以下、図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態に係る画像形成装置5の概略構成を示した図である。図1に示すように、画像形成装置5は、画像を形成する画像形成部100、画像を読み取る画像読取部200、利用者が操作入力するための操作部と操作画面等を表示する表示部とを備えた操作パネル部250を備えている。また。画像形成装置5は、画像形成部100や画像読取部200の動作を制御すると共に、操作パネル部250に対する表示制御を行ったり、操作パネル部250を介して指示入力された情報を受け取ったりする制御部300も備えている。
図2は、画像形成部100の概略構成を示した図である。画像形成部100は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色毎の画像データを生成し、各画像データに基づいて記録媒体(本実施形態では記録用紙P)に画像を形成する。なお、以下では、画像形成部100で行われる画像形成を、印刷と呼称する場合もある。画像形成部100は、画像形成定着部102、給紙部104、及び排紙部106を含んで構成されている。
画像形成定着部102は、Y、M、C、Kの各色のトナー画像を形成する画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを備えている。
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kは、支持ロール34と複数のロール32によって支持された無端状の中間転写ベルト30の進行方向Wに一列に並んで配列されている。また、中間転写ベルト30は、各画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの感光体12Y,12M,12C,12Kと、各感光体12Y,12M,12C,12Kそれぞれに対向して配設される一次転写ロール16Y、16M,16C,16Kと、の間を挿通している。
なお、以降、YMCKを区別する必要がある場合は、符号の後にY、M、C、Kの何れかを付し、YMCKを区別する必要がない場合は、Y、M、C、Kを省略する(図3においても同様)。
各画像形成ユニット10は、感光体12、帯電器13、露光部14、現像器15、及び一次転写ロール16を備えている。
感光体12は、回転駆動され、帯電器13によりその表面が帯電される。本実施形態では、帯電器13が帯電ブラシにより構成されているものとするが、回転体である帯電ロールにより構成されていてもよい。
露光部14は、後述する露光制御部164(図3も参照)の駆動によりレーザ光を発光するレーザ光源を備え、帯電された感光体12にレーザ光を照射して露光し、感光体12の表面に静電潜像を形成する。なお、本実施形態では、レーザ光源を備えた露光部14を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、LED(発光ダイオード)を備え、感光体12に対してLEDから露光光を照射する露光部であってもよい。
感光体12に形成された静電潜像は、現像器15によって現像剤を用いて現像され、YMCK何れかの色のトナー画像となる。なお、本実施形態では、現像剤が、トナー及びキャリアを含む二成分現像剤である場合について説明するが、現像剤は、一成分現像剤であってもよく、更に又、一成分現像剤が、磁性のトナーであってもよいし、非磁性のトナーであってもよい。
本実施形態に係る現像器15は、外側に回転する現像スリーブを有すると共に、現像スリーブの内側に磁極を備え、トナーを保持して回転し、現像領域まで搬送する現像ロールを含んで構成されている。
一次転写ロール16は、感光体12との間で中間転写ベルト30を挟みつつ搬送し、転写バイアスが印加されることによって静電吸着力を発生させて、感光体12に形成されたトナー画像を中間転写ベルト30に一次転写する。一次転写後、感光体12に残留した未転写残留トナーは、不図示のクリーニング装置で除去される。そして、感光体12の表面は、不図示の除電装置によって除電された後、つぎの画像形成サイクルのため、帯電器13で再び帯電される。
本画像形成部100では、各画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの相対的な位置の違いを考慮したタイミングで、上記画像形成工程が各画像形成ユニット10Y,10M,10C,10K毎に行われ、中間転写ベルト30上に、順次、Y,M,C,Kの各色トナー画像が重ねられ、カラーのトナー画像が形成される。また、白黒画像を形成する場合には、K色の単色のトナー画像が中間転写ベルト30上に転写される。
中間転写ベルト30に形成されたトナー画像は、二次転写ロール36によって記録用紙Pに二次転写される。二次転写ロール36は、二次転写位置Aに搬送された記録用紙Pを支持ロール34に支持された中間転写ベルト30とで挟み、印加された転写バイアスによって静電吸着力を発生させて、中間転写ベルト30上のトナー画像を記録用紙Pに二次転写する。
記録用紙Pは、画像形成定着部102の前段に配置された給紙部104の給紙カセット60、61に収容されている。そして、記録用紙Pが、給紙カセット60、61の何れか一方から画像形成定着部102に給紙される。給紙された記録用紙Pは、搬送機構64の複数の搬送ロール66及び位置合わせロール68によって、二次転写位置Aに送られる。そして、前述したように、支持ロール34と二次転写ロール36とによって、中間転写ベルト30からトナー画像が一括して記録用紙Pに転写される。
二次転写の際に記録用紙Pに転写されなかった中間転写ベルト30上の未転写の残留トナーは、クリーニング装置40のクリーニングブレード42で掻き取られ、除去される。
中間転写ベルト30からトナー画像が転写された記録用紙Pは、中間転写ベルト30から分離した後、二次転写位置Aの下流側に配設された搬送ベルト38によって定着部50へと搬送される。
定着部50は、熱伝導性を有する金属性コアの内部にハロゲンランプなどの発熱体を有する加熱定着ロール52を備えている。また、加熱定着ロール52と対になって搬送された記録用紙Pに圧力をかける加圧ロール56も備えている。
そして、未定着のトナー画像が転写された記録用紙Pの面が加熱定着ロール52側となって、記録用紙Pが加熱定着ロール52と加圧ロール56とで把持搬送される際に、熱と圧力とでトナー画像が記録用紙Pに定着する。
定着部50でトナー画像が定着された記録用紙Pは、排紙部106に送られる。そして、排紙部106の排紙機構110によって、記録用紙Pが排紙台72に排出される。
また、本画像形成部100は、一方の面にトナー画像が定着された記録用紙Pの表裏を反転し、再び記録用紙Pを二次転写位置Aへと搬送し、他方の面にも中間転写ベルト30から新たなトナー画像を転写し、記録用紙Pの両面に印刷可能な機構を備えている。
具体的には、記録用紙Pは排紙部106の反転搬送機構70で反転された後、搬送路74を介して搬送機構64に搬送され、再度、搬送機構64によって記録用紙Pの他方の面が中間転写ベルト30側となって二次転写位置Aに送られる。
そして、記録用紙Pの他方の面にトナー画像が転写された後、定着装置50で同様に他方の面にもトナー画像が定着され、排紙部106の排紙機構110によって排紙台72に排出される。
なお、4つの画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの下流側における、中間転写ベルト30の近傍には、中間転写ベルト30の回転方向と交差する方向に沿ってライン状に受光素子が配列されたラインセンサ120も設けられている。ラインセンサ120は、受光素子と共に光源も有し、光源を発光させて読取光を画像に照射し、その反射光を受光素子により受光することにより、中間転写ベルト30に形成された画像を読み取る。ラインセンサ120からは、読取結果としてRGBの各色毎の画像データが出力される。ラインセンサ120は、後述するように、濃度むらの二次元的な分布を示す濃度むら分布情報を抽出するときの抽出用画像を読み取る際に用いられる場合もある。
