JP2013149424A - 色素増感太陽電池用電極材、色素増感太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】アルミニウム合金製基板を用いた色素増感太陽電池について、電池性能と電解質溶液に対する耐食性に優れた電極基板を提供する。
【解決手段】 アルミニウム合金板と、前記アルミニウム合金板上に形成されたリン酸クロメート皮膜とを備え、前記アルミニウム合金板は、Mgを1.0〜8.0mass%(以下、%と記す。)を含有し、Cu、Si、Fe、Mnの含有量はいずれも0.05%未満であり、残部がAl及び不可避的不純物からなり、前記アルミニウム合金板の表面上の最大径3μm以上の金属間化合物の分布量が20個/mm未満であり、
前記リン酸クロメート皮膜は、金属Crに換算して5mg/m以上の付着量で形成されている、色素増感太陽電池用電極材である。
【選択図】なし

Description

本発明は、色素増感太陽電池電極材用電極材及びこれを用いた色素増感太陽電池に関する。
現在最も広く用いられているシリコン系の太陽電池と異なり、グレッツエル型に代表される色素増感太陽電池は、有機色素を用いて光起電力を得る。その構成および光起電力発生のメカニズムについて説明する。まず、透明なガラスあるいは樹脂フィルム等の透明基板1に透明導電膜2(酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide=ITO)膜等)を形成し、その上に二酸化チタン等の金属酸化物半導体粒子3aを設ける。次に、この金属酸化物半導体粒子3aを焼成し、その表面に色素4を吸着させたものが光電変換層3bである。光電変換層3bは多孔質の性状を有する。これら、透明基板1と透明導電膜2と光電変換層3bとをあわせて負極構造体3cとする。この負極構造体3cは、電解質溶液5を間に挟んで正極と対向し電池を形成する。便宜的に、以降はこの正極を「対極」と称する。負極構造体3c側から光9を照射すると、色素4が励起され、励起された電子は金属酸化物半導体粒子3aから透明導電膜2および透明基板1に伝わり、電池の外に出て対極8を通じて電解質溶液5中のヨウ素イオンによって運ばれ、色素4に戻る。以上のような過程により、色素増感太陽電池は光照射により光起電力を発生する。
上記の色素増感太陽電池は、基本的な色素増感太陽電池の構造(タイプIとする)である。一方、光電変換層3bをアルミニウム合金製基板6の上に形成し、光9を正極8側から受け、電解質5を透過した光9により発電するもの(タイプIIとする)がある。タイプIIの電池の場合、負極構造体3cにアルミニウム合金等の安価な素材を使用し、低コストで製造することが可能で、量産効率が高いとされる。
タイプIIの色素増感太陽電池(以下、タイプIIの電池とする。)は、光電変換層3bがアルミニウム合金製基板6の上に積層された構造をしている。太陽電池として機能するためには光電変換層3bとアルミニウム合金製基板6の間の電子の移動をスムーズにするため、それら光電変換層3bとアルミニウム合金製基板6とが密着している必要がある。
さらに、色素増感太陽電池は電解液として、3−メトキシプロピオニトリルにヨウ化リチウム、ヨウ素を溶解した溶液が使用されている。そのため、タイプIIの電池の場合、アルミニウム合金製基板6は前記環境に長期間曝されるため、ヨウ化物イオンにより腐食発生の懸念がある。
アルミニウム合金製基板6の腐食を防ぐため、タイプIIの電池の場合、光電変換層3bとアルミニウム合金製基板6の間に化成処理皮膜を設けるとともに、整流作用の向上を実現する技術が開示されている(特許文献1)。また、アルミニウム合金製基板6の含有成分を規定することにより、耐食性と強度とを向上する技術が開示されている(特許文献2)。しかしながら、これら個別の技術では、色素増感型太陽電池用のアルミニウム合金製基板の電池性能と耐食性とを高いレベルで両立させることは難しかった。
