JP2013148394A - 圧力センサー - Google Patents

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Abstract

【課題】電解質を含むアクチュエーターを用いて、加えられる圧力に対する検出信号のレベルを高めることのできる圧力センサーを提供する。
【解決手段】複数のアクチュエーター10および20が積層された積層構造体100Aと、積層構造体100Aの積層方向の下面に設けられる検出電極101と、積層構造体100Aの積層方向の下面に対向する上面に設けられる検出電極102と、を備え、複数のアクチュエーター10および20のそれぞれは電解質膜15,25を有し、検出電極101と検出電極102との間で積層構造体100Aの電位差を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明に係るいくつかの態様は、電解質を含むアクチュエーターを用いる圧力センサーに関する。
従来、この種のアクチュエーターの一つとして、高分子アクチュエーターが知られている。この高分子アクチュエーターは、ゴムのような柔らかい材質であるが、電圧を加えると曲がり、電圧を加えるのをやめると元に戻る特性を持っている。例えば、イオン交換膜の両側に電極を形成し、イオン交換膜に電位差を与えてイオン交換膜に変形を発生させる。このような高分子電解質膜形のアクチュエーターの例が特開平4−275078号公報や特開平11−169393号公報に記載されている。
特開平4−275078号公報 特開平11−169393号公報
ところで、前述のような電解質膜を有するアクチュエーターでは、電解質膜に外部から力(外的応力)を加えると電解質膜に電位差(電圧)が発生する。発生した電圧は電解質膜の湾曲(曲がり加減)に関係している。この電圧を電解質膜の両側の電極で検出することにより、電解質膜を有するアクチュエーターは、加えられる力(圧力)を検出する圧力センサーとして使用することが可能となる。
しかしながら、このアクチュエーターに発生する電圧のレベルは、例えば、2[mV]程度であり、最大でも数[mV]程度である。そのため、このアクチュエーターを圧力センサーとして用いる場合に、アクチュエーターに発生する電圧は、加えられる圧力を検出する信号(検出信号)としては信号レベルが低い、という問題があった。
本発明のいくつかの態様は前述の問題に鑑みてなされたものであり、電解質を含むアクチュエーターを用いて、加えられる圧力に対する検出信号のレベルを高めることのできる圧力センサーを提供することを目的の1つとする。
本発明に係る圧力センサーは、複数のアクチュエーターが積層された積層構造体と、積層構造体の積層方向の第1の面に設けられる第1の検出電極と、積層構造体の積層方向の前述の第1の面に対向する第2の面に設けられる第2の検出電極と、を備え、複数のアクチュエーターのそれぞれは電解質を含む層を有し、第1の検出電極と第2の検出電極との間で積層構造体の電位差を検出する。
かかる構成によれば、積層されて積層構造体を形成する複数のアクチュエーターのそれぞれが電解質を含む層を有し、第1の検出電極と第2の検出電極との間で積層構造体の電位差を検出する。これにより、加えられる圧力に対する圧力センサーの検出信号(圧力検出信号)として、単体のアクチュエーターに発生する電圧より高いレベルの電圧を得ることが可能となる。したがって、電解質を含む層を有するアクチュエーターを用いて、加えられる圧力に対する検出信号のレベルを高めることができる。
また、電解質を含む層を有するアクチュエーターは、軽量で、弾力性(弾性)を有し、密着性に優れ、加工が容易で、動作時(作動時)に振動がなく、圧力が加わると即座に応答して電圧(電位差)生じ、圧力が続く限り信号(電圧)を出力して、圧力が取り除かれると信号(電圧)の出力が停止する、という特徴を有する。したがって、複数のアクチュエーターが積層された積層構造体を備える本発明の圧力センサーは、これらの特徴のうち少なくとも1つを要件とする用途に、好適に適用することができる。
好ましくは、複数のアクチュエーターのそれぞれは、前述の層の互いに対向する面にそれぞれ設けられる第1および第2の電極を有し、複数のアクチュエーターのうち、一のアクチュエーターは、他のアクチュエーターの前述の対向する面の一方に、積層される。