また、図示は省略するが、中間転写ベルト30近傍には、濃度検出用センサも設けられている。濃度検出用センサは、光源及び受光部を備え、光源を発光させて読取光を画像に照射し、その反射光を受光部により受光することにより、中間転写ベルト30に形成された画像を読み取る。濃度検出用センサからは、読取結果としてRGBの各色毎の画像データが出力される。濃度検出用センサは、例えば、色ずれ調整や現像剤の供給量を調整するための調整処理を行う場合等に用いられる。調整処理は、具体的には、予め定められた調整用の画像を画像形ユニット10によって形成し、濃度検出用センサによって該形成された画像を読み取り、色ずれの具合や濃度等を解析して、4つの露光部14の露光タイミングを調整したり、現像器15に補給する現像剤の量を調整したりする処理をいう。また、濃度検出用センサを、上記濃度むら分布情報を抽出するときの抽出用画像を読み取る際の読み取り手段として、ラインセンサ120の代わりに使用してもよい。
図3は、画像形成装置5の制御系の構成を示す構成図である。
図3に示すように、画像形成部100は、帯電制御部160、感光体制御部162、現像ロール制御部170、一次転写ロール制御部174、二次転写ロール制御部176、定着制御部178、搬送制御部180、及びセンサ制御部184を備えている。帯電制御部160、感光体制御部162、現像ロール制御部170、一次転写ロール制御部174、二次転写ロール制御部176、定着制御部178、搬送制御部180、及びセンサ制御部184の各々は、制御部300に接続され、制御部300からの制御信号により動作する。
帯電制御部160は、帯電器13に対して帯電バイアス電圧を印加する。なお、帯電器13が回転体である帯電ロールを含んで構成されている場合には、帯電制御部160に帯電ロールを回転させるモータを設けて構成する。
感光体制御部162は、感光体モータを備えている。感光体モータは、画像形成ユニット10毎に設けられており、それぞれ対応する各画像形成ユニット10内の感光体12に接続されている。感光体モータが駆動されると、その回転力が感光体12に伝達されて、感光体12の図2で示した矢印方向への回転が行われる。
露光制御部164は、画像形成ユニット10毎に設けられており、それぞれ対応する画像形成ユニット10内の露光部14と接続されている。露光制御部164は、駆動部166及び露光量制御部168を備えている。制御部300は、画像形成部100によって形成すべき画像を表す画像データを記憶するための記憶部を内蔵しており、記憶部に記憶された画像データは、画像形成部100によって画像が形成される際に露光制御部164の駆動部166に供給される。
駆動部166は、制御部300から供給された画像データに基づいて、露光部14のレーザ光源から射出される光ビームをオンオフさせるタイミングを規定する変調信号を生成し、該生成した変調信号に応じたタイミングで露光部14のレーザ光源をオンオフする。また、駆動部166は、オン時の光ビームの光量(露光量)を、露光量制御部168から供給される設定信号に対応する光量にするための駆動電流を生成し、レーザ光源に供給する。
露光量制御部168は、駆動部166の露光量を補正する補正値データを記憶するための記憶部を備えている。制御部300は、補正値データを露光量制御部168に入力し、該記憶部に補正値データを記憶させる。露光量制御部168は、記憶部に記憶された補正値データに応じて露光部14の露光量を補正する。露光量制御部168は基準となる露光量に応じた駆動量設定信号を上記補正値データに応じて変更した駆動量設定信号を生成し、駆動部166に供給する。駆動部166は、供給された駆動量設定信号応じた駆動電流を露光部14に供給する。
ここで、露光量を補正する場合には、基準となる露光量を示す値から補正値データが示す補正値を減算して補正してもよいし、基準となる露光量を示す値に補正値を乗算、加算、或いは除算してもよく、その補正方法は限定されない。ただし、補正値データの各補正値を、補正方法に応じて定める必要がある。露光量制御部168は、補正値で補正した露光量で露光されるように駆動量設定信号を生成して駆動部166に供給する。
なお、露光量の調整は、駆動電流の電流量により調整してもよいが、パルス信号により駆動させるときのパルス幅の変更により調整してもよい。また、露光量の調整を、電圧値により調整してもよい。
現像ロール制御部170は、現像器15に含まれる現像ロールに回転力を与える現像モータと、現像ロールに現像バイアス電圧を印加するバイアス印加部とを備えている。
一次転写ロール制御部174は、画像形成ユニット10毎に設けられており、一次転写ロール16に回転力を与える転写モータを備えている。印刷中は、この転写モータの回転によって、それぞれ対応する画像形成ユニット10内の一次転写ロール16が感光体12の周面に押圧・接触される。また、一次転写ロール制御部174は、バイアス印加部も有している。このバイアス印加部により一次転写ロール16に対して一次転写のためのバイアス電圧が印加される。
二次転写ロール制御部176は、二次転写ロール36に回転力を与える転写モータと、二次転写ロール36に二次転写バイアス電圧を印加するバイアス印加部を有している。印刷中は、二次転写ロール制御部176の転写モータの回転によって、二次転写ロール36が中間転写ベルト30の周面に押圧・接触される。また、二次転写ロール制御部176のバイアス印加部により、二次転写ロール36に対して二次転写のためのバイアス電圧が印加される。
更に、定着制御部178は、定着部50を制御する。具体的には、加熱定着ロール52に含まれる発熱体を発熱させ、また、加熱定着ロール52と加圧ロール56とで記録用紙Pが挟まれて搬送されるように、加熱定着ロール52と加圧ロール56とを駆動する。
搬送制御部180は、搬送モータを備えている。搬送制御部180は、図2を用いて説明した搬送ロール60や位置合わせロール68、支持ロール34等の搬送系182に接続されており、搬送モータが駆動されると、その回転力が搬送系182に伝達されて、中間転写ベルト30の図2で示した矢印W方向への移動、二次転写ロール36を介して排出部106から排出されるまでの搬送経路に沿った記録用紙Pの一連の搬送が行われる。
センサ制御部184は、ラインセンサ120を制御して、中間転写ベルト30上に形成された画像の読取動作を行わせる。読取結果は、制御部300に供給される。
また、図2では図示を省略したが、図3に示すように、画像形成部100には、感光体12や現像ロール等の回転体の回転位置(位相といってもよい)を検出する回転位置検出部(エンコーダ)186が回転体毎に設けられている。回転位置検出部186の各々は、回転体の回転周期に同期してパルス信号を発生する。該パルス信号は制御部300に入力される。
画像読取部200は、読取制御部202と、読取部204とを備えている。読取部204は、光源及び受光部を備え、読取制御部202により制御される。読取部204は、光源を発光させて読取光を画像に照射し、その反射光を受光部により受光することにより、画像形成装置5の予め定められた部分(例えば、不図示のプラテンガラス等)に利用者がセットした原稿の画像を読み取る。画像読取部200からは、読取結果としてRGBの各色毎の画像データが出力される。なお、原稿を読取部204の読取位置まで搬送する搬送機構が設けられている場合には、読取制御部202の制御により該搬送機構を制御して原稿を読取位置まで搬送し、読取部204で原稿の画像を読み取る。読取結果は、制御部300に供給される。
