JP2013148542A - 蛍光測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】励起光波長を変更した蛍光測定を高測定効率で実現するとともに、装置の小型化も可能にする。
【解決手段】蛍光測定装置1は、励起光を生成する励起光源部3と、励起光を一端部から他端部に導光するとともに、励起光の照射に応じて試料Sにおいて発生した蛍光を、他端部から一端部に導光する導光部5と、蛍光を検出する光検出部7と、励起光源部3から出射された励起光を分光して導光部5の開口5cに向けて出力するとともに、導光部5の開口5cから出射された蛍光を分光して光検出部7に向けて出力する反射型回折格子部9と、励起光源部3から出射される励起光の光軸L1、及び導光部5の開口5cから出射される蛍光の光軸L2に対する角度を変更可能なように、反射型回折格子部9を揺動させるモータ13bと、反射型回折格子部9に対する位置を変更可能なように光検出部7を移動させるモータ13dとを備える。
【選択図】図1
【解決手段】蛍光測定装置1は、励起光を生成する励起光源部3と、励起光を一端部から他端部に導光するとともに、励起光の照射に応じて試料Sにおいて発生した蛍光を、他端部から一端部に導光する導光部5と、蛍光を検出する光検出部7と、励起光源部3から出射された励起光を分光して導光部5の開口5cに向けて出力するとともに、導光部5の開口5cから出射された蛍光を分光して光検出部7に向けて出力する反射型回折格子部9と、励起光源部3から出射される励起光の光軸L1、及び導光部5の開口5cから出射される蛍光の光軸L2に対する角度を変更可能なように、反射型回折格子部9を揺動させるモータ13bと、反射型回折格子部9に対する位置を変更可能なように光検出部7を移動させるモータ13dとを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、試料に励起光を照射して得られた蛍光を測定する蛍光測定装置に関する。
従来から、試料の蛍光を観察する際に、試料への励起光の照射とそれに応じた蛍光の検出の機能が一体化された測定装置が用いられている。例えば、励起光を発する光源と、励起光を分光する第1の分光器と、試料が発した蛍光を分光する第2の分光器と、第2の分光器で分光された蛍光を検出する検出器とを有する測定装置が知られている(下記特許文献1参照。)。また、励起光源の励起光を光ファイバを介して試料に照射し、試料が発する蛍光を光ファイバを介して分光器で受光し、分光器によって反射された光を光検出器で検出する測定装置も知られている(下記特許文献2参照。)。さらに、光源から発せられた励起光を光ファイバの入射端面に導くことにより光ファイバの出射端面に結合した試料に照射するとともに、試料から光ファイバを経由して導かれた蛍光を蛍光検出器に導くように構成されたプリズムを有する測定装置も知られている(下記特許文献3参照。)。また、励起源からの励起光と試料によって拡散されたエネルギーを同一のスペクトル分散システムで分光するラマン分光装置も知られている(下記特許文献4参照。)。
しかしながら、上記特許文献1に記載の測定装置では、光源からの励起光と試料からの蛍光が別々の分光器によって分光されているために構造が複雑化して装置が大型化する傾向にある。また、通常は試料と測定装置との間における励起光及び蛍光の導光用に分岐ファイバを用いるため、励起光及び蛍光の光量ロスが発生して測定効率が十分得られない傾向にある。
上記特許文献2に記載の測定装置では、励起光及び蛍光の導光用に共通の光ファイバが使用されてはいるが、励起光用の分光手段が設けられておらず、励起光の波長を変更する際には所望の波長域の励起光源を選択する必要がある。また、取得する蛍光波長領域の変更や、励起光の波長変更による蛍光波長の変更等、取得する蛍光の波長変更に応じた分光器や光検出器の調整手段も備えられていない。つまり、励起光や蛍光の波長を変更する蛍光測定を想定しておらず、そのような蛍光測定が事実上困難である。
また、上記特許文献3に記載の測定装置では、分光器としてプリズムが用いられているために、励起光及び蛍光の波長が変更された場合に分光器自体の交換を必要とし、励起光や蛍光の波長を変更する蛍光測定が困難である。