かかる構成によれば、各アクチュエーターが電解質を含む層の互いに対応する面にそれぞれ設けられる第1および第2の電極を有し、一のアクチュエーターは、他のアクチュエーターの対向する面の一方に積層されている。このように、第1および第2の電極を有する面の一方にアクチュエーターを積み重ねることで、最下層のアクチュエーターの電極、例えば第1の電極と、最上層のアクチュエーターの電極、例えば第2の電極とが、積層構造体の第1および第2の検出電極となる。したがって、加えられる圧力に対する検出信号のレベルを高めることができる本発明の圧力センサーを、簡略な構成(構造)のアクチュエーターで容易に実現(構成)することができる。
好ましくは、積層構造体の電位差のレベルを増幅可能な増幅回路をさらに備える。
かかる構成によれば、積層構造体の電位差(電圧)のレベルを増幅可能な増幅回路を備える。これにより、積層構造体に発生する圧力検出信号(電圧)のレベルが増幅される。ここで、複数のアクチュエーターが積層された積層構造体は、単体のアクチュエーターの場合と比較して、圧力検出信号(電圧)のレベルを高めることができるので、増幅回路の増幅率を低くすることが可能となり、増幅回路の消費電力量を低減させることができる。
好ましくは、積層構造体は錐体の形状を有する。
かかる構成によれば、積層構造体は、錐体の形状を有する。これにより、積層構造体の頂点(頭頂点)部分が細く小さくなり、可動しやすくなる。したがって、積層構造体の頂点(頭頂点)側を圧力の接触部(印加部)とすることで、微小な圧力を検出しやすくなり、センシング感度を高めることができる。
好ましくは、前述の錐体は角錐である。
かかる構成によれば、積層構造体は、角錐の形状を有する。ここで、例えば、平面視における形状がそれぞれ寸法(サイズ)の異なる、同一の多角形である複数のアクチュエーターを積層することで、角錐の形状を有する積層構造体を形成することが可能となる。したがって、センシング感度を高めることができる積層構造体を、簡略な形状、寸法(サイズ)の複数のアクチュエーターで容易に実現(構成)することができる。
好ましくは、前述の錐体は円錐である。
かかる構成によれば、積層構造体は、円錐の形状を有する。ここで、例えば、平面視における形状がそれぞれ直径の長さの異なる円形である、複数のアクチュエーターを積層することで、円錐の形状を有する積層構造体を形成することが可能となる。したがって、センシング感度を高めることができる積層構造体を、簡略な形状、寸法(サイズ)の複数のアクチュエーターで容易に実現(構成)することができる。
本発明に係る圧力センサーの一例を説明する斜視図である。 図1に示したアクチュエーターの一例を説明する斜視図である。 、図1および図2に示したアクチュエーターに電圧を印加した場合の動作を説明する説明図である。 図1および図2に示したアクチュエーターに力を加えた場合の動作を説明する説明図である。 図1および図2に示したアクチュエーターに加える力と発生する電圧との関係を説明する説明図である。 図5に示したアクチュエーターにおける変位量と電圧との関係を示すグラフである。 金属板に設置したアクチュエーターに加える圧力と発生する電圧との関係を説明する説明図である。 図7に示したアクチュエーターにおける圧力と電圧との関係を示すグラフである。 図1に示した圧力センサーに加える圧力と発生する電圧との関係を説明する説明図である。 図7に示したアクチュエーターと図9に示した圧力センサーにおける電圧の関係を示すグラフである。 図1に示した圧力センサーの変形例を説明するブロック図である。 錐体の形状を有する積層構造体の一例を説明する斜視図である。 錐体の形状を有する積層構造体の他の例を説明する斜視図である。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法などは以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。なお、以下の説明において、図面の上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」、紙面の手前側を「前」、奥側を「後」、という。
図1ないし図13は、本発明に係る圧力センサーの一実施形態を示すためのものである。図1は、本発明に係る圧力センサーの一例を説明する斜視図である。図1に示すように、圧力センサー100は、積層構造体100Aを備える。積層構造体100Aは、2つのアクチュエーター10および20が積層されたものであり、アクチュエーター20がアクチュエーター10の上に積み重ねられて積層構造体100Aを形成している。