制御部300は、例えば、電子回路等で実現することができる。また、制御部300を、例えば半導体集積回路、より詳しくはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で実現してもよい。更に又、制御部300を、コンピュータにより実現してもよい。本実施形態では、制御部300をコンピュータにより実現する場合について説明する。
図4に、制御部300を実現するコンピュータ302のハードウェア構成図を示す。コンピュータ302は、CPU(Central Processing Unit)304、ROM(Read Only Memory)306、RAM(Random Access Memory)306、画像形成部IF(Interface)310、画像読取部IF312、操作パネル部IF314、及び通信IF316がバス318を介して接続されて構成されている。
CPU304は、ROM306に記憶されているプログラム(後述する濃度むら抽出処理、変換情報生成処理、及び濃度むら補正処理のプログラムも含まれる)を実行する。ROM306には、CPU304が実行するプログラムやCPU304の処理に必要なデータ等が記憶されている。RAM308は、ワークメモリ等として使用される。
なお、CPU304が実行するプログラムを記憶するための記憶媒体は、ROM306に限定されない。例えば、HDD(Hard Disk Drive)やフレキシブルディスクやDVDディスク、光磁気ディスクやUSB(Universal Serial Bus)メモリ等(不図示)であってもよいし、コンピュータ302に通信IF316を介して接続された他の装置の記憶装置であってもよい。
画像形成部IF310は、画像形成部100と接続するためのインタフェースである。また、画像読取部IF312は、画像読取部200と接続するためのインタフェースである。操作パネル部IF314は、操作パネル部250と接続するためのインタフェースである。通信IF316は、通信手段(例えば、電話回線やLAN等のネットワーク等)に接続された他の装置と通信するためのインタフェースである。
本実施形態の画像形成装置5では、画像形成部100が有する複数の回転体(例えば、感光体12や、現像器15内の現像ロール、一次転写ロール16など)の回転により生じる濃度むらを補正する濃度むら補正処理が行われる。
ここで、回転体の回転により生じる濃度むらについて説明する。例えば、感光体12や一次転写ロール16等の回転体を、回転体の回転中心と回転体の断面中心とのずれ(回転軸の偏り)、及び回転体の断面形状の真円形状からのずれ(形状の偏り)等を完全になくした状態で製造するのは困難であり、そうした偏りにより、形成される画像の濃度に変動が生じて二次元的なムラになる。また、回転体を画像形成部100に取り付ける際の取り付け精度により、濃度むらが生じることもある。こうした濃度むらは、回転体の回転に応じて周期的に発生する。また、本実施形態において、画像形成部100では、通常の画像形成の際には、特に各回転体を同期させて回転させる制御は行っていない。従って、通常の画像形成中は、各回転体は非同期で回転する。
本実施形態では、この周期的な濃度むらを補正するために、まず、濃度むらを抽出するための濃度むら抽出用画像(以下、抽出用画像)を形成し、該抽出用画像から各回転体毎の濃度むらの分布を表わす濃度むら分布情報(以下、濃度むらプロファイル)の各々を抽出する。そして、抽出した濃度むらプロファイルから各回転体毎の補正値を生成し、画像形成開始の際に各回転体の位相に合うように各補正値を合成し、該合成値により補正する。濃度むらの補正は、例えば、画像データを補正することにより補正してもよいし、露光部14の露光量を補正することにより補正してもよい。
以下、本実施形態で行われる各処理について詳細に説明する。
図5は、制御部300で実行される濃度むら抽出処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
なお、本実施形態の画像形成部100は複数の画像形成ユニットを備え、カラー画像の印刷が可能な構成となっているが、本実施形態では、濃度むらプロファイルの抽出は、各色毎に行う。従って、画像形成ユニット10毎に抽出用画像を形成し、各画像形成ユニットの回転体毎に濃度むらプロファイルを抽出するものとする。
ステップ400において、利用者が操作パネル部250を操作し、濃度むら抽出モードを選択したか否かを判断する。ここで肯定判断した場合には、濃度むら抽出モードに移行し、ステップ402に進む。
なお、ここでは、濃度むら抽出モードの選択を、利用者が操作パネル部250を操作して行う例について説明したが、これに限定されず、例えば、予め定められた条件を満たした場合(予め定められた枚数印刷する毎、予め定められた時間間隔経過毎、濃度むらのモニタ結果が予め定められた濃度むらの閾値を超えたとき等)に、濃度むら抽出モードが選択されたと判断されるようにしてもよいし、画像形成装置5のカスタマエンジニア等がメンテナンスする場合に操作パネル部250を操作して選択するようにしてもよい。
ステップ402において、抽出用画像が形成されるように画像形成部100を制御する。前述したように、画像形成部100では、通常の画像形成動作において、画像形成ユニット10内の各回転体が同期して回転するように制御されていないため、各回転体は非同期で回転する。また、本実施形態では、濃度むら抽出モードにおいても該通常の画像形成動作の場合と同様に、各回転体が非同期で回転する状態で抽出用画像が形成される。制御部300は、濃度むら抽出モードにおいても通常の画像形成動作と同様の制御信号を、感光体制御部162や、現像ロール制御部170、一次転写ロール制御部174等の回転体の各制御部に出力すると共に、画像形成に必要なバイアス電圧の印加を指示する指示信号も帯電制御部160や現像ロール制御部170、172、一次転写ロール制御部174、二次転写ロール制御部176等に出力する。また、制御部300は、抽出用画像を形成するための画像データも駆動部166に供給する。更に、制御部300は、予め定められた基準の(すなわち未補正の)露光量で露光するための駆動量設定信号が露光量制御部168から駆動部166に供給されるように、露光量制御部168に制御信号を出力する。すなわち、抽出用画像形成時には、濃度むらの補正がされないように制御される。
ここで、抽出用画像は、例えば、A3サイズ全面の単色(Y,M,C,Kの各色)のハーフトーン画像としてもよい。また、A3サイズと異なる他のサイズ(例えばA4サイズ)であってもよい。また、抽出用画像を形成するための画像データは、制御部300のROM306に予め保持されているものとする。なお、制御部300がASICや半導体集積回路等のハードウェアにより実現される場合には、制御部300を構成する内部回路に予め保持させておけばよい。
また、抽出用画像の濃度は複数であっても、特定の1つの濃度だけでも良い。前者の場合は、濃度(画素値)が異なる複数の画像データが駆動部166に供給され、該濃度の異なる複数枚の抽出用画像がそれぞれ形成されることとなる。
複数の濃度に対応する複数の抽出用画像を形成して、複数の濃度についての濃度むらプロファイルを取得するほうが、濃度むらの形状の変化や感度変化等に細かく対応でき、抽出用画像を単一の濃度のみ形成した場合に比べて補正効果が高い。
ここで、形成された抽出用画像に含まれる回転体毎の周長分(1周期分)に対応する画像を周期画像と呼称する。そして、本実施形態では、制御部300は、濃度むらが生じる回転体の各々について複数の周期画像が形成されるように制御する。例えば、A3サイズの抽出用画像に、感光体12の1周期分の周期画像、現像器15の現像ロール4周期分の周期画像を含めることができる場合には、周長の長い感光体12を基準として、少なくともA3サイズの抽出用画像を2枚形成する。なお、抽出用画像の形成枚数が多いほど濃度むらの補正精度が高まるが、形成枚数が多すぎればトナー等の消耗材の消費量が増加するため、例えば装置毎に予め実験等により求めた好適な形成枚数を予め設定しておき、該設定に応じて形成するか、形成枚数の上限及び下限を定めておき、利用者が濃度むら抽出モード開始の際に該上限及び下限の範囲内で抽出用画像の形成枚数を設定し、該設定に応じて形成するようにしてもよい。いずれにしても、濃度むらの要因となる各回転体の周期画像が2以上含まれるように設定する。