さらに、下記特許文献4に記載の分光装置では、励起光と試料によって拡散されたエネルギーとが同一のスペクトル分散システムで分光されている。しかしながら、この分光装置では、選択光学系の使用により光量ロスが大きく、光路が複数の光学部材で形成されていて複雑化されており、装置が大型化しやすい構成となっている。さらに、光ファイバ等の導光手段が存在しないために光量ロスやノイズ混入が生じやすい。また、この分光装置はラマン光を分析するためのものであり、蛍光測定、特に励起光や蛍光の波長を変更する蛍光測定には対応していない。
そこで、本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、励起光や蛍光の波長を変更する蛍光測定を高測定効率で実現するとともに、装置の小型化も可能にした蛍光測定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の蛍光測定装置は、励起光を生成する光源部と、励起光を一端部から他端部に導光するとともに、励起光の照射に応じて試料において発生した蛍光を、他端部から一端部に導光する導光部と、蛍光を検出する光検出部と、光源部から出射された励起光を分光して導光部の一端部に向けて出力するとともに、導光部の一端部から出射された蛍光を分光して光検出部に向けて出力する反射型回折素子部と、光源部から出射される励起光の光軸、及び導光部の一端部から出射される蛍光の光軸に対する角度を変更可能なように、反射型回折素子部を揺動させる揺動機構と、反射型回折素子部に対する位置を変更可能なように光検出部を移動させる移動機構と、を備える。
このような蛍光測定装置によれば、光源部から出射された励起光が、反射型回折素子部によって分光された後に導光部の一端部から他端部に導光されることにより試料に照射される。これに対して、試料から発生した蛍光が、導光部の他端部から一端部に導光された後に、反射型回折素子部によって分光された後に光検出部に入射することによって検出される。このように、共通の反射型回折素子部によって励起光及び蛍光を分光する構成により装置の小型化が容易となるとともに、導光部が励起光及び蛍光の導光用に共用されるために、いずれも光量ロスが低減されて測定効率が向上する。また、揺動機構によって反射型回折素子部を揺動させることで、光源部から導光部に導入される励起光の波長が変更可能にされることに加え、移動機構によって光検出部を移動させることによって、反射型回折素子部からの蛍光のうち、所望の波長の蛍光を光検出部に確実に入射させることができる。その結果、励起光や蛍光の波長を変更する蛍光測定を容易に実現できる。
上記の蛍光測定装置においては、光源部と導光部とが固定される筐体を更に備え、揺動機構は、筐体によって支持された第1の軸部材を備え、反射型回折素子部を第1の軸部材を中心にして揺動可能に保持しており、移動機構は、筐体によって支持された第2の軸部材を備え、光検出部を第2の軸部材を中心にして回転移動可能に保持している、ことが好適である。かかる構成を採れば、揺動構造および移動構造が簡素化できるために、装置の小型化及び励起光や蛍光の波長を変更する蛍光測定が容易となる。
また、第1及び第2の軸部材は、同軸上に配置されている、ことも好適である。こうすれば、反射型回折素子部と光検出部との位置関係の調整がより容易な構造で実現できるので、装置の小型化及び励起光や蛍光の波長を変更する蛍光測定が容易となる。
さらに、揺動機構及び移動機構は、揺動機構駆動部及び移動機構駆動部を備え、揺動機構駆動部及び移動機構駆動部は筐体に対して固定されている、ことも好適である。この場合、揺動機構駆動部と反射型回折素子部、及び移動機構駆動部と光検出部とが近接配置されるので、装置が小型化されるとともに、反射型回折素子部の角度調整、及び光検出部の位置調整が安定化される。
また、揺動機構駆動部と移動機構駆動部とを制御する制御部をさらに備え、制御部は、揺動機構駆動部による角度の変更に応じて、移動機構駆動部による位置の変更を行う、ことも好適である。かかる制御部を備えることで、励起光の波長変更に応じて、適切な位置に光検出器を配置することができるので、励起光や蛍光の波長を変更する蛍光測定が容易となる。
またさらに、光検出部と反射型回折素子部との間に配置されたスリット部材或いはアパーチャ部材を更に備える、ことも好適である。かかるスリット部材或いはアパーチャ部材を備えれば、測定信号におけるノイズの影響を抑制して、所望の波長の蛍光が検出可能にされる。
