JP2013148124A - 動力伝達装置の捩り振動減衰機構 - Google Patents

動力伝達装置の捩り振動減衰機構 Download PDF

Info

Publication number
JP2013148124A
JP2013148124A JP2012007160A JP2012007160A JP2013148124A JP 2013148124 A JP2013148124 A JP 2013148124A JP 2012007160 A JP2012007160 A JP 2012007160A JP 2012007160 A JP2012007160 A JP 2012007160A JP 2013148124 A JP2013148124 A JP 2013148124A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drive shaft
torsional vibration
shaft
power transmission
transmission device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012007160A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazunori Kaneko
和憲 金子
Koichi Tanaka
航一 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2012007160A priority Critical patent/JP2013148124A/ja
Publication of JP2013148124A publication Critical patent/JP2013148124A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)

Abstract

【課題】構造を複雑化することなく、駆動系の回転軸の捩り振動を有効に減衰させることができる動力伝達装置の捩り振動減衰機構を提供すること。
【解決手段】ドライブシャフト41の外周からラジアル方向に離隔して配置された慣性部材61と、ドライブシャフト41の外周面に弾性的に接触するとともにドライブシャフト41の外周面に摺動することで慣性部材61をドライブシャフト41に対して相対回転可能に保持するスプリング62と、を備えたものから捩り振動減衰機構60が構成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、動力伝達装置の捩り振動減衰機構に関し、特に駆動系の回転軸の捩り振動を減衰させる動力伝達装置の捩り振動減衰機構に関する。
一般に、車両が走行する際に不可避な振動の中でも、静粛性および低振動性の向上のために、駆動系の捩り振動を抑制することが求められている。
この捩り振動は、タイヤが路面に対してスリップとグリップを繰り返して、左右のドライブシャフトが差回転をしたときに、左右のドライブシャフトがそれぞれ独立した捩り運動をすることにより発生する。また、この捩り運動による捩り振動がドライブシャフトの固有振動数と一致すると共振が励起され、捩り振動が増幅する。
従来、この種の動力伝達装置の捩り振動減衰機構として、デフケースを、リングギヤが固定された駆動側ケース部材と、ピニオンギヤを回転自在に支持する被駆動側ケース部材とによって構成するとともに、駆動側ケース部材と被駆動側ケース部材との間に、両ケース部材を特定の相対回転位置に付勢する弾性部材と、両ケース部材の相対回転角度に応じて両ケース部材の摩擦トルクを変化させるカム押圧機構とをそれぞれ介装することにより、捩り振動の抑制を行うようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、特許文献1に記載のものは、弾性部材、摩擦部材およびカム押圧機構によって、ディファレンシャル装置の入力機構部分においてヒステリシストルクを発生させる捩り振動減衰機構を構成し、捩り振動の抑制、すなわち、駆動系の捩り共振ピークの減衰や、高周波トルク変動の減衰を行うように構成されている。
特開2011−127657号公報
しかしながら、このような従来の動力伝達装置の捩り振動減衰機構にあっては、デフケースを駆動側ケース部材と被駆動側ケース部材とによって構成する必要があるため、デフケースの構造が複雑化してしまうという問題があった。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、構造を複雑化することなく、駆動系の回転軸の捩り振動を有効に減衰させることができる動力伝達装置の捩り振動減衰機構を提供することを目的とする。
本発明に係る動力伝達装置の捩り振動減衰機構は、上記目的を達成するため、(1)複数の回転軸によりエンジンの動力をタイヤに伝達する動力伝達装置の捩り振動減衰機構であって、前記回転軸の外周からラジアル方向に離隔して配置された慣性部材と、前記回転軸の外周面に弾性的に接触するとともに前記回転軸の外周面に摺動することで前記慣性部材を前記回転軸に対して相対回転可能に保持する保持部材と、を備えたものから構成されている。