また、圧力センサー100は、積層構造体100Aの積層方向(図1において上下方向)の第1の面、すなわち、下面に設けられる検出電極101と、積層方向(図1において上下方向)の第1の面に対向する第2の面、すなわち、上面に設けられる検出電極102と、をさらに備える。圧力センサー100は、検出電極101と検出電極102との間で、積層構造体100Aに発生する後述の電位差(電圧)を検出する。
図2は、図1に示したアクチュエーター10の一例を説明する斜視図である。図2に示すように、アクチュエーター10は、電解質膜15と、電極11と、電極12と、を備える。なお、アクチュエーター20は、アクチュエーター10と同様に、電解質膜25と、電極21と、電極22と、を備える。よって、以下の説明では、特に明示した場合を除き、アクチュエーター10のみを説明し、アクチュエーター20はその説明を省略する。
電極11は、電解質膜15の一方の面(図2において前面)に設けられ、電極12は、電解質膜15の他方の面(図2において後面)に設けられている。
電解質膜15は、例えば、イオン導電性の高分子電解質膜を使用することができ、より詳細には、例えば、フッ素樹脂系イオン交換膜を使用することができる。イオン交換膜としては、陽イオン交換膜、陰イオン交換膜のいずれも使用可能である。例えば、陽イオン交換膜としては、パーフルオロスルホン酸膜、パーフルオロカルボン酸膜を挙げることができる。
本実施形態では、電解質膜15として、例えば、パーフルオロスルホン酸膜(商品名「ナフィオン」、デュポン社登録商標)を使用している。また、電解質膜15の形状は、短辺が2[cm]、長辺が5[cm」、厚さが200[μm]〜1[mm]程度の長方形に形成されている。
なお、電解質膜15としてパーフルオロスルホン酸膜の例を示したが、これに限定されず、他の材料、例えば、パーフルオロカルボン酸膜(商品名「フレミオン」、旭化成(株)登録商標)など、イオン液をゲル化したもの等を使用することが可能である。また、電解質膜15の形状および寸法も同様に、前述した例に限定されるものではない。
電極11および12は、金、白金、イリジウム、パラジウム、ルテニウム、カーボンナノチューブなどを使用することができる。電極11および12の電解質膜15への接合には、化学メッキ、電気メッキ、真空蒸着、スパッタリング、塗布、圧着、溶着などが適宜に使用される。
本実施形態では、電極11および12は、電解質膜15に金メッキを施すことによって形成している。電解質膜15への金メッキは、まず、塩化ジクロロフェナントロリン金(III)[Au(phen)Cl2]Cl水溶液に浸潤し、イオン交換反応で金錯イオンを吸着させる。次に、吸着させた膜を亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)水溶液に浸漬させ、還元して膜の内部に取り込まれた金イオンが外側に析出する。これによって膜の両面に金メッキを施すことが可能となる。メッキされる金の量は、一回のメッキ工程でメッキできる金の量は片面1〜2[mg/cm2]である。これを繰り返して所要の電極膜厚とする。例えば、4回〜8回程度メッキを繰り返すと、片面10[mg/cm2]程度の金が析出する。この場合、金層(電極)の膜厚はおおよそ1〜5[μm]程度である。
なお、電極11および12の材料は、前述した例に限定されるものではなく、他の材料を使用してもよい。また、電極11および12の電解質膜15への接合も同様に、前述した例に限定されるものではない。
アクチュエーター10の電解質膜15は、電界が与えられると変形する。電圧の印加によって電解質膜15が変形する理由は正確に解明されているわけではないが、概略、次のように説明することができる。
図3は、図1および図2に示したアクチュエーター10に電圧を印加した場合の動作を説明する説明図である。図3の左図に示すように、直流電源からアクチュエーター10の電極11および12にそれぞれ正電圧と負電圧とが印加されると、電解質膜15中の陽イオンは電極12側に移動する。この陽イオンの移動に伴って水分子(溶媒)も移動するので、電極12側の水分が相対的に増大し、電極11側の水分が相対的に減少する。このため、電解質膜15の正電極側と負電極側とでは、電解質膜15中の水分(溶媒)量に差が生じる。電解質膜15中の水分量が増えた側では電解質膜が膨らみ(膨潤し)、水分量が減った側では電解質膜が収縮するので、アクチュエーター10は電極11側(図3において左側)に湾曲して曲がる。