さらにまた、導光部の一端部と反射型回折素子部との間に配置されたスリット部材或いはアパーチャ部材を更に備える、ことも好適である。かかるスリット部材或いはアパーチャ部材を備えれば、励起光へのノイズの混入を抑制して、所望の波長の励起光を用いた蛍光測定が可能にされる。
本発明によれば、励起光や蛍光の波長を変更する蛍光測定を高測定効率で実現するとともに、装置の小型化も可能にする。
図1は、本発明の好適な一実施形態に係る蛍光測定装置1の内部構成を示す斜視図、図2は、図1の蛍光測定装置1の使用状態を示す平面図、図3は、図1の反射型回折格子部9の詳細構造を示す平面図、図4は、図1の蛍光測定装置1の側面図である。図1及び図2に示すように、蛍光測定装置1は、試料Sに照射する励起光用の分光装置と蛍光検出用の分光装置とを一体化した装置であり、試料Sからの蛍光を測定するために用いられる。蛍光測定装置1は、試料Sに照射する励起光を生成する励起光源部3と、励起光及び蛍光を導光する導光部5と、蛍光を検出する光検出部7と、励起光及び蛍光を分光する反射型回折素子部である反射型回折格子部9と、励起光源部3、導光部5、光検出部7、及び反射型回折格子部9を収容する筐体11とを備えて構成されている。筐体11は、平板状の基台部11aを含んで閉空間を形成し、外部からの環境光の測定への影響を低減するために、励起光源部3及び導光部5の一部と、光検出部7及び反射型回折格子部9の全体とを覆った暗室となっている。
励起光源部3は、図示しないキセノンフラッシュランプ等の放電管を備えた光源とレンズとが組み込まれ、筐体11の基台部11aを貫通した状態で筐体11の外部に固定された筒状の本体部3aと、筐体11の内部において本体部3aに接続され、本体部3a内で生成された励起光を筐体11内の反射型回折格子部9に向けて照射するための開口3bが形成された先端部3cとにより構成されている。また、この先端部3cには、開口3bから照射される励起光を集束させるためのレンズ3dが内蔵されている。なお、励起光源部3は、多色光(白色光)を生成して照射可能にされており、具体的には、約200nm〜約1000nm等の波長範囲の励起光を照射可能にされている。
導光部5は、複数本の光ファイバが束ねられたバンドルファイバ5aと、バンドルファイバ5aの一端側が接続されたファイバホルダ5bとを有している。このような導光部5は、ファイバホルダ5bを含む一端部が筐体11に収容され、かつ、筐体11に対して所定の位置に固定されている。また、ファイバホルダ5bの先端には、バンドルファイバ5aの内部に向けて励起光を導入し、バンドルファイバ5aを通過してきた蛍光を筐体11内に出射するための開口5cが形成されている。このような導光部5は、その他端部が、暗箱51内でサンプル容器53の近傍に配置された対物レンズユニット55に挿入された状態で使用される。これにより、導光部5は、励起光源部3で生成された励起光を反射型回折格子部9を経由してバンドルファイバ5aの一端側から他端側に導光することにより、対物レンズユニット55を通じてサンプル容器53内の試料Sに照射する。また、導光部5は、励起光の照射に応じて試料Sで発生した蛍光を、対物レンズユニット55を通じてバンドルファイバ5aの他端側から一端側に導光することにより、開口5cから筐体11の内部に出射する。
反射型回折格子部9は、導光部5の開口5cの中心軸上、及び励起光源部3の開口3bの中心軸上に位置するように筐体11の基台部11a上に配置されている。図3に示すように、反射型回折格子部9は、反射型回折格子9aと、反射型回折格子9aを保持する枠状部材である回折格子ホルダ9bからなり、反射型回折格子部9を揺動する揺動機構13Xは、回折格子ホルダ9bを反射型回折格子9aの反射面9cに沿って軸支する回転軸部材13a(第1の軸部材)と、回折格子ホルダ9bを回転軸部材13aと一体として回転駆動するモータ(揺動機構駆動部)13bとを有している。このような構成により、反射型回折格子部9は、反射型回折格子9aを、その反射面9cを回転軸部材13aに沿わせた状態で回転軸部材13aを中心にして揺動させることを可能にする。