この構成により、回転軸と慣性部材との間に相対回転が発生すると、保持部材と回転軸の外周面との間に摺動抵抗が発生するため、この摺動抵抗によって、回転軸の捩り振動を減衰することができる。また、慣性部材と保持部材は、部材数が少なく簡素な構造であるとともに動力伝達装置内の他の部材の構造を大きく変更することなく回転軸に設けることができるため、慣性部材と保持部材を設けることにより動力伝達装置の構造が複雑化することがない。
したがって、構造を複雑化することなく、駆動系の回転軸の捩り振動を有効に減衰させることができる。
本発明に係る動力伝達装置の捩り振動減衰機構の一実施の形態を示す図であり、電動モータの回転中心軸とディファレンシャルギヤの回転中心軸が同軸上に配置された電気自動車両のトランスアクスルの断面図である。 本発明に係る動力伝達装置の捩り振動減衰機構の一実施の形態を示す図であり、図1の捩り振動減衰機構の拡大図である。 本発明に係る動力伝達装置の捩り振動減衰機構の作用を示す図であり、(a)は、捩り振動非発生時の捩り振動減衰機構を示し、(b)は、捩り振動発生時の捩り振動減衰機構を示す。 本発明に係る動力伝達装置の捩り振動減衰機構の他の実施の形態を示す図であり、電動モータの回転中心軸とディファレンシャルギヤの回転中心軸が異なる軸上に配置された電気自動車両のトランスアクスルの模式図である。
以下、本発明に係る動力伝達装置の捩り振動減衰機構の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1〜図3は、本発明に係る動力伝達装置の捩り振動減衰機構の一実施の形態を示す図である。
まず、構成を説明する。図1において、自動車等の車両の動力伝達装置を構成するトランスアクスル10は、有底筒状の第1のケース12と、第1のケース12の開口端を閉塞する円板状のカバー13と、第1のケース12に収容された回転電機としての電動モータMと、第1のケース12の閉塞端である仕切壁12a側に位置し、第1のケース12に固定された第2のケース14と、第2のケース14に収容されたプラネタリギヤ15と、第2のケース14に収容されたディファレンシャル装置としてのディファレンシャルギヤ16とを含んで構成されている。すなわち、トランスアクスル10は、電動モータMによって駆動輪を駆動する電気自動車両の動力伝達装置として構成されている。
なお、本実施の形態では、第1のケース12、カバー13および第2のケース14がケースとしてのトランスアクスルケース11を構成している。
電動モータMは、複数個の永久磁石が埋め込まれているロータ17と、ロータ17を取り囲むようにロータ17の外周部に設けられ、回転磁界を形成するステータ18とを含んで構成されており、ステータ18は、ステータコア19と、ステータコア19に巻回されるステータコイルとしての三相コイル20とを含んで構成される。
ロータ17は、中空のロータシャフト21に結合されており、ロータシャフト21と一体的に回転するようになっている。ステータコア19は、電磁鋼板の薄板を積層して形成され、図示しないボルト等の固定手段によって第1のケース12に固定されている。
また、第1のケース12にはボルト23によってガイド部材22が固定されており、ロータシャフト21は、軸受24を介してガイド部材22に回転自在に支持されているとともに、軸受25を介して仕切壁12aの半径方向内周部に回転自在に支持されている。
また、ロータシャフト21の内周面には中空のインプットシャフト26の軸線方向一端部の外周部がスプライン嵌合されており、ロータシャフト21とインプットシャフト26とは一体回転するようになっている。
また、インプットシャフト26の軸線方向他端部にはサンギヤ27の内周面がスプライン嵌合しており、インプットシャフト26はサンギヤ27と一体回転するようになっている。
また、プラネタリギヤ15は、サンギヤ27と、インプットシャフト26と同軸上に設けられ、第2のケース14に回転不能に支持されているリングギヤ28と、サンギヤ27とリングギヤ28との間に配置され、サンギヤ27の外周を自転しながら公転するピニオンギヤ29と、ディファレンシャルギヤ16のデフケース31に結合され、各ピニオンギヤ29のピニオンシャフト29aを支持するプラネタリキャリア30とを含んで構成されている。
また、インプットシャフト26は、軸受33、34を介して仕切壁12aおよびプラネタリキャリア30に回転自在に支持されている。また、第2のケース14には円板状のガイド部材32が結合されており、プラネタリキャリア30は、軸受34、35を介してガイド部材32の半径方向内周部およびインプットシャフト26の外周部に回転自在に支持されている。
また、ディファレンシャルギヤ16は、プラネタリキャリア30に結合されたデフケース31と、デフケース31内に設けられ、デフケース31に結合されたピニオンシャフト36aに回転自在に支持されたピニオンギヤ36と、ピニオンギヤ36に噛合するサイドギヤ37a、37bとを含んで構成されている。