更にまた、本実施形態では、制御部300は、濃度むらを抽出する対象の回転体である対象回転体の回転周期に同期した位置に形成する同期画像(以下、同期マークという)が抽出用画像と共に形成されるように画像形成部100を制御する。同期マークは、周期画像の位置合わせのために用いられる。制御部300には、抽出用画像の形成中に回転位置検出部186からパルス信号が入力されるが、制御部300は、該パルス信号に基づいて、各回転体が1周回転する毎に、回転体毎に予め定められた同期マークが抽出用画像上に重ね合わせて形成されるように画像データを生成して、露光制御部164に供給する。連続する2つの同期マークの間に形成された抽出用画像が1周分の周期画像となる。
同期マークは、各回転体毎に識別可能な形式で形成する、例えば、図6(A)では、感光体12の回転周期に同期した同期マークが、抽出用画像において回転体の回転方向(以下、副走査方向という)と交差する方向(以下、主走査方向という)の左端部に形成され、現像器15の現像ロールの回転周期に同期した同期マークが右端部に形成されている。また、同期マークの位置だけでなく、形状や大きさ、濃度を回転体毎に異ならせることにより、各同期マークがどの回転体に対応するかを識別可能に形成してもよい。いずれにしても、同期マークの位置、大きさ、及び形状は、濃度むらプロファイルの抽出に影響が出ない位置、大きさ及び形状とする。
設定枚数だけ抽出用画像を形成した後は、ステップ404において、形成した画像を読み取る。ここでは、制御部300から画像読取部200に制御信号を出力し、記録用紙に形成された抽出用画像を読み取らせる。複数濃度の画像を形成した場合には、各々の画像を読み取らせる。
このように画像読取部200により抽出用画像を読み取る場合には、利用者が、記録用紙に形成された画像を読み取らせるために、該記録用紙をプラテンガラスなどの原稿読取部にセットした状態で、操作パネル部250を操作して読取指示をする必要がある。このため、利用者或いはカスタマエンジニア等が操作パネル部250を操作し、画像読取を指示したか否かを判断し、指示したと判断した場合に、画像を読み取るものとする。
なお、ここでは、画像読取部200により画像を読み取らせる例について説明したが、画像形成装置5に搭載された画像読取部200でなくても、例えば、通信IF316により接続された通信手段上の他の読取装置で読み取らせてもよい。
また、例えば、画像形成部100内部に設けられたラインセンサ120により中間転写ベルト30に形成された抽出用画像を読み取るようにしてもよい。この場合には、制御部300は、ラインセンサ120により中間転写ベルト30上に転写された抽出用画像が読み取られるように、センサ制御部184に制御信号を入力し、中間転写ベルト30上に形成された抽出用画像をラインセンサ120に読み取らせる。読取結果は、制御部300に供給される。この場合、記録用紙に二次転写する必要はない。これにより記録用紙が無駄にならない。また、例えば、感光体12近傍の現像器15下流側に、ラインセンサを設け、感光体12上に形成された現像後の抽出用画像を読み取るようにしてもよい(この場合には、一次転写ロール16の濃度むらプロファイルは抽出されない。)。読取画像の画像データは、制御部300に入力される。
ステップ406では、変数nに1をセットする。この変数nは、濃度むらの抽出対象の回転体を識別するための変数であり、各回転体には1〜N(Nは抽出対象の回転体の総数)の番号の何れかが付与されているものとする。
ステップ408では、ステップ404で読み取った読取画像から、第n番目の回転体(以下、第n回転体という)の同期マークを検出する。
ステップ410では、第n回転体の同期マークを合わせることにより第n回転体の複数の周期画像の位相を合わせ、これらを平均化した平均画像を生成する。この平均画像を表わす情報が、第n回転体の回転による周期的な濃度むらの分布を表わす濃度むらプロファイルとなる。なお、複数の濃度で抽出用画像を形成した場合には、各濃度毎に平均画像を生成して濃度むらプロファイルを抽出する。
ここで、形成された抽出用画像には、第n回転体以外の回転体の濃度むらも含まれることとなるが、前述したように各回転体は非同期で回転しており、互いに周長も異なるため、第n回転体の周期画像の位相を合わせて重ね合わせ(すなわち加算して)平均化すると、その平均画像においては、第n回転体に対して非同期で回転する回転体の濃度むらは各々位相がずれ、分散される(すなわち、濃度むらが薄まる)ことになる。従って、ステップ410における平均化処理により、第n回転体以外の回転体の濃度むらの影響が低減し、第n回転体の濃度むらプロファイルを抽出できる。
ステップ414では、nに1を加算する。
ステップ416では、nが濃度むらの抽出対象の回転体の総数(N)を超えたか否かを判断する。ステップ416で否定判断した場合には、ステップ408に戻り、上記と同様の処理を繰り返す。これにより、濃度むらの抽出対象の回転体の各々の回転による濃度むらプロファイルが抽出される。
ここで、図6を参照し、本実施形態の濃度むらプロファイルの抽出について具体的に説明する。ここでは、濃度むらプロファイルの抽出対象を感光体12及び現像器15とし、一次転写ロール16については濃度むら抽出対象外とした。また、ここでは、A3サイズの抽出用画像を3枚分形成して濃度むら抽出を行う場合について説明する。
図6(A)及び(B)には、抽出用画像と共に、感光体12の同期マーク及び現像器15の現像ロールの同期マークの各々が形成された3枚分の画像形成結果が示されている。なお、図6(A),(B)の各々は模式図であって、形成した抽出用画像に生じた濃度むらの図示は省略した。まず、図6(A)を参照し、感光体12の濃度むらプロファイルの抽出について説明する。
図6(A)に示すように、上記3枚の画像形成結果から、感光体12の同期マークに基づいて、3つの周期画像p_1、p_2、p_3が抽出される。これら周期画像を重ねて平均化すると、現像器15の現像ロールの濃度むらの影響が低減し、感光体12の濃度むら分布を示す濃度むらプロファイルが抽出される。
次に、図6(B)を参照し、現像ロールの濃度むらプロファイルの抽出について説明する。
図6(B)に示すように、上記3枚の画像形成結果から、現像器15の現像ロールの同期マークに基づいて、15個の周期画像m_1_1〜m_1_5、m_2_1〜m_2_5、m_3_1〜m_3_5が抽出される。現像ロールの周長は感光体12の周長より短いため、3枚の抽出用画像に含まれる現像ロールの周期画像の数は、感光体12の周期画像の数より多い。これら現像ロールの周期画像の各々を重ねて平均化すると、感光体12の濃度むらの影響が低減し、現像器15の現像ロールの濃度むら分布を示す濃度むらプロファイルが抽出される。
ステップ416で肯定判断した場合には、ステップ418に進む。
ステップ418では、上記抽出した各濃度むらプロファイルを、該濃度むらプロファイルが示す濃度むらを補正するための補正値の分布情報である補正値データに変換する。ここでいう補正値とは、露光部14の露光量を補正するための補正値(露光補正値)、又は画像データを補正するための補正値(画像データ補正値)をいう。補正値への変換は、読取画像の画素値と露光補正値との関係(図9(A)も参照)を示す情報、又は読取画像の画素値と画像データ補正値との関係(図9(B)も参照)を示す情報を用いる。これらの情報を変換情報と呼称する。なお、前述したように、本実施形態では、読取画像から抽出された周期画像の平均画像の画素値を補正値に変換するときに変換情報が用いられるが、このとき、変換情報の「読取画像の画素値」が平均画像の画素値に適用される。変換情報は、予め或いは濃度むらプロファイル抽出の都度求めておくものとする。
