JP2013149859A - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】トレンチゲート型トランジスタを有する半導体装置において、第1の不純物を拡散させることにより、ゲート電極用溝底面に接する半導体基板内に第1の不純物拡散領域を形成する際に、前記第1の不純物がゲート電極用溝側方の半導体基板内に注入され、前記ゲート電極用溝に埋設するゲート電極の形状により前記トランジスタの特性変動が増大することを防ぐ。
【解決手段】第1の方向に延在して半導体基板に設けられ、底面と対向する第1,第2の側面とを有するゲート電極用溝と、前記ゲート電極用溝底部に形成された第1の不純物を含む第1の半導体膜と、前記第1の不純物の前記半導体基板内への拡散により前記第1の半導体膜の底部に接して形成された第1の不純物拡散領域と、前記第1,第2の側面および前記第1の半導体膜の上面を覆うように形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜に囲まれた空間の下部に形成されたゲート電極を有する半導体装置。
【選択図】図2

Description

本発明は半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
近年、DRAM等の半導体装置の微細化が進められている。例えば、半導体装置に用いるトランジスタのゲート長が縮小されている。しかしながら、トランジスタのゲート長を縮小すると、トランジスタの短チャネル効果が顕著となり、トランジスタの閾値電圧が低下するという問題が発生する。
この問題に対し、トランジスタの閾値電圧の低下を抑制するために、半導体基板の不純物濃度を増加させると、接合リーク電流が増大してしまう。半導体装置としてDRAMを用いて、DRAMのメモリセルを微細化した場合、この接合リーク電流の増大により、リフレッシュ特性の劣化が深刻な問題となる。
上記のような問題を回避するための構造として、特許文献1,2には、半導体基板の表面側に形成した溝にゲート電極を埋め込んだトレンチゲート型トランジスタが開示されている。特許文献1,2に示されているDRAMでは、トランジスタのチャネルが溝の対向する側面および底面の3面に沿って形成される。
メモリセルに用いるトランジスタを、上記のトレンチゲート型トランジスタとすることにより、最小加工寸法が60nm以下の微細なメモリセルを有し、ゲート長が十分に確保されたDRAMを実現できる。ところが、DRAMのメモリセルをさらに微細化していくと、メモリセルに形成されるトレンチゲート型トランジスタのディスターブ不良が顕在化する。
図60および図61を用いて、DRAMにおけるトランジスタのディスターブ不良の現象について説明する。
DRAM200の半導体基板301には、規則的に配列された複数の活性領域302が設けられている。図60に示すように、各活性領域302は素子分離領域303により区分されている。また、活性領域302と交差するように、Y方向に延在する複数のワード線WL1,WL2が配置されている。2つのワード線WL1,WL2は、各々対応する2つのトランジスタTr1,Tr2のゲート電極を構成する。
図61に示すように、ワード線WL1,WL2は、半導体基板301の表面側に設けられたゲート電極用溝内に、ゲート絶縁膜305を介して埋め込み形成されている。ワード線WL1,WL2上には、カバー絶縁膜306が形成されている。カバー絶縁膜306側方には、トランジスタTr1,Tr2の共通のソース領域として機能する不純物拡散領域308と、それぞれのドレイン領域として機能する不純物拡散領域307,312が配置されている。不純物拡散領域308は、ビット線コンタクトプラグ311を介してビット線BLに電気的に接続されている。また、不純物拡散領域307,312のそれぞれに接続されるようにキャパシタコンタクトプラグ310が形成され、キャパシタコンタクトプラグ310の上面に、キャパシタの下部電極313,314が形成されている。
ゲート電極用溝の底面および対向する2つの側面間の半導体基板301には、トランジスタTr1,Tr2の動作時にチャネルが形成される。
このような構成を有するDRAM200において、下部電極313にデータ「0」の情報を蓄積させ(以降、この状態をL状態と表記する)、下部電極314にデータ「1」の情報を蓄積させた(以降、この状態をH状態と表記する)状態を形成する。この状態でL側の下部電極313に対応するワード線WL1のオン・オフを繰り返す。
その結果、図61に示すようにトランジスタTr1のチャネルに誘起された電子(図61に示すe)が、隣接する不純物拡散領域312に到達し、下部電極314に蓄積されているH情報を破壊してL状態に変化させてしまう。すなわち、データ「1」がデータ「0」に変化するモードの不良が発生する。この現象がディスターブ不良である。隣接するメモリセルは、本来個々に独立して情報を保持しなければならないため、このようなディスターブ不良が発生すると、DRAM200の正常動作が阻害されてしまう。
前述のように、DRAM等の半導体装置のメモリセルが縮小され、ワード線の間隔が50nmより小さくなると、上記説明したディスターブ不良の問題が、より顕在化する。
このディスターブ不良の発生を回避するために、最近では、2つのゲート電極用溝の底部に設けられた第1の不純物拡散領域と接合し、かつ、2つのゲート電極用溝間の半導体基板全体に第3の不純物拡散領域を形成するトレンチゲート型トランジスタが提案されている。このトランジスタの第1および第3の不純物拡散領域は、トランジスタのソース領域として機能する。また、2つのゲート電極用溝間で対向していない側面上部には、トランジスタのドレイン領域として機能する第2の不純物拡散領域が設けられる。
この構成によれば、2つの隣接するトランジスタの一方のワード線のオン・オフ動作を繰り返した際に、一方のトランジスタのチャネルに誘起された電子が、第1および第3の不純物拡散領域にトラップされる。これにより、一方のトランジスタのチャネルに誘起された電子が、他方のトランジスタの第2の不純物拡散領域に到達することを防止できる。したがって、一方のトランジスタのチャネルに誘起された電子が、他方のトランジスタと電気的に接続された下部電極に蓄積されているH情報を破壊して、L状態に変化させることがなく、ディスターブ不良の発生が抑制される。
特開2006−339476号公報 特開2007−081095号公報
上記のようなトレンチゲート型トランジスタを有する半導体装置の製造においては、半導体基板の表面側に設けられたゲート電極用溝の内壁にゲート絶縁膜を形成し、ゲート電極用溝の上方から、ゲート絶縁膜を介して半導体基板内に不純物をイオン注入し、ゲート電極用溝の下方にトランジスタのソース領域の一部となる第1の不純物拡散領域を形成する。
しかしながら、半導体装置におけるディスターブ不良の発生を防止するために、より深くゲート電極用溝を形成した場合、第1の不純物拡散領域形成時のイオン注入において、ゲート電極用溝の側面の半導体基板にもゲート絶縁膜を介して不純物ドーパントが注入される。これにより、第1の不純物拡散領域形成後に、ゲート電極用溝底部にゲート電極を埋め込み形成すると、チャネルが形成されるゲート電極側面の半導体基板内に、予め不純物ドーパントが注入された状態になってしまう。その結果、埋め込み形成されるゲート電極の形状により、DRAMのトランジスタの特性変動が大きくなる問題があった。
本発明の半導体装置は、第1の方向に延在するように半導体基板の表面側に設けられ、底面および対向する第1および第2の側面を有するゲート電極用溝と、前記ゲート電極用溝の底部に形成された第1の不純物を含む第1の半導体膜と、前記第1の不純物が前記第1の半導体膜から前記第1の半導体膜に接する前記半導体基板内に拡散することにより、前記第1の半導体膜に接するように形成された第1の不純物拡散領域と、前記ゲート電極用溝の前記第1および第2の側面および前記第1の半導体膜の上面を覆うように形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜に囲まれた空間の下部に埋め込み形成されたゲート電極と、を有することを特徴とする。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、第1の方向に延在するように半導体基板の表面側に底面および対向する第1および第2の側面を有するゲート電極用溝を形成する工程と、前記ゲート電極用溝の底部に第1の不純物を含む第1の半導体膜を形成する工程と、前記第1の不純物を前記第1の半導体膜から前記第1の半導体膜に接する前記半導体基板内に拡散させることにより、前記第1の半導体膜に接するように第1の不純物拡散領域を形成する工程と、前記ゲート電極用溝の前記第1および第2の側面および前記第1の半導体膜の上面を覆うようにゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜に囲まれた空間の下部にゲート電極を埋め込み形成する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、ゲート電極用溝の底部に、不純物がドープされたシリコン等からなる第1の半導体膜が予め埋設される。また、第1の半導体膜下方の半導体基板内に第1の半導体膜から第1の不純物が拡散され、半導体装置のトランジスタのソース領域となる第1の不純物拡散領域が形成される。その後、第1の不純物拡散領域の上方にゲート絶縁膜が設けられ、ゲート絶縁膜で囲まれた空間内の下部にゲート電極が埋設される。この構成により、第1の不純物がゲート電極用溝の側面にゲート絶縁膜を介して注入されることがなく、トランジスタのチャネルが形成される半導体基板の部分への第1の不純物のイオン注入を回避できる。