また、サイドギヤ37aの内周面には左側のドライブシャフト38の一端部がスプライン嵌合しており、サイドギヤ37bの内周面にはインタミディエイトシャフト(以下、インタミシャフトという)39の一端部がスプライン嵌合している。
インタミシャフト39は、ロータシャフト21およびインプットシャフト26の内周面に挿通されており、インタミシャフト39の他端部は、ホルダシャフト40の内周面にスプライン嵌合している。
このホルダシャフト40の内周面には右側のドライブシャフト41の一端部がスプライン嵌合している。また、ホルダシャフト40は、軸受42、43を介してガイド部材22およびカバー13に回転自在に支持されている。
このように構成されるトランスアクスル10は、ロータ17に埋め込まれた永久磁石による磁界と三相コイル20によって形成される磁界との相互作用によりロータ17が回転駆動される。
ロータ17が回転駆動されると、ロータ17に結合されたロータシャフト21を介してインプットシャフト26が回転し、インプットシャフト26を介してサンギヤ27が回転する。
サンギヤ27が回転すると、ロータ17の駆動力がサンギヤ27を介してピニオンギヤ29に伝達され、ピニオンギヤ29がサンギヤ27の回りを公転しながら自転することにより、プラネタリキャリア30によってロータ17の駆動力が増幅される。
プラネタリキャリア30が回転すると、プラネタリキャリア30の回転がデフケース31に入力されてデフケース31が回転し、このデフケース31と一体的にピニオンギヤ36が公転することにより、一対のサイドギヤ37a、37bおよび一対のドライブシャフト38およびインタミシャフト39が回転駆動される。このため、ドライブシャフト38およびインタミシャフト39にホルダシャフト40を介して結合されたドライブシャフト41を介して左右の駆動輪が同一回転数で駆動される。
また、車両のカーブ走行等によって、左右の駆動輪間に回転抵抗差が生じたときに、ピニオンギヤ36が自転することになって、サイドギヤ37a、37bが差動回転することになるので、デフケース31に入力される回転動力が左右のドライブシャフト38、41を介して左右の駆動輪に差動分配される。
このように本実施の形態では、電動モータMの回転中心軸R(ロータシャフト21の回転中心軸)とディファレンシャルギヤ16の回転中心軸R(デフケース31の回転中心軸)が同軸上に設置されている。
また、ガイド部材22は、電動モータMの軸線方向に対して後述する吐出孔44d、44eの鉛直方向に延在するフランジ部22aと、フランジ部22aの半径方向内方にフランジ部22aと一体的に設けられたボス部22bとを備えている。
ボス部22bの半径方向内周部には軸受24、42が設けられており、軸受24は、電動モータMの軸線方向で電動モータMに隣接するとともに、軸受42は、軸受24に対して電動モータMの軸線方向外方に位置している。
また、カバー13の半径方向内方には円筒部13aが形成されており、この円筒部13aの内周部とホルダシャフト40の外周部との間には軸受43が介装されている。この軸受43は、軸受42に対して電動モータMの軸線方向外方に位置している。
また、ボス部22bには連通孔22cが形成されており、この連通孔22cは、電動モータMの軸線方向において軸受24、42の間に位置し、ボス部22bの半径方向に延在している。
また、ガイド部材22のフランジ部22aにはガイドリブ22dが設けられており、このガイドリブ22dは、フランジ部22aから電動モータMの軸線方向の外方に延在している。
カバー13の円筒部13aには連通孔13bが形成されており、この連通孔13bの上方の開口端は、ガイドリブ22d側に開口し、連通孔13bの下方の開口端は、軸受43の軸線方向一端部側に開口している。
トランスアクスルケース11の底部にはストレーナ51が設けられており、トランスアクスルケース11の底部に貯留されるオイルは、ストレーナ51で濾過された後に、図示しないオイル供給管を通してオイルポンプに供給されるようになっている。
そして、オイルポンプから油路46d、46c、46b、46aを介してオイルパイプ44に供給されたオイルは、吐出孔44a〜44eから吐出(または滴下)されて、電動モータMの高温部である三相コイル20のコイルエンド20a、20bを主として冷却するとともに、軸受24、42、43の潤滑を行うようになっている。
一方、オイルパイプ44の上方に位置する第1のケース12にはブリーザ孔52が形成されている。このブリーザ孔52は、吐出孔44a、44cの間に位置しており、トランスアクスルケース11の内部と外部とを連通する開口から構成されている。
また、第1のケース12の上部にはブリーザパイプ53が取付けられており、このブリーザパイプ53は、ブリーザ孔52に連通する一端部と外気に開口する他端部とを備え、トランスアクスルケース11の内部と外部とを連通している。
また、本実施の形態のトランスアクスル10は、電動モータMの回転中心軸Rとディファレンシャルギヤ16の回転中心軸Rが同軸上に設置されているため、トランスアクスル10が長尺となる。