一方、図3の右図に示すように、直流電源から電極11および12にそれぞれ負電圧と正電圧とが印加されると、電解質膜15中の陽イオンは電極11側に移動する。この陽イオンの移動に伴って水分子(溶媒)も移動するので、電極11側の水分が相対的に増大し、電極11側の水分が相対的に減少する。このため、電解質膜15の正電極側と負電極側とでは、電解質膜15中の水分(溶媒)量に差が生じる。電解質膜15中の水分量が増えた側では電解質膜が膨らみ(膨潤し)、水分量が減った側では電解質膜が収縮するので、アクチュエーター10は電極12側(図3において右側)に湾曲して曲がる。
また、アクチュエーター10の電解質膜15は、力(外的応力)が加えられると電位差(電圧)が発生する。力を加えることによって電解質膜15に電圧が発生する理由は正確に解明されているわけではないが、概略、次のように説明することができる。
図4は、図1および図2に示したアクチュエーター10に力を加えた場合の動作を説明する説明図である。図4の左図に示すように、アクチュエーター10の電極12に外部から力(外的応力)が加わると、アクチュエーター10は左側に湾曲して曲がる。このとき、電解質膜15中の水分子(溶媒)は電極12側に移動する。この水分子(溶媒)の移動に伴って陽イオンも移動するので、電極12側の陽イオン密度が相対的に高くなり、電極11側の陽イオン密度が相対的に低くなる。このため、電解質膜15の電極12側と電極11側とでは、電解質膜15中の電位に差が生じ、アクチュエーター10の電極11および12がそれぞれ負電位と正電位になる電位差(電圧)が発生する。
一方、図4の右図に示すように、アクチュエーター10の電極11に外部から力(外的応力)が加わると、アクチュエーター10は右側に湾曲して曲がる。このとき、電解質膜15中の水分子(溶媒)は電極11側に移動する。この水分子(溶媒)の移動に伴って陽イオンも移動するので、電極11側の陽イオン密度が相対的に高くなり、電極12側の陽イオン密度が相対的に低くなる。このため、電解質膜15の電極11側と電極12側とでは、電解質膜15中の電位に差が生じ、アクチュエーター10の電極11および12がそれぞれ正電位と負電位になる電位差(電圧)が発生する。
図5は、図1および図2に示したアクチュエーター10に加える力と発生する電圧との関係を説明する説明図である。図5に示すように、アクチュエーター10の電極12に外部から力F0が加わると、アクチュエーター10は加えられた力F0に比例する変位量d0だけ下側に変位する。このとき、アクチュエーター10には、電極11および12がそれぞれ負電位と正電位となる電圧V0が発生する。図示を省略するが、同様に、アクチュエーター10の電極11に外部から力F0が加わると、アクチュエーター10は変位量d0だけ上側に変位する。このとき、アクチュエーター10には、電極11および12がそれぞれ正電位と負電位となる電圧V0が発生する。
図6は、図5に示したアクチュエーター10における変位量と電圧との関係を示すグラフである。なお、図6のグラフは、横軸が時間、左側の縦軸が電圧、右側の縦軸が変位量を示し、図5に示すように、電圧は電極11および12がそれぞれ正電位と負電位になる場合を正、変位量はアクチュエーター10が下側に変位する場合を正として表したものである。また、実線L1が電圧V0、破線L2が変位量d0を表している。電極12側および電極11側に、経時的に変化する力F0を交互に加える場合に、アクチュエーター10の変位量d0と、アクチュエーター10の電極11および12に発生する電圧V0とを測定すると、図6に示すようなグラフになる。図6に示すように、アクチュエーター10に発生する電圧V0は、そのレベルがアクチュエーター10の変位量d0に比例しており、アクチュエーター10の変位量d0の変化に応答する応答性を有していることが分かる。
図7は、金属板Aに設置したアクチュエーター10に加える圧力と発生する電圧との関係を説明する説明図である。図7に示すように、アクチュエーターの電極11側を金属板Aの上に載置して固定した上で、アクチュエーター10の電極12の中央部に外部から圧力(力)F0が加わると、アクチュエーター10は上側に反って湾曲する。このとき、前述したように、アクチュエーター10の電極11および12がそれぞれ負電圧と正電圧になる電圧(電位差)が発生する。