図1に戻って、上記構成の反射型回折格子部9は、基台部11aに垂直に貫通した状態で筐体11によって支持された回転軸部材13aによって保持されており、モータ13bが基台部11aの筐体11外面側において筐体11に固定されている。その結果、図2に示すように、反射型回折格子部9は、モータ13bによって、励起光源部3から出射される励起光の光軸L1に対する反射面9cの傾斜角、導光部5の一端部から出射される蛍光の光軸L2に対する反射面9cの傾斜角を変更可能に構成される。これにより、反射型回折格子部9は、励起光源部3からの励起光を分光し、反射面9cと光軸L1,L2との角度の組み合わせによって選択された波長成分を、導光部5の開口5cに向けて出力する。それと同時に、反射型回折格子部9は、導光部5の開口5cから出射される蛍光を分光し、反射面9cと光軸L2との角度によって選択された波長成分を光検出部7の検出面に向けて出力する。また、モータ13bが筐体11の外部に配置されているので、モータ13bの駆動による各種ノイズの発生の可能性を低減することができる。
光検出部7は、光電子増倍管等の光検出器(図示せず)を内蔵しており、導光部5から出射された蛍光を反射型回折格子部9を経由して受光し、その強度を検出する。この光検出部7は、蛍光を内部の光検出器に導入する開口(検出面)7aを有しており、この開口7aを反射型回折格子部9に向けた状態で筐体11内に配置される。
詳細には、光検出部7は、図4に示すように、光検出器を内蔵し開口7aを有する本体部7bを備え、光検出部7を移動させる移動機構13Yは、揺動機構13Xと共有する回転軸部材13a(第2の軸部材)と、本体部7bに一端側が固定されて他端側が反射型回折格子部9の回転軸部材13aによって支持された長尺状の支持部材13cと、基台部11aと対向する側の筐体11の外側に固定されて支持部材13c及び本体部7bを駆動するモータ(移動機構駆動部)13dとを備えて構成される。この支持部材13cは反射型回折格子部9の上側(基台部11a側と対向する側)において基台部11aの面に沿って伸びるように、回転軸部材13aにおける反射型回折格子部9の上側から突出した部位によって軸支されており、本体部7bはその開口7aを回転軸部材13aに向けた状態で支持部材13cに固定されている。これにより、本体部7bは開口7aを反射型回折格子部9に向けた状態で回転軸部材13aの周りに回転移動可能にされる。すなわち、光検出部7は、反射型回折格子部9を基準にして、開口7aの位置が反射型回折格子部9の周りを移動可能に構成されている。また、支持部材13cの一端側にはギア部13eが設けられ、モータ13dにはギア部13fが設けられ、モータ13dは、そのギア部13fをギア部13eに噛合させた状態で筐体11の外部に固定されている。このようなモータ13dによって、光検出部7が回転軸部材13aの周りに回転駆動される。また、モータ13dが筐体11の外部に配置されているので、モータ13dの駆動による各種ノイズの発生の可能性を低減することができる。
図2に戻って、上記構成の光検出部7は、導光部5に入射させる励起光の波長の調整のために反射型回折格子部9が回転された際に、その励起光に応じて導光部5の開口5cから発生する蛍光を、効率的に受光できるようにその位置を調整することができる。すなわち、導光部5から出射される蛍光は、その蛍光の光軸L2と反射型回折格子9aとの角度及び蛍光の波長によって決まる角度で反射型回折格子9aによって分光して反射される。このとき、モータ13dを駆動させることによって、分光された蛍光の光軸L3を、光検出部7の開口7aの位置に一致させることができる。
そして、反射型回折格子部9の角度及び光検出部7の位置を変更するモータ13b及びモータ13dは、制御部17によって制御される。制御部17は、所望の励起光波長及び蛍光波長を入力することで、反射型回折格子部9を所望の励起光波長に対応した所定の角度に変更するようにモータ13bを制御するとともに、光検出部7を所望の蛍光波長に対応した所定の位置に変更するようにモータ13dを制御することができる。また、励起波長と蛍光波長の両方を変更する場合に限らず、励起波長(反射型回折格子部9の角度)を固定した状態で光検出部7の位置を所定の範囲内で変更するようにモータ13dを制御することでスペクトル計測を行ったり、励起波長(反射型回折格子部9の角度)を所定の範囲内で変更するようにモータ13bを制御しつつ、蛍光波長を固定するように光検出部7の位置を変更するようにモータ13dを制御することでスペクトル計測を行っても良い。また、制御部17は、モータ13b及びモータ13dの制御に限らず、励起光源部3の制御や、光検出部7からの信号処理、対物レンズユニット55の動作の制御等を行っても良い。
