ、キンシバイ、シナレンギョウ、シモクレン、シモツケ、ツリバナ、ドウダンツツジ、ニシキギ、ノリウツギ、ハコネウツギ、ハナズオウ、ハナミズキ、ヒュウガミズキ、フヨウ、ベニウツギ、ボケ、ミヤギノハギ、ムクゲ、ヤマハギ、ヤマブキ、ユキヤナギ、ユスラウメ、レンギョウ、ロウバイ、ヒメクチナシ、クサツゲ、オタフクナンテン、ロニセラニティダ、フィリフェラオーレア、ブルースター、ラインゴールド、ウィルトニー、ブルーカーペット、ヒメウツギ、ヒペリカムカリシナム、アベリア類等がある。前記羊歯類、笹類としては、例えば、ベニシダ、タマシダ、オオザサ、クマザサ、コグマザサ、ナリヒラダケ、メダケ、モウソウチク、ヤダケ、オカメザサ、マダケ等がある。前記草本類としては、例えば、オオバジャノヒゲ、ツワブキ、フィリヤブラン、ヤブラン、タイム、リュウノヒゲ、リシマキア、コクリュウ、アジュガ、ユキノシタ等がある。前記蔓植物としては、例えば、オオイタビ、スイカズラ、テイカカズラ、ニシキテイカ、ハツユキカズラ、ビンカマジョール、ビンカミノール、ラミューム、ツルマサキ類、ヘデラ類等がある。前記花物としては、例えば、宿根バーベナ、サフィニア、ミンティア、ブルーデージー等がある。前記コケ類としては、例えば、スナゴケ、ハイゴケ、シノブゴケ等がある。前記セダム類としては、例えば、メキシコマンネン、ツルマンネン、キリンソウ、タイトゴメ等がある。これらの中でも、シバ、樹木が好ましい。
本発明において、緑化対象の建造物は、特に制限されない。前記建造物は、例えば、ビルディング、道路建造物、橋、堤防、塀、タワー等があげられる。
図1に、本発明の緑化装置の構成の一例を示す。図示のとおり、この緑化装置10は、上部が開口した容器11と、前記容器11内の配置された植物13を生育させる培地12とを含む。前記容器11は、略直方体状であって上部が開口しており、その内部に培地12および植物13を入れることが可能である。なお、本発明において、前記容器11の形状は限定されず、その他の形状であってもよい。
前記容器11の材質は、特に制限されず、例えば、アルミニウム、テラコッタ、鉄、ステンレス、塩化ビニル、繊維強化プラスチック(FRP)等があげられる。また、前記容器11の大きさも、特に制限されず、適用される建造物の大きさ、種類等に応じて適宜決定される。例えば、図1の構成の容器11において、その長さは、例えば、1〜10mが好ましく、より好ましくは1〜2mであり、その幅は、例えば、50〜500mmが好ましく、より好ましくは200〜300mmであり、その深さは、例えば、30〜100mmが好ましく、より好ましくは50〜60mmの範囲である。
前記培地12は、前記本発明の緑化資材を含む。前記培地12の種類は、前記本発明の緑化資材を含み得るものであれば特に制限されず、例えば、前記植物13の種類に応じて、従来のものが使用できる。前記培地12は、例えば、土を含む培地、液体培地、多孔質材料等があげられる。前記培地12は、例えば、微生物等により発酵させたものでもよいし、未発酵のものでもよい。前記土を含む培地は、例えば、培土でもよいし、微生物により発酵した培養土でもよい。前記液体培地は、例えば、未発酵の液体培地、微生物により発酵させた養液、無機物の肥料養液等があげられる。前記多孔質材料としては、例えば、沸石(ゼオライト)、軽石等の多孔質火山岩、パーライト、バーミキュライト、多孔質セラミックス、スポンジ、木炭、活性炭、人工軽量土壌、吸湿剤、保水材等があげられる。前記培地12は、例えば、前記土を含む培地に前記多孔質材料を混入させたものであってもよい。
前記培地12は、例えば、前記本発明の緑化資材の他に、さらにその他の成分を含んでもよい。前記その他の成分は、特に制限されず、例えば、硝酸性窒素、アンモニア性窒素、リン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム、硫黄、鉄、マンガン、亜鉛、銅、モリブテン、塩素、ナトリウム、糖類、オーキシン、ジベレリン、サイトカイニン類、チアミン、ピリドキシン、ニコチン酸、ビオチン等があげられる。
前記本発明の緑化資材は、例えば、そのまま前記培地12に添加してもよいし、その溶出液を添加してもよい。後者の場合、ドライ系の前記本発明の緑化資材を前記分散媒に分散し、前述の必須成分を溶出させ、この溶出液を、前記培地12に含有させてもよい。