特開2008−053024 特開2009−302018
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、高い光電変換効率及び耐食性を有する色素増感太陽電池を製造可能な電極材、及びこれを用いた色素増感太陽電池を提供するものである。
本発明によれば、アルミニウム合金板と、前記アルミニウム合金板上に形成されたリン酸クロメート皮膜とを備え、前記アルミニウム合金板は、Mgを1.0〜8.0mass%(以下、%と記す。)を含有し、Cu、Si、Fe、Mnの含有量はいずれも0.05%未満であり、残部がAl及び不可避的不純物からなり、前記アルミニウム合金板の表面上の最大径3μm以上の金属間化合物の分布量が20個/mm未満であり、前記リン酸クロメート皮膜は、金属Crに換算して5mg/m以上の付着量で形成されている、色素増感太陽電池用電極材が提供される。
本発明者は、色素増感太陽電池の光電変換効率と耐食性を向上させるべく鋭意検討を行ったところ、まず、アルミニウム合金板に含有されるMgの含有量が光電変換効率と大きく相関しており、Mg含有量1.0%未満の場合には光電変換効率が非常に低くなってしまうことが分かった。このような現象が起こる理由は必ずしも明らかになっていないが、リン酸クロメート皮膜上に形成される酸化物半導体多孔質膜からアルミニウム合金板への電子移動がMgによって促進されているためではないかと推測している。
また、さらに検討を進めると、Mg含有量が1.0%以上の場合でも、リン酸クロメート皮膜の付着量が5mg/m未満の場合には、光電変換効率が低くなってしまうことが分かった。つまり、Mg含有量が1.0%以上であり且つリン酸クロメート皮膜の付着量が5mg/m以上の場合に、これらの相乗効果によって光電変換効率が向上することが分かった。
さらに、耐食性に関して検討を進めたところ、単純にリン酸クロメート皮膜の付着量を増やしただけでは、耐食性は十分に向上しないことが分かった。そして、最大径が3μm以上の金属間化合物の数を20個/m未満にすること、及びCu、Si、Fe、Mnの含有量をそれぞれ0.05%未満にすることの両方が耐食性を向上させるには必須であることが分かり、本発明の完成に到った。
リン酸クロメート皮膜の付着量は、50mg/m以下であることが好ましい。付着量を50mg/mよりも多くしても、さらなる特性向上は見られないので、付着量を50mg/mより多くすることは単にコスト増大につながる。
好ましくは、前記リン酸クロメート皮膜上に形成された酸化物半導体多孔質膜をさらに備え、前記リン酸クロメート皮膜と酸化物半導体多孔質膜にMgが拡散している。酸化物半導体多孔質膜は、酸化物半導体微粒子のペーストを塗布して焼成することによって形成可能であるが、この焼成の際にアルミニウム合金板からリン酸クロメート皮膜と酸化物半導体多孔質膜にMgが拡散する。このMgが光電変換効率向上に寄与していると考えられる。
好ましくは、上記電極材と、この電極材に吸着された色素とを備える、色素増感太陽電池が提供される。上記電極材を用いれば、光電変換効率と耐食性に優れた色素増感太陽電池が得られる。
本発明によれば、電池性能及びヨウ化物イオンを含む電解溶液中での耐食性に優れた電極材を得ることができ、色素増感太陽電池に使用した場合、変換効率と製品寿命とを格段に向上することが可能である。
従来の色素増感太陽電池の概略構造(金属基板を使用しないタイプ=タイプI) 本発明の色素増感太陽電池の概略構造(光電変換層をアルミニウム基板の上に形成したタイプ=タイプII) 本発明のサンプル2(左)およびサンプル16(右)のアルミニウム合金の金属間化合物の分布 本発明の色素増感太陽電池の電極断面のTEM−EDS分析像
本発明で用いるアルミニウム合金の成分元素、リン酸クロメート皮膜、酸化物半導体多孔質膜および金属間化合物について説明する。
Mg:
Mgはアルミニウム合金の強度の向上に有効な元素である。さらに重要な作用としては、酸化物半導体(例:TiO)多孔質膜を形成する際の焼成時に、Mgがアルミニウム合金表面からリン酸クロメート皮膜を経て該酸化物半導体多孔質膜まで拡散し、酸化物半導体多孔質膜からアルミニウム合金への電子移動をスムーズにすることである(図4を参照)。
Mgの添加量は1.0%以上であり、好ましくは3.0%以上である。Mgの添加量が少なすぎると、Mg添加の効果が十分に得られない。Mgの添加量は8.0%以下であり、好ましくは6.0%以下である。Mgの添加量が多すぎると熱間圧延時に割れが生じやすく、強度が高く、可撓性が低下するためフレキシブル型の電池として使いにくく好ましくない。
Si:
SiはAl合金中において固溶又はMg−Si系の金属間化合物を形成する。ヨウ素含有電解液環境においては、この化合物がヨウ素イオン(I)による腐食の起点となる。そのため、腐食を抑制できる含有量を0.05%未満と規定した。
Fe:
FeはAl合金中において固溶又はAl−Fe系の金属間化合物を形成する。ヨウ素含有電解液環境においては、前記同様にこの化合物がヨウ素イオン(I)による腐食の起点となるため、腐食を抑制できる含有量を0.05%未満と規定した。
Cu:
CuはAl合金中において固溶又はAl−Cu系の化合物を形成する。ヨウ素含有電解液環境においては、前記同様にこの化合物がヨウ素イオン(I)による腐食の起点となるため、腐食を抑制できる含有量を0.05%未満と規定した。
Mn:
MnはAl合金中において固溶又はAl−Mn系の金属間化合物を形成する。ヨウ素含有電解液環境においては、前記同様にこの化合物がヨウ素イオン(I)による腐食の起点となるため、腐食を抑制できる含有量を0.05%未満と規定した。
リン酸クロメート皮膜:
本発明で用いるリン酸クロメート皮膜は特に限定されるものではなく、常法に従って脱脂、洗浄、化成処理、洗浄、乾燥の工程を経てリン酸塩を含むクロム酸水溶液で化学的に皮膜を生成すればよく、製造方法もスプレー式、塗布式の限定はしない。リン酸クロメート皮膜の付着量は、金属Crに換算して5mg/m以上であり、好ましくは10mg/m以上である。付着量が少なすぎると整流作用が不十分で電池性能が劣り、耐食性も不足する。リン酸クロメート皮膜の付着量は、好ましくは50mg/m以下であり、好ましくは30mg/m以下である。付着量が多すぎると整流作用が飽和し、リン酸クロメート処理時間も長く不経済である。リン酸クロメート皮膜の付着量は、処理時間によって変化させることができる。
酸化物半導体多孔質皮膜:
紫外光を吸収する酸化物半導体(n型)の多孔質皮膜であり、主に酸化チタンが用いられる。その他、酸化亜鉛、酸化スズ等を用いることができる。通常、可視光を吸収できるようにするため無機系および有機系の様々な色素を付着させて使用する。本発明では、特に限定することなく前記の性質を有する酸化物半導体および色素を用いることができる。
金属間化合物:
アルミニウム合金板の表面に分布する金属間化合物は腐食の起点となり、その耐食性を劣化させうる。本発明者らの検討の結果、最大径3μm以上の金属間化合物が20個/mm以上分布する場合に耐食性が顕著に劣化することを見出した。したがって、アルミニウム合金板上の最大径3μm以上の金属間化合物の分布量を20個/mm未満に規定した。さらに好ましくは、15個/mm未満である。なお、「最大径」とは、金属間化合物の外接円の直径を意味する。金属間化合物の数密度は、Fe,Si等の固溶しにくい元素の添加によって変化しうる。
(サンプル1) Mgを1.0%、Si、Fe、Cu、Mnをそれぞれ0.02%以下を目標に配合し、溶湯から半連続鋳造法により厚さ500mmの鋳塊を得、上下面を10mm面削した。次いで、鋳塊に530℃×3時間の均質化処理を施し、開始温度530℃の熱間圧延を、板厚が3mmになるまで施した後、冷間圧延及び温度330℃で中間焼鈍を施し、0.30mm厚の圧延板を得た。発光分析によりAl合金圧延板の化学組成を調べ、結果を表1に示した。