結果として、埋め込み形成されるゲート電極の形状等によらず、安定した特性を有するトランジスタを備えた半導体装置を実現することができる。
本発明の第1実施形態における半導体装置の構成を示す平面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の要部の構成を示す断面図であって、図1に示すA−A´線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す平面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す断面図であって、図3に示すA−A´線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す別の断面図であって、図3に示すB−B´線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す平面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す断面図であって、図6に示すA−A´線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す別の断面図であって、図6に示すB−B´線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す平面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す断面図であって、図9に示すA−A´線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す別の断面図であって、図9に示すB−B´線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す平面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す断面図であって、図12に示すA−A´線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す別の断面図であって、図12に示すB−B´線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す平面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す断面図であって、図15に示すA−A´線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す別の断面図であって、図15に示すB−B´線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す平面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す断面図であって、図18に示すA−A´線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す別の断面図であって、図18に示すB−B´線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す平面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す断面図であって、図21に示すA−A´線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す別の断面図であって、図21に示すB−B´線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す平面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す断面図であって、図24に示すA−A´線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す別の断面図であって、図24に示すB−B´線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す平面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す断面図であって、図27に示すA−A´線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す別の断面図であって、図27に示すB−B´線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す平面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す断面図であって、図30に示すA−A´線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す別の断面図であって、図30に示すB−B´線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示すさらに別の断面図である。 本発明の第1実施形態における半導体装置の一製造工程を示す他の断面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の要部の構成を示す断面図であって、図1に示すA−A´線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の一製造工程を示す平面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の一製造工程を示す断面図であって、図36に示すA−A´線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の一製造工程を示す別の断面図であって、図36に示すB−B´線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の一製造工程を示す平面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の一製造工程を示す断面図であって、図39に示すA−A´線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の一製造工程を示す別の断面図であって、図39に示すB−B´線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の一製造工程を示す平面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の一製造工程を示す断面図であって、図42に示すA−A´線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の一製造工程を示す別の断面図であって、図42に示すB−B´線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の一製造工程を示す平面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の一製造工程を示す断面図であって、図45に示すA−A´線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の一製造工程を示す別の断面図であって、図45に示すB−B´線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の一製造工程を示す平面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の一製造工程を示す断面図であって、図48に示すA−A´線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の一製造工程を示す別の断面図であって、図48に示すB−B´線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の一製造工