JP2015100353A - 植物育成培養土 - Google Patents

Abstract

【課題】リサイクル利用の進んでいないクリンカアッシュの再利用化と、排水性、通気性、保水性、保肥性に優れ、諸空を良好に育成させることのできる植物育成培養土を提供する。
【解決手段】本発明の植物育成培養土はクリンカアッシュ、ココヤシピート、養分を含んでいる。このため、排水性、通気性、保水性、保肥性に優れ、土壌の汚染に係わる重金属含溶出試験の基準値を満足していることから、植物を良好に育成させることができると共に、クリンカアッシュの再利用化することができる。

Description

本発明は、花、野菜、植木、芝生などの植物の育成に使用される植物育成培養土に関する。

石炭を燃料とした火力発電所から排出される塊状石炭灰のクリンカアッシュは、そのほとんどが埋立地に埋設されているだけで、リサイクル利用が進んでいないのが実状である。

本発明が解決しようとする課題は、リサイクル利用が進んでいないクリンカアッシュの再利用化、すなわち植物を育成することのできる培養土を提供することを目的とするものである。

上記課題を解決するものは、クリンカアッシュ、ココヤシピート、適宜量の養分を含むことを特徴とする植物育成培養土である。

前記植物育成培養土は前記クリンカアッシュの配合比率が１０〜５０体積％、前記ココヤシピートの配合比率が５０％〜９０体積％の範囲内で配合調整され、適宜量の養分が添加されている。

クリンカアッシュは石炭を燃料とした火力発電所のボイラ底部に落下した堆積物であって、多孔質で砂に近い粒度分布になっていることから、排水性、通気性、保水性保肥性の土壌物理性に優れている。クリンカアッシュの主成分は二酸化ケイ素や酸化アルミニウムで、弱アルカリ性である。本発明に係わる他の素材であるココヤシピートはココヤシ繊維を得る際に残る粉末状体であって、排水性、通気性、保水性、保肥性などにおいて優れており、弱酸性である。

その他の原料としては、必要に応じて適宜量の養分（窒素、リン酸、カリウム等）を添加する。

クリンカアッシュの分析を行ったところ、有害物質については、土壌の汚染に係わる重金属含溶出試験の基準値と比較して、いずれも値を満足するものであり、植物育成培養土の原料として安全である。

本発明の植物育成培養土の一実施例を下記の表１の配合比率（体積％）にて作成した。

本発明の植物育成培養土の製造方法としては、必要量のクリンカアッシュとココヤシピート、そして養分を撹拌混合する。

本発明の植物育成培養土と他の培養土を比較するために、小松菜を用いて栽培試験を行った。

その結果、本発明の植物育成培養土にて育成した小松菜は、他の培養土にて育成した小松菜に対して、葉、根などの育成状態が良好であった。例えば、本発明の植物育成培養土にて育成した小松菜地上部重量は、他の培養土で育成した小松菜に対して、地上部の重量が１．３〜３．３倍増加した。例えば本発明の植物育成培養土にて育成した小松菜地下部重量は、他の培養土で育成した小松菜に対して、地下部の重量が１．２〜２．１倍増加した。

以上の説明から、本発明の植物育成培養土は植物の育成に使用される植物育成培養土としての能力を満足しているものである。本発明の植物育成培養土はクリンカアッシュとココヤシピートを主な原料として採用したものであって、このクリンカアッシュの有する多くの微小孔の通気性、排水性、保水性、保肥性などの性質により、植物の発根を促進して植物の育成を促すものであり、クリンカアッシュのリサイクル利用を達成できたものである。

Claims (4)

1. クリンカアッシュとココヤシピートおよび化成肥料または有機肥料を含むことを特徴とする培養土。
2. 前記クリンカアッシュの配合比率は１０〜５０体積％、前記ココヤシピートの配合比率は５０％〜９０体積％の範囲内で配合調整されている請求項１の植物育成培養土。
3. 前記植物育成培養土は適宜量の養分が添加されている請求項１または２の植物育成培養土。
4. 前記植物育成培養土は植物の育成方法に使用することを特徴とする請求項１または２または３の植物育成用培養土。