図8は、図7に示したアクチュエーター10における圧力と電圧との関係を示すグラフである。なお、図8のグラフは、横軸が時間、左側の縦軸が電圧、右側の縦軸が圧力を示し、四角でプロットした実線L3が電圧V0、菱形でプロットした破線L4が圧力F0を表している。アクチュエーター10に所定時間の間、圧力F0を加えた後、加えていた圧力F0を取り除く場合に、アクチュエーター10の電極11および12に発生する電圧V0を測定すると、図8に示すようなグラフになる。図8に示すように、アクチュエーターに発生する電圧V0は、そのレベルが圧力F0の大きさに比例しており、圧力F0の変化に応答する応答性を有していることが分かる。また、アクチュエーター10に発生する電圧V0は、圧力F0が加えられている間は発生し続け、圧力F0が除去されるとそのレベルがゼロになることが分かる。
このように、電解質膜15を有するアクチュエーター10は、軽量で、弾力性(弾性)を有し、密着性に優れ、加工が容易で、動作時(作動時)に振動がなく、圧力を加えると即座に応答して電圧(電位差)が発生し、圧力が続く限り信号(電圧)を出力して、圧力が取り除かれると信号(電圧)の出力が停止する、という特徴を有する。
一方、アクチュエーター10に発生する電圧V0は、例えば、2[mV]程度であり、最大でも数[mV]程度である。圧力センサーとしてアクチュエーター10を用いる場合に、アクチュエーター10に発生する電圧は、加えられる圧力を検出する信号(圧力検出信号)としては、信号レベルが低い。このため、アクチュエーター10には、圧力の検出感度が低い、駆動信号やノイズの影響を受けやすい、信号レベルの増幅が必要であり、増幅による消費電力量が増加する、などの課題が存在する。
図9は、図1に示した圧力センサー100に加える圧力と発生する電圧との関係を説明する説明図である。図9に示すように、積層構造体100Aの検出電極101側を金属板Aの上に載置して固定した上で、積層構造体100Aの検出電極102の中央部に外部から圧力(力)F0が加わると、積層構造体100Aは上側に反って湾曲する。このとき、アクチュエーター10には、電極11および12がそれぞれ負電圧と正電圧になる電圧V1が発生し、アクチュエーター20には、電極21および22がそれぞれ負電圧と正電圧になる電圧V2が発生する。
図10は、図7に示したアクチュエーター10と図9に示した圧力センサー100における電圧の関係を示すグラフである。なお、図10のグラフは、横軸が圧力、縦軸が電圧を示し、四角のプロットが図9に示した圧力センサー100に発生する電圧、菱形のプロットが図7に示したアクチュエーター10に発生する電圧、を表している。図10に示すように、加えられる圧力F0の全ての範囲において、圧力センサー100に発生する電圧(V1+V2)は、図7に示した単体のアクチュエーター10に発生する電圧V0より高いレベルであり、2倍または略2倍となることが分かる(V1+V2≒2×V0)。
このように、積層されて積層構造体100Aを形成する、複数、例えば2つのアクチュエーター10および20のそれぞれが電解質膜を有し、検出電極101と検出電極102との間で積層構造体100Aの電位差を検出することにより、加えられる圧力に対する圧力センサー100の検出信号(圧力検出信号)として、単体のアクチュエーター10に発生する電圧より高いレベルの電圧を得ることが可能となる。
また、圧力センサー100は、アクチュエーター10が電解質膜15の互いに対応する面にそれぞれ設けられる電極11および12を有し、アクチュエーター20が電解質膜25の互いに対応する面にそれぞれ設けられる電極21および22を有し、アクチュエーター20は、アクチュエーター10の上面、すなわち、対向する面の一方に積層されている。このように、電極を有する面の一方にアクチュエーターを積み重ねることで、最下層のアクチュエーターの電極、例えばアクチュエーター10の電極11と、最上層のアクチュエーターの電極、例えばアクチュエーター20の電極22とが、積層構造体100Aの検出電極101および102となる。
本実施形態では、アクチュエーター10が電極11および12を有し、アクチュエーター20が電極21および22を有する例を示したが、これに限定されない。例えば、アクチュエーター10が電極11のみを有し、アクチュエーター20が電極22のみを有していてもよい。また、アクチュエーター10および20は、電極を有さずに、積層構造体100Aを形成した後に、積層方向の互いに対向する面に検出電極101および102を設けるようにしてもよい。
図11は、図1に示した圧力センサー100の変形例を説明するブロック図である。図11に示すように、圧力センサー100は、積層構造体100Aの検出電極101および102に電気的に接続される増幅回路105を備えるようにしてもよい。増幅回路105は、検出電極101および102の間に発生する積層構造体100Aの電位差(電圧)のレベルを、所定の増幅率で増幅可能であり、増幅した信号を外部に出力する。これにより、積層構造体100Aに発生する圧力検出信号(電圧)のレベルが増幅される。