程を示す平面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の一製造工程を示す断面図であって、図51に示すA−A´線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の一製造工程を示す別の断面図であって、図51に示すB−B´線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の一製造工程を示す平面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の一製造工程を示す断面図であって、図54に示すA−A´線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の一製造工程を示す別の断面図であって、図54に示すB−B´線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の一製造工程を示す平面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の一製造工程を示す断面図であって、図57に示すA−A´線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態における半導体装置の一製造工程を示す別の断面図であって、図57に示すB−B´線に沿った断面図である。 従来の半導体装置の構成を示す平面図である。 従来の半導体装置の要部の構成を示す断面図であって、図60に示すZ−Z´線に沿った断面図である。
以下、本発明を適用した半導体装置の製造方法について、図1〜図59を参照し、詳細に説明する。また、図1〜図59においては、同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。なお、以下の説明で用いる図面は模式的なものであり、長さ、幅、および厚みの比率等は実際のものと同一とは限らない。
(第1実施形態)
先ず、本発明の第1実施形態である半導体装置およびその製造方法について、図1〜図34を参照しながら説明する。
本発明を適用した、第1実施形態の半導体装置の一例として、DRAM(半導体装置)10を挙げて説明する。DRAM10は、図1および図2に示すメモリセルアレイ11が形成されるセル領域と、セル領域の周囲に配置された図示しない周辺回路領域と、を有する。
図1にDRAM10のメモリセルアレイ11の構成を示す。図1において、Y方向(第1の方向)はゲート電極22および第2の素子分離領域17の延在方向を示しており、X方向(第2の方向)はビット線34の延在方向を示している。第1の素子分離領域14は、X方向に対して一定の角度傾斜したX´方向(第3の方向)に延在する。素子形成領域Rは第1の素子分離領域14と第2の素子分離領域17により区画されている。
また、説明の便宜上、図1ではメモリセルアレイ11の構成要素のうち、半導体基板13、第1および第2の素子分離領域14,17、活性領域16、ゲート電極用溝18、ゲート電極22、ビット線34、キャパシタコンタクトプラグ42、キャパシタコンタクトパッド44、および複数の素子形成領域Rのみを図示し、これら以外のメモリセルアレイ11の構成要素の図示を省略する。
各素子形成領域Rには、トレンチゲート型トランジスタである第1および第2のトランジスタ19−1,19−2が配置されている。図2に示すように、第1および第2のトランジスタ19−1,19−2は、ゲート電極用溝18と、不純物ドープ単結晶シリコン膜(第1の半導体膜)31と、サイドウォール膜20と、第1の不純物拡散領域27と、第2の不純物拡散領域28と、第3の不純物拡散領域29と、ゲート絶縁膜21と、ゲート電極22と、キャップ絶縁膜(埋め込み絶縁膜)24と、ビット線コンタクトプラグ(コンタクトプラグ)33と、ビット線34と、キャパシタコンタクトプラグ42と、キャパシタコンタクトパッド44と、キャパシタ48と、を有する。また、第1および第2のトランジスタ19−1,19−2は、隣接して形成されている。本実施例ではp型単結晶シリコン基板13中に含有されるボロンなどのp型不純物の濃度は1×1015〜1×1016atoms/cmの範囲であり、不純物ドープ単結晶シリコン膜31と第1の不純物拡散領域27および第3の不純物拡散領域29に含有されるn型不純物の濃度は1×1020〜1×1021atoms/cmの範囲で設定される。また、第2の不純物拡散領域28に含有されるn型不純物の濃度は1×1019〜1×1020(atoms/cm)の範囲で設定される。
各トランジスタのゲート電極用溝18の底面18c上には、不純物ドープ単結晶シリコン膜31が埋設されている。不純物ドープ単結晶シリコン膜31には、半導体基板13と異なる導電型の不純物がドープされたシリコン膜等が用いられる。DRAM10の半導体基板13にp型シリコン基板が用いられる場合、不純物ドープ単結晶シリコン膜31にドープされる不純物としてはヒ素あるいはリン等のn型不純物(第1の不純物)が用いられる。
不純物ドープ単結晶シリコン膜31の両側面には、サイドウォール膜20が設けられている。
第1の不純物拡散領域27は、不純物ドープ単結晶シリコン膜31の底面に当接するように不純物ドープ単結晶シリコン膜31の下方に形成されている。また、第1の不純物拡散領域27は、不純物ドープ単結晶シリコン膜31に含まれるn型不純物が、不純物ドープ単結晶シリコン膜31から不純物ドープ単結晶シリコン膜31に当接する半導体基板13内に拡散することにより形成される領域である。
第3の不純物拡散領域29は、2つのゲート電極用溝18間の半導体基板13全体に形成されている。そのため、第3の不純物拡散領域29は、2つのゲート電極用溝18の対向する第2の側面18bに設けられたゲート絶縁膜21の全面を覆っている。半導体基板13がp型シリコン基板である場合、第3の不純物拡散領域29は、半導体基板13にn型不純物(第3の不純物)をイオン注入することで形成される。
第1の不純物拡散領域27の底部27Aは、第3の不純物拡散領域29の底部29Aと接合されている。これにより、隣接する二つの第1の不純物拡散領域27は中央に位置する第3の不純物拡散領域29を介して接続された構成となっている。また、図2においては、第1の不純物拡散領域27の底部27Aは、第3の不純物拡散領域29の底部29Aよりも半導体基板13の裏面13b側に深さ56で突出しているが、第3の不純物拡散領域29の底部29Aが第1の不純物拡散領域27の底部27Aよりも半導体基板13の裏面13b側に突出することもある。
上述のように、二つの第1の不純物拡散領域27と第3の不純物拡散領域29とは一体化された一つの不純物拡散領域を構成し、第1および第2のトランジスタ19−1,19−2に共有されるソース領域として機能する。なお、MOS型トランジスタの場合、ソースおよびドレインは電圧の印加方向によって変化し得るが、ここでは説明の便宜上ソース領域とする。後述のドレイン領域についても同様である。
ゲート絶縁膜21は、ゲート電極用溝18の第1および第2の側面18a,18bと不純物ドープ単結晶シリコン膜31の上面31aを覆うように形成されている。また、ゲート絶縁膜21は、第1の不純物拡散領域27が形成された後に設けられている。したがって、後述の製造方法で説明するように、不純物ドープ単結晶シリコン膜31の上面31aに位置するゲート絶縁膜21の膜厚は、第1および第2の側面18a,18b上に位置するゲート絶縁膜21の膜厚より1.2〜1.5倍の範囲で厚くなっている。
ゲート電極22は、ゲート絶縁膜21で囲まれたゲート電極用溝18内の空間の下部に埋め込み形成されている。したがって、ゲート絶縁膜21を介して、ゲート電極22の下方に、第1の不純物拡散領域27が配置されており、ゲート電極22の側方に第1の不純物拡散領域27が延在することはない。
ゲート電極22は、例えば、窒化チタン単層膜、あるいは窒化チタン膜とタングステン膜を順次積層した積層構造にすることができる。
第2の不純物拡散領域28は、ゲート電極用溝18の第1の側面18aに形成されたゲート絶縁膜21の上部21Aを覆うように、第1の側面18a側に位置する半導体基板13へのn型不純物(第2の不純物)のイオン注入によって形成されている。第2の不純物拡散領域28は、第1および第2のトランジスタ19−1,19−2のドレイン領域として機能する。