また、励起光の光軸L1、導光部5の一端部から出射される蛍光の光軸L2、分光された蛍光の光軸L3の全てが交わる交点において、回転軸部材13aを基台部11aに垂直に貫通した状態で筐体11に固定することで、制御部17における所望の励起波長及び蛍光波長を得るための制御を容易にするとともに、各光量を十分に得ることができる。
また、励起光源部3の開口3bと反射型回折格子9aとの間には、スリットが形成されたスリット板(スリット部材)15aが配置されている。さらに、導光部5の内部のバンドルファイバ5aの一端側には、スリットが形成されたスリット板(スリット部材)15bが配置されている。このようなスリット板15a,15bは、励起光に周囲のノイズが混入することを防止し、所望の波長成分の励起光を生成する目的で設けられる。また、スリット板15bは、回転軸部材13aの軸方向と同じ方向に延びたスリットであるので、そのスリット幅を調整することで励起光の波長の半値幅を設定することもできる。さらに、反射型回折格子9aと光検出部7内の光検出器との間における開口7aの近傍には、スリットが形成されたスリット板(スリット部材)15cが配置されている。このスリット板15cは、蛍光に周囲のノイズが混入することを防止し、所望の波長成分の蛍光を検出する目的で設けられる。また、スリット板15cは、回転軸部材13aの軸方向と同じ方向に延びたスリットであるので、そのスリット幅を調整することで蛍光の波長の半値幅を設定することもできる。
以上説明した蛍光測定装置1によれば、励起光源部3から出射された励起光が、反射型回折格子部9によって分光された後に導光部5の一端部から他端部に導光されることにより試料Sに照射される。これに対して、試料Sから発生した蛍光が、導光部5の他端部から一端部に導光された後に、反射型回折格子部9によって分光された後に光検出部7に入射することによって検出される。このように、共通の反射型回折格子部9によって励起光及び蛍光を分光する構成により装置の小型化が容易となるとともに、導光部5が励起光及び蛍光の導光用に共用されるために、いずれも光量ロスが低減されて測定効率が向上する。また、モータ13bによって反射型回折格子部9を揺動させることで、励起光源部3から導光部5に導入される励起光の波長が変更可能にされることに加え、モータ13dによって光検出部7を移動させることによって、反射型回折格子部9からの蛍光のうち、所望の波長の蛍光を光検出部7に確実に入射させることができる。その結果、励起光波長や蛍光波長を変更した蛍光測定を容易に実現できる。
従来のバンドルファイバを用いた蛍光観察においては、光源部と検出部に向けて分岐する分岐ファイバを用いることが一般的であった。これに対して、本実施形態の蛍光測定装置1では、励起光導光用、蛍光導光用に1つのバンドルファイバを共用することを可能にしている。例えば、励起光導光用/蛍光導光用に本数割合で40%/60%の分岐ファイバを用いる場合に比較して、本実施形態では、励起光及び蛍光のそれぞれにおいて理論上は60%及び40%の光量ロスを防止することができる。その結果、全体としての測定効率を約5倍ほど向上させることができる。さらには、蛍光測定装置1では、バンドルファイバ5aの他端部の全面を励起光照射及び蛍光検出に寄与させることができるので、検出領域において偏りのない測定を実現することができる。
また、蛍光測定装置1においては、励起光源部3と導光部5とが筐体11に固定され、反射型回折格子部9は筐体11によって支持された回転軸部材13aを中心にして揺動可能にされており、光検出部7は回転軸部材13aを中心にして回転移動可能にされている。その結果、励起光源部3及び導光部5の光軸L1,L2に対する反射型回折格子部9の角度を安定して変更することができるとともに、反射型回折格子部9に対する光検出部7の相対位置も安定して変更することができる。
また、反射型回折格子部9及び光検出部7は、同軸上に配置された回転軸、特に同一の回転軸部材13aによって支持されているので、反射型回折格子部9と光検出部7との位置関係の調整が容易であるのに加え、部品の共通化により部品点数が削減されるとともに、反射型回折格子部9と光検出部7との位置関係がより安定して調整可能となる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。例えば、蛍光測定装置1においては、スリット板15a,15b,15cの代わりに、アパーチャが形成されたアパーチャ板を用いてもよい。このようなアパーチャ板によっても、周囲ノイズの混入の防止、及び所望の波長成分の選択を実現することができる。また、反射型回折格子部9及び光検出部7は、同一の回転軸部材13aによって支持されているが、同軸上に配置された別個の軸部材によってそれぞれが支持されても良い。