このAl合金圧延板にアルカリ脱脂および水洗処理を常法により施し、次いでスプレー法によりリン酸クロメート処理皮膜を設けた。アルカリ脱脂液としては、「EC−370(日本ペイント製)」の濃度1.0%水溶液を用いた。処理条件として、温度65℃、スプレー圧1.5kgf/cmを用いた。リン酸クロメート処理液としては、「アルサーフ408/48(日本ペイント製)」を用い、アルサーフ408の濃度を2.0mass%として(溶媒は水)、アルサーフ48にてフッ酸濃度を調整した。処理条件として、温度40℃、スプレー圧1.5kgf/cmを用いた。Crの付着量は蛍光X線分光分析によって測定し、検量線を用いて20mg/m目標で作製した。
(サンプル2) Mg含有量=5.0%目標とし、それ以外はサンプル1と同等とした。
(サンプル3) Mg含有量=8.0%目標とし、それ以外はサンプル1と同等とした。
(サンプル4) Si含有量=0.04%目標とし、それ以外はサンプル2と同等とした。
(サンプル5) Fe含有量=0.04%目標とし、それ以外はサンプル2と同等とした。
(サンプル6) Cu含有量=0.04%目標とし、それ以外はサンプル2と同等とした。
(サンプル7) Mn含有量=0.04%目標とし、それ以外はサンプル2と同等とした。
(サンプル8) Cr付着量=5mg/m目標とし、それ以外はサンプル2と同等とした。
(サンプル9) Cr付着量=30mg/m目標とし、それ以外はサンプル2と同等とした。
(サンプル10) Cr付着量=50mg/m目標とし、それ以外はサンプル2と同等とした。
(サンプル11) Mg含有量=0.0%目標とし、それ以外はサンプル1と同等とした。
(サンプル12) Mg含有量=0.5%目標とし、それ以外はサンプル1と同等とした。
(サンプル13) Mg含有量=9.0%目標とし、それ以外はサンプル1と同等とした。
(サンプル14) Si含有量=0.05%目標とし、それ以外はサンプル2と同等とした。
(サンプル15) Fe含有量=0.05%目標とし、それ以外はサンプル2と同等とした。
(サンプル16) Cu含有量=0.05%目標とし、それ以外はサンプル2と同等とした。
(サンプル17) Mn含有量=0.05%目標とし、それ以外はサンプル2と同等とした。
(サンプル18) Cr付着量=0mg/m、すなわちリン酸クロメート皮膜なしとし、それ以外はサンプル2と同等とした。
(サンプル19) Cr付着量=3mg/m目標とし、それ以外はサンプル2と同等とした。
(サンプル20) Cr付着量=55mg/m目標とし、それ以外はサンプル2と同等とした。
(サンプル21) Si、Fe、Cu、Mn含有量=0.04%目標とし、それ以外はサンプル2と同等とした。
(金属間化合物の分布量)
アルミニウム合金板の表面を鏡面研磨した試片について、任意の10か所をSEMで観察し、得られた反射電子像より金属間化合物の大きさと数量を計測した。Al−Fe系、Mg−Si系などの金属間化合物のうち最大径3μm以上のものの総数を単位面積あたりで算出した。サンプル2(左)及びサンプル16(右)についての画像を図3に示す。サンプル16は、金属間化合物の分布量がサンプル2よりもかなり多いことが分かる。
(耐食性試験)
本発明のAl合金板より2cm×5cmの試片を切り出し、電解液を注入できる空隙を設けた上で導電性ガラスを貼り合わせた。色素増感太陽電池の電解液を模擬した試験溶液として、濃度が0.5mol/Lのヨウ化リチウムと、0.05mol/Lのヨウ素とを含む3−メトキシプロピオニトリル溶液に4-ターシャリーブチルピリジンを添加した溶液を用いた。電解液を注入後、注入口を閉じて完全に密閉した。これを85℃に保持した恒温槽に保管し、腐食発生の有無を目視にて確認した。
(色素増感太陽電池の製作と電池特性の測定)