第1の不純物拡散領域27と第2の不純物拡散領域28との間には、第1の側面18aに設けられたゲート絶縁膜21が位置している。第1および第2のトランジスタ19−1,19−2のオン動作時には、第1の不純物拡散領域27と第2の不純物拡散領域28との間の第1の側面18aに設けられたゲート絶縁膜21に接する半導体基板13に、チャネルが形成される。したがって、本実施例におけるトランジスタ19−1,19−2は半導体基板13の表面13aに垂直な方向となるZ方向にチャネルが延在する縦型トランジスタを構成している。チャネルが形成される半導体基板領域は、図1の平面図に示すように、Y方向を第1の素子分離領域14で挟まれている。また、X´方向の一方に第2の素子分離領域17が配置され、対向する他の一方にゲート絶縁膜21が位置する構成となっている。これにより、チャネルが形成される半導体基板領域は四方を絶縁膜で囲まれ独立した半導体ピラーで構成される。図2において、チャネルとなる領域をX´方向に横切る線上に注目して、紙面を左に90度回転させた配置で断面を見ると、ゲート電極22の下方にゲート絶縁膜21を介してチャネルとなる半導体基板が位置し、チャネルとなる半導体基板の下に第2の素子分離領域17が接して配置されたSOI(Silicon on Insulater)トランジスタ構成となっている。チャネルとなる半導体基板領域は、四方を絶縁膜で囲むことによって物理的に限定されており、完全空乏化型のトランジスタを構成する。これにより、動作制御性に優れたトランジスタを実現できる。
本実施形態のDRAM10では、前述のようにゲート絶縁膜21およびゲート電極22の形成前に、両側面にサイドウォール膜20が設けられた不純物ドープ単結晶シリコン膜31が、ゲート電極用溝18の底部に埋設されている。また、第1の不純物拡散領域27は、不純物ドープ単結晶シリコン膜31に含まれる不純物が、ゲート電極用溝18の底面18cに当接している半導体基板13内に拡散することにより、形成されている。したがって、従来のように、第1の不純物拡散領域27の形成時に、ゲート電極用溝18側方の半導体基板13内へ、不純物が注入されることはない。すなわち、第1および第2のトランジスタ19−1,19−2のチャネルが形成される領域に、第1の不純物拡散領域27の母体である不純物ドープ単結晶シリコン膜31の不純物が注入されることはない。また、ゲート電極22と第1の不純物拡散領域27は、不純物ドープ単結晶シリコン膜31の上面31aにおいてのみ、ゲート絶縁膜21を介して隣接する。このことにより、トランジスタ毎のゲート電極22の形状や厚みのばらつきが生じても、第1および第2のトランジスタ19−1,19−2の特性変動は低減される。
また、上記で説明したDRAM10の構成により、第1のトランジスタ19−1のゲート電極22のオン・オフを繰り返した際に、第1のトランジスタ19−1のチャネルに誘起された電子は、互いに接合している第1および第3の不純物拡散領域27,29にトラップされる。これにより、第1のトランジスタ19−1のチャネルに誘起された電子が、第2のトランジスタ19−2と電気的に接続されたキャパシタ48の下部電極57に蓄積されているH情報を破壊してL状態に変化させることがなくなるため、2つのトランジスタ19−1,19−2におけるディスターブ不良の発生が抑制される。
第1および第2のトランジスタ19−1,19−2のビット線コンタクトプラグ33と、ビット線34と、キャパシタコンタクトプラグ42と、キャパシタ48、およびその他の図2に示す構成要素は、公知のトレンチゲート型トランジスタの構成と同様に配置されている。
次いで、メモリセルアレイ11の製造方法について、図3〜図34を参照しながら説明する。
先ず、図3〜図5に示す工程では、p型の単結晶シリコン基板からなる半導体基板13の表面13a側に、X方向(第2の方向)に対して一定の角度傾斜したX´方向(第3の方向)に延在する第1の素子分離用溝51を形成する。HDP法あるいはSOG法等により、第1の素子分離用溝51に、シリコン酸化膜からなる第1の素子分離用絶縁膜52を形成する。続いて、半導体基板13にY方向(第1の方向)に延在する第2の素子分離用溝54を形成し、第2の素子分離用溝54を埋め込む第2の素子分離用絶縁膜55を形成する。その後、半導体基板13上にシリコン酸化膜からなる絶縁膜26を形成する。
本工程により、第1および第2の素子分離領域14,17により区画され、X方向に一定の角度だけ傾斜したX´方向(第3の方向)に延在する帯状の素子形成領域RがY方向に繰り返し形成される。ここでは素子形成領域Rおよび第1の素子分離領域14のX´方向に垂直な方向の幅を各々40nmとする。なお、素子形成領域Rおよび第1の素子分離領域14の第3の方向に垂直な方向の幅は等しくなくても良く、例えば、第1の素子分離領域14の前記幅が素子形成領域Rの前記幅より狭い構成であっても良い。
次に、図6〜図8に示す工程では、エッチングにより、2つの第2の素子分離領域17の間に、底面18cおよび対向する第1および第2の側面18a,18bを有する2つのゲート電極用溝18を形成する。
このとき、2つのゲート電極用溝18は、半導体基板13を介して、第2の側面18bが対向するように形成する。また、ゲート電極用溝18の半導体基板13の表面13aからの深さDは、第1および第2の素子分離用溝51,54の半導体基板13の表面13aからの深さD,Dよりも浅くなるように形成する。本実施例では、D,Dを200〜300nmの範囲、Dを100〜180nmの範囲で設定する。ここでは、D,Dを250nm、Dを150nmとした。第2の素子分離溝54およびゲート電極用溝18の各々のX方向の幅およびは40nmとした。また、隣接する各々の溝の間隔も40nmとした。
次に、図9〜図11に示す工程では、絶縁膜26の上面26aと、第1および第2の素子分離用絶縁膜52,55の上面52a,55aと、ゲート電極用溝18の内面とを覆うようにシリコン酸化膜15を形成する。シリコン酸化膜15は、熱酸化法等により形成できる。
続いて、図12〜図14に示す工程では、絶縁膜26の上面26aと、第1および第2の素子分離用絶縁膜52,55の上面52a,55aと、ゲート電極用溝18の底面18c上のシリコン酸化膜15のみを、エッチバックにより除去する。これにより、2つのゲート電極用溝18の第1および第2の側面18a,18bにシリコン酸化膜15が残存し、サイドウォール膜20が設けられる。また、ゲート電極用溝18の底面18cにおいて半導体基板13が露出する。
次に、図15〜図17に示す工程では、絶縁膜26の上面26aと、第1および第2の素子分離用絶縁膜52,55の上面52a,55aと、サイドウォール膜20と、ゲート電極用溝18の底面18cとを埋め込むように、不純物ドープ非晶質シリコン膜31pを形成する。不純物ドープ非晶質シリコン膜31pにドープされる不純物としては、n型不純物であるリンまたはヒ素を用いることができる。具体的には、例えばモノシラン(SiH)を原料ガスとし、ホスフィン(PH)を不純物原料ガスとする低圧CVD法において成膜温度を500〜540℃とすることにより不純物ドープ非晶質シリコン膜31pを形成することができる。ヒ素を含有させる場合は、ホスフィンに代えてアルシン(AsH)を用いれば良い。非晶質シリコン膜に含有される不純物濃度は上記不純物原料ガスの原料ガスに対する流量比で制御することができる。ここでは、不純物ドープ非晶質シリコン膜31pに含有される不純物濃度を1×1020〜1×1021atoms/cmの範囲となるように形成する。非晶質シリコン膜で形成する理由は、成膜表面を極めて平坦な状態で形成できる利点があるからである。成膜温度を580℃以上とした状態ではポリ(多結晶)シリコン膜が形成されるが、ポリシリコン膜は結晶成長を伴うために成膜表面に凹凸が生じてしまう。凹凸が生じた状態で、ゲート電極用溝18内に埋設するためのエッチバックを行うと、エッチバック表面に上記の凹凸がそのまま残存する。その結果、凹凸面に形成されるゲート絶縁膜の絶縁性が劣化し、後の工程で形成される第1の不純物拡散領域27とゲート電極22とがショートしやすくなる問題が発生する。非晶質シリコン膜の状態で形成すれば、上記問題を回避することができる。
続いて、不純物ドープ非晶質シリコン膜31pから、リンまたはヒ素のn型不純物を、不純物ドープ非晶質シリコン膜31pに接する半導体基板13内に拡散させる。具体的には、800〜1000℃の温度範囲で5〜20分の熱処理を行う。これにより、図18〜図20に示すように、各々のゲート電極用溝18の下方に、底面18cに接する第1の不純物拡散領域27を形成する。第1の不純物拡散領域27は、1×1020〜8×1020atoms/cmの不純物濃度を有するn型高濃度拡散層で形成される。なお、第1の不純物拡散領域27の底部27Aは、ゲート電極用溝18の底面18cから30〜50nm深い位置となるように形成する。この時、第1および第2の素子分離領域14,17の底面より浅い位置になるようにする。前述のように、第1および第2の素子分離領域14,17の深さを250nm、ゲート電極用溝18の深さを150nmとしているので、第1の不純物拡散領域27の底部27Aは、第1および第2の素子分離領域14,17の底面より浅い位置となっている。