1…蛍光測定装置、3…励起光源部、5…導光部、5a…バンドルファイバ、5b…ファイバホルダ、5c…開口、7…光検出部、13d…モータ(移動機構駆動部)、9…反射型回折格子部、13a…回転軸部材、11…筐体、13b…モータ(揺動機構駆動部)、15a,15b,15c…スリット板(スリット部材)、17…制御部、S…試料。
Claims (7)
- 励起光を生成する光源部と、
前記励起光を一端部から他端部に導光するとともに、前記励起光の照射に応じて試料において発生した蛍光を、前記他端部から前記一端部に導光する導光部と、
前記蛍光を検出する光検出部と、
前記光源部から出射された励起光を分光して前記導光部の前記一端部に向けて出力するとともに、前記導光部の前記一端部から出射された前記蛍光を分光して前記光検出部に向けて出力する反射型回折素子部と、
前記光源部から出射される前記励起光の光軸、及び前記導光部の前記一端部から出射される前記蛍光の光軸に対する角度を変更可能なように、前記反射型回折素子部を揺動させる揺動機構と、
前記反射型回折素子部に対する位置を変更可能なように前記光検出部を移動させる移動機構と、
を備えることを特徴とする蛍光測定装置。 - 前記光源部と前記導光部とが固定される筐体を更に備え、
前記揺動機構は、前記筐体によって支持された第1の軸部材を備え、前記反射型回折素子部を前記第1の軸部材を中心にして揺動可能に保持しており、
前記移動機構は、前記筐体によって支持された第2の軸部材を備え、前記光検出部を前記第2の軸部材を中心にして回転移動可能に保持している、
ことを特徴とする請求項1記載の蛍光測定装置。 - 前記第1及び第2の軸部材は、同軸上に配置されている、
ことを特徴とする請求項2記載の蛍光測定装置。 - 前記揺動機構及び前記移動機構は、揺動機構駆動部及び移動機構駆動部を備え、前記揺動機構駆動部及び前記移動機構駆動部は前記筐体に対して固定されている、
ことを特徴とする請求項2又は3記載の蛍光測定装置。 - 前記揺動機構駆動部と前記移動機構駆動部とを制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記揺動機構駆動部による前記角度の変更に応じて、前記移動機構駆動部による前記位置の変更を行う、
ことを特徴とする請求項4に記載の蛍光測定装置。 - 前記光検出部と前記反射型回折素子部との間に配置されたスリット部材或いはアパーチャ部材を更に備える、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光測定装置。 - 前記導光部の一端部と前記反射型回折素子部との間に配置されたスリット部材或いはアパーチャ部材を更に備える、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の蛍光測定装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017020860A (ja) * | 2015-07-09 | 2017-01-26 | 株式会社島津製作所 | 分光検出器 |
CN117434041A (zh) * | 2023-10-24 | 2024-01-23 | 杭州显微智能科技有限公司 | 一种甲状旁腺识别装置及其识别方法 |
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2012
- 2012-01-23 JP JP2012011104A patent/JP2013148542A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017020860A (ja) * | 2015-07-09 | 2017-01-26 | 株式会社島津製作所 | 分光検出器 |
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