図7に、変換情報を生成する変換情報生成処理ルーチンのフローチャートを示す。ここでは、読取画像の画素値と露光量を補正するための補正値との関係を示す変換情報を生成する場合を例に挙げて説明する。
ステップ600において、制御部300は、変換情報生成用画像を形成するための画像データを露光制御部164に供給して画像形成部100に変換情報生成用画像を形成させる。変換情報生成用画像を形成するための画像データは、制御部300のROM306に予め保持されているものとする。なお、制御部300がASICや半導体集積回路等のハードウェアにより実現される場合には、制御部300を構成する内部回路に予め保持させておけばよい。
変換情報生成用画像は、例えば、図8(A)及び(B)に例示するように、画像データにおける画素値(濃度)が各々同一の複数の小画像(以下、パッチという)を複数個並べた画像とすることができる。なお、各パッチの画像データ上の画素値(濃度)は同一とするが、ここでは露光量の補正値を異ならせて濃度を異ならせる。また、仮に、濃度むら抽出用画像を形成するための画像データ上の画素値を網点面積率Cinで表わしたときの値が50%である場合には、図8(C)に示すように、変換情報生成用画像の各パッチの画像データ上の濃度もCin50%とする(濃度むらの抽出用画像の濃度に合わせる)。このように、ベースとなる画像データの濃度は変えずに、各パッチの露光量の補正値を互いに異ならせる。図8(C)に示す例では、パッチP1〜P5のそれぞれの補正値は、-10、-5、0、+5、+10とされている。なお、基本的には、図8(C)に示すように、各補正値は、何も補正をしない場合の補正値(ここでは0)を基準(中心)として、上下に複数個の補正値を複数のパッチに割り当てるのが好ましいが、割り当て方法をこれに限定するものではない。
制御部300は、駆動部166に対して変換情報生成用画像の画像データを露光制御部164に供給すると共に、変換情報生成用画像に含まれる各パッチの露光量が各々異なるように各パッチの補正値を示す制御信号を露光量制御部168に供給する。
なお、図8(A)、(B)に示す変換情報生成用画像のパッチの並べ方はあくまで一例であって、特に本例に限定されない。また、パッチの個数は5つでなくてもよい。パッチ数が多ければ、トナーの消費量は増えるが、補正の精度は上がる。また、露光量の補正値は、前述したように、露光量の補正方法に応じた値とする。前述したように、基準となる露光量を示す値から補正値データが示す補正値を減算して補正してもよいし、基準となる露光量を示す値に補正値を乗算、加算、或いは除算してもよく、その補正方法は限定されない旨説明した。従って、補正値は、補正方法に応じた値となるように定める必要がある。
また、ここでは、補正が全くなされない場合の補正値を0としたが、補正が全くなされない場合の補正値を100としてもよいし、特に限定されない。更に又、上記例では、各パッチの補正値を、-10、-5、0、+5、+10のように、複数のパッチに均等な間隔で補正値を割り振る例について説明したが、各補正値を均等な間隔で割り振る必要もない。
ステップ602においては、利用者或いはカスタマエンジニア等が操作パネル部250を操作し、画像読取を指示したか否かを判断する。ステップ602において肯定判断した場合には、ステップ604で、制御部300から画像読取部200に制御信号を出力し、記録用紙に形成された画像の各々を読み取らせる。読取結果(読取画像を表わすデータ)は、RGB各色毎の画素値の分布として表わされた画像データであって、制御部300に供給される。なお、ここでは、記録用紙に形成された変換情報生成用画像を読み取る例について説明したが、ラインセンサ120により中間転写ベルト30上に形成された変換情報生成用画像を読み取るようにしてもよい。
ステップ606では、読取画像の画素値と補正値との関係を示す変換情報を生成する(図9(A)も参照)。具体的には、まず、制御部300は、上記得られた読取結果から、各パッチの領域の読取画素値を平均した平均値を求める。そして、上記パッチ形成の際に与えた補正値を横軸(X軸)にとり、上記求めた平均値を読取画像の画素値として縦軸(Y軸)にとってプロットすれば、補正値と画素値の関係が求められる。なお、この変換情報を、ルックアップテーブル形式で保存してもよいし、関数形式で表わすことができる場合には関数形式で表わすようにしてもよい。また、補正値を段階的に変化させてパッチを形成したため、補正値や読み取って得られた画素値が離散的な値となり、その間のデータが不足する場合がある。この場合には、補間処理等を行うことで不足しているデータを補間してもよい。
なお、ここでは、複数のパッチを含む変換情報生成用画像を形成する例について説明したが、図8(D)に示すように、変換情報生成用画像を、全面ハーフトーン画像(画像データの画素値が全画素同一の1頁分の画像)を、複数枚(図ではG1〜G5の5枚が例示されている)形成するようにしてもよい。この場合には、1枚1枚、露光量が異なるように補正値を異ならせる。そして、ステップ606では、全面ハーフトーン画像の読取結果から、各画素値を平均した平均値を求め、該平均値と補正値との関係を求めればよい。
上記説明した処理により、画素値と補正値との関係を示す変換情報が生成される。なお、ここでは、補正値が露光補正値である場合について説明したが、これに限定されず、例えば、補正値が画像データ補正値であっても上記と同様に、各パッチ(或いは各全面ハーフトーン画像)の画像データの画素値を画像データ補正値により段階的に変化させて駆動部166に供給して、変換情報生成用画像を形成し、該形成された画像を読み取って得られた画素値と補正値との関係を示す変換情報を生成すればよい(図9(B)も参照)。画像データを補正する場合には、出力する画像データから画像データ補正値を減算して補正してもよいし、出力する画像データに画像データ補正値を乗算、加算、或いは除算してもよく、その補正方法は限定されない。ただし、画像データ補正値が、補正方法に応じた値となるようにする必要がある。
変換情報生成処理は、前述したように予め(例えば画像形成装置5の製造出荷時や、画像形成装置5の使用開始から予め定められた時間が経過する毎、予め定められた枚数の記録媒体が形成される毎、予め定められた時刻が到来したとき、予め定められた閾値を超える濃度むらが生じたとき等に)生成しておくようにしてもよいが、経時的な変化に細やかに対応するため、濃度むら抽出モードを実行する度に行うようにしてもよい。濃度むら抽出モードを実行する度に変換情報生成処理を行う場合には、図5のステップ418の前に変換情報生成処理が実行されればよい。従って、例えば、ステップ400とステップ402との間に変換情報生成処理が実行されるようにしてもよいし、ステップ414とステップ418との間に変換情報生成処理が実行されるようにしてもよい。
ステップ418では、上記生成された変換情報を用いて濃度むらプロファイルを補正値に変換する。変換後の補正値の分布情報である補正値データは、予め定められた記憶手段に記憶される。ここで、補正値データを間引いて低解像度にしてから記憶してもよい。記憶容量の削減につながると共に、高周波の濃度むらはほとんど存在しないためである。
ステップ420では、濃度むら抽出モードを終了する。
その後、利用者により指定された印刷を行う場合には、制御部300は、上記生成した補正値データを用いて濃度むらを補正して画像を形成する。図10に、露光補正値に基づいて補正する場合の濃度むら補正処理ルーチンのフローチャートを示す。