上記の熱処理によって、第1の不純物拡散領域27を形成すると同時に、不純物ドープ非晶質シリコン膜31pは不純物ドープ単結晶シリコン膜31に変換される。すなわち、成膜段階で非晶質状態の不純物ドープ非晶質シリコン膜31pは、ゲート電極溝18の底面18cにおいて単結晶のシリコン半導体基板13と接しているため上記の熱処理によって、半導体基板13の表面を種とする固層エピタキシャル結晶成長が生じ、単結晶シリコン膜に変換される。少なくとも、次の工程でゲート電極用溝18内に残存させる厚さDに相当する部分は完全に単結晶化される。なお、この熱処理は、次工程のエッチバック後に行っても良い。非晶質シリコン膜が単結晶膜に変換されても、非晶質シリコン膜の表面の平坦性はそのまま保持される。
次に、図21〜図23に示す工程では、不純物ドープ単結晶シリコン膜31およびサイドウォール膜20がゲート電極用溝18の底部18cのみに厚みDを有して残存するように、不純物ドープ単結晶シリコン膜31およびサイドウォール膜20をエッチバックする。ただし、上記のように、第1の不純物拡散領域27を形成した後に不純物ドープ単結晶シリコン膜31をエッチバックする場合は、不純物ドープ単結晶シリコン膜31を残存させる必要はない。しかし、不純物ドープ非晶質シリコン膜31pをエッチバックした後に上記熱処理を施して第1の不純物拡散領域27を形成する場合は、不純物拡散源が必要なので、ゲート電極用溝18の底部18cのみに厚みDを有して残存するように不純物ドープ非晶質シリコン膜31aおよびサイドウォール膜20をエッチバックする必要がある。この場合、Dは20〜50nmの範囲とする。
また、このエッチバック工程では、不純物ドープ単結晶シリコン膜31およびサイドウォール膜20を同時にエッチバックしているが、シリコン膜の高選択エッチ条件を用いて不純物ドープ単結晶シリコン膜31だけを選択的に除去し、その後フッ酸含有溶液を用いてシリコン酸化膜からなるサイドウォール20を除去しても良い。エッチバックではフッ素含有プラズマによるドライエッチングを用いるが、ゲート絶縁膜が形成されるゲート電極用溝18の側壁18aおよび18bにプラズマダメージが残存してゲート絶縁膜の信頼性を低下させる懸念がある。フッ酸含有溶液を用いてシリコン酸化膜からなるサイドウォール20を除去すれば、プラズマダメージの影響を回避できる。不純物ドープ非晶質シリコン膜31pをエッチバックした後に上記熱処理を施して第1の不純物拡散領域27を形成する場合も同様に、サイドウォール20を残すように不純物ドープ非晶質シリコン膜31pだけを高選択エッチ条件でエッチバックし、熱処理によって第1の不純物拡散領域27を形成した後、フッ酸含有溶液を用いてシリコン酸化膜からなるサイドウォール20を除去することができる。シリコンの高選択エッチには、例えば、臭化水素(HBr)、塩素(Cl)、酸素(O)の混合ガスプラズマを用いることができる。
次に、図24〜図26に示すように、ゲート電極用溝18の第1および第2の側面18a,18bに露出している半導体基板13と、不純物ドープ単結晶シリコン膜31の上面31aを覆う、ゲート絶縁膜21を形成する。ゲート絶縁膜21としては、例えば、単層のシリコン酸化膜、シリコン酸化膜を窒化したシリコン酸窒化膜、積層されたシリコン酸化膜、シリコン酸化膜上にシリコン窒化膜を積層させた積層膜等を用いることができる。ゲート絶縁膜21として、単層のシリコン酸化膜を用いる場合、ゲート絶縁膜21は熱酸化法により形成することができる。ゲート絶縁膜21を熱酸化法で形成すると不純物ドープ単結晶シリコン膜31の上面に形成されたゲート絶縁膜21の厚さは、ゲート電極用溝18の第1および第2の側面18a,18bに形成されるゲート絶縁膜21の厚さよりも1.2〜1.5倍の範囲で厚く形成される。これは、高濃度に含有されている不純物の増速酸化効果によるものである。これによって、不純物ドープ単結晶シリコン膜31の上面31aに形成されたゲート絶縁膜21の厚さを自己整合的に厚く形成することができるのでゲート絶縁膜21を貫通するリーク電流を抑制する効果がある。この効果は、酸素(O)雰囲気中で酸化するよりも、水蒸気(HO)雰囲気中で酸化した方が、より顕著に現れる。
続いて、ゲート絶縁膜21で囲まれたゲート電極用溝18内の空間の下部にゲート電極22を埋め込み形成する。ゲート電極22としては、例えば窒化チタン膜とタングステン膜との積層膜を用いることができる。具体的には、最初に厚さ5nmの窒化チタン膜を形成する。四塩化チタン(TiCl)とアンモニア(NH)を原料ガスとし、成膜温度を550〜650℃の範囲とするCVD法により形成する。次に、原料ガスに六フッ化タングステン(WF)を、還元ガスにモノシラン(SiH)あるいは水素(H)を用い、成膜温度を400〜500℃の範囲とするCVD法によりタングステン膜を形成する。タングステン膜は、ゲート電極用溝18内の空間が完全に埋設される厚さで形成する。その後、ドライエッチング法によりエッチバックして、窒化チタン膜およびタングステン膜の各々の上面がゲート電極用溝18の内部で、且つ半導体基板13の上面よりも低い位置となるまで掘り下げる。これにより、ゲート電極22が形成される。この場合、窒化チタン膜は、タングステン膜とゲート絶縁膜21の反応を防止するバリヤ膜として機能する。ゲート電極22は、上記の積層膜に限らず、窒化チタン単層膜やその他の材料を用いることもできる。
引き続き、ゲート電極22の上面22aを覆うとともに、ゲート電極用溝18および開口部26Bを埋め込むように窒化シリコン膜からなるキャップ絶縁膜24を全面に形成する。その後、シリコン酸化膜からなる絶縁膜26の上面が露出するまでキャップ絶縁膜24をCMP法により研磨する。
次に、図27〜図29に示す工程では、図24〜図26に示す構造体の上面全体に、リンあるいはヒ素等のn型半導体をイオン注入し、ゲート電極用溝18の第1の側面18a側の半導体基板13に第2の不純物拡散領域28を形成する。第2の不純物拡散領域28は含有される不純物濃度が1×1019〜1×1020atoms/cmの範囲となるように形成する。第2の不純物拡散領域28に含有される不純物濃度は、第1に不純物拡散領域27より低く形成している。これは、図2に示すように、キャパシタ48が接続されるドレインすなわち第2の不純物拡散領域28の不純物濃度が高くなると接合電界が強まり、キャパシタ48に蓄積されている電荷がリークしやすくなる問題を回避するためである。第2の不純物拡散領域28は、ゲート電極用溝18の第1の側面18aにおけるゲート絶縁膜21の上部21Aを覆うように設けられる。また、第2の不純物拡散領域28の底面がゲート電極22の上面と同等か浅い位置となるように形成する。この理由は、上記と同様に接合リーク電流の発生を回避することにある。本工程において、2つのゲート電極用溝18間に位置する半導体基板13に、第3の不純物拡散領域29の一部を構成する不純物拡散領域71を形成する。
次に、図30〜図32に示す工程では、窒化シリコン膜からなるキャップ絶縁膜24,シリコン酸化膜からなる絶縁膜26および第2の素子分離用絶縁膜55の各々の上面24a,26a、55aに、キャップ絶縁膜24間に位置する開口部73aを有するレジスト膜73を形成する。開口部73aは、図30に示すように、X方向に対向する開口端部が隣接するキャップ絶縁膜24上にそれぞれ位置し、Y方向に配置されている複数の活性領域に跨るラインの開口として形成される。
続いて、フッ酸含有溶液を用いて開口部73aに露出しているシリコン酸化膜からなる絶縁膜26を選択的に除去する。開口部73a内には窒化シリコン膜からなるキャップ絶縁膜24も露出しているが、窒化シリコン膜はフッ酸含有溶液ではエッチングされない。したがって、絶縁膜26をキャップ絶縁膜24に対して自己整合的に除去することができる。これにより、開口部73a内にY方向に延在するラインのビット線コンタクト溝32が形成される。ラインのビット線コンタクト溝32内の活性領域16には不純物拡散領域71の上面71aが露出する。その後、露出された不純物拡散領域71の上面71aに、n型不純物であるリンあるいはヒ素を選択的にイオン注入する。その後、熱処理を行い、図31,図32に示すように2つのゲート電極用溝18の間の半導体基板13全体にn型不純物を含む第3の不純物拡散領域29を形成する。このとき、第3の不純物拡散領域29は、隣接する2つのゲート電極用溝18の下方に形成された二つの第1の不純物拡散領域27と接合され、かつ、底部29Aの位置が第1の不純物拡散領域27の底部27Aの位置よりも浅い位置になるようにする。二つの第1の不純物拡散領域27は、二つの第1の不純物拡散領域27の中央に位置する第3の不純物拡散領域29によって互いに接続された構成となり、3つの拡散層領域は一体化されて一つの拡散層領域として機能する。一体化された3つの拡散層領域は、第1および第2のトランジスタ19−1,19−2に共有されるソース領域となる。次に、レジスト膜73を除去する。
上記の工程により、メモリセルアレイ11を構成する第1および第2のトランジスタ19−1,19−2が形成される。