図1の構成のトランスアクスル10においては、タイヤが路面に対してスリップとグリップを繰り返して、左右のドライブシャフト38、41が差回転をしたときに、ドライブシャフト38、41が独立した捩り運動したときに発生する捩り振動の影響が及ぶ。
そして、ドライブシャフト38、41のそれぞれにおいて、この捩り運動による捩り振動が固有振動数と一致すると共振が励起され、捩り振動が増幅することとなる。なお、ドライブシャフト38とドライブシャフト41は長さが異なっているため、互いに異なる固有振動数を有する。
また、トランスアクスル10においては、ドライブシャフト38と比較してドライブシャフト41が長いため、長い側のドライブシャフト41において、捩り振動の影響が大きくなるが、ドライブシャフト41は、周囲との隙間の関係から、剛性を高くするために直径を増大することが困難である。
また、本実施のトランスアクスル10のように、電動モータMによって駆動輪を駆動する電気自動車両の動力伝達装置として構成されている場合は、電動モータMの慣性重量が大きいため、捩り振動の影響が大きくなる。
そこで、本実施のトランスアクスル10は、以下に説明するように、ドライブシャフト41の捩り振動を減衰する捩り振動減衰機構60を備えている。この捩り振動減衰機構60は、仕切壁12aとプラネタリキャリア30の間に配置され、ドライブシャフト41に対して摺動して相対回転可能に設けられている。
図2に示すように、捩り振動減衰機構60は、ドライブシャフト41の外周からラジアル方向に離隔して配置された慣性部材61と、ドライブシャフト41の外周面に弾性的に接触するとともにこのドライブシャフト41の外周面に摺動して慣性部材61をドライブシャフト41に対して相対回転可能に保持する3つのスプリング62と、を備えて構成されている。
慣性部材61は、ドライブシャフト41の回転中心と等しい中心を有する円環状に形成された金属等から構成されており、一定のマスを有している。慣性部材61は、ドライブシャフト41の外周からラジアル方向に所定距離だけ離隔する内径および外径を有しているが、慣性部材61の内径および外径は、ドライブシャフト41へのスラスト方向の装着部位や、慣性部材61のマス等に応じて設定される。
スプリング62は、慣性部材61側の一端部62aからドライブシャフト41側の他端部62bにかけてドライブシャフト41側に凸状の弧を描く半円弧状に形成されており、一端部62aが慣性部材61の内周面に固定されており、他端部62b側をドライブシャフト41の外周面に付勢している。
また、スプリング62は、他端部62bの近傍において付勢力によりドライブシャフト41の外周面に弾性的に接触する摺動部62cを備えている。本実施の形態では、捩り振動減衰機構60は、ドライブシャフト41の回りに120°の等間隔で配置された3つのスプリング62を備えており、これら3つのスプリング62が各摺動部62cでドライブシャフト41に接触することにより、慣性部材61をドライブシャフト41の外周上に保持している。
摺動部62cにおける付勢力の向きは、図2に矢印で示すように、ドライブシャフト41の回転中心の方向となっている。また、摺動部62cにおける付勢力の大きさは、ドライブシャフト41に捩り振動が発生していないときに、摺動部62cとドライブシャフト41との間の摩擦力により、ドライブシャフト41の回転に伴って慣性部材61が一体的に回転できるとともに、ドライブシャフト41に捩り振動が発生しているときに、捩り振動によるトルクが摺動部62cとドライブシャフト41との間の摩擦力に勝って、ドライブシャフト41が慣性部材61に対して相対回転できる程度の大きさとなっている。
次に、作用を説明する。本実施の形態のトランスアクスル10の捩り振動減衰機構60は、ドライブシャフト41の外周からラジアル方向に離隔して配置された慣性部材61と、ドライブシャフト41の外周面に弾性的に接触するとともにこのドライブシャフト41の外周面に摺動して慣性部材61をドライブシャフト41に対して相対回転可能に保持する3つのスプリング62と、を備えて構成されている。
このため、ドライブシャフト41に捩り振動が発生していない状態である捩り振動非発生時には、図3(a)に示すように、スプリング62の摺動部62cにおいてドライブシャフト41の外周面との間に滑りが発生することなく、ドライブシャフト41と慣性部材61とが一体的に回転することとなる。
図3(a)において、ドライブシャフト41は矢印Aで示すように時計回りに回転し、慣性部材61も矢印Cで示すように時計回りにドライブシャフト41と等しい角速度で回転している。
一方、タイヤが路面に対してスリップとグリップを繰り返す等によってドライブシャフト41に捩り振動が発生した状態である捩り振動発生時には、図3(b)に示すように、捩り振動によるトルクが摺動部62cとドライブシャフト41との間の摩擦力に勝って、スプリング62の摺動部62cにおいてドライブシャフト41の外周面との間に滑りが発生する。