ステップ500において、制御部300は、回転体(要因)毎の補正値データを合成し、1つの補正値データを生成する。合成処理の詳細は後述する。
ステップ502において、制御部300は、合成した光量の補正値データを、露光制御部164(の露光量制御部168の記憶部)に書き込む。ステップ502における合成処理の詳細は図11を用いて後述する。
ステップ504において、制御部300は、利用者により指定された印刷を行うための画像データを駆動部166に供給して、画像形成部100に画像形成を開始させる。画像形成においては、露光量制御部168により、上記書き込まれた補正値データに応じて駆動量設定信号が生成され、駆動部166に供給される。これにより、駆動部166の露光量が補正される。
図11に、上記ステップ500の合成処理の一例を具体的に説明する。
ステップ550において、回転体に対応した補正値データを読み込む。
ステップ552において、補正値データに対して二次元補間処理(主走査方向及び副走査方向の各々の補間処理)を行うことにより、低解像度の補正値データを、出力(印刷)する画像データの解像度に合わせた解像度に変換する。
ステップ554においては、各要因(回転体)について、二次元補間処理が完了したか否かを判断する。ステップ554において否定判断した場合には、ステップ550に戻り、残りの回転体について補正値データを読み込んで、上記処理を繰り返す。
一方、ステップ554において肯定判断した場合には、ステップ558に進む。
ステップ556において、読み込んだ補正値データに対応する回転体の、現在の回転位置(位相)を回転位置検出部186により検出し、補正値データが、現在の位相に対応するように補正値データの各補正値の先頭アドレスを確定する(以下、この処理を位置同期という)。
ステップ558においては、上記各回転体の補正値データを各補正値データの先頭アドレスを揃えて合成する。これにより最終的な補正値データが得られる。なお、位置同期から画像形成を開始するまでの時間により、実際の濃度むらと補正値データとの間の位置ずれが生じることがあるため、該時間は十分に短い必要がある。ソフトウェアで合成を行う場合においても、バッチ処理(まとめて一括処理する形態)ではなく、パイプライン的な処理(逐次的に処理する形態)によって、合成されたデータを逐次画像形成に送出できる形態が望ましい。また、ここでは同様の理由により、各要因毎の補正値データの合成直前に位置同期を行うようにしている。
ここでは、位置同期、合成、及び露光制御部164への書き込みを制御部300が行う例について説明したが、これに限定されない。例えば、位置同期、合成及び書き込みを行うための回路を別途設け、ハードウェア処理してもよい。また、この回路を、露光制御部164内に設けてもよい。また、図10及び図11で示した各処理を行うための電子回路を設け、該電子回路で上記各処理を実現してもよい。また、上記処理を、半導体集積回路、より詳しくはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で実現してもよい。
なお、露光量ではなく画像データを補正する場合には、以下のように行う。図12に、画像データ補正値に基づいて補正する場合の濃度むら補正処理ルーチンのフローチャートを示す。
ステップ520において、制御部300は、回転体(要因)毎の補正値データを合成し、1つの補正値データを生成する。合成方法は前述した通りである。
ステップ522において、制御部300は、合成した補正値データで、出力する画像データの画素値を補正する。出力する画像データとは、利用者により印刷が指定された画像データ(例えば、他の装置から送信され印刷指示された画像データや複写指定された原稿を読み取って得られた画像データ)のことであり、制御部300は、この画像データから合成した補正値データを減算することによって補正する。
ステップ524において、制御部300は、補正した画像データを駆動部166に供給して、画像形成部100に画像形成を開始させる。これにより、補正した画像データに基づいて露光が実施される。
なお、この場合も、上記と同様、位置同期、合成、及び補正値データによる画像データの補正を電子回路等によりハードウェア処理してもよい。同様に、図11及び図12で示した各処理を行うための電子回路を設け、該電子回路で上記各処理を実現してもよい。また、上記処理を、半導体集積回路、より詳しくはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で実現してもよい。
なお、特定濃度(特定画素値)の画素が並んだ全面ハーフトーンの抽出用画像のみを形成して補正値データを求めた場合には、該特定濃度以外の他の濃度の補正値データは存在しない。この場合には、利用者が印刷指定した画像データにおける各画素値に対して同じ補正値データの補正値を用いるようにしてもよいが、画素値に応じて、補正値に予め定められた係数を乗じて用いてもよい。補正値に乗じる係数は、抽出用の全面ハーフトーン画像とは別に、互いに濃度が異なる複数の小画像を含む階調画像を形成し、小画像の各々を読み取って、基準となる全面ハーフトーン画像の濃度(特定濃度)と比較し、特定濃度と各小画像の濃度との比率に対応する係数の各々を、各小画像の濃度の上記補正値に乗算する係数として設定する。そして、利用者が印刷指定した画像データを印刷したときの各画素値(濃度値)に対応して設定された係数を補正値に乗算して用いる。
また、複数濃度の抽出用画像を形成して該複数濃度の各々に対応する補正値データを求めた場合にも、該形成した濃度以外の濃度について、上記と同様に予め係数を求めて用いればよい。
[第2実施形態]
第2実施の形態の画像形成装置の構成、画像形成部の構成、及び制御部のハードウェア構成は、第1実施の形態の画像形成装置5の構成、画像形成部100の構成、及び制御部300のハードウェア構成と同様とする。
図13は、第2実施形態の制御部300で実行される濃度むら抽出処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
なお、本実施形態においても、濃度むらプロファイルの抽出は、各色毎に行う。すなわち、画像形成ユニット10毎に抽出用画像を形成し、各画像形成ユニットの回転体毎に濃度むらプロファイルを抽出するものとする。また、ここでは、二次転写ロール36に起因する濃度むらはほとんど発生せず無視できる程度のものとして説明する。
ステップ450において、利用者が操作パネル部250を操作し、濃度むら抽出モードを選択したか否かを判断する。ここで肯定判断した場合には、濃度むら抽出モードに移行し、ステップ452に進む。なお、第1実施形態のステップ400と同様に、濃度むら抽出モードの選択方法及びタイミングは、利用者が操作パネル部250を操作して選択する例に限定されず、様々な選択方法及びタイミングが考えられる。
ステップ452において、変数nに1をセットする。この変数nは、濃度むらの抽出対象の回転体を識別するための変数であり、各回転体には1〜N(Nは抽出対象の回転体の総数)の番号の何れかが付与されているものとする。
ステップ454においては、第n回転体を濃度むらの抽出対象の回転体(対象回転体)として、濃度むらの抽出用画像が形成されるように画像形成部100を制御する。ここでは、第n回転体以外の回転体(非対象回転体)の各々については、各回転体毎に予め定められた特定部分のみが抽出用画像の形成に使用されるように制御する。なお、特定部分の副走査方向(周方向)の長さは、第n回転体の周長未満とする。また、抽出用画像の副走査方向の長さは、特定部分の長さに等しくなる。制御部300は、該特定部分の周方向の長さに等しい長さの抽出用画像を形成するための画像データを、間欠的に露光制御部164に供給することで、各回転体を回転させながら、非対象回転体の特定部分のみが抽出用画像の形成に使用されるように制御する。