本実施形態では、直方体の形状を有する積層構造体100Aを示しが、これに限定されない。積層構造体100Aは、例えば、錐体の形状を有することが好ましい。これにより、積層構造体100Aの頂点(頭頂点)部分が細く小さくなり、可動しやすくなる。
図12は、錐体の形状を有する積層構造体100Aの一例を説明する斜視図である。図12に示すように、積層構造体100Aは角錐の形状を有している。なお、図12に示す積層構造体100Aは、厳密には(数学的に)角錐ではないが、本願における「角錐」は、図12に示すような略角錐の形状を含むものとする。
積層構造体100Aは、アクチュエーター10、20、および30を順に積み重ねて形成されている。なお、アクチュエーター30は、前述したアクチュエーター10および20と同様に、電解質膜と電解質膜の対向する面に設けられる2つの電極とを有する。また、アクチュエーター10、20、および30の平面形状は、それぞれ一辺の長さが4[mm]、2[mm]、1[mm]の正方形である。
図12では、アクチュエーター10、20、および30の平面形状が正方形の例を示したが、これに限定されない。積層構造体100Aの形状が略角錐を含む「角錐」であればよく、アクチュエーター10、20、および30の平面形状は、長方形であっても、三角形であっても、あるいは多角形であってもよい。
このように、平面視における形状がそれぞれ寸法(サイズ)の異なる同一の多角形である、複数のアクチュエーター10、20、および30を積層することで、角錐の形状を有する積層構造体100Aを形成することが可能となる。
図13は、錐体の形状を有する積層構造体100Aの他の例を説明する斜視図である。図13に示すように、積層構造体100Aは円錐の形状を有している。なお、図13に示す積層構造体100Aは、厳密には(数学的に)円錐ではないが、本願における「円錐」は、図13に示すような略円錐の形状を含むものとする。
積層構造体100Aは、アクチュエーター10、20、および30を順に積み重ねて形成されている。また、アクチュエーター10、20、および30の平面形状は、それぞれ半径の長さが4[mm]、2[mm]、1[mm]の円形である。
このように、平面視における形状がそれぞれ直径の長さの異なる円形である、複数のアクチュエーター10、20、および30を積層することで、円錐の形状を有する積層構造体100Aを形成することが可能となる。
本実施形態では、圧力センサー100が2つまたは3つのアクチュエーターを備える例を示したが、これに限定されない。圧力センサー100は4つ以上の複数のアクチュエーターを備え、当該複数のアクチュエーターが積層されて積層構造体100Aを形成してもよい。
このように、本実施形態の圧力センサー100によれば、積層されて積層構造体100Aを形成する、複数、例えば2つのアクチュエーター10および20のそれぞれが電解質膜を有し、検出電極101と検出電極102との間で積層構造体100Aの電位差を検出する。これにより、加えられる圧力に対する圧力センサー100の検出信号(圧力検出信号)として、単体のアクチュエーター10に発生する電圧より高いレベルの電圧を得ることが可能となる。したがって、電解質膜15,25を有するアクチュエーター10,20を用いて、加えられる圧力に対する検出信号のレベルを高めることができる。
また、電解質膜15および25を有するアクチュエーター10および20は、軽量で、弾力性(弾性)を有し、密着性に優れ、加工が容易で、動作時(作動時)に振動がなく、圧力が加わると即座に応答して電圧(電位差)生じ、圧力が続く限り信号(電圧)を出力して、圧力が取り除かれると信号(電圧)の出力が停止する、という特徴を有する。したがって、アクチュエーター10および20が積層された積層構造体100Aを備える本発明の圧力センサー100は、これらの特徴のうち少なくとも1つを要件とする用途に、好適に適用することができる。
また、本実施形態の圧力センサー100によれば、アクチュエーター10が電解質膜15の互いに対応する面にそれぞれ設けられる電極11および12を有し、アクチュエーター20が電解質膜25の互いに対応する面にそれぞれ設けられる電極21および22を有し、アクチュエーター20は、アクチュエーター10の上面、すなわち、対向する面の一方に積層されている。このように、電極を有する面の一方にアクチュエーターを積み重ねることで、最下層のアクチュエーターの電極、例えばアクチュエーター10の電極11と、最上層のアクチュエーターの電極、例えばアクチュエーター20の電極22とが、積層構造体100Aの検出電極101および102となる。したがって、加えられる圧力に対する検出信号のレベルを高めることができる圧力センサー100を、簡略な構成(構造)のアクチュエーター10および20で容易に実現(構成)することができる。