本発明の緑化装置および緑化方法において、前記培地12における前記本発明の緑化資材の含有割合は、特に制限されない。前記培地12において、前記本発明の緑化資材由来のホウ素、ケイ素およびアルミニウムの含有量は、それぞれ、0.1×10−4〜20×10−4w/v%が好ましく、より好ましくは0.5×10−4〜10×10−4w/v%であり、さらに好ましくは1×10−4〜10×10−4w/v%である。なお、10−4w/v%は、例えば、ppmで表わすこともできる。また、前記本発明の緑化資材がセレンを含む場合、前記培地12において、前記本発明の緑化資材由来のセレンの含有量は、例えば、0.001×10−4〜1×10−4w/v%が好ましく、より好ましくは0.005×10−4〜0.5×10−4w/v%であり、さらに好ましくは0.01×10−4〜0.5×10−4w/v%である。前記ホウ素、ケイ素、アルミニウムおよびセレンの割合は、特に制限されず、例えば、本発明の緑化資材において述べた割合があげられる。
本発明の緑化装置および緑化方法において、前記本発明の緑化資材が前記石炭灰を原料として含む場合、前記培地12における前記石炭灰の含有割合は、特に制限されない。前記培地12において、前記石炭灰の含有量は、例えば、0.1〜100v/v%が好ましく、より好ましくは1〜50v/v%であり、さらに好ましくは5〜50v/v%である。
つぎに、図1に示した緑化装置10を用いた場合を例にとり、本発明の緑化方法の具体例について説明する。ただし、本発明は、下記の具体例により限定および制限されない。
図2に、図1に示した緑化装置10を用いて、ビル屋上を緑化した一例を示す。図示のとおり、本例では、ビル20の屋上を、図1に示した緑化装置10を16個配置することで緑化している。緑化装置10の個数は、緑化装置10の大きさ、ビル20の屋上の面積等に応じて適宜増減可能である。本例において、緑化は、ビルの屋上という特殊な場所ではあるものの、従来の造園技術を用いて実施できる。
本例の緑化方法によれば、培地が前記本発明の緑化資材を含む図1に示した緑化装置10を用いることで、植物の耐乾燥性、耐寒冷性および耐暑性を向上でき、ビル20の屋上という極めて苛酷な環境の緑化が可能となる。
つぎに、図3および図4に、図1に示した緑化装置10を用いて、ビル壁面を緑化した一例を示す。図示のとおり、本例では、2本の支柱30が建造物壁面(図示せず)に略鉛直に立設され、3個の図1に示した緑化装置10が上下方向に所定の間隔をあけた状態で配置されている。緑化装置10の個数は、建造物の階数等に応じて適宜増減可能である。前記支柱30は、前記建造物壁面に直接固定されていてもよいし、前記建造物壁面から所定の距離をおいた地面に固定されていてもよい。前記支柱30の固定方法は、特に制限されず、例えば、任意の固定部材を用いて前記建造物壁面に直接固定してもよいし、前記支柱30の下部を地盤に埋め込むことで固定してもよい。
前記支柱30は、パイプ状に形成されており、その内部が、図1に示した緑化装置10の内部に対する給排水の通路となるものである。本例では、図4における右側の支柱が給水側の通路となり、左側の支柱が排水側の通路となっている。図4において、破線の矢印は、水の流れを示す。図1に示した緑化装置10は、パイプ状の支持部材42で支柱30に固定されており、前記支持部材42の内部が給排水の流路となる。また、前記支柱30には、給排水のためのポンプ40も、パイプ状の支持部材41および43で固定されている。前記支柱30および前記支持部材41〜43は、中空のパイプ状であればいかなる形状としてもよく、例えば、円柱状、楕円形状、四角柱状等である。本例では、図1に示した緑化装置10および支柱30の側面に、前記支持部材41〜43の取り付け位置に対応して給排水用の孔が設けられている。このような構成とすることで、前記ポンプ40から支柱30を介して図1に示した緑化装置10に対する給排水を行える。また、図1に示した緑化装置10に供給される水を、肥料が混入された液肥としてもよい。なお、他の給水手段として、例えば、H形鋼、CT形鋼、L形鋼、みぞ形鋼、I形鋼、丸形の鋼管、角形の鋼管等の支柱に金具によって潅水チューブを固定し、前記潅水チューブを植栽部分まで這わせて給水する手段等もある。この場合には、水道圧またはポンプによる加圧等で給水を行う。