また、第n回転体と第n回転体以外の非対象回転体とは非同期で回転するが、濃度むらが生じる非対象回転体が複数存在する場合には、これら複数の非対象回転体の各々が、同期して回転し、抽出用画像を形成するときに使用される特定部分の副走査方向の長さが、非対象回転体の各々で互いに等しくなるように、回転を制御する(制御部300から回転を制御する制御信号が画像形成部100に供給される)。
例えば、感光体12を抽出対象の回転体とし、現像器15の現像ロール及び一次転写ロール16の各々を非対象回転体とした場合には、制御部300は、現像ロール及び一次転写ロール16の各々は感光体12に対して非同期で回転し、現像ロールと一次転写ロール16とは互いに同期して回転するように制御する。制御部300は、例えば、現像ロールの回転速度を制御して、互いに同期して回転するように制御する。また、制御部300は、感光体12において、現像ロールの特定部分に接する部分のみが帯電されるように帯電器13を制御すると共に、感光体12において、現像ロールの特定部分に接する部分が露光されるように、露光制御部164に抽出用画像の画像データを供給する。
なお、例えば、一次転写ロール16に濃度むらがほとんど発生しない場合には、現像ロール及び一次転写ロール16の回転を同期させる必要はない。
このように、第n回転体と非対象回転体とは非同期で回転するため、各回転体が回転して抽出用画像を形成する毎に、抽出用画像の形成に使用される第n回転体の表面位置が徐々にずれていく。各回転体をある程度回転させることにより、複数の抽出用画像が形成され、少なくとも第n回転体の副走査方向全域が抽出用画像の形成に使用されたところで、抽出用画像の形成を終了する(ステップ456、Y)。
ステップ456において、少なくとも第n回転体の周長分(1周期分)の抽出用画像が形成されたか否かを判断する。ステップ456で否定判断された場合には、ステップ454に戻り、抽出用画像の形成を継続する。ステップ456で肯定判断した場合には、ステップ458に進む。
ステップ458において、形成された複数の抽出用画像を読み込む。読み込み方法は、第1実施形態で説明したステップ404と同様に行えばよいため、ここでは説明を省略する。
ステップ460において、複数の抽出用画像を読み取った読取画像の各々の端部を揃えて重ね合わせて平均化した平均画像を生成する。複数の抽出用画像は、非対象回転体の固定位置(特定部分)を使用し、第n回転体(対象回転体)の異なる位置を使用して形成されたものであるため、読取画像の各々を平均した平均画像は、第n回転体の回転に起因する濃度むらの影響が略除去された、非対象回転体の特定部分の濃度むらプロファイルを表わす画像となる。
ステップ462において、読取画像の各々から平均画像を減算する(読取画像の各画素の画素値から平均画像の画素値を減算する)。これにより、各読取画像における非対象回転体に起因する濃度むらの影響が小さくなる。
ステップ464において、平均画像を減算した読取画像の各々を整列する。具体的には、該読取画像の各々を、第n回転体の副走査方向の位相(回転位置)に対応する位置に配置する。なお、抽出用画像の形成位置は予め定められており、読取画像の配置位置は、抽出用画像の形成位置に対応するため、対応する抽出用画像の形成位置に応じて配置すればよい。抽出用画像の形成位置を示す位置情報を、予めROM306等の記憶手段に記憶しておき、抽出用画像の形成時だけでなく、ステップ464の実行の際にも該位置情報を読み出して用いればよい。このように複数の読取画像を配置して生成された配置画像の情報を第n回転体の1周分の濃度むらプロファイルとして保存する。なお、複数の読取画像を整列させたときに、隣り合う読取画像同士で副走査方向に重なり合う重なり部分(オーバーラップ部分)が存在する場合には、該重なり部分の各画像の平均をとるものとする。
なお、オーバーラップ部分はなくても良いが、抽出用画像を読み取る際、抽出用画像のエッジ部の読取は誤差が出やすいため、意図的にオーバーラップ部分が生成されるように、非対象回転体の特定部分の副走査方向の長さ(抽出用画像の副走査方向の長さ)を予め定めておき、複数の抽出用画像を形成するようにしてもよい。
ここで、図14の模式図を用いて、第n回転体の濃度むらプロファイルを抽出するときの手順を説明する。ここでは、濃度むら抽出対象の回転体(第n回転体)が、感光体12であり、非対象回転体が現像器15の現像ロールである場合について説明する。
(1)現像ロールにおいては、特定部分のみが使用され、感光体12においては、上記現像ロールの特定部分が接する部分が用いられて抽出用画像が形成される。図14には、感光体12の周長が190mm、現像ロールの周長が40mm、現像ロールの特定部分の副走査方向の長さが10mmの場合の抽出用画像の形成状態が例示されている。図14に示すように、各抽出用画像は、感光体12の異なる部分が使用されて形成される。この例では、感光体12及び現像ロールの周長と特定部分のサイズとから、19個の抽出用画像が形成されれば、感光体12の1周期分の濃度むらプロファイルが生成できる。感光体12において、現像ロールの特定部分に接しない部分は、抽出用画像が形成されない。
(2)抽出用画像の形成後は、該形成した複数個(ここでは19個)の抽出用画像が読み取られる。抽出用画像が形成されてない部分については画像の読み取りはなされない。
(3)読み取って得られた読取画像R_1…R_19の平均画像R_aveが求められる。換言すれば、平均画像R_aveは、現像ロールの特定部分の濃度プロファイルを平均化したものである。
(4)読み取って得られた読取画像R_1…R_19の各々から平均画像R_aveが減算される。これにより各読取画像から現像ロールの濃度むらが除去される。
(5)読取画像R_1…R_19の各々から平均画像R_aveを減算した画像R_1-R_ave、R_2-R_ave…R_19-R_aveの各々を整列する。図14に示すように、画像R_1-R_ave、R_2-R_ave…R_19-R_aveの各々が、感光体12の副走査方向の位相に対応する位置に配置される。
なお、前述したように、画像R_1-R_ave、R_2-R_ave…R_19-R_aveを整列させたときに、隣り合う画像同士で副走査方向に重なり合う重なり部分(オーバーラップ部分)が存在する場合には、該オーバーラップ部分については、各々の画像の平均をとるものとする。
(6)画像R_1-R_ave、R_2-R_ave…R_19-R_aveを整列(配置)して得られた配置画像のデータが、感光体12の1周期分の濃度むらプロファイルとして保存される。
ステップ454〜ステップ464までの処理が、第n回転体の濃度むらプロファイルの抽出処理に相当する。なお、濃度が異なる複数の抽出用画像を形成した場合には、各濃度毎に第n回転体の濃度むらプロファイルが抽出(生成)される。
次に、ステップ466において、第n回転体の濃度むらプロファイルを、該濃度むらプロファイルが示す濃度むらを補正するための補正値の分布情報である補正値データに変換する。補正値への変換は、第1実施形態で説明したように生成された変換情報を用いて行われる。変換後の補正値の分布情報である補正値データは、予め定められた記憶手段に記憶される。
ステップ468では、nに1を加算する。
ステップ470では、nが濃度むらの抽出対象の回転体の総数(N)を超えたか否かを判断する。ステップ470で否定判断した場合には、ステップ454に戻り、上記と同様の処理を繰り返す。これにより、濃度むらの抽出対象の回転体の各々の回転による濃度むらプロファイルが抽出される。
ステップ472では、濃度むら抽出モードを終了する。