チタンイソプロポキシドを2mol/Lになるように、有機溶剤ブタノールで希釈したチタンアルコキシド溶液を調整し、チタンアルコキシド溶液100重量部と、二酸化チタン微粒子(構成粒子径は、15〜350nmの汎用チタニア粒子)20重量部を混合して二酸化チタン微粒子ペーストを調整した。
本発明のAl合金板(厚み0.30mm)の上に、上記調整した二酸化チタンのペーストを塗布し、400℃で30分焼成し、酸化物半導体多孔質膜を形成した。その後、純度99.5%のエタノールに分散させたルテニウム錯体色素[Ru(dcbpy)(NCS)]・2HOからなる色素溶液中に18時間漬浸させ、負極を得た。得られた負極の断面のTEM−EDS分析像を図4に示す。図4に参照すると、Al合金中のMgがリン酸クロメート皮膜、酸化物半導体多孔質膜に拡散していることが分かる。
以上のようにして得られた負極と、前記の電解液と、白金を蒸着したITO/PETフィルムで構成される正極とで構成される色素増感型太陽電池を作製した。常法に従い電池の変換効率を求めた。その結果を表1に示す。
サンプル1〜10は、組成と金属間化合物量とリン酸クロメート皮膜が適切であるため、耐食性と電池特性とに優れていた。例えば、サンプル3の電池の変換効率を測定したところ、測定面積1cmで優れた変換効率=1.83%が得られた。
サンプル11〜12は、Mg含有量が少なすぎるため、TiOからアルミニウム合金への電子移動がスムーズに行われず、結果として変換効率も低くなった。
サンプル13は、Mg含有量が多すぎるため、圧延性に劣っていた。
サンプル14〜15は、SiまたはFe含有量が多すぎ、また金属間化合物の分布量が多すぎるため、耐食性に劣っていた。
サンプル16〜17は、CuまたはMn含有量が多すぎるため、耐食性に劣っていた。
サンプル18〜19は、リン酸クロメート皮膜の付着量が少なすぎるため、耐食性に劣っていた。さらに、整流作用の不足により変換効率も劣っていた。
サンプル20は、リン酸クロメート皮膜の付着量が大きすぎるため、耐食性に優れるものの、変換効率は飽和していた。
サンプル21は、金属間化合物の分布量が多すぎるため、耐食性に劣っていた。
本発明に係る色素増感太陽電池の電極材用アルミニウム合金板は基板表層にMgが濃縮することと、リン酸クロメート皮膜が生成されているため電池性能が向上し、また有機溶媒中のヨウ化物イオンに対して高耐食性を示す。その結果、本発明に係るアルミニウム合金板を電極材として用いた色素増感太陽電池は電池特性が良好となり、工業上顕著な効果を奏するものである。
1:透明基板
2:透明導電膜
3a:金属酸化物半導体粒子
3b:光電変換層
3c:負極構造体
4:増感色素
5:電解質
6:アルミニウム合金製基板
8:正極
9:光
10:導電層

Claims (4)

  1. アルミニウム合金板と、前記アルミニウム合金板上に形成されたリン酸クロメート皮膜とを備え、
    前記アルミニウム合金板は、Mgを1.0〜8.0mass%(以下、%と記す。)を含有し、Cu、Si、Fe、Mnの含有量はいずれも0.05%未満であり、残部がAl及び不可避的不純物からなり、前記アルミニウム合金板の表面上の最大径3μm以上の金属間化合物の分布量が20個/mm未満であり、
    前記リン酸クロメート皮膜は、金属Crに換算して5mg/m以上の付着量で形成されている、色素増感太陽電池用電極材。
  2. 前記リン酸クロメート皮膜の付着量は、50mg/m以下である、請求項1に記載の色素増感太陽電池用電極材。
  3. 前記リン酸クロメート皮膜上に形成された酸化物半導体多孔質膜をさらに備え、
    前記リン酸クロメート皮膜と酸化物半導体多孔質膜にMgが拡散している、請求項1又は2に記載の色素増感太陽電池用電極材。
  4. 請求項3に記載の電極材と、この電極材に吸着された色素とを備える、色素増感太陽電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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