本例の緑化方法によれば、培地が前記本発明の緑化資材を含む図1に示した緑化装置10を用いることで、植物の耐乾燥性、耐寒冷性および耐暑性を向上でき、建造物壁面という極めて苛酷な環境の緑化が可能となる。
つぎに、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は、下記の実施例により限定および制限されない。
[実施例1]
本例では、緑化資材による耐乾燥性の向上を、シバの含水率により評価した。
前記緑化資材として、石炭灰(フライアッシュ:JIS IV種灰)を使用した。前記石炭灰は、四国電力株式会社 橘湾発電所(石炭火力発電所)から入手した。前記石炭灰について、溶出成分組成を下記表1に示す。前記溶出成分組成は、前記石炭灰に5倍体積量の純水を添加し、前記混合液を室温で24時間振とうして溶出処理を行い、その液体画分について分析した結果である。下記表1は、前記石炭灰1kgあたりの重量(mg)を示す。
Figure 2013150573
前記石炭灰を、マサ土(5mm目の篩いを全通させた花崗土)と混合した。前記石炭灰の混合割合は、体積割合10v/v%、20v/v%、30v/v%、40v/v%および50v/v%とした。そして、黒色ポリポット(直径9cm)に、これらの培土を入れ、実施例区10%、実施例区20%、実施例区30%、実施例区40%および実施例区50%とした。また、前記石炭灰を添加していない培土を前記黒色ポリポットに入れ、対照区とした。
平成23年1月26日、前記各培土に、3種類のシバ(バミューダグラス、ケンタッキーブルーグラスおよびペレニアルライグラス、ペレニアルライグラスについては、実施例区30%、実施例区40%、実施例区50%および対照区のみ)を、それぞれ、播種した。そして、25℃に設定した育苗室内で、肥料および潅水を行いながら栽培した後、同年6月8日、潅水を中止した。
潅水中止8日後に採取したバミューダグラスを70℃で24時間風乾して、乾燥前後の重量を測定し、含水率を算出した。この結果を図5に示す。図5において、縦軸は、含水率を示す。また、図5において、0%のバーは、前記石炭灰混合率0%の前記対照区、10%のバーは、前記石炭灰混合率10%の前記実施例区10%、20%のバーは、前記石炭灰混合率20%の前記実施例区20%、30%のバーは、前記石炭灰混合率30%の前記実施例区30%、40%のバーは、前記石炭灰混合率40%の前記実施例区40%、50%のバーは、前記石炭灰混合率50%の前記実施例区50%の結果を、それぞれ示す。
図5に示すとおり、前記各実施例区のバミューダグラスは、前記対照区のバミューダグラスと比較して、含水率が有意に上昇していることがわかった。この結果から、前記石炭灰は、乾燥がバミューダグラスの生育に与える影響を抑制できる、すなわち、バミューダグラスの耐乾燥性を向上でき、建造物の屋上、壁面および露出された地肌等の極めて過酷な環境の緑化に用い得ることがわかった。
潅水中止6日後に採取したケンタッキーブルーグラスを70℃で24時間風乾して、乾燥前後の重量を測定し、含水率を算出した。この結果を図6に示す。図6において、縦軸は、含水率を示し、0%は、前記対照区、10%は、前記実施例区10%、20%は、前記実施例区20%、30%は、前記実施例区30%、40%は、前記実施例区40%、50%は、前記実施例区50%の結果である。
図6に示すとおり、前記各実施例区のケンタッキーブルーグラスは、前記対照区のケンタッキーブルーグラスと比較して、含水率が有意に上昇していることがわかった。この結果から、前記石炭灰は、乾燥がケンタッキーブルーグラスの生育に与える影響を抑制できる、すなわち、ケンタッキーブルーグラスの耐乾燥性を向上でき、建造物の屋上、壁面および露出された地肌等の極めて過酷な環境の緑化に用い得ることがわかった。
潅水中止6日後に採取したペレニアルライグラスを70℃で24時間風乾して、乾燥前後の重量を測定し、含水率を算出した。この結果を図7に示す。図7において、縦軸は、含水率を示し、0%は、前記対照区、30%は、前記実施例区30%、40%は、前記実施例区40%、50%は、前記実施例区50%の結果である。