次に、図33に示すように、ビット線コンタクト溝32を埋め込むビット線コンタクトプラグ33と、ビット線コンタクトプラグ33上に配置され、X方向に延在するビット線34と、を一括形成する。まず、ビット線コンタクト溝32を埋設するように全面に不純物含有ポリシリコン膜を全面に形成し、その後、CMP法によりキャップ絶縁膜24および26の上面に形成された不純物含有ポリシリコン膜を研磨除去して、ビット線コンタクト溝32内に不純物含有ポリシリコン膜を埋設する。不純物含有ポリシリコン膜は、図19に示した不純物含有非晶質シリコン膜を単結晶シリコン膜に変換する手法を用いて、不純物含有単結晶シリコン膜とすることもできる。次に、全面にビット線34となる窒化チタン膜およびタングステン膜とカバー絶縁膜36とを順次成膜する。次に、図1の平面図に示すように、各々の活性領域16においてビット線コンタクトプラグ33が形成される領域のビット線コンタクト溝32と交差し、X方向に延在するビット線マスクパターンを図示しないホトレジストを用いて形成する。次に、ビット線マスクパターンをマスクとして、カバー絶縁膜36、タングステン膜および窒化チタン膜を順次にエッチングする。さらに、ビット線コンタクト溝32内に埋設されている不純物含有ポリシリコン膜を第1の素子分離領域14の上面が露出するまでエッチング除去する。これにより、各々隣接するビット線間が絶縁分離され、各々独立したX方向に延在するビット線34とビット線の下面に接続してビット線コンタクト溝32内に埋設されたビット線コンタクトプラグ33が形成される。
続いて、ビット線34上のカバー絶縁膜36、ビット線34とカバー絶縁膜36との側面を覆うサイドウォール膜37、サイドウォール膜37の側方を埋める層間絶縁膜38を従来方法と同様の方法で形成する。カバー絶縁膜36とサイドウォール膜37と層間絶縁膜38には、それぞれ窒化シリコン膜とシリコン酸窒化膜とシリコン酸化膜を用いることができる。
次に、図34に示すように、CVD法等により、層間絶縁膜38を貫通し、第2の不純物拡散領域28の上面28aと接するキャパシタコンタクトプラグ42を形成する。その後、層間絶縁膜38の上面38aおよび、キャパシタコンタクトプラグ42の上面42aの一部に接するキャパシタコンタクトパッド44を形成する。この後、キャパシタコンタクトパッド44を覆うようにストッパ膜46を形成する。
次に、公知技術を用いて、キャパシタコンタクトパッド44の上面に接するように、下部電極57とキャパシタ絶縁膜58と上部電極59から構成されるキャパシタ48を形成する。なお、図2に示す上部電極59の上面59aに、図示しない層間絶縁膜および上部配線等を形成してもよい。
以上の工程により、図1および図2に示すDRAM10のメモリセルアレイ11が完成する。
上記の第1実施形態の半導体装置の製造方法では、ゲート電極用溝18にゲート電極22を埋設する前に、予めゲート電極用溝18の底部に、リンやヒ素等のn型不純物を含む不純物ドープ非晶質シリコン膜31pを形成する。また、不純物ドープ非晶質シリコン膜31pに接している半導体基板13内に、不純物ドープ非晶質シリコン膜31pからn型不純物が拡散することにより、トランジスタ19−1,19−2のソース領域の一部となる第1の不純物拡散領域27が形成される。n型不純物を拡散させるための熱処理において、不純物ドープ非晶質シリコン膜31pは不純物含有単結晶シリコン膜31に変換される。不純物ドープ単結晶シリコン膜31の側面には、サイドウォール膜20を設けているため、第1の不純物拡散領域27は不純物ドープ単結晶シリコン膜31の下方に配置される。
また、上記の製造方法では、不純物ドープ単結晶シリコン膜31の上方に、ゲート絶縁膜21を介して、ゲート電極22を埋設する。したがって、第1の不純物拡散領域27の形成時における、ゲート電極22側方の半導体基板13内へのn型不純物の侵入を防止することができる。すなわち、トランジスタ19−1,19−2のチャネルが形成される、第1の不純物拡散領域27と第2の不純物拡散領域28との間の、ゲート絶縁膜21側方の半導体基板13内に、n型不純物が侵入することはない。これにより、ゲート電極の埋設時の形状による半導体装置のトランジスタの特性変動を確実に抑えることができる。
その結果、埋め込み形成されるゲート電極の形状に依存しない、安定した特性を有するトランジスタを備えた半導体装置を製造することができる。
(第2の実施形態)
次いで、本発明の第2実施形態である半導体装置およびその製造方法について、図35〜図59を参照しながら説明する。
本発明を適用した第2実施形態の半導体装置の一例として、DRAM100(半導体装置)を挙げて説明する。また、図35に示すDRAM100において、図1および図2に示すDRAM10と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図35に示すように、DRAM100は、DRAM10に設けられたメモリセルアレイ11の替わりにメモリセルアレイ101を備えた以外は、DRAM10と同様に構成されている。
メモリセルアレイ101における不純物ドープ単結晶シリコン膜31は、ゲート電極用溝18の底面18cに形成された、ゲート電極用溝18よりも幅の狭い凹部18´内に、サイドウォール膜20を備えずに埋設されている。
また、メモリセルアレイ101における第1の不純物拡散領域27は、不純物ドープ単結晶シリコン膜31の側面および底面に当接するように形成されている。すなわち、第1の不純物拡散領域27は、ゲート電極用溝18の凹部18´の側面18e,18fおよび底面18dに当接している。なお、第1の不純物拡散領域27は、第3の不純物拡散領域29の底部29Aで接する場合に限らず、第3の不純物拡散領域29の一部と接するように形成される。
さらに、メモリセルアレイ11における第3の不純物拡散領域29が、半導体基板13の上面13aからn型半導体のイオンが注入されることにより形成されているのに対し、第3の不純物拡散領域29は、ゲート電極用溝18の間の半導体基板13の側面のうちの1面に当接して形成された不純物ドープ単結晶ポリシリコン膜31に含まれるn型不純物が半導体基板13に拡散することにより、形成されている。
メモリセルアレイ101における第3の不純物拡散領域29は、トランジスタ19−1,19−2のソース領域の一部として、ゲート電極用溝18の第2の側面18b側の半導体基板13に、第1の不純物拡散領域に接合して形成されている。
その他のメモリセルアレイ101の構成要素は、メモリセルアレイ11と同様に配置されている。
次いで、図36〜図59を参照して、メモリセルアレイ101の製造工程について説明する。
始めに、メモリセルアレイ11の製造方法で説明した図3〜図17に示す工程と同様な処理を行うことで、図15〜図17に示す構造体と同様の構造を形成する。
この後、以下に説明する製造工程を行う。
次に、図36〜図38に示す工程では、ゲート電極用溝18の第1および第2の側面18a,18bのみにシリコン酸化膜からなるサイドウォール膜80を形成する。
続いて、絶縁膜26の上面26aと、第1および第2の素子分離用絶縁膜55の上面55aと、サイドウォール膜80と、ゲート電極用溝18の底面18cとを覆うように、不純物がドープされていない単結晶シリコン膜90を形成する。
さらに、隣接する2つのゲート電極用溝18のうち、いずれか1つのゲート電極用溝18内面を露出するマスクレジスト膜91を形成する。マスクレジスト膜91は複数の活性領域16に跨ってY方向に延在するラインの開口部として形成される。
次に、図39〜図41に示す工程では、半導体基板13の斜め上方向から不純物のイオン注入(以降、斜めイオン注入と称する)を行う。本工程における不純物としては、p型半導体であるホウ素を用いることができる。このとき、斜めイオン注入の条件は、マスクレジスト膜91が形成されていないゲート電極用溝18の第1の側面18aに露出している単結晶シリコン膜90のみに、イオン注入が行われるように、設定する。注入エネルギーは5keV、注入ドーズ量は1×1015atoms/cmとする。また、斜めイオン注入時のエネルギー、ドーズ量、注入角度等は、図40に示す幅Wと深さDを勘案して設定することが好ましい。
次に、図42〜図44に示す工程では、マスクレジスト膜91を除去した後、薬液あるいはガス等を用いて、一方のゲート電極用溝18の第2の側面18bの、斜めイオン注入が施されない単結晶シリコン膜90のみを除去する。前述のように、不純物としてホウ素を用いた場合は、単結晶シリコン膜90の一部を除去するために、例えばアンモニア水を用いることができる。この工程により、単結晶シリコン膜90が除去された、一方のゲート電極用溝18の第2の側面18bにサイドウォール膜80が露出する。
続いて、フッ化水素を含む薬液等を用いて、露出したサイドウォール膜80のみを除去し、一方のゲート電極用溝18の第2の側面18bに半導体基板13を露出させる。その後、マスクレジスト膜91を除去する。
次に、図45〜図47に示す工程では、残存している単結晶シリコン膜90と、一方のゲート電極用溝18の第2の側面18bに露出した半導体基板13を覆うように、不純物ドープ単結晶シリコン膜92を形成する。不純物ドープ単結晶シリコン膜92にドープされる不純物としては、リンあるいはヒ素等のn型不純物を用いることができる。