このため、ドライブシャフト41は、捩り振動により矢印Aで示す時計回りと矢印Bで示す反時計回りとの間で回転方向が相対的に変化するのに対し、慣性部材61は、ドライブシャフト41の振動に追従せず、矢印Cで示す時計回りに回転を続ける。すなわち、ドライブシャフト41と慣性部材61との間に相対回転が発生することとなる。
そして、ドライブシャフト41と慣性部材61との間に相対回転が発生すると、スプリング62の摺動部62cとドライブシャフト41の外周面との間の摺動抵抗が発生するため、この摺動抵抗によって、ドライブシャフト41の捩り振動が減衰される。
また、ドライブシャフト41に捩り振動減衰機構60を設けて摺動抵抗を発生させることにより、ドライブシャフト41に発生する固有振動数が高い方向に変化するため、捩り振動が減衰される。
なお、ドライブシャフト41に設けられた捩り振動減衰機構60は、ドライブシャフト41で発生した振動だけでなく、ドライブシャフト38や他の回転軸で発生してドライブシャフト41に伝播した捩り振動も減衰するものである。
また、本実施の形態では、捩り振動減衰機構60がドライブシャフト41の軸線方向中央部よりもディファレンシャルギヤ16寄りに配置されているが、捩り振動による回転軸の捩れ角は軸線方向中央部において最も大きくなるため、ドライブシャフト41の軸線方向中央部に捩り振動減衰機構60を配置することが好ましい。
また、本実施の形態は、電動モータMの回転中心軸R(ロータシャフト21の回転中心軸)とディファレンシャルギヤ16の回転中心軸R(デフケース31の回転中心軸)が同軸上に設置された構成のトランスアクスル10において、ドライブシャフト41に捩り振動減衰機構60を備えているが、図4に示すように、カウンタドライブギヤ71が設けられた電動モータ72の出力軸73と、カウンタドリブンギヤ74およびファイナルドライブギヤ75が設けられたカウンタシャフト76と、ファイナルギヤ77が設けられたディファレンシャル装置78の回転軸(ドライブシャフト79、80)とが互いに異なる軸上に配置されたトランスアクスル70において、カウンタシャフト76に捩り振動減衰機構60を備えるように構成しても、カウンタシャフト76の捩り振動を減衰することができる。
図4のトランスアクスル70においては、電動モータ72の動力がカウンタドライブギヤ71、カウンタドリブンギヤ74、ファイナルドライブギヤ75、ファイナルギヤ77、ディファレンシャル装置78を介してドライブシャフト79、80に分配されるが、タイヤ81、82が路面に対してスリップとグリップを繰り返す等によってカウンタシャフト76に捩り振動が発生した場合、または、他の回転軸で発生した捩り振動がカウンタシャフト76に伝播した場合は、カウンタシャフト76と捩り振動減衰機構60との間で発生する摺動抵抗によってカウンタシャフト76の捩り振動を減衰することができる。
また、本実施の形態の捩り振動減衰機構60は、図示省略するが、慣性重量が大きくなるシーブを有するCVT(Continuously Variable Transmission:連続可変トランスミッション)を備える動力伝達装置の回転軸に設けた場合も、捩り振動を減衰させることができる。
以上のように、本実施の形態では、捩り振動減衰機構60が、ドライブシャフト41の外周からラジアル方向に離隔して配置された慣性部材61と、ドライブシャフト41の外周面に弾性的に接触するとともにドライブシャフト41の外周面に摺動することで慣性部材61をドライブシャフト41に対して相対回転可能に保持するスプリング62と、を備えたものから構成されている。
この構成により、ドライブシャフト41と慣性部材61との間に相対回転が発生すると、スプリング62の摺動部62cとドライブシャフト41の外周面との間に摺動抵抗が発生するため、この摺動抵抗によって、ドライブシャフト41の捩り振動を減衰することができる。
また、慣性部材61とスプリング62から構成される捩り振動減衰機構60は、部材数が少なく簡素な構造であるとともにトランスアクスルケース11等の他の部材の構造を大きく変更することなくドライブシャフト41に設けることができるため、捩り振動減衰機構60を設けることによりトランスアクスル10の構造が複雑化することがない。
したがって、構造を複雑化することなく、ドライブシャフト41の捩り振動を有効に減衰させることができる。
以上説明したように、本発明は、構造を複雑化することなく、駆動系の回転軸の捩り振動を有効に減衰させることができるものであり、特に駆動系の回転軸の捩り振動を減衰させる動力伝達装置の捩り振動減衰機構に有用である。
10、70 トランスアクスル(動力伝達装置)
11 トランスアクスルケース
16 ディファレンシャルギヤ
17 ロータ
18 ステータ
19 ステータコア
20 三相コイル
31 デフケース
36 ピニオンギヤ
37a、37b サイドギヤ
38、41 ドライブシャフト(回転軸)
60 捩り振動減衰機構
61 慣性部材
62 スプリング(保持部材)
62a 一端部
62b 他端部
62c 摺動部
76 カウンタシャフト(回転軸)