また、本実施形態の圧力センサー100によれば、積層構造体100Aの電位差(電圧)のレベルを増幅する増幅回路105を備える。これにより、積層構造体100Aで発生する圧力検出信号(電圧)のレベルが増幅される。ここで、アクチュエーター10および20が積層された積層構造体100Aは、単体のアクチュエーター10の場合と比較して、圧力検出信号のレベルを高めることができるので、増幅回路105の増幅率を低くすることが可能となり、増幅回路105の消費電力量を低減させることができる。
また、本実施形態の圧力センサー100によれば、積層構造体100Aは、錐体の形状を有する。これにより、積層構造体100Aの頂点(頭頂点)部分が細く小さくなり、可動しやすくなる。したがって、積層構造体100Aの頂点(頭頂点)側を圧力の接触部(印加部)とすることで、微小な圧力を検出しやすくなり、センシング感度を高めることができる。
また、本実施形態の圧力センサー100によれば、積層構造体100Aは、角錐の形状を有する。ここで、例えば、平面視における形状がそれぞれ寸法(サイズ)の異なる、同一の多角形である複数のアクチュエーター10、20、および30を積層することで、角錐の形状を有する積層構造体100Aを形成することが可能となる。したがって、センシング感度を高めることができる積層構造体100Aを、簡略な形状、寸法(サイズ)の複数のアクチュエーター10、20、および30で容易に実現(構成)することができる。
また、本実施形態の圧力センサー100によれば、積層構造体100Aは、円錐の形状を有する。ここで、例えば、平面視における形状がそれぞれ直径の長さの異なる円形である、複数のアクチュエーター10、20、および30を積層することで、円錐の形状を有する積層構造体100Aを形成することが可能となる。したがって、センシング感度を高めることができる積層構造体100Aを、簡略な形状、寸法(サイズ)の複数のアクチュエーター10、20、および30で容易に実現(構成)することができる。
なお、前述した実施形態の構成を組み合わせたり、あるいは、一部の構成部分を入れ替えたりしてもよい。また、本発明の構成は、前述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。
10,20,30…アクチュエーター、11,12,21,22…電極、15,25…電解質膜、100…圧力センサー、100A…積層構造体、101,102…検出電極、105…増幅回路

Claims (6)

  1. 複数のアクチュエーターが積層された積層構造体と、
    前記積層構造体の積層方向の第1の面に設けられる第1の検出電極と、
    前記積層構造体の積層方向の前記第1の面に対向する第2の面に設けられる第2の検出電極と、
    を備え、
    前記複数のアクチュエーターのそれぞれは電解質を含む層を有し、
    前記第1の検出電極と前記第2の検出電極との間で前記積層構造体の電位差を検出する
    ことを特徴とする圧力センサー。
  2. 前記複数のアクチュエーターのそれぞれは、前記層の互いに対向する面にそれぞれ設けられる第1および第2の電極を有し、
    前記複数のアクチュエーターのうち、一のアクチュエーターは、他のアクチュエーターの前記対向する面の一方に、積層される
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧力センサー。
  3. 前記積層構造体の電位差のレベルを増幅可能な増幅回路をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の圧力センサー。
  4. 前記積層構造体は錐体の形状を有する
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の圧力センサー。
  5. 前記錐体は角錐である
    ことを特徴とする請求項4に記載の圧力センサー。
  6. 前記錐体は円錐である
    ことを特徴とする請求項4に記載の圧力センサー。
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