図48〜図50に示すように、一方のゲート電極用溝18の第2の側面18bにおいて、不純物ドープ単結晶シリコン膜92と半導体基板13が当接する。この後、不純物ドープ単結晶シリコン膜92から第2の側面18b側の半導体基板13にn型不純物を拡散させる。このような不純物の拡散は熱処理により行うことができる。本工程の熱処理は、第3の不純物拡散領域29の底部29Aがゲート電極用溝18の底面18cより、下方に位置するように行う。なお、不純物ドープ単結晶シリコン膜92のn型不純物濃度および熱処理の条件等は、ゲート電極用溝18の大きさや形状を勘案して設定することが好ましい。
上記の工程により、2つのゲート電極用溝18の間の半導体基板13内に第3の不純物拡散領域29が形成される。第3の不純物拡散領域29は、トランジスタ19−1,19−2におけるソース領域の一部として機能する。
続いて、図48〜図50に示すように、ゲート電極用溝18下方の半導体基板13をえぐるように、不純物ドープ単結晶シリコン膜92および単結晶シリコン膜90の底面のエッチバックを行う。このとき、新たに形成されるゲート電極用溝18の凹部18´の底面18dが、第3の不純物拡散領域29の底面29cよりも上方に位置するように、エッチバックの条件を設定する。
この工程において、各ゲート電極用溝18の凹部18´の側面18e,18fおよび底面18dに半導体基板13が露出する。
次に、図51〜図53に示す工程では、不純物ドープ単結晶シリコン膜92とゲート電極用溝18の凹部18´を埋め込むように、不純物ドープ非晶質シリコン膜31pを形成する。不純物ドープ非晶質シリコン膜31pは、DRAM10における不純物ドープ非晶質シリコン膜31pと同様、トランジスタ19−1,19−2のソース領域として機能する第1の不純物拡散領域27の母体となる。そのため、不純物ドープ非晶質シリコン膜31pにドープされる不純物としては、半導体基板13であるp型シリコン基板とは異なる導電型の不純物、すなわち、n型不純物であるリンまたはヒ素を用いることができる。具体的には、DRAM10の製造工程と同様に、例えばモノシラン(SiH)を原料ガスとし、ホスフィン(PH)を不純物原料ガスとする低圧CVD法において成膜温度を500〜540℃とすることにより不純物ドープ非晶質シリコン膜31pを形成することができる。
続いて、不純物ドープ非晶質シリコン膜31pから、リンまたはヒ素のn型不純物を、側面18e,18fおよび底面18dで不純物ドープ非晶質シリコン膜31pに接する半導体基板13内に拡散させる。具体的には、800〜1000℃の温度範囲で5〜20分の熱処理を行う。
DRAM10の製造工程と同様に、上記の熱処理によって、不純物ドープ非晶質シリコン膜31pは不純物ドープ単結晶シリコン膜31に変換される。
同時に、各ゲート電極用溝18の凹部18´の側方および下方に、不純物ドープ単結晶シリコン膜31に当接した第1の不純物拡散領域27が形成される。また、第1の不純物拡散領域27は、図52に示すように、既に形成されている第3の不純物拡散領域29に接合するように形成される。
次に、図54〜図56に示す工程では、不純物ドープ単結晶シリコン膜31の上面31aがゲート電極用溝18の底面18cと同一面になるように、不純物ドープ単結晶シリコン膜31のエッチバックを行う。これにより、各ゲート電極用溝18の凹部18´に不純物ドープ単結晶シリコン膜31が埋設される。不純物ドープ単結晶シリコン膜31の幅は、ゲート電極用溝18の幅より、ゲート電極用溝18内のサイドウォール80と単結晶シリコン膜90と不純物ドープ単結晶シリコン膜92の膜厚の分のみ狭くなっている。
ただし、DRAM10の製造工程と同様に、第1の不純物拡散領域27を形成した後に不純物ドープ単結晶シリコン膜31をエッチバックする場合は、不純物ドープ単結晶シリコン膜31を残存させる必要はない。しかし、不純物ドープ非晶質シリコン膜31pをエッチバックした後に上記熱処理を施して第1の不純物拡散領域27を形成する場合は、不純物拡散源が必要なので、凹部18´のみに残存するように不純物ドープ非晶質シリコン膜31aおよびサイドウォール膜20をエッチバックする必要がある。
この後、DRAM10の製造方法で説明した図24〜図26に示す工程を順次同様に行う。これにより、各ゲート電極用溝18内に、図55に示すような、シリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜21と、窒化チタンとタングステンの積層膜等からなるゲート電極22と、シリコン酸化膜からなるキャップ絶縁膜24が形成される。
次に、図57〜図59に示す工程では、キャップ絶縁膜24の上面24aと、第3の不純物拡散領域29上の絶縁膜26の上面26aを覆うようにマスクレジスト膜95を形成し、図57〜図59に示す構造体の上方から、リンあるいはヒ素等のn型不純物をイオン注入する。これにより、ゲート電極用溝18の第1の側面18a側の半導体基板13に第2の不純物拡散領域28を形成する。この後、マスクレジスト膜95を除去する。
なお、本工程において、第3の不純物拡散領域29の上部に、n型不純物のイオン注入を追加してもトランジスタ19−1,19−2の特性が変動しない場合は、マスクレジスト膜95を設けなくてもよい。
この後、メモリセルアレイ11の製造方法で説明した図30〜図34に示す工程における、ビット線コンタクトプラグ33およびビット線34の一括形成以降の工程を順次同様に行うことにより、図57〜図59に示す構造体に、ビット線コンタクトプラグ33、ビット線34,カバー絶縁膜36,サイドウォール膜37,層間絶縁膜38,キャパシタコンタクトプラグ42,キャパシタコンタクトパッド44,ストッパ膜46、およびキャパシタ48を形成する。
以上の工程により、図35に示すDRAM100のメモリセルアレイ101が完成する。
上記の第2実施形態の半導体装置の製造方法では、メモリセルアレイ11におけるサイドウォール膜20を備えた不純物ドープ単結晶シリコン膜31と第1の不純物拡散領域27の変形例として、不純物ドープ単結晶シリコン膜31と第1の不純物拡散領域27を、それぞれゲート電極用溝18の凹部18´と、その側方および下方に形成することにより、第1実施形態の半導体装置の製造方法と同様の効果を得ることができる。
すなわち、第2実施形態の半導体装置の製造方法では、メモリセルアレイ101のゲート電極用溝18の底面18cに、ゲート電極用溝18よりもやや幅の狭い凹部18´を形成する。また、凹部18´に不純物ドープ非晶質シリコン膜31pを埋設し、凹部18´の側面18e,18fおよび底面18dに当接するように第1の不純物拡散領域27を形成する。その後、不純物ドープ単結晶シリコン膜31の上方に、ゲート絶縁膜21を介して、ゲート電極22を埋設する。
このような半導体装置の構成およびその製造方法により、第1の不純物拡散領域27の形成時における、ゲート電極22側方の半導体基板13内へのn型不純物の侵入を防止することができる。すなわち、第1の不純物拡散領域27と第2の不純物拡散領域28との間の、ゲート絶縁膜21側方の半導体基板13内に、不純物ドープ非晶質シリコン膜31pのn型不純物が侵入することを回避することができる。これにより、ゲート電極の形状による半導体装置のトランジスタの特性変動が確実に低減される。
また、上記の製造方法では、ゲート電極用溝18の間の半導体基板13の側面のうち、いずれか1面の半導体基板13全面に当接して形成された不純物ドープ非晶質シリコン膜31pから、n型不純物を半導体基板13内に拡散させることにより、トランジスタ19−1,19−2ソース領域の一部となる第3の不純物拡散領域29が形成される。また、n型不純物を拡散させるための熱処理において、不純物ドープ非晶質シリコン膜31aは不純物含有単結晶シリコン膜31に変換される。このようにして、2つのゲート電極用溝18の間の半導体基板13全体に第3の不純物拡散領域を形成する。この方法により、メモリセルアレイ11の第3の不純物拡散領域29の形成方法に比べて、第3の不純物拡散領域29の形成時間を短くすることができる。また、第3の不純物拡散領域29の深さの制御が容易になり、第3の不純物拡散領域29に第1の不純物拡散領域27を確実に接合させることができる。