図7に示すとおり、前記各実施例区のペレニアルライグラスは、前記対照区のペレニアルライグラスと比較して、含水率が有意に上昇していることがわかった。この結果から、前記石炭灰は、乾燥がペレニアルライグラスの生育に与える影響を抑制できる、すなわち、ペレニアルライグラスの耐乾燥性を向上でき、建造物の屋上、壁面および露出された地肌等の極めて過酷な環境の緑化に用い得ることがわかった。
[実施例2]
本例では、緑化資材による耐寒冷性の向上を、バミューダグラスの伸長量により評価した。
前記石炭灰の添加割合を、体積割合30v/v%および50v/v%とした以外は、前記実施例1と同様にして、培土を準備した。そして、黒色ポリポット(直径9cm)に、これらの培土を入れ、実施例区30%および実施例区50%とした。また、前記石炭灰を添加していない培土を前記黒色ポリポットに入れ、対照区とした。
平成23年6月1日、前記各培土に、それぞれ、バミューダグラスを播種した。そして、25℃に設定した環境制御温室内で生育し、同年6月30日に草丈を切り揃えた後、5℃条件下で同年8月3日まで栽培し、伸長量を確認した。
この結果を図8に示す。図8は、前記各実施例区および対照区における前記バミューダグラスの伸長量を示すグラフである。図8において、縦軸は、前記バミューダグラスの伸長量(cm)を示し、0%は、前記対照区、30%は、前記実施例区30%、50%は、前記実施例区50%の結果である。
図8に示すとおり、前記各実施例区のバミューダグラスは、前記対照区のバミューダグラスと比較して、伸長量が有意に上昇していることがわかった。この結果が示すように、前記石炭灰を使用することによって、低温下でも伸長量が上昇したことから、寒冷がバミューダグラスの生育に与える影響を抑制できる、すなわち、バミューダグラスの耐寒冷性を向上でき、建造物の屋上、壁面および露出された地肌等の極めて過酷な環境の緑化に用い得ることがわかった。
[実施例3]
本例では、緑化資材による耐暑性の向上を、バミューダグラスの障害発生位置(下葉の枯死範囲)により評価した。
前記実施例2と同様にして平成23年6月30日に草丈を切り揃えたバミューダグラスを、35℃条件下で同年8月3日まで栽培し、障害発生位置(下葉の枯死範囲)を確認した。
この結果を図9に示す。図9は、前記各実施例区および対照区における前記バミューダグラスの障害発生位置(下葉の枯死範囲)を示すグラフである。図9において、縦軸は、障害発生位置(cm)を示し、0%は、前記対照区、30%は、前記実施例区30%、50%は、前記実施例区50%の結果である。
図9に示すとおり、前記各実施例区のバミューダグラスは、前記対照区のバミューダグラスと比較して、障害発生位置が有意に低くなっている、すなわち、下葉の枯死範囲が有意に狭くなっていることがわかった。この結果から、前記石炭灰は、高温がバミューダグラスの生育に与える影響を抑制できる、すなわち、バミューダグラスの耐暑性を向上でき、建造物の屋上、壁面および露出された地肌等の極めて過酷な環境の緑化に用い得ることがわかった。
[実施例4]
本例では、緑化資材による耐乾燥性の向上を、樹木の含水率により評価した。
前記石炭灰の添加割合を、体積割合5v/v%、10v/v%および30v/v%とした以外は、前記実施例1と同様にして、培土を準備した。そして、5000分の1アールワグネルポットに、これらの培土を入れ、実施例区5%、実施例区10%および実施例区30%とした。また、前記石炭灰を添加していない培土を前記5000分の1アールワグネルポットに入れ、対照区とした。
そして、野外環境下で、3種類の樹木(ヤマモモ、アキニレおよびヤシャブシ、ヤシャブシについては、実施例区5%、実施例区30%および対照区のみ)を生育させた。
栽培開始40日後に採取したヤマモモを70℃で24時間風乾して、乾燥前後の重量を測定し、含水率を算出した。この結果を図10に示す。図10において、縦軸は、含水率を示し、0%は、前記対照区、5%は、前記実施例区5%、10%は、前記実施例区10%、30%は、前記実施例区30%の結果である。
図10に示すとおり、前記各実施例区のヤマモモは、前記対照区のヤマモモと比較して、含水率が有意に上昇していることがわかった。この結果から、前記石炭灰は、乾燥がヤマモモの生育に与える影響を抑制できる、すなわち、ヤマモモの耐乾燥性を向上でき、建造物の屋上、壁面および露出された地肌等の極めて過酷な環境の緑化に用い得ることがわかった。