Claims (1)

  1. 複数の回転軸によりエンジンの動力をタイヤに伝達する動力伝達装置の捩り振動減衰機構であって、
    前記回転軸の外周からラジアル方向に離隔して配置された慣性部材と、
    前記回転軸の外周面に弾性的に接触するとともに前記回転軸の外周面に摺動することで前記慣性部材を前記回転軸に対して相対回転可能に保持する保持部材と、を備えたことを特徴とする動力伝達装置の捩り振動減衰機構。
JP2012007160A 2012-01-17 2012-01-17 動力伝達装置の捩り振動減衰機構 Pending JP2013148124A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012007160A JP2013148124A (ja) 2012-01-17 2012-01-17 動力伝達装置の捩り振動減衰機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012007160A JP2013148124A (ja) 2012-01-17 2012-01-17 動力伝達装置の捩り振動減衰機構

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013148124A true JP2013148124A (ja) 2013-08-01

Family

ID=49045815

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012007160A Pending JP2013148124A (ja) 2012-01-17 2012-01-17 動力伝達装置の捩り振動減衰機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013148124A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019001399A (ja) * 2017-06-19 2019-01-10 本田技研工業株式会社 動力装置の支持構造
JP7458697B2 (ja) 2018-07-17 2024-04-01 株式会社エクセディ 動力伝達システム、及び減衰機構

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019001399A (ja) * 2017-06-19 2019-01-10 本田技研工業株式会社 動力装置の支持構造
US10746278B2 (en) 2017-06-19 2020-08-18 Honda Motor Co., Ltd. Support structure of power system
JP7458697B2 (ja) 2018-07-17 2024-04-01 株式会社エクセディ 動力伝達システム、及び減衰機構

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5640094B2 (ja) ハイブリッド車両用駆動装置
JP4293263B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP6036700B2 (ja) 車両用動力伝達装置
JP6196827B2 (ja) 駆動装置
WO2009128288A1 (ja) ハイブリッド車両用駆動装置
JP5605710B2 (ja) 動力伝達装置
JP5812182B2 (ja) ハイブリッド車両の駆動装置
CN107002815A (zh) 具有一件式的毂法兰的双质量飞轮
CN104040214A (zh) 离心力摆
JP5488441B2 (ja) トルクリミッタ付ダンパ装置
WO2014181471A1 (ja) ダンパ装置
WO2013171871A1 (ja) 動力伝達装置
JP2010254230A (ja) 駆動力伝達装置
WO2014013333A2 (en) Transaxle installation device
JP5136697B2 (ja) ダイナミックダンパ装置
JP2013148124A (ja) 動力伝達装置の捩り振動減衰機構
JP2013104558A (ja) エンジンのフライホイールの慣性増大装置
JP2013148123A (ja) ディファレンシャル装置の捩り振動減衰機構
JP2003104076A (ja) 車両の駆動装置
JP5585377B2 (ja) トルクリミッタ機構を備えたダンパ装置
JP2011127657A (ja) 捩じり振動減衰機構
JP2012137115A (ja) 動力伝達装置
KR20170019452A (ko) 클러치 디스크 및 마찰 클러치 장치
JP6534943B2 (ja) ハイブリッド車両の動力伝達装置
JP2020005441A (ja) 駆動用電動機及び電動車両