その後、利用者により指定された印刷を行う場合には、制御部300は、上記生成した補正値データを用いて濃度むらを補正して画像を形成する。補正方法は、第1実施形態において、図10〜図12を参照して説明した処理と同様に行えばよいため、ここでは説明を省略する。
次に、対象回転体の1周期分に相当する複数の抽出用画像を形成するときの形成量を導出する手法を、図15を参照し、具体的な例を挙げて説明する。なお、ここでは、感光体12の周長が、264mmとし、現像ロールの周長が54mm、一次転写ロール16の周長が70mmであって、濃度むらの抽出対象の回転体が感光体12であるものとして説明する。非対象回転体が現像ロール及び一次転写ロール16であるため、この2つの回転体の周期が等しくなるように、現像ロール及び一次転写ロール16の少なくとも一方の回転速度を変更し、同期して回転させる。例えば、現像ロールの回転速度を低下させ、現像ロールの周期を一次転写ロール16の周期に合わせる。
そして、本例では、一次転写ロール16の周長に合わせ、副走査方向に隣り合う2つの抽出用画像の先端位置の間隔が70mmとなるように各抽出用画像を形成するものとする。一方、感光体12の周長は264mmであるため、一次転写ロール16の回転数をC(Cは整数)とすると、少なくとも「264mm<70mm×C」を満たす最小のCの値(C=4)だけ一次転写ロール16を回転させれば、一次転写ロール16の使用領域は、感光体12の1周期以上の領域になる。
ここで、一次転写ロール16の周長の4倍の280mmと感光体12の周長264mmとの差分16mmが、感光体一周あたりの感光体表面位置に対する抽出用画像の形成位置のずれ量になる。そこで、抽出用画像の副走査方向の長さ(一次転写ロール16の特定部分の副走査方向の長さ)を16mmに設定すると、感光体12が1回転する毎に、感光体12における抽出用画像の形成位置が、抽出用画像の副走査方向の長さ分だけずれていくこととなり、感光体12の一周分に相当するデータが隙間なく収集される。抽出用画像の形成数は、264/16=16.5回で、合計17個の抽出用画像を形成すれば、感光体12の1周分の濃度むらプロファイルを生成できる。なお、濃度むらプロファイルの生成(抽出)方法は、上記図13を参照して説明した通りであるため、説明を省略する。
なお、抽出用画像の縁部(エッジ部)は読み取り精度が悪くなることがあるため、オーバーラップ部として、例えば2mm程度を付加してもよい。すなわち、抽出用画像を16+2=18mmの幅で形成するようにすればよい。
ここでは、対象回転体の周長が非対象回転体の周長より長い場合について説明したが、対象回転体の周長が非対象回転体の周長より短い場合でも、同様に制御して、濃度むらプロファイルを抽出すればよい。例えば、上記説明した一次転写ロール16を対象回転体とし、感光体12を非対象回転体とする場合を考える。この場合も、図16に示すように、一次転写ロール16の周長の4倍の280mmと感光体12の周長264mmとの差分16mmを抽出用画像の副走査方向の長さ(感光体12の特定部分の副走査方向の長さ)とすることができる。そして、この場合には、感光体12の周長に合わせ、264mm間隔で抽出用画像を形成する。これにより、抽出用画像を形成する毎に、一次転写ロール16における抽出用画像の形成位置が、抽出用画像の副走査方向の長さ分だけずれていくこととなる(図16の抽出用画像B_1からB_5も参照)。これにより、図16に示すように、70/16=4.4で、合計5個の抽出用画像を形成すれば、一次転写ロール16の1周分の濃度むらプロファイルを生成できる。なお、濃度むらプロファイルの生成(抽出)方法は、上記図13を参照して説明した通りであるため、説明を省略する。
また、対象回転体の周長が、非対象回転体の周長より長い場合に、以下のように抽出用画像を形成して濃度むらプロファイルを抽出してもよい。ここでは、非対象回転体の周方向全域を上記特定部分として使用し、抽出用画像の副走査方向の長さを非対象回転体の周長に等しい長さとする。そして、少なくとも「対象回転体の周長<非対象回転体の周長×C」を満たす最小のCの値だけ非対象対象回転体を回転させてC個の抽出用画像を連続的に形成させる。そして、図13を参照して説明したように、C個の抽出用画像を読み取った読取画像を平均化し、該平均画像を各読取画像から減算する。そして、該読取画像を非対象回転体の位相に合わせて整列させれば、対象回転体の濃度むらプロファイルが生成される。図17に一例を示した。一次転写ロール16の周長を70mmとし、感光体12の周長を264mmとしたときに、一次転写ロール16の周方向全域を上記特定部分として用いて、抽出用画像を形成する。この場合には、4個の抽出用画像を形成すれば、感光体12の周方向全域がカバーされる。
また、第2実施形態では、上記非対象回転体の特定部分を用いて複数の抽出用画像を間欠的に形成する例について説明したが、これに限定されない。例えば、濃度むらを抽出するためのハーフトーン画像を連続的に形成し、該形成された画像全体を読み取った全体読取画像から、上記特定部分に対応する画像部分の各々を抽出用画像の読取画像として抽出し、該抽出した複数の読取画像の平均画像を複数の読取画像の各々から減算し、これらを整列して対象回転体の濃度むらプロファイルを生成してもよい。また、例えば、濃度むらを抽出するためのハーフトーン画像を連続的に形成し、該形成された画像のうち、上記特定部分に対応する画像部分の各々を選択的に読み取り、該読み取った複数の読取画像の各々の平均画像を生成して、該複数の読取画像から減算し、これらを整列して対象回転体の濃度むらプロファイルを生成してもよい。
なお、上記第1実施形態及び第2実施形態では、タンデム型の画像形成部100を例に挙げて説明したが、画像形成部100は、上記タンデム型の構成に限定されない。例えば、図18に示すように、回転式の現像装置718が設けられた画像形成部710であってもよい。
感光体712は図示しないモータで矢印Aの方向に回転されるように設けられている。感光体712の周囲には、帯電ロール714、露光装置716、現像装置718、一次転写器732、及びクリーニング装置722が配置されている。
帯電ロール714は、感光体712の表面を帯電し、露光装置716は、画像データに応じて、帯電した感光体712の表面をレーザビームによって露光して静電潜像を形成する。
現像装置718には、C、M、Y、K色のトナーを用いる現像器718Y、718M、718C、718Kが周方向に沿って配置されており、各々現像ローラ720を備え、内部に各々C,M,Y,Kの色のトナーを貯留している。各現像器718Y,718M,718C,718Kは、感光体712上の静電潜像をそれぞれC,M、Y、K色のトナーで現像する。現像する際には、図示しないモータによって現像装置718を回転させ、当該現像器が感光体712の潜像画像に対向するように位置合わせされる。
感光体712上に現像された各トナー画像は、一次転写器732によって矢印B方向に回転される中間転写ベルト724に順次転写されて、各トナー画像が重ね合わされる。
記録用紙収納部734から引き出しロール736で搬送路に引き出された記録用紙Pはロール対738,740によって2次転写ロール742の転写位置に搬送される。中間転写ベルト724上に形成されたトナー像はこの転写位置で記録用紙P上に転写され、定着装置744で熱定着されて不図示の排出部に排出される。
また、上記実施形態では、カラー画像の形成が可能な画像形成部100について説明したが、これに限定されず、例えば画像形成ユニットが1つ設けられたモノクロ印刷のみが可能な画像形成部であってもよい。
なお、画像形成装置5に設けられた制御部300で濃度むらプロファイルを抽出して補正値データを生成する機能を実行する上記例に限定されず、例えば、画像形成装置5と通信手段を介して通信可能な外部の装置を上記制御部300としても機能させ、該外部の装置で濃度むらプロファイルの抽出及び補正値データの生成を行うようにしてもよい。