栽培開始40日後に採取したアキニレを70℃で24時間風乾して、乾燥前後の重量を測定し、含水率を算出した。この結果を図11に示す。図11において、縦軸は、含水率を示し、0%は、前記対照区、5%は、前記実施例区5%、10%は、前記実施例区10%、30%は、前記実施例区30%の結果である。
図11に示すとおり、前記各実施例区のアキニレは、前記対照区のアキニレと比較して、含水率が有意に上昇していることがわかった。この結果から、前記石炭灰は、乾燥がアキニレの生育に与える影響を抑制できる、すなわち、アキニレの耐乾燥性を向上でき、建造物の屋上、壁面および露出された地肌等の極めて過酷な環境の緑化に用い得ることがわかった。
栽培開始60日後に採取したヤシャブシを70℃で24時間風乾して、乾燥前後の重量を測定し、含水率を算出した。この結果を図12に示す。図12において、縦軸は、含水率を示し、0%は、前記対照区、5%は、前記実施例区5%、30%は、前記実施例区30%の結果である。
図12に示すとおり、前記各実施例区のヤシャブシは、前記対照区のヤシャブシと比較して、含水率が有意に上昇していることがわかった。この結果から、前記石炭灰は、乾燥がヤシャブシの生育に与える影響を抑制できる、すなわち、ヤシャブシの耐乾燥性を向上でき、建造物の屋上、壁面および露出された地肌等の極めて過酷な環境の緑化に用い得ることがわかった。
以上のように、本発明の緑化資材によれば、植物の耐乾燥性、耐寒冷性および耐暑性を向上できる。このため、本発明の緑化資材を植物の生育に利用することで、建造物の屋上、壁面および露出された地肌等の極めて苛酷な環境条件下でも植物を生育でき、緑化が可能となる。本発明の緑化資材の用途は、特に限定されず、各種の緑化に広く適用可能である。
10 緑化装置
11 容器
12 培地
13 植物
20 ビル
30 支柱
40 ポンプ
41、42、43 支持部材

Claims (12)

  1. 建造物および露出された地肌の少なくとも一方の緑化に用いる植物の生育のための緑化資材であって、ホウ素、ケイ素およびアルミニウムを含むことを特徴とする緑化資材。
  2. さらに、セレンを含む、請求項1記載の緑化資材。
  3. ホウ素とケイ素との重量比が、1:0.1〜10であり、
    ホウ素とアルミニウムとの重量比が、1:0.1〜10である、請求項1または2記載の緑化資材。
  4. ホウ素とセレンとの重量比が、1:0.001〜1である、請求項2または3記載の緑化資材。
  5. ホウ素、ケイ素およびアルミニウムを含む原料として、フライアッシュを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の緑化資材。
  6. 前記植物が、シバおよび樹木の少なくとも一方である、請求項1から5のいずれか一項に記載の緑化資材。
  7. 前記シバが、バミューダグラス、ケンタッキーブルーグラスおよびペレニアルライグラスからなる群から選択された少なくとも一つである、請求項6記載の緑化資材。
  8. 前記樹木が、ヤマモモ、アキニレおよびヤシャブシからなる群から選択された少なくとも一つである、請求項6または7記載の緑化資材。
  9. 建造物および露出された地肌の少なくとも一方の緑化に用いる緑化装置であって、
    上部が開口した容器と、
    前記容器内に配置された植物を生育させる培地とを含み、
    前記培地が、請求項1から8のいずれか一項に記載の緑化資材を含むことを特徴とする緑化装置。
  10. 前記培地において、前記緑化資材由来のホウ素、ケイ素およびアルミニウムの含有量が、それぞれ、0.1×10−4〜20×10−4w/v%である、請求項9記載の緑化装置。
  11. 前記緑化資材が、さらに、セレンを含み、
    前記培地において、前記緑化資材由来のセレンの含有量が、0.001×10−4〜1×10−4w/v%である、請求項9または10記載の緑化装置。
  12. 請求項9から11のいずれか一項に記載の緑化装置を用いて、建造物および露出された地肌の少なくとも一方を緑化することを特徴とする緑化方法。
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