これにより、隣接する一方のメモリセルの動作状態により他方のメモリセルの蓄積状態が変化するディスターブ不良の発生を抑制できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳しく説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10,100,200…DRAM(半導体装置)、11,101…メモリセルアレイ、13,301…半導体基板、13a…表面、13b…裏面、14…第1の素子分離領域、15…シリコン酸化膜、16,302…活性領域、17…第2の素子分離領域、18…ゲート電極用溝、18a…第1の側面、18b…第2の側面、18c,18d,29c…底面、18e,18f…側面、19−1…第1のトランジスタ、19−2…第2のトランジスタ、20,37,80…サイドウォール膜、21,305…ゲート絶縁膜、21A…上部、22…ゲート電極、14a,17a,22a,24a,26a,28a,31a,38a,42a,52a,55a,59a,71a…上面、24…キャップ絶縁膜(埋め込み絶縁膜)、26…絶縁膜、26B,32,73a…開口部、27…第1の不純物拡散領域、27A,29A…底部、28…第2の不純物拡散領域、29…第3の不純物拡散領域、31…不純物ドープ単結晶シリコン膜(第1の半導体膜)、31p…不純物ドープ非晶質シリコン膜、32…ビットコンタクト溝、33,311…ビット線コンタクトプラグ(コンタクトプラグ)、34…ビット線、36,306…カバー絶縁膜、38…層間絶縁膜、41…コンタクトホール、42,310…キャパシタコンタクトプラグ、44…キャパシタコンタクトパッド、46…ストッパ膜、48…キャパシタ、51…第1の素子分離用溝、52…第1の素子分離用絶縁膜、54…第2の素子分離用溝、55…第2の素子分離用絶縁膜、57,313,314…下部電極、58…キャパシタ絶縁膜、59…上部電極、90…単結晶シリコン膜、91,95…マスクレジスト膜、92…不純物ドープ単結晶シリコン膜、303…素子分離領域、307,308,312…不純物拡散領域

Claims (13)

  1. 第1の方向に延在するように半導体基板の表面側に設けられ、底面および対向する第1および第2の側面を有するゲート電極用溝と、
    前記ゲート電極用溝の底部に形成された第1の不純物を含む第1の半導体膜と、
    前記第1の不純物が前記第1の半導体膜から前記第1の半導体膜に接する前記半導体基板内に拡散することにより、前記第1の半導体膜に接するように形成された第1の不純物拡散領域と、
    前記ゲート電極用溝の前記第1および第2の側面および前記第1の半導体膜の上面を覆うように形成されたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜に囲まれた空間の下部に埋め込み形成されたゲート電極と、
    を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第1の半導体膜の側面にサイドウォール膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記ゲート電極用溝の前記第1の側面側の前記半導体基板に形成された第2の不純物を含む第2の不純物拡散領域と、
    前記ゲート電極用溝の前記第2の側面側に形成され、前記第1の不純物拡散領域と接合するように形成された第3の不純物を含む第3の不純物拡散領域と、
    を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記第2の側面が対向するように、隣り合う位置に前記ゲート電極用溝が2つ設けられ、
    前記第3の不純物拡散領域が、2つの前記ゲート電極用溝の間に設けられた前記半導体基板全体に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
  5. 前記第3の不純物拡散領域と電気的に接続され、かつ、前記ゲート電極と交差する第2の方向に延在するビット線が形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記ゲート電極上の前記ゲート電極用溝を埋めるように形成された埋め込み絶縁膜と、
    前記埋め込み絶縁膜および前記半導体基板の上部に形成された層間絶縁膜と、
    前記第2の不純物拡散領域の上面と接触するように前記埋め込み絶縁膜および前記層間絶縁膜に内設されたコンタクトプラグと、
    前記層間絶縁膜上に形成された前記コンタクトプラグの上面と接するキャパシタコンタクトパッドと、
    前記キャパシタコンタクトパッド上に形成されたキャパシタと、
    を有することを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれかの請求項に記載の半導体装置。
  7. 第1の方向に延在するように半導体基板の表面側に底面および対向する第1および第2の側面を有するゲート電極用溝を形成する工程と、
    前記ゲート電極用溝の底部に第1の不純物を含む第1の半導体膜を形成する工程と、
    前記第1の不純物を前記第1の半導体膜から前記第1の半導体膜に接する前記半導体基板内に拡散させることにより、前記第1の半導体膜に接するように第1の不純物拡散領域を形成する工程と、
    前記ゲート電極用溝の前記第1および第2の側面および前記第1の半導体膜の上面を覆うようにゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜に囲まれた空間の下部にゲート電極を埋め込み形成する工程と、
    を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 前記第1の半導体膜を形成する工程の前に、
    前記ゲート電極用溝の前記第1および第2の側面にサイドウォール膜を形成する工程と、
    前記第1の半導体膜を形成する工程において、
    前記ゲート電極用溝を埋め込むように第1の不純物を含む第1の半導体膜を形成する工程と、
    前記第1の不純物拡散領域を形成する工程の後に、
    前記ゲート電極用溝の底部のみに残存するように前記第1の半導体膜および前記サイドウォール膜を掘り下げる工程と、
    を有することを特徴とする請求項7に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記ゲート電極用溝の前記第1の側面側の前記半導体基板に第2の不純物を含む第2の不純物拡散領域を形成する工程と、
    前記ゲート電極用溝の前記第2の側面側の前記半導体基板に、前記第1の不純物拡散領域と接合するように第3の不純物を含む第3の不純物拡散領域を形成する工程と、
    を有することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記ゲート電極用溝を形成する工程において、
    前記第2の側面が対向するように隣り合う位置に前記ゲート電極用溝を2つ形成し、
    前記第3の不純物拡散領域を形成する工程において、
    前記半導体基板のうち、2つの前記ゲート電極用溝の間に設けられた前記半導体基板の部分全体に前記第3の不純物拡散領域を形成することを特徴とする請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記第1の半導体膜を形成する工程前に、
    前記ゲート電極用溝の前記第1および第2の側面にサイドウォール膜を形成する工程と、
    2つの前記ゲート電極用溝のうち、一方の前記ゲート電極用溝の前記第2の側面の前記サイドウォール膜のみを除去して前記半導体基板を露出させ、前記2つのゲート電極用溝内壁を覆うように前記第3の不純物を含む第2の半導体膜を形成する工程と、
    前記第3の不純物を前記第2の半導体膜から前記第2の半導体膜に当接する前記半導体基板に拡散させることにより前記第3の不純物拡散領域を形成する工程と、
    前記第1の半導体膜を形成する工程において、
    前記ゲート電極用溝内の前記第2の半導体膜の底面を掘り下げて前記ゲート電極用溝に凹部を形成する工程と、
    前記凹部に前記第1の半導体膜を埋設する工程と、
    前記ゲート電極用溝内に残存している前記第2の半導体膜および前記サイドウォール膜を除去する工程と、
    を有することを特徴とする請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記第3の不純物拡散領域と電気的に接続され、かつ、前記ゲート電極と交差する第2の方向に延在するビット線を形成することを特徴とする請求項9〜請求項11のいずれかの請求項に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記ゲート電極上の前記ゲート電極用溝内を埋めるように埋め込み絶縁膜を形成する工程と、
    前記埋め込み絶縁膜および前記半導体基板の上部に層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記第2の不純物拡散領域の上面と接触するように前記埋め込み絶縁膜および前記層間絶縁膜にコンタクトプラグを内設する工程と、
    前記層間絶縁膜上に前記コンタクトプラグの上面と接するキャパシタコンタクトパッドを形成する工程と、
    前記キャパシタコンタクトパッド上にキャパシタを形成する工程と、
    を有することを特徴とする請求項9〜請求項12のいずれかの請求項に記載の半導体装置の製造方法。
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